2020-06-23

[BfR]食品中のフランに関するQ&A

Questions and answers on furan in food

Updated BfR FAQ of 28 May 2020

https://www.bfr.bund.de/en/questions_and_answers_on_furan_in_food-128365.html

フランは食品を加熱する際に形成される可能性のある揮発性化合物である。特に高濃度のフランは、密閉容器内で高温にさらされるコーヒーやインスタント食品など焙煎食品に含まれている。

ラットとマウスの試験では、高用量のフランががんを誘発している。動物実験で実際にフランがどのようにがんの原因となっているかはまだ決定的に解明されていない。更に、ラットの試験からフランの長期摂取は肝傷害の原因となる可能性があると示されている。

そのため、食習慣から多量のフランを定期的に摂取する特定の消費者グループはリスクにさらされている可能性がある。これは特に、そのまま喫食可能なベビーフードを定期的に摂取することで比較的高濃度のフランに暴露している可能性のある乳児に当てはまる。

消費者は食習慣を通じて食品由来のフランの摂取量を変えることができる。さらに、適度な状態で調理することで食品調理中のフランの形成を大幅に最小化できる(「焦がさないで、きつね色にしよう」)。撹拌すると食品由来の揮発性フランの気化は促進される。

フランとは?

フランは食品を加熱する際に生じる可能性のある揮発性の高い物質である。このためフランは「熱による汚染物質(heat-induced contaminant)」とも呼ばれる。

フランは食品中にどのように生じる?

フランがどのように食品中に生じるかについては、食品の成分組成により異なる可能性があり、いくつかの可能性が考えられている。加熱の工程が関連するすべての形成経路の基になる。

特に、炭水化物(グルコース、フルクトース、ラクトースなど)、アミノ酸(セリン、システインなど)、アスコルビン酸とその誘導体、多価不飽和脂肪酸の熱分解や、加熱過程中のカロテノイドの熱酸化がフランを形成する可能性があると、様々な研究が示している。

どの食品に特に高濃度のフランが含まれている?

フランは様々な食品に検出されている。特に高濃度のフランは焙煎した食品 (コーヒー、ココア、ナッツ、トーストしたパン、ポップコーンなど)あるいは密閉容器で加熱された食品(缶詰、調理済み食品、ベビーフードなど) に含まれている。

フラン摂取に特に寄与している食品は?

乳幼児は主にインスタント食品からフランに暴露している。穀物やシリアル製品(朝食用シリアルなど)は子供や青年によるフランの摂取に最大に寄与している。コーヒー摂取は成人のフラン摂取の主な原因と考えられている。

食品中のフランの発生は新しい現象?

食品中のフランの発生は新しい現象ではない。フランは食品の調理中に生じるが、多くは数十年も使用されている保存食品の加熱過程にも生じる。

フランはなぜ懸念の原因となるのか?

ラットとマウスの長期試験で、高用量のフランががんを誘発している。更にラットの試験で、フランの長期摂取は肝臓に損傷を与える可能性があることが示されている。

そもそもフランが動物実験でどのようにしてがんの原因になり、肝臓に損傷を与えるかは、まだ決定的に解明されていない。入手可能なデータを基にして、酸化ストレス、間接的な発がんメカニズム(エピジェネティック変化、酸化的DNA傷害)などの様々な作用メカニズムだけでなく、直接遺伝毒性発がん性メカニズム(DNAと反応の早いフラン代謝物cis-2-butene-1,4-dial (BDA)との付加体生成)が議論されている。

現在、ヒトのフランの影響に関する信頼できる情報がない。だが、フランの長期摂取がヒトのがんの発症につながる可能性もある。

フランが引き起こす健康リスクとは?

欧州食品安全機関(EFSA)は2017年に食品中のフランが引き起こす健康リスクの包括的評価を発表した。入手可能なデータを基にして、EFSAは、フランの発がん性の影響として、遺伝毒性の作用メカニズム (フラン代謝物cis2-butene-1,4-dial (BDA)とDNAの反応による付加体形成) を排除できなかった。現在の知見では、十分確実に健康リスクが増加しないと仮定できる値以下の遺伝毒性発がん性物質の閾値を導出することはできない。そのため、EFSAはフランに耐容一日摂取量(TDI)を設定していない。

最終的にEFSAは、食習慣により大量のフランに定期的に暴露している特定の消費者グループには健康リスクがありうると結論した。

フランはベビーフードにも検出されている。赤ちゃんは特にフランのリスクがある?

