[BfR]食品中1,2-不飽和ピロリジジンアルカロイドの量についての更新リスク評価
Updated risk assessment on levels of 1,2-unsaturated pyrrolizidine alkaloids (PAs) in foods
05.08.2020
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、1,2-不飽和ピロリジジンアルカロイド(PAs)から生じる食品汚染問題に定期的に対処している。PAsは草食動物に対する防御として植物がつくる二次代謝産物である。これらは、食品では、肝臓を損傷する可能性があるため望ましくない物質で、動物実験で変異原性(遺伝毒性)やがん性(発がん性)の影響が示されている。
ピロリジジンアルカロイドで汚染された、あるいはこれらのアルカロイドを天然に含んでいる食品の健康リスクを評価する際に、主な焦点は1,2-不飽和PAsの遺伝毒性発がん影響である。1,2-不飽和ピロリジジンアルカロイドの遺伝毒性発がん影響に安全性の閾値は導出できない。そのため、この評価は欧州食品安全機関(EFSA)の暴露マージン(MOE)の概念に基づいて行われた。このアプローチによるMOE値は健康影響に基づくガイダンス値(HBGVs)ではないが、リスク管理措置の必要性に優先順位をつけるのに役立つ。10,000あるいはそれ以上のMOE値は一般的に公衆衛生の観点から懸念は小さいと考えられ、そのためリスク管理措置の優先度は低いとみなされる。
2015年から2019年の新しい汚染実態データに基づき、BfRは現在、広範囲の関連する食品グループ(ハチミツ、各種(ハーブ)ティー、牛乳、ホウレンソウを含む)の1,2-不飽和PAsへのドイツの消費者の最新の総合的な暴露量を推定している。1,2-不飽和PAsの平均濃度や95パーセンタイルの濃度どちらも、検討中の食品グループのほとんどで近年明らかに減少していることが観察から示された。この減少は特に緑茶、紅茶、ペパーミントティーで顕著だが、カモミールティー、ハーブティー類、ルイボスティーでも報告されている。結果として、これらの食品からの1,2-不飽和PAsの摂取も近年減少している。
この評価で検討されている全ての食品グループからの推定慢性総合暴露量は、子供と成人の両方の摂取量について検討された全てのシナリオで、標準的消費者と多量消費者の両方で10,000を超えるMOE値となる。結果として、この方法で算出された1,2-不飽和PAsへの総合暴露に起因する健康障害が発生する確率は低いと考えられる。これらの結果を解釈する際は、多量消費者のみでのMOE値は10,000をわずかに超えるだけだという事実を考慮しなければならない。
また、他の種類の食品を摂取することで1,2-不飽和PAsに暴露することもあると強調する必要もある。摂取量および/またはPAs濃度に関するデータがないため総合的な評価でこれらの食品を検討できない。この評価で検討されていない食品グループには、例えばハーブ/スパイスや食品サプリメントが含まれる。例えば、ハーブ/スパイスは比較的少量で摂取される一方で、予備的な推定によると、この食品グループが1,2-不飽和PAsへの長期及び短期暴露両方にかなり貢献する可能性がある。実用的な仮定を使用して行われたモデル計算は、汚染濃度が高いハーブ/スパイスの摂取(3,000 μg/kg)だけを考慮しても、成人の標準的消費者のMOEは明らかに10,000より少ないことを示している。平均的な濃度のハーブ/スパイス(1,000 μg/kg)についての成人の多量消費者でも同様である。
以上のことと、少量の遺伝毒性発がん物質の摂取でも特に定期的に摂取する場合は、健康リスク増加に関係する可能性があり、助言は以前と同じままである。すなわち、合理的に可能な限りこれらの物質の摂取を最小限にすること(ALARA原則:「合理的に達成可能な限り低く」)。その結果、BfRは、栽培、収穫、洗浄方法を改善することで全ての食品グループの1,2-不飽和PAsの量をさらに削減するための努力を続けるよう推奨している。このことはハーブ/スパイスなどの検査で高濃度が確認された食品グループに特に当てはまる。
食品中のPAsに関するFAQはBfRのウェブサイトで入手できる
An FAQ on PAs in foods is available from the BfR website:
BfRリスクプロファイル
食品中の1,2-不飽和PAs(Opinion no. 026/2020)
- 影響を受ける集団:一般人
- PAを含む食品及びフードサプリメントの定期的な摂取による健康障害の可能性:可能性がある(possible:5段階の3番目)
- その重篤度:重篤度は多様
- 入手可能なデータの信頼性:高い(最も重要なデータが入手でき一貫性がある)
- 消費者が自分でコントロール可能か:予防措置や摂取を控えることでコントロール可能
[EU]RASFF Week32-3030
警報通知(Alert Notifications)
ドイツ産中国で製造したプラスチックアイスキューブで冷やした飲料の摂取による窒息リスク、トーゴ産ベルギー経由レッドパーム油のベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素(25 µg/kg)、ハンガリー産オーストリア経由有機ヒマワリ種子にブタクサの種子高含有(最大 3055 mg/kg)、ドイツ産原料チェコ共和国産ヘンプシードオイルのテトラヒドロカンナビノール(THC) (9281.1 µg/kg)、英国産アプリコット及びコリアンダーソースの亜硫酸塩非表示(最大 34 mg/kg)、
注意喚起情報(information for attention)
