2021-03-05

[EFSA]EFSAのウェブサイトは変身した

EFSA website gets a makeover

3 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/news/efsa-website-gets-makeover

EFSAのウェブサイトが少し変わったことに気づいたかもしれません。サイトの全体的な使いやすさを向上させ、外観と雰囲気を一新するために変更を加えたからである。

また、透明性規則に由来する変更を反映し、まもなく到着する新しいOpenEFSAポータルを補完するように、一部の情報を再編成した。

では、新機能は何?

・モバイルデバイスを使用して閲覧しやすい、親しみやすい、より反応性の高いサイト。

・EFSAのコーポレートアイデンティティに沿った、リニューアルしたデザイン。

・セキュリティ、安定性、速度の向上。

・利用しやすさの向上(特に障害のある人の)。

言語支援の拡大など、さらに改善が進んでおり、今後数週間で操業開始する予定なので、ご期待ください!

 

[BfR]ビーガン食は骨の健康状態の悪さにつながるか?

Does a vegan diet lead to poorer bone health?

09/2021, 01.03.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/09/does_a_vegan_diet_lead_to_poorer_bone_health_-268536.html

ビーガン食が流行っている。この種の食事が健康にどのように影響するかは科学的研究対象である。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の新しい研究では、ビーガン食36人と混合食36人の骨の健康がかかとの骨の超音波測定で判定された。結果:平均して、ビーガン食の人々は他のグループと比較して超音波測定値が低かった。これは骨の健康状態が悪いことを示す。この研究で、科学者たちは血液や尿中のバイオマーカーも測定した。これは、食事と骨の健康に関連する可能性のある栄養素を特定することを目的としている。栄養状態や骨代謝の28のパラメーターのうち、骨の健康に最も強く関連づけられている12のバイオマーカーを特定することができた―アミノ酸リジンやビタミンAおよびB6など。ほとんどの場合、これらのバイオマーカーの組み合わせは、ビーガン食では低濃度であることが結果から示された。これは骨の健康状態の悪さを説明できるかもしれない。「ビーガン食はよく健康に配慮していると考えられている。だが、私達の科学的知見から、ビーガン食は骨の健康に影響を与えることが示された」とBfR長官Andreas Hensel医学博士は述べた。

Vegan Diet and Bone Health—Results from the Cross-Sectional RBVD Study

https://www.mdpi.com/2072-6643/13/2/685/htm

 

[BfR]BfRはヘンプ含有食品の評価基準としてARfDを薦める

The BfR recommends acute reference dose as basis for assessing hemp-containing foodstuff

26.02.2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/the-bfr-recommends-acute-reference-dose-as-basis-for-assessing-hemp-containing-foodstuff.pdf

テトラヒドロカンナビノール(THC または Δ9-THC)は、ヘンプ含有食品に存在する可能性のある向精神性カンナビノイドである。特定の摂取量を超えると、この物質は、気分変動や倦怠感など望ましくない健康影響をもたらす可能性がある。そのような影響の発生を避けるために、消費者の健康保護と獣医学の連邦研究所(BgVV)は、2000年に様々な食品グループの最大THC量の指針値を助言した。飲料の指針値は0.005 mg/kg、食用油は5 mg/kg、他のすべての食品は0.150 mg/kgとした。2018年にBfRは、これらの値が現在の科学的知見に対応していないという結論に達した。BfRは代わりに、ヘンプ含有食品の毒性学的評価は、2015年に欧州食品安全機関(EFSA)が導出した急性参照用量(ARfD) 1 マイクログラム Δ9-THC/kg体重に基づいて実施するよう助言した。このARfDは、健康への検出可能なリスクなく1日の間―1回の食事中または数回の食事中―に食品で摂取できる物質の推定最大量を規定する。BfRの観点から、ARfDを超える可能性があるかどうかは、評価中の各製品について、ケースバイケースでチェックする必要がある。測定したTHC量と推定摂取量がこの評価で用いられる。後者に関する情報は「EFSAの包括的欧州食品摂取データベース」で見られる。

 

[HSA]消費者が「Bobba Fitz」摂取後に動悸や気分変動を起こした―HSAは禁止物質シブトラミンを含むことを検査で示した

Consumer Experienced Palpitations and Mood Swings After Taking 'Bobba Fitz' - HSA Tested Product to Contain Banned Substance Sibutramine