ベビーフードのフラン濃度が比較的高いため、乳児は他の年齢グループよりも体重kg当たり平均してより高い濃度に暴露している。乳幼児期に高濃度のフランを一時摂取することが実際に特定の健康リスクを引き起こすかどうかは、現時点では入手可能な情報に基づいて確実に評価できない。だが、乳児は一般に特に感受性の高い人口集団で、そのためベビーフードのフラン量は予防策として削減した方が良い。

フランはどのようにして削減できる?

消費者は食習慣を通じてフランの摂取に影響を与えることができ、また食品の調理中にフランの形成を大幅に最小化することもできる。

・一般的に、食品に関する潜在的な健康リスクは、様々な食品を選ぶという一般的な助言に従うことで削減できる。そうすることで、時々食品中に生じることが予想される潜在的に有害な様々な物質への偏った暴露を予防することが出来る。これに関して、特に多量のフランを含む食品に特別な注意が払う必要がある。

・乳幼児は主にそのまま喫食可能なベビーフードからフランに暴露している。穀物とシリアル製品(朝食用シリアルなど)は子供と青年のフランの摂取に最大の貢献している。成人ではコーヒーの摂取がフランへの最も重要な暴露源である。

・食品を炒ったり焦げ目をつける際に、褐色の色合いが増すとフラン濃度はかなり上がる。そのため、ここでの助言は「焦がさないで、きつね色にしよう」である。

・フランは揮発性物質なので、加熱中に食品を撹拌し、その後もふたを開けた容器に入れることで濃度を低減化できる。このような条件で、揮発性のフランはよりよく気化する。

・これらの食品は調理中に加熱しすぎなければ、新鮮な食材から調理された食品にはごく少量のフランしか存在しない。これはベビーフードにも当てはまる。

 

[EFSA]フルピラジフロン及びDFAの輸入トレランス設定、既存MRLs改訂および条項12 MRLレビューを受けた確証データの評価

Setting of import tolerances, modification of existing maximum residue levels and evaluation of confirmatory data following the Article 12 MRL review for flupyradifurone and DFA

EFSA Journal 2020;18(6):6133  19 June 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6133

EC規則No 396/2005の条項6に従って、申請者Bayer CropScience AG社 と Bayer SAS社は、様々な作物の有効成分フルピラジフロンとその代謝物質ジフルオロ酢酸(DFA)の輸入トレランスを設定し、既存のEU最大残留基準(MRLs)を改訂するために、オランダの国立管轄機関に2件の要請を提出した。この申請には、EC規則No 1107/2009のフルピラジフロンのピアレビューの枠組みで入手できないと確認された残留物に関する確証データを評価するための要請も含まれている。意図した、認可した使用を支持する提出されたデータは、ウチワサボテンとホップ以外の検討中のすべての作物のフルピラジフロンとDFAのMRL提案を導出するのに十分なことが分かったが、グレープフルーツ、ザクロ果実、ブドウの葉、チコリには、適切なMRLを決定するために更なるリスク管理議論が推奨されている。更に、EFSAは輪作で栽培できる作物のDFA残留物を処理するための様々な選択肢を検討するためにリスク管理の議論を推奨した。算出された家畜の給餌負荷から、動物性品目中のフルピラジフロンとDFAの既存のEUのMRLsを改訂する必要があることが示された。植物と動物マトリクスのフルピラジフロンとそのDFAの残留物を管理する執行のための適切な分析法が入手可能である。提出されたデータはEU農薬ピアレビューの枠組みで確認された残留物に関するデータの不足に対処するのに十分だと考えられ、そのため、EU規則2016/1902のDFAとフルピラジフロンのMRLsに設定された脚注は削除された。消費者暴露評価に基づき、急性消費者暴露の懸念はトマト、メロン、セロリ、加工したキクヂシャには除外できなかった。そのため、これらの作物のフルピラジフロンの既存のMRLsを上げることは推奨されない。これらの4つの作物には、フルピラジフロンの以前の使用から生じる土壌からの残留物の取り込みを反映して、DFAのMRL提案が導出された。EFSAは残りの植物由来および動物由来の品目について、フルピラジフロンの意図されたEUの使用と米国やカナダで認可された使用、並びに結果として生じるDFAの残留は、毒性学的参照値を超える慢性や急性の消費者暴露とはならず、そのため消費者の健康リスクを起こしそうもないと結論した。