米国産殻をとったアーモンドのアフラトキシン(B1 = 15 mg/kg;B1 = 82; Tot. = 86 µg/kg)、ドイツ産卵のダイオキシン(7.82 pg WHO TEQ/g)、ベルギー産塗るタイプの油脂製品のグリシジルエステル類(1903 µg/kg)、中国産麺のデオキシニバレノール(DON) (1178 µg/kg)、スペイン産イチゴのフロニカミド(1,7 mg/kg)、ハンガリー産食品サプリメントからのピペリンの高摂取量(4.75 mg/kg)、
フォローアップ用情報(information for follow-up)
酸性食品と接触するのに適さない中国産金属製の蓋、フランス産ベルギーで屠殺した雌豚のジヒドロストレプトマイシン(>1250 µg/kg)、オランダ産子豚用補完飼料のヒ素(13.0 mg/kg)、米国産オランダ経由シラチャーチリソースの亜硫酸塩(200 mg/kg)未承認、ルクセンブルク産食品サプリメントの未承認新規食品成分オウバク及びピペリン(4630 mg/kg)とベルベリン(590 mg/日)の高摂取量、
通関拒否通知(Border Rejections)
ウクライナ産原料インド産ピーナッツ入りキャンディーのアフラトキシン(B1 = 3.57; Tot. = 4.10 µg/kg)、タイ産チリの未承認物質ヘキサコナゾール(0.058 mg/kg)及びジノテフラン(0.077 mg/kg)、トルコ産炒った塩味ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 8.4; Tot. = 17.7 µg/kg)、インド産冷凍カレーリーフのクロルピリホス(0.07 mg/kg)、トルコ産殻をとったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 186.95; Tot. = 208.67 µg/kg)、米国産ヘンプ小袋の未承認新規食品成分ヘンプ抽出物及びヘンプフラワー、中国産緑茶の未承認物質トルフェンピラド(0.88 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認物質αグリセリルホスホリルコリン(GPC)(存在)、
[EFSA]ジャガイモのグリコアルカロイド:公衆衛生リスクが評価された
Glycoalkaloids in potatoes: public health risks assessed
11 August 2020
http://www.efsa.europa.eu/en/news/glycoalkaloids-potatoes-public-health-risks-assessed
EFSAは特にジャガイモとジャガイモ由来製品の、食品及び飼料中グリコアルカロイドの存在に関するヒトと動物の健康へのリスクを評価している。
グリコアルカロイドは、ジャガイモ、トマト、ナスなどのナス科の植物に見られる天然に生じる化合物である。
専門家は平均的な及び多量消費者両方を考慮して、乳幼児に健康の懸念を確認した。成人では多量消費者だけに健康上の懸念がある。グリコアルカロイド中毒は、吐き気、嘔吐、下痢などの急性胃腸症状の原因となる可能性がある。
最新の入手可能な知見を基にして、EFSAは最小毒性量1 mg/ kg体重/日を導出した。これは、望ましくない影響が観察される最低用量に相当する。
皮をむく、ゆでる、揚げる、は食品中のグリコアルカロイドの含有量を減らすことができる。例えば、皮をむいたジャガイモは25~75%、ゆでると5~65%、油で揚げると20~90%含有量を削減できる。
・特にジャガイモとジャガイモ由来製品の、食品及び飼料中のグリコアルカロイドのリスク評価
Risk assessment of glycoalkaloids in food and feed, in particular in potatoes and potato-derived products
EFSA Journal 2020;18(8):6222 11 August 2020
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6222
欧州委員会は、飼料と食品中のグリコアルカロイド(GAs)の存在について、動物とヒトの健康リスクに関する科学的意見をEFSAに求めた。このリスク評価では、ジャガイモの可食部分やGAsを含む他の植物、特にトマトやナスを取り扱っている。ヒトの、ジャガイモのGAsの急性毒性影響(α‐ソラニンとα‐チャコニン)には吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状が含まれている。
これらの影響の、急性暴露後のリスクキャラクタリゼーションの参照基準として、CONTAMパネルは最小毒性量1 mg合計ジャガイモGAs/ kg体重(bw)/日を導出した。ヒトでは、ジャガイモ由来GAsの繰り返しあるいは長期摂取に関連する健康問題の証拠は確認されていない。実験動物試験から慢性暴露の参照基準は導出できなかった。発生データは主にジャガイモのα‐ソラニンとα‐チャコニンにだけ入手できた。このジャガイモのGAsへの急性食事暴露は、確率論的アプローチを用い食品の加工係数を適用して推定された。入手可能なデータが限られるため、暴露マージン(MOE)アプローチが適用された。若い年齢グループのMOEsは、食品摂取量調査での最も高い平均暴露と、全ての調査での95パーセンタイルで健康上の懸念を示した。成人のグループでは、MOEsは食品摂取量調査で最大の95パーセンタイル暴露だけで健康上の懸念を示した。トマトとナスのGAsには、発生データがなく毒性データが少ないため、ヒトの健康へのリスクの特性は明らかにできなかった。ウマ、農場動物、ペットの、ジャガイモのGAsのリスクキャラクタリゼーションは、これらの種の飼料の発生データやGAsの有害影響の可能性に関するデータが不十分で行えなかった。
