2021-04-16

[ヘルスカナダ] ヘルスカナダはネオニコチノイドの水棲昆虫への影響についての決定を発表

Health Canada releases decisions on neonicotinoid pesticides for impact on aquatic insects

March 31, 2021

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2021/03/health-canada-releases-decisions-on-neonicotinoid-pesticides-for-impact-on-aquatic-insects.html

‐新たな緩和措置は水棲昆虫やその環境を保護するのに役立つだろう。

本日、広範な公聴会と科学に基づく評価を含めた特別なレビューに続き、ヘルスカナダはネオニコチノイド系農薬2種、クロチアニジン及びチアメトキサムからの水棲昆虫へのリスクに関する決定を発表した。

水棲昆虫を保護するために、ヘルスカナダはクロチアニジン及びチアメトキサムのいくつかの使用について更新し、登録が残っているいくつかの使用に関する追加の緩和措置と制限を導入する予定である。特別なレビュー中において収集された新たな情報により、ヘルスカナダはいくつかの使用は水棲昆虫へのリスクを引き起こさないが、ほかの使用はリスクを引き起こす懸念があるという決定をすることができた。改訂された使用条件は本日から24か月以内にすべての製品表示に反映されなければならない。一部の適切な代替品がない使用はさらに追加で24か月継続される予定である。農薬の使用への調整はヘルスカナダの Policy on Cancellations and Amendments Following Re-evaluation and Special Review(再評価及び特別レビューに続く中止や修正に関する政策)に準じる。

この特別なレビューでは、ヘルスカナダは、この過程を通して一般国民から47,000以上の意見を受け、業界、ステークホルダー及びカナダ国民からの相当な参加と協議に取り組んだ。レビューは大量の最新の水質監視データと科学研究と論文も考慮した。

公開性と透明性の約束の一環として、ヘルスカナダは科学評価の結果と今後の取り組みを含めこれらの特別なレビュー決定に関連する情報を公表している。

基本データ

・ネオニコチノイドはさまざまな農作物の害虫を管理するため、種子処理としてまた芝や観賞植物などほかの使用も含み、使用される農薬の1種である。

・新たな緩和措置に応じた使用の場合、クロチアニジン及びチアメトキサムは水棲昆虫に追加のリスクを引き起こさないだろう。

・登録が残っている使用に関してこの新たな措置が含むことは、散布量の引き下げ、散布回数の削減及び散布の緩衝地帯といった改訂された使用方法の表示である。

・カナダで販売が許可されるためには、すべての農薬は科学に基づく厳格なレビューを経なければならない。ヘルスカナダの病害虫管理規制局(PMRA)はカナダの農薬規則に責任がある。

関連製品

・背景:クロチアニジン及びチアメトキサム(水棲昆虫)の特別なレビューの決定

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2021/03/backgrounder-special-review-decisions-for-clothianidin-and-thiamethoxam-aquatic-insects.html

関連リンク

・ネオニコチノイド系農薬の更新

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/consumer-product-safety/reports-publications/pesticides-pest-management/fact-sheets-other-resources/update-neonicotinoid-pesticides-2020.html

・ヘルスカナダはネオニコチノイド系農薬の授粉媒介者の再評価最終決定を発表する

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2019/04/some-cancellations-and-new-restrictions-to-protect-bees-and-other-pollinators.html

 

[ヘルスカナダ] カナダ政府はカナダの環境保護法1999を強化する約束をし、健康的な環境に対する権利を認識する

Government of Canada Delivers on Commitment to Strengthen the Canadian Environmental Protection Act, 1999 and Recognizes a Right to a Healthy Environment

April 13, 2021

https://www.canada.ca/en/environment-climate-change/news/2021/04/government-of-canada-delivers-on-commitment-to-strengthen-the-canadian-environmental-protection-act-1999-and-recognizes-a-right-to-a-healthy-enviro.html

本日、カナダ政府はカナダの環境保護法1999の修正を約束し、カナダ国民が健康的な環境をもつ権利を認識した。有害物質の暴露、リスクを引き起こす毒性物質、有害な化学物質、食品医薬品法等に関する改訂、修正を含む。

 

[ヘルスカナダ]カナダ政府は薬物過剰使用危機の影響を受けた家庭の烙印を減らし支援するための資金提供を発表

Government of Canada announces funding to help reduce stigma and support families affected by the overdose crisis

April 15, 2021

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2021/04/government-of-canada-announces-funding-to-help-reduce-stigma-and-support-families-affected-by-the-overdose-crisis.html

カナダでは過剰使用危機が地域や家族に壊滅的影響を与え続けている。悲劇的なことにCOVID-19パンデミックが事態を悪化させている

 

[ANSES] ウマ用医薬品の摂取事故を予防する  

Preventing the accidental ingestion of medicinal products for horses

16/03/2021

https://www.anses.fr/en/content/preventing-accidental-ingestion-medicinal-products-horses

ヒトが偶然動物用医薬品に暴露された後の有害事象の例が定期的に報告されている。馬用のPrascend®は、駆虫薬に次いで最もよく関係する医薬品である。一般に食品に隠されるその投与方法により特別な助言が生じる。

