2021-04-01

[EU]委員会は新しい食品規制で透明性を支援

Commission backs transparency with new food regulation

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/item-detail.cfm?item_id=706282&newsletter_id=2031

2021年3月27日の透明性規制(TR)適用に続き、食品持続可能性&国際関係部長Nathalie Chaze と食品と飼料の安全性と革新部長Sabine Juelicherがこの重要な規制を前進させるカギとなる段階について議論する。この規制の食品法や農場から食卓まで戦略への影響、新たな食品技術分野の機会を拓く可能性について。

いわゆる透明性規制とは何でその目的は?

Nathalie:

一般食品法規制を改定するTRは、EUのリスク評価における透明性についてEU市民から提示された懸念に対応したものである。それはグリホサートを禁止し人々と環境を有害な農薬から守る欧州市民イニシアチブへの直接的対応で、包括的政策評価である一般食品法規制適切性チェックの知見をもとにしている。2018年4月に欧州委員会が提案し欧州議会と理事会で2019年に速やかに採択された。

この新しい規制の目的は単純で:EUのフードチェーンのリスク評価をより透明なものにすることである。同時にEFSAの長期的存続を確実にすることも目指す。

(EFSAの話等略)

次のステップは?

Nathalie:

今後数年で、我々は全ての関係者との公開対話を組み合わせたリスクアナリシスプロセス全体にわたって一貫したリスクコミュニケーション戦略を確実にするためのリスクコミュニケーションに関する一般計画を開発することに注力する。リスクコミュニケーションはリスクアナリシスパラダイムに組み込まれている。それはリスクアナリシスプロセスの全体で、ハザード、リスク、リスクに関連すること、リスク評価者やリスク管理者、消費者、食品や飼料の事業者、学者、その他関係者のリスク認知などについて情報や意見を相互に交換することである。

(実際問題として活動家以外の人はそんなに関心がなくて困難な課題につきあってくれないのだが)

 

[EU]欧州健康とデジタル政策庁

European Health and Digital Executive Agency (HaDEA)

https://hadea.ec.europa.eu/index_en

2021年4月1日発足

COVID-19後の欧州を、よりグリーンに、よりデジタルに、そして将来の課題に対してより回復力のあるものに再構築するのに役立つことを目指す

(欧州各種計画の財務管理を担当する)

代表的計画として

EU4Health、HorizonEurope、食品、欧州の各施設のインフラ整備(無料Wi-Fi)、デジタルヨーロッパ計画、等

HorizonEuropeは2021-2027年の欧州研究革新支援計画(研究費)

食品についてはより安全な食品のためのより良い訓練(BTSF)の取り組みとしてオンライン学習プラットフォームBTSFアカデミーを提供

 

[NASEM]COVID-19時代の精神衛生と薬物使用疾患-有色コミュニティへのパンデミックの影響:ワークショップの概要 

Mental Health and Substance Use Disorders in the Era of COVID-19

The Impact of the Pandemic on Communities of Color: Proceedings of a Workshop—in Brief

(2021)

https://www.nap.edu/catalog/26102/mental-health-and-substance-use-disorders-in-the-era-of-covid-19

2020年11月23、12月3、4日開催のワークショップの概要

 

 

[BfR]免疫系が過剰反応するとき-女子学生とBfRの科学者がアレルギーについて話す

When the immune system overreacts - schoolgirls and a BfR scientist talk about allergies

https://www.bfr.bund.de/cm/349/when-the-immune-system-overreacts-schoolgirls-and-a-bfr-scientist-talk-about-allergies.pdf

“NATürlich”セミナーシリーズのオンライン会合の紹介

 

[BfR]ワンヘルスサーベイランスコーデックス:欧州諸国内でおよび横断してワンヘルス解決法を採用する

One Health Surveillance Codex: promoting the adoption of One Health solutions within and across European countries

https://www.bfr.bund.de/en/one_health_surveillance_codex__promoting_the_adoption_of_one_health_solutions_within_and_across_european_countries-270815.html

One Health

Volume 12, June 2021,

BfRの論文紹介

 

[FAO]原子力技術が農業と食料安全保障を改善している5つの方法

Five ways nuclear technology is improving agriculture and food security

30/03/2021

http://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1390726/

新しいFAO/IAEA共同センターが世界を食べさせるための原子力技術をてこ入れしている

1.動物の健康 動物の病気の検査

2.土壌や水管理の改善 放射性同位元素を使って土壌の質を監視

3.害虫管理 不妊虫放飼法(SIT)

4.食品安全管理 照射

5.植物の交配と遺伝学 放射線誘発変異による品種改良

 

[CDC]CDCとNIHはCOVID-19自己検査を二つの地域の住人にもたらす

March 31, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/p0331-covid-19-self-testing.html

CDCとNIHが協力して、革新的地域健康イニシアチブ“Say Yes! COVID Test”を開始する。ノースカロライナPitt郡とテネシーChattanooga/Hamilton郡の16万人に、自分で使う迅速抗原検査を週に三回一ヶ月間無料で提供する。そしてこれが地域でのSARS-CoV-2の感染を減らすのに役立つかどうか評価する。他にNIHの調査研究に参加する選択肢もある

