2020-09-28

[WHO] Q&A: 鉛と鉛塗料

Q&A: Lead and lead paint

29 June 2020 | Q&A

https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-international-lead-poisoning-prevention-week-of-action

加盟国は塗料の鉛を廃絶するために何ができるか?

顔料や乾燥剤に使用される鉛化合物により安全な代替物がある。これらは長年使用され、これらの代替物を使用することは有意に塗装の費用が上昇することはないと研究は示してきた(13)。しかし、多くの国で、いまだ一般的な鉛問題に関する認識の欠如があり、塗料の鉛に関する強制的な基準がない。

鉛塗料がいまだに入手できる国では、政府が、鉛塗料の使用を禁止するあるいは制限する法的拘束力のある管理を導入すべきである。管理規制の例は塗料の鉛化合物の使用の禁止あるいは可能な限り低い濃度で塗料の鉛最大許容上限を設定することを含む。鉛塗料の規制に関する模範となる法律、ガイダンス(https://www.unenvironment.org/resources/publication/model-law-and-guidance-regulating-lead-paint)を含めた法的拘束力のある管理規制の設置に関する追加の情報(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、及びスペイン語)は、UNEPのウェブサイトで見ることができる。

他の対策は、学校や病院のような公共の建物には鉛添加のない塗料の使用を求めること、鉛添加のない塗料の購入を奨励するために、一般市民に鉛の危険性について周知することが含まれる。この市場に対する圧力は塗料業者が製品に鉛成分を加えることをやめる自主的な行動を促すだろう。

有鉛ガソリンの段階的廃止は、その対策がいかに成功できるかを示してきた。多くの国で人の血中鉛濃度の平均が他の鉛管理規制とともに有鉛ガソリンの禁止の結果として、大きく下がった。

鉛含有塗料廃絶のための同盟は、鉛塗料の生産、輸入、販売及び使用を規制するため、法的拘束力のある法律、規則、基準あるいは手続きのすべての国での採択を通して、鉛塗料の世界的廃絶に取り組んでいる。この目標は最も子供の鉛暴露に寄与しそうな他の用途である鉛の装飾塗料や鉛塗料の廃絶に特別注目している;しかし、目標はすべての塗料の鉛を規制することである。2020年5月31日、75ヶ国がそのような管理規制が行われていると鉛含有塗料廃絶のための同盟に報告した。法的拘束力のある管理規制状況に関する詳細は、WHO Global Health Observatoryデータベース(https://www.who.int/gho/phe/chemical_safety/lead_paint_regulations/en/)あるいはUNEPの塗料の鉛に関する法的制限の世界の状況に関する情報(https://www.unenvironment.org/resources/report/2019-update-global-status-legal-limits-lead-paint)でみることができる。

鉛塗料の段階的廃止は、WHOの「2020年及びその後の目標に対する国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチにおける健康部門の取り組みを強化するためのロードマップ」(http://www.who.int/ipcs/saicm/roadmap/en/)に含まれる政府の優先行動の1つである。このロードマップは第70回世界保健総会によりWHA70決議で承認された(23)。

 

鉛塗料の廃絶は持続可能な開発目標(SDGs)の達成にどう貢献するのか?

鉛塗料の廃絶は鉛塗料の崩壊や廃棄による環境汚染だけでなく、将来的な鉛への暴露及び結果として生じる毒性影響を予防することになる。そのようにして、以下のSDG目標の達成に貢献することになる:

3.9:2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。

12.4:2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクル全体で環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

 

国際鉛中毒予防週間とは何か?

国際鉛中毒予防週間は鉛含有塗料廃絶のための同盟の主導で、10月の最終週に毎年行われる。このキャンペーン週間の目的は、特に子供に関連する鉛への暴露、ヒトへの鉛の健康影響に対処するための行動の必要性の啓発である。キャンペーン週間の焦点は鉛塗料廃絶のために政府、産業界及び消費者による更なる行動を促すことである。

このキャンペーンのパートナーには国連環境計画(UNEP)、世界保健機関(WHO)、米国環境保護庁及び国際汚染物質廃絶ネットワーク(IPEN)があるが、例えば、地方、地域あるいは全国のキャンペーンに使用する多言語のキャンペーン教材を作成することで、キャンペーン活動を支援する鉛含有塗料廃絶のための同盟の一員として協力している。これらの教材はWHOウェブサイトを介して利用できる。

このキャンペーン週間は世界中で様々な活動が行われる。これらは地域団体、公衆衛生部門、大学研究機関、政府部門及びその他により計画される。行動週間に関する詳細やキャンペーン教材は以下でみることができる。(http://www.who.int/ipcs/lead_campaign/en/

 

私は何ができるか?

