[EFSA]食品サプリメントの新規食品としてのガラクトオリゴ糖の使用条件変更の安全性
Safety of a change in the conditions of use of galacto‐oligosaccharides as a novel food ingredient in food supplements pursuant to Regulation (EU) 2015/2283
EFSA Journal 2021;19(1):6384 27 January 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6384
欧州委員会の要請を受けて、栄養・新規食品および食品アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って、新規食品(NF)としてのガラクトオリゴ糖(GOS)の使用条件の変更に関する意見を出すよう求められた。この申請は食品サプリメントとしての使用量引き上げ案の評価に限定されている。この使用条件の変更案は、食品サプリメントの最大量を0.333 kg GOS/kg食品サプリメント(33.3%)から0.450 kg GOS/kg 食品サプリメント(45.0%)に引き上げる。1日あたり12 gの3サービング未満の摂取が推奨されているため、最大推奨一日摂取量は16.2 g GOS未満になる。新しい食品利用や、他のすでに承認された使用量の引き上げは提案されていない。提案された使用量と予想摂取量に関して提出された情報は安全上の懸念を生じない。パネルは、食品サプリメントのNFとして提案されたガラクトオリゴ糖の最大量の引き上げは使用条件の変更案で安全だと結論した。
[HK]食品中の有害物質規則(Cap.132AF)の修正案
Proposed Amendments to the Harmful Substances in Food Regulations (Cap. 132AF)
December 2020
https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_fstr/files/HS_Consultation_Document_e.pdf
公衆衛生及び自治体業務条例(Cap. 132)に基づき、香港で販売されるヒト摂取用食品はヒトの飲食にふさわしくなければならない。特に、食品中の有害物質規則(Cap. 132AF)は、禁止物質や過剰な濃度の有害物質を含む食品が香港に輸入・販売されることは許可されないと規定している。
公衆衛生や食品中の有害物質(マイコトキシンなど)が引き起こす食品安全性リスクを考慮して、食品及び環境衛生部門の食品安全センターは、香港の食習慣を考慮したリスク評価を実施し、コーデックス委員会の「食品及び飼料中の汚染物質及び毒性の一般規格」に基づいて関連する基準をレビューした。食品安全センターは、台湾人には食品安全性リスクが高いが対応するコーデックス基準のない特定の有害物質や食品/食品グループに、他の地域の習慣を参照して台湾の状況を考慮することにより、関連する提案を策定している。
主な修正案
・アフラトキシン、デオキシニバレノール、パツリンなど食品中のマイコトキシンの規制を更新して強化する。
・食用油脂、調味料、乳児用粉ミルク製品中の5種類の有害物質(ベンゾ(a)ピレン、グリシジル脂肪酸エステル類、メラミン、3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール、エルカ酸)の最大量を設定する。
・禁止物質とされる一部の硬化油(工業生産されるトランス脂肪酸の主な供給源)には、硬化油の表示条件を規定する。
食品安全規格更新に備える十分な時間をとるため、公報での発表後に18か月の猶予期間を設けることも提案している。
3か月間のパブリックコメント募集が2020年12月11日に開始された。
Chapter 5 改正案の概要
5.1
チャプター2~4で立案した規則の改正案については、食品安全基準更新の準備をするために、食品業界や民間の検査・研究所部門に十分な時間を提供するための猶予期間を設けながら、できるだけ早くそれらを実行することが適切だと考えている。この2つのバランスをとり、以前の食品基準改正の経験を参照して、公報での発表の18か月後に改正規則が発効するよう提案する。
5.2
チャプター2と3で詳述した食品中のマイコトキシンや他の有害物質のMLsに関する改正案を以下の表にまとめた。
|
物質 |
食品/食品グループ |
ML案 |
既存の規制のML |
1. |
アフラトキシン 合計 (注1) |
すぐに喫食できないピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ |
15㎍/kg (注3) |
ピーナッツ あるいはピーナッツ製品: 20㎍/ kg
その他の食品: 15㎍/ kg |
上記食品のすぐに喫食できない製品 |
||||
スパイス類(注2) |
||||
すぐに喫食可能なピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ |
10 ㎍/kg (注4) |
|||
上記食品のすぐに喫食可能な製品 |
||||
乾燥イチジク |
||||
その他の食品 |
5 ㎍/kg |
|||
アフラトキシンB1 |
主に36か月未満のヒトが摂取することを意図した食品 |
0.1 ㎍/kg |
||
アフラトキシンM1 |
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した乳児用及びフォローアップミルク |
