2020-07-13

[EFSA]意見等

-Bacillus amyloliquefaciens  AH2株の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Bacillus amyloliquefaciens strain AH2

EFSA Journal 2020;18(7):6156 7 July 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6156

情報不足と懸念が確認された。

 

-クロジナホップ(クロジナホッププロパルギルで評価された代謝物)の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance clodinafop (variant evaluated clodinafop‐propargyl)

EFSA Journal 2020;18(7):6151  7 July 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6151

情報不足と懸念が確認された。欧州委員会は、必要であれば、許容作業者暴露量(AOEL)設定を再考し、食事以外の暴露評価を改訂するようEFSAに命じた。

 

-EFSAの作業者暴露計算機の再現と拡張

Reproduction and Extension of EFSA Operator Exposure Calculator

6 July 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1879

枠組み同意OC/EFSA/AMU/2015/02で公表された特定契約No.13で、EFSAは作業者暴露計算機のウェブアプリを開発するようOpen Analyticsに要請した。このソフトウェアはRで開発され、植物保護製品の使用に関する食事以外の暴露推定量(作業者、労働者、居住者、近隣者用の)を提供するいくつかのモジュールで構成されたウェブベースのツールから成る。このアプリは屋外と室内(温室)両方のシナリオのモデルを含むことでEFSAの計算機を拡張している。このアプリは、入手できる際には、このアプリの開発者かEFSAのどちらかが新しいモジュールを追加できるようなモジュラー形式で開発されている。

 

-新興リスク同定DEMETERの決定と計量:最終報告書

Determination and Metrics for Emerging Risks Identification DEMETER: Final Report

6 July 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1889

EFSAがリスク評価における将来のニーズを予測する場合、データ及び方法論両方に関連するフードチェーンの新興リスクの同定は非常に重要である。DEMETERプロジェクトに提案された目的と調査は、デジタルプラットフォームを通して素早く効果的な方法で新興リスク同定に関するデータ、知見、方法をEFSAとEU加盟国機関が共有できるようにするためのコミュニティ情報源を提供することで、特に現在(及び将来)の新興問題とリスク同定のEFSAの手続きを支えるために考案された。この目的を達成するために、プロトタイプ技術解決策として「新興リスク知見交換プラットフォーム(ERKEP)」が開発された。

そのデザインはエンドユーザーのニーズや、既存の知見共有ソリューションの分析に基づいている。ERKEPは3つの主な項目から成る。

1) ERKEPへのエンドユーザーの「入口」やグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供するコンテンツ管理システム(CMS)

2) KNIMEサーバーインストラクチャーに基づいてデータ分析ワークフロー(DAWs)を共有し実行するためのウェブベースのデータ分析プラットフォーム(DAP)

3)第三者サービスプロバイダーが主催する外部のウェブベースサービス

様々なDAWsが開発されプラットフォームに加えられた。

1)自動データ検索に基づく牛乳サプライチェーンの新興リスク同定システム

2)ニュースレーダー

3)テキストマイニングやネットワーク分析に基づくニュースの注目のトピックス

4)特許情報ネットワーク。ソーシャルサイエンス情報やデータを新興リスク同定の枠組みにまとめるための方法論が確認された。

専門家の聞き取り、市民科学、行動科学の分野で文献の系統的レビューが行われ、市民科学からEKREPプラットフォームにデータを取り入れる枠組みが提案された。最後に、このプロジェクトの成果の持続可能性と維持管理はDEMETERプロジェクト以外で使用できるよう概念化されている。

 

[EU]RASFF Week28-2020

警報通知(Alert Notifications)

該当なし

注意喚起情報(information for attention)

スウェーデン産食品サプリメントの安全ではない成分アシュワガンダ、スペイン産チルド調理済エビの亜硫酸塩高含有(210 mg/kg)、トルコ産アプリコットカーネルのアフラトキシン(B1 = 135; Tot. = 186 µg/kg)、トルコ産ドイツ経由チルドサクランボのジメトエート(0.072 mg/kg)、米国産食品サプリメントの銀(2.41 mg/kg)未承認、ロシア産飼料酵母の鉛高含有(7.40 mg/kg)、フランス産冷凍マグロの腐敗(ヒスタミン高濃度の疑い)、カナダ産食品サプリメントのビタミンB9(葉酸)高含有(1388 µg/kg;1189 µg/kg)、中国産デザート皿からの鉛の溶出(>3 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

