2021-03-03

[ANSES]無登録GMOを同定できる新しい技術

A new technique capable of identifying unregistered GMOs

19/02/2021

https://www.anses.fr/en/content/new-technique-capable-identifying-unregistered-gmos

アンジェを拠点とするANSESの植物健康研究所が開発した技術のおかげで、現在、遺伝子組換え生物(GMO)の無登録DNA配列を簡単に同定できるようになった。

遺伝子導入による生物の遺伝子組換えは、他の種からそのゲノムに1つまたはそれ以上の遺伝子を導入することからなる。一般にGMOsは、それらを得るために頻繁に使用されるDNA配列を探すことで見つかる。これらの配列により、組み換え生物の細胞は挿入された遺伝子を正しく発現できるようになる。例えば、遺伝子の始まりを意味する35S プロモーター(p35S)がそれに当てはまる。それは一般的にGM植物を生産するために使用される。それが検出されるとGMOが存在することを示すが、どの遺伝子が導入されたか、その機能は何かという情報は提供しない。詳しく知るためには、遺伝子導入で使用されていることがわかっている遺伝子を探す必要がある。だが、リストに記載されている遺伝子が見つからなかったら?ANSESの植物健康研究所が開発した新しい同定戦略は、これまで使用せざるを得なかった面倒な技術を不要にする。

遺伝子組換え植物のリファレンス活動

アンジェを拠点とするANSESの植物健康研究所の細菌学・ウイルス学& GMO (BVO)ユニットは、国のリファレンスラボとしてGMO検出の任務を請け負っている。この立場で、公式な分析法の開発や検証に責任がある。

目的のものが不明でもみつける

開発された技術により、未知の遺伝子配列を素早く同定できる。そのために、その生物のDNAは約6000のDNA bpの断片に分解された(植物のゲノムには数百万bpが含まれている可能性がある)。これらの元々線状の断片は環状にされる;この方法が成功するためにこの段階は重要である。その後それらはインバースPCR技術を使って増幅される。開始点が必要である;ここではそれはp35Sプロモーターである。それを含むDNA断片だけが増幅される。終止点も必要で、それが環状断片にした意味で:増幅は開始点で止まるため全断片が複製できる。p35Sプロモーターの後は標的導入遺伝子が続くため、その配列は増幅されたDNAの配列を決めるだけで得られる。

すべてのGMOsに効果的な技術

この方法は遺伝子組換えペチュニアでテストされた。その結果はScientific Reportsに発表された。この技術は比較的安く、2日以内に新しいGMOの配列を決められる。植物、動物、細菌を含むすべての種類の遺伝子組換え生物に適用される。特に医療分野では、他の応用もあるかもしれない。転移因子(トランスポゾン)と呼ばれる小さな遺伝子配列は、ゲノム内で位置を変え、時には病気を引き起こす。この同定技術は、挿入された場所を決め、その場所が病気の発生にどのように影響するかを理解するのに利用できる。

知っていましたか?

遺伝子組換え生物の屋外栽培はフランスでは認可されていない。だが、そのようなGMOsは輸入可能である。動物用飼料にはよくGM植物が含まれている。微量のGMOsがヒトの食品に見られることがあり、1%以上含まれる食品には表示が必要である。欧州で製品販売が許可されているGMO生産者は、使用する導入遺伝子配列を特定する必要がある。これによりGMOを確認する際にそれらを検出できる。無登録GMOは当然禁止されている。

*追加情報

Boutigny, AL., Fioriti, F. and Rolland, M.

Targeted MinION sequencing of transgenes.

