2020-09-03

[EU]査察報告

-ルーマニア―農薬の持続可能な利用

Romania 2019-6891―Sustainable use of pesticides

01/07/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4303

2019年10月15~25日にルーマニアで実施した、農薬の持続可能な利用を達成する手段の実行を評価するための査察。ルーマニアは第一次及び第二次国家行動計画(NAP)両方を採用するのが遅かった。持続可能な使用に関する指令(SUD)はルーマニアでは全体的に実行されていない。農薬散布施設(PAE)の検査システムがない。職業利用者の総合的有害生物管理の実行を管理するシステムはない。「他の妥当な手段」の存在を除外するために、可能なすべての代替手段を評価せずに緊急認可が付与される。SUD実施への関与不足、職員やその他の資源の制約、代替植物保護液剤を特定するための努力不足からアプローチに大きな変化はなく、ルーマニアではSUDが実施されず、PPPs関連リスクは減らない。

 

-イスラエル―牛乳と乳製品、家禽肉とその由来製品、卵製品

Israel 2019-6682―Milk and dairy products, poultry meat and products derived therefrom, egg products

18/06/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4301

2019年9月8~19日にイスラエルで実施した、EU輸出用乳製品、家禽肉とその製品、卵製品の管理への以前の査察の助言への対処をフォローアップするための査察。以前の査察の15の助言のうち12に是正措置を行い、大部分は効果的である。だが、家禽の査察報告に重要な不備が記録され、対処されていない。訪れた9施設のうちの3施設は条件を満たさない。利用可能な執行措置は取られないか効果的ではない。公的管理システムは信頼できる保証を提供できていない。若鶏と肥育七面鳥にサルモネラ菌とカンピロバクター菌の有病率はとても高い(最大60%、屠殺と切断ラインでのサンプリングに基づく)が、対策は最小限である。

 

-ナミビア―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Namibia 2020-6996―Residues and contaminants in live animals and animal products

16/06/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4300

2020年2月3~7日にナミビアで実施したEU輸出用生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果を評価するための査察。ナミビアは国産の牛と羊に、必要な物質グループを含む十分な件数の検査で残留物モニタリング計画を実施している。研究所はISO/IEC 17025に認定され、信頼できる結果を提供できている。不適切な動物用医薬品を除外していないことやフォローアップの遅延/欠如が管理システムの効果を弱めている。畜牛に17-βエストラジオールを認可・使用し、そのような動物由来肉がEUへの輸出から除外されていることを保証する手段がない。羊の残留物モニタリングの休止によりこの計画の継続に疑問を感じる。

 

-グァテマラ―水産物

Guatemala 2020-6950―Fishery products

12/06/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4299

2020年1月23~28日にグァテマラで実施した、規則、特に公的健康証明書でのEU輸出用水産物(主にマグロ)の法やシステムの遵守を確認するための査察。公的管理システムはEU輸出用水産物の全生産チェーンをカバーし、大部分満足な方法で実行されているが、EU輸出証明書の保証に影響を与える可能性のある欠点がまだ存在する。主な欠点は「危害分析重要管理点」に関する法規定がなく、重金属の検査に使用される分析手段の性能基準が不十分なことである。冷凍庫、手順書、輸出証明書の管理の教育に関するギャップも確認された。以前(2012年)の査察後の助言に対するフォローアップは、3つのうち2つが効果的に実行された。

 

-スロベニア―水産物

Slovenia 2020-6920―Fishery products

11/06/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4298

2020年2月10~14日にスロベニアで実施した、公的管理システムや水産物のEU法の実施効果を評価するための査察。スロベニアの管轄機関は、手順書に支援された水産物の全生産チェーンをカバーする公的管理システムを開発した。一般的に手順書に従って実行されており、特にヒスタミン検査(自己管理のサンプル件数が9未満、不適切な最大規制限度の適用)や、温度記録装置のない冷蔵倉庫などの欠点が観察されたにもかかわらず、世界レベルで満足できると考えられる。

 