0.025㎍/kg (注5) |
||
その他の牛乳とドライミルク |
0.5 ㎍/kg (注5) |
|||
2. |
デオキシニバレノール |
主に36か月未満のヒトが摂取することを意図したシリアル含有食品 |
200㎍/kg (注6) |
なし |
3. |
パツリン |
リンゴジュースとリンゴジュースを添加した他の飲料 |
50 ㎍/kg (注7) |
|
4. |
ベンゾ[a]ピレン |
油脂あるいは油脂混合物 |
5 ㎍/kg |
|
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した乳児用ミルク及びフォローアップミルク |
1 ㎍/kg (注8) |
|||
5. |
グリシジル脂肪酸エステル類 (グリシドールと表現される) |
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した粉末の乳児用ミルクとフォローアップミルク |
50 ㎍/kg (注8) |
|
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した液体の乳児用ミルクとフォローアップミルク |
6 ㎍/kg (注8) |
|||
6. |
メラミン (注9) |
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した液体の乳児用ミルクとフォローアップミルク |
0.15 mg/kg (注8) |
主に36か月未満の子供が分類される年齢グループのヒトが摂取することを意図した牛乳と食品: 1mg/kg |
主に12か月未満のヒトが摂取することを意図した液体の乳児用ミルクとフォローアップミルク以外の牛乳 |
1 mg/kg (注10) |
|||
主に36か月未満のヒトが摂取することを意図したその他食品 |
||||
7. |
3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール |
固形調味料 |
1 mg/kg |
なし |
その他調味料 |
0.4 mg/kg (注11) |
|||
8.
|
エルカ酸 (注12) |
エルカ酸の少ない菜種油 |
脂肪酸含有量の重量の2% |
油脂あるいはそれらの混合物: 脂肪酸含有量の重量の5% |
その他油脂あるいは油脂混合物 |
脂肪酸含有量の重量の5% (注10) |
注1:「アフラトキシン、合計」はコーデックス一般規格で定義されているように「アフラトキシンB1+B2+G1+G2」を指す。既存の規制に対してスケジュール1に規定されているように、「アフラトキシン」とその説明を (ビスフラノクマリン化合物のグループでアフラトキシンB1, B2, G1, G2, M1, M2, P1とアフラトキシコールを含む) に置き換えるよう提案されている。
注2:コーデックスは特定のスパイスにML(20 あるいは30 ㎍/kg)を導出しており、それは既存の規制でスパイスを含む食品のML(15㎍/ kg)より寛大である。そのため、ML案として既存の規制で規定された、より厳しい基準を保つよう提案されている。
注3:この「すぐに喫食できない」ピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオのMLは「更なる加工用」に関するコーデックス一般規格を参照して提案された。上記食品のすぐに喫食できない製品に提案されたMLは、「ピーナッツとピーナッツ製品」が既存の規制で同じグループとしてみなされているという原則に基づいている。
注4:「すぐに喫食可能な」アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオのMLは、コーデックス一般規格を参照して提案されたが、「すぐに喫食可能な」ピーナッツのMLは既存のコーデックス規格案に基づいている。上記食品のすぐに喫食可能な製品に提案されたMLは、「ピーナッツやピーナッツ製品」は既存の規制で同じグループとみなされるという原則に基づいている。
注5: ML案は、すぐ飲める、または還元してすぐ飲める製品に適用される。
注6: ML案は乾燥重量ベースで商品全体に適用される。
注7:リンゴジュースが添加されている他の飲料のMLは、コーデックス一般規格の「リンゴジュース」の基準を参照して提案されている。ML案は、濃縮されていない、あるいはすぐ飲める飲料に還元された商品全体に適用される。
注8:このMLは市販製品に適用される。
注9:既存の規制で規定されている「主に妊婦や授乳中の女性が摂取することを意図した食品」中のメラミンのMLs 1 mg/kgと「その他の食品」中の2.5 mg/kgは変更されない。
注10:このMLは既存の規制のものと同じである。つまり改正案は、関連する「食品/食品グループ」の説明の改良だけを含む。
注11:このMLはコーデックス一般規格の酸加水分解植物タンパク質(acid-HVPs)を含む「液体調味料」の基準を参照して提案された。
注12:「油脂あるいはそれらの混合物が添加された食品」中のエルカ酸のML、既存の規制の「食品中の全ての油脂の脂肪酸含有量の重量の5%」は変更されない。
5.3
チャプター4の部分水素添加油(PHOs)に関する改正案は以下のように要約される。
・ “PHOs”を含む食用油脂の輸入や“PHOs”を含むあらゆる食品の販売(食用油脂を含む)の規則で禁止されていることにより“PHOs”を食品中の禁止物質とみなす。
