[MPI] 更新された食品安全ガイドは妊娠女性により確実により広範な食品の選択を提供する
Updated food safety guidance gives pregnant women more certainty and choice on a wider range of foods
02 Dec 2020
ニュージーランド食品安全局の最新の研究は、妊娠女性が安全に食べることができるものについて、食品由来の疾病をさけるための更新情報と、より多くの選択肢と確実さを提供する。
ニュージーランド食品安全局のオペレーション・リサーチ責任者のDr Claire McDonaldは、次のように述べた。「MPIは妊娠中の女性が様々な食事を楽しみ、健康を維持できるように、最新の食品安全情報を知ってもらいたく、これまで考慮されなかった新たな食品について調査した。」「このガイダンスはニュージーランドの食生活の多様性増加を反映する。この最新情報はより幅広い選択肢を提供するだけでなく、すべての危険性のある食品が捉えられることも保証し、食品由来の疾病の可能性を減らすための簡単な手順も提供する。」「妊娠していない女性よりもより深刻な影響を与える可能性があるリステリア症やトキソプラズマ症のような危険な感染症を避けるために、何が安全であるかを妊娠女性が知ることが重要である。」
Dr McDonaldは女性のための重要な情報には以下が含まれると述べた:
・食べる前にスプラウト(アルファルファあるいは緑豆)は十分に調理する。
・食べる前に乾燥ハーブ類は十分調理する。
・低温殺菌されていない果汁やノンアルコールサイダーを避ける。
・調理されてない場合、ブリ、カマンベール、ブルーチーズ、リコッタ、モッツアレラ及びフェタチーズのような低酸性、柔らかい、低温殺菌のチーズを避ける。
・いくつかの低温殺菌乳製品についてのガイダンスを更新(製造業者の表示推奨と「賞味期限」の日付を守ること等)
・調理したての魚、イガイ、カキ、ザリガニ類、ホタテなどは、高温になるまで十分加熱し、温かいうちに食べること。
・丸ごとのメロンは切る前に洗い乾かさなければならない。
・冷凍ベリー類は食べる前に十分調理しなければならない。
・ミカゴカマス、オレオドーリー、オレンジ・ラッフィー、リング及びスムーズオレオフィッシュ類(これまでの助言では水銀摂取を最小限にするために一週間あたりの食べる量を制限した)の一週間あたりの食べる量の制限はない。
「MPIは数年前より確実に食品安全に関して知識を増やしており、また、人々が自分で教養を深めること、食品を洗うことや特定の食品は適切に調理することなど簡単な手順を踏むことが重要である。」とDr McDonaldは述べた。
-食品と妊娠に関する詳細情報
https://www.mpi.govt.nz/food-safety-home/food-pregnancy/
Food safety in pregnancy
https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/3675-Food-Safety-in-Pregnancy
このパンフレットが包括的で詳しい
-ニュージーランド食品安全の妊娠中の女性向けの最新食品安全ガイダンス-YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KdpYLBGcG78
[香港] CFSは食べられないあるいは毒のあるきのこの種類が混ざっている疑いのあるものは食べないよう市民に注意を呼び掛ける
CFS urges public to stop consuming boletes suspected to contain mixture of species including inedible or poisonous mushrooms
Thursday, December 3, 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20201203_8322.html
香港食品安全センター(CFS)及び食物環境衛生署は、本日(12月3日)食べられないあるいは毒のあるきのこの種類が混ざっている疑いのある製品といったある種の包装ヤマドリタケを食べないよう市民に注意を呼び掛けた。
(中略)
消費者が新鮮なきのこを購入して食べる場合、以下の点に気を付けるよう助言する :
*よくわからない種類が混ざっている可能性のあるきのこ製品を購入しないこと;
*衛生的でないと思われる(製品に菌床、基質が残っている)あるいは腐っている兆候がみられる(有色点/異臭/粘液等)きのこは購入しないこと;
*食べる前によく洗い、十分調理すること;
*もし、きのこ中毒が疑われる場合はすぐに医師の治療をうけること。
[NICE]COVID-19迅速ガイドライン:ビタミンD
COVID-19 rapid guideline: vitamin D
17 December 2020
https://www.nice.org.uk/guidance/NG187
このガイドラインはCOVID-19の文脈でのビタミンDの使用についてカバーする。病院あるいは地域の成人、若い人、子ども向け。ビタミンDは骨と筋肉の健康にとって重要で、呼吸器系ウイルスへの人体の免疫反応にも役割がある可能性がある。
助言
・人々に英国政府のビタミンD摂取助言に従うよう促す
・COVID-19予防目的だけでビタミンDサプリメントは提供しない
・臨床試験の場合を除きCOVID-19治療目的だけでビタミンDサプリメントは提供しない
[HK]ニュースレター
Food Safety Focus
December 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html
掲載項目
- 低温殺菌されていない牛乳から製造されたチーズの志賀毒素産生性大腸菌
- エアフライヤーは油で揚げるより「悪でない」?
