2020-06-29

[EU]RASFF Week26-2020

警報通知(Alert Notifications)

オランダ産チョコレートの未承認物質テトラヒドロカンナビノール(THC) (969 µg/kg)及び未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD) (318 mg/kg)、イタリア産赤ワインのオクラトキシンA (3.88 µg/kg)、スペイン産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 32; Tot. = 90 µg/kg)、ドイツ産炭酸カフェイン入りコーラ味飲料入りボトルの破損と爆発のリスク

注意喚起情報(information for attention)

2,4-ジニトロフェノール (DNP)のオンライン販売、米国産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、モルドバ産グリーンウォルナットチンキの多環芳香族炭化水素(PAH4の合計: 1.93 µg/kg)・トルエン(161 mg/l)及びキシレン(505 mg/l)、スペイン産スロベニア経由解凍キハダマグロフィレのヒスタミン(1333.9 mg/kg)、インド産冷凍キハダマグロのヒスタミン(387 mg/kg)、ドイツ産解凍マグロステーキの水銀(1.27 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

ニュージーランド産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、フランス産未承認遺伝子組換えα-アミラーゼ酵素、ドイツ産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、ポーランド産食品酵素の未承認遺伝子組換え微生物DNA、エクアドル産飼料用エビ粉末の亜硝酸ナトリウム(E250)高含有(96.9 mg/kg)及び未承認飼料添加物エトキシキン(E324) (0.42 mg/kg)、イタリア産トマトペーストのアルテルナリオール(32.6 µg/kg)及びテヌアゾン酸(2713 µg/kg)、オランダ産飼料用CBDオイルの未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、ドイツ産チューインガムの未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、チェコ共和国産動物用CBDオイルの未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパーのブプロフェジン(0,120 mg/kg)・ピリダベン(0,079 mg/kg)及びホルメタネート(1,181 mg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え(CryIAb-gene SYBR®Green陽性)有機米麺、アルゼンチン産飼料用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 40.6 µg/kg)、トルコ産ペッパーのフェナミホス(0.088 mg/kg)、ウクライナ産小麦粉のデオキシニバレノール(DON) (1063.39 µg/kg)、

 

[HK]スナック類の糖の多さのワナにはまらないように

Avoid High Sugar Traps in Snacks

Last revision date: 17 Jun 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_167_02.html

「エネルギーバー」や「スナックバー」として販売されている調理済食品は健康的な選択肢だと考える人もいるが、実は糖度が高い(>15g sugars/100g)。「糖のワナ」にはまらないように、このような製品の賢い選び方や健康的な食生活の維持方法を探る。

図1:市販されている様々な製品の糖度は大きく異なる。

糖度の高いBar 1:バー1本を食べると砂糖の推奨一日摂取量のほぼ半分に達する。

糖度の低いBar 2:バー1本を食べると推奨一日摂取量の約12%に達する。

エネルギーバー―健康か誇大広告か?

調理済製品は素早く便利で人気がある。多くのポケットサイズのバーは、穀物、ナッツ、乾燥フルーツ、タンパク質および植物タンパク質を含み、「栄養バー」「エネルギーバー」「タンパク質バー」「ミネラル代替バー」「朝食シリアルバー」「ダイエットバー」など様々な名前で販売されている。エネルギーバーはヘルシーで栄養価のある食事の代替品、あるいは運動後のエネルギー補充といった印象を与えている。

他の食品同様、エネルギーバーはタンパク質、炭水化物、脂質等のマクロ栄養素や、ビタミン類、ミネラル類、必須脂肪酸などの微量栄養素から成る。オート麦や米などに含まれる澱粉や食物繊維などの複合炭水化物(すなわち多糖類)や、スクロース、グルコース、フルクトースなど単炭水化物(すなわち単糖類や二糖類)を含むことがある。砂糖やポリデキストロース、ソルビトールなどの甘味料、マルトデキストリンなどの食品添加物は、食感や甘さのレベルを改善するためにバーに添加される。アスリートの血糖値を適度なレベルに保つのに役立つと主張する一方で、キャンディーバーやパンで生じるのと大差ないくらい血糖値を急上昇させ、その後急速に減少させるエネルギーバーもある。

