[ANSES]フランスのブタクサ:コストと健康影響と対応提案
Ragweed in France: costs of the health impacts and proposed courses of action
04/12/2020
https://www.anses.fr/en/content/ragweed-france-costs-health-impacts-and-proposed-courses-action
ヒマワリやトウモロコシの農作地、川岸や道端などに生えている。アレルギー(花粉症)を起こす。
一般的なブタクサは、20世紀半ばにローヌ渓谷に最初に到着し、国中に広まって、それ以降、特にアレルギーを引き起こしている。本日ANSESは、フランスの、その存在による健康影響に関連した費用の見積もりを発表した。その蔓延を抑えるために、ANSESは、まだ比較的影響を受けていない地域を含む地方レベルで、協調した管理対策を講じるよう助言している。ANSESはまた、ブタクサの花粉のモニタリングの最適化や、その健康影響の重要性について医療従事者と一般人の間で意識を高めることの重要性も強調している。
統合管理戦略によるブタクサの蔓延管理
ANSESは国家レベルでブタクサの健康影響の様々な範囲の年間コストを推定した。
・医療コスト(薬や助言を求めることなど)、年間5900万~1億8600万ユーロ
・欠勤に基づく生産損失コスト、年間1000万~3000万ユーロ
・アレルギーのある人の生活の質の低下コスト、年間3億4600万~4億3800万ユーロ
ブタクサが蔓延する地域の拡大が予想され、それによる新たな集団の暴露、主に気候変動による大気中の花粉量の増加により、これらの費用は将来増えると予想される。そのため、ブタクサの健康への悪影響を制限するためには、この植物の蔓延の厳格な管理が必要である。
[ANSES]偽造抗寄生虫首輪がインターネットで販売されていた
Falsified antiparasitic collars sold on the Internet
03/12/2020
https://www.anses.fr/en/content/falsified-antiparasitic-collars-sold-internet
ANSESはインターネットで販売されている中国産の犬猫用偽装寄生虫首輪を検出した。ダニやノミを駆除するはずのこれらの製品は、現在の規制に従っておらず、含まれるはずの有効成分を含んでいない。
この製品は、Bayer社が生産したSeresto®シリーズの寄生虫駆除首輪としてサイトに提示されていた。これらの首輪は犬や猫のノミやダニの予防と治療としてフランスで認可されている。それらは店頭で販売されている。このウェブサイトで販売されている非常に低価格の首輪だけが信ぴょう性を疑われている。荷送り人は中国に住んでいた。
表示や使用説明書のない寄生虫首輪
受け取った際、この首輪はWishサイト上のビジュアルに似ていなかった。パッケージにこの製品を特定する首輪の名前、対象種、使用指示の記載はなく、バッチ番号、製造業者、市販承認取得者に関連付けられなかった。さらに、使用上の注意、動物と飼い主へのリスク、廃棄条件に関する情報はなかった。動物用医薬品の管理規制では、このすべての情報を箱か添付文書に記載する必要がある。
効果がなく、危険な可能性のある製品
この首輪の分析から、Seresto®の首輪に含まれるはずの有効成分―フルメトリンとイミダクロプリド―はなかったと示された。そのような偽装医薬品の購入や使用に関するリスクは、含まれる物質によって、単に効果がないことから動物、ヒト、環境への潜在的な毒性まで多岐にわたる。
新しい欧州規則は2022年1月に発効する予定である。
その日付以降、動物用医薬品を販売するウェブサイトは、登録して規制への準拠を保証するロゴを表示しなければならない。
[ANSES]ANSESは若者の身体活動の無さとじっとしている行動について公共機関に警告
ANSES alerts the public authorities to the levels of physical inactivity and sedentary behaviour among young people
23/11/2020
健康を保つには、スポーツ、ウオーキング、遊びなど、定期的に運動し、じっとしてスクリーンを見ている時間を制限することが必要である。本日、ANSESは子供と青年のじっとしている行動と運動不足に関連する健康リスク評価を発表する。この専門家の評価から、11-17歳の2/3はリスクが高く、太りすぎ、肥満、摂食障害または睡眠や生活の質の低下に直面する可能性があることが示されている。青年期に発達した習慣は根付き、その後、成人期の健康と生活の質に影響を与える傾向がある。ANSESはそのため、青年期以降の身体活動を促進し増加させる必要性を、現在公的機関に警告している。
