2020-06-15

[EFSA]意見等

-全ての動物種用飼料添加物としてのリジン及びグルタミン酸の鉄キレートの有効性

Efficacy of iron chelates of lysine and glutamic acid as feed additive for all animal species

EFSA Journal 2020;18(6):6164 12 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6164

 

-全ての動物種用飼料に官能的添加物として使用する際のウコン(Curcuma longa L. rhizome)由来ターメリック抽出物、ターメリックオイル、ターメリックオレオレジン及びターメリックチンキの安全性と有効性

Safety and efficacy of turmeric extract, turmeric oil, turmeric oleoresin and turmeric tincture from Curcuma longa L. rhizome when used as sensory additives in feed for all animal species

EFSA Journal 2020;18(6):6146  12 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6146

 

-食品サプリメントに栄養目的で添加されるセレン源としての亜セレン酸トリグリセリドの安全性についての科学的意見

Scientific opinion on the safety of selenite triglycerides as a source of selenium added for nutritional purposes to food supplements

EFSA Journal 2020;18(6):6134 11 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6134

欧州委員会の要請を受けて、栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、EC指令2002/46/ECの観点から、EU規則2015/2283に従って、新規食品(NF)としての亜セレン酸トリグリセリド、セレン源として食品サプリメントに栄養目的で添加する際の安全性、この供給源からのセレンの生物学的利用能についての意見を出すよう求められた。提案されたこのNFは、これまでのところ文献に記載されたの最初の親油性有機セレンである。それは天然に生じない個々のセレンを含む脂質の混合物から成る。パネルは、このNFの組成に関して提出された情報はこの製品の特徴を完全に記述していないと考えた。このNFの吸収、分布、代謝、排出の特徴を評価するために提出されたデータから、どの化学形態のセレンが全身で利用できるのか、セレンの生理的機能を果たすための機能的なセレン体内プールに入るのかを確立できない。このNFは摂取や吸収後にセレンの既知の形態に変換されるとは論証されていないため、このNFは体内で未知の特性を持つ生体態異物として扱うべきとパネルは考えた。ラットの亜慢性毒性試験から、食事からのセレンについて他の研究で示されているように、肝臓を標的臓器とする所見に基づいて、パネルは一般毒性2 mg Se/kg 体重 (bw)/ 日を最小毒性量(LOAEL)と導出した。このNFは吸収されセレンを提供するが、生物学的利用能が定められていない未知の形態で、とパネルは結論した。パネルは意図した使用条件でこのNFの安全性は確立できないと結論した。

 

-ジャガイモのクロルプロファムの暫定MRLs設定に関する理由付き意見

Reasoned opinion on the setting of temporary maximum residue levels for chlorpropham in potatoes

EFSA Journal 2020;18(6):6061  10 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6061

EFSAは、消費者へのジャガイモのクロルプロファムに提案された暫定最大残留基準(tMRL)の安全性についてEC規則No 396/2005条項43により理由付き意見を出すための委任を欧州委員会から受け取った。有効成分クロルプロファムに基づく発芽抑制剤は、複数の季節にわたって欧州の商業保管施設で広く使用されている。クロルプロファムの認可が更新されないことを受けて、ジャガイモ取引機関の代表とクロルプロファムの製造業者は、収穫後処理としてクロルプロファムの散布歴のある、施設に保管されている未処理のジャガイモの定量限界(LOQ)以上の交差汚染の問題を報告した。評価担当加盟国(EMS)オランダは、EC規則No 396/2005条項6(2) 及び 16 (1)(a)に従って、商業保管の交差汚染に対処するためにジャガイモのクロルプロファムのtMRLの設定の申請を提出した。EMSは0.3 ~0.5 mg/kgの範囲の量でこの有効成分のtMRLを設定するよう提案した。様々な方法論の入手可能なデータや情報に基づき、任意のtMRL提案  0.3、0.4、0.5 mg/kgが導出され、指標となる消費者リスク評価が行われた。提案されたtMRL提案は不確実性とさらなる削減手段の検討が必要である。それを見込んで、EFSAはジャガイモの交差汚染から生じるクロルプロファムや3‐クロロアニリンの短期及び長期摂取は消費者の健康リスクを示しそうもないと結論した。

 