・この記事は以下のEFSAの参考文献記事に関連している。
This publication is linked to the following EFSA Supporting Publications article: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2020.EN-1905/full
特にジャガイモとジャガイモ由来製品の飼料と食品のグリコアルカロイドのリスク評価案に関するパブリックコメント募集結果
Outcome of a public consultation on the draft risk assessment of glycoalkaloids in feed and food, in particular in potatoes and potato‐derived products
11 August 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1905
EFSAは9コメントを受け取った。この意見は2020年7月7日にCONTAM本会議で採択され、EFSA Journalで発表された。
[EFSA]意見等
-食品添加物再評価プログラムの安全性評価の一部として甘味料への暴露を評価する議定書案に関するパブリックコメント募集結果
Outcome of the public consultation on a draft protocol for assessing exposure to sweeteners as part of their safety assessment under the food additives re‐evaluation programme
11 August 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1913
10団体から71コメントを受け取った。受け取ったコメントの完全リストとEFSAの取り組みは付属文書Aに記載されている。
[FDA]FDAはめったに生では消費されない農産物リストの拡大について情報請求する
FDA Requests Information on Expansion of the Rarely Consumed Raw List for Uncommonly Consumed Produce
August 6, 2020
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、消費報告がないまたは少ない農産物に関するデータや情報の情報請求(RFI)を出した。FDAはこれらの農産物を「生では滅多に食べない」(RCR)リストに加え、それにより農産物安全規制から免除するかどうか検討するためにこのデータや情報を使用する。現在RCR完全リストにある項目は農産物安全規制の条件の対象外である。
RCRリストの開発には、FDAは国民健康栄養調査/アメリカ食事摂取量調査(NHANES/WWEIA)データセットやアメリカ環境保護庁の食品摂取量データベース(FCID)で分かった食品摂取パターンに関するデータを使用した。このNHANES/WWEIAデータセットはアメリカ人の食事摂取量について入手可能な最も包括的なデータセットである。EPA FCIDはNHANES/WWEIAデータセットの食品の成分の割合やその調理状態(調理済あるいは未調理)を特定する調理法データベースである。
その農産物が3つの基準、1)アメリカ人の0.1%未満が調理せずに消費すること。2)食べる機会の0.1%未満で調理されないこと。3) 調査回答者の重み付けを行った数の少なくとも1%が、米国の消費者によるその作物の消費のされかたの合理的描写を提供できるよう何ら家の形でその作物を消費していることを報告すること、を満たしている場合にRCRリストに加えられる。最初の2つの基準を満たしているが3番目を満たしていない農産物は、RFIで「消費報告の少ない農産物」とされている。NHANES/WWEIAデータセットに全く現れない農産物はRFIで「消費報告のない農産物」とし、これらは農産物安全規制に含まれる。
[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新
Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup August 13, 2020
・消費者と医療従事者に対してエタノールやイソプロピルアルコールを含むと表示されているある種のハンドサニタイザーに1-プロパノール汚染があることについて警告。1-プロパノールは2-プロパノール/イソプロパノール/イソプロピルアルコールと間違ってはならず、ハンドサニタイザーの成分として認められていない
・いくつかの検査販売業者に警告
(アマゾンで売ってる自宅でできるPCR検査等、事前承認無しに販売しているもの。とはいえFDAの緊急認可検査が既に212種類なので見分けるのは難しいかも。集計にも問題あるという報道もあってアメリカの状況はよくわからない。)
[CFIA] 2020-08-12 食品安全検査報告
2020-08-12 Food Safety Testing Bulletin
2020-08-12
小麦製品、オーツ麦製品、米製品、他の穀物製品のオクラトキシンA-2018年4月1日~2019年3月31日
Ochratoxin A in Wheat Products, Oat Products, Rice Products and Other Grain Products - April 1, 2018 to March 31, 2019