 

[ProMED]ボツリヌス症-カナダ:(ケベック)セイウチの肉、リスク、警告

Botulism - Canada: (QC) walrus meat, risk, alert

2021-03-31

https://promedmail.org/promed-post/?id=8281039

Date: Tue 30 Mar 2021 Source: Nunatsiaq News [abridged, edited]

Inukjuakの27人以上が地域で最近行われた2回の宴会で提供された汚染セイウチ肉を食べてボツリヌスに暴露された可能性がある。Nunavik地域保健委員会が2021年3月27日土曜日にフェイスブックのページで「まだ地域に汚染肉がある可能性がある。このような状況では由来の同じ全ての肉を破棄するべきである」と発表した

(イヌイットの居住地域)

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on DNAfit Life Sciences Ltd t/a DNAfit

31 March 2021

https://www.asa.org.uk/rulings/dnafit-life-sciences-ltd-a19-1036458-dnafit-life-sciences-limited.html

インスタグラムでのお金を払ったDNAfit(DNA検査)宣伝で、「あなたの理想の食事、必要なビタミン、運動への反応の秘密を明らかにする」は誤解を招くものであるとの苦情が寄せられた。DNAfitはSNPs解析により個人の栄養や運動に助言を提供できるという「ニュートリジェネティクス」の根拠があると主張して31の論文を提出して広告を取り下げた。ASAは根拠は十分でないと判断した

 

論文

-手持ち'MasSpec ペン'で肉や魚の偽装を数秒で明らかにする

Revealing meat and fish fraud with a handheld 'MasSpec Pen' in seconds

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/acs-rma033121.php

Journal of Agricultural and Food Chemistry

ペン先を検体に押しつけると溶媒20μLが放出され質量分析に十分な量の分子を抽出する。それから同定された分子のパターンを用いた真正性判定モデルを開発して検討した

 

-研究が加工肉と心血管系疾患と死亡の関連を承認する

Study ratifies link of processed meat to cardiovascular disease and death

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/mu-srl032921.php

加工肉とは関連するが未加工赤肉と家禽は関連しなかった

PURE スタディの21カ国134297人の情報を使ったAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表された研究。約10年のフォローで、加工肉を週に150g以上摂取することと、全く加工肉を食べない人に比べて心血管系疾患の46%、死亡の51%高いことが関連

 

-英国の大学の集団covid検査は行き当たりばったりで非科学的、BMJの調査が発見

Mass covid testing at UK universities is haphazard and unscientific, finds BMJ investigation

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/b-mct033021.php

多くの学校が検査した学生の数や陽性数データを集めていない

英国の大学で高い費用をかけた無症状の学生のcovid-19スクリーニングは、12月に政府の野心的1000億ポンドムーンショット計画の一環として開始されてから、発見した陽性者は極めて少ない。BMJに発表された調査が明らかにした。

高等教育機関の約2/3が検査された学生の数のデータを集めておらず、1/3は検査陽性の記録をとっていない。専門家はこの巨費を投じた大学キャンパスの検査をいきあたりばったりで乱雑と表現する。

2021年2月17日にBMJは公的資金による学生の週二回のラテラルフロー検査を受け取った216の大学に、情報公開法による情報提供要請を行った。どのくらい受け取ってどれだけ検査してどのくらいが陽性だったのかを尋ねた。

3ヶ月分のデータを提供した69機関では、335383回の検査が行われ1649が陽性で陽性率0.5%だった。また検査がウイルスの封じ込めに与える効果や課方費用についての情報は多くの大学が提供したがらなかった。費用、検査数、陽性数の完全データを開示したのはわずか16機関だった。それらからは政府は陽性一回を得るために約3000ポンド(45万円くらい)使ったことを示した。しかし専門家はそれはおそらくコストの大幅な過小推定だという。検査や場所運営のための職員の人件費などが含まれていない。

検査計画の批判者であるNewcastle大学のAllyson Pollock公衆衛生教授は「このデータが明確にしているのは、集団検査はいきあたりばったりで、ばらばらで、公衆衛生とは正反対だということである」

政府はBMJに対し、検査をどうやるかは各大学が決めることであると言うが、全ての学生を週二回検査するよう促したことは認めた

 

-英国の検査追跡隔離システムへの順守率は低い

Adherence to UK's test, trace, and isolate system is low

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/b-atu033021.php

BMJに発表されたオンライン調査の結果によると、英国の検査追跡隔離システムへの順守率、covid-19の主要症状理解は低い、特に男性、若年、家に世話をする必要のある子どもがいる人、主要労働者、経済的困難のある人では。時間とともに改善はみられるものの、現在のシステムの有効性は限られる。そして経済的及び現実的にできない人を支援する政策が重要。

 

-政府と健康主導者は青少年の福祉のために行動をよびかける

Governments and health leaders call for action on adolescent wellbeing

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/b-gah033021.php

The BMJに発表されたWHOや国連関連機関等30が署名した公開レター。

世界中の10-19才の12億人の青少年世代が、気候変動で荒廃しcovid-19で恐怖に満ちた世界を受け渡されるリスクがあると警告。青少年はパンデミックによる重症などの直接影響は少ないものの、福祉への間接的影響は壊滅的である