[EU]RASFF Week24-2020

警報通知(Alert Notifications)

アイルランド産イヌ用補完飼料のビタミンD3高含有(4190 IU /kg)、台湾産オランダ経由ミニゼリーカップのE410の摂取による窒息リスク及びカラギーナン(E407)未承認、オランダ産ヘンプティーの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (236 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

米国産チョコレートの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、ベトナム産乾燥きのこの亜硫酸塩(56.1 mg/item)非表示、スペイン産スイカのオキサミル(0.12 mg/kg)、ベトナム産乾燥シイタケの亜硫酸塩(19.5 mg/kg)非表示、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オランダ産飼料用パーム脂肪酸留出物のダイオキシン及びダイオキシン様PCB (合計: 0.636 pg WHO TEQ/g)、ドイツ産食品サプリメントの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、オンライン販売されているいくつかのキャンディー、チョコレート、ハチミツ、ホエイパウダー製品の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、オンライン販売されているギーバターとレモン風味のお菓子の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

イラン産アラブ首長国連邦から発送した殻をとったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 15.9; Tot. = 18.5 µg/kg)、米国産トルコから発送した殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 35.6; Tot. = 39.8 / B1 = 70.3; Tot. = 74.7 µg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.897 mg/kg)、米国産殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 69; Tot. = 76 µg/kg)、中国産有機ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 21; Tot. = 24 µg/kg)、シリア産アプリコットとイチジクのジャムの安息香酸(E210) (210 mg/kg)未承認及び亜硫酸塩(304 mg/kg)非表示、トルコ産ペッパーのアセタミプリド(0.768 mg/kg)及びエトキサゾール(0.066 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.045 mg/kg)及びホスチアゼート(0.864 mg/kg)、イラン産トルコから発送したピスタチオのアフラトキシン(B1 = 88.5; Tot. = 102.5 µg/kg9、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.044 mg/kg)・アセタミプリド(0.688 mg/kg)及びクロチアニジン(0.129 mg/kg)、

 

[EU]査察報告

スペイン―マグロ類由来水産物

Spain 2019-6678―Fishery products derived from tuna species

07/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4280

2019年5月7~17日にスペインで実施した、スペインの管理システムの組織と機能を評価し、ツナ種由来水産物が食品衛生、添加物、表示について関連するEU条件に従って生産されていることを評価するための査察。管轄機関は、マグロ類の添加物の使用と冷凍船を含む、水産物の生産チェーン全体をカバーする文書化手順に支えられた公的管理システムを開発した。ハザード分析と重要管理点計画の査察でいくつか欠点を提示した。2017年の助言提案された是正措置は満足のいくもので、大部分あるいは一部実行されている。

 

[EU]FAQ: EUで食品廃棄を減らす

Frequently asked questions: Reducing food waste in the EU

Brussels, 15 June 2020

https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/safety/docs/fw_lib_reduce-food-waste-eu_faqs.pdf

 

[NSW] Foodwise issue 53, Autumn 2020

June 2020

https://www.foodwise.foodauthority.nsw.gov.au/edition53/index.html

コロナウィルスに関連する事業者に向けた情報を含むFoodwiseニュースレター。

 

[NSW] 新型コロナウィルス助言

COVID-19(Cornavirus)advice

2 June 2020,4:50pm

https://www.foodauthority.nsw.gov.au/help/covid-19-advice

NSWより消費者、事業者への助言の更新。

 

[HK] 法令違反

乾燥イチジクが栄養表示規則に違反

Prepacked Dried figs not in compliance with nutrition label rules

Wednesday, June 10, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200610_7986.html

韓国産イチジクが、糖分19.6g /100g、塩分105㎎/100gという申告のところ、糖分44.3g /100g、塩分190㎎/100gであった。

 

-台湾政府より‐インドネシアから台湾に輸入された「QTELAQtela」に、台湾の基準に違反する汚染物質の青酸グリコシド/シアン化水素/シアン化水素酸が検出された報告 。

The authority of Taiwan – Report of a batch of「QTELAQtela」imported from Indonesia to Taiwan was found to contain a contaminant, Cyanogenic glycosides/Hydrogen cyanide/Hydrocyanic acid, at a level which is not complying with the Taiwan standards.

