2021-03-10

[EFSA]意見等

-規制対象製品のライフサイクル中申請支援のEFSAのカタログ

EFSA's Catalogue of support initiatives during the life‐cycle of applications for regulated products (update 2021)

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6472  3 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6472

関係者との関わりや科学的リスク評価作業の理解を深めるためのEFSAの進行中の取り組みの一環として、EFSAは、双方向で反応の早い評価プロセスを確立する目的で、規制対象製品の申請における顧客指向アプローチを開発した。申請者の積極的なアクセスを奨励するために各支援の詳細を記述している。

 

-農薬有効成分ピアレビューの文書と評価報告書の提出および最大残留基準(MRL)申請手続きに関する行政ガイダンス

Administrative guidance on submission of dossiers and assessment reports for the peer‐review of pesticide active substances and on the maximum residue level (MRL) application procedure

EFSA Journal 2021;18(18):EN-6464  3 March 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6464

この文書は、農薬有効成分の承認に関する、また最大残留基準の設定のための文書を提出する申請者へのガイダンスを提供する。透明性規則は提出前段階と申請手続きに新しい規定を導入することで一般食品法を改正した。この文書は申請者や最大残留基準を設定するための申請に関する評価加盟国へのガイダンスも提供している。

 

[FDA]FDAの、有害元素を含む食品中化学ハザードについての企業への文書と、FDAの赤ちゃんや小さい子どもの食品の安全性向上のために努力について更新

FDA Letter to Industry on Chemical Hazards, including Toxic Elements, in Food and Update on FDA Efforts to Increase the Safety of Foods for Babies and Young Children

March 5, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-letter-industry-chemical-hazards-including-toxic-elements-food-and-update-fda-efforts-increase

米国食品医薬品局(FDA)は、赤ちゃんや小さい子供用食品の有毒元素をさらに減らすための私達の仕事の最新情報を提供する。有毒元素は環境中に存在するため、食品供給に存在する。特定食品のヒ素、水銀、カドミウムの量は多くの要因による;例えば、生育条件、製造および農業工程、過去や現在の環境汚染、元素を取り込む食用作物の遺伝的能力など。私達はアメリカの子供たちの健康についての国民の懸念を共有し、検査を通じてわかった量で、子供たちに食品中の有毒元素暴露による差し迫った健康上のリスクがないことを両親や保護者に再確認したい。FDAは定期的に食品中の有毒元素の量を監視しており、健康リスクを引き起こすことがわかると、FDAはそれらの食品を市場から取り除くための措置を講じる。

研究により、有毒元素への暴露を減らすことは、乳児や子供たちの脳の発育に長期的に影響する可能性を最小化するのに重要だとわかった。従って、この問題はFDAの最優先事項の1つであり、私達は、乳幼児が一般的に摂取する食品をより安全にするために、影響力のある解決の特定と実施を推進することに積極的に取り組んでいる。

企業への文書

FDAがこの分野の仕事を進めるには、企業も同様にしなければならない。本日FDAは、「ヒト用食品のためのCGMP、ハザード分析、リスクに基づいた予防コントロール」規則の予防管理規定の対象である、乳幼児用食品の製造業者と加工業者に文書を出した。この文書は、乳幼児用製品などのハザード分析を実施する際に、有毒元素などを含む化学ハザードリスクを考慮する既存の責任を彼らに再確認する。予防管理規定は、管理が必要な特定された化学ハザードを大幅に最小化または防止するため、企業に管理を実施するよう求めている。例えば、一部の製造業者は最終製品の検査などの検証活動を実施することがある。

両親や保護者への助言

FDAは、必要な栄養素を得るために年齢に適した様々な健康的な食品を含む食事について、小児科医と話すよう助言する。適切な成長と発育のために、両親や保護者は、生後6ヶ月以上の赤ちゃんに鉄分強化穀物や他の鉄を含む食品を確実に与える必要がある。米国小児科学会には乳幼児に食事を与えるための詳細な助言がある。

 

図 バランスのとれた食事へのカギは、様々な健康的食品を食べることである。

 

