2021-01-21

[EU]査察報告

-スロバキア―動物の副産物(ABP)及び由来製品(DP)の衛生状態、トレーサビリティ、流通ルート

Slovakia 2020-7009―Hygiene, traceability and channelling of animal by-products (ABP) and derived products (DP)

14/01/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4328

2020年1月28日~2月5日までスロバキアで実施した、EU加盟国の管轄機関による公的管理が、EU市場で販売されている動物の副産物(ABP)及び由来製品(DP)の不適切な取扱い、使用および/または廃棄を検出し防止するのに適切かどうか評価するための査察。スロバキアの管轄機関は、ABPと DPの収集、輸送、使用、廃棄の全体的なチェーンに沿って管理者、設備、施設を管理するシステムを導入している。このシステムは中央と地方の管轄当局間の組織的な取り決めに支持されており、良い基盤を提供している。公的管理計画はリスクに基づき、多くのリスク要因を反映している。欠点はあるが、効果的なフォローアップ活動によって大幅に軽減されている。HACCPの原則に基づく書面による手順の不十分な検証などにより全体的な管理効果が弱められている。

 

-オーストラリア―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Australia 2019-6653―Residues and contaminants in live animals and animal products

17/12/2020

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4326

2019年6月17~28日にオーストリアで実施した、EU輸出用生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質の公的管理の効果を評価するための査察。残留物モニタリング計画は主にEUの原則を考慮している。だが、その効果は特定の物質グループがこの計画に含まれていないこと、時々活動レベルがEUで適用可能なものより高いという事実に弱められている。例外はあるものの、年間を通じてサンプリングが適切に分布され、よく組織化されているプログラムで計画された取り決めに従って実行されている。フォローアップは再発防止に焦点を当てているが、サンプルは定期的に取られていない。牛肉への17-βエストラジオールの認可以外はEU条件に従っており、オーストラリアとEUの規制モデルの類似がEU輸出用商品の動物用医薬品の残留物の保証を支えている。馬の販売業者の申告とトレーサビリティシステムは信頼できない。

 

[EFSA]意見等

-Leuconostoc citreum NRRL B‐30894株由来食品酵素アルテルナンスクラーゼの安全性評価

Safety evaluation of the food enzyme alternansucrase from Leuconostoc citreum strain NRRL B‐30894

EFSA Journal 2021;19(1):6367  19 January 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6367

この食品酵素アルテルナンスクラーゼ(ショ糖:1,6(1,3)‐α‐d‐グルカン 6(3)‐α‐d‐グルコシルトランスフェラーゼ, EC 2.4.1.140)は、Cargill Incorporated社が非遺伝子組換えLeuconostoc citreum NRRL B‐30894株で生産した。そのゲノムに抗菌薬耐性遺伝子がないため、この生産株は安全性評価へのアプローチ安全性適格推定(QPS)の資格を得る基準を満たしている。微生物源や製造工程から生じる他の懸念が特定されないため、パネルはこの食品酵素の評価に毒性試験は必要ないと考えた。アルテルナンスクラーゼ食品酵素は甘味料α‐d‐グルカンオリゴ糖の製造に使用することを意図している。アルテルナンスクラーゼを含むショ糖から生産したシロップに適用された精製工程は、この食品酵素を大部分除去すると予想されている。最終製品に残る残留TOSは無害な物質で構成されることになる。これは生産生物、培地成分、後処理プロセスで使用される特定物質のQPSステータスに基づいている。その結果、パネルは食事暴露を算出する必要はないと決めた。既知のアレルゲンに対するアミノ酸配列の類似性が調査され、一致はなかった。パネルは、意図した使用条件で食事暴露によるアレルギー感作リスクや誘発反応は除外できないが、これが生じる可能性は低いと考えた。提出されたデータに基づき、パネルは、この食品酵素は意図した使用条件で安全上の懸念を生じないと結論した。

 

-食品及び飼料として使用する遺伝子組換えトウモロコシMON 87427 × MON 87460 × MON 89034 × 1507 × MON 87411 × 59122及びサブコンビネーションの評価(申請 EFSA‐GMO‐NL‐2017‐139)

Assessment of genetically modified maize MON 87427 × MON 87460 × MON 89034 × 1507 × MON 87411 × 59122 and subcombinations, for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2017‐139)

EFSA Journal 2021;19(1):6351 19 January 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6351