青年期は極めて重要な時期である。この時期に得た習慣は、関連する健康への影響を伴い、長く続いて青年期でも強まる傾向があるからである。残念なことに、現状は、さらにじっとしている行動を促す大規模なデジタル製品や新しい技術の開発に伴って、じっとしている時間、とりわけ「スクリーンタイム」を結果的に特に増加させる。ロックダウンの影響は、運動不足やじっとしている行動に向かう傾向のさらなる原因となっている。
INCA3 (フランス国民の食品摂取及び食習慣に関する第三回目の研究) のデータを用いて、ANSESは、じっとしている行動と運動量の少なさにさらされている若いフランス国民の健康影響を評価することにした。この専門家評価は、ANSESの以前の作業、特にこれら2つのリスク要因に関連した6-17歳の特定の健康の閾値を定めた、運動及びじっとしている行動のガイダンス更新に関する2016年の意見に続く。
・じっとしている行動:授業時間外に娯楽(テレビ、パソコン、ビデオゲームなど)のためにスクリーンの前に座ったり横になって過ごす時間。このスクリーンタイムが一日当たり2時間を超えると、健康リスクになる可能性がある。
・運動不足:若者が、体育の授業を含んで1日当たり60分未満しか運動しない場合、十分活動的ではないと考えられる。
運動不足とじっとしている行動:11-17歳の2/3はどちらも健康の閾値を超えている
ANSESが実施した専門家評価に従い、11~17歳の若者では:
・66%が心配な健康リスクに直面している。スクリーンタイム2時間以上と、一日当たり60分未満の運動、両方が同時に健康の閾値を超えている。
・49%はより厳しい閾値、すなわち、一日のスクリーンタイム4.5時間以上および/または一日の運動20分未満で特徴づけられる、かなり高い健康リスクを示している。これらのうち17%は、じっとしている行動の時間が非常に多く (一日当たりのスクリーンタイムが4.5時間以上)、運動不足(一日当たりの運動20分未満) にで、特にさらされている。
・じっとしている行動は、より年齢の高い青年(15-17 歳)や経済的に恵まれない若者でさらに多い。
さらに11-14歳では、一日当たり少なくとも60分運動するのは、少年(24%)より少女(15.5%)の方が少ない。
この専門家評価の結果はANSESの大きな懸念である。研究した集団の2/3が、高い健康リスクにさらされていることを意味する健康の閾値を超過していることが明らかになるのは、リスク評価では非常にまれである。
不十分な身体活動:それ自体が健康リスク
じっとしている行動が多い、すなわち長時間のスクリーンタイムは、ほとんどの場合、子供の太りすぎと肥満だけでなく摂食障害や睡眠と生活の質の低下のリスクに関係しているとANSESは指摘する。だが身体活動はスクリーンタイムの健康への悪影響を減らす可能性がある。スポーツ以外でも、ウオーキング、外遊びをする、荷物を運ぶ、階段を上り下りするなど、他の形で体を動かすことも身体活動に貢献する。
身体活動は、健康に不可欠でなくても有益だと長い間考えられてきた。ANSESは現在、じっとしている行動など不十分な身体活動は、それ自体が健康のリスク要因と考えるべきだと助言している。
青年期以降の身体活動の促進と強化:主要な公衆衛生問題
早くも2016年に、ANSESはじっとしている時間をできるだけ定期的に中断し(起き上がる、ストレッチするなど)、低強度で短時間の活動など身体活動の時間に置き換えることでスクリーンタイムを減らすよう推奨した。
これらの助言に加えて、ANSESは本日、国民健康栄養プログラム(PNNS)の枠組みでこのテーマに関する強化対策の必要性を公的機関に警告し、促進対策の重要性を主張している。
・特に年齢の高い青年 (15-17歳)や最も経済的に恵まれない層の若者のじっとしている行動をなくそうと努める
・特に子供/青年、親、教育関係者の意識を高めることで、10代の少女の身体活動を発達させる。
最もリスクの高い人たちを減らせるよう、これらの対策は、じっとしている行動と身体活動両方に取り組む努力を組み合わせる必要がある。
概してANSESは、じっとしている行動と運動不足に関連するリスクを減らすには、個人レベルと集団レベル、つまり、家、学校、自転車道路の開発を通して公共の場でなど、両方で行動の変化を促す全体的な環境作りが必要だと繰り返し述べている。この意味で、活発な生活様式を促す環境を促し、国民の知識とスキルを向上させ、健康、社会、教育の専門家を含むことを目的とした、PNNSの枠組みのフランス公衆衛生局による対策の重要性を強調している。
ANSESの2016年の助言の覚え書き
・様々な種類(心肺の、筋肉強化、柔軟性)の身体活動の実践を促進し、実践の全ての機会を特定する:動き回る、荷物を運ぶ、階段を上り下りする、家で活動的でいる、などは全て様々な身体活動である。
・日常的に座って過ごす合計時間を減らすことで、じっとしている行動の削減を促し、活動的なブレイクにより長期間の活動的でない時間を中断する。身体活動の増加と、積み重なった途切れのないじっとしている時間の削減が併存すると、健康に最大の効果をもたらす
追加情報
・子供と青年の身体活動量の少なさとじっとしている行動に関連するリスクの評価に関するANSESの意見(フランス語)
