[EFSA]意見等
-EFSAでのリスクコミュニケーションの今後の方向性
Future directions for risk communications at EFSA
EFSA Journal 2021;19(2):e190201 16 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/e190201
この記事では、EUの食品関連リスクに関する広報やコミュニケーションの情報源としての現在および将来の義務を果たすための欧州食品安全機関(EFSA)の方向性を提案している。これらの方向性は、新しい法的義務、新しい組織戦略サイクルと社会的・技術的進化が引き起こす変化の中でEFSAのコミュニケーションを導くことを目的としている。この記事は、リスクコミュニケーションの実践全体に聴衆解析を組み込むこと、公共情報を作り届けるためのパートナーシップアプローチの展開、デジタルパワーとソーシャルメディアをさらに組み込むことにむけた、場合によってはすでに行われている変化の論理的根拠を要約している。EUの食品安全リスクコミュニケーションの主要聴衆クラスター、関連するコンテンツ戦略、それを推進するための技術的・専門的スキルを説明している。
聴衆(オーディエンス)解析
レベルは3段階
初心者レベル
ある程度情報を持っているレベル
技術者レベル
それに特徴や文化を考慮する
コミュニケーション技術やシステム
・次世代Webツール
・オンラインコミュニティ
・キャンペーン
・マルチメディア
・テレビへの進出
・ニュースメディア
-スピノサドに懸念される特定の既存MRLsに焦点を絞った評価
Focussed assessment of certain existing MRLs of concern for Spinosad
EFSA Journal 2021;19(2):6404 15 February 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6404
EC規則No 396/2005条項43に従って、EFSAは、ピアレビュー中に設定された新しい毒性学的参照値や、現在EFSAが利用できるデータを元にして、消費者摂取の懸念につながる可能性のあるスピノサドの既存の最大残留基準(MRLs)に関する理由付き意見を提出する委任を欧州委員会から受けた。より詳細な評価が必要なこのMRLsの潜在的な懸念を特定するために、EFSAは新しい毒性学的参照値を考慮してスピノサドの既存MRLsを検査し、6つの作物の急性リスクが除外できなかった。この評価で受け取ったデータを元にして、6つの作物すべてに代替MRLsが提案された。
[BfR] グリホサート-次はどうなって、どこで私の意見を言える?
Glyphosate - what comes next and where can I have my say?
Communication No 002/2021 from the BfR of 1 February 2021
https://www.bfr.bund.de/cm/349/glyphosate-what-comes-next-and-where-can-i-have-my-say.pdf
グリホサートは現在、欧州連合では2022年12月15日まで植物保護製剤の有効物質として使用が認可されている。グリホサートの認可更新手続きは2019年12月に開始された。現在の手続き予定によると、2021年にあなたは数多くの参加機会がある。この状況を背景に、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)はこの手続き過程に関する情報を提供している。
他の植物保護製剤の有効物質と同様に、グリホサートは定期的に欧州連合加盟国内で有効物質の見直し査定を行う中で再評価されている。この評価はヒト及び動物の健康リスク、環境及び物質の有効性に取り組むことになる。この過程において、報告国任務は他の加盟国に定期的に担当される。グリホサートについてはこの予期される申請の仕事量のためフランス、ハンガリー、オランダ及びスウェーデンの4加盟国である。これらの国は欧州連合全体での今後の協議や決定の基礎となる再評価報告書を準備する。
現在の有効物質であるグリホサートの認可は、欧州食品安全機関(EFSA)の評価要約報告書を基礎として、2017年に欧州委員会に承認された。それぞれの決定には、欧州化学品庁(ECHA)のグリホサートの分類と表示の評価の結果も含まれた。共同の見直し評価の報告国はドイツ連邦であった。この過程でBfRはヒトに対する毒性の側面を評価する任務を負った。
2015年にドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)からEFSAへの改訂評価報告書(付録)の提出以降、数多くの新たな科学文献が発表されている。これらの研究は、この更新手続きの中で、業界から提出された研究と同様に推薦された報告者により調査されなければならない。確認事項は、有効物質としてのグリホサートの評価にとって新しいデータがあるか、その科学的信頼性や妥当性も含まれる。
すべての関係者、組織、協会あるいは他の関連団体は、資料の最後に強調されているように意見を述べる機会が予定されている。
欧州の手続き過程のイラスト図は以下で見ることができる。
(https://www.efsa.europa.eu/en/topics/topic/glyphosate)
付随して、新たな分類や表示の提案が推測される。この提案には同様に意見募集時に意見することができるだろう。
一般的な情報は以下で見ることができる:
(https://echa.europa.eu/regulations/clp/harmonised-classification-and-labelling)
より詳しい手続き関連情報はECHA、EFSA及び欧州委員会の該当するホームページで見ることができる。
https://www.efsa.europa.eu/en/topics/topic/glyphosate
https://ec.europa.eu/food/plant/pesticides/glyphosate_en
https://echa.europa.eu/registry-of-clh-intentions-until-outcome
https://echa.europa.eu/hot-topics/glyphosate
BfRは、この手続き過程で報告国として名前のない22カ国の他の欧州加盟国と同様に、ピアレビュー過程及び公聴会の一環として欧州評価過程に参加する予定である。
グリホサート- その背景、過去と現在についての状況は?
