2020-09-11

[EU]RASFF Week37-2020

警報通知(Alert Notifications)

インド産ゴマ種子の未承認物質エチレンオキシド(30.1 mg/kg)、スロバキア産レーズンのオクラトキシンA (44.93 µg/kg)、インド産ブルガリア経由偽の砕いたウコンのクロム(503 mg/kg)・鉛(2020 mg/kgおよび水銀(6 mg/kg)、ポーランド産バナナチップスのベンゾ(a)ピレン(5.6 µg/kg)、スペイン産オランダ経由低カロリーマヨネーズの甘味料アスパルテーム(E951)非表示、中国産ナイロン製スプーンからの一級芳香族アミンの溶出(0.046 mg/kg)、ハンガリー産粉末生姜のアフラトキシン(B1 = 31; Tot. = 34 µg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

中国産ナイロン及びステンレススチール製ポテトマッシャーからの一級芳香族アミンの溶出(0.341 mg/kg)、スイス産ヘンプ抽出物強化中鎖脂肪酸のテトラヒドロカンナビノール(THC) (1673 mg/kg)および未承認新規食品成分カンナビジオール(CBD)、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認新規食品成分Chinese goldthread (黄連)の根の抽出物  (82000 mg/kg)、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認物質ジメチルエタノールアミン(DMEA) (897000 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オーストリア産エネルギードリンクの未承認新規食品成分イレクス・グアユサ(Ilex guayusa)、トルコ産ナス入り缶詰からのcyclo-di-BADGE(812 µg/kg)の溶出、

通関拒否通知(Border Rejections)

米国産殻付きピスタチオのアフラトキシン(B1 = 46.8; Tot. = 48.5 µg/kg;B1 = 17.6; Tot. = 20.3 µg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え(CryIAb-gene SYBR®Green)鍋餅、トルコ産ペッパー"Kil sivri"のホルメタネート(0.092 mg/kg)、イラン産ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 18.2; Tot. = 20.4 µg/kg;B1 = 55.8; Tot. = 62.7 µg/kg;B1 = 16.8; Tot. = 18.5 µg/kg;B1 = 36.6; Tot. = 40.1 µg/kg;B1 = 20.9; Tot. = 23.7 µg/kg)、トルコ産乾燥アプリコットの亜硫酸塩高含有(2400 mg/kg)、ケニア産緑豆のジメトエート(0.03 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 13.1 µg/kg)、トルコ産殻付き煎った塩味ピスタチオのアフラトキシン(B1 = 99.3; Tot. = 110.6 µg/kg)、トルコ産有機角切り乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 9.9; Tot. = 20.8 µg/kg)、中国産ナイロン製台所用品からの揮発性有機化合物の溶出(41.9 µg/kg)、エジプト産殻をとったピーナッツのアフラトキシン(B1 = 110.2; Tot. = 153.2 µg/kg)、イラン産殻をとったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 119.9; Tot. = 153.7 µg/kg)、米国産ピーナッツバターのアフラトキシン(B1 = 7.1; Tot. = 8.8 µg/kg)、インド産飼料用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 127; Tot. = 152 µg/kg)、

 

[CFIA]食品安全検査報告

2020-09-09 Food Safety Testing Bulletin

September 2020

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-09-09/eng/1598023703819/1598023871813

 

・子供の食品プロジェクト年次報告書(2017年)

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-09-09/children-s-food-project-annual-report-2017/eng/1595882297804/1595884219180

カナダ食品検査庁(CFIA)は、食品供給が安全でカナダの基準に準拠していることを保証するために、食品中の残留化学物質や汚染物質の多くの様々なモニタリング計画を用いている。子供の食品プロジェクト(CFP)は、乳児や子供を対象とした、よく食べられている加工食品の残留化学物質や汚染物質に関する情報を具体的に収集することでこれらの活動を補完している。体重の軽さ、成長と発育、その消費パターンにより、このグループはこれらの化学物質への暴露によるリスクが高い可能性がある。

2017年の CFPの主な目的は、データを収集して農薬と金属の残留物のカナダの基準に対する乳児食品の遵守を評価することである。過去数年は農薬、金属、動物用医薬品残留物、アフラトキシン、環境汚染物質を分析してきた。

