2021-02-12

[FSAI] 竹由来物を含むプラスチック食品接触物質

Plastic Food Contact Materials Containing Substances Derived from Bamboo

4/2/2021

https://www.fsai.ie/faq/bamboo_contact_materials.html

プラスチック食品接触物質とは?

プラスチック食品接触物質とは、食品と接触することを意図した、既に食品と接触している、あるいは通常または予見可能な使用条件下で食品と接触したりその成分を食品に移す可能性のあるプラスチック素材のことである。例えば、ラップフィルム、プラスチックフォーク、ジプロックの袋、サンドイッチの箱、調理済み食品のトレー、飲料ボトル、菓子の包み紙など。

 

竹材を含むプラスチック食品接触物質はアイルランドに輸入・販売できる?

いいえ、竹繊維や他の竹材を含むプラスチック食品接触物質のアイルランドでの販売・輸入は許可されていない。

 

竹を含むプラスチック食品接触物質がアイルランドに輸入・販売されることが許可されない理由は?

細かくした竹や竹の粉末などの竹由来物は現在、食品と接触することを意図したプラスチック物質に関するEU規則No. 10/2011でプラスチック食品接触物質での使用は認可されていない。使用が許可されているのはEU規則No. 10/2011付属文書Ⅰで認可されているEUリストに含まれる1物質だけである。

2020年6月に発表された食品と接触する物質に関する専門家作業グループの議論の要約で、竹由来未承認添加物がポリマーに使用されるとき、生じた素材はプラスチックで、プラスチック食品接触物質としてEU市場で販売される場合、EU規則No 10/2011に準拠しないと結論された。

 

添加物として竹材を使用しているプラスチック食品接触物質はどのようなもの?

未承認竹材を添加物として使った広範なプラスチック食品接触物質がアイルランドを含む欧州連合(EU)域で確認されている。一般的に確認されている製品には、コーヒーカップなどの再利用可能な飲料カップ、子供用食器とカトラリー、お弁当箱、まな板が含まれている。

 

製造業者がプラスチック食品接触物質に竹材を添加する理由は?

竹や他の植物ベースの物質は製品中のプラスチック量を減らすために繊維としてプラスチックに加えられている。場合によっては、これらのプラスチック製品は「生分解性」「エコフレンドリー」「オーガニック」「天然」と表示されて販売されており、「100%竹」という場合さえあり、製品の本質を反映していない。それらの商品名および/または説明は時にはこのマーケティングアプローチを支えるのに使用されることもあり、それらがプラスチック製だとすぐにはわからない。

 

竹材を含むプラスチック食品接触物質と関連するリスクは何?

プラスチック食品接触物質に使われる全ての物質には、それらを使用する製造業者が準拠しなければならない、安全性、使用制限、その安全性に関するその他事項を決めるために欧州食品安全機関(EFSA)が実施する認可のためのリスク評価が必要である。竹粉末や他の竹材がEFSAに評価あるいは認可されていないため、正確なリスクはわからない。だが、一部のEU諸国は、未承認の竹材がプラスチック食品接触物質に使用されている、多量のホルムアルデヒドやメラミンなどの化学物質の溶出が確認されていると報告している。

EU規則No. 10/2011はプラスチック食品接触物質に超過してはならないホルムアルデヒドやメラミンの溶出制限を定めている。更に、中国や香港からEUへのポリアミドやメラミンプラスチック製の台所製品の輸入には、特定の条件と詳細な手順がある。中でも、ホルムアルデヒドや一級芳香族アミンの溶出を含む特定の条件や詳細手順は、EU規則284/2011で概説されている。

 

プラスチックを含まない竹だけで作られた食品接触物質は、食品接触物質として輸入・販売できる?