FDAは両親や保護者に、パック入り離乳食を与えるのを否定したり、乳幼児に特定の食品を与えるのを完全にやめるよう助言していない。食品供給中に発生する特定の有毒元素を避けるために子供の食事から食品グループを排除すると、特定の栄養素が不足し、健康状態が悪化する可能性がある。

食品製造業者は、より低濃度の有毒元素の成分を使用できる能力があるため、自分で離乳食を作ることを選択した親は、手作りが離乳食中の有毒元素の潜在的な暴露を減らす可能性は低く、それどころかより高濃度になる可能性があることを知ることが重要である。最後に、私達は両親や保護者は、乳児に自家製の乳児用ミルクを作って与えようとしないことが重要だと強調したい―これが有毒元素への暴露を減らす可能性は非常に低く、乳児は、重度の栄養不足や微生物による食中毒など、生命を脅かす結果に苦しむことになる。

FDAの活動の更新

FDAは乳幼児用食品の有毒元素の量をさらに削減するための総合計画を最終化している。

短期的には、FDAは以下のことに取り組んでいる。

・リンゴジュースガイダンス案のヒ素の最終化やジュース中の鉛のアクションレベルガイダンス案を発表することなど、食品をより安全にするのに役立つ現在のアクションレベルの再検討や、追加のアクションレベルの開発。

・査察を含む、焦点を絞ったコンプライアンスおよび執行活動

・現行の規則で義務を果たす方法について企業にガイダンスを提供すること。

 

FDAはこれらの製品を対象とした継続的な監視サンプリング業務も継続する予定である。

私達は、乳幼児用食品中の鉛、カドミウム、水銀、ヒ素のアクションレベルの開発に役立てるために、連邦政府のパートナー、学界、他の関係者と協力したいと思っている。私達は乳幼児が一般的に食べる食品中のそれらの存在の程度をよりよく理解するために、さらなるデータ源を探し、これらの元素の検査を増やす予定である。私達はまた継続して、様々な食品中の有毒元素の量の変動性や、もしあるなら、低用量暴露による幼児期の発育への潜在的な影響についての理解を深めていくつもりである。さらに、来年には、FDAはこれらの問題に関する知識を共有するために私達の関係者を集めてワークショップを開催し、緩和戦略の可能性について話し合う予定である。

乳児用米シリアル中の無機ヒ素のアクションレベルを設定するための作業で明示されたように、食品中の有毒元素の量の削減プロセスは複雑で多面的である。食品中の有毒元素を制限するための対策が、栄養面で大きなメリットがある食品の排除、あるいはある有毒元素の存在を減らして別の有毒元素を増やすような、意図しない結果をもたらさないことを確実にするのが重要である。この理由のため、FDAのプロセスは慎重かつ包括的でなければならない、そして、来週には私達は計画を共有し、この重要な問題に関するFDAの今後の作業のより詳細情報を提供する予定である。

 

消費者向け追加情報

・FDAは赤ちゃんと小さい子供用食品中の有毒元素のさらなる削減を目的とした新しい対策を公表する

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-announces-new-actions-aimed-further-reducing-toxic-elements-food-babies-young-children

・FDAインフォグラフィック:バランスのとれた食事へのカギは様々な健康的な食品を食べることである

https://www.fda.gov/media/146439/download

・ヒ素の暴露を制限するためにできること

https://www.fda.gov/food/metals-and-your-food/what-you-can-do-limit-exposure-arsenic

・消費者向け:米と雑穀中のヒ素について妊婦と親が知っておくべき7つのこと

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/consumers-seven-things-pregnant-women-and-parents-need-know-about-arsenic-rice-and-rice-cereal

・重金属とあなたの食品

https://www.fda.gov/food/chemicals-metals-pesticides-food/metals-and-your-food

 

[FAO]フードシステムが世界の温室効果ガス排出の1/3以上

Food systems account for more than one third of global greenhouse gas emissions

9 March 2021,

http://www.fao.org/news/story/en/item/1379373/icode/

Nature Foodに発表された先駆的研究によれば。

この研究はFAOとECの合同研究センターによるもので新しいデータベースEDGAR-FOOD を発表

https://edgar.jrc.ec.europa.eu/overview.php?EDGAR_FOOD

 

Crippa, M., Solazzo, E., Guizzardi, D. et al.