鉛暴露から自分や家族を守る方法の1つは、消費者として慎重になることである。地域の鉛暴露の汚染源について情報を得るようにし、鉛の含まれる可能性のある製品を購入しないようにするべきである。例えば、塗料を購入する場合、鉛の表示があるか確認するためにラベル表示を確認することである。わからない場合は、鉛含有の可能性に関し、販売業者や製造業者に尋ねること。鉛塗料が国で法的拘束がないと分かっている場合は、それについて対応するよう政治家に働きかけること。

建物の改装あるいは塗装された家具の修繕を計画しているならば、もともとの塗料に鉛が含まれている可能性を考え、塗料を除去する安全な方法について専門家に助言を受けるべきである。

また、化粧品や伝統的な医薬品を購入する場合、高濃度の鉛がこれらの製品のいくつかから報告されているので、規制された製造業者からのみ購入するよう気を付けるべきである。

新たな車のバッテリーを購入する場合、その古いバッテリーを捨てるあるいは正式でないまたは許可のない施設でリサイクルするのではなく、販売業者へ返却するあるいは資格のあるリサイクル施設へもっていくこと。

WHOは鉛問題やその健康へ悪影響に対しどう取り組んでいるか?

WHOは鉛を、労働者、子供及び妊娠可能年齢の女性の健康を守るために、加盟国による対策を求める主要な公衆衛生学的懸念がある10大化学物質の1つとみなした。

鉛の危険性及び予防的行動の必要性についての啓発のため、WHOは政策決定者向けの情報、技術的ガイダンス及び教材を含む鉛に関する様々な情報をウェブサイトを介し入手できるようにした。これは使用済み鉛-酸バッテリーの再利用の健康面についての情報を含む(9)。鉛に関するすべてのWHOの情報は以下のリンク(https://www.who.int/ipcs/assessment/public_health/lead/en/)で閲覧することができる。

鉛暴露から子供や成人の健康を守る対策を実施する政策決定者、公衆衛生機関及び医療従事者を支援するために、 WHOは鉛中毒の予防と管理に関するエビデンスに基づいたガイドラインを作成している。

鉛入り塗料は多くの国で暴露源であり続けているため、WHOはUNEP(国連環境計画)と共に鉛含有塗料廃絶のための同盟を組織するため参加した。WHOは、鉛塗料に関する法的拘束力を制定する少なくとも40か国を支援することを目的とする地球環境ファシリティにより資金援助をうけたプロジェクトのパートナーでもある。

第69回世界保健総会は、WHOの鉛含有塗料廃絶のための同盟の取り組みに対する貢献を認識し、化学物質の適切な管理と廃棄のための国際的化学物質管理の戦略的アプローチの2020年ゴールの達成にむけた健康部門ロードマップの作成を承認し、2030年の持続可能な開発議題の関連する目標に寄与している(Resolution 69.4)国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ2020年の目標とその後の健康部門のエンゲージメントを高めるロードマップは引き続き、70回世界保健総集会の決定事項WHA70(23)により承認された。このロードマップは政府の優先行動の1つとして鉛塗料の廃絶を含む

 

鉛暴露の健康への悪影響はなにか?

鉛は体内の生物学的機能を持っていない。体内に蓄積し、実質的にすべての臓器に影響がある。鉛暴露はすべての年齢層で慢性的かつ消耗性の健康への悪影響を引き起こす可能性がある。しかし、特に小児には有害である。これは明らかな症状や兆候を引き起こさない暴露量であっても、発達神経系が鉛の毒性影響に敏感であるためである。鉛暴露は小児期には認知能力の低下、失読症、注意欠陥障害及び反社会的な行動という結果になることがある。