バーの事実を消化する:栄養表示を読もう

糖類はエネルギーを提供する単炭水化物(単糖類と二糖類)である(糖類1gは4 Kcalを提供する)。遊離糖類を多く含む食品からの過剰なカロリーは、不健康な体重増加や肥満の一因となったり、糖尿病や他の非伝染性疾患のリスクを高めたりする。遊離糖類は、製造業者、料理人、消費者が食品に添加する全ての単糖類及び二糖類のことで、ハチミツ、シロップ、フルーツジュースに天然に存在する糖類も加わる。

包装正面の大きな宣伝文句に消費者が混乱する可能性があるが、一日に推奨される遊離糖類摂取量を超えないように努力するために、成分表を読み製品を比較することを勧める。個人のニーズや活動量に合わせ、また体重管理のために、製品を選択する際に栄養表示を読むと糖含有量とカロリーをよりよく理解できる。

運動後には、炭水化物、タンパク質、水を補充する必要がある。リンゴやバナナなどの持ち運びできる果物はちょうどよく、素早くエネルギーを提供する健康的な選択肢である。間食を選択する際には、カロリー密度の高いエネルギーバーはふさわしい選択肢ではないことを心にとめ、新鮮な果物やトマトなどの健康的な選択肢を検討した方が良い。

 

[BfR]BfR 2 GO

https://www.bfr.bund.de/cm/364/bfr-2-go-issue-1-2020.pdf

科学広報誌

電子タバコ特集

他コロナウイルス、ゲノム編集のリスク認知、シガテラ、フードサプリメント、有機栽培で使用されているBacillus thuringiensisの安全性(オーガニックは無害を意味しない)等

 

[WHO]第一回WHOインフォデミック学会議

1st WHO Infodemiology Conference

30 June – 16 July 2020

https://www.who.int/news-room/events/detail/2020/06/30/default-calendar/1st-who-infodemiology-conference

COVID-19パンデミックの文脈で、「インフォデミック」現象は協調した対応が必要なレベルにまでエスカレートしている。インフォデミックは、流行期に正確なものとそうでないもの両方の情報が過剰になることである。そのため人々が必要な時に信頼できる情報源を見つけるのが困難になる。たとえ人々が質の高い情報にアクセスできても、推奨される行動をとるには乗り越えなければならない障害がある。流行をおこしている病原体のように、デマはさらに早く拡散して健康のための緊急対応に複雑さを増やす。

インフォデミックは排除できないが管理することはできる。インフォデミックに効果的に対応するためにWHOはデマや誤情報を予防し検出し対応するための根拠に基づいた新たの対策を採用し開発し妥当性を評価することを呼びかけている。

この会議において「インフォディック学infodemiology」はインフォデミックを管理するための科学と定義する。この意見募集の目的は関連研究と効果的方法の蓄積とこの分野の発展に必要な公衆衛生研究を同定することである

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News June 2020

https://mailchi.mp/2ce58f90651a/food-standards-news-june-2020?e=3a1e1487d6

世界食品安全デー2020、栄養成分計算機更新、議会アレルギーとアナフィラキシーの報告書発表、PFAS小委員会公聴会にFSANZが参加して情報提供、JECFA史上初のバーチャル会合6月1-12日、等

 

-オーストラリア議会 健康高齢者福祉スポーツに関する常設委員会

アレルギーの綱渡り

Walking the allergy tightrope

May 2020

https://www.aph.gov.au/Parliamentary_Business/Committees/House/Health_Aged_Care_and_Sport/Allergiesandanaphylaxis/Report

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup June 26, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-june-26-2020

詐欺的COVID-19製品を販売している企業に警告文書を発行

次亜塩素酸水皮膚スプレー

(もともとナチュラルでオーガニックの万能アンチエイジング等と宣伝していたもの)

 

[NASEM]効果的肥満コミュニケーションを進化させる:ワークショップの概要

Advancing Effective Obesity Communications: Proceedings of a Workshop

2020

https://www.nationalacademies.org/our-work/roundtable-on-obesity-solutions

2019年9月16日に開催したNASEMの肥満解決法円卓会議による公開ワークショップの概要。

 

論文

-1990年から2017年までの世界の甲状腺がん負担

Global Burden of Thyroid Cancer From 1990 to 2017

YuJiao Deng et al., JAMA Netw Open. 2020;3(6):e208759.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2767676

世界で増加傾向、地域により差がある

 