2020-08-12
小麦製品、オーツ麦製品、米製品、他の穀物(大麦、キヌアなど)は、程度の差はあってもカナダの一部またはすべての集団に消費されている。これらの製品は、菌類の有毒な二次代謝物であるマイコトキシンに天然に汚染される可能性がある。オクラトキシンA (OTA)は、保管中の暖かく湿った気候条件により、農産物で育つカビが放出する毒素である。
上記の要因やカナダ人との関連性を考慮して、穀物がこのターゲット調査に選ばれた。ターゲット調査の目的は食品中の化学的ハザードの発生や濃度のスナップショットを作成することである。この研究中に(2018年4月1日~2019年3月31日)、全部で495のサンプルがカナダの6都市の小売店から集められ、OTAの検査を受けた。
OTAは検査したサンプルの45%に見つかった。小麦製品、オーツ麦製品、米製品、カムート製品(カムートは小麦の一種)は、ヘルスカナダ(HC)に提案されている最大量3 ppb(10億分の1)の対象である(追加情報の別表1参照)。これらの製品の遵守率は99.8%である (n=420 サンプル)。現在のところ他の穀物にOTAの限度は設定されていない。OTA濃度が消費者に有害かどうか見極めるために、HCは特定の穀物の過去の結果(以前にHCに提出されて安全と判断された)を上回る濃度をレビューした。これらのサンプルの濃度はカナダの消費者の健康リスクではなかったので、この調査による製品回収はなかった。
概して、私達の調査結果から穀物は摂取しても安全だと示されている。にもかかわらず、これらの食品は既知の潜在的なOTA汚染源なので、生産者、小売業者、消費者に安全な取り扱い方法が助言されている。
[FSS] FSSは都市封鎖中のスコットランド人の食生活を明らかにする
Food Standards Scotland reveals how Scotland ate during lockdown
10 August 2020
スコットランド基準庁(FSS)はCOVID-19パンデミックの警戒期間中の市民の食品に対する行動や考え方に焦点を当てた新たなIpsos MORI-commissioned researchを発表した。
このオンライン調査は、スコットランド政府がパブとレストランの新たな緩和地役権を導入する前の、2020年5月から7月までの3カ月間にスコットランドで購入し消費した食品を追跡調査した。
(注:スコットランドでは7月6日からパブやレストランの戸外のスペースで営業可能になり7月15日から屋内でも可能。それ以前はテイクアウトや配達のみ)
最新動向(2020年7月10-14日)の結果から、先月は回答者のおよそ3分の1(28%)がより健康的な食事をとったことが分かった。さらに、直接的にはCOVID-19を心配して自宅で調理するため、あるいはお金を節約しようとしていたという事実から、33%の人々が都市封鎖前の期間と比べて持ち帰り食品の購入頻度を減らしたと報告した。
さらに、35%の人々は加工食品(ベーコンや塩漬け肉)をあまり購入しなかったか全く購入しなかったと述べたが、37%は砂糖、塩、脂肪の多い製品を先月より多く間食したと述べた。
追跡した最新の期間では、スコットランドの人々は先月、次のことを行う傾向が高かった。
・より健康的な食事をとる(28%)
・後のために食品を冷凍するために調理する(25%)
・ケーキ/ビスケット/焼き菓子/スナック菓子を間食する(37%)
・最初から調理する(35%)
・家族と一緒に食べる(24%)
あまり行わなかったこと
・持ち帰り食品の購入(33%)、ロックダウン前の期間と比較して
・加工食品の購入(35%)
[TGA]TGAが規制するフェイスマスクとレスピレーター
Face masks and respirators that are regulated by the TGA
13 August 2020
https://www.tga.gov.au/face-masks-and-respirators-are-regulated-tga
TGAはマスクの規制について多数の質問を受け取っている。このページは消費者、医療職、政府や地方の役人に、あるフェイスマスクが医療機器なのかどうか決める際のガイダンスを提供する
一般人用の布のマスクや使い捨てマスクはARTG登録は必要なく規制対象ではないが病気の予防や医療における使用を示唆する宣伝や表示はできない
[TGA]研究がHPVワクチンの安全性を確認
Study affirms safety of human papillomavirus (HPV) vaccine
11 August 2020
https://www.tga.gov.au/alert/study-affirms-safety-human-papillomavirus-hpv-vaccine
11年以上にわたるサーベイランスデータを解析した新しい大規模試験が4価のHPVワクチンが少年と少女の両方で安全であることを確認した。Vaccineに発表
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 132-20
14 August 2020
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notificationcirc132-20.aspx
新規申請と提案
・Saccaromyces cerevisiaeの発酵で作られたレバウジオシドMの使用認可申請
等
[BfR]人々はまだコロナウイルスパンデミックが重要だと考えている
Population still considers coronavirus pandemic relevant
11.08.2020
BfRコロナモニター 4–6 August 2020
(ドイツはテレビ報道や政府への信頼が高い)