Sci Rep 10, 15144 (2020). doi.org/10.1038/s41598-020-71614-6

https://www.nature.com/articles/s41598-020-71614-6

 

[FDA]FDAは鬱や精神疾患を治療すると宣伝するダイエタリーサプリメントを違法販売していた10企業に警告文書を送付

FDA Sends Warning Letters to 10 Companies for Illegally Selling Dietary Supplements Claiming to Treat Depression and Mental Illness

February 18, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-sends-warning-letters-10-companies-illegally-selling-dietary-supplements-claiming-treat

 FDAは、鬱や精神疾患を治療や緩和、予防すると宣伝するダイエタリーサプリメントを違法販売していた10企業に警告文書を送付した。医療従事者に相談する代わりにこれらの製品を頼ろうとする消費者は、被害を受ける可能性があり、安全性と有効性が確認されている適切な治療を受けられないかもしれない。

たとえダイエタリーサプリメントと表示していても、治療や緩和、予防を意図する製品は医薬品に適用される要件の対象となる。

警告文書(FEBRUARY 18, 2021)

-Native Remedies dba Silver Star Brands 

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/native-remedies-dba-silver-star-brands-612268-02182021

ドロップ、カプセル形態製品を含む。

-Mountain Peak Nutritionals

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/mountain-peak-nutritionals-612219-02182021

5-HTP、ビタミンB成分製品を含む。

-Wholesome Wellness 

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/wholesome-wellness-612257-02182021

ハーブ成分製品を含む

-Enlifta, LLC

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/enlifta-llc-612253-02182021

サプリメント、ハーブ成分製品を含む。

-Lifted Naturals 

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/lifted-naturals-612216-02182021

プロバイオティクス成分製品を含む。

-SANA Group LLC

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sana-group-llc-612256-02182021

GABA、L-トリプトファン、セイヨウカノコソウ成分製品を含む。

-FDC Nutrition Inc.

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/fdc-nutrition-inc-612264-02182021

イノシトール成分製品を含む。

-Dr. Garber’s Natural Solutions

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/dr-garbers-natural-solutions-612226-02182021

-ProHealth Inc.

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/prohealth-inc-612227-02182021

セイヨウオトギリソウの成分を含む。

-Blossom Nature, LLC

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/blossom-nature-llc-612263-02182021

セイヨウオトギリソウの成分を含む。

 

[FDA]FDAは議会報告書を受けてベビーフードの有害元素についての疑問に応える

FDA Response to Questions About Levels of Toxic Elements in Baby Food, Following Congressional Report

February 16, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-response-questions-about-levels-toxic-elements-baby-food-following-congressional-report

 FDAは、食品供給における有害元素への暴露をとても深刻に捉えており、特に、それが最も若齢で感受性が高い集団の健康と安全性の保護につながる場合には深刻だと考えている。有害元素、例えばヒ素、鉛は環境中に存在し、土壌や水、大気を介して食品供給に入り、完全に取り除くことはできない。FDAの目標は、最大限に実施可能な範囲で、さらなる研究や関係者との協力強化によって暴露量を減らすことである。

FDAの規制と監視は米国で販売・製造されたベビーフードの安全性確保を支援する

 2021年2月4日に米国下院委員会の経済・消費者政策に関する改革小委員会が発表したベビーフード中の有害元素に関するスタッフ報告書は、ベビーフード中の有害元素を減らすためにさらに何が出来るのかという重大な疑問を投げかけるものであったが、この問題についてFDAは、優先順位をつけ重点的に労力を注ぐためにリスクベースで積極的に取り組んできた。FDAの科学者は、ベビーフードの有害元素の濃度を「トータルダイエットスタディ」や「食品及び食品容器中の有害元素と食品中の放射性物質」のコンプライアンス計画で定期的に監視している。

食品中の有害元素に健康上の懸念がある場合に、FDAは、アクションレベルの設定などの低減措置、データ公開、有効的な低減戦略を特定するための企業との協働など段階的に対処する

例として、FDAが2011年に乳児用コメシリアルのヒ素について検査を開始して以来、製造業者は汚染低減に取り組み、それらは最終的にFDAが公表したアクションレベルに関する事業者向けガイダンスにつながった。このような取り組みにより、現在の乳児用コメシリアルは10年前よりも安全になった。そして、企業による最新の科学と優良製造規範の導入により乳児用コメシリアル中のヒ素濃度は引き続き減少するだろうと予測している。製造・販売者には、連邦食品医薬品化粧品法のもと、製品の安全性を保証する法的責任がある。法律に違反した製品については、FDAが情報を吟味してケースバイケースで対処する。例えば2021年1月15日には、有害な量の無機ヒ素とカビ毒のパツリンを含むジュース製品の流通を中止するよう、FDAは裁判所の命令をもとに企業に要請した。さまざまな食品の有害元素に関連した輸入警告も複数発出している。さらに、国産と輸入の食品が有害元素の同じ基準値を満たすよう、コーデックスへの参加など、継続的に取り組んでいる。