[香港] Food Safety Focus

-部分水素添加油(PHOs)を明らかにする – 心臓発作の隠れた原因

Food Safety Focus – Unveil Partially Hydrogenated Oils (PHOs) - the Hidden Heart Attacker

169th Issue, August 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_169_02.html

部分水素添加油(PHOs)は多くの加工食品に潜んでいる可能性があることを知っているだろうか?2、3例を挙げると、部分水素添加油(PHOs)はカリカリに揚げたポテトチップス、パイ生地を作るためのマーガリン/植物性ショートニング、及びパサパサしたビスケットに見つけられる。部分水素添加油(PHOs)は工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFAs)の主な摂取源であるが、トランス脂肪酸は、世界保健機関(WHO)が世界の食品チェーンから取り除くことを目標にしている。この記事では、心臓の健康に寄せつけるべきでない隠れた原因である部分水素添加油(PHOs)に関して、1つ2つ説明しようと思う。

水素添加レベル

非水素添加油

部分水素添加油脂(PHO)

完全水素添加油脂(FHO)

トランス脂肪酸濃度

約2%

約25-45%

約2%

硬度

液体

半液体、半固形、固形

固形

用途

食用油、植物油等

フライドポテト、マーガリン、パイ、ビスケット

ピーナッツバター等

表1:水素添加レべル(部分的から完全なもの)により異なる液体油の組成変更は、様々な用途のために異なる硬さ(液体から個体)の脂肪を生成する。水素添加の行程で、高濃度の工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFAs)が部分水素添加油に生じ、通常25%から45%程である。

部分水素添加油(PHOs)は特定の製品用途のために油を脂肪に変えるために工業的に生産される

部分水素添加油脂(PHOs)は動物性脂肪(例、バター、ラード、牛脂)や植物性脂肪(例、ココアバター)における飽和脂肪酸(SFAs)が多い油や脂肪の経済的な代替物として20世紀早期に食品供給に初めて導入された。油や脂肪を食品生産の求められる用途に合わせるために組成変更する「水素添加」という工業的な加工を通して非常に多くの部分水素添加油(PHO)製品が開発されてきた。

加工中に様々な要素を操作することで、(例えば、油の種類、水素圧、温度、触媒等)この水素添加工程を介し、液体の油が、常温で半固形あるいは固形脂肪に変わる。(図2)

水素添加の工程中に、シス型不飽和脂肪酸中の二重結合が一部は飽和脂肪酸(SFA)に一部はトランス不飽和脂肪酸(すなわち、トランス脂肪酸(TFA))に変わる。不完全な水素添加処理では(つまり、不飽和脂肪酸が一部油に残っている)液体、半固形あるいは固形の部分水素添加油脂(PHO)を生成する。完全な水素添加処理(脂肪酸がすべて飽和されたもの)は常温で完全水素添加油脂(FHO)である、ろう様の脂肪を生成する。水素添加工程で形成されたトランス脂肪酸(TFA)は、硬化油の融点を上げ、保管期間及び風味の持続を延ばす。

用途の広い半固形から固形の部分水素添加油脂(PHO)は多くの食品製造で使用されてきた。例えば、マーガリンの食感が柔らかいものから硬いもの、ビスケットやケーキのようなぎっしり詰まったあるいはふわふわの焼き菓子といった様々な形状を作る。部分水素添加油脂(PHO)はパイ生地やパイの層を作るのにも役立つ。また、クッキーやポテトチップスのカリカリした食感にもなる。じっくり揚げたドーナツには固形部分水素添加油脂(PHOs)が光沢を与え、液体油のコーティング材や包装への移行を防ぐ。

部分水素添加油(PHOs)禁止の重要点は、高濃度の工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFA)である