2019年5月10日、欧州委員会は4カ国(フランス、ハンガリー、オランダ及びスウェーデン)を任命した。これらの国は「報告国」として一緒にグリホサートの未解決の評価のために活動する。これらの国はグリホサート評価グループ(AGG)と呼ばれている。一般に、欧州委員会は総意により報告加盟国を任命する(関係加盟国の同意を得て)。通常、報告加盟国と共同報告加盟国はそれぞれ物質が指定される。グリホサートの場合、資料や仕事量の予想される量がとても大きいと思われたので、負担はAGGである4カ国で分担された。
2019年12月12日、申請者、いわゆるグリホサートリニューアルグループ(GRG、欧州におけるグリホサートの承認の更新を求める企業のグループ)は、2022年以降のグリホサートの更新の承認をAGG、他の加盟国、欧州食品安全機関(EFSA)および欧州委員会に申請した。この申請により、規則(EC)No 1107/2009で規定されているように、欧州連合での更新手続きを正式に開始する。
この申請はGRGにより提出され、AGGが欧州連合の関連する法律の正式な要件(有効物質の更新手続きに関する欧州委員会の施行規則(EU)No. 844/2012)を満たすことを確認した。
必要な科学研究や文献のデータを伴う補足資料が2020年6月8日にGRGにより提出された(2020年6月15日期限以前)。
これらの資料は、すべての入手可能な情報に基づき今後の評価をする前にAGGにより有効性が確認される。この評価はその後ピアレビュー過程を開始するEFSAに送られる。
EFSAにより主導される評価に付随し、ECHAは欧州連合の分類・表示・包装に関する規則(EC)No. 1272/2008(CLP規則)に従い、グリホサートの分類及び表示をレビューするだろう。この化学物質の分類は物質の特性にのみ基づく。物質にどの程度接触する(暴露する)可能性があるかは考慮しない。暴露はEFSA主導のリスク評価過程の一環で考慮される。ECHAの分類及び評価提案はEFSAが結論をだす前の2022年に示されるだろう。
グリホサート-どこでいつ、私の意見を言える?