-ガス調理器暴露は血圧を下げる可能性がある、研究が発見

Gas cooker exposure can lower blood pressure, study finds

26-JUN-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/kcl-gce062620.php

Circulation Researchに発表されたKing's College Londonのチームによる二酸化窒素の心血管系への影響研究。家庭用ガス調理器のそばは空気中の二酸化窒素濃度が10倍に増加しそばにいることで45分後から5mmHg血圧が下がる。また血中亜硝酸塩濃度も15分後から15%増加する

 

-COVID-19予防のための物理的距離をとる、フェイスマスク、目の保護

Physical distancing, face masks, and eye protection for prevention of COVID-19

C Raina MacIntyre Quanyi Wang

THE LANCET VOLUME 395, ISSUE 10242, P1950-1951, JUNE 27, 2020

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31183-1/fulltext

2009年のH1N1パンデミックから2014年の西アフリカのエボラ流行、そして現在のCOVID-19パンデミックに至るまで、フェイスマスクやレスピレーターを含む各種呼吸器保護法の選択は盛んに議論されてきた。WHOやCDCやその他機関によるCOVID-19ガイドラインでは1-2mの距離をとることについては一貫しているがフェイスマスクやレスピレーターについては矛盾していた。この相違は根拠が不確実であることとSARS-CoV-2の伝染の仕方について合意されていなかったことを反映する。目の保護についてはさらにデータは不確実である。従ってLancetに発表されたDerek Chuらの系統的レビューとメタ解析は重要である。解析可能なRCTは存在しないがChuらは172の観察研究を系統的にレビューしSARS、 MERS 、COVID-19およびベータコロナウイルス類の44の比較研究から入手可能な根拠を厳密に合成した。

その知見は、医療と地域と両方で1mの物理的距離はリスクを82%削減する(調整オッズ比 [aOR] 0·18, 95% CI 0·09–0·38)。1m追加するごとに3mまで相対的保護は2倍以上になる。ほとんどの病院ガイドラインが根拠にしている1-2mの距離をとることは1940年代の時代遅れの知見と2020年の大きなドロップレットが8mも飛ぶことがあるという実験に基づいている。

マスクとレスピレーターは感染リスクを85%下げ、地域より医療現場での効果が大きいと報告している。この違いには医療では主にN95レスピレーターが使用されていることが寄与している。また医療従事者にとって重要な知見は目の保護で感染が78%減るということである。

この知見はユニバーサルフェイスマスクの使用と距離をとることを支持する。

(一部のみ)

Chu DK Akl EA Duda S et al.

Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis.

Lancet. 2020; (published online June 1.)

https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31142-9

(社会的socialではなく物理的physical距離をとるという用語を選んでいる様子。そのほうがいいだろうという意見は初期からあった)

 

-Natureニュース

「流行は極めて早く拡大している」:インド政府のアドバイザーがコロナウイルス危機の悪化を恐れる

‘The epidemic is growing very rapidly’: Indian government adviser fears coronavirus crisis will worsen

Priyanka Pulla  26 JUNE 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-01865-w

Jayaprakash Muliyilはコロナウイルス感染が国内で急増しているという、そして驚くほどの死亡率の低さは誤解を招く可能性がある

インドのこれまでのCOVID-19確認症例は45万を超え、世界で4番目になった。デリーやムンバイなどの大都市は特に影響が大きく、病院は重症患者を受け入れるのに苦闘している。この感染急増は3月25日に始まった2ヶ月半の全インドロックダウンで経済と生活を激しく毀損したあとにおこった。一部の研究者らは政府がこの期間に準備することに失敗したという。インドは苦労しているが、流行の真の大きさはわからないだろう。死亡登録は不完全で死者の数や死因は不正確である。このことが報告されている死亡率の低さに疑問を提示する

Tamil Nadu州のVelloreにあるChristian Medical Collegeの疫学者Jayaprakash Muliyilはインド政府にCOVID-19サーベイランスについて助言してきた。Natureはインタビューした。

(以下インドの状況についてのインタビュー。ロックダウンは正しくなく、多くの人の人生を破壊しその帰結を修復できていない、ロックダウンの効果は人々にCOVID-19を知らせることだった、感染症が理解されていない、等)

 

その他

-COVID-19を予言すると宣伝されている魔法の指輪

The Magical Ring That Was Claimed to Predict COVID-19

Jonathan Jarry M.Sc. | 26 Jun 2020

https://mcgill.ca/oss/article/covid-19-health-technology/magical-ring-was-claimed-predict-covid-19