鉛暴露は高血圧、腎臓機能障害、免疫毒性及び生殖機能への毒性を引き起こすこともある。

鉛の大量摂取は昏睡、痙攣及び死に至ることもある。深刻な鉛中毒の中で生きる子供は、難聴及び精神遅滞といった、生涯にわたる神経損傷が残ることもある。

保健指標評価研究所(IHME)によると、世界で2017年は鉛暴露により106 万人が死亡し、長期的健康影響による障害や死亡により2440万年(障害調整生存年数(DALYs))の損失になっていると推定した。負担が最も大きいのは低中所得国である。IHMEはまた、鉛暴露が特発性知的発達障害の世界負荷の63.2%(例:遺伝要因のようなものによらない知的障害)を占め、高血圧性心疾患の世界負荷の10.3%、虚血性心疾患の世界負荷の5.6%及び脳卒中の世界負荷の6.2%を占めるとも推定した(3)。

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

September 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF170_2020_09_16.pdf

掲載項目

-シュウ酸カルシウム-植物中の刺激を与える結晶

Calcium Oxalate – the Stinging Crystals in Plants

170th Issue, September 2020

16 Sep 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_170_01.html

2020年8月、保健省の健康保護センターはシュウ酸カルシウム針状結晶に関する食中毒疑いの事例を調査した。実際に2003年から2017年まで病院管理局毒性学参照研究所で診察した植物中毒事例の中で、およそ4分の1がシュウ酸カルシウム針状結晶に関連している。では、シュウ酸カルシウムとは何で、なぜ害を及ぼすのだろうか?

・痛い!なぜシュウ酸カルシウムは傷つけるのか?

多くの植物にはシュウ酸塩が含まれている。シュウ酸塩には、シュウ酸ナトリウムやシュウ酸カリウムなど水溶性のものや、シュウ酸カルシウムやシュウ酸マグネシウムなど不溶性結晶を形成するものがある。シュウ酸カルシウムの結晶は200以上の植物科やこれらの植物の葉、茎、根、葯をも含むほぼすべての種類の組織に見つかっている。

シュウ酸カルシウムの結晶は植物の、針状「結晶」、ペンシル型「茎状突起」、ロゼット型「晶洞」などいくつかの形で見つかっている。中でも、針状結晶は最も臨床的に注目される。

鋭い針状結晶は植物細胞内で束ねられている。咀嚼中に植物細胞が損傷されると、細胞内に水が入り、膨らむ。これにより鋭い結晶は強力な推進力で周囲の環境に発出され、舌、歯茎、喉の敏感な組織を刺し、口腔内の組織損傷を引き起こす。

図1a:野生のタロイモの茎と球茎の中のシュウ酸カルシウムの針状結晶の顕微鏡写真

シュウ酸カルシウムの針状結晶

(病院管理局毒性学参照研究所の厚意による)

 

・シュウ酸カルシウムの結晶には刺激性が少ないものもある

シュウ酸カルシウムの針状結晶が最も刺激性が高いと思われている一方で、他の形状には損傷を与える可能性が低いものもある。ホウレンソウに存在するブロック型のと比較すると、野生のタロイモのシュウ酸カルシウムの結晶は針状である。そのため、シュウ酸カルシウムの結晶は野生のタロイモとホウレンソウ両方に存在するが、野生のタロイモの結晶だけが苦痛を伴う刺激を起こす可能性があるのに対し、ホウレンソウの結晶の影響はほとんどない。

主に刺激効果に寄与するシュウ酸カルシウムの結晶は、形以外に他の要因も関与する。例えば、ある種の植物細胞のタンパク質の分解を促進する酵素の存在が、炎症反応を引き起こすことで刺激をさらに増強する可能性がある。針状結晶にはこれらの酵素を保持する溝さえ持つものもある。調理は酵素を破壊するので、生の食用タロイモの苦みが調理後に大幅に減少するのはこのためである。しかしながら、調理では野生のタロイモの毒性影響を取り除くことはできず、食べるべきではない。

 

・シュウ酸カルシウム中毒の概要説明

シュウ酸カルシウム中毒の症状は主に局所的で、経口および時には上気道の炎症の原因となる。それにもかかわらず、化学物質の体内吸収はまれである。これは、針状結晶が引き起こす瞬間的な痛みと口の腫れにより、通常、影響を受けた人がかなりの量の植物をさらに摂取するのをやめるためである。迅速かつ即時に発症するが、これらの症状はほとんどの場合軽度で、大抵短時間で解決する。

図1b:食品苦情事例による葉のサンプルの顕微鏡検査。このサンプルではシュウ酸カルシウム針状結晶の存在を示している。

倍率500倍

倍率1600倍

交差切開位置

分散した針状結晶

植物の細胞内の針状結晶の束

(政府研究所の厚意による)