ANSES OPINION on the assessment of risks linked to low levels of physical activity and sedentary behaviour in children and adolescents (in French)
https://www.anses.fr/en/system/files/NUT2017SA0064-a.pdf
・2016年のANSESの意見(フランス語)
2016 ANSES Opinion (in French)
https://www.anses.fr/en/system/files/NUT2012SA0155Ra.pdf
・グラフィックス
Our graphics
・記事「よりよい健康のためにじっとしているライフスタイルを減らしもっと運動を」
Our article "More physical exercise and less of a sedentary lifestyle for better health"
03/01/2018
https://www.anses.fr/en/content/more-physical-exercise-and-less-sedentary-lifestyle-better-health-0
[ANSES] 食品サプリメントチュワブルヘアビタミン®摂取後の重症急性肝炎
Severe acute hepatitis following consumption of the food supplement Chewable Hair Vitamins®
News of 26/11/2020
ANSESは経口避妊薬を使用する女性は食品サプリメントのチュワブルヘアビタミン®を摂取すべきでないと推奨する。
HairBurstが販売するチュワブルヘアビタミン®は健康的な髪を維持するために使用されるチューインガム形態の食品サプリメントである。
2019年、ニュートリビジランス計画の一環として、ANSESはこの食品サプリメント摂取に関連する可能性が高い命に関わる2例の急性肝炎の報告を受けた。29歳と36歳のどちらの女性も入院し、内1例は緊急肝臓移植が必要であった。両者とも経口避妊薬を使用していた。
ANSESによると、この食品サプリメントがこれら2例の重症急性肝炎の発生の原因である可能性が高かった。いくつかの仮説の可能性がある:製品の多くの成分の組み合わせの複合効果、他の物質との相互作用(特に経口避妊薬に含まれる成分)、あるいは汚染または不純、つまり不正に物質を添加した可能性である。
ANSESの食品サプリメントの摂取に関する推奨:
‣食品サプリメント摂取後に発生するいかなる副作用も医療従事者に相談すること。
‣製造業者に指定された使用条件に従うこと。
‣医療従事者(医師、食事療法士等)の助言なしに年中様々な成分の、長期的にあるいは繰り返して食品サプリメントを摂取しないこと。
‣不適切な表示に関し、よく警戒すること。
‣医療従事者の個別の助言なく、他の販路(インターネット、フィットネスセンターなど)を介し、販売される製品の購入にはよく警戒すること。
詳細情報
‣Vigil’Ansesの記事(フランス語)https://vigilanses.anses.fr/sites/default/files/VigilAnsesN12_Novembre2020_Nutrivigilance_Chewable.pdf
‣ANSESの意見書
https://www.anses.fr/en/system/files/NUT2019SA0212EN.pdf
[EFSA]意見
全ての動物種用Ensifer adhaerensCNCM‐I 5541株で生産したビタミンB12 (シアノコバラミンの形で)の安全性
Safety of vitamin B12 (in the form of cyanocobalamin) produced by Ensifer adhaerensCNCM‐I 5541 for all animal species
EFSA Journal 2020;18(12):6335 14 December 2020
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6335
[HSA] 消費者が'Queenz Mango Xsliim’を使用後有害影響を経験-HSAの検査で禁止物質シブトラミンと下剤を含む
Consumers Had Adverse Effects After Taking 'Queenz Mango Xsliim’ – HSA Tested Product to Contain Banned Substance Sibutramine and Laxative
25 Nov 2020
https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/queenz-mango-xsliim