[BfR]研究プロジェクト
-CHANCE -強制抗菌剤耐性の世界的課題に対応するための新しい警告ツール開発のための選択圧の高い地域由来カンピロバクターのプロファイリング
CHANCE - Profiling Campylobacter from High selection Areas for the development of a Novel alert tool to meet the global Challenge of Enforced antimicrobial resistance (Chance)
03/2020-02/2023
-赤肉代用品としての新規食品-リスクベネフィット評価法を用いた知見(NOVRBA)
Novel foods as red meat replacers - an insight using Risk Benefit Assessment methods (NOVRBA)
03/2019-03/2021
-食品の栄養と安全保障クラウド(FNS-Cloud)
Food Nutrition Security Cloud (FNS-Cloud)
10/2019-09/2023
https://www.bfr.bund.de/en/food_nutrition_security_cloud__fns_cloud_-252472.html
-SafeConsumE –消費者の行動変容によるより安全な食品:食品由来疾患による健康負担を減らすための効果的ツールと製品、コミュニケーション戦略、教育と食品安全政策
SafeConsumE - Safer food through changed consumer behavior: Effective tools and products, communication strategies, education and a food safety policy reducing health burden from foodborne illnesses (SafeConsumE)
05/2017-04/2022
-MetaPath –残留農薬データの組み入れ
MetaPath - Incorporation of Pesticide Residue Data (MetaPath)
01/2020-12/2021
https://www.bfr.bund.de/en/metapath___incorporation_of_pesticide_residue_data__metapath_-252118.html
-ナノ物質の共通試験法に向けて(NanoHarmony)
Towards harmonised test methods for nanomaterials (NanoHarmony)
04/2020-03/2023
-関連地中海サプライチェーンの食品真正性とトレーサビリティのための相互関連デジタルプラットフォーム(MEDIFIT)
An Interlinked Digital Platform for Food Integrity and Traceability of relevant Mediterranean Supply Chains (MEDIFIT)
-ケニアにおける食用昆虫の利用強化に向けた汚染状況と安全性の探索(ContamInsect)
Contamination status evaluation and safety aspect exploration for an intensified utilization of edible insects in Kenya (ContamInsect)
02/2020-12/2022
-大腸菌の抗生物質耐性普及に与える殺生物剤の影響(BiozAR)
Impact of biocides on the dissemination of antibiotic resistance in Escherichia coli(BiozAR)
04/2020-03/2022
[DHSC]フェイスカバー:いつ着けるか、どうやって作るか
Face coverings: when to wear one and how to make your own
Last updated 13 August 2020
https://www.gov.uk/government/publications/face-coverings-when-to-wear-one-and-how-to-make-your-own
(いろいろ細かい。ただマスクの作り方は大雑把)
-COVID-19死亡の記録に関する新しい英国全体の方法論合意
New UK-wide methodology agreed to record COVID-19 deaths
12 August 2020
https://www.gov.uk/government/news/new-uk-wide-methodology-agreed-to-record-covid-19-deaths
PHEによる数字の計算方法レビュー後、死亡数の報告再開
・新しい方法では検査で陽性となってから28日以内に死亡した数を報告する
(この結果5000人以上死亡数が減ったとのこと)
一方PHEは以下のようなデータを発表
英国地域ごとの過剰死亡
Excess mortality in English regions
13 August 2020
https://www.gov.uk/government/publications/excess-mortality-in-english-regions
[FAO]COVID-19パンデミックの食品と農業への影響についてのQ & A
Q&A: COVID-19 pandemic – impact on food and agriculture
