2020-10-19

[TGA]カノコソウ(セイヨウカノコソウ)

Valerian (Valeriana officinalis)

15 October 2020

https://www.tga.gov.au/alert/valerian-valeriana-officinalis

安全勧告-肝障害の可能性

オーストラリア保健省薬品医薬品行政局(TGA)は、少数の肝障害の報告を受けてカノコソウ(セイヨウカノコソウ)の安全性を調査していることを、消費者と医療従事者に助言している。

セイヨウカノコソウは、神経質、震え、頭痛などの症状に長年伝統的に使用されている薬草である。現代では、睡眠を改善し不眠を減らすこと、更年期症状、軽度の不安を軽減することなどに利用されている。

セイヨウカノコソウは、用量、濃度、製剤の種類に関する制限のないオーストラリアの指定医薬品に入っていて、使用が許可されている。そのため、消費者はセイヨウカノコソウを含む製品をすぐ入手でき、医療従事者の助言や監視なく購入できる。現在、この成分に関して表示警告は必要ない。

1983年以降、TGAはセイヨウカノコソウを含む製品を摂取した消費者の肝障害の報告15件を受け取っている。これらの事例のうち10件は、肝障害の原因である可能性が高いと考えられる他の成分が製品に含まれていた。だが、3件ではセイヨウカノコソウが唯一の成分で、2件では他の成分は肝障害を引き起こす可能性が低いと考えられた。セイヨウカノコソウの使用が中止された後にほとんどの肝障害は解消した。だが、3事例は重度の肝障害のマーカーがあり、2件では入院が必要だった。

他の国の規制当局に報告された多くの事例と同様に、セイヨウカノコソウが肝障害を引き起こす可能性があることが文献で報告されている症例もある。これまでの証拠に基づき、セイヨウカノコソウに関連する肝障害はとても稀であるようだ。

これらの報告に応えて、TGAは、他の成分を含む可能性のある有害事象が報告されている製品など、セイヨウカノコソウを調べる安全性調査を開始した。この調査は進行中で、調査から発生する規制措置は、利用可能になった時に発表される。規制措置には、製品表示に含まれる警告文の条件や、指定医薬品の中で使用が許可されている成分の要件に対する他の変更が含まれる可能性がある。

消費者向け情報

セイヨウカノコソウを含む製品を摂取する消費者は、まれに肝臓障害が生じる可能性があることを知っておくべきである。

次の症状のうちいずれかを感じたら、消費者はその製品を摂取するのをやめ、医師に助言を求めるべきである:。皮膚や目の黄変、暗色尿、吐き気、嘔吐、異常な倦怠感、衰弱、胃痛や腹痛、および/または食欲減少。

消費者には医療従事者とこの問題に関する懸念や疑問を話し合うよう勧める。

医療従事者向け情報

医療従事者は、稀に、補完薬がヒトによっては肝臓障害の原因となりうることを知っておく必要がある。肝臓障害の症状のある患者を治療する際に、医療従事者は補完医薬品が関与する可能性があるかどうか考慮する必要がある。

スポンサー向け情報

セイヨウカノコソウを含む製品のスポンサーにはこの問題を知り、この製品のリスクと利益の比率を変える可能性のある新しい証拠を監視する必要がある。スポンサーには必要な時間枠内にTGAに全ての深刻な有害事象を報告する義務があることも再認識してほしい。

問題報告

消費者や医療従事者は医薬品やワクチンの問題を報告するよう奨励されている。あなたの報告はTGAのこれらの製品の監視に寄与する。TGAは個別の病状については助言できない。医薬品やワクチンに関して起こりうる有害事象について心配しているなら、医療従事者と話すよう強く勧める。

 

[EU]RASFF Week42-2020

警報通知(Alert Notifications)

