2021-03-18

[FDA]詐欺の6つの注意:健康詐欺にだまされないように

6 Tip-offs to Rip-offs: Don't Fall for Health Fraud Scams

03/04/2021

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/6-tip-offs-rip-offs-dont-fall-health-fraud-scams

健康製品は、もしそれが病気や症状の治療用に宣伝されているのに科学的に安全性と有効性が証明されていないなら、詐欺である

助言

詐欺を確認するのに役立つ6つの助言がある。

1つの製品がすべてに効く。様々な幅広い疾患を治癒すると表示する製品は疑うこと。FDAは不正に万能薬製品を販売する企業に対し警告文書を送り、必要に応じて措置をとることを継続する。これらの奇跡の治癒薬は存在せず、偽物であり、これらの企業が販売しているものは偽りの希望でしかない。

2.個人の「成功」が証明する。「糖尿病が治癒した」あるいは「COVID-19感染がすぐに終わった」というような成功話は簡単にでっち上げることができ、科学的エビデンスに代わるものではない。人気あるオンライン販売やソーシャルメディアのレビューが偽物である可能性がある。

3.すぐによくなる。合法な製品を使用しても、疾患や疾病がすぐさまよくなることはほとんどない。「30日で30ポンド減量」、「ウイルス感染から守る」あるいは「数日で皮膚がんを根絶する」といった言葉に注意すること。

4.「すべて天然」の治癒薬あるいは治療。「すべて天然の治癒薬」のような表現にだまされないこと。このような言葉は、製品が通常の治療より安全であると示唆するために、注意を引くものとして健康詐欺でよく使用される。これらの言葉は必ずしも安全性と同一ではない。天然にみられるいくつかの植物(毒きのこなど)は食べると有害あるいは死に至る可能性がある。さらに、FDAは表示されない危険な高用量の処方薬成分あるいは他の医薬品有効成分を含む製品を「すべて天然」の治癒薬あるいは治療として宣伝する数多くの製品を発見した。

5.「奇跡の治癒薬」。「新たな発見」、「保証された結果」あるいは「秘密の成分」といった表示あるいはそのようなものを見た場合には警報を鳴らさなければならない。深刻な疾患の本物の治癒薬がFDA承認製品であれば、メディアを介して広く報告され、それは許可ある医療従事者により処方されるだろう。ソーシャルメディアやメッセージアプリの広告、あるいはウェブサイト、印刷広告及びテレビの通販番組に埋もれることはない。

6.陰謀論。「これは政府や大手製薬会社が知らせたくない治療薬」のような表示は、いわゆる奇跡の治癒に関し、明らかに常識があれば分かる疑問から消費者の注意をそらすために使用される。

 

[FDA]FDA とメキシコ当局のパートナーシップは食品安全保護を強化する

FDA’s Partnership with Mexico’s Regulators Strengthens Food Safety Protections

March 17, 2021

https://www.fda.gov/news-events/fda-voices/fdas-partnership-mexicos-regulators-strengthens-food-safety-protections

FDAはメキシコ政府や食品業界とさらに協力し、FSMAに基づき新たなスマートな食品安全時代を見据え、食品安全保護を高める。

 

[FDA]FDA In Brief: FDAは電子タバコ4ブランドにソーシャルメディア上に重要な情報を掲載するよう求める

FDA In Brief: FDA Requires Four E-Cigarette Brands to Provide Critical Information on Social Media Practices

March 17, 2021

https://www.fda.gov/news-events/fda-brief/fda-brief-fda-requires-four-e-cigarette-brands-provide-critical-information-social-media-practices

FDAは電子タバコ4企業が、多くの支持を受け、ソーシャルメディア上に多くの掲載があり、そのプラットフォームに年齢制限ツールを使用していないことを確認し、販売に関する情報を提出するよう公的に要請した。

 

[FDA]コロナウイルス(COVID-19)更新

Coronavirus (COVID-19) Update: March 16, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-march-16-2021

(一部)

・FDAは連邦取引委員会と共同で、COVID-19関連の不正表示の未承認製品の販売のRavenscroft Apothecary, Inc. DBA Ravenscroft Escentialsに警告文書を発した。エッセンシャルオイル製品を含む。

 