FDAは、食品に由来する有害元素への暴露を制限するために、すぐに実施可能な消費者向け助言を提供する

議会報告書の勧告に一致して、FDAは、乳児には様々な穀類の乳児用シリアルを食べさせるよう助言してきた。鉄を強化したコメシリアルは乳幼児の良い栄養源ではあるが、それのみを供給源にしたり、最初の供給源にすべきではない。

FDAは、連邦政府のパートナー、業界、消費者、衛生活動家団体とともに、食品由来の有害元素への消費者暴露を減らすという目標を共有し、ともに取り組み続けていく。

 

参考

米国下院委員会の経済及び消費者政策に関する小委員会のスタッフ報告書

Oversight Subcommittee Staff Report Reveals Top Baby Foods Contain Dangerous Levels of Toxic Heavy Metals

Feb 4, 2021

https://oversight.house.gov/news/press-releases/oversight-subcommittee-staff-report-reveals-top-baby-foods-contain-dangerous

 経済及び消費者政策に関する小委員会が、2019年11月6日、米国のベビーフード(オーガニック製品と従来製品)の大規模製造業者7社に向けて、ベビーフード製品中の有害重金属(無機ヒ素、鉛、カドミウム、水銀)に関する社内文書と検査結果の提出を要請した(7社:Nurture, Inc.; Beech-Nut Nutrition Company; Hain Celestial Group, Inc.; Gerber; Campbell Soup Company; Walmart Inc.; Sprout Foods, Inc.)。

 この要請に7社のうち4社が応じ、小委員会が入手したそれら社内文書と検査結果によると、ベビーフードは相当量の有害重金属に汚染されている。Walmart、Campbell、Sprout Organic Foodsら3社は、調査への協力を拒否した。

4社の社内文書からは、次のことが指摘された。

ヒ素

Nurture(HappyBABY)は、無機ヒ素を180 ppb相当含むとの検査結果がでた後もベビーフードを販売した。販売前に検査されたNurtureの25%以上が100 ppbを超える無機ヒ素を含んでいた。Nurtureの検査では、販売された代表的なベビーフード製品は60 ppbの無機ヒ素を含んでいた。

Hain(Earth’s Best Organic)は、129 ppb相当の無機ヒ素を含むベビーフード最終製品を販売した。Hainは原料のみを検査し、最終製品は検査していなかった。文書によるとHainは309 ppb相当のヒ素が検出された原料を使用した。

Beech-Nutは913.4 ppb相当のヒ素が検出された後に、その原料を使用した。Bee-Nutは柔らかさなどの特徴を持たせるために300 ppbを超えるヒ素が検出された添加物を定期的に使用した。Berberは90 ppbを超える無機ヒ素が検出されたコメ粉67バッチを使用した。

Nurtureは641 ppb相当の鉛が検出されたベビーフード最終製品を販売した。Nurtureが検査したベビーフード最終製品の約20%が10 ppbを超える鉛を含んでいた。

Beech-Nutは886.9 ppbを超える鉛を含む原料を使用した。鉛を含む多くの原料が使用された:鉛濃度が5 ppb超過のものを483、15 ppb超過のものを89、20 ppb超過のものを57。

Hainは352 ppb相当の鉛を含む原料を使用した。Hainは鉛を含む多くの原料を使用した:鉛濃度が20 ppb超過のものを88、200 ppb超過のものを6。