食品業界では部分水素添加油(PHO)の使用は天然の動物性脂肪や植物性脂肪に比較し低価格のため、また製品の保存期間が延びるため、人気になった。部分水素添加油脂(PHOs)は、かつて、飽和脂肪酸(SFAs)が多い動物性脂肪や植物性脂肪の代わりになる健康的な物と思われていた。飽和脂肪酸(SFAs)はコレステロール値を上昇させ、循環器疾患の発生を増やす。そして、数十年たった現在、部分水素添加油(PHOs)からの工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFAs)の摂取は健康に有害で、冠動脈の心疾患のリスクを大きく上昇させることに寄与するという科学的な研究によるエビデンスが集まりつつある。

工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFAs)は、低比重リポ蛋白(LDL)である「悪玉」コレステロールを増やすだけでなく、高比重リポ蛋白(HDL)である「善玉」コレステロールを減らす。世界保健機関(WHO)は、工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFAs)は健康的な食事の一部でなく、避けなければならないと推奨する。消費者の心臓の健康を守るために、米国、カナダ及びシンガポールのような国は食品中の部分水素添加油(PHOs)の使用を禁止した。一方、多くの欧州連合加盟国は食品中の工業的に生成されたトランス脂肪酸(IP-TFA)の基準を設定した。

心臓の健康のために、食事からの部分水素添加油(PHOs)摂取を減らす

我々の食事において工業的に生成されたトランス脂肪酸摂取(IP-TFAs)を制限するには場合、業者と消費者の協力が必要である。部分水素添加油(PHOs)は完全に置換可能である。水素添加油(PHOs)の置換の場合、業者は、食品を再組成する場合に可能な限り飽和脂肪酸(SFAs)を減らし、不飽和脂肪酸を多く含む、より健康的な油や脂肪の選択肢を考えるべきである。飽和脂肪酸(SFA)は他の代替がない場合のみ限定的に使用するべきである。マーガリンや植物性ショートニングは、部分水素添加油(PHO)を含まないものにする。

消費者は高脂肪の食品でなく様々な野菜や果物を含むバランスの取れた多様な食事を続けるべきである。調理する場合、油や脂肪は食品ピラミッドを参照して、控えめに使用すること。可能な限り、常により健康的なものを選ぶこと。最後に、飽和脂肪酸(SFAs)のより低い食品、トランス脂肪酸(TFAs) を含まない包装された食品を選ぶために栄養表示を使用すること。

 

-ヤマドリタケと食品安全

Food Safety Focus -Boletes and Food Safety

169th Issue, August 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_169_04.html

7月に包装されたヤマドリタケを食べたことが原因と疑われる食中毒事例があった。調査で販売店から採取されたヤマドリタケのサンプルには、毒性のあるきのこが混入していたことがわかった。販売業者は販売中止と当該製品の回収を要請された。

ヤマドリタケには様々な種類がある。食べられるものもあれば、毒性のものもある。他の毒性のあるきのこと食用ヤマドリタケが、野生で採る間に混在する可能性がある。毒性のあるきのこを食べたことによる食中毒は、時折報告された。胃腸の不快感のような症状が食べた後すぐに現れるだろう。深刻な事例では、昏睡や肝臓障害という結果になることもある。

消費者は知らない種類が混ざった疑いのあるきのこ製品を食べるべきでなく、きのこの食中毒が疑われる場合には、すぐに医師の診察を受けるべきである。業者はヤマドリタケを信頼できる供給者から仕入れ、適切な製品記録を保管しなければならない。

 

[HK]ほうれん草のサンプルから基準値超過の残留農薬が検出された

Excessive pesticide residues found in a Spinach sample

Wednesday, Sep 2, 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20200902_8117.html

ほうれん草から1.5ppmのシハロトリンが検出された。

 

[MPI] 貝のバイオトキシン警告がRglanを含む北島西岸に延長された

Shellfish biotoxin alert extended for North Island west coast, including Raglan

02 Sep 2020

https://www.mpi.govt.nz/news-and-resources/media-releases/shellfish-biotoxin-alert-west-coast-of-the-north-island-including-raglan-extended/

MPIは北島西岸で貝の捕獲あるいは消費をしないよう市民に公衆衛生警告を延長した。この地域で採取された貝サンプルの定期検査で、麻痺性貝毒のレベルがMPI設定の安全基準値0.8 mg/kgを上回った。

https://www.mpi.govt.nz/travel-and-recreation/fishing/shellfish-biotoxin-alerts/#map

 

[FDA] 食品安全教育月間

Food Safety Education Month

09/01/2020

https://www.fda.gov/food/consumers/food-safety-education-month

9月は国内の食品安全教育月間であり、FDAは食品安全に関わる情報提供を紹介している。

 

[FDA]警告文書

- Revival Products, Inc.