オランダ産ミューズリーブレッドの未承認物質エチレンオキシド、ポルトガル産冷凍メカジキロインの水銀(3.50 mg/kg)、インド産有機皮をむいたゴマの未承認物質エチレンオキシド(0.11 mg/kg)、インド産煎ったゴマの未承認物質エチレンオキシド(0.33 mg/kg)、ベルギー産ゴマミックスに使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、イタリア産シャモア肉サラミの鉛(1.0975 mg/kg)、ナイジェリア産粉コショウの未承認着色料オレンジⅡ(>50 mg/kg)、インド産オランダ経由バスマティ米のオクラトキシンA (6.23 µg/kg)、ポーランド産ポピーシードのモルヒネ高含有(40.59 mg/kg)、ベルギー産フランス経由冷凍ミニベーグルに使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、産出国不明オランダ経由キッチン用ヘラからの一級芳香族アミンの溶出(アニリン> 0.03 mg/kg)、オランダ産リンゴジュースのパツリン(200 µg/kg)、ベルギー産ベーカリー製品に使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、ベルギー産冷凍ベーグルに使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド(30.1 mg/kg)、インド産オランダ経由皮をむいた有機ゴマの未承認物質エチレンオキシド(15 mg/kg)、インド産オランダ経由ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 211 µg/kg)、ベルギー産ブレッドミックスに使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、ベルギー産panigraines粉(小麦とライ麦をベースにした褐色の複数穀物粉)に使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、ベルギー産ゴマミックスに使用されたゴマの未承認物質エチレンオキシド、インド産オランダ経由皮をむいた有機ゴマの未承認物質エチレンオキシド(1.7 mg/kg)、

注意喚起情報(information for attention)

エジプト産生鮮デーツの未承認物質クロルピリホス(0.076 mg/kg)、ギリシャ産キュウリのオキサミル(1.2 mg/kg)、オンライン販売されている2,4-ジニトロフェノール(DNP)、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分イカリソウ、フランス産チルドメカジキの水銀(2.43 mg/kg)、ドイツ産サングリアの亜硫酸塩非表示、ポーランド産ブロッコリーの未承認物質クロルピリホス( 0.168 mg/kg)、中国産飼料用乾燥海藻のヒ素(2.9 mg/kg)、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(B1 = 822 µg/kg)、パキスタン産超長粒パーボイルド米の未承認物質カルベンダジム(0.034 mg/kg)、インド産バスマティ米のブプロフェジン(0.021 mg/kg)および未承認物質トリシクラゾール(0.09 mg/kg)、

フォローアップ用情報(information for follow-up)

オランダ産ミネラル飼料のヒ素(13.4 mg/kg)、ポーランド産飼料サプリメントの着色料タートラジン(E102)高含有、オランダ産風船ガム風味のアイスクリームの着色料パテントブルーV(E131)および着色料ブリリアントブルーFCF(E133)高含有、マダガスカル産オランダ経由ササゲの未承認物質クロルピリホス(0.06 mg/kg)、インド産フェヌグリークの葉の未承認物質クロルピリホス(0.8 mg/kg)、南アフリカ産飼料用サトウキビ糖蜜の禁止物質ジルパテロール(22 µg/kg)、インド産バスマティ米の未承認物質トリシクラゾール(0.08 mg/kg)、米国産食品サプリメントの未承認新規食品成分イカリソウ、英国産食品サプリメントの未承認新規食品成分イカリソウ、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産マンダリンのプロクロラズ(0.696 mg/kg;0.423 mg/kg)、トルコ産チルドマンダリンのフェンバレレート(0.357 mg/kg;0.309 mg/kg;0.320 mg/kg;0.299 mg/kg;0.315 mg/kg)、ガイアナ産冷凍カマストガリザメステーキの水銀(1.6 mg/kg)、トルコ産マンダリンのエスフェンバレレート(0.394 mg/kg;0.317 mg/kg)、米国産朝食用シリアルの着色料タートラジン(E102) (336 µg/kg)・着色料サンセットイエローFCF(E110) (97 mg/kg)・着色料アルラレッドAC(E129) (218 mg/kg)および着色料ブリリアントブルーFCF(E133) (171 mg/kg)の高含有、エジプト産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 53; Tot. = 60 µg/kg;B1 = 110; Tot. = 120 / B1 = 48; Tot. = 56 µg/kg ;B1 = 16; Tot. = 19 / B1 = 66; Tot. = 77 µg/kg;B1 = 9.1; Tot. = 9.1 / B1 = 11; Tot. = 14 mg/kg;B1 = 160; Tot. = 190 µg/kg;B1 = 78; Tot. = 83 µg/kg ;B1 = 30; Tot. = 35 µg/kg)、スリランカ産乾燥丸ごとトウガラシのアフラトキシン(B1 = 10.7; Tot. = 11 µg/kg)、インド産茹でピーナッツ穀粒のアフラトキシン(B1 = 4.3; Tot. = 5.4 µg/kg)、ペッパーのピリミホスメチル(4.210 mg/kg)およびピリダベン(0.130 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(0.06 mg/kg)およびホルメタネート(0.13 mg/kg)、米国産ルートビアの安息香酸(E210)高含有(450 mg/kg)、トルコ産ペッパーのピリダベン(1.684 mg/kg)、インド産丸ごと乾燥トウガラシのアフラトキシン(B1 = 27.5; Tot. = 29.1 µg/kg)、ブラジル産茶目豆(ブラウンアイビーン)の未承認物質クロルピリホス(0.027 mg/kg)、中国産未承認遺伝子組換え米麺、