2017年の CFPでは、2017年4月1日~2018年3月31日に全部で534サンプルの乳幼児用食品が、オタワ、オンタリオ、ガティノー、ケベック地域で購入された。これらのサンプルには、乳児用シリアル、果物と野菜のピュレ、乳幼児用穀物ベースのスナック、ジュースが含まれていた。

全てのサンプルの残留農薬を分析し、ジュースサンプルだけが金属の検査を受けた。農薬と金属の検査を受けた乳幼児用食品サンプルの全体的な遵守率は99.8%だった。検査を受けた全534サンプルのうち373は検出可能な残留農薬を含んでいなかった。1サンプルがカナダの規則を遵守していなかったが、ヘルスカナダ(HC)は安全上のリスクとはみなさなかった。

ジュースの51サンプルのおよそ86.3%が検出可能な量の懸念される金属/元素(ヒ素、カドミウム、鉛、水銀)を含んでいなかった。残りのサンプルで見つかったこれらの元素の量の遵守率は100%だった。

CFPのような監視プログラムから得たデータは、乳児食品の残留農薬、動物用医薬品残留物、金属/元素、アフラトキシンM1へのカナダの子供の食事暴露の評価で役に立つ。HCが全てのデータをレビューし、カナダの乳幼児への健康リスクは確認されなかった。

 

・アルコール飲料と食用酢中のカルバミン酸エチル(2018年~2019年)

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-09-09/ethyl-carbamate-in-alcoholic-beverages-and-vinegar/eng/1597087278233/1597088245822

カルバミン酸エチル(EC)は発酵工程中に意図せず形成される化学物質である。ワイン、ビール、蒸留酒などのアルコール飲料や、パンやヨーグルトなどの発酵食品に含まれている。アルコール飲料や食用酢中のECの量は、保存温度、使用した酵母株、作物施肥、日照など、様々な要因の影響を受ける可能性がある。この化合物は、国際がん研究機関(IARC)に「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類されており、それにより消費者に健康リスクをもたらす可能性がある。

このターゲット調査は、カナダ市場の国産および輸入製品のECの発生に関するさらなるベースライン監視データを生成した。CFIAは、ビール125、酒17、蒸留酒とリキュール117、食用酢125、ワイン6のサンプルを含む390製品をサンプリングし分析した。ECは検査したサンプルの9.5%に検出され、その量は4 ppb~135 ppbだった。この調査結果を以前の調査や科学的文献と比べると、カナダの小売製品のECの量は様々な科学的研究で報告されているものと似ていることが示された。

全ての酒、ワイン、蒸留酒、リキュールのサンプルのECの量は、ヘルスカナダ(HC)が設定した最大限度(MLs)を満たした。カナダではビールと食用酢のEC量の規制はなく、量は直近の科学的データを用いてケースバイケースでHCが評価した。HCは、この調査で観察された食品中のECの量はヒトの健康に懸念をもたらすことは予期されないと判断し、そのためこの調査によるフォローアップ行動はなかった。

 

・特定食品中の農薬と金属(2018年~2019年)

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-09-09/pesticides-and-metals-in-selected-foods/eng/1596227691284/1596228117041

穀物、ナッツ/種子、野菜ベース製品はカナダで消費される主要食糧である。これらは農産物で、環境から取り込まれたり、あるいは輸送中および/または保存中に虫、カビ、その他害虫による被害を防ぐために作物が畑で農薬処理されると、残留農薬を含む可能性がある。これらの製品は環境由来の金属も含まれている可能性がある。ヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの金属は食品への添加が許可されていないが、製造業者は、主に環境中に天然に存在するため食品中にごく少量で存在すると予想されている、食品中のこれらの元素の予想外の取り込みを削減する対策の責任を負う(製鉄設備の鉛はんだなど)。

このターゲット調査の主な目的は、カナダ市場で入手できる特定の穀物、ナッツ/種子、野菜ベースの食品の残留農薬と金属の量に関する追加のベースライン監視データを作り出し、このターゲット調査の農薬の検出率を、以前の調査で記録されたものと比較することである。

全部で3348サンプルの穀物、ナッツ/種子、野菜ベース製品が集められ、農薬と金属の検査を受けた。5種類の農薬の残留物がサンプルの1327 (40%)で検出された。