Food systems are responsible for a third of global anthropogenic GHG emissions. Nat Food (2021).

https://www.nature.com/articles/s43016-021-00225-9

2015年のフードシステムからの排出は18 Gt CO2当量/年 で総温室効果ガス排出量の34%。最大の寄与は農業と土地使用変更活動で71%、残りがサプライチェーン活動:小売り、輸送、摂取、燃料生産、廃棄物管理、加工や包装。

 

[NTP]テクニカルレポート

雌Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) ラットに強制経口投与したヘキサクロロベンゼンの毒性試験

Toxicity Studies of Hexachlorobenzene Administered by Gavage to Female Sprague Dawley (Hsd:Sprague Dawley SD) Rats

https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/tox/000s/tox077/index.html

 

[RIVM]COVID-19検査陽性数は先週と同程度

Number of positive COVID-19 tests at the same level as last week

03/09/2021

https://www.rivm.nl/en/news/number-of-positive-COVID-19-tests-at-the-same-level-as-last-week

介護施設やケアセンターでの感染は減少し続けていて、ワクチンの効果。

 

-オランダ政府

さらなる制限緩和はまだできない

Further easing of restrictions not yet possible

08-03-2021

https://www.government.nl/topics/coronavirus-covid-19/news/2021/03/08/further-easing-of-restrictions-not-yet-possible

(制限は厳しいので、守られてないんだろう)

 

[CDC]BMIとCOVID-19関連入院、ICU入院、侵襲的人工呼吸、死亡リスク-米国、2020年3-12月

Body Mass Index and Risk for COVID-19–Related Hospitalization, Intensive Care Unit Admission, Invasive Mechanical Ventilation, and Death — United States, March–December 2020.

Kompaniyets L, Goodman AB, Belay B, et al. MMWR

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7010e4.htm?s_cid=mm7010e4_w

148494人のCOVID-19米国成人で、BMIと重症度に非線形の関連があった。BMIが健康体重と過体重の間の閾値近くの場合に最もリスクが低く、それからBMIが高くなるとリスクが増加する。過体重と肥満は侵襲的人工呼吸のリスク要因である。肥満は入院と死亡のリスク要因で、特に65才以上でそうである

(BMI 18.5以下だとちょっとリスクが上がっている)

 

 

UNSCEAR

福島事故から10年:放射線に関連するがんの発生率増加は見られないと予想される

A decade after the Fukushima accident:Radiation-linked increases in cancer rates not expected to be seen

9 March 2021

https://unis.unvienna.org/unis/en/pressrels/2021/unisous419.html

 

日本語版

東電福島事故後の 10 年:放射線関連のがん発生率上昇はみられないと予測される

https://www.unscear.org/docs/publications/2020/PR_Japanese_PDF.pdf

当委員会はまた、放射線被ばくの推定値から推測されうる甲状腺がんの発生を評価し、子供たちや胎内被ばくした子供を含む、対象としたいずれの年齢層においても甲状腺がんの発生は見られそうにないと結論付けた。公表されているエビデンスを鑑みると、被ばくした子供たちの間で甲状腺がんの検出数が(予測と比較して)大きく増加している原因は放射線被ばくではないと当委員会は判断している。むしろ、非常に感度が高いもしくは精度がいいスクリーニング技法がもたらした結果であり、以前は検出されなかった、集団における甲状腺異常の罹患率を明らかとしたに過ぎない。さらに、一般公衆の間で放射線被ばくが関係している先天性異常、死産、早産が過剰に発生したという確かなエビデンスはない。

 

 

イオン化放射線の発生源、影響、リスク

付属文書B: 福島第一原子力発電所事故による放射線曝露の量と影響:UNSCEAR 2013報告以降に発表された情報の意味

UNSCEAR 2020 REPORT

SOURCES, EFFECTS AND RISKS OF IONIZING RADIATION

Annex B (Advance copy): Levels and effects of radiation exposure due to the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station: implications of information published since the UNSCEAR 2013 Report (11,5 MB)

Last updated: Monday, 8 March 2021

https://www.unscear.org/unscear/en/publications/2020b.html

 

