[ASA]ASA裁定
ASA Ruling on L(A)B Life and Beauty
16 December 2020
https://www.asa.org.uk/rulings/l-a-b-life-and-beauty-a20-1074837-l-a-b-life-and-beauty.html
運動も食事療法もなく痩せられるという"クライオリポリシスCryolipolysis (凍結脂肪分解)ベルト"の宣伝について、苦情が寄せられた。会社はASAからの照会に回答しなかった。回答しないこと、根拠がないことが基準違反
(フリーザーつきベルトをお腹に巻いて60分間-6℃に冷やすという製品なのだが凍傷になりそう)
[APVMA]動物用医薬品規制ニュースレター
Veterinary Medicines Regulatory Newsletter, December 2020
15 December 2020
https://apvma.gov.au/node/77296
第3号
[FSIS]請願
Petitions
https://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/topics/regulations/petitions
2019年8月29日にCSPIから提出された、セロリパウダーなどの硝酸源を使った製品に「硝酸塩あるいは亜硝酸塩無し」などの表示を禁止するよう求めた件への最終回答
FSIS Final Response to Petition (Dec 10, 2020)
請願とその請願に関する17のパブリックコメントを慎重に検討した結果、要求を一部承認する。FSISは硝酸あるいは亜硝酸源としてどんなものでも使って加工した場合には「硝酸塩あるいは亜硝酸塩無し」「無塩せきUncured」と表示するのを禁止する規則を作る提案をする。また塩せき剤として合成ではない硝酸や亜硝酸源を認可する意向である。しかし請願された肉や家禽製品に硝酸や亜硝酸の使用を表示するより、“塩せきCured” と “無塩せきUncured”の新たな定義を確立して表示規制を改定し明確化するつもりである。
[EU]ユーロバロメーター
我々の食品を将来に適したものにする-市民の期待
Special Eurobarometer 505
Making our food fit for the future – Citizens' expectations
調査期間は2020年8-9月 2020年12月発表
欧州緑の条約の中核となる農場から食卓まで戦略ではEUに公正で健康的で環境に優しいフードシステムを開発することを目的とする。三つの主要項目があり、それはフードチェーンの環境影響をニュートラルあるいはポジティブにする、食糧安全保障と栄養と公衆衛生確保、そしてサプライチェーンに公正なリターンをしつつ食品の入手可能性を維持する、である。その中には持続可能な生産加工、食糧安全保障確保、持続可能な消費推進、食品廃棄削減、食品偽装対策などが含まれる。そのため全てのレベルでの公的機関と民間部門、NGO、市民の集合的アプローチが必要になる。全ての人がフードシステムの変換に参加することを要請する。
現在のシステムについての人々の知識と変化への意欲を計るためにこの特別ユーロバロメーター調査が行われた。
時期的に面接調査ができなかったのでオンラインで代用した
主な知見
・欧州人は食品を購入するときに持続可能性よりは味、食品安全、コストを優先する
・持続可能な食品や食生活は主に栄養と健康に関連する
(栄養があって健康的な食品のことを持続可能と考える)
・欧州人の大部分は自分がいつも健康で持続可能な食生活をしていると言う、ただし反応は国によって違う
・フードシステムの持続可能性にとって重要なのは公衆衛生当局より生産者や製造業者だとみなしていて、必ずしも消費者としての自分自身の役割を認識していない
・ほぼ全ての欧州人は持続可能な食品やその情報の表示を要求する
・市民の食品偽装への懸念を反映して明確な情報が求められている
(国ごとのファクトシートがあって、ドイツよりフランスの方が味が大事と考えている、とかドイツ人は倫理とか動物福祉を重視する、とかが面白い。イタリアは味より安全性重視。偽装とか事件が多かったからだろうか。こういうのに英国が入っていないのは残念)
[RIVM]報告書等
-REACH認可要求の解析:6価クロム代用物の一覧表
Analysis of REACH authorisation requests: inventory of alternatives for chromium-6
15-12-2020
6価クロムの使用は認可がなければ禁止されている。この目的は長期的には6価クロムの代用品をみつけることである。オランダは企業が6価クロムの代用品を見つけるための十分な努力をしているかどうか調べた。6価クロム使用を認可されるためには、申請者は代用品がないことを相当な研究で証明しなければならない。認可請求の解析からは6価クロム代用品に関する開発の完全な状況はわからない。しばしば古い、あるいは秘密扱いだった。RIVMは企業に現在進行中の研究についてより多くの情報を共有して欲しい。
-COVID-19第一波の通常医療と健康への影響。問題の広がりの評価と最初の健康影響推定
Impact of the first wave of COVID-19 on regular healthcare and health. Assessment of the extent of the problem and first estimation of the health effects
15-12-2020
2020年春にCOVID-19パンデミックは医療に大きな影響を与えた。COVID以外の患者の予約や治療や手術がキャンセルまたは延期された。また患者が医療従事者との接触を恐れて避けた。一部はリモートケアで補った。夏に多くの医療が回復したが未処理分を完全にこなすことはできなかった。デイケアやグループ療法部門は以前と同じケアを提供できなくなった。この研究では病院で治療を提供している12の最もよくある専門分野の48の医療行為について評価した。平均で23%の進捗障害がありそれによって「失われた健康年」は34000から50000と推定された。比較的大部分が白内障や膝や大腿骨の手術のような眼科や整形外科分野による。がんの推定は含まれていないが、最初のステップとして悪性黒色腫について1600-2800と推定した。
研究対象は医療の28%に相当するので総損失は上述の数字より大きいが3-4倍までにはならないだろう。一部は今後数年の治療が多くなれば失われないだろう。
-COVID-19の入院とICU入院が大幅増加