シンガポール保健科学庁(HSA)は消費者に「Queenz Mango Xsliim Botanical Beverage Mix Mango Powder with Garcinia Cambogia & Aloe Vera Extract」という減量製品として市販されているものを購入あるいは摂取しないよう警告している。HASが検査し、重篤な有害影響を引き起こす恐れのある効き目の強い成分―シブトラミン(禁止物質)とセンノシド(下剤)を含むことがわかった。この製品はCarousell、Lazada、Shopee 及びQoo10のようなローカルサイトの電子商取引プラットフォームやFacebookのようなソーシャルメディアプラットフォーム上で販売された。HSAは販売業者へ警告文を発し、該当製品の掲載を停止するようそれぞれのウェブサイトの管理者へ指示した。pdf版の別添AでHSAが分析したこの製品の写真を参照できる。
「Queenz Mango Xsliim」を摂取後、消費者は有害影響を経験した
2. HSAは製品摂取後、胸部の不快感、心拍の上昇及び口渇を経験した消費者2名からフィードバックを得た。この製品は運動や食事制限が必要なく、短期間で減量ができるという表示で市販されている。また、例えば、「ボディデトックス」や「体にいい体重管理」のために果実と植物性の抽出物入りの「ヘルシーでナチュラルな」減量製品というような表示で消費者に誤解も招いた。これは製品に強い効き目の成分が検出されたHSA検査とは違う。
3. シブトラミンは心発作や脳卒中のリスク増加のため、2010年以降禁止されている。以前はシンガポールでは処方による減量薬としてのみ入手できた。シブトラミンが混入された製品を服用した消費者から報告された他の重篤な有害影響には、不眠、幻覚及び幻聴が含まれる。昨年、ある消費者はシブトラミンが混入した「BB Body」を摂取後、極度の頻脈と意識不明を経験した。彼女は蘇生が必要となり、最終的に除細動器(心機能の補助機材)を移植した。
4. センノシドは便秘の改善のために使用される下剤である。その使用に関連する有害影響は痙攣、下痢、及び不可欠なミネラルの欠損である。長期的な使用は慢性便秘、体液及び電解質異常、膨満及び腹痛を引き起こす可能性がある。
消費者への助言
5. 以下、消費者へ助言する:
・「Queenz Mango Xsliim」の服用を即座に中止し、気分がよくないあるいは健康に懸念がある場合、医師に相談すること。
・運動あるいは食事制限の必要なしに短期間での減量を誇張して表示するあるいは予想外の即効性を謳う製品には慎重になること。それらは重篤な健康被害の可能性がある効き目の強い成分を含むことがある。たいてい証拠が確認できないので、オンライン製品のレビューを信用しないこと。
・減量する短期間かつ容易な方法はない。体重管理はバランスの良い食事と適度な運動の組み合わせにより達成されるべきものである。体重管理の手助けが必要ならば、医師、食事療法士あるいは医療従事者に相談すること。
販売業者と卸売業者への助言
6. すべての販売業者や卸売業者は「Queenz Mango Xsliim」を即座に販売を中止しなければならない。HSAは禁止物質あるいは効き目の強い成分が混入した製品を販売業者及び供給業者に対し、厳しい法執行を躊躇しない。販売業者や供給業者は起訴され、有罪となれば最長2年の懲役及び/または最高10,000ドルの罰金になる可能性がある。
7. この違法製品の販売及び供給に関する情報をもつ市民はHSAの法執行部門に連絡することができる。開庁時(月曜から金曜日)に電話: 6866-3485 あるいはemail: hsa_is@hsa.gov.sg。
pdf版のダウンロード:
[FSAI] 安全に搾乳や乳幼児用調製粉乳を使用する
Using Expressed Breast Milk or Infant Formula Safely
11/12/2020
https://www.fsai.ie/faq/bottle_feeding_safely.html
搾乳や乳幼児用調製粉乳について一部情報更新。
[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新
Coronavirus (COVID-19) Update: December 14, 2020
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-december-14-2020
(一部)
・FDAはコロナウイルス疾患に関連した未認可の不正詐欺製品のためIndigenous Products、 Heavenly Natural Products及びHealth & Wellness Center International One, L.L.C. dba Hotze Vitaminsの3企業及びiThrive.Healthに警告文書を発する。
(youtubeにアップされた動画の時間を指定して虚偽の主張を抜き出している。iThrive.Healthはアマゾンのアソシエイトプログラムに参加した上でビタミンサプリメントなどの製品をコロナ対策に有効といったブログ記事を書いたことが違法。これはそのへんの小遣い稼ぎアフィリエーターがよくやっていること。)
