[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新
Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup September 1, 2020
September 01, 2020
FTCと合同で、認可されていない羊水製品AmnioBoostをCOVID-19に関連するSARSや急性呼吸促迫症候群(ARDS)の緩和、予防、治療、診断用に宣伝販売していたLattice Biologics社に警告文書を送付
(帝王切開の副産物の羊水を使ったサプリメントと宣伝している)
[FDA]FDAは教師、親、若者向けの栄養成分表示教材を奨励する
FDA Promotes Nutrition Facts Label Educational Materials for Teachers, Parents and Youth
August 26, 2020
FDAは、教師、親、若者がオンラインで利用可能な、新しい栄養成分表示について複数の教材を更新した。
Snack Shack:8~15才向け。栄養成分表示を理解し活用出来るようにするための2種類のゲーム「Label Lingo」と「Snack Sort」を紹介している。
Read the Label:9~13才、教師、親向け。栄養成分表示を理解し活用できるようにするためのビデオ、インフォグラフィック、こつをまとめたリーフレットなどを紹介している。
Science and Our Food Supply:中高生向け。農場から食卓にかけての食品安全を学ぶ、健康的な食品選択のために栄養成分表示を利用することを学ぶ、農業とバイオテクノロジーを学ぶ、3つの教材を紹介している。
Interactive Nutrition Facts Label:栄養成分表示に記載されている内容(例:用語)について詳しく学べるようにしたオンライン教材を紹介している。
[FDA]消費者向け情報 あなたのハンドサニタイザーはFDAの使うべきでない製品リストに載っている?
Is Your Hand Sanitizer on FDA’s List of Products You Should Not Use?
08/25/2020
FDAは、ハンドサニタイザーを処方箋は必要ない店頭販売用の薬品として規制している。最近の検査で、次のような安全上の懸念のあるハンドサニタイザーを発見した。
有毒なタイプのアルコールにより汚染されている
十分な量の有効成分(エチルアルコール、イソプロピルアルコール)が含まれていない
虚偽の、誤解を招く、証明されていない薬効表示がされている
いくつかの製品はすでにリコールされており、FDAは150以上の製品について直ちに利用を中止するよう消費者に呼びかけている。それらの製品のリストと確認の仕方についてウェブサイト上で分かりやすく説明する。もし自分が所持しているハンドサニタイザーがリストに掲載されていた場合には直ちに使用を中止して捨てて欲しい。
また、有毒なアルコールを含むことは、ラベルに記載されていないことがほとんどであるが、もし記載があったなら使用を中止して捨てるべきである。ハンドサニタイザーはエタノールを最低60%含むべきだが、それに満たない製品があることも分かっている。
メタノールと1-プロパノールは有毒
アルコールにはいくつかの種類があり、ハンドサニタイザーに使用出来るのはエチルアルコール(エタノール)とイソプロピルアルコール(2-プロパノール)である。最近、FDAはハンドサニタイザーに利用できないメタノールや1-プロパノールを含む製品があるのを確認している。
メタノール(メチルアルコール、wood alcohol):ロケット燃料や不凍剤に使用される。メタノールに汚染されたハンドサニタイザーを飲み込む又は飲むと失明や死亡を含む深刻な健康問題を生じる可能性がある。
1-プロパノール(1-プロピルアルコール):工業用溶剤(クリーナー類)に使用される。1-プロパノールに汚染されたハンドサニタイザーを飲み込む又は飲むと呼吸困難や頻脈を生じ、より深刻な場合には死亡に至る可能性がある。皮膚刺激もあり、まれにアレルギーも報告されている。
虚偽の、あるいは誤解を招くラベル表示
「COVID-19の拡大を予防する」、「特定の期間(例えば24時間)あなたをウイルスや微生物から守る」、といったことが証明されているハンドサニタイザーはなく、そのようにFDAが認めた製品もない。
子供・若者とペットについて
COVID-19パンデミックが始まってから、中毒センターには、キャンディーや甘い飲み物に似せたハンドサニタイザーを誤って飲み込んだ子供についての相談が増加している。飲み込むとアルコール中毒や重大な健康上の問題を誘発したり、死亡の可能性もある。また、ハンドサニタイザーはペットが触らないところに保管し、決してペットには使わないように。アルコール中毒を生じることがある。
[COT]CBD食品製品中CBDのリスクの可能性についてのポジションペーパー
Position paper on the potential risk of CBD in CBD food products (2020)
https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2020-08/cbdpositionpaper290720_accessibleinadobepro.pdf