August 14, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/revival-products-inc-606640-08142020

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正製品。成分にナイアシンを含む。

 

- 1 Party At A Time

September 01, 2020

August 14, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/1-party-time-609781-09012020

ダイエタリーサプリメントのCGMP、不純品、不正表示の問題。

 

[FDA]リコール

-Sunshine Mills, Inc. は高濃度のアフラトキシンの可能性のため特定の犬用食品の自主回収を発表する

Sunshine Mills, Inc. Issues Voluntary Recall of Certain Dog Food Products Due to Potentially Elevated Levels of Aflatoxin

September 02, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/sunshine-mills-inc-issues-voluntary-recall-certain-dog-food-products-due-potentially-elevated-levels

Sunshine Mills, Inc. は高濃度のアフラトキシンの可能性のため特定の犬用食品の自主回収を発表する。定期検査でサンプルに基準値超過濃度の製品が検出された。製品写真あり。

 

-Protein Shoppe, LLCは表示されない成分シルデナフィルのため“Red- E” 男性用錠剤の全国的自主回収を発表する

The Protein Shoppe, LLC Issues Voluntary Nationwide Recall of the “Red- E” Male Enhancement Tablet Due to the Presence of Undeclared Sildenafil

September 01, 2020

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/protein-shoppe-llc-issues-voluntary-nationwide-recall-red-e-male-enhancement-tablet-due-presence

Protein Shoppe, LLCは「Red- E」製品に、FDA検査によりPDE5阻害薬である表示されない成分シルデナフィルが検出され、全国的自主回収を発表する。製品写真あり。

 

[DEFRA]レジ袋課金拡大でプラスチックゴミとの戦いをステップアップ

War on plastic waste stepped up with extension of plastic bag charge

31 August 2020

https://www.gov.uk/government/news/war-on-plastic-waste-stepped-up-with-extension-of-plastic-bag-charge

政府はレジ袋の課金を2021年4月から全ての小売業に拡大し10ペンスに引き上げる

 

[ANSES]衣類にあり皮膚アレルギーの原因になる化合物の分類提案

Proposal for classification of a compound found in clothing and responsible for skin allergies

26/08/2020

https://www.anses.fr/en/content/proposal-classification-compound-found-clothing-and-responsible-skin-allergies

ANSESはECHAにアセトフェノンアジンacetophenone azineのCLP規制におけるアレルギー誘発性への分類を提案

主にスポーツ用品に使われている

 

[FAO]FAOアジア太平洋地域会合はCOVID-19の対応と回復と飢餓について話し合う

FAO Regional Conference for Asia-Pacific discusses responses and recovery work on COVID-19 and hunger

1 September 2020

http://www.fao.org/news/story/en/item/1305614/icode/

9月1-4日バーチャル会議

 

[ProMED]ボツリヌス症 ベトナム:パテ、警告、リコール

Botulism - Viet Nam: pate, alert, recall

2020-09-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=7740748

Date: Wed 2 Sep 2020 Source: Food Safety News [edited]

ベトナムであるブランドのパテに関連して少なくとも9症例の食品由来ボツリヌス症が報告された。全員が入院を必要とした。ベトナム食品局によると患者が食べた製品はMinh Chayパテ製品で、全国でリコールされている。病気になったのは2020年7月半ばから8月18日までの間

Loi Song Moi社の製造したMinh Chayパテ製品の異なるバッチから_Clostridium botulinum_ type Bが検出されていて患者検体も_C. botulinum_陽性だった。次の日、ハノイのDong Anh町にある製造施設を査察し、いくつかの衛生問題が発見された