1 MARCH 2021

https://www.hsa.gov.sg/announcements/press-release/bobba-fitz

1 保健科学庁(HSA)は減量製品として販売されている「Bobba Fitz」や「Bobba Toxx」を購入または摂取しないよう人々に警告している。「Bobba Fitz」は乳清タンパク質、ココアパウダー、ガルシニア・カンボジア(果物由来成分)などの天然成分が含まれていると表示されているが、HSAは深刻な悪影響を引き起こす可能性のある禁止物質シブトラミンが含まれているという検査結果を出した。「Bobba Fitz」は、もう一つの製品「Bobba Toxx」とセットで販売されていることが多く、これには通常量の約4倍の下剤(センノシド)が含まれていた。どちらの製品も10個の粉末小袋入りの箱に梱包されている。

2       この製品は国内の電子取引およびソーシャルメディアプラットフォームで販売された。HSAはShopee、Lazada、Facebook、Instagramなどの様々なプラットフォーム管理者と協同して影響を受けたリストをすぐに削除し、各販売業者に警告を出した。HSAが分析した製品の写真をpdf版の添付書類Aで参照してください。

3       一人の女性が「Bobba Fitz」と「Bobba Toxx」の摂取後に動悸と気分変動を起こした。彼女はそれ以来両製品の摂取をやめ、有害影響は収まった。彼女が摂取を続けていたら、有害影響は悪化した可能性がある。

4        シブトラミンは心臓発作や脳卒中のリスクが高まるため、2010年以降禁止されている。シンガポールでは、以前は処方箋が必要な減量薬だった。シブトラミンを混ぜた製品を摂取した消費者に報告された他の深刻な有害影響は、不眠症、幻覚、幻聴などである。2019年に、一人の消費者が非常に速い心拍になって意識を失った。彼女は蘇生し、除細動器(心臓の機能を助ける医療機器)の移植を必要とする状態になった。

5       センノシドは便秘の緩和に使用される下剤である。多量摂取すると、筋けいれん、下痢、水分と必須ミネラルの過剰損失などの有害影響を起こす可能性がある。長期間使用すると慢性便秘、液体と電解質の異常、膨満感、腹痛を引き起こす可能性がある。

消費者への助言

6       消費者への助言は:

・「Bobba Fitz」と「Bobba Toxx」の摂取をすぐにやめて、気分が悪く感じたり健康に懸念がある場合は医師に相談すること。

・運動や食事管理をする必要のない素早い減量を大げさに主張する、あるいは予想外に速く効果を出す製品に注意すること。それらはあなたの健康に深刻な害を及ぼしかねない強力な成分を含む可能性がある。体験談は通常検証できないため、オンライン製品のレビューを信じないこと。

・体重を減らす早く簡単な方法はない。体重管理はバランスのとれた食事と適切な運動の組み合わせで達成するべきである。体重を管理する手助けが必要な場合は、医師、栄養士、医療従事者に相談してください。

販売業者と卸売業者への助言

7        すべての販売業者と卸売業者はすぐにこれらの製品の販売をやめなければならない。HSAは禁止された物質や強力な成分での混ぜ物が見つかった製品を販売および供給する人に対して厳しい執行措置を執ることを躊躇しない。販売業者と卸売業者は有罪判決を受けると起訴される可能性があり、最大2年間の懲役および/または最大10,000ドルの罰金が科せられる場合がある。

8       この不法製品の販売および供給に関する情報を持つ一般の人々はHSA執行部に電話やメールで連絡するとよい。

 

[MHRA]MHRA医薬品警告のタイトルと分類の変更

Changes to MHRA Drug alert titles and classification

4 March 2021

https://www.gov.uk/drug-device-alerts/changes-to-mhra-drug-alert-titles-and-categories

2021年2月1日から新しいものに変更している

医薬品リコールと通知分類の説明

https://assets.publishing.service.gov.uk/media/603e5217e90e077dce4d386f/Logo_.pdf

クラス1 医薬品リコール:死亡や障害のリスクとなる

クラス2 医薬品リコール:患者に害を与える可能性があるが命に関わることは無い

クラス3 医薬品リコール:患者に害を与える可能性はありそうにない

クラス4 医薬品通知:患者に脅威とはならず製品の安全性や有効性に重大な欠陥は無い。軽微な包装の問題や印刷物のミスなど。使用注意通知が出される場合がある

企業による医薬品リコール/通知:認可者が影響のある顧客を同定できているため医療システム全体に警告する必要が無い場合

アラートをリコールに変更。アラートという用語を患者安全性警告の定義を満たすとき以外使わないため

 