・硬化油を含む場合、包装済食品(食用油脂を含む)は、それに応じて成分表に表示(「硬化油」あるいは「水素添加」という言葉で修飾されたオイルの名前など) される必要がある。唯一の単一成分として硬化油を含む包装済食品は、成分表を提供し、硬化油の表示条件に従うことも必要である。
[HK] 法令違反
包装アイスクリーム製品が食品医薬品規則に違反
Prepackaged Ice Cream product not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations
Wednesday, JANUARY 27, 2021
https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210127_8475.html
タイ産包装アイスクリーム製品が乳脂肪6.5%の申告のところ7.5%未満であった。
[FDA] カンナビジオール(CBD)製品の使用と安全性プロフィールのよりよい理解のためのよりよいデータ
Better Data for a Better Understanding of the Use and Safety Profile of Cannabidiol (CBD) Products
01/08/2021
FDA長官Stephen M. Hahn, M.D.FDA長官及び主席副長官Amy Abernethy, M.D., Ph.D.の発言
社会ではカンナビジオール(CBD)関連製品の関心と入手が急増している。2018年12月の農業法改正で、マリファナの定義からヘンプを除外し、大麻とその抽出物が乾燥重量でデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が0.3%未満のものは統制薬物法(CSA)の規制物質から外れたことも一因である。FDAは法に基づく規制の枠組みの下、規制と情報を基礎とした正確な科学エビデンスを伴いCBDを評価するが、未だ、その副作用や長期的使用リスクは明確でない。そのためFDAやその他の公衆衛生機関は、情報を与えられた上で科学に基づく決定をするためによりよいデータを必要とし、CBDの使用と安全性のデータ構築では、実社会のデータ(Real-world data;RWD)の情報を重視する。系統的なデータの開発、データ収集の継続的な活動、業界関係者の参加、政府、業界及び学界のパートナーとの協力が必要である。“Cannabis and Cannabis-Derived Compounds: Quality Considerations for Clinical Research,(カンナビスとカンナビス抽出成分:臨床研究に関する品質考慮事項)”というガイダンス案が最終化されれば、カンナビス供給源、品質考慮事項に関する情報及びデルタ-9-THCの濃度計算に関するFDAの考えが示される。
FDAは市販のCBD製品のサンプリングと検査活動も行い、毒性成分、農薬、他の化学物質及び不純物に関し、製品の安全性データの情報をさらに集めてきた。その中で、法令順守、執行活動の一環としての警告文書、製品のカンナビノイド含有量の表示の相違についてなどの調査結果が公開された。また、市場調査を計画し、第1段階ではFDAが小規模な採集分析研究(サンプル数200以下)を実施した。この調査による一般的な観察では検査製品の半数以下でCBD濃度が表示量の20%以下であり、精神活性、中毒性のあるカンナビノイドTHCを含む製品もあると発見した。第2段階の第三者機関と協力するサンプリング計画では、幅広いCBD製品とサンプル数を増加し(サンプル数1000-3000)実施している。
RWD科学のための方法論的基礎を築くFDAの研究プロジェクトは、現行の品質安全性の監視、観察研究データ及び新規情報源を踏まえ、CBDデータの収集と分析方法を開発する。従来の観察データ分析が他の研究に取って代わることはないが、正確な方法で収集、分析されたRWDでは、CBD使用者の新規の副作用や研究すべき亜集団などを確認できる。
CBDの使用と安全性に関する現在のデータ収集能力の課題
・一般集団の現存のCBD使用データの多くは、自発的な副作用報告(例、中毒コントロールセンター)であり、データをより系統的に収集分析し、相対的な安全リスクを理解することが重要。
・CBD関連使用率、使用集団における副作用リスクの分母量、暴露量が高い集団、よく使用される製品、店頭販売薬や処方薬との併用について、確認されていない相互作用のリスクについて等の理解が不足している。
・特定のCBD製品はデータ収集システムに確認できる固有のコードがない可能性がある。
・長期間のCBD使用の健康影響を調べる長期的な研究の必要性がある。
CBD関連データの収集分析の現在の課題に取り組む研究プロジェクト
・適切なコード化、データキュレーション及び他の方法を介して、CBD製品の副作用理解のため、現行と新興のデータシステム(例、中毒コントロールデータベース、電子健康記録、オプトイン消費者/患者登録)を使用する。
・CBD製品の採集検査データと副作用のデータを関連付ける方法を評価する。
・CBD使用の公開のオプトイン登録のようなシステムや方法の開発と評価を協力を得て行い、安全性の統計結果や他の情報源からのデータを組み合わせ、理解を深める。
・異なる集団のCBD製品の使用に関する市場研究データと他のデータの実用を評価する。
・患者と消費者のプライバシーを保護しながら、時差のある安全性のリスクに関するデータ連携法の実用を評価する。
・市場全体や経時的CBDの安全性と品質の集約的な見解のために様々な研究とデータを組み合わせた方法の価値を評価する。
・異なる種類のCBD製品の安全性と品質を監視するために最適な戦略を評価する。