Major increase in hospital admissions and ICU admissions due to COVID-19
12/15/2020
https://www.rivm.nl/en/news/Major-increase-in-hospital-admissions-and-ICU-admissions-due-to-COVID-19
(政府の制限強化に効果がないように見える
9月29日制限→10月14日さらに制限→11月4日制限強化→12月1日COVID-19法発効→12月8日一部地域制限強化→12月15日より厳しいロックダウン)
[IARC]最新世界がんデータ:2020年のがん負担は新たな患者1930万人、がんによる死亡1000万人に増加
Latest global cancer data: Cancer burden rises to 19.3 million new cases and 10.0 million cancer deaths in 2020
15 December 2020
GLOBOCAN 2020データベース公表
プレスリリース
https://www.iarc.fr/wp-content/uploads/2020/12/pr292_E.pdf
世界中で最も多いがんは女性の乳がん、次いで肺がん、直腸結腸がん、前立腺がん、胃がん。
がんによる死亡の原因で最も多いのは肺がん、次いで直腸結腸がん、肝がん、胃がん、女性の乳がん
2040年にはがんは2840万人と47%増加すると予想。主な原因は高齢化。
Q&A
https://www.iarc.fr/faq/latest-global-cancer-data-2020-qa/
(WHOのCOVID-19状況報告と並べてみる
Weekly epidemiological update - 15 December 2020
https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update---15-december-2020
これまでの患者数はパンデミック開始から総数700万、死亡は160万に増加
過去一週間の新しい患者のうち85%と死者の86%がアメリカと欧州。)
論文
-英国の「警告すべき高い」ビタミンD欠乏
'Alarmingly high' vitamin D deficiency in the United Kingdom
14-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/uosa-hv121420.php
英国に住むアジア人の50%以上がビタミンD欠乏である。Clinical Nutritionに発表された英国バイオバンク参加者440581人のデータを解析した研究。多くの高緯度西洋諸国と違って英国ではマーガリンに少量以外に主要食品にビタミンD添加していない
-プラスチックはヒト健康に脅威
Plastics pose threat to human health
15-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/tes-ppt121520.php
権威のある(authoritative)報告書が、プラスチック、マイクロプラスチックは危険な内分泌攪乱物質の蔓延する暴露源となることを示す
内分泌学会とIPEN (国際汚染物質廃絶ネットワークInternational Pollutants Elimination Network)がプラスチックに使用されている添加物のヒト健康影響についての豊富な根拠を記述した報告書を発表した
共著者のカロリンスカ研究所のPauliina Damdimopoulou博士は「妊娠女性が内分泌攪乱物質に暴露されると子どもや孫の健康に影響する。動物実験でEDCは何世代にも渡って影響するDNAの修飾を引き起こすことが示されている」
(説得力や実証ではなく「権威」を持ち出すあたり、学問ではなく運動なんだな。IPENはもともとハザードベースで有害認定したものをこの世からなくす運動だけど。内分泌攪乱物質で人類が滅ぶ説により注目されたあの時代を再び望む感じなのかな)
-小規模テキサス農家の食品安全実践にギャップを発見
Discovering gaps in food safety practices of small Texas farms
15-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/uoh-dgi121520.php
Journal of Food Protectionに発表された70の小規模農家の食品安全手順への知識を評価。特に小規模な農家は連邦食品安全ガイドラインに従う義務がなく、食品安全に関するトレーニングを受けたことがない。
(これは大体どこでもそう)
-アカデミーが農業景観における生物多様性保護のために迅速な対応を求める
Academies call for prompt action to protect biodiversity in the agricultural landscape
15-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/l-acf121520.php
ドイツ科学アカデミーが8つの分野の行動を助言する
ドイツでは近年、自然が保護されていても農業景観の生物多様性が減少していて広範な対応が必要である。
(農地の一部は農業をやめるべき、社会的認識を変えるべき、等、過激なことを言っている。農地に他の動植物や虫を増やすなんて安全上も問題あるのに。自然保護だけでは不十分で農地を彼ら(って誰?)の望むようなものにせよ、という。食糧は輸入して欧州の農業は観光業を目指す?)
その他
-Natureニュース
2020ベストサイエンスイメージ
The best science images of 2020
https://www.nature.com/immersive/d41586-020-03436-5/index.html
他年末恒例特集
-Sense about science
2020年Maddox賞
Maddox Prize 2020
https://senseaboutscience.org/activities/maddox-prize-2020/
Anthony Fauci とSalim S. Abdool Karim。
アメリカと南アフリカの政府の健康助言者。
Covid-19パンデミック中に、他の科学者が逃げたのに人々の質問に根気強く答え続けた
(Fauci博士は辛抱強かった。あの大統領のもとで投げ出さない、ってすごいことだ。)