[FDA]リコール

PNHC, LLC d/b/a Heal the World は、小さい飲料水ボトルと似ているため、Heal the World手指用消毒液9.6 Ounce Bottles を回収措置。

PNHC, LLC d/b/a Heal the World Issues Voluntary Nationwide Recall of Heal the World Hand Sanitizer Packaged in 9.6 Ounce Bottles Because They Resemble Small Water Bottles

March 17, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/pnhc-llc-dba-heal-world-issues-voluntary-nationwide-recall-heal-world-hand-sanitizer-packaged-96

PNHC, LLC d/b/a Heal the World は、小さい飲料水ボトルと似ているため、9.6 fl. oz 容器のHeal the World手指用消毒液すべてを自主回収。製品写真あり。

 

[FSA] ガイダンス更新

-カンナビジオール(CBD)ガイダンス

Cannabidiol (CBD) guidance

11 March 2021

https://www.food.gov.uk/business-guidance/cannabidiol-cbd#trade-bodies

新規食品としてのカンナビジオール(CBD)製品に関する事業者向けガイダンスの情報更新。

 

-遺伝子組み換え生物承認ガイダンス

Genetically modified organisms authorisation guidance

11 March 2021

https://www.food.gov.uk/business-guidance/regulated-products/genetically-modified-organisms-guidance

食品や飼料として遺伝子組み換えする生物の承認要件とその申請に関しての情報更新。

 

[FSA]FSAはイングランド及び北アイルランドにおいて食品法実行規範を改訂し、能力体系を導入する

FSA publishes revised Food Law Code of Practice, Practice Guidance and introduces a Competency Framework in England and Northern Ireland

16 March 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/fsa-publishes-revised-food-law-code-of-practice-practice-guidance-and-introduces-a-competency-framework-in-england-and-northern

2020年11月、12月の意見を受け、本日、FSAはイングランド及び北アイルランドにおいて食品法実行規範(the Code)と食品法実施ガイダンス(the Practice Guidance)を改訂し、能力体系を導入する。

主な変更点は、基礎知識やスキルの現代化、能力の定義を役割から活動に変更、助言の発行の応答性を良くする条項を導入、等

 

[CFIA]カナダのワインを保護するためにゲノム専門家と協力する

Collaborating with genome specialists to protect Canadian wine

2021-03-16

https://inspection.canada.ca/chronicle-360/plant-health/collaborating-with-genome-specialists-to-protect-c/eng/1615827016552/1615827158496

カナダのワインとブドウ産業を輸入ウイルスから保護するために、CFIA、大学及びゲノム専門家が協力する。

 

[CFIA] 食品安全警告

Wah Yan Tong(華仁堂)包装製品のアプリコットカーネル製品の消費はシアン化物中毒を引き起こす可能性がある

Food Safety Warning - Consumption of certain apricot kernel products packed by Wah Yan Tong may cause cyanide poisoning

March 16, 2021

https://inspection.canada.ca/food-recall-warnings-and-allergy-alerts/2021-03-16/eng/1615926621138/1615926621574

CFIAは天然の毒素アミグダリンのため特いくつかの中国産華仁堂包装のプリコットカーネル製品を消費しないよう市民に警告している。製品写真あり。

 

[ODS] Mary Frances Picciano ダイエタリーサプリメント研究演習

Mary Frances Picciano Dietary Supplement Research Practicum

09 Mar 2021

https://ods.od.nih.gov/Research/dsrp.aspx

2021年 5月25~27日に、2021 年研究演習ヴァーチャル会議が行われる。無料、要申し込み。トピックスは次の通り。

- 米国でのサプリメントの使用とその理由

- 規制的枠組み

- サプリメントの品質

- 食品、医薬品、サプリメントの販売の違い

- 食品とサプリメントの健康影響を評価する

- 科学に基づいたサプリメントに関する政策と助言を策定する

 

[BfR]研究プロジェクト 

-残留農薬試験と加工研究データの情報管理ツールとデータベースとしてのRUEDIS

RUEDIS as an information management tool and database for pesticide residues trials and processing studies data (RUEDIS)

12/2020-12/2023

https://www.bfr.bund.de/en/ruedis_as_an_information_management_tool_and_database_for_pesticide_residues_trials_and_processing_studies_data__ruedis_-269650.html