フィンランド産食品サプリメントの未承認新規食品成分カワラタケ(Trametes versicolor)、ウクライナ産ポーランドで包装した有機きびフレークのオクラトキシンA (8.38 µg/kg)、台湾産タロ芋ペースト入り餅の着色料エリスロシン(E127)の未承認使用、スウェーデン産キャンディー(ロリポップ、グミ、チューインガム)の未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、

通関拒否通知(Border Rejections)

中国産緑茶のホルペット(0.48 mg/kg)、ガイアナ産冷凍フエダイ(Lutjanus purpureus)の着色料サンセットイエローFCF(E110) (2.3 mg/kg)及び着色料アマランス(E123) (7.8 mg/kg)非表示、パキスタン産バスマティ米のアフラトキシン(B1 = 6.0; Tot. = 6.0 µg/kg;B1 = 6.3; Tot. = 6.3 µg/kg)、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 6.7; Tot. = 7.2 µg/kg)、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダン4(23.1 µg/kg)、インド産鳥餌用ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 25.4 µg/kg)、

 

[HK] 食物環境衛生署は疫病予防措置を続けるよう食品事業者及び食品取扱業者に再度注意喚起する

FEHD reminds food business operators and food handlers again to continue adopting anti-epidemic precautionary measures

Friday, July 10, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200710_8029.html

食物環境衛生署(FEHD)は、7月6日付の書面で食品事業者及び食品取扱業者に推奨を発したが、関連規則に従い、疫病予防措置をとるよう再度通知をした。

 

[HK]食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する

CFS finds traces of malachite green in grass carp sample

Friday, July 10, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20200710_8026.html

食品安全センター及び食物環境衛生署は、定期食品調査にてソウギョのサンプルに2.2 ppbのマラカイトグリーンを検出したと発表した。

 

[FSS] 夏の安全なバーベキューに関する7つの食品注意事項

7 food tips for a safe summer barbecue

10 July 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/7-food-tips-for-a-safe-summer-barbecue

夏に安全にバーベキューをするための食品取扱に関する7つの注意事項について。

 

[ODS] ファクトシート更新

-コリン

Choline

Fact Sheet for Health Professionals

June 10, 2020

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Choline-HealthProfessional/

しいたけのコリン含有量を修正

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Choline-HealthProfessional/#change

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup July 9, 2020

July 09, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-july-9-2020

本日、米国フロリダ地方裁判所は健康とヒーリングのためのGenesis II 教会, Jonathan Grenon および Jordan Grenonが連邦法に違反して「ミラクルミネラル溶液」をCOVID-19やその他重大な疾患の治療薬と宣伝して販売したことに対する欠席裁判を許可し恒久的差止命令を出した。FDAは先にMMSを購入したり使用したりしないように強く消費者に求めている

 

[FDA]リコール。Sundial Herbal Products は違法表示のため回収措置。現在未承認の医薬品で回収措置が命令された。

Sundial Herbal Products is Recalling Products Attached Because these Products were Misbranded. The Products are Currently Unapproved Drugs, Recall is Required by the Order

July 09, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/sundial-herbal-products-recalling-products-attached-because-these-products-were-misbranded-products

2017年1月以降現在までのすべてのSundial 製品の表示に問題があり、回収措置。

60以上の製品のリストあり。

 

[FSAI] リコール

-中国産紫芋に殺虫剤と殺菌剤のため回収措置

Recall of Batches of Purple Sweet Potatoes from China Due to Presence of Pesticides and Fungicides

Friday, 10 July 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/purple_sweet_potatoes.html

中国産紫芋に、欧州で許可されていない成分カルベンダジムとクロルピリホスが検出され、基準値を超える、プロクロラズ及びチオファネートメチルが検出されたため、回収措置。製品写真あり。

 

-許可されない添加物エリスロシン(E127)のため、Mong Lee Shang Glutinous もち米ケーキの回収措置

Withdrawal of Mong Lee Shang Glutinous Rice Cakes Due to Presence of Unpermitted Additive Erythrosine (E 127)

Thursday, 9 July 2020

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/Mong_Lee_Shang_Rice_Cakes.html

Mong Lee Shangの台湾タロイモペースト入りもち米ケーキが、着色剤エリスロシン(E127)を含むため、回収措置。製品写真あり。

 