論文

-COVID-19パンデミックは世界中の人々の福祉を変化させた

The COVID-19 pandemic has caused changes to people's wellbeing around the world

9-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/uoj--tcp030921.php

パンデミック中に運動量が減ることが身体的精神的健康状態が悪化した認識と関連する

Frontiers in Psychologyに発表された複数の国の1000人以上へのオンライン調査の結果。COVID-19パンデミックの最初のロックダウンフェーズでの運動、食事、睡眠、身体的精神的健康、幸福の変化を調査した。

(運動はしたほうがいい、ので人の動きを抑制すべきという言い方はもっと考えたほうがいい。)

 

-コクランレビューが禁煙は精神衛生向上に関連することを発見

Cochrane Review finds stopping smoking linked to improved mental health

9-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/uob-crf030921.php

禁煙した人の不安や鬱が減っている

 

-中西部トウモロコシ農家には灌漑ではなく適応を助言

Adaptation, not irrigation recommended for Midwest corn farmers

9-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/msu-ani030921.php

温暖化する気候へのトウモロコシ農家の対応として、灌漑設備を作るよりは土壌管理やデジタル・遺伝学を含む技術を用いて適応するほうが良い、とNature Communicationsに発表された研究が言う

 

-Nature書評

伝記作家と生命倫理学者がCRISPR革命を引き受ける

A biographer and a bioethicist take on the CRISPR revolution

08 MARCH 2021  Jackie Leach Scully

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00579-x

厄介な倫理的疑問と苦い科学的競争が新しいゲノム編集の伝記を駆動する

CRISPR People: The Science and Ethics of Editing Humans Henry T. Greely MIT Press (2021)

The Code Breaker: Jennifer Doudna, Gene Editing, and the Future of the Human Race Walter Isaacson Simon & Schuster (2021)

の2冊の本の書評。

ヒト胚のゲノム編集の倫理と研究者の特許巡る争いと、全く違う観点から書かれたCRISPRの物語。

 

その他

-小児科医に聞こう:私の赤ちゃんの食事中の重金属を心配すべき? 

Ask the Pediatrician: Should I be worried about heavy metals in my baby's food?

MARCH 9, 2021 by Dr. Aparna Bole, American Academy Of Pediatrics

https://medicalxpress.com/news/2021-03-pediatrician-heavy-metals-baby-food.html

私はベビーフードの重金属についてのニュースを見た。どのくらい心配?

最近のベビーフードに重金属が見つかったというニュースで親たちがたくさんの疑問を抱いた。

食品中重金属の濃度は、子どもの重金属暴露リスク全体の比較的小さい部分であるが、全ての暴露源からの暴露は最小限にすべきである。重金属暴露は子どもの発育中の脳に有害である可能性がある。健康な脳の発達にはたくさんの遺伝的社会的環境的要因が影響し、重金属はその一つである。乳幼児の食品中の重金属を減らすにはより強い規則が必要であるが、親にできることもある。

-多様なものを与える。

-表示を読む

-穀物を代える。ビタミン強化された乳児用シリアルは良い栄養源であるがコメシリアルを最初のものあるいは唯一のものにする必要は無い。コメはヒ素を多く吸収する。ライスミルクや玄米シロップは避けること。

-水をチェック 井戸水や鉛の水道管

-母乳を与える

-フルーツジュースを避ける

-健康的な(水銀の少ない)魚を選ぶ

オーガニックベビーフードは一部の農薬が少ないかもしれないが重金属に違いは無い

重金属の暴露源は他にもあることに注意。鉛暴露の最も多い原因は古い家の剥がれた塗料である。土や化粧品やスパイス、ある種の職業や趣味も暴露源になる。受動喫煙はカドミウムや鉛の暴露源である。子どもの重金属暴露が心配なら、小児科医に相談しよう。

 

-SMC UK

福島10周年を前に専門家のコメント

expert comment in advance of the 10th anniversary of Fukushima

MARCH 9, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-comment-in-advance-of-the-10th-anniversary-of-fukushima/

