2021-02-04

[WHO]乳がんが今や最もよくあるがん:WHOは対応

Breast cancer now most common form of cancer: WHO taking action

3 February 2021

https://www.who.int/news/item/03-02-2021-breast-cancer-now-most-common-form-of-cancer-who-taking-action

世界のがんの風景は変わりつつある。今や乳がんが世界で最も良く診断されているがんになり、そこで世界がんデーにWHOは新しい乳がん対策を確立するための一連の意見募集の最初のものを開始する

診断の遅れと治療にアクセスできない問題はCOVID-19パンデミックで悪化した。関係者は対応しなければならない

 

[WHO]Michael R. Bloombergと Dr Tedros Adhanom GhebreyesusはCOVID-19から命を救うために世界に非伝染性疾患に注目することを呼びかける

Michael R. Bloomberg and Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus call for global focus on noncommunicable diseases to save lives from COVID-19

3 February 2021

https://www.who.int/news/item/03-02-2021-michael-r.-bloomberg-and-dr-tedros-adhanom-ghebreyesus-call-for-global-focus-on-noncommunicable-diseases-to-save-lives-from-covid-19

Bloombergの公衆衛生改善への貢献を認識してWHOはWHO世界大使三期目を確認

COVID-19患者のアウトカムを悪化させ世界の74%以上の死亡の原因である糖尿病、高血圧、心疾患、がん、呼吸器疾患のようなNCDsに緊急に取り組むことを呼びかける

 

[EU]欧州がん克服計画:予防、治療、ケアの新しいEUアプローチ

Europe's Beating Cancer Plan: A new EU approach to prevention, treatment and care

3 February 2021

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_21_342

世界がんデーを前に、欧州委員会は欧州がん克服計画を発表する。

4つの重点行動分野

・予防

タバコ、飲酒、環境汚染と有害物質、健康的な食生活と運動、そして予防接種

・早期検出

・診断と治療

・QOLの改善

 

[IARC]世界がんデー:乳がんが肺がんに代わって世界のがんの一位に。IARCは乳がん対策の重要研究プロジェクトを紹介する

World Cancer Day: Breast cancer overtakes lung cancer as leading cause of cancer worldwide. IARC showcases key research projects to address breast cancer

4 February 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/world-cancer-day-2021/

 

-世界がんデー2021:IARCの運動と栄養に関する研究にスポットライト

World Cancer Day 2021: Spotlight on IARC research related to physical activity and nutrition

4 February 2021

https://www.iarc.who.int/featured-news/world-cancer-day-2021-physical-activity/

運動:がんになるリスクを下げることが証明されている方法

 

-動画:がんと運動についてElom Aglago博士が語る

Video: Dr Elom Aglago on cancer and physical activity

https://www.iarc.who.int/news-events/video-dr-elom-aglago-on-cancer-and-physical-activity/

 

-動画:サハラ以南のアフリカでの乳がんの不平等を研究する

Video: Studying breast cancer disparities in sub-Saharan Africa

https://www.iarc.who.int/news-events/video-studying-breast-cancer-disparities-in-sub-saharan-africa/

 

論文

-イネの収量を増やす革新的アプローチ

A revolutionary approach to increasing crop yield in rice

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/iotb-ara020221.php

イネの収量を増加させる画期的な技術開発に成功

~食糧増産と二酸化炭素や肥料の削減に期待~

https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210202/index.html

(何故英語と日本語で図が違うんだろう)

 

-シカゴの都市農業では消費者が地元食品だけに頼ることはできない

Urban agriculture in Chicago does not allow consumers to rely solely on local food

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/acs-uai012921.php

環境意識の高い消費者は食品を買うとき地元のものを買う。Environmental Science & Technologyに発表された新しい研究ではシカゴ周辺で育てられたものだけでは住民に必要な栄養を提供できないことを示す。都市農業は多様性の拡大と新鮮な野菜果物の入手可能性において利益があるが、完全な栄養をとるために必要な半径を減らす効果は僅かしか無い。

 

-アルコール、カロリー、肥満:表示は効果があるか?

Alcohol, calories, and obesity: Could labelling make a difference?