9 June 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20200609_1.pdf

 

[FDA]警告文書

-organic-beauty-recipes.com

June 08, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/organic-beauty-recipescom-607753-06082020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。

 

-Iacofano’s  Group LLC

June 08, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/iacofanos-group-llc-606657-05282020

CGMP食品製造、包装または保管に関する衛生管理、不良品の問題。

 

[FSAI] 窒息の可能性のためABC Jelly Fruit Cup Sweetsの回収措置

Recall of ABC Jelly Fruit Cup Sweets Due to Possible Choking Risk

Tuesday, 9 June 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/ABC_jelly_products.html

ジェル形成食品添加物成分のため、窒息の可能性があるため、ABC Jelly Fruit Cup Sweetsの回収措置。製品写真あり。

 

[FSAI] 未承認の高濃度の農薬のためDurra Pickled Grape Leavesの回収措置

Withdrawal of Recall of Durra Pickled Grape Leaves due to Unauthorised and Elevated Levels of Pesticides

Monday, 8 June 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/durra_pickled_grape_leaves_withdrawal.html

未承認の高濃度の農薬のためDurra Pickled Grape Leavesの回収措置。製品写真あり。健康上の懸念はない。

(具体的農薬名や濃度記載なし)

 

[Codex]韓国が第19回食品安全の日を祝う

Korea holds 19th annual celebration of food safety

12/06/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1287805/

6月12日

 

[NASEM]環境神経科学:化学物質が脳の健康と疾患にどう影響するかの理解を進める-ワークショップ

Environmental Neuroscience: Advancing the Understanding of How Chemical Exposures Impact Brain Health and Disease--A Workshop

https://www.nationalacademies.org/event/06-25-2020/environmental-neuroscience-advancing-the-understanding-of-how-chemical-exposures-impact-brain-health-and-disease-a-workshop?

2020年6月25日にバーチャル公聴会

・神経毒性暴露についてわかっていること、それがどのように神経発達および神経変成性疾患につながるか

・新しい技術やアプローチでこれまでわかっていなかった神経毒性化合物の同定や累積暴露、生涯にわたる相互作用影響のより良い理解に結びつけるか

・研究が不足している部分と神経科学者と環境健康研究者の協力について議論

 

論文

-補完代替医療:マレーシアのファーマコビジランスと重大有害反応の予測因子

Complementary and Alternative Medicine: Pharmacovigilance in Malaysia and Predictors of Serious Adverse Reactions

Sameerah Shaikh Abdul Rahman, Zoriah Aziz

J Clin Pharm Ther. 2020 Jan 11.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31925959/

データベース74997件のうち930件(1.2%)がCAM製品の関係するものでそのうち242件(26%)が重症で死亡は36。重症リスクが増えるのは慢性疾患に使う、他の病気がある、医薬品と同時使用。

 

-研究が性格特性とトイレットペーパーの買いだめを結びつける

Research links personality traits to toilet paper stockpiling

12-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/p-rlp061020.php

PLOS ONE。ソーシャルメディアで募った35カ国1029人の成人のアンケート調査。トイレットペーパーの買いだめを最も確実に予測する因子はパンデミックによる脅威の認識。より恐ろしいと感じた人の方がより多く溜める。他の要因は情動性と誠実性(完璧主義)、高齢者、アメリカ人

 

-COVID-19:ソーシャルメディアの使用と中国系アメリカ人への偏見の関係

COVID-19: Relationship between social media use and prejudice against Chinese Americans

12-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/f-crb060420.php

Frontiers in Communication

(こういうウェブでアンケートとってみました系の社会調査ってどう使えばいいのだろう)

 

-The Lancet Child & Adolescent Health:専門家が物理的距離をとることが青少年の仲間関係や社会的発達に与える影響にもっと注意するようよびかける

The Lancet Child & Adolescent Health: Experts call for more awareness of the potential impact of physical distancing on adolescent peer relationships and social development

12-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/tl-pss061220.php

意見。COIVD-19期に物理的距離をおくことの負の影響を青少年が受けやすい可能性について。

(少子化は加速するだろうと予測されるけど)

 

その他

-反ワクチンが集まるとマスクが落ちる

Masks Fall When Antivaxxers Congregate

Jonathan Jarry M.Sc. | 11 Jun 2020

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-pseudoscience/masks-fall-when-antivaxxers-congregate