http://www.fao.org/2019-ncov/q-and-a/impact-on-food-and-agriculture/en/
Q 13まで
[CDC]ノートカトンがEPAに登録された
Nootkatone Now Registered by EPA
MONDAY, AUGUST 10, 2020
https://www.cdc.gov/media/releases/2020/p0810-nootkatone-registered-epa.html
CDCが発見して開発した新しい有効成分ノートカトンが殺虫剤と昆虫忌避剤としてEPAに登録された。ノートカトンはダニ、蚊、その他の刺す虫を避けて殺す。ノートカトンはグレープフルーツの特徴的匂いと味の成分で香料業界では広く使われている
アラスカイエローシーダー(Cupressus nootkatensis)の木やグレープフルーツの皮に微量含まれる
[ProMED]アルコール中毒-米国:ハンドサニタイザー
Alcohol poisoning - USA: hand sanitizer
2020-08-08
https://promedmail.org/promed-post/?id=7656505
MMWR Morb Mortal Wkly Rep. Epub 5 Aug 2020
メタノールを含むアルコールベースのハンドサニタイザーを飲み込んだことに関連する死亡を含む重大な有害事象
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6932e1.htm?s_cid=mm6932e1_w
2020年5月1日から6月30日までの間に、アリゾナとニューメキシコでアルコールベースのハンドサニタイザーを飲み込んだことに関連するメタノール中毒15例が報告されている。4人が死亡し3人は視覚障害
[ProMED]有毒藻類-英国:イヌ、警告
Toxic algae - UK: dogs, alert
2020-08-11
https://promedmail.org/promed-post/?id=7668204
Date: 10 Aug 2020 Source: Veterinary Practice [edited]
英国獣医師会(BVA)が、この夏の英国全体で有毒藻類の急増が報告されているため、ペットのオーナーに湖の近くをイヌと散歩するときには十分注意するよう呼びかけている。
この夏少なくとも一頭の犬が湖水地方で藍藻暴露に関連して死亡している
[ASA]ASA裁定
-ASA Ruling on Easylife Group Ltd
12 August 2020
https://www.asa.org.uk/rulings/easylife-group-ltd-a20-1066681-easylife-group-ltd.html
新聞に掲載されたマスクの広告「細菌やウイルスから守る」「NHSが支持している」が誤解を招く宣伝であり違反
-ASA Ruling on Pheka Agency Co Ltd
12 August 2020
ソーシャルメディアでのお金を払った上での広告、ネックレスが周囲の電磁波からあなたを守る、携帯やパソコンから出る電磁波が危険だということを知っている?等の主張に苦情申し立てがあり、企業に照会したところ反応がなかった
[HSA]警告:‘Coco Curv’ と ‘Choco Fit’に禁止物質が含まれる; ‘Hamer Candy’は勃起不全約類似成分が検出された
HSA Alert: ‘Coco Curv’ & ‘Choco Fit’ Found to Contain Banned Substance; ‘Hamer Candy’ Detected with Potent Ingredient Similar to Erectile Dysfunction Medicine
6 AUGUST 2020
https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-alert-cococurv-chocofit-hamercandy
シブトラミン、ノルタダラフィル検出
PDFファイルに製品の写真
[FSSAI]メディアコーナー
-学校の校舎の50メートル以内ではジャンクフードの販売禁止
No sale of junk food within 50 metres of school campus: FSSAI
09-08-2020
https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_JunkFood_LiveMint_10_08_2020.pdf
FSSAIのArun Singhalが学校やその他教育機関の売店ではジャンクで不健康な食品の販売を制限する。さらに学校施設の50m以内では不健康な食品の販売と広告を禁止する
脂肪砂糖塩の多い食品は学生に販売できない
-トランス脂肪を2に制限する規則が間もなく通知される、Bakshiがウェビナーで語る
Norms limiting trans fats to 2 to be notified soon, Bakshi tells webinar
08-08-2020
https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_news_Norms_FNB_10_08_2020.pdf
油脂や食品中トランス脂肪を重量で2%以下にする規制が間もなく通知されるとFSSAIのSunil Bakshi博士が語った。パンデミックとロックダウンでプロセスが遅れたものの、予定通り2022年1月1日からインドはトランス脂肪を排除する
論文
-あなたの飲料のカフェイン:天然か合成か?