 

-残留農薬のための加工係数EUデータベースの最初の更新

First update of the EU database of processing factors for pesticide residues (Processing)

11/2020-02/2022

https://www.bfr.bund.de/en/first_update_of_the_eu_database_of_processing_factors_for_pesticide_residues__processing_-269653.html

 

[IARC]5大陸のがん発生率第XI巻が印刷物で入手可能

Cancer Incidence in Five Continents, Volume XI now available in print format

17 March 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/cancer-incidence-in-five-continents-volume-xi-now-available-in-print-format/

PDFは無料ダウンロード

 

[IARC]IARCモノグラフ会合 131および132巻

IARC Monographs Meetings – Volumes 131 and 132 are announced

17 March 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-meetings-volumes-131-and-132-are-announced/

131巻は2022年3月8-15日

コバルト金属(タングステンカーバイド含まず)とコバルト(II)塩、兵器グレードのタングステン(ニッケルとコバルトを含む)合金、三酸化アンチモン

132巻は2022年6月7-14日

消防士の職業暴露

 

[ProMED]ボツリヌス症 米国(第三報):(コロラド)散発食中毒事例

Botulism - USA (03): (CO) sporadic foodborne cases

2021-03-17

https://promedmail.org/promed-post/?id=8249405

Date: Mon 15 Mar 2021 Source: Barf Blog [edited]

COVID-19パンデミックで缶詰食品が品切れになり自家製缶詰や保存が増えている

2020年9月以降コロラド州でおこったいくつかの食中毒事例に不適切に作った自家製缶詰が確認・疑われている

 

論文

-世界の気温上昇を制限するのに、農業のCO2削減コストは重要だろう

To limit global temperature rise, agricultural costs of CO2 removal may be significant

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/p-tlg031121.php

米国の小売価格で牛肉は最大41%、ミルクは40%、コメは14%値段が上がる計算。PLOS ONE

 

-家庭の成人の娯楽用大麻使用は増加しているが、子どもたちは?

Recreational cannabis use among adults in the home is on the rise, but what about the children?

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/cums-rcu031521.php

大麻使用が合法化されている州では、子どもと同居している大人の大麻使用がより多い。Addictionに発表

 

-高速エアハンドドライヤーはペーパータオルより汚染を広げる

High speed air hand dryers spread contamination more than paper towels

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/sfhe-hsa031521.php

Infection Control & Hospital Epidemiology

 

-COVID-19パンデミック中にNHSに供給された個人保護具(PPE)は環境への課題

PPE supplied to the NHS during COVID-19 pandemic poses challenge to the environment

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/uos-pst031721.php

Journal of the Royal Society of Medicineに発表された、COVID-19パンデミックの最初の6ヶ月でイングランドの医療や介護部門に提供されたPPEの二酸化炭素排出量の推定とその削減策。国内生産や再利用などが考えられるが最も有効な方法は使う量を減らすこと。例えば手袋を使うのではなく手を洗う。

 

-高齢女性の健康は配偶者の特徴によって決まる

The health of older women is determined by the characteristics of their partner

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/upf--tho031721.php

Gaceta Sanitariaに発表されたスペインの65-81才夫婦の研究。個人それぞれと組み合わせで教育レベルや健康状態を解析した。健康状態の悪い配偶者と一緒に住むことは同様に健康状態が悪くなる可能性が2倍になることと関連し、女性の健康はパートナーの教育レベルが高いと有意に良いが男性ではそうでもない。男性の健康状態が悪いときの女性の健康への負担は大きいが妻の健康状態が悪い時の夫の負担はそれほどでもなく、他人(娘や義理の娘)に負担を分担させる傾向がある

 

-研究が妊娠前の環境曝露がどう胎児の発育に影響するのかを探る

Study explores how environmental exposures before conception may impact fetal development

17-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/vari-seh031721.php

PNASに発表された新しい報告によると妊娠前の高齢と飲酒が、ヒト卵の発達に関与する遺伝子のエピジェネティック変異に影響するかもしれない

 

SMC UK

フランスの停留睾丸と地域の地理的環境を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to a study looking at cryptorchidism in France and the local geographical environment