EFSAの意見募集
EFSAは定期的に権限内である科学テーマに関する意見を募集する。
https://www.efsa.europa.eu/en/calls/consultations
新たなグリホサート評価の意見募集は現在2021年8月/9月を予定している。
ECHAの意見募集
ECHAは2021年5月に加盟国のスウェーデン、フランス、オランダ及びハンガリーの官庁からグリホサートに関するCLH報告書(分類と表示を調整した提案)を受け取る予定である。ECHAからグリホサートの法的な分類の変更に関する意見募集の正確な日程はまだでていない。
新たなCLH報告書が公表された後、以下でこの情報が閲覧できる予定である:
https://echa.europa.eu/registry-of-clh-intentions-until-outcome
グリホサートのテーマに関する詳細な情報はBfRのウェブサイトで閲覧できる:
(https://www.bfr.bund.de/en/a-z_index/glyphosate-193962.html)
[HK]ベジタリアンの食事のナトリウム、糖分、脂肪及びエネルギーについて
Sodium, Sugar, Fat and Energy Contents in Local Vegetarian Dishes
17 Feb 2021
CFSと消費者委員会が2020年6月から7月にかけて、レストランから採集した包装されてないベジタリアンの料理、10種類(99サンプル)のナトリウム、糖分、脂肪及びエネルギーについて共同研究した。
[TGA] 意見募集:吸入ニコチンの基準(TGO110)
Consultation: Standard for vaporiser nicotine (TGO 110)
17 February 2021
https://www.tga.gov.au/consultation/consultation-standard-vaporiser-nicotine-tgo-110
2021年3月31日まで、TGAは吸引式ニコチン製品の基準に関する意見を募集する。
-ウェビナー:吸入ニコチンの基準提案に関する情報セッション
Webinar: Information session about a proposed standard for vaporiser nicotine
17 February 2021
https://www.tga.gov.au/webinar-information-session-about-proposed-standard-vaporiser-nicotine
TGAの未承認の吸入ニコチン製品の安全及び品質要件の提案に関する説明。
[TGA] クソニンジンやニガヨモギを含む医薬品
Various medicines containing Artemisia annua and Artemisia absinthium
17 February 2021
https://www.tga.gov.au/alert/various-medicines-containing-artemisia-annua-and-artemisia-absinthium
TGAは妊娠中に使用すると許容できないリスクを引き起こすとして、高濃度のクソニンジンやニガヨモギを含む医薬品数種類が回収されていると消費者や医療従事者に助言する。
製品リスト
[FSAI] Breakfast Bite 3月3日:食品事業者向け食品表示―知っておくべき事
Breakfast Bite on 3 March: Food labelling for food businesses – what you need to know
Wednesday, 17 February 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/labelling_breakfast_bite_030321.html
小規模事業者向けのオンラインウェビナー。食品事業者が提供しなければならない食品表示に関しての説明を行う。
[FSA] 規制製品申請ガイダンス
Regulated products application guidance
16 February 2021
https://www.food.gov.uk/business-guidance/regulated-products-application-guidance
特定の食品や飼料は規制製品とされ、英国での販売前に許可が必要であり、その許可申請サービスに関しての情報更新。
[FSA] 肉及び肉製品中の抗菌剤耐性(AMR)細菌に関する食品加工の影響についてのレビュー
A critical review of the impact of food processing on antimicrobial resistant (AMR) bacteria in meats and meat products
16 February 2021
このレビューでは、肉及び肉製品中の抗菌剤耐性(AMR)細菌の存在と拡散に関する二次的な食品加工の影響を判断する。また細菌のストレス反応やAMRに関連する食品加工技術の使用の考慮も含まれる最終報告。
[FSA] Boots は誤包装のためマルチビタミンを回収
Boots recalls Multivitamins because they were incorrectly packaged
16 February 2021
https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-07-2021
Boots は誤って鉄分を含み包装したマルチビタミンを回収措置。サプリメントにはビタミンKが含まれず、表示のない鉄分が誤って添加された。
[FDA]消費者情報。毒性セイヨウキヅタやその他の毒のある植物を出し抜く
Outsmarting Poison Ivy and Other Poisonous Plants
02/16/2021
https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/outsmarting-poison-ivy-and-other-poisonous-plants
毒のあるセイヨウキヅタ、オーク、ウルシは一年を通して危険である。毒性を認識すること、毒性植物による発疹は感染しないこと、また、かゆみ、かぶれ及び発疹の予防及び治療について紹介する。
(食用ではない)
[FDA]警告文書
- Dr. Paul's Lab
FEBRUARY 16, 2021
コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正表示の問題。チンキ剤製品を含む。
- Evolved Ayurvedic Discoveries, Inc./BioCBDPlus
FEBRUARY 11, 2021
コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不純品、不正表示の問題。CBD製品を含む。
- JR & Son World Trading LLC
FEBRUARY 03, 2021
FSVP違反の問題。
- My Habitat Brands LLC
FEBRUARY 03, 2021
FSVP違反の問題。
- Vibrant Enterprise LLC
NOVEMBER 24, 2020
FSVP違反の問題。
[FDA] リコール
Adamssecret.coは表示されない成分シルデナフィル及びタダラフィルのためAdam’s Secret Extra Strength 1500と3000カプセルの全国的自主回収を発表する
Adamssecret.co Issues Voluntary Nationwide Recall of Adam’s Secret Extra Strength 1500 and 3000 Capsules Due to Presence of Undeclared Sildenafil and/or Tadalafil
February 16, 2021
Adamssecret.coは表示されない成分シルデナフィル及びタダラフィルのためAdam’s Secret Extra Strength 1500とAdam’s Secret Extra Strength 3000すべてのカプセルを回収措置。製品写真あり。
[NTP]タングステン酸ナトリウム二水和物、ジ-n-ブチルフタル酸、ジ(2-エチルヘキシル)フタル酸についてのNTPテクニカルレポート案のピアレビュー
Peer Review of the Draft NTP Technical Reports on Sodium Tungstate Dihydrate, Di-n-butyl Phthalate, and Di(2-ethylhexyl) Phthalate
2021年4月2日
3月26日まで意見を登録できる
(DEHPのラットでの生殖器の発がん応答が離乳後のみ暴露の方が出産前後からの暴露より強い、のがおもしろい。一般的に周産期をクリティカルとしてこの時期の暴露で影響が大きくなると主張することが多いが、食物アレルギーと同じように、「予防的に」対策すると問題が大きくなる?)