Caffeine in Your Drink: Natural or Synthetic?
Lijun Zhang, et al.,
Anal. Chem. 2012, 84, 6, 2805–2810
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ac203197d
高温逆相液体クロマトグラフィーと同位体比質量分析(HT-RPLC/IRMS)を組み合わせた化合物特異的同位体解析(CSIA)による飲料中カフェインの天然と合成の識別方法
(表示の真偽の識別のためにそこまでやるか、という気はする)
-科学者が警鐘を鳴らす:ロックダウンは肥満の流行をエスカレートさせるかもしれない
Scientists sound the alarm: Lockdowns may escalate the obesity epidemic
13-AUG-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-08/uoct-sst081320.php
デンマークの研究者らがNature Reviews Endocrinologyにレターを発表
理由としては経済的危機、社会活動の制限と孤立による過食、自宅で働くことによる運動不足
(時間があるから料理できて健康になるという説も提示可能だけれど、結果はどうなるかな)
-新しい研究はCOVID-19の間に家庭内暴力の増加を示す
New study shows increase in domestic violence injuries during COVID-19
13-AUG-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-08/rson-nss081320.php
Radiologyに発表された米国の研究。身体的家庭内暴力の絶対数、割合、重症度が増加
-Science
ラテンアメリカの科学にとって、「魅力的なチャレンジ」
For science in Latin America, ‘a fascinating challenge’
Rodrigo Pérez Ortega, Lindzi Wessel
Science 14 Aug 2020:Vol. 369, Issue 6505, pp. 753-754
COVID-19パンデミックは研究者にとって、この危機への彼らの専門性の貢献を示すチャンスでもあるが同時に経済的問題による研究費のカットにも直面している。
ラテンアメリカの人口は世界の10%以下であるが報告されているCOVID-19死の約1/3を占める。そして科学者と政治家の溝が深まった。ブラジル大統領Jair Bolsonaroは科学の専門性への疑問を繰り返しベネズエラでは科学者の警鐘が政府高官からの脅迫にあった。コロンビアでは以前試験されていないがん治療法を推進してスキャンダルになった科学技術革新大臣Mabel Torresの率いるパンデミック対策に7人の議員が苦情の文書を大統領に送っている。そして財務省が科学予算の35%削減を提案した。
(一部のみ)
アフリカのパンデミックの謎:何故こんなに患者と死亡が少ないのか?
Africa's pandemic puzzle: why so few cases and deaths?
Linda Nordling
Science 14 Aug 2020:Vol. 369, Issue 6505, pp. 756-757
アフリカは公式症例数は先週100万を超えたもののこれまでのところ人口あたりの感染者数(数千人に一人)と死亡者(わずか23000)が少なく、比較的よくパンデミックを過ごしているように見える。いくつかの抗体検査では感染はもっと多いことが示唆されているがこの矛盾がアフリカの科学者を困惑させている
検査が不足していて診断数が過小であっても死亡の増加が見られていない。死亡サーベイランスに問題のある可能性はあるものの。
年齢の若さ、他のコロナウイルスへの感染歴、遺伝要因、などが仮説として提示されている。
コロナウイルスの物語をコントロールする
Controlling the coronavirus narrative
Nita Bharti
Science 14 Aug 2020:Vol. 369, Issue 6505, pp. 780
科学的な結論を改変することは人健康に重大な結果をもたらす。気候変動否定論者や反ワクチンメッセージを拡大している人達は危険で消えない神話を作り出し新たな問題として科学者は解決法を探らなければならない。今は政治家が科学的事実を無視しコロナウイルス疾患への対応を毀損している。科学的根拠は政治的主張に埋もれるべきではない。科学者のアウトリーチへの努力に意味のある報酬を与えるよう学問的インセンティブの更新が必要である。
その他
-専門家に聞こう 食品からコロナウイルスに罹る?