明日は2011年日本の東北地震と津波、そしてその後の福島第一原子力発電所事故から10年

Imperial College London分子病理学部長でチェルノブイリ組織バンク部長のGeraldine Thomas教授

2011年3月11日に日本の東北沿岸が巨大地震で揺れ、続く津波が沿岸の広範囲を破壊した。地震と津波で約2万人が死亡したが、残念なことにこの日付は、もしもうまく扱っていればそのときもその後も誰も殺さなかっただろう福島第一原子力発電所事故の同義語になった。

地震が発電所の電力供給を止め、津波が原子炉の2番目の冷却方法を毀損した、その結果4つの反応炉の3つが一部メルトダウンし揮発性の放射性同位元素が、主にヨウ素とセシウム、大気中に放出され、発電所の北と西に住む人たちに暴露された。このことで約10万人の地域住民の緊急避難が行われた。

今となってはこの避難がさらなる生命損失につながったことがわかっている。病気で脆弱な人々を動かして医療体制を不十分にしたこと、ライフスタイルの変化や地域コミュニティと家族の生活の破壊による心理的帰結が理由である。それは人々が暴露された可能性のある放射線量の不確実性と地震と津波によるインフラの問題も絡む複雑な状況であった。後から判断すれば、子どもたちの甲状腺への放射性ヨウ素暴露量は極めて低く、甲状腺がんの増加は予想されなかったことがわかっている。対照的に福島の事故の25年前におこったチェルノブイリ事故では甲状腺への放射性ヨウ素暴露がおこり、それがメディアで大々的に報道された。それは一連の恐ろしげな見出しになり、原子力に反対する人たちによる間違った情報をもとにしたソーシャルメディアのコメントにさらに後押しされた。

原子力事故の後の人々の健康に影響する要因は二つある-暴露された人の放射線の身体的影響と、暴露された人と暴露されていない人の両方におこる放射線曝露への恐怖による心理的影響である。チェルノブイリでも福島でも、人々の健康への影響は心理的影響の方が遙かに大きいことが示されている。放射線の身体影響を抑える対応はシンプルであるが、心理的影響を緩和するには原子力発電所事故を巡る神話を否定できるかどうかによる。科学的研究は結論を出すのに何年もかかるが意見は数秒でソーシャルメディアに拡散する。

どんな緊急事態であろうと適切な対応はリスク緩和のためのバランスのとれたアプローチである。原子力発電所事故においては、我々は低線量放射線曝露というひとつのリスクを大げさに捉えることが公衆衛生にとってより有害であるリスクを迎え入れることになった。世界の気候変動緩和を検討するために、認識されているリスクではなく、実際のリスクへのより円熟したアプローチが有用であろう

(UNSCEAR報告書を踏まえて)

Imperial College London原子力工学センターLaurence Williams FREng教授

福島第一原子力発電所の事故は日本でおこった事故である。当時の原子力安全保安院は独立しておらず事故に大きな貢献をしていない。より協力で効果的で独立した原子力安全規制機関があったら原子炉は地震と津波に耐えられたかもしれない。10年経って、原子力安全規制の有効性には独立性が重要であることを再確認する

 

-ConsumerReports

オンラインで宣伝されているダイエタリーサプリメントに注意

Beware Dietary Supplements Marketed Online

By Ryan Felton Last updated: March 09, 2021

https://www.consumerreports.org/dietary-supplements/beware-dietary-supplements-marketed-online/

圧倒されて対応できない規制機関はニセのCOVID-19治療法やその他の疑わしい製品の販売を全て止めることができない

医薬品と違ってサプリメントは販売前に安全性と有効性を証明する必要が無い。規制機関は洪水のように押し寄せる苦情申し立てに埋もれ対応に苦慮している。「全ての州の司法長官とFTCは圧倒されている」

(悪徳業者の事例等)

 

遺伝子検査キットを買う前にこれを読んで

Read This Before You Buy a Genetic Testing Kit

By Catherine Roberts February 02, 2021

https://www.consumerreports.org/genetic-testing/genetic-testing-kit-read-this-before-you-buy/

自宅検査は疾患リスクの不完全な像を提供し、先祖を間違い、プライバシーを傷つける可能性がある

 