MARCH 17, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-a-study-looking-at-cryptorchidism-in-france-and-the-local-geographical-environment/

Human Reproductionに発表された研究がフランスの停留睾丸と地理的環境を調べた。

ケンブリッジ大学小児科名誉教授Ieuan Hughes教授

このフランスの研究は手術記録で同定した停留睾丸の傾向を解析した開拓的研究である。診断は確実で数は9万と膨大で、たった13年で停留睾丸の手術が36%も増加している。そうして?洗練された空間的疾患マップモデルを使って著者等は空間的クラスター(ホットスポット)を同定しそれがフランスの重工業地域に関連させることができた。これは現在進行中の停留睾丸のような病気がいわゆる内分泌撹乱物質のような環境要因に関連するかどうかについての議論に意味のある貢献となるか?

この研究は後ろ向き研究で、著者は我々が行った現在進行中の前向き研究であるCambridge Birth Growth Studyの一環で行った研究を引用している。この研究では出生時の停留睾丸は5.9%で12ヶ月では後天的停留睾丸のために7%と高い数値を報告している。著者等は2001-2008年に増加したと間違って言っているがこれはリクルート期間である。停留睾丸の増加が二倍になったのは前の世代に比べて、である。

フランスの急速な増加にはこの後天的停留睾丸の影響、地域による手術のやりかたの違い、社会経済的要因が交絡している可能性がある。しかし同時に掲載されたエディトリアルでは各種要因を厳密に詳細に検討している。フランスの研究は他国にも同じことが観察できるかどうか確認する呼びかけである

エジンバラ大学生殖健康MRCセンター発達内分泌学教授Rod Mitchell教授

ここ数十年男性生殖疾患が増加しているのはよく知られていて環境要因がある可能性が高い。しかしそれが何かはあまりわかっていない。

停留睾丸は男の子によくある状態で、健康な新生児の約3-5%にみられる。この質の高い研究はフランスで2002年から2014年の間の12年間で停留睾丸が36%増えたことを発見した。ここ数十年の停留睾丸の増加はよく知られているがこの研究の増加速度は極めて懸念である。理由を知ることが重要である

(環境ホルモン騒動が盛り上がっていたのは2000年前後でその後いろいろ禁止や制限がされているのだけれど。そのせいで増えた、とか?)

 

SMC NZ

-法案は水のフッ素添加決定を中央に集める

Proposed law will centralise water fluoridation decisions – Expert Reaction

Published: 18 March 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/03/18/proposed-law-will-centralise-water-fluoridation-decisions-expert-reaction/

政府は水のフッ素添加の決定を地方当局から保健長官にうつすよう改定する

全国で一貫したアプローチをとるため。一部の地域ではフッ素の量が虫歯予防に十分でない

Massey大学環境健康指標部長Barry Borman教授

もう何年も前にやるべきことだった。反フッ素活動家が反対するだろうが彼らの見解は根拠によって支持されていない

Canterbury大学ジオヘルス研究室上級研究フェローMatt Hobbs

水のフッ素添加は安全で有効

オタゴ大学歯学部歯科疫学と公衆衛生教授Murray Thomson教授

この決定を賞賛する

オタゴ大学予防修復歯科Jonathan Broadbent准教授

口の健康、ひいては公衆衛生にとって重要な前進である

 

-ジャーナリストがデマと戦うのを助けるためのCovid-19ワクチンメディアハブ公開

Covid-19 Vaccine Media Hub opens to help journalists fight misinformation

18 March 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/03/18/covid-19-vaccine-media-hub-opens-to-help-journalists-fight-misinformation/

サイエンスメディアセンター世界同盟と公衆衛生専門家の支援で、Covid-19ワクチンデマに対抗する新しいツールができた

 

COVID-19 Vaccine Media Hub

https://health-desk.org/collection-projects/covid-vaccine-media-hub

世界のSMC、(豪州、ニュージーランド、英国、ドイツ、カナダ)プラスSciLine(AAAS)等が提供。

 

その他

-Scienceニュース

「それは極めて特別な像だ」。ワクチン安全性の専門家がアストラゼネカのCOVID-19ワクチンにブレーキを踏んだ理由

‘It’s a very special picture.’ Why vaccine safety experts put the brakes on AstraZeneca’s COVID-19 vaccine