 

[HAS]HSA 警告:'Mone Macha Cocoa’には禁止物質シブトラミンが含まれる

HSA Alert: 'Mone Macha Cocoa’ Found to Contain Banned Substance Sibutramine

14 Oct 2020

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/hsa-alert-mone-macha-cocoa

製品を使用した消費者が激しい喉の渇きと心拍増加を経験した

製品の写真はPDFに

 

[BfR]宿泊禁止への人々の受容は多様

Ban on accommodation meets with mixed acceptance among the population

16.10.2020

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/33/ban_on_accommodation_meets_with_mixed_acceptance_among_the_population-257569.html

BfRコロナモニター

多くの人は連邦政府によるコロナウイルス拡散抑制対策は適切だと考えている。最近導入されたドイツのリスク地域から来た人の宿泊禁止は受容が低く、適切と考える人は45%のみ

https://www.bfr.bund.de/cm/349/201013-bfr-corona-monitor-en.pdf

(リスク地域の定義は過去7日間の感染者が10万人あたり50人以上、州により異なる、宿泊禁止は評判悪いようだ)

 

論文

-「隠された飢餓」と戦うための植物遺伝子工学

Plant genetic engineering to fight 'hidden hunger'

15-OCT-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-10/uog-pge101520.php

微量栄養素の不足に持続可能な対応をするのに遺伝子工学が役立つことを説明した展望がNature Communicationsに発表された

Van Der Straeten, D., et al. (2020). Multiplying the efficiency and impact of biofortification through metabolic engineering. Nature Communications

https://www.nature.com/articles/s41467-020-19020-4

オープンアクセス

 

-研究:2億人以上のアメリカ人の飲料水に有毒なPFASが含まれる可能性がある

Study: More than 200 million Americans could have toxic PFAS in their drinking water

16-OCT-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-10/ewg-smt101620.php

EWGによる推定がEnvironmental Science & Technology Lettersに発表された。1 ppt以上を「有毒」とした計算

EPAの健康助言レベルは70 ppt

 

-Cibusがゲノム編集作物を前進させる

Cibus advances gene-edited crops

by Melody M. Bomgardner OCTOBER 14, 2020

https://cen.acs.org/food/agriculture/Cibus-advances-gene-edited-crops/98/i40

Cibusはキャノーラを含む14のゲノム編集作物を前に進める。USDAが現在のゲノム編集作物のガイドラインを採択して初めてまる一年だった昨年、7つのゲノム編集が青信号を与えられたが今年は70の予定。Corteva Agriscience やJ.R. Simplotのような大手だけではなくInari Agriculture, Pairwise, および CoverCressのような小規模や新興企業も開発中である。さらに多くの大学も新しい品種を発表する計画である。

 

-Natureワールドビュー

エチオピア、ソマリア、ケニアが壊滅的干ばつに直面

Ethiopia, Somalia and Kenya face devastating drought

15 OCTOBER 2020  Chris Funk

https://www.nature.com/articles/d41586-020-02698-3

東アフリカの次の雨期は芳しくないと予想され、何百万人もの人々の食糧安全保障が脅かされている

今や我々は干ばつを予報できる。そして今月から12月まで乾燥が続くと予想され、2021年の3月から5月も雨が少ない可能性が高い。予報の科学が進歩し科学者は8月に警告を発した。しかし一部の政府は食糧不足や飢餓を予防する対応が十分早くない

 

その他

-SMC NZ

新たなCOVID-19コミュニティ症例-専門家の反応

New community case of COVID-19 – Expert Reaction

18 October 2020

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2020/10/18/new-community-case-of-covid-19-expert-reaction/