- COVID-19感染予防について冷凍食品取扱業者への健康助言
- パンの塩分を削減-順調かつ着実
[TGA] 低用量カンナビジオールの店頭入手
Over-the-counter access to low dose cannabidiol
15 November 2020
https://www.tga.gov.au/media-release/over-counter-access-low-dose-cannabidiol
TGAは低用量カンナビジオール(CBD)を処方薬から薬剤師による店頭販売医薬品に変更する最終決定を発表した。
最終決定では暫定決定で提案されていた最大一日用量60 mg/dayを150 mg/dayに引き上げた
[SFA] 食品輸出業者向けCovid-19関連の追加情報
Additional Information Related to Covid-19 for Exporters
15 December 2020
COVID-19禍において中国への冷凍食品輸出はコロナウイルスの核酸検査を受けなければならない。陽性であれば輸入税関で拒否される可能性がある。
[FDA]警告文書
- Desert Alchemist LLC
December 04, 2020
未承認の医薬品、不正製品の問題。
- Desert Premium Group, LLC
December 02, 2020
酸性化食品基準、CGMP、不純品の問題。
- Smoky Mountain Naturals, LLC
December 02, 2020
未承認の医薬品、不正製品の問題。プリムローズオイル、サプリメント製品を含む。
- JC Ayur Life LLC
October 29, 2020
ダイエタリーサプリメント、未承認の医薬品、不正製品の問題。ハーブ、アーユルベーダ製品を含む。
-Phoenix Biotechnology, Inc.
December 15, 2020
最終製剤、未承認の医薬品の問題。ホメオパシー製品、ハーブ製品を含む。
[USDA]FSISは公衆衛生を守る成果を強調
FSIS Highlights Accomplishments in Protecting Public Health
December 16, 2020
FSISは本日2020会計年度の重要な成果を発表し、組織を現代化し食中毒を予防し公衆衛生を守る目標を満たすことへの前進を強調した。
FSISは現在約9000人の従業員で約8000の連邦規制対象施設や検査室、商業施設などで働いている。COVID-19の期間も適切な支援で業務を継続し査察官がいないために閉鎖された施設はなかった。2020会計年度は家畜1億6600万頭家禽96億8000万羽以上を検査した。さらに25億ポンドの液状、冷凍、乾燥卵製品を検査した。査察計画では6500の施設の730万件の食品安全と食品防御方法の査察を行った
(一部のみ)
論文
-あらゆるところで肉を食べないことが気候危機を解決することにならないだろう
A no-meat diet everywhere will not solve the climate crisis
16-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/icft-and121620.php
家畜は世界的に環境に有害だと批判されているが、肉を全く食べないことは気候危機の一律的解決法ではないし低から中所得国での家畜の役割を無視している
Environmental Research Lettersに発表された国際熱帯農業センターの科学者等の研究
(そんな当然のことでも主張しないと欧米だけが世界だと思っている人たちから無視されるから)
-エネルギーバランスを測定する:重い問題
Measuring energy balance: a weighty issue
BMJ 2020;371:m4673
https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4673
BMJクリスマス特集のエディトリアル
家でやらないように
エネルギー要求とそれに影響する要因を理解するのは栄養研究の重要な目標である。しかしながらこれらを測定することは難しいことで悪名高い。何十年もの間、我々は人々の自己申告による食品摂取に頼ってきたが、これには忘れるあるいは偽りすらするという問題がある。私は最近そのような測定の仕方は役に立たないどころか有害であると結論した大規模共同研究に参加した。幸いエネルギー需要を測定する代用法はある-二重標識水法である。しかし正確ではあるが高価である。これまでこの方法が使われたのは世界中で約2万人ほどしかいない。
もっと簡単な方法はないか?エネルギーバランスがポジティブなら(供給が需要より多い時)、体重は増える。ネガティブなら減る。理論的にはやるべきことは誰かにエネルギー量の異なる食事を与え体重の変化を記録するだけでいい。通常はこれはディナーへの招待や職場のパーティー、ランチブッフェで不可能になるが、今回オーストラリアのRoger Lewis医師がロックダウン中にそのような実験をした。
1日5000 kJから始めて最終的に12 500 kJまで段階的に摂取量を増やしl15日間続けて平衡摂取量を一日10 286 kJ (SD 201)と推定した。信頼限界はプラスマイナス4%である。悪くない。