はい、竹だけでできていてプラスチックを含まない食品接触物質のアイルランドでの輸入・販売は許可されている。しかしながら、これらの食品接触物質の輸入業者や小売業者は、食品と接触することを意図した物質に関するEU規則1935/2004や、食品と接触することを意図した物質のための優良製造規範に関するEU規則No. 2023/2006に従って、文書と書類が輸入や販売の出どころと適合性を証明することが出来ることを確認しなければならない。

EU規則No. 1935/2004の枠組みの根底にある原則は、食品と直接あるいは間接的に接触することを意図したあらゆる素材や品は、物質が十分な量で食品に移行されることにより、ヒトの健康が危険にさらされたり、食品の組成に容認できない変化や官能特性の劣化をもたらされたりすることを防ぐために、十分に不活性でなければならない。

 

もしもアイルランドに竹を含むプラスチック食品接触物質が輸入されたら?

これらの製品は入港を拒否され、輸入業者から供給業者に返却する必要がある。

 

竹を含むプラスチック食品接触物質が既にアイルランドにあり、だが販売されていない場合は?

これらの製品はアイルランドで販売されてはならず、輸入業者から供給業者に返却しなければならない。

 

竹を含むプラスチック食品接触物質が現在アイルランドで販売されていたら?

これらの製品はアイルランドで販売されてはならず、小売業者は販売から回収する必要がある。製品の回収に関するガイドラインは、FSAIガイダンスノートNo.10製品リコールとトレーサビリティ(改訂3)にある。

 

竹を含むプラスチック食品接触物質がアイルランドで販売を継続された場合は?

これらの製品はアイルランドで販売されてはならず、それらが小売業者など企業に販売を回収されなければ、必要に応じて適切な施行措置が取られることになる。

 

竹を含むプラスチック食品接触物質が既に消費者に購入されている場合は?

消費者はこれらの製品を使って飲食するのをやめるよう助言される。

 

企業管理者はEU規則No. 10/2011の認可物質のリストに竹材を追加する申請はできる?

はい、しかしながら、あらゆるプラスチック食品接触物質で使用する前に、販売に先立って、企業および/または管理者はその物質の認可の申請をしなければならない。

 

企業管理者はどのようにこの申請を行うのか?

プラスチック製品に竹材を使用したい企業管理者は、欧州食品安全機関(EFSA)が提供しているガイダンスにしたがって書類を準備する。申請者が作成した書類はその後アイルラン食品安全庁(FSAI)にこのeメールアドレスfcm@fsai.ieで送られることになっている

その後FSAIはその文書を、物質のリスク評価を行うEFSAに送る。欧州委員会の方針で、竹材や他の植物ベースの繊維の認可は、ケースバイケースで申請しなければならない。

この物質のEFSAのリスク評価が肯定的であれば、申請は欧州委員会(EC)に進む。ECと加盟国間の審議後に、その物質はEU規則No 10/2011付属文書Ⅰの物質リストの改訂を通じて認可することができる。いったん認可されると、その物質は認可に設定された制限に従って、これらの製品を製造するあらゆる企業で使用できる。

申請及び認可工程の詳細情報と手順は欧州委員会やEFSAのウェブサイト参照。

一般的なeラーニングトレーニングモジュールを含む食品と接触する物質に関する一般的な詳細情報は、FSAIのウェブサイト参照。

 

[EFSA]意見等

-参考期間2014–2016年と2016–2018年の残留農薬への累積食事暴露の比較

Comparison of cumulative dietary exposure to pesticide residues for the reference periods 2014–2016 and 2016–2018

EFSA Journal 2021;19(2):6394 8 February 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6394

甲状腺に慢性影響のある農薬と神経系に急性影響のある農薬に遡及的食事暴露評価が行われた。暴露評価は2016, 2017 ,2018年の公的農薬モニタリングプログラムで加盟国が収集したモニタリングデータを用いて行われた。二次元確率モデルを用いて10集団の消費者(すなわち、様々な国々の様々な年齢集団から)の暴露推定量が得られた。結果は以前2014, 2015,2016年に得られたものと比較され、暴露は時間が経過しても大幅に変化しなかった。だが、特定食品の1つの農薬にサンプリングの不確実性の増加が確認された。そのため、累積リスク評価を開始する前に、サンプリングの不確実性を削減し潜在的な問題を予測するための戦略が推奨された。

 