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/w-aca020121.php

Obesity Reviewsに発表されたアルコール飲料のカロリー表示に関するレビュー

 

-これがドイツのeスポーツアスリートの食べているものだ

This is what Germany's eSports athletes eat

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/gsu-tiw020221.php

ドイツスポーツ大学ケルンが3番目のeスポーツ研究を発表

マウスのそばにはレッドブルの缶、キーボードの隣はポテトチップの袋、というのが多くの人が想像するeスポーツの栄養だろう。実際エナジードリンクは多くの人の食べ物の一部だった、とIngo Froböse教授は言う。しかし全体としては、eスポーツのプレイヤーは一般人より食生活は良かった。

エナジードリンクを定期的に飲む人は40%で平均週に一缶超飲むが砂糖の摂取量は一般人より少なかった。ファストフードやすぐ食べられる食品は平均週に2回。肉が多く野菜が少ない。ベジタリアンまたはビーガンは14.8%で平均より多い。自分で料理をすることが流行していて半分以上が週に5回以上料理をする。プレイヤーの86%が男性なのに。

またパンデミックの影響が少ない

 

-ナノテクプラスチック包装はある種の食品や飲料に銀を溶出させる可能性がある

Nanotech plastic packaging could leach silver into some types of foods and beverages

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/acs-npp020321.php

ACS Applied Materials & Interfaces

銀ナノ粒子を含む抗菌ポリマーについて検討した。米国では食品包装材への使用は認められていない

 

-世論調査は高齢者のCOVID陽性同居人との隔離能力の不平等を示す

Poll shows inequality in older adults' ability to isolate a COVID-positive person at home

3-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/mm-u-psi020321.php

ミシガン大学の新しい調査では、50-80才の同居人のいる成人のうち隔離する場所がないのはヒスパニック31%黒人25%白人14%。

(調査はともかく、検査だけして、できないことをやれって言うだけなの?)

 

Nature

-ワールドビュー

COVID健康不平等を縮めるための研究計画のしかたを考え直して

Rethink how we plan research to shrink COVID health disparities

02 FEBRUARY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00258-x

不平等に取り組む研究者が行かなければならないのは理髪店、境界、図書館

(主にアメリカの話。日本だと参考にならないような。普通に研究者のほうが「貧困」だったりするし、階層によって使う店がそこまで分かれているわけでもないし。)

 

-ニュース特集

如何にして腸内微生物が脳の病気を駆動できるのか

How gut microbes could drive brain disorders

03 FEBRUARY 2021  Cassandra Willyard

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00260-3

科学者は腸内マイクロバイオームがどうやって脳の健康に影響するかについての研究を始めた。それは脳の病気のより良いより簡単な治療につながるかもしれない

2006年、カナダMcMaster大学の神経科学者Jane Fosterが腸内に微生物叢がないマウスと健康な微生物を物マウスでは脳や行動に違いがあることを発見して論文を投稿したらリジェクトされた。最終的には3年後7回投稿してようやく受理された。しかし今や腸-脳軸は神経科学の学会で特集されるようになった。数千の論文が出版され研究費も増えた。

しかしその爆発的関心の増加には誇大宣伝も伴う。多くの研究は関連のみを示しているにも関わらず一部の研究者は因果関係を主張あるいは示唆する。

しかしこの分野は相当進歩した

(いろいろこれからの期待。研究者がエキサイトするのは当然だが、応用段階ではない)

 

-COVIDの精神保健への負担:科学者は如何にして鬱の急増を追跡しているのか

COVID’s mental-health toll: how scientists are tracking a surge in depression

03 FEBRUARY 2021  Alison Abbott

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00175-z

恐怖と孤立、国際比較、等

(ウイルスの直接影響ではなくてウイルス対策の影響。)

 

-エディトリアル

コロナウイルスは空気中にいる-あまりにも表面に集中しすぎ

Coronavirus is in the air — there’s too much focus on surfaces

02 FEBRUARY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00277-8

表面からコロナウイルスに感染することは希である。WHOと国の公衆衛生機関は助言を明確にする必要がある

(写真は武漢での劇場の消毒)

(希だが可能性はゼロではない、というものをあんまり気にしないで、というと怒る人たちがいる。福島市レベルの放射能リスクなんかほぼ無視できるという話がどれだけ非難されたことか。GMや残留農薬もそう。コロナウイルスについては、表面由来の感染を声高に主張するのは中国の策略、とか言ってみたらどうなるかな)

 

Scienceニュース

-科学法案がメキシコの科学コミュニティーを苛立たせる

Science bill rankles Mexican research community

By Inés Gutiérrez JaberFeb. 3, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/02/science-bill-rankles-mexican-research-community

メキシコの科学コミュニティーと左翼ポピュリストAndrés Manuel López Obrador政権の関係は今まで良かったことはないが、メキシコの科学技術を司る新たな法案を巡る議論は辛辣を極める。2020年12月に国立科学技術評議会(Conacyt)会長Álvarez-Buylla Rocesが発表した法案は科学者から集中的批判を浴びた。これはConacytの力を増し科学コミュニティの発言力を削ぎ学問の自由を制限するものだと。

López Obradorは2018年に就任して以来科学者に対して軽蔑するコメントを何度かしてきた。彼の科学政策は騒動の連続だった。例えばConacytは修士や国内外のポスドクの多くの奨学金を停止した。そして2020年9月にはConacytは研究者の同定や資金獲得にとって最も重要な国の研究者システム(SNI)の9つのカテゴリーからバイオテクノロジーを削除した。これは声の大きいGM反対者であるÁlvarez-Buylla Rocesの意向だと見る向きもある。

(以下いろいろ略。だからグリホサートを禁止してGM排除を目指している。ところで左翼ポピュリストと右翼ポピュリストって何が違うんだろう?)