[MPI]リコール

PMN Kacang Wangi ブランドのピーナッツクラッカー

PMN Kacang Wangi brand Peanut Cracker

9 July 2020

https://www.mpi.govt.nz/food-safety/food-recalls/recalled-food-products/pmn-kacang-wangi-brand-peanut-cracker/

Natural Field Enterprises Ltd は、検査で許容濃度を超えたアフラトキシンを検出したため、PMN Kacang Wangi ブランドのピーナッツクラッカーを一部回収措置。製品写真あり。

 

[MPI] 貝のバイオトキシン警告-Hawke's Bay extended warning

Shellfish biotoxin alert – Hawke's Bay extended warning

10 Jul 2020

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/shellfish-biotoxin-alert-hawkes-bay-extended-warning/

MPIはHawke’s Bay 地域で貝の捕獲あるいは消費をしないよう市民に公衆衛生警告を延長した。この地域で採取された貝サンプルの定期検査で、麻痺性貝毒のレベルがMPI設定の安全基準値0.8 mg/kgを上回った。

https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#map

 

[BfR]BfRコロナモニター

BfR-Corona-Monitor - as to 7 - 8 July 2020

10.07.2020

https://www.bfr.bund.de/cm/349/200707-bfr-corona-monitor-en.pdf

(そんなに変わっていないような)

 

[ProMED]レクチン中毒-デンマーク

Lectin poisoning – Denmark

2020-07-11

https://promedmail.org/promed-post/?id=7564741

Date: Wed 8 Jul 2020 Source: Food Safety News [edited]

2020年4後半に45人が病気になったアウトブレイクの背後に赤インゲン豆のレクチンの一種のあった。アウトブレイクがあったのは別の事業者に食品を配達していたケータリング会社に関係し、トルコからスウェーデン経由で輸入した冷凍赤インゲン豆のフィトヘムアグルチニン(PHA)が原因だった。インゲン豆のゆで時間が不十分だったようだ。

製品には「調理済みインゲン豆pre-cooked kidney beans」と表示されていてサラダに使われた。この製品は10-15分のブランチング(湯通し)をされていたようだが、少なくとも30-45分は調理する必要がある。製品が外国産であるためラベルは何度か翻訳され、ブランチングが調理済みになって意味が失われたようだ。同じようなことがおこらないようにする対策を描くのは難しい

(これは難しい)

 

[ProMED]銅中毒-日本:(大分)ケア施設

Copper poisoning - Japan: (OT) care facility

2020-07-12

https://promedmail.org/promed-post/?id=7564731

Date: Thu 9 Jul 2020 Source: The Mainichi [edited]

2020年7月8日、古いやかん由来の銅に汚染されたスポーツドリンクを摂取して合計13人が中毒になった

(編集者のMod.TG氏、文中の30 mgの銅を何故か30gと誤読)

 

[FTC]FTCは“Thrive”サプリメントの販売業者にCOVID-19を治療、予防、リスクを下げるという根拠の無い宣伝をすることを止めるよう命令

FTC Order Stops the Marketer of “Thrive” Supplement from Making Baseless Claims It Can Treat, Prevent, or Reduce the Risks from COVID-19

July 10, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/07/ftc-order-stops-marketer-thrive-supplement-making-baseless-claims

主にビタミンCとハーブ抽出物からなるThriveというサプリメントを販売しているカリフォルニアの業者に根拠の無い宣伝を止めるよう命令した

Thrive の販売業者Marc ChingはCBDを含む製品の根拠の無いがん治療/予防宣伝でも同様の命令を出されている

Chingは少なくとも2018年12月にはWhole Leaf OrganicsウェブサイトでThriveをオンライン販売していて2020年3月からCOVID-19リスクを減らすと宣伝し始めている

 

[NTP]ニュースレター

UPDATE Newsletter

July 2020

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

新所長Rick Woychik、COVID-19の不平等、動物実験削減、植物製品安全性、等

植物製品研究者が安全性試験の不足を補おうとする

https://ntp.niehs.nih.gov/update/2020/7/botanical-researchers/index.html

5月29日の植物製品安全性コンソーシアム(BSC)初回会合報告

「我々は、脆弱な可能性のある人々が広く暴露されているため、植物製品が公衆衛生上の懸念であると感じている。多くの他の典型的汚染物質と違って、植物製品への暴露は比較的高濃度である可能性がある」とNIEHSの毒性学者でBSCの運営委員であるCynthia Rider博士は言う。研究の障害を乗り越え、経験を共有する