Gerberは48 ppb相当の鉛を含む原料を使用し、20 ppbを超える鉛を含む多くの原料を使用した。

カドミウム

Beech-Nutは20 ppbを超えるカドミウムが検出された105の原料を使用し、検査したいくつかの最大は344.55 ppbであった。

Hainは20 ppbを超えるカドミウムが検出された102の原料をベビーフードに使用し、最大は260 ppbであった。

Nurtureのベビーフード最終製品の65%は5 ppbを超えるカドミウムを含んでいた。

Gerberキャロットの75%は5 ppbを超えるカドミウムを含み、最大は87 ppbであった。

水銀

Nurtureは10 ppb相当の水銀を含むベビーフード最終製品を販売した。

Beech-Nut及びHainはベビーフード中の水銀について検査していない。

Gerberはまれにしか検査しない。

 

これらの結果は、その他の製品に対する既存の規制値よりも高い。例えば、FDAがボトル入り飲料水について設定した最大許容値は、無機ヒ素10 ppb、鉛 5 ppb、カドミウム 5 ppbであり、EPAが飲料水(注:水道水)について設定した水銀の許容値は2 ppbである。

 

社内基準は次の通り。

Nurtureは、有害重金属が含まれる量に関係なく、検査した全ての製品を販売する。企業方針によると、Nurtureの検査は消費者の安全性のためではない。FDAは、乳児用コメシリアルに含まれる無機ヒ素は100 ppbまでという、たった一つの基準を最終化した。Nurtureは社内基準として、これより15%高い115 ppbを設定している。

Beech-Nutは、社内基準として、ビタミンミックスなどの添加物中のヒ素とカドミウムについて3,000 ppb、ある種の原料中の鉛について5,000 ppbを設定している。

Hainは、社内基準として、いくつかの原料のヒ素、鉛、カドミウムについて200 ppbを設定した。しかしHainは、その社内基準を超過して353 ppbの鉛と309 ppbのヒ素を含む原料を使用した。Hainは理論計算にもとづき原材料の検査基準逸脱を正当化した。

 

小委員会は、調査協力を拒否した3社のベビーフードについて非常に懸念している。

Hainが有害重金属を多く含む原料(例:ビタミン/ミネラルプレミックス)をベビーフード製品に添加している、との秘密の企業提示があったが、トランプ政権は無視した。FDAは、この件について何も新しいことをしておらず、設定している基準も、乳児用コメシリアルの無機ヒ素100 ppbのみである。

 

小委員会は次のことを勧告する。

検査を義務化:ベビーフード製造業者は、原料ではなく最終製品について有害重金属を検査するよう、FDAから要請されるべきである

表示:製造業者は、食品ラベルに有害重金属の濃度を報告するよう、FDAから要請されるべきである

有害な原料の自主的排除:製造業者は有害重金属の濃度が高い原料の代替品を自主的に見つける、あるいは、コメのように、高濃度の有害重金属が頻繁に検出される原料を多く含む製品を自主的に排除すべきである

FDA基準:FDAはベビーフードに許容される有害重金属の最大基準値を設定すべきである。各重金属について1つの濃度を全てのベビーフードに適用すべきである。そして、その濃度は、有害重金属の神経影響から赤ちゃんを保護すべきものでなくてはならない

保護者は警戒するように:保護者はコメ製品のような有害重金属が多く検出される原料を含むベビーフードを避けるべきである。上記の1から4つの勧告を通じて、保護者らが赤ちゃんを保護するために情報に基づいた決定を下すのに必要な情報を得られるだろう。

 

ベビーフード製造業者は、公共の信頼という特別な立場にある。消費者は、安全でない製品は販売されていないと信じている。消費者はまた、連邦政府は安全でないベビーフードの販売を知っていながら許可することはないと信じている。この報告書は、ベビーフード製造業者とトランプ政権の規制担当者が信頼を打ち砕いたことを露呈する。

 

[MHRA]薬剤師が違法に処方薬を販売したことで12ヶ月の拘留

Pharmacist jailed for 12 months for illegal sale and supply of prescription medicines

2 March 2021

https://www.gov.uk/government/news/pharmacist-jailed-for-12-months-for-illegal-sale-and-supply-of-prescription-medicines

母親の薬局で働いていたBalkeet Singh Khaira 36才は鎮痛剤や抗不安薬などのクラスC処方薬(ジアゼパム、ニトラゼパム、トラマドール、ゾルピデム、ゾピクロン等)を闇市場の価格で100万ポンド以上販売した