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 134-20

3 September 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/NotificationCirc134.aspx

-意見募集

野菜や果物のグレージング剤としての脂肪酸のモノおよびジグリセリド

プレスリリース

Call for comment on a new type of glazing agent for fresh fruit and vegetables

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/call-for-comment-new-type-glazing-agent-fruit-vegetables.aspx

-食品基準改定

Amendment No.195 - 3 September 2020

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/gazette/Pages/Amendment195.aspx

・GM Aspergillus niger (ドナーTrametes cingulate)由来グルコアミラーゼ

・加工助剤(酵素)としてのGM Aspergillus niger 由来アルファアミラーゼ

 

[FSSAI]メディアコーナー

インドに健康的未来に向けて力を与える

Enpowering India towards a Healthy Future 

 Dated: 31-08-2020

https://fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_India_Nuffoods_02_09_2020.pdf

COVID-19パンデミックは世界を停止させ、政府に公衆衛生システムの強化を強く求めたが、はるかに恐ろしい沈黙の流行、栄養不良、が無視されたままである。インドでは1億9600万人が栄養不足で1億3500万人が肥満または過体重である。また食中毒は2011年の1億から2030年には1億5000万から1億7700万まで増加すると予想されている。この状況にFSSAIの役割は重要である。

「正しく食べようEat Right India」のもと、FSSAIは一連の正しい食の実践と習慣の環境づくりを行っている

(以下詳細紹介)

 

論文

-ブルージーンズの微小繊維の広範な足跡

The widespread footprint of blue jean microfibers

2-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/acs-twf082820.php

Environmental Science & Technology Lettersに発表された研究が、インディゴで染色されたデニムの微小繊維が排水中だけではなく湖や遙か遠くの北極の海洋堆積物中からも検出した。デニムは洗うと微小繊維(マイクロファイバー)を放出する。洗濯実験では使用済みジーンズ一回洗濯で約5万のマイクロファイバーを放出する。研究チームはマイクロファイバー汚染が水棲生物に与える影響を知らないが、消費者は洗濯を減らすという現実的な汚染を減らす方法をとれる、という。

(マイクロプラスチックで主張されていることと同じなのだがコットンだとメディアが飛びつかないのでは。彼らの目的は環境保護ではなく騒動だろうから)

 

-研究:電子タバコは喫煙者の禁煙に役に立たず、電子タバコ依存になるかもしれない

Studies: E-cigarettes won't help smokers quit, but they may become addicted to vaping

2-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uoc--sew083120.php

米国のたばこと健康集団評価 (PATH)試験のデータを用いたPLOS ONEと American Journal of Epidemiologyに発表された二つの研究。

 

-永久染髪料の個人使用はほとんどのがんあるいはがんによる死亡リスクの大きいことと関連しない

Personal use of permanent hair dye not associated with greater risk of most cancers or cancer death

2-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/b-puo090120.php

ただし基底細胞がん、ある種の乳がん、卵巣がんは増加した

BMJ に発表されたNurses' Health Studyのデータを解析した研究

 

-脆弱な家庭にとって、パンデミックの精神保健への影響は素早く厳しい

For vulnerable families, the pandemic's effect on mental health is swift and harsh

2-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/du-fvf090220.php

米国のサービス業で働く小さい子どものいる親の2月20日と4月27日の調査。Pediatricsに発表。3月14日の制限後、多くが失業、収入低下、子どもの世話、病気などの複数の困難を経験し精神衛生面での福祉が迅速に悪化した。

 