 

[EU]RASFF Week25-2020

警報通知(Alert Notifications)

中国産セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)抽出物の多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 250 µg/kg)、フランス産生きたザルガイ(Donax Trunculus)の下痢性貝毒(DSP) (オカダ酸=501 µg/kg)、中国産トウガラシのオクラトキシンA (39 µg/kg)、中国産裏ごしスプーンからの一級芳香族アミンの溶出(>0.64 mg/kg)、ベトナム産オランダ経由冷凍真空パックキハダマグロロイン(Thunnus albacares)のヒスタミンによる食品由来アウトブレイク(410; >1600 mg/kg)、スウェーデン産食品サプリメントからのビタミンB6の高摂取量(50 mg/日)、チェコ共和国産ミューズリーのオクラトキシンA (7 µg/kg)、パキスタン産デンマークで包装した有機玄米のアフラトキシン(B1 = 20.6 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

スペイン産チルドアンチョビ(Engraulis encrasicolus)のヒスタミン(最大 196 mg/kg)、ウクライナ産ホエイパウダーの禁止物質クロラムフェニコール(0.22 µg/kg)、エクアドル産バナナのイマザリル( 0.694 mg/kg)、トルコ産ペッパーのブプロフェジン(0.223 mg/kg)、スペイン産チルドメカジキロイン(Xiphias gladius)の水銀(2.26 mg/kg)、ベトナム産キャラメルの摂取による窒息リスク及び未承認カラギーナン(E407)未承認、ポーランド産チルド家禽肉のドキシサイクリン(142.72 µg/kg)、ベトナム産ミニゼリーカップの摂取による窒息リスク及び未承認のカラギーナン(E407)・寒天(E406)・コンニャク(E425)・グアーガム(E412)・キサンタンガム(E415)及びジェランガム(E418)未承認、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ウクライナ産飼料用乾燥不活性酵母の異物混入の疑い(表示されていない尿素: 0.96 %)、ドイツ産飼料用酸化亜鉛のダイオキシン(>1 pg WHO TEQ/g)、ルーマニア産ハンガリー経由食品サプリメントの未承認新規食品成分テアクリン、ポーランド産チョコレートの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパーのホスチアゼート(0.178 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 19.6 / Tot. = 24.1 µg/kg;Tot. = 62 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 7.9 / Tot. = 9.2 µg/kg)、アルゼンチン産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(Tot. = 4 µg/kg)、ウガンダ産ペッパーのシペルメトリン(1.6 mg/kg)・ラムダ-シハロトリン(1.2 mg/kg)及びクロチアニジン(0.096 mg/kg)、イラン産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン(B1 = 27.5; Tot. = 30.3 µg/kg)、インド産チリパウダーのアフラトキシン(B1 = 26.4 µg/kg)、インド産冷凍茹でバナメイエビの禁止物質ニトロフラン(代謝物質)フラゾリドン(AOZ) (AOZ > VR)、トルコ産ペッパーのクロルピリホス(0.144 mg/kg;0.099 mg/kg)、インド産トウガラシのクロロタロニル(0.05 mg/kg)及び未承認物質フィプロニル(0.02 mg/kg)、

 

[EU]査察報告

-管理団体―インドで操業する認可CBが適用するオーガニック製品基準と管理手段

Control Body 2020-7037―Organic production standards and control measures applied by a recognised CB operating in India

20/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4283

2020年1月28日~2月6日までインドの管理団体が適用したオーガニック生産基準と管理手段を評価するための査察。全ての管理者は年一回検査を受けており、追加検査とサンプリングのために十分な件数が選ばれている。追加管理のための管理者の選択が不十分、検査中に綿密な検証がされていないといった弱点があるが、大した問題ではない。インドで運営されているこのシステムやウェブベースのトレーサビリティシステムは、管理団体がオーガニックに由来しない輸入製品を認定していないという合理的な保証を与えている。

 

-クロアチア―オーガニック生産と表示

Croatia 2019-6710―Organic production and labelling

20/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4284

2019年9月24日~10月3日までクロアチアで実施した、オーガニック生産とオーガニック製品の表示に関する管理を評価するための査察。クロアチアには登録されている全てのオーガニック管理者を含む適切な管理システムがある。管理は、管轄機関に正式に認可、承認、管理されている管理団体に委任されている。だが、州検査官の監視は弱点を検出できず、十分な件数のリスクに基づいた追加検査やサンプルがない。フォローアップや違反事業者への措置は満足のいくものではない。違反検出をすぐに通知するよう求められていない。管理者が保留されることはめったにない。これは管理システムの効果を減らしている。