感染症状が出る3日前に予言できたらどうなる?予言者が「スマートリング」を宣伝販売しているがその主張は空虚である

NBAバスケットボールシーズンがフロリダに帰ってきて、スポーツジャーナリストが選手にはCOVID-19早期警報システムとして最新技術による300ドルの指輪をする選択肢があるという。それはWest Virginia大学のチームと協力した未発表の研究に基づくとメーカーが宣伝している。プレスリリースによると彼らの作った「デジタルプラットフォーム」で、指輪から得たデータを人工知能が解釈してCOVID-19の症状を「最大3日前に」検出できるという。私はこれについて調べてみることにした。

問題の指輪はフィンランドのOura Healthという会社のもので、指輪は心拍数、心拍変動、皮膚の温度、歩数を測定し、付属のアプリに供給する。この種の個人データで何かをするのは興味深く思うかもしれないが、同様の機器は既にあり多くが引き出しにしまわれていること、データが多ければ多いほど良いわけではないことを思い出そう。習慣を変えてより良いものを維持するのは極めて難しい。Ouraリングは病気を予想するようにはデザインされていない。私はWest Virginia大学とOura Healthに連絡してみたがレスポンスはない

(以下類似の研究等の解説略。機器そのものはもともと売ってたもの

https://japanese.engadget.com/nba-oura-smartring-july-055003426.html

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー ニンニクサプリメントレビュー

Garlic Supplements Review

6/26/20

https://www.consumerlab.com/reviews/garlic-supplements/garlic/

検査の結果強度に大きな差があった-一部のものはほとんどあるいは全くニンニクが入っていない

(アリシンとアリインとSACを測定している。ニンニクはスパイスとして普通に料理に使う、以外のことはやらないほうがいい)

 

-英国の子どもの肥満はロックダウンで悪化

Britain’s childhood obesity crisis made worse by lockdown

Sunday June 28 2020

https://www.thetimes.co.uk/article/britains-childhood-obesity-crisis-made-worse-by-lockdown-d9pqnpfd3

先週3人の子どもたちの学校に戻る準備をしていたとき、母親は問題を発見した:誰も制服に入らなかったのだ。子どもたちはロックダウンの間スナックを食べていた。

 

-6月初めに再開した行列のできたミシガンの大学のバーでのアウトブレイクで85人以上がコロナウイルスに感染

More than 85 people are infected with coronavirus after outbreak at Michigan college bar that saw lines out the door when it reopened at the start of June

29 June 2020

https://www.dailymail.co.uk/news/article-8469445/More-85-people-infected-coronavirus-outbreak-Michigan-college-bar.html

6月8日にHarper's Restaurant and Brewpubが再開、バーは距離をとろうとしたがドアの外、道路に行列ができた。バーは再び閉鎖

(写真や店からの報告等がある。並ぶときはマスクして、と書いてあるけど誰もしてなさそうだし屋内も混雑していたようだ。そして「オーガニックでグルテンを減らした職人が醸造したビール」を宣伝する店のわかってない感。こっち↓のニュースは屋内の様子の写真

酒飲んで音楽にあわせて踊る場所らしい。日本もだけど「飲食店」とひとまとめにされると普通のレストランが気の毒。

https://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/coronavirus-us-80-people-infected-after-visiting-packed-pub/news-story/51f0e85e00dc5163250027426e0d65f9

 

-Covid-19:中国はアウトブレイクの中、伝統薬を推す

Covid-19: China pushes traditional remedies amid outbreak

By Pratik Jakhar BBC Monitoring

https://www.bbc.com/news/world-asia-53094603

科学者がCovid-19ワクチン開発に競争する一方、北京は中医(TCM)を治療法として推進する

中国政府が最近公表した白書によると、中国のCovid-19症例のうち92%が何らかの形でTCMで治療されたという。中国ではTCMは世代を超えてとても人気で、専門家は国内にも海外にも拡大したい。しかし医療の専門家はその有用性を疑ったままである

 

-バイエルがジカンバドリフト訴訟で和解

Bayer Settles Dicamba Drift Lawsuits

By Jackie Pucci June 24, 2020

https://www.cottongrower.com/cotton-news/bayer-settles-dicamba-drift-lawsuits/

6月24日の109億ドルの巨額のラウンドアップ訴訟の補足のように、バイエルはジカンバドリフト訴訟でも最大4億ドルの支払いで和解する予定。