[BfR]コロナウイルスパンデミック:警戒してクリスマスシーズン突入
Coronavirus pandemic: Entering the Christmas season with caution
14.12.2020
BfRコロナモニター
BfR Corona-Monitor 8–9 December 2020
https://www.bfr.bund.de/cm/349/201208-bfr-corona-monitor-en.pdf
感染者増加にともなって文化施設やレストランの閉鎖への支持が増えた
買いだめが増えた(これはロックダウンが話題になっているから)
[FAO]果物と野菜にとって最良のことは?多様性!
The best thing about fruits and vegetables? Their diversity!
15/12/2020
http://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1364251/
あまりよく知られていないけれど驚くべき栄養のある果物と野菜5つ
パンノキ
ウチワサボテンの実
モリンガ
カルドン
アマランス
(多様性の中には毒も含まれることを忘れないで欲しい。この手の記事でグルテンフリーだの心血管系疾患治療だの書いちゃうのは世界共通で、ダメなところだと思う)
[COT]2020年12月1日の会合の議題とペーパー
COT Meeting: 1st December 2020
https://cot.food.gov.uk/COTMeeting1stDecember2020
ペーパー掲載
ダイオキシン、マイクロプラスチック、PFAS、妊娠前や妊娠中、授乳中のヨウ素過剰等について
(この中でEFSAの設定したガイドライン値を超えているのはダイオキシンとPFAS(時に100倍を超える)だけれど実際に健康被害が出そうなのが妊婦の昆布摂取だったりするのが規制だけ厳しくすることの限界。マイクロプラスチックはデータ不足だけれど吸着された化学物質がどうこうするという説は最もありそうにない。小さければ小さいほど体内に入る可能性が上がるが同時に運べる量が減るから。)
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 145-20
15 December 2020
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/145-20.aspx
新規申請と提案
・カフェインレビュー
(後で意見募集)
認可とフォーラム通知
・新規食品としての菜種プロテイン
・非アルコール飲料の保存料としての天然糖脂質
・肉類似品の大豆レグヘモグロビン
・アレルゲンのやさしい英語表示
・純および黄土濃縮カフェイン製品
[FTC]詐欺師がパンデミックの恐怖を利用しているので、FTCと法の執行協力機関が全国で詐欺的収入計画を取り締まる
As Scammers Leverage Pandemic Fears, FTC and Law Enforcement Partners Crack Down on Deceptive Income Schemes Nationwide
December 14, 2020
新しい事例やFTCのデータは高額な収入が得られるという偽りの約束をする詐欺の幅広さを強調
“幻の収入作戦Operation Income Illusion”とよぶ取り締まり
FTCの苦情データを解析したところ、2016年以降消費者はこの手の詐欺で6億1000万ドル以上を失っているが、2020年の最初の9ヶ月だけで1億5000万ドル以上を失っている。詐欺師たちはパンデミックによる失業や不安を餌食にしている。
(各種リソース多数)
論文
-食品中化学物質安全性評価のためのリードアクロスを支援するのにToxCastデータの可能性を探る
Exploring the Potential of ToxCast Data in Supporting Read-Across for Evaluation of Food Chemical Safety
James W. Firmane et al,
Chem. Res. Toxicol. 2020, XXXX, XXX Publication Date:November 30, 2020
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.chemrestox.0c00240
ToxCastや Tox21のようなハイスループットスクリーニング(HTS)データを、食品関連化合物の毒性学的リードアクロスに使えるかどうかを検討した。
この論文は計算機毒性学Computational Toxicology特集号の一部
(現時点ではとても使えない感じだがAOPs (Adverse Outcome Pathways) の中で理解されれば拡張できそう。しかしAOP自体がまだそんなに確立されているわけではないという・・)