 

[TGA]意見募集:消毒剤の効果持続主張の規制要件を明確にする提案

Consultation: Proposal for clarifying regulatory requirements for residual claims for disinfectants

2 March 2021

https://www.tga.gov.au/consultation/consultation-proposal-clarifying-regulatory-requirements-residual-claims-disinfectants

TGAは消毒剤の「最大30日間活性持続」のような宣伝はできるのか、できるとしたら試験法は、といった問い合わせを多数受け取っている。現時点では「活性が残るresidual activity」の定義はなく試験法もない。そこで意見募集を行う

Proposal for clarifying regulatory requirements for residual claims for disinfectants

https://consultations.health.gov.au/tga/disinfectants-residual-claims/

 

[EU]EU健康賞:受賞者

EU Health Award: winners

https://ec.europa.eu/health/award/initiatives_en

2020 EU健康賞は3月2日にオンラインで授賞式を行った

テーマは予防接種の推奨、健康的ライフスタイルの薦め

 

[RIVM]まだ見通しは良くない

Prospects not looking good yet

03/02/2021

https://www.rivm.nl/en/news/prospects-not-looking-good-yet

先週はSARS-CoV-2検査を受けた人が20%増えて陽性の数は7%増加した。再生産数も1を超えた。

2週間前に小学校と保育園が再開して再開と同時に検査方針も変わり、生徒や先生が陽性の場合同じクラスの全員が検査を受ける

感染レーダーでは症状のある人が増えたが花粉症の季節が始まったためである可能性がある。しかし花粉症の人を除いても症状を報告する人が増えている

70才以上と介護施設の感染者は減少していて予防接種の効果を示唆する

(3月1日から中学校一部再開、3月3日から美容師とマッサージ師、自動車教習などが再開、26才未満の人が戸外で2人以上でスポーツのトレーニングができる、等規制が一部緩和されている。額面通り受け取るとかなり規則は厳しいのに減らない。守ってないのだろうけれど)

 

[IARC]25カ国の組織学的甲状腺がん発生率の傾向:集団ベースの研究

Thyroid cancer incidence trends by histology in 25 countries: a population-based study

2 March 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/thyroid-cancer-incidence-trends-by-histology-in-25-countries-a-population-based-study/

IARCとイタリアCentro di Riferimento Oncologico di AvianoとWHOの協力による組織学的サブタイプ別の甲状腺がん発生率の国際的傾向の概要をThe Lancet Diabetes & Endocrinologyに発表。25カ国の1998-2012年の期間の87の集団ベースのがん登録から集めたデータを評価した。

この間に観察されている甲状腺がんの急速な増加は概ね甲状腺乳頭がんに限られている。この知見は国際的なレベルで甲状腺がん過剰診断の疫学的特徴を明確にし、観察されている甲状腺がんの発生率の増加の駆動力が過剰診断であることをさらに確認する

Thyroid cancer incidence trends by histology in 25 countries: a population-based study

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2213858721000279?via%3Dihub

 

[NASEM]中年と若年のアメリカ人の死亡率が増加している;報告書は緊急の国の対応を薦める

Death Rates Rising Among Middle-Aged and Younger Americans; Report Recommends Urgent National Response

News Release | March 2, 2021

https://www.nationalacademies.org/news/2021/03/death-rates-rising-among-middle-aged-and-younger-americans-report-recommends-urgent-national-response

NASEMの新しい報告書「労働年齢成人の高い増加する死亡率」によると、25-64才の米国人の死亡率が2010年以降高い。薬物過剰使用や高血圧性心疾患のような病気での死亡リスクが高い労働年齢のアメリカ人の死亡率が1990年代以降増加している

死亡率増加の主な要因は薬物過剰使用、アルコール、自殺、心代謝疾患。

 

論文

-新しい研究はこれまでで最も詳細にプラセボ効果の神経科学を調べた

New study gives the most detailed look yet at the neuroscience of placebo effects

2-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/dc-nsg030121.php

Nature Communicationsに発表されたプラセボ効果による鎮痛作用のメタ解析

 