検査した製品の農薬の全体的な遵守率は99.2%だった。違反結果のほとんど(26のうち25)は、一律MRL  0.1 ppm (mg/kg)を超える残留農薬に関連しており、一方1つの違反結果は、亜麻仁に個別に設定されたMRLに違反する残留農薬を含んでいた。ヘルスカナダ(HC)はこの調査で観察された農薬の量がヒトの健康上の懸念をもたらすことは予想されないと判断し、従ってこの調査によるリコールはなかった。CFIAは、翌年度に同様の製品をさらに検査することを含む遵守改善のための適切なフォローアップ活動を実施した。

集めた3348サンプルのうち3153は一連の20金属を分析した。低暴露量でヒトの健康に最大の懸念のある金属のデータだけがこの報告書に示されている。中でも注目すべきなのは、ヒ素、カドミウム、鉛、水銀である。鉛とカドミウムは全体的な検出率がそれぞれ最低と最高だった。ジャガイモ製品とすぐに喫食可能な(RTE)食事は検出率が最も低く、観察された金属量は最低だった。一方、植物性粉末は、しばしばこれらの金属に検出された最高量を含むことがわかった。カナダには検査した製品の金属量の規制はない。生成した全てのデータは、ヒトのリスク評価のためにHCに送られ、ヒトの健康に影響を及ぼさないと判断された。

 

・ハーブとスパイス製品中の非表示のアレルゲンとグルテン(2015年~2016年および2017年~2018年)

https://www.inspection.gc.ca/food-safety-for-industry/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-bulletins/2020-09-09/gluten/eng/1595528213794/1595529245865

食物アレルギーは全年齢の人々に影響を与える可能性があるが、特に子供に多い。食品アレルゲンはアレルギーのある人には深刻なまたは生命を脅かす健康リスクを示す可能性がある。その上、アレルゲンと見なされていなくても、非表示のグルテンはセリアック病やグルテン過敏症の人の慢性的な健康問題の原因となる可能性がある。アレルゲンとグルテンは原料に含まれているため食品に含まれる可能性がある、あるいは交差汚染により食品生産チェーンに沿って偶然に取り込まれる可能性がある。アレルゲンの原因に関係なく、企業は、該当する場合は、特定のカナダの規則を遵守することで、あるいはその量を可能な限り低く保つことで、生産された食品がヒトの摂取に安全だと保証しなければならない。

ハーブとスパイス製品の非表示のアレルゲンとグルテンの存在を評価するために2つの調査が完了した。最初の調査は2015年4月1日から2016年3月31日まで行われ、その主な目的は、1つの成分だけから成る粉末のハーブとスパイスの非表示のアレルゲンの存在と量に関するベースライン情報を得ることだった。598のサンプルが検査され、そのサンプルのうち34% (203)に、乳タンパク質β‐ラクトグロブリン(BLG)、卵、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ゴマ、ダイズ、グルテンなど少なくとも1つの非表示のアレルゲンが含まれることが分かった。これらの陽性結果は主に輸入製品のグルテンの存在を示した。2つ目は、2017年4月1日~2018年3月31日にフォローアップ調査が行われ、輸入されたハーブとスパイス製品中の非表示のアレルゲンとグルテンの量に関する詳細情報がさらに提供された。359サンプルが検査され、そのサンプルの23% (82)に、乳タンパク質BLGとカゼイン、卵、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ゴマ、ダイズ、グルテンなど、少なくとも1つの非表示のアレルゲンが含まれていることが分かった。これらの陽性結果は主に非表示のグルテンの存在による。

全ての陽性結果は、見つかった量がアレルギーのある人に対して健康上の懸念をもたらすかどうか判断するためにCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。CFIAが取ったフォローアップ行動の範囲は、汚染物質の量と、健康リスク評価が決めた結果として生じる健康上の懸念に基づいている。2015年~2016年の調査では、グルテンを含む3つのスパイス製品が健康リスクを示すとみなされリコールされた。他の3製品は多量のグルテン、牛乳、ゴマにより、2017年~2018年の調査後にリコールされた。

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: Daily Roundup September 10, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-daily-roundup-september-10-2020

FTCと合同で、認可されていない製品“COVID PACK”と “COVID ‘POSITIVE’ PACK” (サプリメントのセット)をCOVID-19の緩和、予防、治療、診断用に宣伝販売していたPharmacy Plus社に警告文書を送付

 