-残留農薬による慢性的なアセチルコリンエステラーゼ阻害の累積食事リスク評価

Cumulative dietary risk assessment of chronic acetylcholinesterase inhibition by residues of pesticides

EFSA Journal 2021;19(2):6392 10 February 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6392

慢性的なアセチルコリンエステラーゼの阻害に残留農薬への食事暴露の遡及的累積リスク評価が実施された。この評価で検討された農薬は、神経系への影響のため、農薬の累積評価グループ設定に関する以前の科学的報告書で同定され特徴を記されている。この暴露評価は2016, 2017, 2018年の公的農薬モニタリングプログラムで加盟国が収集したモニタリングデータや、国や年齢の異なる10の消費者集団の個別の食品摂取データを使用した。暴露推定量はSAS®ソフトウェアで実施した二次元確率モデルで得た。累積リスクキャラクタリゼーションは専門家の知識の引き出しに基づく不確実性分析で支持された。10集団それぞれについて、アセチルコリンエステラーゼの慢性的な阻害に寄与する農薬への累積暴露は、リスク管理者が設定した規制上の考慮事項の閾値を超えないことが様々な程度の確実性で結論づけられている。

 

-アブラナ科の葉菜のジフェノコナゾールの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for difenoconazole in leafy brassica

EFSA Journal 2021;19(2):6407 9 February 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6407

EC規則No 396/2005条項に従って、申請者Syngenta Crop Protection AG社は、アブラナ科の葉菜のグループに属する作物のジフェノコナゾールの既存の最大残留基準(MRLs)を改訂するために、オランダの国立管轄機関に要請を提出した。提出されたこの要請を支持するデータは、アブラナ科の葉菜のMRL提案を導出するのに十分だとわかった。妥当性が確認されたLOQ 0.01 mg/kgで検討中の植物本体のジフェノコナゾールの残留物を管理するのに、また、肉の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓、卵には妥当性が確認されたLOQ 0.01 mg/kgで、牛乳には妥当性が確認されたLOQ 0.005 mg/kgで、動物本体のジフェノコナゾールと代謝物質CGA205375のための、利用可能な執行のための分析法が得られた。リスク評価結果に基づきEFSAは、この申請で評価された作物には、報告された農業規範によるジフェノコナゾールの使用から生じる残留物の短期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。代謝物質CGA205375の毒性や、EUのすべての既存のジフェノコナゾールの使用に関する情報不足に関連する不確実性の影響を受けているため、意図した既存のジフェノコナゾールの使用に長期的な消費者摂取の懸念を除外することはできない。概して、このリスク評価は植物のジフェノコナゾールの4つの立体異性体の可能性のある優先的な代謝/分解についての確認データの提出を待つ間、暫定的と見なされ、不足しているデータが得られたときに再検討する必要がある。さらに、この申請は、TDMsの評価のためにリスク管理者が承認した新戦略の申請日である2019年9月以前に提出されたため、この評価はトリアゾール系殺菌剤グループに属する農薬に生成される可能性があるトリアゾール誘導体代謝物(TDMs)を考慮していない。

 

-キャベツ、ジャガイモ、ツゲ属の殺虫剤およびすべての食用/非食用作物の軟体動物駆除剤として植物保護に使用されるカフェインの認可のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of caffeine to be used in plant protection as insecticide in cabbage, potatoes and buxus and as molluscicide in all edible and non‐edible crops

9 February 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6423

EFSAが協議結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関するEFSAの科学的見解を提示した。

 

[EU]査察報告

管理団体―エジプトのオーガニック生産基準の認定管理団体による実践と管理手段

Control Body 2020-7038―implementation by a recognised control body of its organic production standards and control measures in Egypt

11/02/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4335

2020年9月14~29日までエジプトの認定管理団体が適用したオーガニック生産基準と管理手段を評価するための査察。COVID-19パンデミックのため、この査察は文書交換とビデオ会議によりリモートで実施された。管理団体には適切な管理システムがある。執行措置は統一され、EU輸出用オーガニック製品の認定は生産データの包括的な検証に基づいており、違反は適切に処理されている。リスクベースの計画とサンプリング手順にいくつか弱点が確認された。