トウモロコシMON 87427 × MON 87460 × MON 89034 × 1507 × MON 87411 × 59122 (6イベントスタックトウモロコシ)は、6つのシングルイベント:MON 87427、MON 87460、MON 89034、1507、MON 87411 、59122を組み合わせるために従来の交差により生産された。GMOパネルは以前この6つのシングルトウモロコシイベントとその17のサブコンビネーションを評価し、安全上の懸念を特定しなった。このシングルトウモロコシイベントやその17のサブコンビネーションに関して、安全性の元の結論を改訂する可能性のある新しいデータは確認されなかった。分子特性、比較解析(農学、表現型、組成特性)及び毒性学、アレルギー誘発性、栄養評価の結果は、このシングルトウモロコシイベントと新しく発現したタンパク質の組み合わせや、この6イベントスタックトウモロコシのdsRNAが食品や飼料の安全性や栄養上の懸念を引き起こさないことを示した。この申請に記載されているように、この6つのイベントスタックトウモロコシは非GM比較種や選択した非GM参照種と同様である、とGMOパネルは結論している。この6イベントスタックトウモロコシの生存能力のある穀物が環境に偶然放出された場合でも、環境の安全上の懸念は生じない。GMOパネルは、以前に評価されていない39のトウモロコシサブコンビネーションのシングルイベントの中での相互作用の可能性を評価し、このシングルイベント、以前に評価したサブコンビネーション、この6イベントスタックトウモロコシと同様に安全だと予想されると結論している。市販後環境モニタリング計画や報告された間隔はこの6つのイベントスタックトウモロコシの使用目的に従っている。食品/飼料の市販後モニタリングは必要ないと考えられている。GMOパネルは、この6イベントスタックトウモロコシとそのサブコンビネーションは、ヒトや動物の健康と環境の潜在的な影響に関して、非GM比較種や選択した非GM参照種と同様だと結論している。

 

[HK]ニュースレター

Food Safety Focus

January 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html

掲載項目

- 豆乳中のセレウス菌

- 低温殺菌卵-食卓用生卵より安全

- 冷蔵倉庫の環境と食品包装の消毒に関するガイダンス

- 食品中のマイコトキシン及びその他の汚染物質に関する食品規則の有害物質における修正案

 

[HK] 法令違反

-カボチャ種子オイルが栄養表示規則に違反

Pumpkin Seed Oil not in compliance with nutrition label rules

Wednesday, January 20, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210120_8456.html

フランス産カボチャ種子オイルがトランス脂肪酸0gという申告のところ、1.4g/100g検出された。

 

-ハヤトウリのサンプルから基準値超過の残留農薬の検出

Excessive pesticide residues found in Chayote sample

Tuesday, January 19, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210119_8451.html

ハヤトウリからメトミル0.36 ppmが検出された。

 

[FSS]欧州向け食品や飲料の輸出が順調にいくよう手助けする

Helping your EU food and drink exports run smoothly

19 January 2021

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/helping-your-eu-food-and-drink-exports-run-smoothly

今年度より食品事業者は輸出衛生証明書(EHC)を申請する必要があり、FSSより輸出衛生証明手続きに関するよくある質問と回答を示す。

 

[CFIA] 電子商取引の波にのる:オンライン購入のリスクを知る

Riding the e-commerce wave: be aware of risks of some online purchases

2021-01-20

https://www.inspection.gc.ca/chronicle-360/food-safety/riding-the-e-commerce-wave/eng/1611103500562/1611103704259

食品を含め、オンラインで購入する場合の注意。

 

[FDA]公示

- Adam’s Secret Extra Strength 3000 Platinumは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: Adam’s Secret Extra Strength 3000 Platinum contains hidden drug ingredients

1-19-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-3000-platinum-contains-hidden-drug-ingredients

FDAは精力剤として販売されているAdam’s Secret Extra Strength 3000 Platinumはタダラフィル及びシルデナフィルを含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

- Adam’s Secret Extra Strength 1500 Platinumは表示されない医薬品成分を含む

Public Notification: Adam’s Secret Extra Strength 1500 Platinum contains hidden drug ingredients

1-19-2021

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-adams-secret-extra-strength-1500-platinum-contains-hidden-drug-ingredients

FDAは精力剤として販売されているAdam’s Secret Extra Strength 1500 Platinumはタダラフィル及びシルデナフィルを含むため製品を購入、使用しないよう消費者に助言している。製品写真あり。

 

[FDA]FDAは新規のたばこ製品を販売しようとする企業に2つの重要な最終規則により歴史的な公衆衛生の節目を示す

FDA Marks Historic Public Health Milestone with Finalization of Two Key Rules for Companies Seeking to Market New Tobacco Products

January 19, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-marks-historic-public-health-milestone-finalization-two-key-rules-companies-seeking-market-new