Ashley Bloomfield博士がニュージーランドで新たに一人のCOVID-19コミュニティ症例を発表した。この男性はオークランド港とTaranaki港で働いていて土曜日に検査陽性となった。現時点では地域感染の根拠は無い

オークランド大学生物科学部准教授Siouxsie Wiles

海外から来た船で働いていた人なので地域での感染ではないだろう。金曜に症状が出る前の定期検査で陰性だった。この事例は我々の国境管理が機能していることを示す。PPEを着用していて定期検査をしていたもののこの人が症状が出てすぐ検査をしたことに感謝する。

保健部長が記者会見で言及したスイスチーズモデルはどんなシステムや自営方法も穴があることを説明する。この場合PPEは一つの層、そして定期検査はもう一つの層である。しかしそれでも症状のある人がすぐ検査して隔離することが重要である。

オタゴ大学公衆衛生教授Michael Baker教授

この新たな症例はニュージーランド初の港での海運に関連する事例のようなので重要である。海の港は空港ほど注目されてこなかったが脆弱性があることが明らかになった

(以下略。感染経路の詳細はこれから。二週間に一回の検査を毎週にしろと言っている人がいる。)

 

-Covid-19:世界的危機-データで

Covid-19: The global crisis — in data

https://ig.ft.com/coronavirus-global-data/

FTのこれまでのまとめ。非常によくできている

 

-フィットネスインフルエンサーDMITRIY STUZHUKがかつて存在しないと言っていたコロナウイルスで死亡

FITNESS INFLUENCER DMITRIY STUZHUK DIES OF CORONAVIRUS AFTER PREVIOUSLY SAYING IT DIDN’T EXIST

https://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/dmitriy-stuzhuk-death-coronavirus-fitness-influencer-ukraine-sofia-b1130533.html

ウクライナでインスタグラムのフォローワーが110万人のSTUZHUK氏は33才で死亡した。トルコに旅行していた時に呼吸困難と咳を経験してウクライナに帰って検査を受けると陽性だった

 

-コロナウイルスが急増し、疲労が恐怖に取って代わる

As the coronavirus surges, fatigue replaces fear

Published:  October 18, 2020 By Julie Bosman, Sarah Mervosh and Marc Santora

https://gulfnews.com/world/europe/as-the-coronavirus-surges-fatigue-replaces-fear-1.74649382

保健担当者はアウトブレイクを抑制しようとする試みへの新しい課題は増加する苛立ちだという

春と明確に違うのは、最初の急増を凌ぐのに役だった希望と一体感が極度の疲労とフラストレーションに変わっていることである。ウイルスが再び増加している世界の一部では、アウトブレイクと無力感増加が危険な組み合わせとなっている。この問題は特に米国で顕著だがWHOの専門家が約半分の人が「パンデミック疲労」を経験していると推定する欧州も同様である。

人々は既に膨大な犠牲を払った、とWHO欧州地域のHans Kluge博士は言う。「尋常でないコストを払い、我々全てが、どこに住んで何をしていようと、疲れ果てた」

春には恐怖と一体感があった、とアメリカ心理学会の心理学者Vaile Wrightがいう。「今は違う。恐怖は疲労に取って代わられた」

世界の一部の地域では、行動が変わり厳しい封じ込めが有効だった。韓国、日本、ニュージーランド、オーストラリア、中国ではここ数ヶ月の間感染者は比較的少ないままである。

(中略)

政治的に分断しているチェコでは、この春の自宅待機命令に人々は異例の一体感で従った。彼らは全国マスクを縫おうキャンペーンを始め、世界中にその創造力を見せつけた。政府への信頼は記録的86%に達した。それ以降政府への支持は低下し今は欧州で最も早くウイルスが増加している。チェコの感染者総数15万以上の約半分がここ2週間で、死者1300人近くの半分以上が今月である。

(以下略)

 

-欧州のCovid:チェコ、アイルランドの規則強化抗議

Covid in Europe: protests in Czech Republic, Ireland to toughen rules

Sun 18 Oct 2020

https://www.theguardian.com/world/2020/oct/18/covid-in-europe-protests-czech-republic-ireland-toughen-rules

スイスは(ついに)マスクを義務化

(写真はプラハの反マスクデモを警察が取り締まっている様子)