 

・シュウ酸カルシウム針状結晶中毒に関連が疑われる食品

香港では、以前のシュウ酸カルシウム針状結晶の食中毒事例は、シュウ酸カルシウム針状結晶を含むことが知られている野生のタロイモの摂取が主だった。他の事例は、空心菜、白菜、開花キャベツ、クレソンなど様々な種類の野菜だった。これらの野菜にシュウ酸カルシウム針状結晶が含まれているとは考えられないが、この野菜が少量の針状結晶を含む植物と混ざり、摂取される可能性があると仮定されている。これらの事例のいくつかでは、野生のタロイモの葉が輸送や加工中に野菜を包んだり覆ったりするのに使われている可能性がある。

 

・予防

シュウ酸カルシウムの結晶は水に溶けず耐熱性がある。そのため、洗浄や調理では毒性のある植物からシュウ酸カルシウムを確実に除去することはできない。シュウ酸カルシウム中毒を防ぐのに最も効果的な方法は、食用だと知られていない植物を食べないこと、食用野菜への汚染を避けることである。

図2:シュウ酸カルシウム針状結晶を含むことが知られている野生のタロイモの葉。葉の敗れた部分が輸送や加工中に野菜を汚染する可能性がある。

 

・注意すべきキーポイント

植物(野生のタロイモなど)によってはシュウ酸カルシウム針状結晶を含むことが知られており、食べるべきではない。

摂取後、シュウ酸カルシウム針状結晶は組織の炎症や口の痛みを引き起こす。

洗浄や調理は植物由来シュウ酸カルシウム針状結晶を確実に除去できない。

 

消費者への助言

・毒性がある可能性があるため、野生のタロイモなど野生の植物をとって食べないこと。

・信頼できる卸売業者から野菜を買うこと。

・野菜と混ざった正体不明の植物や物体を取り除くこと。

・食後に気分が悪くなった場合は直ちに医師の診察を受け、あれば、食べ物の残りを持ってくること。

 

取引業者への助言

・野菜が交差汚染する可能性があるので、輸送や加工中に野菜を覆ったり包んだりするのに野生のタロイモの葉を使用しないこと。

・野菜が他の食べられない植物と混ざらないように注意する必要がある。

 

- 参加しよう:食品配達の食品安全を守る

- 魚のメチル水銀超過に注意

 

- スナック中のアクリルアミド

Acrylamide in Snacks

16 Sep 2020

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_170_04.html

先頃、地方当局は特定の油で揚げたスナックのアクリルアミドの検出に関する報告書を発表した。

実験動物にがんを引き起こす可能性があるアクリルアミドは、アミノ酸アスパラギンや還元糖が存在する炭水化物豊富な食品を120°C以上で調理中に形成される。食品安全センター(CFS)が先に実施したトータルダイエットスタディで、香港の成人では、全体的なアクリルアミド摂取量は多くの西洋型食事より低いことが明らかになった。香港では、野菜炒めがアクリルアミドの食事摂取量の主な貢献者で、スナック食品は他の食品グループ中6番目だった。

最初からずっとCFSは、食品中のアクリルアミドを削減するために、食品事業者はCFSのガイドラインに従うよう奨励している。国民はバランスの取れた多様な食事を維持し、揚げ物ばかり過剰に食べないようにする必要がある。揚げ物を選ぶ際には、黄金色を目指し、高温で長時間調理するのを避けること。葉物野菜をいためたり調理する前にゆでたり蒸したりして湯通しすることもアクリルアミドの形成を削減することができる。

(このニュースだろうか?

Cancer-causing chemical taints potato chips and crispy snacks

17 Aug 2020

https://www.thestandard.com.hk/breaking-news/section/4/153303/Cancer-causing-chemical-taints-potato-chips-and-crispy-snacks

‘Topvalu’ potato chips had the highest levels of acrylamide, with 2,614 micrograms per kilogram, nearly 2.5 times higher than EU levels.)

