2020-12-18

[EFSA]意見等

-BASF SE社による家禽種、観賞用鳥、離乳子豚用のAspergillus niger CBS 109.713株で生産したエンド‐1,4‐β‐キシラナーゼ 及びAspergillus niger DSM 18404株で生産したエンド‐1,4‐β‐グルカナーゼの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of endo‐1,4‐β‐xylanase produced by Aspergillus nigerCBS 109.713 and endo‐1,4‐β‐glucanase produced by Aspergillus nigerDSM 18404 for poultry species, ornamental birds and weaned piglets, from BASF SE

EFSA Journal 2020;18(12):6331 15 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6331

 

-全ての動物種用メチオニンのヒドロキシ類似体の亜鉛キレートの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of zinc chelate of hydroxy analogue of methionine for all animal species

EFSA Journal 2020;18(12):6337 15 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6337

 

-メトキシフェノジドに懸念される特定の既存MRLsの焦点を絞った評価

Focussed assessment of certain existing MRLs of concern for methoxyfenozide

EFSA Journal 2020;18(12):6330 15 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6330

EC規則No 396/2005条項43に従って、EFSAは、2018年12月13日に加盟国(MSs)が合意した新しい毒性学的参照値に基づき、消費者摂取の懸念につながる可能性のあるメトキシフェノジドの既存最大残留基準(MRLs)に関する理由付き意見を提出するよう欧州委員会から委託された。より詳細な評価を必要とする潜在的な懸念のあるMRLsを同定するために、EFSAは新しい毒性学的参照値を考慮してメトキシフェノジドの既存のMRLsをスクリーニング検査し、8作物で急性リスクは除外できなかった。トマトに代替MRLが提案され、柑橘果実のMRLは皮を剥く加工係数の使用を考慮して確認できた。他の代替優良農業規範(GAPs)は受けとらなかったため、桃、リンゴ、ナシ、ブロッコリーのMRLsを下げることが提案された。

 

-Roal Oy社が豚及び家禽の飼料添加物としてTrichoderma reeseiCBS 122001株で生産した6‐フィターゼの認可更新申請の評価

Assessment of the application for renewal of authorisation of 6‐phytase produced by Trichoderma reeseiCBS 122001 as a feed additive for pigs and poultry, from Roal Oy

EFSA Journal 2020;18(12):6336  15 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6336

 

-既存のMRLのレビューを必要としない農薬有効成分

Pesticide active substances that do not require a review of the existing maximum residue levels under Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2020;18(12):6318  15 December 2020

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6318

EC規則No 396/2005は欧州レベルでの農薬の最大残留基準(MRLs)の設定とレビューを管理する規則を定めている。EC規則No 396/2005条項12(1)に従って、EFSAは指令91/414/EEC付属文書Ⅰの有効成分を含むあるいは含まない日付から12か月以内に、その有効成分の既存のMRLsのレビューに関する理由付き意見を提出する必要がある。その規則の条項12(2)では、EFSAは、2008年9月2日以前に指令91/414/EECの付属文書に含まれるすべての有効成分の既存のMRLsのレビューに関する理由付き意見を2009年9月1日までに提出する必要があると規定している。EC規則No 396/2005の条項12(1) 又は条項 12(2)でレビューされる必要のある有効成分の中で、EFSAは指令91/414/EECあるいはEC規則No 1107/2009でその評価の最終化が保留になっている、及びEC規則No 396/2005条項12に従うEFSAの理由付き意見の提出が保留になっている、リスク管理者がEC規則No 396/2005の付属文書Ⅳに一時的にすでに含んでいる5つの有効成分を含む、もうMRLsのレビューは必要ないと考えられる12の有効成分を特定した。EFSAはこれらの物質のMRLsのレビューが時代遅れになった理由を説明する声明を作成した。関連する質問はこの声明で対処されたとみなされている。

 

[BfR]陶磁器:BfRは鉛とカドミウムの放出を減らすよう薦める

Ceramic crockery: BfR recommends lower release of lead and cadmium

21 September 2020

https://www.bfr.bund.de/cm/349/ceramic-crockery-bfr-recommends-lower-release-of-lead-and-cadmium.pdf