(会議のPDFがアップされている)

 

[USDA]オート麦のゲノムARSのウェブサイトから入手可

Oat Genome Available on ARS Website

By Scott Elliott July 9, 2020

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2020/oat-genome-available-on-ars-website/

研究目的で誰でも使える

https://wheat.pw.usda.gov/jb/?data=%2Fggds%2Foat-ot3098-pepsico&loc=1A%3A217045150..325604197&tracks=DNA&highlight=

 

論文

-果糖含有糖の主要摂取源とメタボリック症候群の関連 系統的レビューとメタ解析

Association of Major Food Sources of Fructose-Containing Sugars With Incident Metabolic Syndrome

A Systematic Review and Meta-analysis

Zhila Semnani-Azad, et al., JAMA Netw Open. 2020;3(7):e209993.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2768092

49 591人の参加者を含む13の前向き研究の系統的レビューとメタ解析。砂糖入り飲料とメタボリック症候群の害のある関連は他の果糖を含む糖の摂取源となる食品には拡大しない。砂糖入り飲料の結果から果糖を含む糖が有害だとは推定できない。

 

-COVID-19コントロール長期戦略は健康と経済を同等に重要視しなければならない

Long-term strategies to control COVID-19 must treat health and economy as equally important

12-JUL-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/uoc-lst071020.php

European Journal of Epidemiologyに発表された疫学者チームの論文

 

-COVID-19をうけての連帯:国際保健規則再考

Solidarity in the wake of COVID-19: reimagining the International Health Regulations

Allyn L Taylor et al.

The Lancet COMMENT| VOLUME 396, ISSUE 10244, P82-83, JULY 11, 2020

世界は間もなくIHRの改定や強化に関する重要な岐路に至るだろう。多くの国でIHRの義務は全うされておらずCOVID-19パンデミックにおいても概ね二の次にされている

(IHRあまり知られていないような)

 

-更新:肉と家禽加工施設労働者のCOVID-19-米国、2020年4-5月

Update: COVID-19 Among Workers in Meat and Poultry Processing Facilities ― United States, April–May 2020

MMWR / July 10, 2020 / 69(27);887-892

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6927e2.htm?s_cid=mm6927e2_w

23州の肉と家禽加工施設239でCOVID-19アウトブレイクがおこり16233症例死亡86(0.5%)だった。人種の情報がわかるもののうち87%がマイノリティだった

 

その他

-Nutritaの合同創設者Raphael Sirtoliとのインタビュー:FOP食品表示はジャンクサイエンスの上に構築されているのか?

Interview with Raphael Sirtoli, co-founder of Nutrita: is FOP food labelling built on junk science ?

By European Scientist - 03.07.2020

https://www.europeanscientist.com/en/public-health/interview-with-raphael-sirtoli-co-founder-of-nutrita-is-fop-food-labelling-built-on-junk-science/

Covid-19の危機はかつてないほど栄養を重要な問題にした。EUは「農場から食卓まで」の戦略で「食料安全保障と健康な惑星で生産された健康的な食事へのアクセスを保証する持続可能なフードシステムへの移行を確実にする」意思がある。その一環として、欧州委員会は新しい包装表面(FOP)への食品表示システムを欧州全体で実施することを検討している。今回Raphael Sirtoliとの独占インタビューで食品表示について聞いた

The European Scientist(TES):栄養の専門家として、あなたは表示に注目している。どうして表示が重要なのか?

Raphael Sirtoli(RS):率直に言って、食品表示にはたくさんのジャンクサイエンスが流入している。これは重要な問題である。良い食品表示は意味があって正確でなければならないが、今の表示はどちらでもない。だからNutrita Proアプリを作った。このアプリは栄養密度、代謝効果(ケトスコア、インスリンスコア)を重要視する

TES:英国では信号表示システムを8年実施している。この教訓は?

RS:このシステムの有効性の根拠は無い。いくつかの信頼できない自己申告食事データとの関連研究はあるが介入試験はない。消費者の行動への影響としてフランスの同等のシステムを使ったコロンビアのボゴタでのRCTがあるがぱっとしない結果だった

TES:EUは現在欧州全域で食品表示システムの導入を議論している。候補の一つがフランスのNutriscoreである。これについてどう思う?