 

-ドイツ―動物の飼料に昆虫の利用

Germany 2019-6646―Use of insects in animal feed

19/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4285

2019年11月11~15日にドイツで実施した、動物用飼料としての昆虫と昆虫由来製品の生産、販売、取引に関する要件の実行を保証するために、動物の副産物(ABP)と飼料に関するEU規則に求められる手段を評価するための査察。昆虫の養殖、取り扱い、加工を行う管理者と飼料用昆虫タンパク質の生産管理者の登録と認可を管理する既存のシステムは、管理者の規則遵守の効果的な検証を可能にしているが、関連する認証生産者には適用されていない。公的管理はリスクに基づき、設定された頻度に従って実行されている。微生物検査のサンプリングやTRACESの昆虫加工動物性タンパク質(PAP)の積荷の到着確認に欠点はあるものの、該当する要件は適切に実行されている。動物副産物(ABP / PAP)に関する問題への助言が含まれていないが、管轄機関はすでに対処するための活動計画を提示している。

 

-ボツワナ―EU輸出用生鮮牛肉

Botswana 2020-6936―Fresh bovine meat intended for export to the European Union

13/05/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4282

2020年1月27~31日に欧州委員会の保健衛生・食の安全総局が実施した査察。EU輸出用生鮮牛肉生産の公的管理と認証システムが適切な保証を提供しているかどうかを評価した。管轄機関には動物の健康や食品安全に関して必要な全要素を含む適切な法的枠組みがある。施設の衛生基準や、生存中や検死の検査の管理は満足のいくもので、適切なトレーサビリティシステムがある。以前の査察報告書の助言への対処活動は十分実行された。2つの問題点が見つかった。

 

[FDA]FDAはある種の食品の輸出認証にQRコードを加える

FDA Adds QR Code to Certain Export Certificates for Food

June 22, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-adds-qr-code-certain-export-certificates-food

米国から輸出されるヒト食品向けの二つのタイプの輸出認証("外国政府への認証Certificate to a Foreign Government" と "輸出可能認証Certificate of Exportability")に、2020年6月29日からQRコードを加えて認証の真正性を簡単に確認できるようにする

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 22, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-22-2020

(一部のみ)

メチレンブルー製品をCOVID-19の予防や治療用に誤解を招く宣伝で売っていたNorth Isle Wellness Centerに警告文書を送付

(メチレンブルースプレーでコロナウイルスからシールドする、等。白点病なの?)

 

[COC]2020年3月12日の議題とペーパー

12 March 2020: agenda and papers (ZIP, 1.02MB)

https://www.gov.uk/government/groups/committee-on-carcinogenicity-of-chemicals-in-food-consumer-products-and-the-environment-coc

・スコーピングペーパー-腫瘍微小環境とその発がん性における役割

がんは遺伝子あるいはエピジェネティックイベントにより誘引されるという研究の歴史から発がん性リスク評価のための試験法は突然変異や遺伝毒性を誘発する能力を観察するよう開発されてきた。しかし近年、遺伝子やエピジェネティック変化の役割は重要であるが、遺伝子の関係しないイベントも関与していることが示唆されている。Hanahanらはそれをがんの10の特質としてまとめている。そのうちのいくつかは、例えば炎症や血管新生や免疫応答の変化は、がんになる前の細胞の近くにいる異なる細胞によって影響され、微小環境の役割への関心が増してきた。化学物質の発がん性評価においては、伝統的パラダイムは遺伝毒性のない化合物や内分泌攪乱のようなものを考慮する場合に問題となる。COCは発がんプロセスにおける腫瘍微小環境の役割を含む先進的アプローチを検討している

・改定ガイダンス二次案(G05):発がん性の用量反応において出発点を同定し強さを推定する

EFSAやWHOのベンチマーク用量モデリングやTTCアプローチのガイダンス改定を反映

・ホライズンスキャンニング

IARCのシフト労働評価は化学物質の発がん性評価にどう影響するか、動物モデルやin vitro、in silicoデータ、新たなアプローチ等を用いた将来の発がん性評価、細胞の微小環境、疫学研究におけるメンデルランダム化、強力な非遺伝毒性発がん物質、等