カンナビジオール(CBD)は、これまで研究されてきた医薬品以外にも使用されるようになり、食品分野でもCBD含有製品が登場するようになった。それらの製品には、飲料品(ビール、スピリッツ、ワイン、コーヒー、ソーダ飲料)、食用オイル(チンキ、ドロップ、シロップ、オリーブオイル)、チュアブル(ガムドロップ)、そしてチョコレートなどがある。これらの製品は2019年1月に新規食品に該当すると認定されたことで、(新規食品の判断基準である)1997年5月より前にEUにおける相当量の食歴がないということになり、新たに販売する、あるいは流通を継続するためには評価と認可が必要となった。
そのような背景からCBDのリスク評価助言が要請された。このポジションペーパーは、2019年7月~2020年5月のCOTと変異原性委員会(COM)の合同会合での議論をまとめている。
2020年1月会合での議論では、次の結論に至った。医薬品EpidiolexRの認可申請のために米国FDAとEMAに提出された資料を参考にした。ただし医薬品用のCBDは純度が高い(>98%)が、新規食品に使用されるものはそれよりも純度が低く、他のカンナビノイドを含む可能性がある。医薬品グレードのCBDに遺伝毒性はない。絶食後の生物学的利用能は低い(<10%)が、脂肪の多い食事と一緒だと最大5倍に増加する。NOAELのような信頼できる出発点を決定することは不可能で、暫定的リスク評価を行うにはデータが不十分である。ただし、いくつかの一般的な結論を新規食品として申請されたCBDにも当てはめることが可能で、医薬品EpidiolexRのCBDへのヒトでの暴露で観察された有害影響は次の通りである。
≤ 5 mg/kg体重/日のCBD用量で、肝臓への有害影響がみられる。
≤ 1 mg/kg体重/日のCBD用量で、いくつかの医薬品との相互作用(阻害)がみられる。ただし医薬品全般的について決定するには情報が不十分である。
≤ 10 mg/kg体重/日のCBD用量で、眠気がみられる。British National Formularyの自動車や機械の運転への警告に留意すべきということに同意する。
動物試験で生殖毒性と子供への発達影響が観察された。ただし作用機構は不明。催奇形性はない。
CBDの生理学的特性によると、母乳中に移行するようであり、乳児にリスクがある可能性がある。
2020年2月にはFSAがCOTの見解を活用してCBD食品中のCBDの安全性に関する消費者助言を公表した。FSAは、CBDについて1 mg/kg体重/日を摂取量の実用的な上限と判断して、成人の平均体重を70 kgとした場合の70 mgを健康的な成人が超えるべきでない摂取量として助言した。ただし個人の体重や健康状態を考慮することが重要だとしている。
論文
-神話を打ち砕く:ダイエタリーサプリメントとCOVID-19
Myth busters: dietary supplements and COVID-19.
Adams K. et al., Annals of Pharmacotherapy, May 12, 2020
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1060028020928052
ニュースやソーシャルメディアにはCOVID-19の予防や治療にダイエタリーサプリメントを薦めるものがある。矛盾するメッセージやデマが溢れる中で情報がどんどん進化していくこのパンデミック期間中、薬剤師の役割は重要である。ここにCOVID-19の文脈でのビタミンC、亜鉛、エルダーベリー、銀を含む特定のサプリメントの安全性と有効性に関連する理論的メカニズムと根拠をレビューする。COVID-19患者でこれらのサプリメントを評価した根拠は無いので、患者はCOVID-19の予防や治療にダイエタリーサプリメントを頼るべきでは無い
-ボディビル用サプリメントが健康的加齢と長寿を促進する、少なくともマウスでは
Bodybuilding supplement promotes healthy aging and extends life span, at least in mice
By Jocelyn KaiserSep. 1, 2020
ボディビルダーが筋肉を増やすために使っているサプリメントにより一般的な健康上の利益があるかもしれない:加齢による災厄をくい止める。アルファケトグルタル酸(AKG)を与えられたマウスが年をとるとより健康的で、雌はサプリメントを与えられない群より長生きした。他の化合物、アンチエイジング薬ラパマイシンや糖尿病治療薬メトホルミンもマウスでは同様に効果が示されている。しかしAKGはマウスやヒトの体内で合成されるため消費者や規制機関に安全だとみなされている
Cell Metabolism
その他
Quackwatch
FDA長官が政治的臆病さを非難される
FDA Commissioner Blasted for Political Cowardice
September 1, 2020
https://quackwatch.org/fda-commissioner-blasted-for-political-cowardice/
Medscapeの編集長Eric Topol医師が、FDA長官Stephen Hahn医師のトランプ政権からの圧力によるCOVID-19関連の政治的発言をしたことを厳しく非難する。公開文書でTopolはHahnに科学のために立ち上がるかそうでなければ辞めるかと迫る。
2020年3月30日のヒドロキシクロロキンの緊急使用認可(EUA)と8月23日の回復者血漿のEUA認可、そして8月28日のレムデシビルの適用拡大での発言。
そして最近のワクチンを第三相試験が終わるのを待たずに認可する準備があるという発言に関して。
(ワクチンの件はほんとうに心配)