[PHE]Grenfell塔の火事後の環境モニタリング

Environmental monitoring following the Grenfell Tower fire

4 March 2021

https://www.gov.uk/government/publications/environmental-monitoring-following-the-grenfell-tower-fire#history

2020年再開後のデータ公表。

大気汚染の指標とダイオキシン、フラン、PCB、多環芳香族炭化水素、アスベスト。

 

[FAO]2020年農作物市場の状態

The State of Agricultural Commodity Markets 2020

http://www.fao.org/home/digital-reports/state-of-agricultural-commodity-markets/en

インタラクティブ報告書概要

 

[RIVM]報告

-娯楽目的のタバコなしのニコチン製品

Nicotine products without tobacco for recreational use

04-03-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/nicotineproducten-zonder-tabak-voor-recreatief-gebruik

ニコチンを含む粉末の小袋を上唇の下においてニコチンを粘膜吸収するニコチンパウチの人気が高まっている。ニコチンには依存性があり健康に有害である。そのためRIVMはニコチンパウチ(嗅ぎタバコ、スヌース)を使わないよう助言する。より厳しい規制と公共広報が必要である

 

-殺鼠剤と緑の沈着物(苔)除去剤の個人使用

Private use of rodenticides and green deposit removers

04-03-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/particulier-gebruik-van-rodenticiden-en-middelen-tegen-groene-aanslag

政府は人々にバイオサイドや殺虫剤のような化合物の使用を減らして欲しい。化合物を使わない方法のほうがしばしば環境に良いからである。RIVMは2014-2019年の間に二種類のバイオサイドがどのくらい売れたか調べた。

殺鼠剤は毎年の量に変化はなかった。2019年に個数が増えたが一個あたりの量が減ったためである可能性がある。消費者調査からはネズミを駆除するのにしばしば同時に複数の対策(殺鼠剤とネズミ罠)がとられている。

苔除去剤の販売量は減っている。最もよく使われている方法は高圧クリーナーである

(庭や家の壁などの苔ってとるものなんだ?石の苔を剥がして怒られたことならあるけど)

 

[FSSAI]メディアコーナー

包装済み食品企業がFSSAIに一部の製品の包装表面表示規制除外を求める

Packaged food companies request FSSAI to keep some products out of front-of-pack labelling regulations  

Dated: 03-03-2021

https://www.fssai.gov.in/upload/media/FSSAI_News_Packaged_Economic_04_03_2021.pdf

ジュース、クッキー、お菓子のFOP表示を「実践上の問題」のため規制対象外にすることを要求。例えば砂糖が10%以上の製品は「砂糖が多い」と包装表面表示しなければならないが、ジュースはその90%が天然の糖由来のカロリーなので「不健康」あるいは「砂糖が多い」と表示しなければならない

(そうしろという命令なのだが、おそらく100%ジュースを不健康と言って欲しくないのだろう。栄養不良の子どもにとって全く不健康ではないと思うけれどFSSAIは欧米のやってることをそのまま採用するのが先進的だと考えているようなのでかみ合わない。)

 

[IARC]論文

-IARCゲスト編集者による雑誌Molecular Oncologyの特別号

Special Issue of the journal Molecular Oncology, coordinated by IARC guest editors

4 March 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/special-issue-of-the-journal-molecular-oncology-coordinated-by-iarc-guest-editors/

一次予防にフォーカス

オープンアクセス

Molecular Oncology Volume 15, Issue 3 Pages: 739-813 March 2021

https://febs.onlinelibrary.wiley.com/toc/18780261/2021/15/3

タバコ、労働環境、気候変動、HPVワクチン、運動、肥満、等

(超加工食品の例として蒸留酒を挙げて、必須ではなく環境と健康に悪いと主張しているの、初めて見た。昔は種類が多く多様な食品からなっていた食生活が僅かな種由来になったというのも違う。個人の食生活は明らかに国際貿易で多様になった。世界の多様性が減った、というのは個人の食事の多様性とは別次元の話。こういう欧州の先進的活動家の価値観が無条件に正しいという感じの文章がとても多い)