例えば毒性研究といった新規情報源は、よりよいCBD製品の安全性データに重要である。この改良されたデータ法による小規模で的を絞ったプロジェクトの可能性に期待する。
[FDA]警告文書
- Alma Reserve
January 19, 2021
FSVP違反の問題。
- Sage Moon Apothecary LLC
January 14, 2021
未承認の医薬品、不正表示の問題。
- Thai Kee Trading Co
January 08, 2021
FSVP違反の問題。
[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新:FDAは米国の消費者を保護するために、法令違反かつ危険性のあるメキシコから米国へ輸入したすべてのアルコールベースの手指用消毒液製品に措置を講じる
Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Takes Action to Place All Alcohol-Based Hand Sanitizers from Mexico on Import Alert to Help Prevent Entry of Violative and Potentially Dangerous Products into U.S., Protect U.S. Consumers
January 26, 2021
パンデミック中に、FDAはメキシコからの手指用消毒液製品がエタノール含有と表示されているが、検査でメタノール汚染が陽性になる製品が急増していると確認し、輸入の警告をしている。
[SFA]違法な野菜の輸入により輸入業者に罰金5000ドルが科された
Importer fined $5,000 for illegal import of vegetables
27 January 2021
2020年7月、マレーシアから総計180kgの未申告の新鮮な野菜が発見され、違法な販売品はすべて押収された。
[FSAI] 未承認の農薬エチレンオキシドのためSchnitzer グルテンフリーオーガニックハンバーガーバンズを回収措置
Recall of Certain Batches of Schnitzer Gluten Free Organic Hamburger Buns due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide
Wednesday, 27 January 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/schnitzer_hamburger_buns.html
製品に使用されているごま種子に未承認の農薬エチレンオキシドが検出され、英国産Schnitzer グルテンフリーオーガニックハンバーガーバンズを回収措置。製品写真あり。
[BfR]新素材のリスクを早期に同定する:「先端材料」機関間ワーキンググループキックオフ会合
Identifying risks posed by new materials early on: kick-off meeting of an interagency working group “Advanced Materials”
26.01.2021
先端材料の概要を知り、応用分野を検討し、分類のための概念を開発し、早期のリスク検出を検討することを目的とする
[EU]農場から食卓まで:欧州委員会は責任ある食品事業とマーケティングを推進
Farm to Fork: Commission push for responsible food business and marketing practices
Daily News 26 / 01 / 2021
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/mex_21_227#6
欧州委員会は本日バーチャルで、責任ある食品事業とマーケティング行動規範(Code of Conduct)のデザインについて関係者との議論を開始した。このコードはより持続可能なEUのフードシステムに向けた移行においてフードチェーンの関係者が集合的に役割を果たす道のりを形成することを目的とする。2021年6月の署名予定で、フードシステムの経済的、社会的、環境的持続可能性の全ての主要な側面をカバーする
[FAO]高名な世界の科学、産業、政府のリーダーが抗菌剤耐性との戦いをステップアップするために会う
Prominent global leaders in science, industry and government meet to step up fight against antimicrobial resistance
26 January 2021
http://www.fao.org/news/story/en/item/1371017/icode/
抗菌剤耐性に関するワンヘルスグローバルリーダーグループ
[FAO]農業食糧システムの転換が未来を形作る、FAO事務局長が世界経済フォーラムで語る
Transforming agri-food systems will shape the future, FAO chief told World Economic Forum
27 January 2021
http://www.fao.org/news/story/en/item/1371353/icode/
革新がカギ
政策、ビジネスモデル、金融とテクノロジーの4つの革新
[RIVM]英国変異株がオランダで広がる
UK variant gains ground in the Netherlands