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on The Detox Clinic Ltd

10 February 2021

https://www.asa.org.uk/rulings/the-detox-clinic-ltd-g20-1071587-the-detox-clinic-ltd.html

デトックスクリニックのウェブサイトでのオゾンでCOVID-19に打ち克つ、大腸洗浄が過敏性腸症候群に役立つといった宣伝に対する苦情申し立て。個人の体験があるとか治療“treat”とは言っていないと主張したがASAは広告基準違反と判断

 

[FSSAI]India@75(インド独立75周年)に向かってもう一歩:2022年までにトランス脂肪酸無しに

Another step towards - India@75: Freedom from trans fats by 2022

February 08, 2021

https://www.fssai.gov.in/upload/press_release/2021/02/6023b317a99acPress_Release_Trans_Fat_10_02_2021.pdf

・2021年1月から全ての油脂の工業由来TFAを3%以下に、2020年1月からは2%以下に

・「工業由来トランス脂肪酸(iTFAs)」の定義は 単価および非共役多価不飽和脂肪酸の全ての二重結合のトランス幾何異性体。乳製品、肉、魚およびそれら由来製品のトランス脂肪酸を除外。

(この定義だと識別できないような)

 

[USDA]テキサスの野生動物展示のクーガーのCOVID-19の確認

APHIS

Confirmation of COVID-19 in a Cougar at a Wild Animal Exhibitor in Texas

Feb 10, 2021

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2021/sa-02/sars-cov-2-texas-cougar

米国でクーガーが陽性確認されたのは初めて。同じ施設の虎一頭も陽性

ヒトから感染したと疑われている

 

[WHO]ヒトへの発がんハザードを同定するIARCモノグラフのウェビナー:根拠の統合方法の近代化と将来の評価の優先順位

Webinar on the IARC Monographs on the Identification of Carcinogenic Hazards to Humans: Modernized methods for evidence integration, and priorities for future evaluations

16 February 2021

https://www.who.int/news-room/events/detail/2021/02/16/default-calendar/webinar-on-the-iarc-monographs-on-the-identification-of-carcinogenic-hazards-to-humans-modernized-methods-for-evidence-integration-and-priorities-for-future-evaluations

 

[EPA]EPAはアスベスト、パート1:クリソタイルアスベストのリスク管理規則について小規模事業者から意見募集

EPA Seeks Small Businesses Input on Risk Management Rulemaking for Asbestos, Part 1: Chrysotile Asbestos

02/11/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-seeks-small-businesses-input-risk-management-rulemaking-asbestos-part-1-chrysotile

EPAは2020年12月に「アスベスト、パート1:クリソタイルアスベスト」の最終リスク評価を発表した。そして次にリスク管理段階に進む。

 

リスク評価は以下

Final Risk Evaluation for Asbestos, Part 1: Chrysotile Asbestos

https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/final-risk-evaluation-asbestos-part-1-chrysotile

(職業暴露のベンチマークはがんにより1万人に一人死亡(10-4)、消費者や近傍にいる人では100万人に一人死亡(10-6)。消費者の暴露シナリオは屋内でDIYで乗り物のブレーキやガスケットを触る、等)

 

[EPA]EPAはアマゾンに農薬の違法販売を中止するよう命令

EPA orders Amazon to halt illegal pesticides sales

02/09/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-orders-amazon-halt-illegal-pesticides-sales

EPAのシアトルオフィスは、Amazon.comに対して、ウイルスから守ると宣伝する複数の製品を含む、危険な可能性のある、あるいは効果の無い無登録農薬および農薬装置を違法で誤解を招く宣伝文句で販売することを止めるよう命令した。

この対応は2020年6月6日の約30製品に対する命令にさらに70製品を加えるものである。

追加された製品のリスト

https://www.epa.gov/sites/production/files/2021-02/documents/amazonservicesllc-2bamendedattachmenta.pdf

(アルコールフリー消毒剤とかオールナチュラル過酸化水素とか塩素系殺菌剤とかいつものTOAMIT Cardwith Neck Strap(ウイルスシャットアウト)とか)