 

-子宮頸がんのサーベイランスとコントロールにおける集団ベースのがん登録の役割と有用性

The role and utility of population-based cancer registries in cervical cancer surveillance and control

4 March 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/the-role-and-utility-of-population-based-cancer-registries-in-cervical-cancer-surveillance-and-control/

Preventive Medicineの子宮頸がん根絶特集号にIARCの科学者等ががん登録の概要を発表

オープンアクセス

From Science to Action to Impact: Eliminating Cervical Cancer

https://www.sciencedirect.com/journal/preventive-medicine/vol/144/suppl/C

 

論文

-国連:消費者レベルで利用可能な全ての食品の17%は無駄になっている

UN: 17% of all food available at consumer levels is wasted

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/tca-u1o030121.php

国連環境計画の2019年の推定。The Food Waste Index Report 2021

 

UNEP Food Waste Index Report 2021

04 March 2021

https://www.unep.org/resources/report/unep-food-waste-index-report-2021

 

-キャットニップは新しいDEETになるか?

Could catnip become the new DEET?

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/nu-ccb022521.php

Current Biologyに発表された研究で、キャットニップの成分であるネペタラクトンの蚊の忌避作用メカニズムを報告

(イラストが。)

 

-子宮頸がんの無い世界:Preventive Medicineはこの恐ろしい病気の根絶のさらなる世界的努力のために特別号を発表

A world without cervical cancer: Preventive Medicine publishes special issue to further global efforts to eliminate deadly disease

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/e-aww030421.php

100人以上の科学者が2030年までに子宮頸がんを根絶するWHO世界戦略目標達成のためのガイダンスを提供

(日本のHPVワクチン報道災害は他国にとっては教訓だろう。反ワクチン活動家が強かったのではない、報道機関が政府のやることに警戒し警告するのが正義だというマインドなのが問題。)

 

-母乳を与えている乳児に食物アレルギーがある場合母親には何を食べるかについてガイダンスが必要

Moms need guidance on what to eat when their breastfeeding infant has a food allergy

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/acoa-mng030421.php

研究は30%の母親が乳児がアレルギーがある食品を食べることについて矛盾した助言を受け取っていることを示す。Annals of Allergy, Asthma and Immunology。

母親が食べることで子どものアレルギーがどうなるのかについての良い根拠がほとんど無い。

 

-COVID-19パンデミックが孤独やその他の社会問題を、特に女性で、増やした

COVID-19 pandemic has increased loneliness and other social issues, especially for women

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/mc-cph030421.php

MayoクリニックがSocial Science & Medicineに発表した研究。負の影響は女性と健康状態の悪い人に不平等に大きかった。パンデミック中は身体的(物理的)距離をとることは重要であるが関係性の距離をとることは精神衛生と福祉に不当な害を与える。

(だからSocial distancingではなくphysical distancingという言葉を使うように注意している。いまだに「ソーシャルディスタンス」を連呼している団体・人たちは情報更新を怠っているので要注意)

 

-COVID-19ロックダウンはタバコ使用増加と関連

COVID-19 lockdown linked to uptick in tobacco use

4-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/cums-cll030421.php

米国。International Journal of Drug Policy

 

Science

今週号のScienceは東日本大震災を取り上げている。

-ニュースを一目で

News at a glance

Science  05 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6533, pp. 968-970

・2000年前の墓がヒトとペットのつながりを示す

かつてローマの港町だった場所に既知では世界最古のペット墓地が同定された。約600の犬猫が穴を掘って陶器や布その他装飾品に覆われて横たえられていた

・「身内びいき」雑誌が調べられる

5000以上の生命医学雑誌を調べたところ明らかなえこひいきのパターンが発見された。206の雑誌で2015-2019年に発表された論文のうちたった一人の著者が11-40%を占めた。こうした「身内びいき」雑誌100をさらに調べると、特に多い著者は1/4の雑誌で編集長であり、60%以上で編集委員だった。目立つ著者はピアレビューも早い。研究チームはAix-Marseilles大学の微生物学者Didier Raoultの論文を精査してこの解析を行った。Didier RaoultはCOVID-19の治療法としてヒドロキシクロロキンを推奨していたが彼以外の研究では利益があるという根拠はほとんど無かった。Raoultは現在フランス医療規制当局の懲戒処分に直面しているが、彼の同僚が編集者であるNew Microbes and New Infectionsの728論文の1/3に著者として名前がある。