 

[EU]RASFF Week39-2020

警報通知(Alert Notifications)

ベトナム産オランダ経由冷凍パンガシウスフィレの塩素酸塩(58 mg/kg)、産出国不明オランダ経由ナイロン製ヘラからの一級芳香族アミンの溶出(0.1965 mg/kg)、ドイツ産イヌ用補完飼料のヒ素(42.4 mg/kg)およびカドミウム(3.16 mg/kg)、オンライン販売されている食品サプリメントの未承認アナボリックステロイド(4,9-エストラジエン-3,17-ジオン: 28606 mg/kg)、アルゼンチン産冷凍アルゼンチンマツイカのカドミウム(1.6 mg/kg)、チェコ共和国産食品サプリメントの未承認新規食品成分2-ジメチルアミノエタノール(+)-酒石酸水素塩 (DMEA)混入およびピペリンの高摂取量(10 mg/日)、トーゴ産焼きピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 66.7; Tot. = 110 µg/kg)、中国産砂糖漬け青梅の安全ではない成分ナンバンサイカチ(ヒドロキシアントラセン誘導体)、

注意喚起情報(information for attention)

ロシア産飼料用亜麻仁の未承認物質ハロキシホップ(0.032 mg/kg)、南アフリカ産オランダ経由アボカドの未承認物質カルベンダジム(0.28 mg/kg)、オランダ産飼料の未承認飼料添加物カンナビジオール(CBD)、トルコ産スイカ種子のアフラトキシン(B1 = 3.3. µg/kg)、アルバニア産ペッパーのホルメタネート(0.175 mg/kg)、北マチェドニア共和国産辛青唐辛子のホルメタネート(0.366 mg/kg)、フランス産有機アロエベラの葉のアロイン高含有(400 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オランダ産冷凍ホットドッグソーセージの着色料エリスロシン(E127)の未承認使用、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産ペッパー"Kapya"のアセタミプリド(1.486 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.232 mg/kg)およびホルメタネート(0.085 mg/kg)、アルゼンチン産茹でピーナッツのアフラトキシン(B1 = 4.7 µg/kg)、中国産ピーナッツのアフラトキシン(B1 = 11; Tot. = 11 µg/kg)、タイ産酢漬けのマスタードの葉の着色料タートラジン(E102)の未承認使用、セネガル産パーム油の未承認着色料スーダン1 (0.861 mg/kg)・スーダン3 (4.882 mg/kg)およびスーダン4 (22.754 mg/kg)、米国産朝食用シリアルの着色料タートラジン(E102) (222 mg/kg)・着色料サンセットイエローFCF(E110) (91 mg/kg)・着色料アルラレッドAC(E129) (245 mg/kg)および着色料ブリリアントブルーFCF(E133) (170 mg/kg)の高含有、モザンビーク産メカジキロインの水銀(1.57 mg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え(35S プロモーター)有機各種米麺、インド産チリペッパーの未承認物質メタミドホス(0.17 mg/kg)・モノクロトホス(0.04 mg/kg)・アセフェート(0.24 mg/kg)・プロパルギット(0.04 mg/kg)およびトリアゾホス(0.05 mg/kg)、パキスタン産フィッシュマサラスパイスミックスのアフラトキシン(B1 = 13.8; Tot. = 15.1 µg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.448 mg/kg)およびアセタミプリド(0.808 mg/kg)、イラン産殻をとったピスタチオのアフラトキシン(B1 = 23; Tot. = 24 µg/kg)、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン(B1 = 5.6; Tot. = 5.6 µg/kg)、日本産大根の漬物の甘味料サッカリン(E954)の高含有(473 mg/kg)、ジョージア産ヘーゼルナッツ粉末のアフラトキシン(B1 = 27.2; Tot. = 58.8 µg/kg)、

 

[TGA]Manasmithra Vatika (Manasamitram錠剤)アーユルヴェーダ薬

Manasmithra Vatika (Manasamitram Pills) Ayurvedic medicine

25 September 2020

https://www.tga.gov.au/alert/manasmithra-vatika-manasamitram-pills-ayurvedic-medicine

このアーユルヴェーダ医薬品は危険な濃度の鉛やその他の重金属を含む可能性がある。

 

[ODS] ファクトシート更新

マグネシウム

Magnesium

Fact Sheet for Health Professionals

September 25, 2020

https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/

マグネシウムの摂取源としてかぼちゃの種とチアシードをTable2に追加。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/Magnesium-HealthProfessional/#change

 

[ProMED]殺鼠剤中毒―南アフリカ:(西ケープ)

Rodenticide poisoning - South Africa: (WC)

2020-09-26

https://promedmail.org/promed-post/?id=7814091

Date: Wed 23 Sep 2020 Source: Capetown Etc [edited]