ASK THE EXPERTS Can You Get the Coronavirus Through Food?
by LAURIE SALOMAN August 12, 2020
Q: Covid-19の原因となる新型コロナウイルスは食品摂取で伝染する?
A: Covid-19に関するあらゆる悪いニュースにも関わらず、良いニュースは食品が感染源にはなりそうにない、ということである。現在汚染食品を食べることで病気になっているという根拠はない。販売店や調理においては手を洗うのなどの基本的衛生が適用される。
食品に関連した最大のコロナウイルスリスクはおそらくあなたと一緒に食べる人であろう。安全のために、コップや道具を共有しないこと、パンデミック中に一緒に隔離されてきていない人とは距離をとること。
-カンピロバクターが発見され一人が入院して未殺菌ミルクリコール
Raw milk recalled after Campylobacter discovered, one person hospitalized
Aug 14 2020
Lindsay Farmの生産した未殺菌ミルクリコール
Lindsay FarmはMPIが12月に強制捜査した8つの未登録供給者の一つである。MPIの規制では未殺菌ミルクは直接家に届けなければならないが、Lindsay Farmは集積場に未殺菌ミルクを供給してそこから消費者がミルクを持ち帰ることができた
(ミルクは殺菌しよう)
-NHSの数字はイングランドの定期手術の長い待ち時間を明らかにする
NHS figures reveal long waits for routine ops in England
13 August 2020
https://www.bbc.com/news/health-53765260
イングランドで定期的治療のために病院に行く患者数が6月は前年同時期に比べて67%減った。7月の事故や救急も30%減った。コロナウイルスパンデミックは医療の多くの分野に混乱をもたらした。しかし患者は必要な場合には助けを求めるように。
6月の18週間以上の手術待ちをしている人は185万人。1年以上待っている人は昨年の1000人から50500人に増加。
-SMC NZ(排除していたはずのウイルスの発見に関するニュース)
COVID-19が戻ってきた次の段階-専門家の反応
Next steps as COVID-19 returns – Expert Reaction
Expert Reactions | Published: 12 August 2020
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/08/12/next-steps-as-covid-19-returns-expert-reaction/
以下についての専門家のコメント
マスク:公共の場ではマスク必須
接触追跡技術:NZのアプリは自分でどこにいたか記録する日記のようなものなのでBluetoothを用いたものは現在開発中で数ヶ月かかるだろう
法的力:最初のロックダウンでは警察や軍などが執行力を持っていたがそれが無くなって力が弱まっているので再び力を
メンタルヘルス:不安、失望、悲しみへの対応
地域のCOVID-19症例の追跡-専門家の反応
Tracing community cases of COVID-19 – Expert Reaction
13 August 2020
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/08/13/tracing-community-cases-of-covid-19-expert-reaction/
ウイルスゲノムからの感染源の同定の試みと広範な検査について
(国を挙げての犯人捜し怖い。なにせ合い言葉は「チーム500万人」。)
オークランド以外でもCOVID-19症例がみつかった-専門家の反応
COVID-19 cases found outside Auckland – Expert Reaction
14 August 2020
新たに12確認、疑い1、地方のWaikatoの町でも
地方はマオリが多く社会経済的地位が低く高齢者が多く医療資源が乏しい。Wifiがカバーしていない地域もある
ニュージーランドは新たに13症例、高齢者施設に警戒態勢
New Zealand reports 13 new cases, puts aged care facilities on alert
August 13, 2020
ニュージーランドはアウトブレイクの発生源追跡に大急ぎで対応している。木曜日に報告された13例のうち一人はWaikatoの高齢者施設を訪問していた。保健長官Ashley Bloomfield博士はその施設の名前を挙げることを拒否した。現在国内の全ての高齢者施設が訪問禁止になっている。
二日前のオークランドでの家族4人の感染はこれまで3ヶ月以上発生していなかった国にショックを与え、政府への批判をひきおこした
感染源として海外産冷蔵品を疑う声もあるが可能性は低く、静かにオークランドで拡散していた可能性の方が高い
Americold's Covid-linked coolstore facility supplies supermarkets and fast-food outlets
Aug 13 2020
最初の陽性患者の妻が働いていたのがAmericoldの冷蔵施設で、他の従業員も陽性になったことから海外から輸入された食品が感染源になった可能性を完全否定してはいない
ニュージーランドはオークランドの「ロックダウン」を12日間延長
New Zealand extends Auckland ‘lockdown’ for 12 days