・2019年COC年次報告書

 

[RIVM]砂糖入り飲料の価格プロモーション禁止:有効性の示唆。文献研究

Banning price promotions on sugar-sweetened beverages: indications for effectiveness. A literature study into the effectiveness of banning price promotions, marketing, and advertising

23-06-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/effectiviteit-van-verbod-op-prijsaanbiedingen

報告書。本文オランダ語

 

[USDA]受粉媒介者を新しい脅威から守る-オオスズメバチAsian Giant Hornet初めての米国での目撃

Protecting Pollinators from A New Threat – First-Ever U.S. Sightings of Asian Giant Hornet

Posted by Elizabeth Hill,  Jun 22, 2020

https://www.usda.gov/media/blog/2020/06/22/protecting-pollinators-new-threat-first-ever-us-sightings-asian-giant-hornet

2019年冬にワシントン州で確認されている。見たら報告

 

[FTC]FTCはオンラインで「リスクのないお試し」との詐欺的宣伝に騙された消費者に総額870万ドル以上の返金小切手を送っている

FTC Sending Refund Checks Totaling More Than $8.7 Million to Consumers Defrauded by Deceptively Marketed Online “Risk-Free Trial” Offers

June 22, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/06/ftc-sending-refund-checks-totaling-more-87-million-consumers

オンラインでの「リスクフリー」お試しに署名したところ実際には全額を課金され知らずに高価な継続購入プランに参加させられていた187425人の消費者に返金小切手を郵送中

Triangle Media Corporationはこの手法でスキンクリームや電子タバコ、ダイエタリーサプリメント等各種商品を宣伝販売していた。

 

[WHO]WHOは人々にMr.ビーンの必須COVID-19チェックリストを使って警戒を続けるよう再確認

The World Health Organization reminds public to remain vigilant through Mr Bean’s Essential COVID-19 Checklist

22 June 2020

https://www.who.int/news-room/detail/22-06-2020-the-world-health-organization-reminds-public-to-remain-vigilant-through-mr-bean-s-essential-covid-19-checklist

アニメーション動画。声はRowan Atkinson

 

論文

-イラン、Golestanの最近のがん発生率傾向と短期予測2004–2025

IARC

Recent cancer incidence trends and short-term predictions in Golestan, Iran 2004–2025

23 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/recent-cancer-incidence-trends-and-short-term-predictions-in-golestan-iran-2004-2025/

イラン北東部の上部消化器がんの多い地域での最近の主要ながんの傾向と短期的予想。2025年までに食道がんは減少するだろうが他の主要ながんは増加するだろう。人口構造の変化が37.8%の寄与でリスク要因の変化は23.5%の寄与

Cancer Epidemiol,

 

-乳がんの個別化早期検出と予防:ENVISIONコンセンサス声明

IARC

Personalized early detection and prevention of breast cancer: ENVISION consensus statement

22 June 2020

https://www.iarc.fr/news-events/personalized-early-detection-and-prevention-of-breast-cancer-envision-consensus-statement/

Nature Reviews Clinical Oncologyに発表された乳がんの個別化早期検出と予防欧州共同体(ENVISION)によるコンセンサス声明。根拠に基づいた個別介入を可能にするためには既存の乳がん検診や予防計画の利益と害を改善すべきでそのために必要な4つの優先的研究分野を同定

 

-コロラドとワシントン州の娯楽用大麻法と交通事故死亡率の変化との関連, 2005-2017

Association of Recreational Cannabis Laws in Colorado and Washington State With Changes in Traffic Fatalities, 2005-2017

Julian Santaella-Tenorio et al.,

JAMA Intern Med.   June 22, 2020 doi:10.1001/jamainternmed.2020.1757

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2767647

娯楽用大麻法はコロラドでは交通事故死の増加と関連するがワシントンではそうではなかった

 

-尿検査があなたの食事の質と-それがあなたの身体にベストフィットかどうかを明らかにする

Urine test reveals quality of your diet -- and whether it's the best fit for your body

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/icl-utr062220.php

米国の1848人の尿の46のいわゆる代謝物を分析した結果がNature Foodに発表された。

例えば飲酒とある種の代謝物には関連があり、柑橘類、果糖、ブドウ糖、ビタミンCの摂取と関連する代謝物もある。ギ酸やナトリウムは肥満や高血圧と関連する。24時間x2の間に尿中に排泄された代謝物と食べたものの関連を確立できれば食事と健康の理解が深まる。 また二番目の研究では19人に4つの食事に従うよう求め尿を「指紋」として使うことを検討した。全く同じ食事をしても尿中代謝物混合物はヒトによって異なる。