 

-デンマークの科学者は感染性の強いCOVID-19 ウイルスの急増を監視し今後厳しいことを予想

Danish scientists see tough times ahead as they watch more contagious COVID-19 virus surge

By Kai Kupferschmidt Feb. 3, 202

https://www.sciencemag.org/news/2021/02/danish-scientists-see-tough-times-ahead-they-watch-more-contagious-covid-19-virus-surge

表面的にはデンマークのCOVID-19感染グラフは十分安心できるものである。全国ロックダウンのおかげで2020年12月半ばの毎日3000以上から現在数百まで下がった。しかし騙されてはいけない。我々のモデルによるとこれは嵐の前の静けさだ、とStatens Serum研究所のCamilla Holten Møllerはいう。理由は二つの流行である。SARS-CoV-2の古い型は縮小し、英国で最初にみつかったB.1.1.7は小さいが増加している。もしこのまま拡大すると、ロックダウンにも関わらず再び患者が増えるだろう、とHolten Møllerはいう。

デンマークは人口580万人で他のどんな国よりCOVID-19変異株の増加を追跡してきた。「いまやみんながデンマークを注視している」とデンマーク政府に助言しているScripps研究所の感染症研究者Kristian Andersenはいう。「B.1.1.7についてはどうなるだろう、英国やアイルランドのような災厄を逃れられるか?」データは安心できるものでは無い。デンマークの科学者の最善予想ではB.1.1.7はこれまでのものより1.55倍速くひろがりコントロールできなくならないようにするにはロックダウンを続けなければならないかさらに対策を加えなければならない-大部分が予防接種するまで。この予想はあまりにも魅力が無いので一部の疫学者は例え患者が急増しても脆弱集団の予防接種が済んだら再開する代替法を検討すべきと言う

(以下略、グラフあり、軸の目盛りに注意。デンマークではCOVID-19検査陽性だった人のうち15%は自主隔離しない、とある。)

 

-EPAの議論の多い「検閲科学」規則の死は研究者を喜ばせる

Death of EPA’s controversial ‘censored science’ rule delights researchers

By David MalakoffFeb. 3, 2021 ,

https://www.sciencemag.org/news/2021/02/death-epa-s-controversial-censored-science-rule-delights-researchers

約10年近くにわたったEPAの使える科学的根拠についての闘争での勝利に科学団体と環境保護団体が喜んでいる。連邦判事が今週前大統領Donald Trump政権の発した規則を葬った。

 

その他

-詐欺の悲劇

The Tragedy of Fraud

https://organicfarmersassociation.org/news/the-tragedy-of-fraud/

有機農家組合Organic Farmers AssociationのHarriet  Beharによるオーガニックを偽装する詐欺の報告。

オーガニック市場は成長を続けてきたが近年の人目を引く、悪意による大規模な偽装販売がラベルの信頼性を揺るがしている。米国内および海外の両方で。

(ラベル貼っただけで高く売れて消費者が何年もそれに気がつかないのだから詐欺の動機は十分)

 

-オーストラリアの国境閉鎖はワクチンがあっても「2022年まで」続く

Australian border closures to remain ‘until 2022’ despite vaccines

Monday January 18 2021,

https://www.thetimes.co.uk/article/australias-borders-to-remain-shut-until-2022-despite-vaccines-wbnxkq79d

国のトップ健康主任が言う

Brendan Murphy保健長官が普通に戻る希望を打ち砕いた。「ほとんどの人が予防接種を受けたとしても、それでウイルス感染が予防できるかどうかわからないので」

(ゼロトレランスなら永遠に無理じゃないか?)

 

SMC NZ

MedsafeがNZ初のCovidワクチンを認可-専門家の反応

Medsafe approves NZ’s first Covid vaccine – Expert Reaction

Published: 03 February 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/02/03/medsafe-approves-nzs-first-covid-vaccine-expert-reaction/

Medsafeは認可に58の条件をつけて暫定認可

5人のコメント

(感染者がほぼいないのに急いで認可。とても期待している。これからはワクチン躊躇との戦い、と言っている)