-アメリカ動物病院協会とアメリカ猫獣医師協会が更新猫ライフステージガイドラインを発表

AAHA and AAFP release updated feline life stage guidelines to the veterinary community

2-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/s-aaa030221.php

2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines

https://www.aaha.org/felinelifestage

(獣医師向け)

 

-警察によるメタンフェタミンと大麻の押収がパンデミック中に増加した

Law enforcement seizures of methamphetamine and marijuana rose during pandemic

2-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/niod-les030221.php

米国5地域での違法薬物の法的措置の解析によると、COVID-19パンデミック中にメタンフェタミンと大麻の押収が増加した。ピークは2020年8月で過去最高だった。ヘロイン、コカイン、フェンタニルの押収に変化はないが暫定的な過剰使用による死亡データは薬物による死亡が2019年よりさらに増えることを示している。Drug and Alcohol Dependence

 

-ヒ素抵抗性稲

Rice plant resists arsenic

2-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/uoh-rpr030221.php

コメにはヒ素汚染リスクがある。中国とドイツの研究者が稲の品種4000以上を調査し、ヒ素抵抗性の種類を見つけた。この品種はヒ素の多い土壌で育つが他の稲よりコメ中ヒ素が遙かに少ない。Nature Communications

 

-ゲノム編集作物のブームの中、世界の遺伝子組換え作物の規制–レビュー

Global Regulation of Genetically Modified Crops Amid the Gene Edited Crop Boom – A Review

Front. Plant Sci., 24 February 2021

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2021.630396/full

 

-エネルギー摂取に与える炭水化物、脂肪、エネルギー密度の影響

Impact of carbohydrates, fat and energy density on energy intake.

Stubbs, R.J. Nat Med 27, 200–201 (2021).

https://doi.org/10.1038/s41591-021-01241-9

低脂肪食のほうが高脂肪食より自由摂取でのエネルギー摂取が少ない

肥満の原因についての議論では、食欲コントロールについて「炭水化物-インスリン」説と「高脂肪食べ過ぎ」モデルが争っている。今号のNature Medicine ではHallらがそれを検討した

20人の健康な成人で、注意深くコントロールした2週間ずつの無作為化クロスオーバー試験を行った。参加者は1日三回どちらかの食事を与えられ好きなだけ食べられる。そして各種測定を行っている

自由エネルギー摂取への、植物ベースの低脂肪食と動物ベースのケト原性食の影響

Effect of a plant-based, low-fat diet versus an animal-based, ketogenic diet on ad libitum energy intake. 

Hall, K.D., et al. Nat Med 27, 344–353 (2021).

https://doi.org/10.1038/s41591-020-01209-1

(そんなに単純ではないことがわかった)

 

その他

-Scienceニュース

スウェーデンの生徒のCOVID-19リスクを軽視した有名な雑誌のレターを批判者が糾弾する

Critics slam letter in prestigious journal that downplayed COVID-19 risks to Swedish schoolchildren

By Gretchen VogelMar. 2, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/03/critics-slam-letter-prestigious-journal-downplayed-covid-19-risks-swedish

スウェーデンのカロリンスカ研究所の小児科医で疫学者のJonas Ludvigssonは、スウェーデンの非正統的コロナウイルス対策の忠実な擁護者だった。その方針の中には、2020年の春に、まだウイルスの理解が少なく予防対策もほとんどされていない中幼稚園と9年生までの生徒の通学を続ける決定があった。しかし学校が比較的安全なことを示唆するLudvigssonの研究は、休校反対の主張に引用されてきたが、スウェーデンの方針の批判者から何度も繰り返し批判されてきた。

その最新事例が1月6日にNEJMにオンライン発表された研究レターで、それは2020年3-6月のスウェーデンでの生徒と教師の重症と死亡を検討したものである。NEJMに3月1日に発表された二つのレターの著者を含む批判者は、この研究が的外れで注意を逸らすものだという。子どもがCOVID-19で入院や死亡しにくいのはよく知られている;休校は地域でのウイルスの拡大を遅くするためである。