By Gretchen Vogel, Kai KupferschmidtMar. 17, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/03/it-s-very-special-picture-why-vaccine-safety-experts-put-brakes-astrazeneca-s-covid-19

今週の欧州20カ国以上のアストラゼネカのCOVID-19ワクチン一時中止の決定は、ワクチン安全性の専門家と公衆衛生専門家の間の亀裂を引き起こした。

Leeds大学のウイルス学者Stephen Griffinは「人々へのワクチンアクセスを遮断することの害は、血栓との関連が最終的に事実だとしても大きく上回る」という。EMAとWHOは報告を調べる間も各国に対して予防接種を継続するよう助言している。

科学者はワクチンが原因かどうかは知らない、またもしそうだとしてもそのメカニズムも。しかしワクチン安全性担当者はこの決定を軽率にしたのではないという。20-50才の少なくとも13人に症状が見られ、少なくとも5カ国で偶然より多い。少なくとも7人が死亡し、広範な血栓と血小板数の少なさと内出血が見られ、典型的な脳卒中や血栓症とは違う。ノルウェー医薬品庁のSteinar Madsen医学部長は言う。「我々の血液学者はこれまでこのような像は見たことがないと言った」

類似の血液疾患免疫性血小板減少症(ITP)は米国では少なくとも36人のファイザーとモデルナのCOVID-19予防接種を受けた人で見られている。FDAはこれらの事例を調査しているが、特にワクチンを受けた人で多いということはなさそうだといい、予防接種は継続している。しかしMadsenは欧州の事例はITPではないという。理由は広範な血栓がみられないからだ。

既に1000万人以上にアストラゼネカのワクチンを接種した英国では同様の患者クラスターは報告されていない。

ドイツでは脳静脈血栓症(CVT)の報告があって予防接種を中断している。しかしそれは予防接種を継続すべきとするEMAと対立する。

Madsenは普通でない症状は強力な免疫反応の結果だと信じる。別の人はワクチンの特定ののバッチに問題があったのではと想像する。

この一時停止は速やかに欧州の本格的な危機になった。英国と米国に比べると欧州の予防接種の進展は遅れていて一方患者数は急増している。規制機関はこの問題を速やかに解決しなければならない。

ドイツロバートコッホ研究所の疾患モデラーDirk Brockmannは、ドイツにとっては今後4週間でどれだけ予防接種ができるかが第三波の死者数にとって重大であるという。「実際予防接種を加速する必要がある」

East Anglia大学の感染症専門家Paul Hunterは、例えCVTリスクがワクチンで100万人あたり5人以上に増加したとしても、ワクチンの利益の方が遙かに大きいという。

(日本のメディアから何度も聞いた。たとえワクチンで助かる人がどんなに多くても、一人でもワクチンで死亡したら政府が悪いと追及するのが彼らの正義なのだって。)

 

-Natureワールドビュー

デマを鎮圧するには、鞭だけではなくニンジンも使え

To quell misinformation, use carrots — not just sticks

17 MARCH 2021  Tali Sharot

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00657-0

ソーシャルメディアプラットフォームは信頼できる正確な投稿をするユーザーに報酬を与えるべき

2020年だけで、誤解を招くオンラインニュースのシェアやいいね!などは全ての参加のうちの17%に倍増した。この膨大な増加は、極端な分断、暴力的過激化、人種差別、気候変動やワクチン否定などにつながる。ソーシャルメディア企業はいくつかの対策をおこなっているが欠けている視点がある。ユーザーの投稿を改善する方法である。動機と意思決定について研究している神経科学者として、私は例え些細な報酬でも行動に強い影響があることを見てきた。多くの人は「いいね」がつくと自尊心が高まる。フェイクニュースが信頼できるニュースよりリツイートやいいねがつきやすく拡散が早いことの理由の多くは注目されて既存の信念が確認されるからである。そして人々は信じていない情報でもそれが人気になるならシェアする。

信頼できる正確な投稿に対して目に見える報酬が提供されたらどうなるだろうか?現在のソーシャルメディアではそのようなシステムを導入しているソーシャルメディア大企業は存在しない。そのようなシステムを実行するための課題は投稿の信頼性をどう評価するか、である