RS:Nutriscoreは「同意による科学」の産物である。言い方を変えると、それは食品企業のプロパガンダと古めかしい政府のガイドラインのフランケンシュタインである。英国のシステムも同様である。私は法的にEU全域で表示を義務化することには反対である

TES:2月にフランスの医師で栄養士のPhilippe LegrandがNutriscoreの脂肪の部分は間違っていると説明した。脂肪については特に負の先入観が強い。そのような先入観を強化するシステムに頼るべきだろうか?

RS:Philippe Legrandは、Nutriscoreは「高脂肪」食品を悪者にすべきでは無いという点では正しい。しかし彼はフランス政府の35-40%のエネルギーを脂肪からとることを推奨するのは間違っている。これもまた科学的には空想である。脂肪が多い食事は脂肪の種類によっては不健康にも健康にもなる。この議論にはニュアンスが必要である

(以下略。この人はこの人で炭水化物悪者説)

 

-SMC UK

Boris Johnson首相が人々が店舗内でフェイスカバーを確実にする方法を探っているという報道への専門家の反応

expert reaction to reported comments from Boris Johnson that they are looking at ways of making sure people wear face coverings in shops

JULY 11, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-reported-comments-from-boris-johnson-that-they-are-looking-at-ways-of-making-sure-people-wear-face-coverings-in-shops/

政府が買い物の際のフェイスマスクを義務化する方策を探していると報道された

UEA医学教授Paul Hunter教授

イングランドのフェイスマスクへの立場をレビューしているというのなら首相は正しい。コミュニティでのフェイスマスクの価値についてはまだ問題で科学コミュニティはコンセンサスに至っていない。RCTで広範なマスク使用に保護作用があることが証明されていない。他のタイプの研究では結果は様々である。そして残念ながらこの議論はすぐに解決されそうにない。

私個人の見解としてはCOVID-19対策として広範な使用を支持する十分な根拠は無いが、一時的に高いリスク状況で特に脆弱な人が短時間フェイスマスクを使うことを支持するには十分な根拠がある。首相が、いつでもどこでもみんながマスクをしている世界は望まないと言うのは正しい。

公共交通機関利用時のフェイスカバーは「一時的にリスクの高い状況」の一例で、現在要求されている。買い物時ももう一つの例かもしれない

どういう方法を決定するにしても重要なのは強力な公衆衛生教育キャンペーンである

(以下略)

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー:ツナ、サーモン&サーディン(缶詰と包装済み)

Tuna, Salmon & Sardines (Canned and Packaged)

Initial Posting: 9/8/18  EXPANDED: 7/10/20

https://www.consumerlab.com/reviews/canned-tuna-and-salmon-sardines-review/canned-tuna-and-salmon/

水銀を避けてEPA & DHAオメガ3を最大に

20の人気缶詰の一食分あたりのDHAとEPAは45mgから1800mgまで。半分は水銀とヒ素が週に1~2回以上食べないように助言される量。また2製品は表示されている量の46.7% と 74.2%しかDHAと EPA を含まなかった

 

-カシューナッツとアーモンドはテクニカルにはナッツ(木の実)ではない。じゃあ何?

Cashews and almonds aren’t technically nuts. So what are they?

Caitlin Bard, OSS Intern | 10 Jul 2020

https://www.mcgill.ca/oss/article/nutrition-did-you-know/cashews-and-almonds-arent-technically-nuts-so-what-are-they

ピーナッツは木の実では無いというのは聞いたことがあるかもしれない。実際は豆でマメ科の植物である。でもカシューナッツやアーモンドやその他よくある「料理用ナッツ」もナッツではないことを知っていた?何故かを理解するには「木の実」の定義を知ることが重要である。植物学的にはナッツは単一の種子を堅い殻が覆っている乾燥した果実である。例えばどんぐりや栗、ヘーゼルナッツなどである。

一方カシューナッツやアーモンドやピスタチオは真の意味では木の実ではなく「核果」である。核果とは外側に果肉があって内側の種子をカバーする殻がある果実である。クルミやペカンの分類はそれほど明確では無く両方の性質をもつがどちらも完全にはみたさない。一部の人達はそれを「ナッツ様核果」と呼び別の人達は「核果様ナッツ」と呼ぶ。興味深いことに桃やマンゴーも核果で、外側の果肉だけを食べて殻と内側の種子を食べない場合はそうではない。混乱するでしょう?