反ワクチンのスピーカーが人気だったAutismOneバーチャル会合への参加記録。基調講演はRobert F. Kennedy Jr.で、ワクチンに反対する運動を革命戦争になぞらえ、視聴者に学校の教育委員会に入ったり政治事務所を運営したりして反ワクチンを推進するよう勧めている。

 

-改善しよう  世界母乳育児傾向評価報告書

Making A Difference

An Evaluation Report of the World Breastfeeding Trends Initiative (WBTi) in Mobilising National Actions on Breastfeeding and IYCF

2020

https://www.worldbreastfeedingtrends.org/uploads/resources/document/making-a-difference-wbti-eval-report-2020.pdf

(日本は含まれない)

 

-GM種子:議論、そして種まき騒動

GM seeds: the debate, and a sowing agitation

Written by Parthasarathi Biswas June 12, 2020

https://indianexpress.com/article/explained/gm-seeds-the-debate-and-a-sowing-agitation-6452999/

カリフ(モンスーン前の作物を植える時期)の時期を迎え農家はGMトウモロコシ、大豆、ナス、除草剤耐性綿を大量に植えようとしている-それらは認可されていないにも関わらず

昨年もそうだった。インドで認可されているのはBt綿のみだが未承認作物の栽培は広く行われている

 

-世界のバイオテクノロジー作物分野ではトップ5が99%を占める

ISAAA

Top 5 Biotech Crops Occupy 99% of Global Biotech Crop Area

June 10, 2020

http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/article/default.asp?ID=18166

インフォグラフィクス

トップ5は大豆、トウモロコシ、綿、キャノーラ、アルファルファ

2018年、遺伝子組換え作物を採用している国は70カ国、栽培が26カ国で44が輸入。

食品や飼料として、および環境放出が認可されている作物は31で、栽培されているのは26カ国13作物。そのうち5つが99%の面積を占める

 

-ロックダウンにより食べ物を探すことを強いられ、キノコ中毒

Forced to Forage for Food by the Lockdown, and Poisoned by Mushrooms

13/06/2020

https://science.thewire.in/environment/assam-mushroom-poisoning-forage-lockdown-food-shortage/

インドNorth Lakhimpurのキノコ中毒事例紹介から始まるインドの状況の報告

 

-Lancetの編集者が英国政府のCovid-19パンデミックの舵取りを「壊滅的」と批判

Lancet editor attacks UK government for 'catastrophic' handling of Covid-19 pandemic

Robin McKie Published on Sun 14 Jun 2020

https://www.theguardian.com/world/2020/jun/14/lancet-editor-attacks-uk-government-for-catastrophic-handling-of-covid-19-pandemic

Richard HortonはObserverの今週のNew Reviewでのインタビューで政府を厳しく非難

英国の対応は「遅く、自己満足していて油断していた」と。SAGEも適切に機能しなかった

1月にLancetに中国からの論文が掲載された時に、英国の学者は何故中国の科学者に連絡しなかったのか、とか

Richard Horton 著「Covid-19大災害:何が間違っていてどうすれば再発しないのかThe Covid-19 Catastrophe: What’s Gone Wrong and How to Stop It Happening Again –」

(Andrew Wakefieldを擁護した過去があるRichard Horton編集長、今はステージ4悪性黒色腫で免疫療法中とのこと)

 

-マスクはコロナウイルスの拡散を止めるのに役立つと研究は言う-しかしそれをつけるのはまだ政治的問題

Masks Help Stop The Spread Of Coronavirus, Studies Say—But Wearing Them Still A Political Issue

Sarah HansenForbes Staff

https://www.forbes.com/sites/sarahhansen/2020/06/13/masks-help-stop-the-spread-of-coronavirus-studies-say-but-wearing-them-still-a-political-issue/#2307c35f604e

フェイスマスクが(手を洗うことと社会的距離と一緒に)コロナウイルスのヒト-ヒト感染予防に効果的であると示唆するデータがたくさんあるにも関わらず、一部の地域では患者が増えていてもまだ党派に別れた政治的問題である。

マスクの政治化の一要因は政府の強引な義務化への反発であろう。

マスクはこの数週間ひどく政治化した問題だった