-患者への害を予防するためにデマに対応する

Acting on misinformation to prevent patient harm

The Lancet Oncology: EDITORIAL| VOLUME 21, ISSUE 9, P1123, SEPTEMBER 01, 2020

最近の報告書によると、政府閣僚の一グループが英国のがん法(Cancer Act)の権限を拡大する議論をしている。その目的は臨床的に証明されていない診断法の規制を含め、危険な治療を禁止し、がんを治療できるとするソーシャルメディアの投稿により厳しい管理を導入することである。あらゆる政治的方向性の英国の議員の話し合いは驚くべき連帯を示している。最初のCOVID-19アウトブレイクの結果2020年3月に英国全体で導入された前例の無いロックダウンのため、がん検診は停止され定期的な診断も延期されがん疑い症例の緊急照会も劇的に低下している。NHSががんサービスをせず英国内の待機中がん患者の膨大な数を考えると、こうした根拠のない未承認検査や介入が満たされない需要に応えようとするだろう脆弱性が放置されている。

がん法は1939年に成立しがん治療の宣伝を禁止している。改定されてはいるもののインターネットやソーシャルメディアの現代の状況を反映していない。従ってオンラインでの健康製品や検査のデマ拡散を予防するために厳しい規制が必要である。

ニセ医療品を脆弱な患者に売るのは古い昔からの問題だが、ソーシャルメディアによってオンラインでのその手の製品の宣伝が指数関数的に増加した。幸いデマの増加への対処も行われている。公衆団体や患者団体が健康に関する誤解を招く情報や詐欺を報告するよう積極的に動いている。ソーシャルメディア企業も対策をとっている。しかしCOVID-19パンデミックに関するデマの増加を見るに既存の対策では十分ではない。

ニセのがん治療法宣伝を、排除できないにしても減らすには、多面的アプローチが必要である。デマに関する啓発キャンペーンはもちろん大事だ。問題のある情報を拡散することにおいてメディアの責任は明白である。しかししっかりした規制は最大の影響があるだろう

 

-ビジョン2020:Lancet Oncology委員会を振り返り将来を考える

Vision 2020: looking back and thinking forward on The Lancet Oncology Commissions

Mary K Gospodarowicz

PERSPECTIVES|ART OF MEDICINE| VOLUME 21, ISSUE 9, P1144-1146, SEPTEMBER 01, 2020

The Lancet Oncologyは20年前に科学と臨床の分断の橋渡しをし、世界の膨大ながん負担に対応することを目的に作られた。2011年からはLancet Oncology委員会がこの任務のコアであった

9月一杯、登録すれば無料で読むことができる

Commissions from The Lancet Oncology

https://www.thelancet.com/lanonc/commissions?dgcid=etoc-edschoice_alerts_tloanniversary20

 

その他

-Natureエディトリアル

Henrietta Lacks:科学は歴史的間違いを正さなくてはならない

Henrietta Lacks: science must right a historical wrong

01 SEPTEMBER 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02494-z

Henrietta Lacksの100年の年に、研究者らはヒトの細胞が同意無しにとられることのないようもっとおおくのことをしなければならない

先月はHenrietta Lacksの生誕100年だった。彼女は1951年に31才で悪性の子宮頸がんで死亡した。その数ヶ月前にJohns Hopkins病院の医師ががん細胞検体を採取していた。そして組織の一部をLacksの知らないうちに研究者に渡した。実験室で、彼女の細胞はとてつもない生存能力を示し、基本的に不死だった。研究者らはそれを広く科学者にシェアし、生物研究の働き者になった。HeLa細胞で行われた研究は多くの発見の支えになっている。

しかしHenrietta Lacksの物語は英国の研究と医療に根深い人種的不平等をも描き出す。Lacksは黒人女性だった。細胞をとったのは黒人に医療を提供していたわずかな病院の一つで、細胞で利益を得た企業が彼女の家族に報酬を払うことはなかった。そして彼女が死亡してから何十年も、医師や科学者は彼女の名前や医療記録やゲノムまでもをメディアに公表するのに家族に同意を尋ねることは無かった

(いろいろ略)

過去を無かったことにはできないが、我々は前の世代の間違いと現在も続く間違いを認めなければならない。正義をなすべきで、それは今からはじめなければならない。

 

-Scienceニュース

プーチンの反対者の中毒は恐ろしいロシアの化学兵器に再び脚光をあびせる

Poisoning of Putin opponent renews spotlight on deadly Russian chemical weapon

By Science's News StaffSep. 2, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/09/poisoning-putin-opponent-renews-spotlight-deadly-russian-chemical-weapon