最終規則は市販前たばこ製品申請(PMTAs)の内容、書式及びレビューに最低必要条件と実質的同等性(SE)報告に関する情報を追加する。

 

[FDA]警告文書

- White Trading Corporation

December 15, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/white-trading-corporation-611251-12152020

FSVP違反の問題。

 

- Bodyhealth.com, LLC

December 09, 2020

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/bodyhealthcom-llc-610728-12092020

未承認の医薬品、不正表示の問題。

 

[FDA]企業向けガイド アルコール(エタノール)とイソプロピルアルコールのメタノール検査の方針、公衆衛生上の緊急事態(COVID-19)中を含む

Policy for Testing of Alcohol (Ethanol) and Isopropyl Alcohol for Methanol, Including During the Public Health Emergency (COVID-19)

JANUARY 2021

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/policy-testing-alcohol-ethanol-and-isopropyl-alcohol-methanol-including-during-public-health

医薬品製造業者や州の許可を得て医薬品調合を行っている薬局に、アルコールやイソプロピルアルコールにメタノールが混入あるいは代用されている可能性について警告する。

FDAは消費者がメタノール汚染のあるアルコールベースのハンドサニタイザーを飲んで致死的中毒になった報告を承知している。またそのような製品に関連した皮膚傷害報告を多数受け取っている

 

[FSAI] 未承認の農薬エチレンオキシドのためSuperValu Seed Mix and Sesame Seedsを回収措置

Recall of Batches of SuperValu Seed Mix and Sesame Seeds due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide

Wednesday, 20 January 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/supervalu_seed_mix_and_sesame_seeds.html

製品に使用されているごま種子に未承認の農薬エチレンオキシドが検出され、SuperValu Seed Mix and Sesame Seedsを回収措置。製品写真あり。

 

[FAO]国連機関はCOVID-19と悪化する不平等がアジアと太平洋の数十億人の栄養不良を悪化させると警告

UN agencies warn that COVID-19 and worsening inequalities will fuel malnutrition for billions in Asia and the Pacific

20 January 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1370088/icode/

報告書「アジア太平洋地域の食糧安全保障と栄養の概要2020:栄養改善のためには母親と子どもの食事が中核」を公表

 

[CDC]CDC所長とATSDR管理者 Rochelle P. Walensky, MD, MPHからのプレスリリース

Media Statement from Rochelle P. Walensky, MD, MPH, CDC Director and ATSDR Administrator

Wednesday, January 20, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s0120-rochelle-walensky.html

就任挨拶

経歴と写真

Rochelle P. Walensky, MD, MPH

https://www.cdc.gov/about/leadership/director.htm

 

[IARC]子どもと青少年の甲状腺がんの世界的増加は過剰診断により引き起こされている可能性がある

Global increase in thyroid cancer incidence in children and adolescents may be driven by overdiagnosis

20 January 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/global-patterns-and-trends-in-incidence-and-mortality-of-thyroid-cancer-in-children-and-adolescents-a-population-based-study/

IARCと国際パートナーの行った新しい研究で、0-19才の子どもと青少年の甲状腺がんの発生率を調べた。この病気は2000年頃までは世界的に極めて希だったが近年多くの国で急に増加している。この増加の主な誘因は過剰診断である可能性が高い。

The Lancet Diabetes & Endocrinology

甲状腺がんの過剰診断は甲状腺のサーベイランスの増加と頸部超音波検査のような新しい診断方法の導入の帰結である。これが健康な人の甲状腺に存在することがわかっている多くの活性のない、致死的でない腫瘍の発見につながる。過剰診断の問題は医療が良く規制されていない場合にはさらに大きなものになる。

甲状腺がんと診断された子どもは通常甲状腺の摘出手術を受け、生涯にわたって甲状腺ホルモンを補充することになり若い、主に少女の、QOLに著しい影響を与える。

著者らは、特定のリスク要因のない無症状の成人集団には甲状腺がん検診をしないようにという現在の助言を拡大して、子どもや青少年でも甲状腺がん検診はしないよう明確に助言することを提案している

 

[EU]パブリックコメント募集 

農薬-持続可能な使用(更新EU規則)

Pesticides – sustainable use (updated EU rules)

https://ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/12413-Sustainable-use-of-pesticides-revision-of-the-EU-rules/public-consultation

農薬の持続可能な使用指令(SUD)の成果、履行、執行、適用に関する問題点とその原因およびその解決法やその影響などについて。

2021年4月12日まで

対象は全ての関係者、オンラインでの質問に回答する形での意見提出

 