 

-特集 核医学

Nuclear medicine

Dennis Normile

Science  05 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6533, pp. 978-982

福島災害のサバイバーに放射線についての助言を10年行ってきて、Masaharu Tsubokuraは避難の方が遙かに大きな健康リスクとなったと考えている

「放射線で死亡した人は一人もいない。しかし住んでいた場所を追い出すことで何万人もの人々に明確な社会的健康的問題をおこした」

(長い記事。南相馬の女の子が避難しないと赤ちゃんを産めなくなるなどというひどいことを言われた話とか。坪倉先生のメンターとして紹介されているのがDr. Masahiro KamiとDr. Kenji Shibuyaなのがなんでこうなったのか、感)

 

-終わりの無い除染

Endless cleanup

Dennis Normile

Science  05 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6533, pp. 983

福島原子力発電所の解体には少なくともあと30年はかかるだろう

 

-自然界での感染症と社会的距離をとること

Infectious diseases and social distancing in nature

Sebastian Stockmaier et al,

Science  05 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6533, eabc8881

COVID-19パンデミックにより「ソーシャルディスタンス」をとるようにという呼びかけが世界的に拡がった。ソーシャルディスタンシングは動物の種を超えて、自然におこっている。Stockmaierらがレビューする

病気の個体を排除する行動は動物に観察される。一方で病気の個体を看病する行動はヒト以外ではあまりみられない。それが病原体の性質の変化にどう関係するのか、等

 

-米国西部で蝶が消えている-しかし科学者が考えていた理由では無い

Butterflies are vanishing in the western U.S.—but not for the reasons scientists thought

By Elizabeth Pennisi Mar. 4, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/03/butterflies-are-vanishing-western-us-not-reasons-scientists-thought

地球では過去数十年で昆虫の種が減少し、昆虫アポカリプスの最中である。科学者たちはしばしばそれを住処の消失や殺虫剤の使用が原因だと非難してきた。しかし米国西部での蝶の研究は、秋の暖かさが大きな理由かもしれないことを発見した。この知見は蝶の問題だけに留まらない。地球温暖化に直ちに対応しなければ、生態系全体に大きな影響があるだろう。

(ヒトの活動に関係の無い保護区でも減少。ところで人為でない気候変動による生態系の変化には生態学者はどういう立場なのだろう?)

 

その他

-SMC NZ

Dirty Politicsの攻撃で公衆衛生研究者が謝罪される–ニュースから

Public health researchers apologised to after Dirty Politics attacks – In the News

Published: 04 March 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/03/04/public-health-researchers-apologised-to-after-dirty-politics-attacks-in-the-news/

Nicky Hagerが2014年に政治的攻撃ブログを調査して書籍Dirty Politicsを著してから数年、さらなる一章が今週終わった。広告コンサルタントCarrick Grahamが3人の公衆衛生研究者(オタゴ大学Doug Sellman、オークランド大学Boyd Swinburn 、そしてもとマオリ禁煙同盟のShane Bradbrook)に謝罪した、オークランド最高裁判所で昨日。

彼は今は存在しないWhale Oilウェブサイトで偽名を使ってたくさんの事実で無い、不公正な、侮辱的な、失礼な、中傷する主張をした。

Swinburnはオンラインで中傷していた男性は「巨大タバコと砂糖企業」からお金をもらっていたと主張している。

(タバコ企業と食品食料品協議会からお金をもらって公衆衛生研究者を中傷する記事を書いたり映画を作ったりしていたというスキャンダル。今時そんな下手な手を使うの?)

 

-ラウンドアップの原告の弁護士は8億ドル以上の費用を巡って争う

Roundup Plaintiffs’ Lawyers Spar Over $800 Million in Fees

By Sara Randazzo March 4, 2021

https://www.wsj.com/articles/roundup-plaintiffs-lawyers-spar-over-800-million-in-fees-11614862800

バイエルとの訴訟を主導した弁護士事務所は100億ドル近くの和解金のうち、後から裁判に加わったところより多くをとる権利があると主張する

(弁護士事務所間の争い。事件を成立させるための費用とテレビ広告で訴える人を探す費用とどちらも膨大なので分け前争いが激しいとのこと)