01/26/2021
https://eowf.alc.co.jp/search?q=gain+ground
1月20-26日は陽性者は8%と僅かに減少
病原体サーベイランスデータでは1月4-10日の週の陽性検査中8.6%が英国変異
(暴動の件は特に触れていない)
[ASA]誤解を招く広告を避けるための6つのコツ
Six top tips to avoid misleading advertising
28 Jan 2021
https://www.asa.org.uk/news/six-top-tips-to-avoid-misleading-advertising.html
事業者向け
1.重要情報を外さない
2.値段を明確に
3.製品のパフォーマンスを誇張しない
4.どんな但し書きも明確に
5.宣伝の根拠をもっていること
6.製品名での宣伝に注意
[ASA]成果を得るための投資(皮膚の試合)-化粧品のマイクロバイオーム宣伝について更新
Skin in the game – an update on microbiome claims for cosmetics
28 Jan 2021
https://www.asa.org.uk/news/skin-in-the-game-an-update-on-microbiome-claims-for-cosmetics.html
近年皮膚のマイクロバイオーム研究が拡大し、多くのスキンケア製品製造業者がマイクロバイオームへの影響を宣伝している。しかし研究増加にも関わらず、この複雑な分野を理解するのはまだ始まったばかりで、広告は誇大宣伝をしないよう注意すべきである
[ASA]あなたの減量広告に法令遵守を
Inject a dose of compliance into your weight-loss ads
28 Jan 2021
https://www.asa.org.uk/news/inject-a-dose-of-compliance-into-your-weight-loss-ads.html
・処方のみの減量用医薬品とは何か
リラグルチドやセマグルチドのような医薬品が「痩せる注射」として宣伝されていることがある。しかし処方のみの医薬品(POM)は一般向けに宣伝できない。広告基準違反だけではなく医薬品規制違反である
・非POM減量製品は?
特定の量の体重が特定の期間で減るといった問題のある主張を避けるべき
論文
-安全に虫をメニューに
Putting bugs on the menu, safely
27-JAN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/ecu-pbo012421.php
甲殻類アレルギーのある人にリスクとなる可能性のあるコオロギタンパク質20を同定
Food Chemistry
-心疾患は死因の第一位で今後数年間はCOVID-19の影響を受けるだろう
Heart disease #1 cause of death rank likely to be impacted by COVID-19 for years to come
27-JAN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/aha-hd012521.php
米国心臓協会がCirculationに発表した年次統計更新によると心疾患が世界の死因1のまま。またCOVID-19パンデミックの影響は今後数年続くと警告。
2019年は世界中で約1860万人が心血管系疾患で死亡した。心血管系疾患患者は5億2320万人以上で2010年から26.6%の増加。今後数年はCOVID-19パンデミックの長期影響で心血管系疾患の負担は指数関数的に増加すると予想している。
COVID-19は世界中に膨大な影響を与え2020年の死因のトップ3から5の間になるだろうがその影響は心血管系疾患にもあるだろう。ウイルスの直接影響と医療受診への影響、食生活の悪化と運動不足、そしてウイルス感染への不安さえもが心血管系疾患を増加させるだろう
-自主隔離支援を優先順位トップにしなければならない、専門家が言う
Support for self isolation must be a top priority, say experts
27-JAN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/b-sfs012621.php
BMJ。St Andrews大学のMuge Cevik博士らの主張。多くの国が検査を伝染経路の阻止ツールとして使っているが、隔離できるかどうかはスペースと資源をもっているかどうかに依存する。英国の調査では隔離指示に従うことができるのは5人に1人以下で、特に男性、若い人、重要な労働者、世話をしなければならない子どものいる人、社会経済的地位の低い人で低い。検査陽性の人に食品や医薬品、無料のホテルなどの支援サービスを提供すれば隔離率があがる可能性がある。
(むしろ全くやっていないのがずっと疑問。それで机上のモデルで論文書いて世界一の科学水準だって言ってるので、どれだけ庶民の生活を無視しているのかと。)
-農業の増加傾向と風景の攪乱がパリ気候合意目標を脅かす
Up-trending farming and landscape disruptions threaten Paris climate agreement goals
27-JAN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/uoc--ufa012721.php