論文
-プラスチックのリサイクルは子どものおもちゃや食品包装のレアメタルに帰結する
Plastic recycling results in rare metals being found in children's toys and food packaging
17-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/uop-prr021621.php
Science of the Total Environmentに発表された、おもちゃや事務機器、化粧品容器などの希土類元素と臭素とアンチモンの調査。31製品から一種類以上の希土類元素が検出された
-遺伝子検査技術は極めて希な変異を間違って検出することを大規模研究が発見
Large-scale study finds genetic testing technology falsely detects very rare variants
15-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/uoe-lsf021121.php
BMJ 乳がんリスクを上げるBRCA1変異があると間違って伝えられて手術した女性の事例からSNPチップを解析した。より正確な次世代シークエンシングと市販のPersonal Genome Project検査の結果を比べた。その結果、SNPチップは良くある変異の検出には良いが希な変異の場合には、10万人に一人以下の場合、84%は偽陽性だった。
-我々はワクチンについてデマを広げる人を犯罪にすべきか?
Should we criminalize those who spread misinformation about vaccines?
17-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/b-swc021521.php
The BMJで二人の専門家が議論
-英国の食物アレルギーによる死亡は希で減少している、研究が発見
Deaths from food allergy rare and decreasing in the UK, finds study
17-FEB-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-02/icl-dff021521.php
NHSのデータを解析した研究で、過去20年で食物へのアナフィラキシー反応による死亡は減少していた。同時期に食物誘発性アナフィラキシーによる入院は増加したにも関わらず。
1992年から2018年の食物アレルギーによる死亡は187件でそのうち少なくとも86件(46%)はピーナッツや木の実。1998年から2018年の食物誘発性アナフィラキシーによる入院は10万人あたり1.23から4.04に三倍になった。BMJ
その他
SMC UK
英国の食品誘発性アナフィラキシーによる死亡率と入院を調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at UK death rate and hospital admissions due to food-induced anaphylaxis
BMJに発表された研究が1998-2018年の20年にわたる英国の食品誘発性アナフィラキシーによる死亡率と入院を調べた
Southampton大学免疫薬理学教授でNatashaアレルギー研究財団理事Sir Stephen Holgate教授
この研究はしっかりしたもので標準的手法を使っている。その欠点も認識されている。価値ある解析であるが過去20年に3倍の増加は問題の一部であり過小評価だろう。アレルギー専門医がいないとアナフィラキシーが診断されない。アナフィラキシーによる死亡は全て予防できる。この研究は入院患者を調べているが多くの患者が救急外来で治療されている。全体像を掴むには全国アナフィラキシー登録導入が必要だろう。
King’s College London小児アレルギー相談医Alexandra Santos博士
この論文は重要なデータを報告している。主要な知見は食物アレルギーによるアナフィラキシーでの入院が増えていることだ。幸い死亡率は減っている。この減少はアドレナリン自己注射処方の336%増加と同時で、これが入院が増えていても死亡が減っていることに貢献している可能性がある。死亡率が低下していても、患者や家族に与えるアレルギーの負の影響を過小評価すべきではなく、さらなる研究が必要である
政府化学者ラボ(LGC)相談審判アナリストMichael Walker博士
英国栄養士会広報担当小児専門栄養士Hannah Whittaker氏
(略)