陶磁器―陶器や磁器など―の釉薬と模様には、鉛、カドミウム、コバルトなどの重金属が含まれることがある。これらの物質は陶磁器から放出される可能性がある。このプロセスは「元素放出」として知られている。食品に移行する量は様々な要因による。釉薬の質に加えて、陶磁器の焼かれる温度、模様をつける方法、食品(酸性食品など)、接触持続時間にもよる。鉛とカドミウムの放出限度は欧州指令(陶磁器) (84/500/EEC)に規制されている。現在欧州委員会がこれを見直している。指定されたコバルトの指令では放出限度は規定されていない。

陶磁器製の皿からの鉛、カドミウム、コバルトの放出に関するドイツ食品監視当局の最新データから、食品に大量に移行する可能性があることが示されている。だが、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の見解では、食器など日常使用する製品が消費者の重金属摂取に寄与してはならない。この理由からBfRは、健康上のリスクを予想せず放出できる鉛、カドミウム、コバルトの量をそれぞれ導出した。ここでは、BfRはこれらの量を「許容できる表面関連の放出」と呼んでいる。これらの量を算出するのに、BfRは、毒性学的に基づいた初の放出値を決めるために入手可能な毒性学的研究を使用した。さらに、検出限界に関する最新技術が考慮された。その後、BfRは単位面積あたりの許容放出量と陶磁器指令の既存の制限値を比較した。結果:BfRが新たに導出した許容できる表面関連放出量は、現在有効な制限値の最大70分の1(カドミウムで)あるいは400分の1(鉛で)だった。

BfRが導出した許容できる表面関連放出量は、これらの重金属への消費者暴露の大幅な削減になった。従ってBfRは、陶磁器からの重金属放出のリスク評価には、指令84/500/EECで規定されている限度より大幅に低い許容放出限度を使用するべきだと助言した。BfRは、特に子供の脆弱性を考慮してこれを助言し、子供用の陶磁器の場合は特に、重金属の低放出を保証するよう製造業者に助言した。

BfRの見解では、(陶磁器)指令(84/500/EEC)は、改訂の一環で、少なくともコバルト元素により拡大される必要がある。さらに、1984年の指令84/500/EECで規定された試験条件は、BfRの見解では、陶磁器の実際の使用にほとんど対応していない。例えば、短期間の接触、加熱、電子レンジ加熱、ホットフィル、陶磁器の数年以上の使用の影響を考慮してない。BfRは、有意義なリスク評価のために、放出検査には実用的検査条件を用いるよう助言している。

 

[FSS]祭日用食品犯罪:注意すべきこと

Festive food crime: What to look out for

4 December 2020

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/festive-food-crime-what-to-look-out-for

クリスマスを前にFSSは食品犯罪のリスクがあることについて消費者に注意を促している。犯罪行為は消費者と事業者をリスクにさらすことを、覚えておいて欲しい。

スコットランド食品犯罪・事件対策ユニット(SFCIU)は、この時期に人に付け込もうとしている食品詐欺師の被害にあわないようにするための3つのカギとなる「明確な」兆候に気を付けるよう消費者に促している。

価格が安すぎる

私達は皆、特にこの時期には特売品が好きだが、バンの後ろから、または屋外で、地元の肉屋、魚屋、スーパーマーケットで支払う通常価格の何分の1かで製品が提供された場合、販売者が取引を許可されていることを地域の環境衛生部門に確認すること。

ソーシャルメディア/オンライン上の未登録食品事業

お祝いのごちそう、飲み物を入れるかご、包装紙をオンラインで買い物をするのはクリスマスの特別な楽しみだが、適切な基準を満たしているかどうかはどうしたら分かるだろう?この時期に自宅で経営されている多くの食品事業で、食品を安全に保つために必要な衛生条件を満たしていることは不可欠である。オンラインやソーシャルメディアを通して食品を注文する前に、その事業が地元の地方自治体に登録されているかどうかチェックしよう。未登録食品事業から食品を購入した場合、安全な食品を提供するのに必要な衛生条件で加工・調理されていない恐れがある。