 

論文

-植物ベースの食事と骨の健康:適切なカルシウムとビタミンDの摂取を確保すべき

Plant-based diet and bone health: adequate calcium and vitamin D intakes should be ensured

10-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/uoh-pda021021.php

ヘルシンキ大学の行った研究で、136人の成人を12週間3種類の食事のうちの一つに従ってもらった。一つは総タンパク質のうち70%が動物タンパク質、もう一つは50%、3番目は30%が動物タンパク質で70%が植物タンパク質。動物タンパク質としては赤白両方の肉と乳製品、植物タンパク質は各種豆やナッツ、種子、穀物由来。魚と卵の量は全ての食事で同じ。動物タンパク質を植物タンパク質に置き換えた場合、骨の吸収と形成の両方が増加し、長期的には骨の健康に悪い可能性がある。従って植物ベースの食生活にする場合には骨の健康のために適切なカルシウムとビタミンDの摂取を確保すべきである

The Journal of Nutrition

 

-猫が野生生物を殺さないようにするのに肉を多くしてよく遊んでやることが役に立つ

To help keep cats from killing wildlife, add more meat and play to their day

11-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/cp-thk020321.php

Current Biologyに発表されたExeter大学の環境と持続可能性研究所のRobbie McDonald博士らの研究。猫は屋内飼いが確実だが、猫の福祉を考えて非侵襲的で制限しない方法を探るためイングランドの219家庭335匹の猫で研究。一部のキャットフードは大豆プロテインを使っているが動物由来の肉を増やすことが役に立つ

(共著者に獣医はいないようだが。猫は屋内飼い一択。自由に動き回れることが動物の福祉、という欧州の思想が余計な問題を作り出しているだけのような。猫にビーガン食とかも。欧州の言う「正義」が人類の正義だというのは違うだろう)

 

-The Lancet:新しい報告はTrump政権の健康を損なう政策の壊滅的影響を詳細に記し全面的改革を求める

The Lancet: New report details devastating impact of the Trump administration's health-harming policies, calls for sweeping reforms

11-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/tl-pss020921.php

(トランプ時代の公衆衛生と健康政策に関するLancet委員会による相当政治的な報告書。例えば2020年のCOVID-19による死亡は40%が避けられた、の理由が日本を含むG7の平均死亡率と米国が同じだったらと仮定すると、なので。)

 

-我々の消費者製品に隠れている見えない殺人者

The invisible killer lurking in our consumer products

9-FEB-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/uoef-tik020521.php

Nature Communicationsに発表された水系フードチェーンのナノマテリアル(金ナノマテリアル)を追跡した研究

(タイトルがひどい)

 

-Science

展望 マイクロプラスチックとヒト健康

Microplastics and human health

  1. Dick Vethaak1,, Juliette Legler

Science  12 Feb 2021:Vol. 371, Issue 6530, pp. 672-674

マイクロプラスチックがどこにでもあることからそのヒト健康への懸念を増加させている。最近の研究ではヒトは常にマイクロプラスチックを吸い込み飲み込んでいる;しかしそれらがヒト健康に意味のあるリスクになるかどうかについては理解されているとは言い難い。前進するためには暴露とハザードに関する重要なデータが無いことに対応する必要がある

(現状の解説。グラフィクスあり。「身体に入る」が消化管と肺の中でそれ厳密には「体」の外。食べてもそのまま排出されたら何もおこらないのでは。「DNAにダメージ」を与えるためには細胞の中に入らないと。)

 

ニュースを一目で

News at a glance

Science  12 Feb 2021:Vol. 371, Issue 6530, pp. 654-656

・フェイスブックがワクチンの嘘に対策

・冨ががんの試験結果を形作る

がん治療に関する後期の臨床試験の結果は低所得国の方が患者への利益となる治療法を同定しやすい。JAMA Oncologyに発表された2014-2017年に発表された694の第III相試験の検討結果。途上国からの試験では半分弱、高所得国からの試験では1/3がベネフィットを報告。著者は低所得の国の方が資金が少なくより実用主義だからと考えている

・ツイートされた論文は必ずしもクリックされない

多くの科学者が論文をリンクしたツイートをするが、最近の研究ではその半分は一回もクリックされず、22%は一回しかクリックされない

(ツイッター使ってる端末で論文読むの、難しくない?)