[FDA]FDAは消費者に違法にオピオイドを販売しているウェブサイト運営者に警告

FDA Warns Website Operators Illegally Selling Opioids to Consumers

September 10, 2020

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-warns-website-operators-illegally-selling-opioids-consumers

17のウェブサイト

 

[DEFRA]Hampshireでアジアスズメバチが見つかった

Asian hornet identified in Hampshire

10 September 2020

https://www.gov.uk/government/news/asian-hornet-identified-in-hampshire

養蜂家や一般の人々は注意

アジアスズメバチは固有のスズメバチより小さく特にヒトにリスクが高いわけではないがミツバチにとってリスクとなる

 

[DHSC]会場は法により接触の詳細を記録することが求められる

Venues required by law to record contact details

10 September 2020

https://www.gov.uk/government/news/venues-required-by-law-to-record-contact-details

イングランドの施設や会場は顧客、訪問者、スタッフの接触の詳細を記録するシステムを持たなければならない

詳細記録は21日間保持しNHSに開示する。守らないと罰則

レストラン、理髪店、映画館など、名前、何月何日何時から何時までいたか、接触数などを記録

 

[RIVM]シアノバクテリアプロトコール2020

Cyanobacteria protocol 2020

19-09-2020

https://www.rivm.nl/publicaties/blauwalgenprotocol-2020

本文オランダ語

シアノバクテリアの多い水は、浸かる人の悪臭や健康リスクの原因になり得る。公的水浴場の水質は欧州基準に従わなければならない。これらの水浴場での入場者の健康を守るため、オランダの水管理者はシアノバクテリアプロトコールを使う。これはシアノバクテリアの監視や対策について記述したもので、2012年版を更新して2020年版にした。

シアノバクテリアは有毒な場合があるが、無毒なものと有毒なものを区別するのは常に可能ではないことから、シアノバクテリアプロトコール2020では全てのものを有毒と見なす。

 

[IARC]IARC有名スピーカーシリーズ:Christine Friedenreich博士

IARC Distinguished Speaker Series: Dr Christine Friedenreich

10 September 2020

https://www.iarc.fr/news-events/video-recording-of-seminar-by-dr-christine-friedenreich-now-available/

2020年6月18日に開催したセミナーの動画と資料とQ & A提供

がんと運動について

 

[Codex]Codexは最初のバーチャル委員会の準備のための代表者向けウェビナーを発表

Codex announces webinar for delegates to prepare for first virtual Commission

10/09/2020

http://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1306982/

 

論文

-The Lancet:最大の世界ワクチン信頼調査は躊躇のホットスポットを明らかにする

The Lancet: Largest global vaccine confidence survey reveals hesitancy hotspots

10-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/tl-tll090920.php

欧州のワクチンへの信頼は他の地域より低い

 

-アメリカ人は貧しく、マイノリティで、無保険で食糧が十分でない人達が偏ってCovidに罹患している

Americans sick with Covid disproportionately poor, minorities, uninsured and food insecure

10-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/pfan-asw091020.php

Journal of General Internal Medicine

 

-今やかびは食品の質に関連する

Mold now associated with food quality

10-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uoc-mna091020.php

買ってから一ヶ月後に、白いカビがはえたリンゴは新鮮で青々としたリンゴより良い?デンマーク人の食品の「純粋さ」と「不純」に関する認識の社会学的調査によれば、イエスである。我々は純粋さをナチュラルと結びつけ、かつては不純物だった土やカビや細菌や埃が、農薬や保存料でダメにならないようにしたものより、今やピュアと見なされている。

かつては細菌がいないことが良いものだった。過去40-50年で「クリーン」な食品の特徴についての態度が変わった。しかしカビが生えた食品を気にしないわけではない。安全性は極めて重要なままで、デンマークではそれがしばしば問題になっているにも関わらず消費者は安全であることは当然だと思っている。Sociology

 

-covid-19の危険性の理解を改善するために「通常の」リスクを使う

Use of “normal” risk to improve understanding of dangers of covid-19

David Spiegelhalter

BMJ 2020;370:m3259

https://www.bmj.com/content/370/bmj.m3259

covid-19の死亡データが蓄積し、年齢との関連は「通常の」リスクと非常に近いことが示された。このやりかたでリスクを説明することが人々の理解に役立つ可能性がある、とDavid Spiegelhalterはいう

(covid-19は高齢者の死亡リスクが高いけれど、もともとの年齢による死亡リスクの高さときれいなパラレルになるという英国のデータ)

 

-対決:covid-19パンデミックで各国は根絶を目指すべきか?