 

-適切な出版前レビューの無い医学研究は人々の科学への信頼を毀損する可能性がある

Medical studies without adequate pre-publication review could damage public trust in science

31-MAR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-03/tfg-msw033121.php

アメリカメディカルライター協会(AMWA)、 欧州メディカルライター協会 (EMWA)および医学出版専門家国際協会(ISMPP)の共同声明

出版社の立場の主張。

 

-応用ミクロ経済学における隠された研究者の決定の影響

The influence of hidden researcher decisions in applied microeconomics

Nick Huntington‐Klein et al.,

Economic Inquiry/ Early View

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ecin.12992

二つの因果関係を示す実験結果の発表された論文をそれぞれ7人の再現者に再現してもらった。データの準備と解析の才の決定に大きな差があり、その多くは論文に記述して公表されることは無い。同じサンプルサイズを報告した人は一人も無く、統計学的有意差はばらばらで推定値の標準偏差は平均標準誤差の3-4倍

(もとになる同じデータを与えられても違う結果が出て、その理由が記述されていないという話。そのこと自体が問題というより、その程度で結果が異なるような差を意味があると考えないほうがいいということだと思う)

 

 

Natureニュース

-あなたはパブリックアクセスの義務を果たしている?Google Scholarが見ている

Do you obey public-access mandates? Google Scholar is watching

31 MARCH 2021  Richard Van Noorden

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00873-8

検索エンジンの共同創始者Anurag Acharyaが何故著者に論文を無料公開すべき時期を知らせることにしたのか説明する

学術文献検索エンジンとしてよく使われるGoogle Scholarが、3月23日に予期せぬ機能を発表した:研究費出資者の無料公開義務のある研究論文かどうかを追跡する。

科学者のGoogle Scholarプロフィールには現在出資者の要請により無料公開すべき論文がいくつあるか、そのうちいくつが実際公開されていていくつがそうでないかを表示している。そしてもし必要なら単純にその論文をGoogleドライバーにアップロードすることで公開を促している。研究者の反応はミックスしたものである。Anurag AcharyaがNatureにそれについて説明した。

以下略

 

-「我々は適応しなければならない」:欧州の1000億ユーロ資金提供計画のEU研究主任

‘We must adapt’: EU research chief on Europe’s €100-billion funding programme

29 MARCH 2021  Quirin Schiermeier

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00834-1

Mariya GabrielコミッショナーはHorizon Europe 計画の実行を監督するだろう

EUの研究計画Horizon Europeは今後7年で955億ユーロを分配する。Horizon Europeの基礎研究部門の欧州研究評議会は2月に最初の研究費応募要請を行った。これから数週間にわたって、欧州委員会は残りの計画の詳細を公表して追加の資金公募をするだろう。Mariya Gabriel革新、研究、文化、教育、若者コミッショナーがこれらの計画の実施を監督する。NatureはGabrielにHorizon Europeの優先目標と直面する課題についてインタビューした

・約三年の準備期間を経て、Horizon Europeはついに始まった。あなたはこの計画が科学者と納税者のニーズにあうと確信している?

・COVID-19パンデミックや科学を重視する要望がHorizon Europeのスコープにどう影響した?

・これまでの欧州の研究資金計画に比べると「ミッション」の導入が大きな変更である。これらミッションは残りのHorizon Europeとどう違う?

(注:明確な目標を設定した5つの「ミッション」-がん、気候、海洋、将来の都市、土壌と食糧安全保障の分野で-が設定される)

・そのミッションと、Horizon Europe全体として、欧州グリーンディールやグローバルターゲットとどう関係する?

・Horizon Europeには文化や創造性に関するもの、市民安全保障のための研究も含まれる。これらを含めた理由やそのメリットは?

・欧州加盟国のうち中央や東ヨーロッパの科学者は研究費を獲得しにくい。この問題にはどう対処する?

・今後7年の欧州研究分野への展望は?

 

-WHOのCOVIDパンデミック起源についての報告は、実験室ではなく動物市場に焦点を絞る

WHO report into COVID pandemic origins zeroes in on animal markets, not labs

30 MARCH 2021  Amy Maxmen

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00865-8

科学者はこの結論は納得できるが実験室からのリーク説支持者が満足するとは思えない、という

(本文省略。写真は生きた鶏を売る女性)

 

-COVIDの起源を探るのに次は

What’s next in the search for COVID’s origins

01 APRIL 2021  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00877-4

科学者はWHO報告は入手可能な根拠の合理的スタート地点であるが、まだ答えるべき多くの疑問があるという

 

-何故屋内空間がいまだに主要COVIDホットスポットなのか

Why indoor spaces are still prime COVID hotspots

30 MARCH 2021  Dyani Lewis

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00810-9

ウイルス粒子が建物の中で貯まるとリスクが急増するが、どうすれば換気を改善できるのか明確ではない

換気の明確な指標や改善するためのお金を提供しないと屋内を安全にするのは難しい