 

-Nature

Volume 590 Issue 7845, 11 February 2021

ヒトゲノムプロジェクト20周年特集号

 

Natureニュース特集

迅速コロナウイルス検査:当惑している人向けのガイド

Rapid coronavirus tests: a guide for the perplexed

09 FEBRUARY 2021  Giorgia Guglielmi

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00332-4

科学者は安価な迅速診断キット数百万がパンデミックコントロールに役立つかどうかについてまだ議論をしている。何故かを説明する

英国や米国で全国に安価な迅速COVID-19検査を大量に行うことが発表されている。しかしそれを巡って激しい論争がおこっている。一部の人は歓迎し一部の人は害の方が大きいという。科学者が合意しているのは迅速検査が何のためなのか、検査陰性は何を意味するのかを明確に伝える必要があること、である。

(以下検査の性能や実施方法、人々が結果をどう解釈するかなどを巡る議論を含む長い記事)

 

COVIDワクチンへの信頼は増加している

Trust in COVID vaccines is growing

10 FEBRUARY 2021  Emiliano Rodríguez Mega

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00368-6

いくつかの国にわたる調査では励みになる傾向が見られているが、研究者らはワクチン躊躇がパンデミックからの回復を遅くする可能性があると警告

 

その他

-ワクチンデマ管理ガイド

VACCINE MISINFORMATION MANAGEMENT GUIDE

Published December, 2020

https://vaccinemisinformation.guide/

UNICEFが支援

パート1:情報化時代の予防接種

パート2:デマ管理のフィールドガイド

結論

ワクチンデマのインフォデミックは公衆衛生上の脅威である

仕事は大変だが行動しないという選択肢はない

デマに免疫をつけることは可能である

オンラインとオフラインの情報両方に対処すべき

デマや誤情報の影響を緩和するには地域の人たちが役割を果たす

ケーススタディ

パキスタンのポリオ:フェイク動画が不審を煽る

フィリピンのデング熱:ワクチンに関する議論がどう広がったか

マラウイのHPV:予防接種展開の前に危機への準備

 

-立法者がニセの幹細胞をCOVIDやその他の治療用に販売した罪で起訴

Lawmaker indicted for selling fake stem cells for COVID & more

By Paul Knoepfler February 4, 2021

https://ipscell.com/2021/02/lawmaker-indicted-for-selling-fake-stem-cells-for-covid-more/

ミズーリ州の医師Patricia Dergesがニセの幹細胞を患者に注射していたことで起訴された件を起点にした幹細胞詐欺の問題点を指摘する記事。

(日本ではSTAP細胞の時に有名になった、幹細胞詐欺についてずっと発言を続けているPaul Knoepfler教授による。)

 

-陰謀論医師が医師免許没収された

Conspiracy theory doctor surrenders medical license

BY BARBARA FEDER OSTROV

FEBRUARY 5, 2021

https://calmatters.org/health/2021/02/conspiracy-theory-doctor-surrenders-medical-license/

デマで悪名高いサンフランシスコの医師Thomas Cowanが医師免許を停止されたが、「無免許健康コーチ」として活動を続ける予定

彼の異端の医学本はアマゾンなどの書籍販売サイトではトップにランキングされている

(星5つのレビューが数百件。トンデモ本に高評価たくさんつくのは日本もだけどあれ本当に信じているのだろうか)

 

-本

ポンチノミクス:マルチレベルマーケティングの裏話

Ponzinomics: The Untold Story of Multi-Level Marketing – November 30, 2020

by Robert L. FitzPatrick  (Author)

https://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0578443511/quackwatch00-20

(1919年ボストンでのネズミ講詐欺で有名なCharles Ponziの名前から)

MLMディストリビューターになった人のほとんどが如何にしてお金を失っているのかを活き活きと詳細にvivid detail描いた本