Should countries aim for elimination in the covid-19 pandemic?

BMJ 2020;370:m3410

https://www.bmj.com/content/370/bmj.m3410

イエス Andrew Lee. 

独立SAGEは英国政府にゼロを目指すよう助言している。ニュージーランドはできた。

ノー Simon Thornley, Arthur J Morris, Gerhard Sundborn

みんな地球上から排除したい、でもできない。ニュージーランドは3ヶ月見かけ上排除できたが原因不明で破られた

 

-BMJの、首相のムーンショット計画についての記事集

Covid-19:月に向かって発射

Editor's Choice Covid-19: Shooting for the moon

https://www.bmj.com/content/370/bmj.m3509

ニュース:政府は1日1000万件の検査のために1000億ポンドを使う計画

Covid-19: Government plans to spend £100bn on expanding testing to 10 million a day

https://www.bmj.com/content/370/bmj.m3520

Covid-19: An efficient and effective test trace regime is not a numbers game

https://blogs.bmj.com/bmj/2020/09/10/covid-19-an-efficient-and-effective-test-trace-regime-is-not-a-numbers-game/

Martin McKee: Will Boris Johnson’s “Moonshot” become lost in space?

https://blogs.bmj.com/bmj/2020/09/10/martin-mckee-will-boris-johnsons-moonshot-become-lost-in-space/

(民間コンサル会社が作った民間企業だけが儲かるひどい計画と批判されている)

 

Natureから

-エディトリアル

危機にあるポスドク:科学は次世代を失うリスクを冒せない

Postdocs in crisis: science cannot risk losing the next generation

09 SEPTEMBER 2020

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02541-9

パンデミックは博士課程終了後研究者の窮状をさらに悪化させた。資金提供者は倫理的支援以上のものを提供する必要がある

 

-ワールドビュー

どうしてFDAは政治から高潔さ(Integrity)を守らなければならないのか

How the FDA should protect its integrity from politics

Joshua Sharfstein

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02542-8

FDAはCOVID-19の治療のデータを間違った提示のしかたをしたことで非難されている。10年前、FDAはその決定が科学に基づくものであることを確保するために基準を設定した

2009年、FDAが科学者から何度も拒否されたにも関わらず政治的圧力で医療機器を認可したという疑いが持ち上がっていたときに私はFDAの長官代理としてFDAに入った。そして今年、同様の、しかしさらに深刻な疑義があがっている。10年前に私はFDAの主任科学者と法律家と方針担当者に相談し、彼らが3つの基準を設定した。最良の科学に基づくこと、透明性、そして外部からのあるいは不適切な干渉を受けないこと、である。トランプ政権がFDAの決定に影響を与えようとしていることは疑いようが無い。どうすればFDAの高潔さを守れる?米国のCOVID-19死者が20万人になろうとする中、FDAのインテグリティは抽象概念ではなく生死の問題である。

 

Sceince

-ニュースを一目で

Science  11 Sep 2020:Vol. 369, Issue 6509, pp. 1278-1279

・WHOがCOVID-19薬を承認

重症COVID-19患者に経口または静注でコルチコステロイド(デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン)。既に米国を含む多くの国で治療ガイドラインに含まれているが、WHOの助言で低から中所得国も採用するだろう

・アフリカの「緑の壁」ゆっくり増加

砂漠の拡大をくい止めて緑を増やす計画がほんの僅かだけ前進

・EUが湿原で鉛の銃弾を禁止

先週EUが湿地や水の近くでの鉛の銃弾の使用を禁止する方向に動いた。欧州化学品庁の推定では毎年150万の水鳥が鉛中毒で死亡している。公式に採用されれば2022年から発効する。REACHは今年後半にも銃弾と釣りの重りの鉛を完全に禁止することについて議論するかもしれない

・ロックダウンの後に鬱

アメリカの最大の調査の一つで、COVID-19ロックダウン以降多くの人が鬱の症状を報告している。パンデミック以前に比べて中程度から重症の鬱症状を報告する人が三倍の27.8%になった。これはこれまでの他の国での大規模トラウマイベント後の調査で記録されたものより大きい。