有名合法ブランドに「偽装」された偽アルコール

対象となるのは食品だけではない。無許可の蒸留所や人家で作られた、偽物あるいは違法製造されたアルコールの販売に注意すること。これらの飲料は大抵有名ブランドのように包装されていて、価格が驚くほど安い場合は主張されている製品ではない可能性がある。

 

[FSANZ]食品基準ニュース

Food Standards News December 2020

https://mailchi.mp/112f8abcfdbd/food-standards-news-december-1299666?e=21527ddb09

関係者に意見募集、魚の水銀、作業計画、パフォーマンス報告、等

 

[FTC]FTCは詐欺的に宣伝されているCBD製品の取り締まりを発表

FTC Announces Crackdown on Deceptively Marketed CBD Products

December 17, 2020

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/12/ftc-announces-crackdown-deceptively-marketed-cbd-products

企業はオイル、香油、グミ、コーヒー、その他製品ががんや糖尿病などの重大な疾患を治療できると根拠のない主張をしている

FTCは詐欺的に宣伝されているCBD製品に始めての法の執行を発表する。

FTCは6販売業者に対応した。

以下各社ごとの内容と製品の写真

Steves Distributing, LLC,

Reef Industries,

CBD Meds, Inc.,

HempmeCBD,

Epichouse LLC, (First Class Herbalist CBD),

Bionatrol Health, LLC,

 

-CBD の執行についてFTC長官Christine S. Wilsonの同意声明

Concurring Statement of Commissioner Christine S. Wilson Regarding the CBD Enforcement Actions

December 17, 2020

https://www.ftc.gov/public-statements/2020/12/concurring-statement-commissioner-christine-s-wilson-regarding-cbd

 

-消費者向けブログ

ジャンクサイエンスでCBDに騙されないで

Don’t be CBDeceived by junk science

December 17, 2020 by Lisa Lake

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2020/12/dont-be-cbdeceived-junk-science

騙されないための4つの方法

・処方薬以外の薬を使う場合には医師に相談

・医師に相談無しに処方薬を止めない

・「保証」という製品は避ける。見知らぬ他人はあなたの身体の反応を知らない

・魔法の治療法宣伝についてはFTCのウェブサイトで学ぼう

 

[FDA]更新

-FDAは冷凍チェリーパイの同定基準取り消しを提案

FDA Proposes to Revoke Standard of Identity for Frozen Cherry Pie

December 17, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-proposes-revoke-standard-identity-frozen-cherry-pie

製品が消費者の期待に沿うことを確実にするためにこの基準がもはや必要ではなさそうだと結論した

 

-FDAは食品表示における塩化カリウムの代替名使用に関する最終ガイドを発表

FDA Issues Final Guidance Regarding Use of an Alternate Name for Potassium Chloride in Food Labeling

December 17, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-final-guidance-regarding-use-alternate-name-potassium-chloride-food-labeling

塩化カリウム“potassium chloride”の代わりにカリウム塩 “potassium salt”をつかうことについて施行の自由裁量とする

 

-FDAは食品トレーサビリティ規則案と情報収集条項についての意見募集期間を延長

FDA Extends the Comment Period for the Food Traceability Proposed Rule and the Information Collection Provisions

December 17, 2020

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-extends-comment-period-food-traceability-proposed-rule-and-information-collection-provisions

2021年2月22日まで

 

[NASEM]健康リテラシー戦略で健康デマに対応する ワークショップの概要

Addressing Health Misinformation with Health Literacy Strategies

Proceedings of a Workshop—in Brief (2020)

https://www.nap.edu/catalog/26021/addressing-health-misinformation-with-health-literacy-strategies-proceedings-of-a

2020年7月29日に開催された健康リテラシー円卓会議によるバーチャルワークショップの概要。デマ対応におけるファクトチェック団体やテクノロジー企業の役割やその拡散の背景にある社会心理学、それを支援する健康リテラシー戦略などについて。

(一部抜粋)

