2021-03-12

[CDC]Rochelle P. Walensky, MD, MPH, CDC長官のパンデミック1年の一里塚に寄せた声明

Media Statement from CDC Director Rochelle P. Walensky, MD, MPH, In Observance of One-Year Pandemic Milestone

Thursday, March 11, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s0311-pandemic-anniversary.html

1年前の今日、WHOがCOVID-19の世界的パンデミックを宣言した。

この1年でアメリカ人52万人以上がCOVID-19で亡くなった

(本文略)

 

-事故による毒キノコを食べたことに関連する医療の使用とその帰結-米国2016-2018

Health Care Utilization and Outcomes Associated with Accidental Poisonous Mushroom Ingestions — United States, 2016–2018.

Gold JA, et al., MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2021;70:337–341.

2016年は毒キノコ中毒で1328人が救急に来て100人が入院したと推定される。2016-2018の間、毒キノコ中毒で医療を求めたヒトのうち8.6%が重症だった

 

-11週間のCOVID-19自宅待機命令の前、最中、後のオピオイド過剰使用死-Cook郡、イリノイ、2018年1月1日から2020年10月6日

Opioid Overdose Deaths Before, During, and After an 11-Week COVID-19 Stay-at-Home Order — Cook County, Illinois, January 1, 2018–October 6, 2020

Maryann Mason Weekly / March 12, 2021 / 70(10);362–363

自宅待機命令中に死亡が増加している。図あり

 

[MHRA]デンマーク、ノルウェー、アイスランド当局のアストラゼネカCOVID-19 ワクチンの一時停止へのMHRAの反応

MHRA response to Danish, Norwegian and Icelandic authorities’ action to temporarily suspend the AstraZeneca COVID-19 Vaccine

https://www.gov.uk/government/news/mhra-response-to-danish-authorities-action-to-temporarily-suspend-the-astrazeneca-covid-19-vaccine

これは予防的対応である。ワクチンによって血栓ができたことは確認されていない。人々はワクチンを受けるべきである

(EUの国はアストラゼネカ/オックスフォードのワクチンに対して嫌がらせっぽいことをずっと続けていて、フランスでもファイザーのワクチンしか受けたくないから断ったという人を報道していたりする。)

 

論文

-欧州の若者の心代謝リスクはエネルギー摂取量の過小報告と正の関連、過剰報告と負の関連:HELENA試験

Cardiometabolic Risk is Positively Associated with Underreporting and Inversely Associated with Overreporting of Energy Intake Among European Adolescents: The Healthy Lifestyle in Europe by Nutrition in Adolescence (HELENA) Study

J Nutr. 2021 Mar 11;151(3):675-684.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33484148/

12.5-17.5才の1512人の24時間食事思い出し記録と運動、身長、体重、ウエスト、皮膚の厚さ、血圧、血中脂質等のデータを解析。BMIより過小報告の方がより強く体脂肪や腹部脂肪と関連する

 

-科学研究では男女の生物学的違いは考慮する必要がある

Biological differences between females, males need to be considered in scientific studies

11-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/tes-bdb030821.php

内分泌学会が研究における性差についての科学的声明を発表

女性には卵巣があり通常XX染色体をもち、男性には精巣があり通常XY染色体をもっている。それぞれ異なる濃度の性ホルモンをもち性的発達が異なる。生物学的性はジェンダーアイデンティティとは異なる。

(当たり前のことを言う理由はカルテから性別記載を無くせという主張があるから。こういうの。

北海道立病院、問診票の性別欄撤廃へ 性的少数者配慮 2021年3月9日

https://www.asahi.com/articles/ASP396KH2P39IIPE01Y.html

 

-アメリカ人はパンデミックストレスとつきあうために不健康な体重増加と飲酒増加を報告

Unhealthy weight gains, increased drinking reported by Americans coping with pandemic stress

11-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/apa-uwg031021.php

Stress in America™世論調査。パンデミックの二次的健康危機として;両親、エッセンシャルワーカー、有色人種コミュニティーが精神的身体的健康影響を報告する可能性が高い

 

-子どもの食事ガイドラインは変更する必要がある、専門家が言う

Children's dietary guidelines need to change, experts say

11-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/fu-cdg031121.php

親には子どもたちに野菜を食べるよう促す方法についてのより良い助言が必要

オーストラリアの研究者がAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表。子どもが6ヶ月から5才の間に特定の野菜に10回以上暴露させることがより好きになり食べるチャンスを増やすことにつながる可能性がある。それをどうやって実行するかの助言を

 

-抗生物質耐性との世界的戦いには状況に応じた解決法が必要

Global battle against antibiotic resistance requires tailored solutions

11-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/rumc-gba031121.php

The Lancet Global Healthに発表されたアジア・アフリカ諸国での抗生物質の使用状況や入手可能性等を調べた研究。国により大きく状況が異なり、抗生物質耐性対策は地域の事情を考慮した場合のみ成功する。処方なしで抗生物質が購入できて自分で使っている量が最も多いのはベトナムとバングラデシュ。

 

その他

-Science

ニュースを一目で

News at a glance

Science  12  Mar 2021:Vol. 371, Issue 6534, pp. 1082-1084

米国のワクチン支持拡大

Pew研究センターの先週の調査によると、COVID-19ワクチンを受けたいと報告する米国人は69%となり、2020年11月の60%より増えた。特に黒人で増加し、42%から61%になった。

核実験がハイチを汚染した

1966年から1974年までにフランスが行った核実験でフランス領ポリネシアの人々が暴露された放射線量はフランス政府の推定の10倍であると独立した解析が示す

 

パンドラのパンデミック

Pandora's pandemic

Luis A. Campos

Science  12 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6534, pp. 1111-1112

1971年の映画「アンドロメダ…」(原作「アンドロメダ病原体」)

地球外からやってきたと思われる病原体による疫病を描いた50年前の映画。これが遺伝子組換え生物で起こりうるシナリオとして受け取られたことが各種規制のベースにある。SFと科学が区別されにくかった。遺伝子組換えによる「アンドロメダ病原体」の恐怖は無くなったが、伝染病の脅威は空想ではなかった。

(AAAS年会での講演をもとにした記事)

 

-SMC NZ

日本の壊滅的津波から10年-専門家の反応

Japan’s devastating tsunami, ten years on – Expert Reaction

Published: 12 March 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/03/12/japans-devastating-tsunami-ten-years-on-expert-reaction/

10年前、記録のあるなかで4番目に大きな地震が日本の東北地方沿岸を襲い、この島国に大きな津波を送った。新しい研究(Shuichi Kodaira et al., Science  12 Mar 2021:Vol. 371, Issue 6534, eabe1169 、Investigating a tsunamigenic megathrust earthquake in the Japan Trench)は10年分のデータを使ってこの大量死をもたらしたイベントをレビューした。SMCはこれが地震と津波の科学にどう影響したかを尋ねた。

GNSサイエンス津波モデラーAditya Gusman博士

NIWA流体力学者Emily Lane博士

ビクトリア大学地学環境地球科学部Tim Stern教授

オークランド大学環境学部上級講師Jennifer Eccles博士

ビクトリア大学地学環境地球科学部、アメリカ地震学会次期会長John Townend教授

(地震の話しかしていない。日本は世界中の地震学者が羨む地震データの豊富な国だとか)