 

-権力者に科学を話す

Speaking science to power

Kelly Servick

Science  11 Sep 2020:Vol. 369, Issue 6509, pp. 1282-1283

大学院を出て5年の若手疫学者Caitlin Riversは5月に初めて議会で証言するために呼ばれた。彼女は人類学の専攻で大学院で感染症と疫学を学びこれまでMERSやエボラの拡散予測モデルを開発して政治家と話をしてきた。COVID-19に関しても公式報告書や私的対話、Twitterなどで存在感を上げている。もしも権力者が初期からRiversらの助言を採用していたら事態は違っていただろう。Riversは「政治はフラストレーションが溜まるもので、「どうしてあなたには私が見えているものが見えないの?」と感じる」とRiversはいう。しかし政策に影響を与えたい場合、非難を重ね議論をかき混ぜるのは生産的では無い、とバージニア大学でRivers のメンターだった疫学者Stephen Eubankはいう

(若い人達に経験を積ませている話)

 

-COVID-19の間のプラスチックゴミの蓄積

Accumulation of plastic waste during COVID-19

Tanveer M. Adyel

Science  11 Sep 2020:Vol. 369, Issue 6509, pp. 1314-1315

個人用保護具(PPE)がプラスチック汚染を主導している

さらにロックダウン中のテイクアウトや配達需要増加によりプラスチックゴミが増える。

たった1%のフェイスマスクの不適切な廃棄は1億個以上、3万から4万kgになる

 

SMC UK

-監査局の子ども肥満報告書発表への専門家の反応

expert reaction to the National Audit Office’s publication of the childhood obesity report

SEPTEMBER 9, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-national-audit-offices-publication-of-the-childhood-obesity-report/

一部抜粋

王立マンチェスター子ども病院小児内分泌科医長Mars Skae博士

これは過去10年に政府がとってきた対応と現在の状況の正確な提示である。新しい知見は無いがこれまでの多くの投資にも関わらずほとんど進歩していないことを極めて良くまとめている。この報告書は政府と地方当局の両方のレベルで計画の説明責任とフィードバックが欠けていることを示唆する。報告書の結論には同意する。

小児科と子どもの健康王立学会長Russell Viner教授

この報告書は我々がずっと知っていたことを強調する、子どもの肥満は貧困と障害に強く関連する。疑いようも無く我々は幾分かの進歩をした。午後9時前のジャンクフードの広告禁止は歓迎する。しかし究極的にはお金と資源の問題である

 

-COTの電子タバコ報告書への専門家の反応

expert reaction to Committee on Toxicity report on ecigs

SEPTEMBER 9, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-committee-on-toxicity-report-on-ecigs/

Dundee大学心血管系医学と治療薬教授Jacob George教授

ほとんどの電子タバコユーザーは元喫煙者である。電子タバコ使用者は非喫煙者より心血管系疾患の率が高いがそのうちどのくらいが以前の喫煙によるかは不明である。この報告で重要なことは、電子タバコの使用者の心血管系イベントは非喫煙者よりは多いがたばこ使用者よりは少ないということである。この報告書は正確に強調している

Imperial College London呼吸医学准教授Nicholas Hopkinson博士

COTの報告書は電子タバコは喫煙に比べるとリスクは低いとしており現在の英国のコンセンサスと一致する

Oxford大学健康行動上級研究者でコクランたばこ依存グループ編集管理者Jamie Hartmann-Boyce博士

この新しい報告書は現在の科学的コンセンサス:電子タバコは伝統的たばこより害は少なそうだがリスクがないわけではない 、を確認した。これは現在の公衆衛生助言と一致する:喫煙者は電子タバコに変更することを検討するように、喫煙しない人は電子タバコを始めないように。

(以下ほぼ同じ意見なので略)

 

-政府が大量検査計画を立てているという首相の発表への専門家の反応

expert reaction to the Prime Minister’s announcement that government are developing a mass testing plan

SEPTEMBER 9, 2020

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-prime-ministers-announcement-that-government-are-developing-a-mass-testing-plan/