しかしScienceはNEJMに送られたもう一つの苦情の方がより深刻であることを知った:著者は意図的に結論と矛盾する重要なデータを除外したというのである。

それはスウェーデンのVårgårdaの一市民であるBodil Malmbergのものである。彼女はスウェーデンの情報公開法を使ってLudvigssonとスウェデンの主任疫学者Anders Tegnellの間でやりとりされた電子メールを入手した。MalmbergはNEJMの論文のデータに納得がいかなかったので電子メールを要求した。Ludvigssonはメールの内容に異議を唱えなかったが研究の結論は支持した。しかし彼は批判と個人攻撃の集中砲火のためにCOVID-19研究を止めることを決めたという

(メールの内容は7-16才の子どもの死亡数が残念ながら例年同期より多かった、これは偶然であろう、逆に1-6才の死亡数が平均以下なので合計すると増えていない、といったもの。NEJMはこれについてはコメントを拒否。)

 

-Consumer Reports

FDAは「ヘロインより悪い」サプリメント、チアネプチンについて人々に警告するのに9ヶ月待った

The FDA Waited 9 Months to Warn the Public on Tianeptine, a Supplement 'Worse Than Heroin'

By Ryan Felton February 24, 2021

https://www.consumerreports.org/dietary-supplements/fda-waited-9-months-to-warn-public-on-tianeptine-supplement-worse-than-heroin/

FDAが調べている間に人々はこのオピオイドを使用して被害を受け、死亡すらした

2017年後半から2018年の事件。Consumer Reportsが当時の電子メールを入手してFDAの対応の遅さを批判。しかしその後も製品は販売され続け2020年の中毒コントロールセンターへの相談件数は過去最高。

(FDA Takes Action on Products Marketed as Dietary Supplements Containing Tianpetine and Warns Consumers

November 20, 2018

https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm626153.htm

サプリメントは事前評価されていないし権限が限られる。日本でもそう。)

 

-保護者がFDAの食品中有害金属規制の怠慢に噴出

Parents Erupt Over FDA Failure To Regulate Toxic Metals in Food

02/28/202

https://www.politico.com/news/agenda/2021/02/28/fda-toxic-metals-food-471757

今月議会が人気のベビーフードに心配な量の有害金属が含まれているという報告を発表した時、反応は迅速だった。New York Times からDaily Mailまで恐ろしげな見出しが並び数日以内に訴訟がおこされ、既にパンデミックのストレスで苦労していた保護者たちがソーシャルメディアで噴き上がった。あるベビーフード会社のインスタグラムのページには母親が「あなたは金儲けのために赤ちゃんに悪いベビーフードをそれと知っていて売っている。あなたはモンスターだ」と書いた。しかしメーカーへの反応はより大きな問題によって霞む:つまり食品には普通に重金属が含まれていて、健康影響があるのは子どもだけではなく、連邦政府はあまり熱心に減らそうとしていない。

重金属規制強化を訴えているEnvironmental Defense Fundの化学物質政策部長Tom Neltnerは「これはベビーフードの問題ではない。食品の問題である」という。

今月初めに議会が報告書を発表した後、各ベビーフード企業は製品の安全性を保護者に再確認しようとした。一部の成分に重金属濃度が高いとしても規則違反ではない、FDAがほとんどの重金属には規制値を設定していないので。鉛は最も良く研究されている神経毒素重金属だがヒ素、カドミウム、水銀も常に食品中から少量検出されている。科学者が低用量長期暴露の健康リスクをより良く理解しようとし始め、検査法がより低濃度の検出をできるようになって、食品中の有害金属が注目されるようになってきた。この問題をFDAは知っているが特に食品基準が変更されることはなかった。

今回新たな人々の怒りに火がついてバイデン政権は対応を迫られている

(以下長い記事。当然コメを避けろと助言されている。グリホサートなんかより遙かにリスクは高いのでこうなるのは必然。アメリカ市民にはもう少し頑張って企業や政府を責めるだけでは解決しないことに気がついて欲しい。日本人はコメに入っている、というと無視する傾向があるようだ。)