 

-Natureコメント

女性はパンデミックで最も影響を受ける-過去のアウトブレイクの教訓

Women are most affected by pandemics — lessons from past outbreaks

Clare Wenham, et al., 08 JULY 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02006-z

COVID-19の社会的経済的影響は男性より女性に大きくのしかかる。政府はデータを集めて市民が平等に安全で保護されるような政策をすべき

学校閉鎖や家族の病気で女性が世話の責任を負わされ、家庭内暴力のリスクが高く、医療へのアクセスが不平等で短時間労働が多いために失業も多い

 

-Information is Beautiful

https://informationisbeautiful.net/

インフォグラフィクス集

コロナウイルスインフォグラフィクスデータパック

https://informationisbeautiful.net/visualizations/covid-19-coronavirus-infographic-datapack

 

-セロリジュース狂想曲:皆さん、飲む理由は無い!

Celery Juice Craziness: Folks, There’s No Rational Reason To Imbibe!

By Angela Dowden — July 9, 2020

https://www.acsh.org/news/2020/07/09/celery-juice-craziness-folks-there%E2%80%99s-no-rational-reason-imbibe-14900

どうして高価なセロリジュースを大きなコップ一杯毎朝飲むのが最近の健康の流行になったのか?我々は騙されている

もしあなたが普通以上にお金を持っていたら、18日ごとに129.99ドル(14000円くらい)を宅配セロリジュースに使うことをどう思う?一部の人はこの美味しくない味のジュースに喜んで支払っている。正直言うと特に栄養があるわけではない。

宣伝業者は競合品よりより高価であれば人々が優れていると思うので優位になることを知っている。しかしセロリジュースの会社はこのやり方を全く新しいレベルにまでした。皿のセロリジュースの宣伝は桁外れに狂気である。アマゾンでの宣伝は、いつものデトックスを遙かに超えて、減量、肌が美しくなる、お腹の健康増進、精神がクリアになる、エネルギーを高める、日々の課題に取り組む助けになる、という。

しかしセロリの事実は他の野菜と比べて栄養については劣る。(表)

(以下略。)

 

-ホテルの隔離から逃げたことを非難された女性が法廷に現れる

Woman accused of escaping hotel isolation appears in court

Edward Gay 12:50, Jul 13 2020

https://www.stuff.co.nz/national/crime/300055396/woman-accused-of-escaping-hotel-isolation-appears-in-court

オークランドのホテルでのコロナウイルス隔離命令を破ったことで女性が訴えられ出廷した。

(実名で写真付き報道。)

 

同日のニュージーランドのニュース

コロナウイルス:無症状の女性がエレベーターに乗ったことで71人がクラスターに

Coronavirus: Asymptomatic woman's elevator ride causes 71-person cluster

Georgia Forrester

13:52, Jul 13 2020

https://www.stuff.co.nz/national/health/coronavirus/122111579/coronavirus-asymptomatic-womans-elevator-ride-causes-71person-cluster

女性が60秒で71人にウイルスを与えた

Woman gave 71 people virus in 60 seconds

by Jamie Seidel 13th Jul 2020

https://www.noosanews.com.au/news/woman-gave-71-people-virus-in-60-seconds/4055683/

 

これらの報道のもとがこの↓報告で、よめばわかるけどタイトルはほぼ嘘

Liu J, Huang J, Xiang D. Large SARS-CoV-2 outbreak caused by asymptomatic traveler, China. Emerg Infect Dis. 2020 Sep

https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/9/20-1798_article

 

-あなたが‘Covid Party’に行くべきではない理由

Here’s Why You Shouldn’t Go To A ‘Covid Party’

Jul 12, 2020

https://www.forbes.com/sites/robertglatter/2020/07/12/covid-parties-should-you-go-to-one/#2a9b3c552249

まだSARS-CoV-2がデマだと信じている?テキサスの30才の男性がウイルスはデマだと信じて‘Covid Party’に行き死亡した。彼は今週死ぬ前に看護師に「私は間違えたようだ。嘘だと思ったが嘘ではなかった」と語ったと報道されている。病院の医務主任Jane Appleby博士が声明を発表し、その男性がコロナウイルスが本当かどうかを決めるために感染者との集会に参加していたことを示した。Applebyは警告としてこの話を共有した

(以下他の事例も。NZと同じ世界とは思えないがおそらくどの国にも両極端の人達はいる)