Nutriome–metabolome relationships provide insights into dietary intake and metabolism

https://www.nature.com/articles/s43016-020-0093-y

(urinary metabolic profile is more stable within individuals than reported dietary patternsって書いてあるから食事評価には使えないのでは。ナトリウムは食べた量を反映するのだとしても)

 

-作物への抗生物質使用がこれまで考えられていたより多いことを新しい研究が明らかにする

New study reveals use of antibiotics on crops is more widespread than previously thought

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/c-nsr061720.php

CABI Agriculture and Bioscienceに発表された論文では、年に63トンのストレプトマイシンと7トンのテトラサイクリンが東南アジアでコメに散布されていると推定している

作物アドバイザーのうち相当な割合で昆虫の害に効果のない抗生物質を勧めている。量は医療用や動物用に比べると少ない。

 

-地上の植物の研究がナノプラスチックが組織に蓄積することを示す

Research in land plants shows nanoplastics accumulating in tissues

22-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/uoma-ril062220.php

Nature Nanotechnologyに発表された研究。蛍光標識した電荷の異なるナノプラスチックを土に混ぜてシロイヌナズナを育てた結果。

 

その他

-Scienceニュース

「悪夢だ」。如何にしてブラジルの科学者がクロロキンの政争に巻き込まれたか

‘It’s a nightmare.’ How Brazilian scientists became ensnared in chloroquine politics

By Lindzi WesselJun. 22, 2020 ,

https://www.sciencemag.org/news/2020/06/it-s-nightmare-how-brazilian-scientists-became-ensnared-chloroquine-politics

いくつかの大規模試験が残念な結果を示し、クロロキンあるいはヒドロキシクロロキンがCOVID-19の魔法の治療薬になるかもしれないという希望は色あせた。しかしブラジルの研究グループにとって、物語はまだ終わっていない。

4月にブラジルのHeitor Vieira Dourado 熱帯病財団の臨床研究者Marcus LacerdaらのチームがクロロキンがCOVID-19患者の死亡率を上げる可能性を示した研究を発表した。それ以降、彼らは患者に高用量クロロキンを与えて中毒にしたと非難されている。ソーシャルメディアでの攻撃、中傷記事、殺すという脅迫、そして法廷への訴えなどなどでLacerdaらは疲弊している。ほかの科学者等はこの出来事に怯えている。しかしこの試験で患者の約半分が高用量を投与されて重大な副作用、死亡すらしていることは予期できなかったわけではない。ドイツTübingen大学のPeter KremsnerはLacerdaらの試験は「危険な高用量」を使った試験のうちの一つだという。他の研究者には当時は合理的だったという人もいる。

Lacerdaらが試験を始めたのは3月後半で、ブラジルManausの患者が爆発的に増えていてクロロキンへの期待が高かった時期である。計画では440人の患者を集めて半分にはクロロキンを1日2回600mgを10日間、合計12g、もう半分には1日1回900mgその後4日間450mg合計2.7gを投与する。この試験の独立したデータ安全性モニタリングチームが高用量群で死亡率が急増したを見て研究者らに高用量群の試験の中止を警告した。当時81人が参加して高用量群で7人、低用量群で4人が死亡した。結果が報告されたときにはそれぞれ16人と6人に増加していた。そして4月11日のプレプリントはNew York Timesを含む国際メディアで報道された。そして4月14日に米国のマーケティング企業のCEO であるMichael James Coudreyが研究者らを非難するツイートをした。患者をモルモット扱いして高用量を与えた、信じられない無責任と。その3日後、ブラジルの大統領の息子Eduardo Bolsonaroが同様のメッセージをツイートし、研究者らを「左派の医療活動家」としてこの研究はBolsonaro政権が認可したCOVID-19の有効な治療薬の評判を落とす試みだとした。そして検察からの調査となった。

ブラジルの研究者らは既に科学への攻撃が激しいブラジルでは、明日は我が身と心配している。

クロロキンの適切な用量については実際に科学の問題がある。ただLacerdaらの問題の一部は彼らがそれを極めて高用量だとは認識していなかったようにみえることである。