都市カラカルプロジェクトは、最初に首輪をつけたカラカルのうちの一頭であるオリオンが死んだことを発表した。首輪をつけて異動や餌の採集を監視していた。オリオンは2016年8月にケープポイントの近くで捕まえられ12.2kgだった。オリオンは都市カラカルプロジェクトの支援者にカラカルを紹介する「猫に会おう」で紹介された月に死んだ。死因は農薬と病気だという。「検査の結果血液凝固抑制剤とDDTとPCBと血中寄生虫の根拠がみつかった」と団体が言う。カラカルのような肉食動物は、殺鼠剤を食べて中毒になったネズミなどを食べることで殺鼠剤の慢性中毒になっている。団体は市民に自宅や職場で殺鼠剤を使わないよう薦めている。最初にやるべきことはゴミを減らし家の穴を塞ぎ、ネズミの食べ物や住処を減らすこと

 

[FSSAI]食用油のビタミンAとDの強化は義務と考えられる

Fortification of Edible Oil with Vitamin A and D to be Considered Mandatory

Sept. 25, 2020

https://www.fssai.gov.in/upload/press_release/2020/09/5f6f17ef262e4Press_Release_Fortification_Edible_Oil_26_09_2020.pdf

国のウェビナー「食用油強化:関与から行動へ」で、FSSAIのShri Arun Singhal長官が「食用油のビタミンAとDの強化を義務化しようと考えている」と発表した

現在インド全土で販売されている食用油の69%が強化されている。インド人全体の栄養不良対策としてこのスケールを拡大したい

 

[NASEM]肥満解決に向けてシステムと部門を統合する ワークショップの概要

Integrating Systems and Sectors Toward Obesity Solutions

Proceedings of a Workshop—in Brief (2020)

https://www.nap.edu/catalog/25936/integrating-systems-and-sectors-toward-obesity-solutions-proceedings-of-a

2020年4月6日と6月30日に開催されたバーチャルワークショップの概要

肥満対策にシステム思考とシステム科学アプローチを適用する試みの例の共有

 

[NTP]スコーピングレビュー3報公表

-ネオニコチノイド殺虫剤暴露に関連するヒト健康影響の可能性

RR-15: Scoping Review of Potential Human Health Effects Associated with Exposures to Neonicotinoid Pesticides

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/rr/rr15/index.html

ネオニコチノイド暴露とヒト健康影響について入手可能な科学文献を集め、最新科学の状況と限界をまとめた。多様な健康影響が報告されているが、主に調査されている健康アウトカムと測定されている指標の多様性により健康ハザード評価に使うには限界がある。

スコーピングレビューはPubMedにインデックスされた科学文献のみをレビューしているため、EPAがもっているデータは含まれない

 

-二塩化パラコート暴露とパーキンソン病

RR-16: Scoping Review of Paraquat Dichloride Exposure and Parkinson’s Disease

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/rr/rr16/index.html

系統的レビューの手法を用いてスコーピングレビューとエビデンスマップを開発した

 

-出生前プロゲステロン暴露と有害健康アウトカム

RR-17: Scoping Review of Prenatal Exposure to Progestogens and Adverse Health Outcomes

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/rr/rr17/index.html

子宮内プロゲステロン暴露に関連する有害健康影響の根拠を同定し性質決定した。文献が限られているため根拠は系統的レビューでの評価を薦めるのに十分ではなかった

 

論文

-民主党政治リーダーによるCOVID-19モデルの批判は公衆の科学への信頼を毀損した可能性がある

Criticism of COVID-19 models by democratic political leaders may erode public trust in science

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/aaft-coc092520.php

モデルの不確実性、政治論争、科学への人々の信頼:COVID-19パンデミックからの根拠

6000人以上のアメリカ人の参加した一連の調査実験によると、2020年5月の民主党エリートによるCOVID-19モデルの批判が人々のモデル使用支持を低下させたようだ。一方共和党エリートによる批判は人々のモデル使用支持に影響を与えない

Science Advances

 

-食器の再利用がオンライン食品配達のゴミを減らせる

Reusing tableware can reduce waste from online food deliveries

25-SEP-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-09/uog-rtc092520.php

中国のライフスタイルは急速に変わりつつあり食品をオンラインで注文するのもその例である。しかし十億人の食事の配達は膨大な量のプラスチックゴミを出す。そこで科学者グループが紙あるいは再利用食器がプラスチックゴミと関連するライフサイクル排出を減らせるかどうかを解析した。Nature Food