悪名高い神経毒が再びニュースになった。ドイツ政府が、ロシアのプーチン大統領の有名な敵であるAlexei Navalnyが、ノビチョク類似化合物で中毒になったと本日述べた。

ドイツ軍のラボがNavalnyの生体サンプルから「ノビチョクグループの化学神経剤グループの明白なunequivocal根拠」を発見した、と政府のSteffen Seibert広報官が言った。ノビチョクは2018年に英国でロシアのもとスパイSergei Skripalを殺害しようとして使われたことで広く有名になった。

ロシアの政府はNavalnyが代謝上の病気か食事関連の病気になったと示唆している。しかしAngela Merkelドイツ首相は強く疑っていてロシア政府に説明を求めている

 

欧州はパンデミックの次の波を宥めることができるか?

Can Europe tame the pandemic’s next wave?

By Kai KupferschmidtSep. 1, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/09/can-europe-tame-pandemic-s-next-wave

先月ウイルス学者のChristian Drostenがドイツの新聞Die Zeitに「我々は成功を手放す博打をやっている」と警告した。彼のメッセージはドイツのことを指すが、欧州全体にあてはまる。春にCOVID-19を打ち返してから、欧州ほとんどで再び増加している。Drostenは監視更新を呼びかけている多くの人の一人で、彼らは全体的ロックダウンに代わる新しいコントロール戦略を強く求めている

欧州は最初の課題を乗り越えた。夏は米国やブラジルより患者は少なく、驚くべき普通の夏を楽しみ、北部の人達が地中海のビーチに集まった。しかし症例数増加は緩和が早すぎ多過ぎであることを示す、とドイツのウイルス学者Ab Osterhausはいう。「基本的に間違ったメッセージが与えられた:もう打ち克ったのだからもとにもどれる」。エジンバラ大学のグローバルヘルス専門家Devi Sridharは欧州はニュージーランドに倣って完全に伝染を止め厳しく再導入を防ごうとすべきだったという。スコットランドは感染者ゼロを目指したが他の国はそうしなかったのでほぼ全ての国で再増加している。

春には全ての国が独自の戦略をとったのでしばしば混乱する規制のパッチワークになった。例えばベルギーはフェイスマスクについて厳しい政策をとっているがオランダとの国境を越えるとマーストリヒトの店ではマスクを外せた。EUには健康対策を調整する能力がほとんどなかった。

しかし今回は以前より準備ができる。ウイルスの知見も改善され、より標的を絞った対策ができる。汚染表面からの感染が大きくないことがわかって手の衛生を強調しなくなった。春には全ての戸外活動を禁止した国もあったが今は屋内の行動に焦点が絞られている。Sridharは「我々は戸外での接客は概ね問題なく、必須で無い店舗でもフェイスカバーをしている限り良くて、公共交通機関はリスクにならないようだということを知っている」という。

米国に比べて欧州の強みが一つある。米国ほど強力なマスクや公衆衛生対策への反対が強くないことである

(一部のみ)

 

-SMC UK

永久染髪料とがんリスクを調べた研究への専門家の反応

expert reaction to a study looking at permanent hair dye and risk of cancers

SEPTEMBER 2, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-a-study-looking-at-permanent-hair-dye-and-risk-of-cancers/

ケンブリッジ大学がん疫学教授Paul Pharoah教授

この論文は米国のよく知られたコホートであるNurses Health Studyのデータの注意深い解析である。研究者らは自己申告の染髪料の使用とがんの関連を調べた。主な結果は全体としてがんとヘアダイの使用に関連は無かった。いくつかの特定のがんで関連を見つけたとしているがそれは説得力が無い。報告されている関連がとても弱く、この論文で報告されている関連の数を考えると偶然である可能性が高い。たとえ関連がリアルであっても因果関係ではなく、効果の大きさはごく僅かでリスクは微細であろう。つまり、染髪女性はそれでがんリスクが高くなることはないだろう