-COVID-19と食品:課題と研究の必要性
COVID-19 and Food: Challenges and Research Needs
Dietrich Knorr and Chor-San H. Khoo
Front. Nutr., 03 December 2020
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2020.598913/full
COVID-19パンデミックで直面した食品と栄養関連の課題についてのミニレビュー
食品と飲料の安全性:ウイルスの生存可能性
サプライチェーン、貿易、配送の攪乱
食糧と水の安全保障
消費者の食行動
食事と栄養
食品サーベイランスとテクノロジー
出口戦略
-食品安全と栄養における動物を使わない戦略:我々は何を待っているのか?パートI:食品安全
Animal-free strategies in food safety & nutrition: What are we waiting for? Part I: Food safety
Aliede Boer et al.,
Trends in Food Science & Technology Volume 106, December 2020, Pages 469-484
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0924224420306579?via%3Dihub
特に欧州食品安全規制の動物実験削減と一貫性がない部分を指摘
その他
-Scienceニュース
北朝鮮は結核薬をもうすぐ使い果たす、専門家が警告
North Korea is about to exhaust its tuberculosis drug supply, experts warn
By Richard Stone Dec. 14, 2020
北朝鮮からはCOVID-19は一例も報告されていない-驚くべき成功だ、もし本当なら、北朝鮮は外の世界との関連を断ち切った。しかし孤立は他の分野に深刻な負担をもたらし、人道支援団体は食糧安全保障の毀損、医薬品枯渇による結核の蔓延を警告している。
コロナウイルスパンデミック以前から北朝鮮はサハラ以南のアフリカ以外では最も結核の多い国の一つだった。2015年と2016年の政府の調査では10万人あたり640人とされ韓国の数倍だった。2月に中国からCOVID-19が拡散し始めたとき、北朝鮮は国境を封鎖し誰一人出入国を許さず荷物も大幅に制限した。それにより国際団体による北朝鮮内での計画維持が困難になった。
(いろいろ略)
北朝鮮政府からの公式発表はない
-アイルランド国立中毒情報センター年次報告書2019
The National Poisons Information Centre of Ireland (NPIC)
Annual Report 2019
https://www.poisons.ie/docs/2019-Annual-Report.pdf
問い合わせは11835件で2018年から10.5%増加
多くが家庭での中毒事故
(2019から2020がどう変わるのか要注視)
-グリホサート:理解すべき化合物
Glyphosate: A Chemical to Understand
November 21, 2020
https://invasives.org.au/publications/glyphosate-a-chemical-to-understand/
グリホサートの使用については議論がある。しかしオーストラリアでは作物に使われる主要除草剤で、固有の生態系に侵入してくる雑草に使われる主要除草剤である
オーストラリア侵入生物種評議会による報告
-SMC UK
イングランドにおけるCOVID-19有病率についてのREACT-1試験第7ラウンドの最終結果を伝えるプレプリントへの専門家の反応
expert reaction to preprint giving the final results from round 7 of the REACT-1 study on COVID-19 prevalence across England
DECEMBER 15, 2020
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
Imperial Collegeと他の大学とIpsos MORIによるREACT-1感染調査の最新結果はこの種のデータの強みと限界を明確に示す。イングランドにはこれとONS Infection Surveyの二つの代表性のある人々の定期的調査があり、このようなことをしている国を他に知らない。このような調査がなければ我々はまだ理由があって検査したヒトの陽性数しかわからなかっただろう。確認された患者数とREACT-1とONS調査のパターンは広い意味で一致している。
(以下略。データはとっている。モデラーが多数の推定を行って論文もたくさん出ている。でも感染制御には役に立っていなさそうで死亡者は多い。公衆衛生の学問ってそれでいいの?)