紙は一見よさそうだが実際には排出を増やし良い選択肢ではなかった。再利用可能なシリコン食器(silicon tablewareって書いてあるんだけどsiliconeシリコーンではないか)がプラスチックゴミを減らすが、安全な再利用システムを作るには投資が必要

 

-インドのCOVID-19:偽りの楽観の危険性

COVID-19 in India: the dangers of false optimism

THE LANCET EDITORIAL| VOLUME 396, ISSUE 10255, P867, SEPTEMBER 26, 2020

パンデミック初期の強力な対応にも関わらず、9月22日時点でインドは世界で最も早くCOVID-19の感染者の絶対数が増加していて560万人以上になっている。

インドは3月に全国ロックダウンを行い、それはWHOにより賞賛された。検査数は速やかに増加しプール検査などを最初に実装した。ワクチン開発も最前線であった。しかしロックダウンは多くの人の収入を劇的に低下させ飢餓が増加し多くの移民が長い距離を歩いて自宅に帰る危機を作り出した

6月以降制限を緩和しはじめ患者が増え、運命論と偽りの楽観の空気が作られている

(一部のみ。Natureでインドのやり方は間違っていたとインド政府のアドバイザーが言っているのにWHOが賞賛とか何だろう)

 

-オフライン:COVID-19はパンデミックではない

Offline: COVID-19 is not a pandemic

Richard Horton

THE LANCET COMMENT| VOLUME 396, ISSUE 10255, P874, SEPTEMBER 26, 2020

政府の対策をガイドしてきた「科学」は主に疫学モデルと感染症の専門家で彼らは現在の健康危機を何世紀も昔の疫病の枠組みで捉えている。しかしこれまで我々が学んだのはCOVID-19そんなに単純ではないということである。SARS-CoV-2の感染と非伝染性疾患(NCDs)の二つが我々の社会に深く埋め込まれている不平等の分布に沿って特定の集団に集中している。COVID-19はパンデミックではない、シンデミックだ

 

その他

-事実を穏やかに否定する精神科医

The Psychiatrist Who Calmly Denies Reality

Jonathan Jarry M.Sc. | 24 Sep 2020

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-pseudoscience/psychiatrist-who-calmly-denies-reality

Andrew Kaufman医師はCOVID-19パンデミック初期にウイルスは存在しないと主張して有名になった。現在彼はデモでマスク反対者を導き何万人ものYouTube使用者に医学は間違っていると語っている

以下Kaufman医師の主張の嘘について。

 

-リシンが再び影から現れる

Ricin Emerges From the Shadows Again

Joe Schwarcz PhD | 23 Sep 2020

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-general-science/ricin-emerges-shadows-again

まるで映画の導入のようだが、大統領宛の郵便封筒からリシンが発見されたという最近の報道は、我々が生きている真に信じられない時代の信じられない話の一例に過ぎない

Trump大統領宛の手紙にリシンが検出されたというニュースで思い出すのは1978年9月7日のGeorgi Markovのブルガリア秘密警察による暗殺である。暗殺は白昼に傘で行われた。リシン入りの錠剤をバネを使った装置で打ち込むようにデザインされた特別な傘で。

リシンはトウゴマの実に含まれるタンパク質で、トウゴマからはヒマシ油もとれる。ヒマシ油は古典的な便秘の薬で、昔母親に飲まされたことがある。ひどい味だったが確かに効果はあった。幸いリシンは油に溶けないのでヒマシ油にはリシンは含まれない。ヒマシ油をトウゴマから抽出するとき、トウゴマは毒素を残さないように徹底的に水洗いされる。

ヒマシ油は大丈夫でもトウゴマの丸ごとは致死的である。トウゴマはとてもかわいらしいので時に飾りに使われる。実際メキシコではお土産の装飾品に使われている。豆を口にしたり、潰した手を口に持っていったりすると大変なことになる。血性の下痢、嘔吐、ショックが起こる。リシンに解毒剤はない。

 

-科学コミュニケーションを改善するためのフランスの計画が議論を巻き起こす

Scienceニュース

French plan for improving science communication stirs up controversy

By Elisabeth PainSep. 26, 2020

https://www.sciencemag.org/news/2020/09/french-plan-improving-science-communication-stirs-controversy