本日午後の記者会見でBoris Johnson首相が新しい英国COVID-19戦略を発表し、その中に政府が大量検査計画を開発中とあった。

Exeter大学臨床上級講師で英国医師会医学大学職員委員会長David Strain博士

いまだ存在しない技術に基づく大量検査戦略は基本的に欠陥がある。既存の技術はCOVID-19の感染初期患者の最大1/3は検出できないことがわかっている。48時間後に二回目の検査をしても、まだ1/4以上で検出できない。検査陰性の人の感染性は何らかの形で低いことが示唆されているにしても、それを確かめる方法は無い。検査で人々が普通の生活に戻れるというJohnson氏の想定は時期尚早である。

首相の示唆する「妊娠検査のように」15分以内でわかるというのは不可能では無いにしてもそれで元に戻れるというのはありそうにない。心配なのはそれによって他の重要な対策-大規模集会中止などが毀損されることである。

Sussex大学ビジネススクール科学研究政策ユニット研究フェローJoshua Moon博士

首相の発言の重要なポイントは「将来、近い将来、検査で陰性の人を同定したい」で、それは単純に不可能だ。検査では陽性の人がわかり、その人は自己隔離すべきだが、陰性は可能性でしかない。検査陰性は真に陰性かあるいはまだ感染初期でこれから陽性になるかあるいは検査の時に十分ウイルスが採取できなかったか、などがあり、普通に動き回っていいのはそのうち一部でしかない。

さらに大量の検査をすると患者が多く見つかる。それは二つの相互に関連する問題をおこす:一つは既に負担が大きい追跡システムにさらに多くの負担がかかること、二つ目は隔離する人が増え放置しておくとメンタルヘルスにさらに影響が大きい。

最後に、現在の検査能力の危機は英国政府の検査能力評価が必ずしも正確で無いことを示す。このことを考えるとこの「ムーンショット」の実現性を信じられるだろうか?

首相は「映画館やスポーツ施設は全ての聴衆にその日検査をしてネガティブだった人だけ残せばいい」というがこれも嘘である。検査陰性はその人が感染させないことを意味しない。学校でも職場でもそうである

Edinburgh大学感染症部長Jose Vazquez-Boland教授

現在の検査追跡システムはあまりにも医療中心で厳格すぎ、柔軟性が無い。地元の要望を入れて広範な公衆衛生的アプローチをしたほうがいいだろう。現在の検査は疑い症例(症状のある人)の確認に集中していて症状の無い人からの感染を把握できていない。

首相が述べたような症状の無い全ての人を定期的に検査するような集団検査でのみcovid-19をコントロールし根絶できるだろう。それには国中の全ての検査室(研究所や大学その他)を効果的に協調して動員することで達成できるだろう。

 

その他

-活動家の群れ

A swarm of activists

By James Njoroge - 01.09.2020

https://www.europeanscientist.com/en/features/a-swarm-of-activists/

サバクトビバッタの大群と、COVID-19パンデミックと、大規模な洪水によって約200人の死者を置いて何万人もの人が土地を追われた年、ケニアの人には短期間でも良い知らせが欲しい

サバクトビバッタとの戦いは法外に遅れたものの7月末には一部を除き第二波を抑えた。しかし近隣諸国ではまだコントロールできていない。そしてさらに大規模でコントロールの難しい第三世代が来ると予想されている。

ケニアでのFAOの部分的成功は幸運-天候条件-と殺虫剤の空中散布の組み合わせによる。

アフリカが今回のサバクトビバッタの大群に準備できていなかった理由の一つは、GrazianoがFAOの事務局だった7年間に農業環境活動家とともに各国政府のリーダーに殺虫剤を禁止し「ナチュラル」で「オーガニック」な方法を使うように説得してきたからである。昨年6月にケニアにバッタの大群が上陸した時ですら、政府の大臣がナイロビでの会議でGMOががんの原因で農薬は男性を不妊にするなどという環境保護主義者を自称する辺縁の団体の話を聞かされていた。FAOは少なくとも今回は反農薬の態度を改めた。しかしEUが資金提供している活動家は止まらない。ドイツの緑の党が支援しているRTFIは再びケニア政府に262の農薬を禁止するよう要求を強めている。その中にはFAOがサバクトビバッタコントロールのために推奨する殺虫剤も含まれる。

(以下長い記事略)

 

-Impossible Foodsはカナダのレストランや小売店にImpossible Burgerを迅速に展開する計画

Impossible Foods plans rapid rollout of Impossible Burger at Canadian restaurants and retailers