Natureに発表された1961年から2017年の世界の土地の使用と温室効果ガス胚珠出の追跡。低所得国の土地の使用の変化が最も劇的であるが対策の効果も最も期待できる。「既に農地になっているところでの収量の増加が森林焼失を避けられる。」より効率の良い農法の採用とより良い土壌と畜産廃棄物管理、食品廃棄の削減で温室効果ガスが削減できる。さらに食生活の変更が役に立つ。赤肉は世界で生産されるカロリーのたった1%にしかならないが最大1/4に土地使用温室効果ガス排出に寄与する
-海の毒素がラッコの悲痛な(心臓に悪い)脅威
Ocean toxin a heartbreaking threat for sea otters
26-JAN-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/uoc--ota012621.php
Harmful Algaeに発表されたラッコのドーモイ酸による心毒性についての論文
-Nature
エディトリアル
疫学がCOVIDパンデミックをどう形作ったか
How epidemiology has shaped the COVID pandemic
27 JANUARY 2021
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00183-z
Natureの3回目の進行状況報告は疫学にハイライト
・疫学の初期の役割
・ロックダウンとマスク
・新たなわからないこと
・疫学は変化している
多くの他の分野の研究者が加わり米国政府は国の疫学予報とアウトブレイク解析センターを作ると発表した
・コミュニケーションの課題
疫学者は彼らの知見の確実性と不確実性の両方を伝える必要がある。つまり研究者は人々が理解できるような伝え方を学ばなければならない。人々が科学というものは修正され続け結論が変わり続けることを理解する役に立つだろう、それはこれまでの多くの人が科学を見ていた見方-確固として変わらないもの-とは対照的だろう。
過去1年の教訓があるとしたら、公衆衛生のツールに関する知識とデータへのアクセスだけではパンデミックのコントロールには不十分だということである。人々はなにか警戒すべきことに直面したとき、確実なものが欲しいという自然な願望を持っているが、科学は可能性で動く。これは疫学の影響を無くすものではないが、継続した透明な対話の必要性を強調する。
(自分の研究を宣伝する場面できちんと不確実性や限界を説明する研究者、あまり見たことない。誇大宣伝がデフォルトなのは内輪向けだけにして一般向けにはもっと責任もって欲しい)
Natureニュース特集
エクスタシーとシロシビンが如何にして精神医学を揺るがしているか
How ecstasy and psilocybin are shaking up psychiatry
27 JANUARY 2021 Paul Tullis
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00187-9
規制当局はまもなくこの強力な幻覚薬を鬱やPTSDの治療に使う方法に取り組むだろう
現在臨床試験が増加している。これはルネッサンスの側面があり、1950年代から60年代に科学者は精神疾患治療目的での幻覚剤の使用に関する研究を盛んに行っていて1000以上の論文が出され4万人ほどの人が試験された。その後娯楽用の使用が広がったためにFDAが禁止し研究用への供給も抑制された。
(長い記事。)
その他
-Covid-19:新たに2人の地域症例を「確認された現在の感染」として扱う
Covid-19: Two new Auckland community cases being treated as 'confirmed current infections'
Jan 28 2021
NZ続報。ノースランドの事例と同じ施設で同時期に隔離されていて隔離中は陰性だったが隔離終了後に陽性になった同じ家族の二人を「現在の感染者」として扱う。確認のための(配列決定と血清学的)検査結果は木曜日と金曜日に出る
二人が訪問した場所が公開され、接点のある人は検査するよう求められている
Covid-19: All the locations linked to the new Auckland community cases
(1月17日の午前11:00-午後2:00 BBQ Kingとか、給油所30分とか。症状はないらしいが名前のあがった店舗は閉店してクリーニングしているようだ。一)
-意見:今や全ての人がN95マスクを着けるべきだ
Opinion: Everyone should be wearing N95 masks now
Opinion by Joseph G. Allen Jan. 27, 2021
https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/01/26/n95-masks-safest-next-best-options/
Joseph G. Allenはハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院の健康的建物計画部長の准教授
先にハーバード大学医学部の同僚がマスクは二重にした方が良いと書いている。70%有効なマスクを二つつけると91%防ぐ。悪くない。でもN95なら99%だ。
(あんなに嫌がっていたマスクを今度はガチガチに推してくる。N95完全フィットで日常生活って無理だと思う。極端なんだよね)
-政府は私たちがCOVIDワクチンを受け入れるように約2390万豪ドルを使う。しかしそのキャンペーンは実際効果がある?