[NASEM]有人宇宙飛行中の放射線曝露によるがんリスク管理戦略評委員会公開会合

Public Session of the Committee on the Assessment of Strategies for Managing Cancer Risks Associated with Radiation Exposure During Crewed Space Missions

https://www.nationalacademies.org/event/12-22-2020/public-session-of-the-committee-on-the-assessment-of-strategies-for-managing-cancer-risks-associated-with-radiation-exposure-during-crewed-space-missions?mc_cid=c3500bac9a&mc_eid=7331362e8f

2021年1月25-26日、バーチャルで。

 

論文

-抗生物質の組み合わせは恒常的に世界中で使用されている-しかしその80%はWHOが推奨していない

Antibiotics combinations used regularly worldwide--but 80% of these not recommended by WHO

20-JAN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/p-acu011321.php

PLOS ONE

 

-猫はマタタビやキャットニップを高揚感以上の現実的理由で愛する

Cats love silver vine and catnip for a more practical reason than developing euphoria

20-JAN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/iuj-cls011821.php

猫はその植物を蚊除けに使う

マタタビの有効成分をネペタラクトールであると同定した。ネペタラクトールを含む濾紙を猫の飼育ケージに置くと猫は頭をこすりつけて顔や頭にネペタラクトールが移行した。その状態だと蚊が避けることを報告。Science Advances

(猫写真がいっぱいある)

 

-電子レンジを子どもにとってより安全にする

Making microwaves safer for children

20-JAN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/rumc-mms011921.php

電子レンジをより安全なものにしようという過去15年間の研究と努力で、米国の電子レンジは小さい子どもが開けるのがより難しくなった。Rush 大学医療センターの研究者達が小さい子どもの怪我の頻度と重症度に関する記録をPediatricsに発表。

(やけどを減らすため)

 

-Natureエディトリアル

如何にして科学は持続可能開発目標を再び軌道に戻せるか

How science can put the Sustainable Development Goals back on track

20 JANUARY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00104-0

COVID-19パンデミックは貧困を無くし環境を守る国連の旗艦計画を攪乱した。研究者らは迅速に対応する必要がある

昨年10月の時点でSDGsは既に目標達成軌道から外れていた。それ以降さらにパンデミックは各国が目標を採択してから5年間で達成したほとんどのものを失わせた。飢餓の危機にある人はパンデミック前の2倍の2億7000万人、ロックダウンによる休校はパンデミック前に目標達成できそうだった僅かな指標である全ての人の小学校教育すら後退させた

第二回国連世界持続可能開発報告(GSDR)はSDGsを達成するために必要な緊急助言を目指す。

 

-Nature書評

囚人に毒を与えるぞっとするような試験

The grisly trials that gave poison to prisoners

18 JANUARY 2021  Alison Abbott

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00077-0

身の毛もよだつ16世紀の報告が、試験の対照群と社会の利益を強調する

Alisha Rankin 著The Poison Trialsの書評

1524年、イタリアの外科医Gregorio Caravitaがローマ教皇Clement VII世に彼が作った解毒剤と称する薬用オイルを提供した。教皇は毒を恐れる十分な理由があった。それでCaravitaのありそうにない効果の宣伝を無視する代わりにそれを囚人で調べることにした。

強盗殺人罪で有罪とされた二人のコルシカ人が選ばれ、医師が彼らにトリカブト入りマジパンを食べさせた。中毒症状が出始めたら、Caravitaが一人を彼のオイルで清めた。処置した囚人が生き残ったのでその報酬として死刑だった囚人がガレー船の奴隷に減刑された。もう一人の囚人は?死亡するのに4時間苦しんだ。

Caravitaのオイルの次の試験は教会の医師と薬剤師とローマ議会議員が行った。彼らは騙されたくなかったので他の毒素を使った。彼らは死刑囚に生卵と砂糖とヒ素の混合物を与えた。彼もまた生きながらえてガレー船の奴隷になった。2週間後、実験者たちはこの試験の4ページの報告を公表した。

これらは16世紀に欧州中で行われた死刑囚での一連の毒物投与実験の最初のものである。歴史家Alisha Rankinは彼女の本The Poison Trialsで残酷な人体実験の詳細を記述している。彼女の研究は1ダース以上の文書として残されている試験を明らかにし、その半分は1560年から1580年にフランス、イタリア、神聖ローマ帝国で行われた。当時人権の概念は存在しなかったが、試験を行う人たちは社会に対して正当化の圧力を感じていたようだ。

16世紀のヨーロッパでは毒は身近なものだった。蛇に噛まれハーブやキノコで死んだ。規制は緩く誰でも簡単に入手できた。

以下略。科学的手法と倫理の萌芽が窺えると。