08-Sep-2020

https://www.foodnavigator-usa.com/Article/2020/09/08/Impossible-Foods-plans-rapid-rollout-of-Impossible-Burger-at-Canadian-restaurants-and-retailers#.X1fIZ6evrJM.twitter

カナダの圧倒的需要に応えて、今年全国のより広範な店舗でImpossible Burgerが入手できるようになるだろう

カナダが世界で二番目に大きな市場となると予想

 

-COVID-19の頻繁な集団検査について知っておくべき5つのこと

Five things to know about frequent mass testing for COVID-19

September 10, 2020

https://www.cbsnews.com/news/five-things-to-know-frequent-mass-testing-for-covid-19/

イリノイ大学の化学教授Marty Burke等のチームが大学の再開のために積極的検査計画をデザインした。それについて知ったこと。

イリノイ大学の一日の検査は米国全体の検査の約2%

イリノイ大学は1日2万の検査をする-毎週25万件以上、一人の学生は週に2回検査する

検査は唾液

検査のスケールと自宅でのやり方は科学者が協力した

現在FDAが認めた自宅用検査は無い

4.もし全国で行われたら自宅検査は「ゲームチェンジャー」になるかも

5.懸念はある

検査の正確性に疑問(性能と使い方、ちゃんと報告するか)

 

-コロナウイルス:「宇宙規模の無駄と邪悪」:1000万のCOVID-19の検査計画批判される

Coronavirus: 'Waste and corruption on a cosmic scale': Plans for 10 million COVID-19 tests attacked

Thursday 10 September 2020

https://news.sky.com/story/coronavirus-scientists-doubtful-as-leaked-government-document-reveals-plans-for-10-million-tests-by-next-year-12067722

政府の科学助言委員会は集団検査は多数の偽陽性を生むと先に述べた

リークされた文書によると、政府は来年初めまでに1日1000万件の検査をする計画だという、しかし批判者はその提案は「宇宙規模の無駄と邪悪」だという。

費用は1000億ポンドでNHSの年間予算と同じくらい

 

-インドの健康時限爆弾は時を刻み続ける、それはCovid-19ではない

India’s Health ‘Time Bomb’ Keeps Ticking, and It’s Not Covid-19

By Ragini Saxena 2020年9月11日

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-10/india-s-health-time-bomb-keeps-ticking-and-it-s-not-covid-19

インドのコロナウイルス患者数が世界の心配事になっているがもう一つの健康上の惨事が静かにおこりつつある

世界で最も厳しいロックダウンは定期的な必須の医療サービスも実行不可能にした。100万人以上の子どもたちが必須の予防接種をせず、病院での出産が劇的に減って多くの女性が安全で無い自宅出産をした。がんの外来も80%減った。しかし最大の危機は結核である。インドでは現在270万人もの結核患者がいて毎年421000人が結核で死亡している。現在のケアの不足で2025年までに追加で630万人の患者と140万人の死亡が予想される

 

-我々は直面している経済リスクについて議論できなければならない

We must be able to debate the economic risks we face

By Tim Colebatch September 11, 2020

https://www.theage.com.au/national/victoria/we-must-be-able-to-debate-the-economic-risks-we-face-20200911-p55uod.html

私はオーストラリアの政治は十分幅広く、政策について議論をして合意できると思っていた。しかしコロナウイルス危機は我々を対話不可能な敵味方に引き裂いた。

COVID-19の制限の緩和を示唆することはDaniel Andrewsとその支持者にとっては何千人もの人を殺すことだと非難される。ツイッターやフェイスブックは視野の狭い党員の世界になった。最良の政策について真摯な議論をする場所はどこに?

多くのオーストラリア人、そしてビクトリア人はどんな対価を払ってもウイルスをやっつけたい。Morrison政府の仕事や収入や社会や精神衛生も守りたいという懸念を共有しているのはわずかだけである。2020年はほとんどの間がロックダウン下で、経済リスクは膨大である。

ビクトリアではAndrews政権が多くの職場を閉鎖し夜間外出禁止令を出し家に訪問することを禁止しメルボルンでは5キロ以上離れることが禁止されている。そして今までほとんどのビクトリア人がそれを支持してきた。

しかしThe Guardianの世論調査では先週日曜日のロックダウン6週間延長発表以前から支持率が50%に低下している。さらに最近の調査では分極してきた