The government is spending almost A$24m to convince us to accept a COVID vaccine. But will its new campaign actually work?
January 28, 2021 Jessica Kaufman
昨日開始された連邦政府のCOVIDワクチン情報キャンペーンは人々にワクチンの安全性と有効性を再確認させることを目的とする。この規模の予防接種計画はこれまでなかったので、効果的コミュニケーションは成功のためのカギとなる。このキャンペーンに効果はあるだろうか?いくつかの研究から知見が提供されている
(以下略。普通は主流メディアが反ワクチンを煽る心配はしなくていいらしい)
-CDCの裏庭で、学校再開議論が専門家を分裂させる
In CDC’s backyard, school reopening debate divides experts
CDCの近くのDecatur学校区にはコロナウイルスパンデミックの最中に学校を再開させるに当たって意見を聞く専門家に事欠かない。たくさんの医師や公衆衛生の専門家が、自分の子どもにとって何がベストかを検討している。しかし意見は分かれ、双方が科学とデータが自分の意見を支持していると主張する。この分裂が多くの地域で直面している問題を描き出す
SMC UK
-オメガ3脂肪酸と子どもの喘息を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at omega-3 fatty acids and asthma in children
JANUARY 28, 2021
European Respiratory Journalに発表された研究が食事からのオメガ3摂取と子どもの喘息を調べた
Birmingham大学Birmingham臨床試験ユニット名誉上級講師、Birmingham女性と子どもの病院NHSトラスト、重症喘息指導者、小児呼吸器相談医Prasad Nagakumar博士
この研究は二つの大規模出生コホートを用い、FADS遺伝子に特定の変異がある7才の子どもで長鎖オメガ3脂肪酸の食事からの摂取量が多いと、11-14才時点での喘息発症リスクが低いことと関連することを示した。この研究は価値あるデータを提供するが観察研究での関連は解釈に注意が必要である。この研究をもとにオメガ3の多い食事が喘息を予防すると結論することはできない。しかしこれまでの研究から魚を食べることは子どもの健康にポジティブな影響があることは確かである。
Aston医科大学上級教育フェローで登録栄養士Duane Mellor博士
これは南西イングランドの4500人の子どもたちをフォローしたよくデザインされた研究である。全体としてはEPAとDHAを食べることと喘息リスクに関連はなかった。しかし脂肪酸不飽和化酵素の効率の悪いタイプの遺伝子を持っている人では、つまり魚にあるような種類の脂肪酸を作る能力が限られる場合には、EPAとDHAの摂取量が少ないと喘息になる可能性が高かった。この知見は興味深いが、決定的因果関係にはならない
Reading大学心血管系薬理学准教授Alister McNeish博士
DR NUTRITION(食品科学と栄養に関する相談を提供する企業)創設者で社長のDavid Richardson博士
(略)
-英国がCOVID-19検査陽性から28日以内の死亡者10万人を超えたことへの専門家の反応
expert reaction to the UK having over 100,000 deaths from COVID-19 within 28 days of positive test
JANUARY 26, 2021
説明と8人の専門家の意見
(略。ニュージーランドのような封じ込めに失敗した政府が悪い、という意見の次にウイルスを抑制することばかり考えて弱い人を守らなかった、という意見が並ぶ。市民はガイダンスをよく守ったので失敗は政府の責任、とか意見はバラバラ。自主隔離に直接支援がなかったことを指摘する人が複数。)
おまけ(国内)
-「甘味料について誤解を与える」 共通テストの英文に複数団体が苦言→何が問題だった?専門家に聞いた
2021年01月27日
https://www.j-cast.com/2021/01/27403819.html
-「緊急告発」大学入学共通テストがニセ科学を前提としていいのか
2021/01/28
https://president.jp/articles/-/42803