(一方職業で染髪しているヒトはがんリスクがあることになっている)

 

-スウェーデンはマスク推奨を拒否して流行に逆らう

Sweden bucks trend in refusing to recommend masks

01-09-2020

https://www.euractiv.com/section/coronavirus/news/sweden-bucks-trend-in-refusing-to-recommend-masks/

スウェーデンは今年初めにコロナウイルスパンデミックの最初の数ヶ月をオープンしたままにして世界の注目を集めたが、今回再び、マスクの使用推奨を拒否して抵抗する

公衆衛生担当者はマスクはウイルスの拡散を制限するのに集団で使用を薦めるほど十分効果的ではなく、距離をとることと手を洗うことのほうが重要だと主張する

スウェーデンは他の欧州諸国のような感染再増加が無いため今のやり方を変える理由が無い

近隣北欧諸国フィンランド、ノルウェー、デンマークもしばらくマスクに抵抗していたが最近態度を変えている

 

-スウェーデン:消費者はニュースの情報源としてソーシャルメディアから離れる

Sweden: Consumers move away from social media for news

September 2, 2020

https://advanced-television.com/2020/09/02/sweden-consumers-move-away-from-social-media-for-news/

パンデミックによりスウェーデンの消費者のニュースへの需要は高まったが、最も人気があったニュースサービスは新聞AftonbladetとSVTテレビだった。主なニュースソースを変更した人が25%以上で、公共機関が最大の増加でソーシャルメディアが地位を低下させた。

 

-WHO特命使節はラジオインタビューでのスウェーデンについてのコメントは間違った解釈だという

WHO Envoy Says Sweden Comments in Radio Interview Misinterpreted

By Charles Daly August 31, 2020

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-08-31/who-special-envoy-heaps-praise-on-sweden-s-covid-strategy

WHOはDavid Nabarro特命使節のコメントを明確にする。スウェーデンのソフトロックダウンを支持したわけではない。各国の対応を比較したのではない。ニュージーランドのオークランドの再ロックダウンは正しかったという

WHOは各国の保健方針の直接的批判は避ける傾向がある

 

-中国がオーストラリア最大の穀物輸出業者CBHからの大麦輸入を一次停止

China suspends barley imports from Australia's largest grain exporter CBH

By Jade Macmillan

https://www.abc.net.au/news/2020-09-02/china-suspends-barley-imports-australia-cbh/12619288

CBHはオーストラリア政府から、中国の海関総署がいくつかのCBHの大麦が植物衛生基準を満たしていないと通知してきたと知らされた。CBHはその主張の根拠を知らない。積荷は全て再検査し、オーストラリア政府の輸出条件をみたしていることを確認している

Reutersによると中国は「検疫害虫」が何度も見つかったため、と言っているがCBHは否定している

他、牛肉、ワインが紛争になっている

 

-ブリティッシュコロンビアのトップ医師がCOVID-19の最中に我々に社交サークルを再び縮めるように頼む。誰が聞くだろう?

B.C.’s top doctor asks us to shrink social circles again amid COVID-19. Will anyone listen?

September 2, 2020  By Jon Azpiri & Ted Chernecki

https://globalnews.ca/news/7311091/bc-covid-19-social-circles-pandemic/

月曜日にB.C.のトップドクターがこの地方はCOVID-19パンデミックの新しい段階に入り、夏に広がった社交サークルを調整する必要があるという。

Dr. Bonnie Henryは「何ヶ月もの制限の後、我々全てが家族や友人や地域とつながる必要があった。我々は旅行し、楽しんでエネルギーを補充した。今は再び社会的つながりを減らさなければならない」

Henryは今後風邪の季節になるので他人と距離をとりマスクをつけ少しでも病気の兆候があれば家にいるようにする必要があるという。

しかしThe Psychology of Pandemicsの著者であるブリティッシュコロンビア大学の心理学教授Steven Taylor博士はそれは難しいだろうという。特に冬は。

(カナダ)