この逸話的経験は、エネルギーバランスへの理解を向上させるためのしっかりした研究をデザインして実行することがどれだけ難しいかを示す。まず最初に、体重はエネルギーの他に水バランスで変動し、寝ている間や運動時には食べないからではなく飲まないため体重が減る。体重変化に水バランスが干渉しそれは食事とも関連する。
二つ目は我々がエネルギー不足になったとき、脂肪だけではなくグリコーゲンやタンパク質からエネルギーを供給する。不運なことに1gの脂肪は1gのグリコーゲンやタンパク質よりエネルギーが多いので、特にグリコーゲン1gは約3gの水と一緒に貯蔵されているので、エネルギー収支がマイナスでも脂肪をつかって筋肉を作ると体重が増えることはある。
三つ目は固形廃棄物の問題である。Rogerは便を測っていない。推定食品摂取量は吸収量ではない。食品の構成や個人により総エネルギー摂取は異なる。従ってRoger のエネルギー支出は10 286 kJから彼の糞尿中の固形物のエネルギーを引いたものになる。その違いがどのくらいなのかはわからない。
最後に、エネルギー需要が一定であるという暗黙の推定が行われているが実際にはそうではない。エネルギーバランスが負だと我々は需要を減らしポジティブだと増やす。バランスの悪さがひどいと影響が長く残る。これがRoger の体重が比較的一定だった理由かもしれない。
そしてこの実験の最後に、私は何故同位体法が使われるのかを理解した。それは費用がかかるが、たった二週間で、こうした全ての問題に煩わされることなく答えを出す。
-ロックダウン中に自分のエネルギー摂取平衡を推定する:極めて内向きな研究
Estimating my equilibrium energy intake during lockdown: very introspective study
Roger Lewis
BMJ 2020;371:m4561
https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4561
BMJクリスマス特集
自分の体重を一定にするための日々のエネルギー摂取を推定した。約10 000 kJが平衡だった。(週二回5kg走っている、カロリー削減を細かく行って一日何回も測定している、その結論が「体重はばらつく」)
-クリスマスのベネフィットはその害を上回るか?
Do the benefits of Christmas outweigh its harms?
16-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/b-dtb121620.php
BMJクリスマス特集
クリスマスにはカード、ツリーのデコレーション、プレゼント、食べ過ぎ・飲み過ぎなど予防可能な害がある。2002年にはクリスマスは費用効率が良くないと研究者が結論している。しかし害の報告は逸話によるもので広範な有害影響があるという強い根拠は無い。「そこで我々はクリスマスのベネフィットが害を上回るかどうかについてはあなたに決定を任せたい」と著者等は言う。「安全で穏やかで楽しいクリスマスを!」
-パンデミックの恐怖が火器購入を駆動している
Pandemic fears driving firearm purchases
16-DEC-2020
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/ru-pfd121620.php
Journal of Psychiatric Researchに発表された米国の研究。今後1年以内に火器を購入しようとするヒトは不確実性への耐性が低く脅威への予想が誇大でCOVID-19への恐怖心が高い。2020年の火器購入増加は直ちに自殺増加につながるわけではないがリスクは高まっている。
その他
-Natureニュース
COVID科学の激流が研究論文発表をどう変えたか-7つのチャート
How a torrent of COVID science changed research publishing — in seven charts
16 DECEMBER 2020
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03564-y
Natureが集めて解析したデータが2020の科学をCOVID-19パンデミックがどう変えたかを示す。
2020年は世界の研究発表の約4%がコロナウイルスだった。しかし同時に2020年の論文発表数は全分野で増加し、おそらくそれは多くの研究者が科学を実行できなくて論文を書いていたからだろう。Elsevierへの投稿は2月と3月は2019年に比べて58%増加、健康医学分野だと92%増加した。
またプレプリントが急増した
他レビュー迅速化、中国急増、女性研究者の不利(おそらく家事と子育ての負担)、取り下げスキャンダル
-Natureエディトリアル
EUは英国の離脱を導いた反専門家物語から学ばなければならない
The EU must learn from the anti-expert narrative that drove Brexit
16 DECEMBER 2020
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03540-6
英国のEU離脱国民投票の成功を裏打ちする感情は英国に限ったものでは無い
EUの政策決定者は英国が例外で英国が離脱しても残り27カ国には影響がないと主張する。しかしEU離脱をもたらした力は英国以外にもあてはまる。