COVID-19ワクチン詐欺にひっかからないで

Don't Fall for a COVID-19 Vaccine Scam

By Donna Rosato March 09, 2021

https://www.consumerreports.org/scams-fraud/dont-fall-for-a-covid-19-vaccine-scam/

予防接種を受けるのにお金や個人情報を提供する必要は無い

 

-Quackwatch

Marty Hinz博士と彼の「神経伝達物質関連疾患」の見解への懐疑的検討

A Skeptical Look at Dr. Marty Hinz and His Views of “Neurotransmitter-Related Diseases”

Stephen Barrett, M.D. March 3, 2021

https://quackwatch.org/11ind/a-skeptical-look-at-dr-marty-hinz-and-his-views-of-neurotransmitter-related-diseases/

Marty Hinz医師は何年にもわたってアミノ酸サプリメントが脳の神経伝達物質のバランスをとることにより各種疾患を改善すると主張してきた。彼はまたサプリメント処方法のセミナーを開催し、彼の娘であるAmy M. Gunthert-Hinzがそれらサプリメントを販売する会社を運営していた。この記事はオンライン上の文書とHinz博士との電子メール交換をもとに、どうして私が彼の見解と活動に懐疑的なのかを説明する。

(本当の医者で正統的学術論文を詐欺的サプリメントのマーケティングツールとして使っている事例。FDAは警告文書を出しているがセミナーでは言いたい放題だったようだ)

 

-SMC NZ

航空労働者が予防接種を受けて間もなくCovid-19陽性になった-専門家の反応

Aviation worker tests positive for Covid-19 shortly after vaccination – Expert Reaction

Published: 08 March 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/03/08/aviation-worker-tests-positive-for-covid-19-shortly-after-vaccination-expert-reaction/

ニュージーランドワクチン同盟臨床部長Fran Priddy博士

例え予防接種をしても予防対策は続ける必要がある

予防接種助言センター医学アドバイザーPeter McIntyre教授

ワクチンの主な作用は人々の入院を防ぐことで、重症化予防と感染予防とは別のことである。NZが目指しているのは英国や米国とは違うことを理解することが重要である。NZにとって許容できる感染者数はゼロだけである。ゼロとは間違いがあってはならない極めて厳しい要求である。ゼロを望むなら全ての対策をほんの僅かの隙も無く続けなければならない。将来、脆弱集団の全ての予防接種が終わったら、NZのような「COVIDフリー」の国は対応の変更を決めなければならない。COVIDフリーの国にとって他国との交流再開は最早ゼロでは無くなることを意味する。国を開く利益の方がリスクより遙かに大きいと決定するその日まで、我々はゼロのための対策を続ける必要がある

カンタベリー大学Michael Plank教授

この事例はワクチンが100%有効ではなく効果が出るのに時間がかかることを思い出させる。予防接種をした人でも感染してそれをうつす可能性はある。つまり予防接種をしても対策を続ける必要がある。だから根絶戦略は維持する必要がある

オークランド大学ワクチン学者Helen Petousis-Harris准教授

ワクチンが原因で感染したのではない、ワクチンに感染性のあるものは入っていない

心理学者Sarb Johal博士

ワクチンは特効薬ではないので我々はまだ相当な時間耐えなければならない

オタゴ大学微生物学部James Ussher准教授

この事例はNZの国境の弱点を強調する。幸いだったのはこれがオークランドがレベル3ロックダウンの期間中だったことだ

(以下二人分略。ゼロトレランスだとワクチンパスポートでは無理なのでずっと鎖国?)

関連

Covid-19陽性のAir NZの乗組員は最近ワクチンを接種していた、Ardern首相が公表

Air NZ crew member with Covid-19 had recently been vaccinated, Ardern reveals

MON, MAR 8

https://www.tvnz.co.nz/one-news/new-zealand/air-nz-crew-member-covid-19-had-recently-been-vaccinated-ardern-reveals

その乗組員は2月28日に日本からニュージーランドに帰ってきていて昨日(3月7日)Covid-19陽性がわかった。帰ってきたときの検査は陰性だった。定期サーベイランスの一環としてのスワブ採取は土曜日(6日)に行われた。予防接種は一回だけで、まだ効果は期待できない