今週議会での承認に一歩近づいた10年科学計画によると、フランスは人々に信頼できる情報をより得やすくするために科学者とジャーナリストをより緊密にしようとうする計画である。科学者とメディアの関係を深めてデマを減らす考えに多くの人が産生するが一部の人は政治や企業の思惑を受けやすくなることや報道の独立性への脅威の可能性を懸念している。

フランスのイニシアチブは英国やドイツ、オーストラリアなどのサイエンスメディアセンター(SMCs)を模倣しているようだ。UK SMCは2002年以降科学者とジャーナリストで説明会を開催している。UK SMCは学会や政府、民間などから資金を受け、独立性維持のために個々の組織の寄付は年収の5%が上限である。20年前の英国の政策決定者からの呼びかけに応えてUK SMCを設立したFiona Foxはフランスからは何も聞いていないという。彼女はフランスの意図は賞賛しつつも組織が政府依存であることを懸念する

UK SMCにも批判はあって、それはジャーナリストが怠惰になるというものである

 

-Covid 19コロナウイルス:隔離ホテルの客がベッドシーツロープを使って逃げようとした

Covid 19 coronavirus: Quarantine hotel guest's attempted escape using bedsheet rope

28 Sep, 2020

https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=12368595

オークランドのホテルの4階からベッドシーツを使って逃げようとした男性が警察に保護された。9月16日にオーストラリアからニュージーランドに来て3日目と12日目に検査陰性でこの日は12日目だった

(映画みたいだ。もう少しのがまんだったのに)

 

-フランスでは、死者が増加する中パンデミックは政治的分断を深める

In France, the pandemic deepens the political divide as death toll continues to rise

Don Murray · CBC News · Posted: Sep 27, 2020

https://www.cbc.ca/news/world/marseille-paris-france-coronavirus-covid-pandemic-1.5739541

フランスではパンデミックは政治的になった

マルセイユからエクサン プロヴァンス地域の全てのカフェやレストランやバーが閉鎖しなければならなくなったのにパリ地域は午後10時以降の閉店のみになったので「マルセイユ虐め」だと抗議がおこっている

政府はこの南部の反応の驚きパニックになった。保健大臣が宥めようとマルセイユに赴いた。

(長い記事一部のみ。感染の多いところを厳しくしたら抗議活動、という活動的な国は大変。)

 

-検査追跡:「私は4ヶ月で一人にしか話をしなかった」

Test and trace: 'I spoke to one person in four months'

By the BBC Panorama

https://www.bbc.com/news/health-54284095

イングランドのコロナウイルス検査追跡システムに参加した数千人の訓練を受けた人の一人Alex Leeの証言。検査陽性の人に連絡して自己隔離をお願いし濃厚接触者の詳細を聞き出すのが仕事だった。しかし4ヶ月でほとんどやることがなかった。同様の事例が他にも報告されている。

政府のコロナウイルス対策の旗艦計画であるTest and Traceは時間がかかりすぎることで批判されている

また陽性患者の一人は「かわいそうに彼女は私に8月16日まで隔離するようにと、8月23日に話さなければならなかった」と述べている

関連

DHSC

自己隔離の新しい法的義務が本日発効

New legal duty to self-isolate comes into force today         

28 September 2020

https://www.gov.uk/government/news/new-legal-duty-to-self-isolate-comes-into-force-today

・隔離中家で働けない低所得の人に500ポンド(67000円くらい)支給

・規則を破った人は1000ポンドの罰金で、繰り返し違反すると最大10000ポンドまで上がる

9月28日月曜日から、イングランド中の人が、検査陽性あるいはNHSの接触追跡で連絡された場合には法により自己隔離を要求される

(PHEの以下のガイダンスによると濃厚接触者とされた場合にも何の症状がなくても14日間の自己隔離義務があり買い物や必須の用事での外出も禁止で違反すると罰金。症状がなければ検査は受けられない。細かい規則をたくさん発表するのだけれど人々が従ってないような?)

Guidance for contacts of people with confirmed coronavirus (COVID-19) infection who do not live with the person

Updated 28 September 2020

https://www.gov.uk/government/publications/guidance-for-contacts-of-people-with-possible-or-confirmed-coronavirus-covid-19-infection-who-do-not-live-with-the-person/guidance-for-contacts-of-people-with-possible-or-confirmed-coronavirus-covid-19-infection-who-do-not-live-with-the-person