虚偽情報対策戦略を考えるときには「Misinformation誤情報」と「 disinformation人を欺くための故意の偽情報」を区別することが重要だがその定義はまだ発達中。意図的かどうかがが違いにはなる。情報断片が事実か虚偽かを言うのはそれほど単純ではない。デマは勝手に広がるのではなく、我々がそれを拡散している

現在の世界では必須の医療にアクセスできる人よりインターネットにアクセスできる人の方が多く、インターネットユーザーの80%以上が健康関連情報を探している。そして健康誤情報の問題がますます複雑で困難になり、その影響は不釣り合いに社会経済的地位の低いコミュニティに影響している。現在のCOVID-19危機は既にある問題を強調しただけ。

バックファイアー効果には強い根拠は無く時に偽りの真実効果と混同されている。デマを修正するときにもとの間違いを再生しなければどこを修正しようとしているのかわからない。明確に修正部分を目立たせてデマと修正のペアを提示することが重要

 

論文

-超加工食品で健康リスク上がる

The health risk raised by ultra-processed foods

17-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/inmn-thr121620.php

American Journal of Clinical Nutrition

イタリアモリーゼ州の約25000人の市民が参加して2005年3月に始まったMoli-sani研究の約8年間の食習慣と健康状態の解析。超加工食品を大量に食べる人の全原因による死亡リスクが高かった。

(研究者の主張がランチを電子レンジで温めるのを止めて料理しろ、って非現実的。日本の誇る「超加工食品」であるこんにゃくを投げつけたい。山寺の「力こんにゃく」を。)

 

-米国の主要死因としてのCOVID-19

COVID-19 as the Leading Cause of Death in the United States

Steven H. Woolf et al.,

JAMA. Published online December 17, 2020. doi:10.1001/jama.2020.24865

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2774465

米国の現在のCOVID-19の指数関数的増加は壊滅的なスケールに達していて、医療システムを圧倒し相当な生命の損失を引き起こしている。ニュースメディアは毎日の患者数や死者を律儀に報道しているが、その全体での意味を掴むのは難しいだろう。

パンデミックの影響を展望するのに通常の状況での主要死因と比較するのは役に立つだろう。年代ごとの3つの主要死因と比較した表を作った

 

-最も良く消費されているイガイの種が世界中でマイクロプラスチックを含む

The most consumed species of mussels contain microplastics all around the world

17-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/ub-tmc121720.php

Environmental Pollution。小売店から購入したEuropean blue mussel, greenshell mussel, undulate venus, および Pacific venus clamに0.003から5mmの大きさのマイクロプラスチック粒子を貝の身1gあたり0.13から2.45個検出した

 

-チェルノブイリ近くの作物はまだ汚染されている

Crops near Chernobyl still contaminated

17-DEC-2020

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/uoe-cnc121720.php

Exeter大学にあるグリーンピース研究室の研究者らが小麦、大麦、オート麦、ライ麦などの放射性同位体を調べ、Environment Internationalに発表

発電所から約50km南のIvankiv地方の13箇所の農地で2011-2019年に116の穀物を集めて測定。主に松の木は同じ地方12箇所から2015-2019年に集めた。

(このプレスリリースには数値はなく、基準を超えるものがあるという表現のみ)

Current radiological situation in areas of Ukraine contaminated by the Chornobyl accident: Part 2. Strontium-90 transfer to culinary grains and forest woods from soils of Ivankiv district

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412020322376

90Srが20 Bq/kgを指標にしている

ばらつきが大きく、エラーバーが大きく、経年変化が見えない、少ないから。

グリーンピースはたとえ1原子でも「汚染」と言い続けるだろうから評価は別にしたほうがいい)

 

-Science

2020ブレイクスルーオブザイヤー

2020 BREAKTHROUGH of the YEAR

By Jon Cohen17 December 2020

https://vis.sciencemag.org/breakthrough2020/

希望のショット(予防接種)

記録的な早さで開発・試験されたCOVID-19ワクチンが今年のブレイクスルー

以下今年亡くなった人たち追悼、CRISPRによる最初の病気治療、科学者の多様性、地球温暖化、等が続く