-SMC NZ
研究者らが慢性疲労症候群は身体疾患であることを証明したと主張する-専門家の反応
Researchers claim proof chronic fatigue syndrome is a bodily disease – Expert Reaction
15 December 2020
研究者らが慢性疲労症候群(CSF)は心身症ではないことを「明確に証明した」と主張する。彼らの研究の一つは患者にミトコンドリア機能不全を発見した、もう一つは患者に類似のエピジェネティックを発見したという。SMCはこの研究に専門家のコメントを求めた。
オークランド大学生物科学部Tony Hickey准教授
この研究はCFS患者に安堵を提供し具体的な説明になる可能性がある。末梢血単核球のミトコンドリアが他の細胞のミトコンドリアと同じかどうか等明確にすべきことはまだあるが診断ツールの可能性が示された。
ウェリントンビクトリア大学心理学上級講師Carolyn Wilshire博士
ME/CFSは人生の全ての分野の機能に影響する慢性疾患だが原因不明で治療法はない。なのでこの新しい研究には興奮した。病気のメカニズムを解明し治療に役立つ新たな研究分野を示唆する。
Massey大学スポーツ運動栄養学上級講師Lynette Hodges博士
この研究をスケールアップする必要がある
Howick健康医療センター一般開業医Rosamund Vallings医師
これは極めて重要な研究だ。さらなる研究が必要だが患者は安堵している
オタゴ大学理学療法学部ポスドクHemakumar Devan博士
この結果はミトコンドリア機能不全がME/CFSのメカニズムの可能性があるという最初の根拠を提供する。著者が結論しているように確認が必要だ
(もとの研究はオタゴ大学。ニュージーランド以外ではほぼ報道されていない)
-チヘーリスのレストランのInslee知事によるCOVID-19制限への反抗に支持が高まる
Support grows for Chehalis restaurant defying Inslee's COVID-19 restrictions
December 4, 2020
ワシントン州による屋内での食事禁止命令に逆らって店を開けたレストランに支持者が殺到し、50年間店をやってきて最も忙しい週を過ごしている
州は制限に従わない事業者を脅しているが議員には「選択的」規制に疑問を提示する人もいる
-SKEPTICAL INQUIRER 提供のTIMOTHY CAULFIELDのナンセンスとの戦い、12月17日
TIMOTHY CAULFIELD FIGHTS THE BATTLE AGAINST BUNK ON SKEPTICAL INQUIRER PRESENTS, DEC. 17
December 7, 2020
TIMOTHY CAULFIELDは著書「Is Gwyneth Paltrow Wrong about Everything?」やNetflixのドキュメンタリーシリーズ「A User’s Guide to Cheating Death」のホストとして有害なデマや陰謀論と戦っている
このプレゼンではデマとの戦いについての科学を検討する。「我々は根拠に基づいたコミュニケーションの戦略でインフォデミックに対抗しなければならない。」バックファイアー効果への懸念はあるがそれでもデマの否定に効果はある、上手にやれば。
無料だが事前登録必要
-パンデミック中にマスク拒否したオレゴンの医師の免許を取り消し
Oregon doctor's license revoked over refusal to wear mask during pandemic
Dec. 5, 2020, By Alicia Victoria Lozano
Steven LaTulippe医師がDonald Trump大統領支持集会やYouTubeの動画でCovid-19はただの風邪と主張、自身の病院で職員や患者にマスクをしないよう薦めるなどしていてオレゴン医事当局が緊急医師免許停止
-オレゴン医事当局は反ワクチン小児科医Paul Thomasの医師免許を停止
The Oregon Medical Board suspends the medical license of antivax pediatrician Dr. Paul Thomas
David Gorski on December 7, 2020
https://sciencebasedmedicine.org/oregon-medical-board-suspends-license-dr-paul-thomas/
(日本でインチキ医療行為が理由の医師免許停止って聞いたことない。反ワクチン医師がマスコミの人気者だったことはある-たぬき先生とか)