Prascend®はヒトが偶然に暴露した例として、2番目に最も多い動物用医薬品(外用の駆虫薬に次いで)である。これは2018年にフランスで報告されたヒトにおけるすべての有害事象研究で示されている。このペルゴリドベースの医薬品は、深刻なホルモンバランスの乱れを引き起こす馬クッシング病の治療を目的とする。便宜上、錠剤は一般にリンゴやパンのかけらといった少量の食品にしばしば隠される。それはたいてい前もって準備されているので、知らされていない人がその食品を意図せず食べる可能性の時間がある。

ANSESの一部であるフランス動物用医薬品局はこの種の偶発的な摂取を予防する助言を繰り返している:

▶動物に投与する直前に、最後に治療薬の準備をすること。

▶これができない場合は、すぐに手の届かない場所に適切に表示をした密閉容器に治療薬を置くこと(鍵のかかるキャビネット、棚上部など)

偶然Prascend®を飲み込んだら、その製品のリーフレットを持って、すぐに医師に相談し助言を得ること。しかし、神経系症状(すなわち、眠気やめまい)があるので、自分で運転せず、誰かに付き添ってもらうほうがよい。機械の使用も全く勧めない。

動物用医薬品の使用の結果としてのヒトにおける有害事象は、保健省のウェブサイトに報告できる。

 

詳細

動物用医薬品へのヒトの暴露例に関する研究(フランス語)

https://www.anses.fr/en/system/files/ANMV-Ra-ExpoHumaine-MedicamentVeterinaire2018.pdf

 

[ANSES] つけ爪ののりが衣類に跳ねてやけどすることに注意

Beware of burns from false nail glue splashing onto clothes!

30/03/2021

https://www.anses.fr/en/content/beware-burns-false-nail-glue-splashing-clothes

付け爪の最近の流行とCOVID-19のパンデミックによる制限は、家庭でのシアノアクリレート接着剤使用の増加につながった。これらののりが皮膚に直接接触することは通常は深刻ではないが、衣類にはねて深刻なやけどを引き起こすことがあり、時には皮膚移植まで必要になることがある。

繊維との接触に関連する化学反応

シアノアクリレートのつけ爪のりが直接皮膚に接触することは通常深刻でない。他方、こののりが、特に綿や羊毛の、繊維と接触すると、異常な高熱が瞬間的に放出される化学反応を引き起こす。加えて、のりは流動性が高く繊維に拡がりやすい。それは皮膚のやけど部分を広げる。

2020年11月、フランス中毒管理センターは2件の幼い子供の深刻なやけどの事例を報告した:20か月の女の子が綿のTシャツを介して左手首にやけどを負い、皮膚移植が必要だった。また、2歳の女の子が手と前腕にやけどを負った。

製品は子供の手の届かないところに

これらのつけ爪ののりは店舗やインターネットで自由に販売されている。入手できる多くの製品において、やけどのリスクの言及は、衣類を介して直接あるいは間接どちらでも、しばしば不明瞭で、または全く表示がないこともある。

子どもに最もよく起こる深刻なやけどを防ぐために、ANSESは製造業者が表示をより明確に、見やすくし、市民に以下を周知することを推奨する:

▶これらの製品を子供の手の届かないところに置く重要性;

▶のりが衣類に跳ねた場合にとる行動:やけどの大きさと深さを制限にするために、即座に冷たい石鹸水をのりの跳ねた部分につけ、医師の診察をうけること。

最後に、ANSESはシアノアクリレート接着剤が模型製作のような他の目的にも使用され、上記の助言はこれらの使用にも適用されると強調する。

 

[ANSES]貝のブレベトキシン:消費者を守るためにガイドライン値を提案

Brevetoxins in shellfish: proposal of a guideline value to protect consumers

13/04/2021

https://www.anses.fr/en/content/brevetoxins-shellfish-proposal-guideline-value-protect-consumers

2018年に初めて、マリンバイオトキシンの一グループのブレベトキシンがコルシカ島のイガイに検出された。ヒトが摂取すると、これらの毒素は神経学的、胃腸のおよび/または心血管の症状を引き起こす可能性がある。他の国々で発生した食中毒事例に基づき、ANSESは、カキやイガイなど貝類の消費者を守るためにガイドライン値を提案した。この作業は新興毒素の分野での大きな科学的躍進を示す。ANSESは、コルシカ島ではブレベトキシンを生産する微細藻類はこれまで確認されておらず、特に調査する必要があると強調する。

フランスの貝類に検出された新しいマリンバイオトキシン

ブレベトキシン(BTX)は神経刺激の伝達を増強する海産毒である。汚染された貝類を摂取すると、神経性貝中毒(NSP)の原因となる可能性がある。この中毒は神経学的、胃腸のおよび/または心血管の症状の原因となる。軽症例で最も一般的に観察される症状は、顔と手足のチクチクする痛みやしびれである。これまでに世界中でこれらの毒素に関連したヒトの死は報告されていない。だが、海生動物相への毒性が知られており、主にメキシコ湾の魚、海鳥、亀、海洋哺乳類の大量死につながる可能性がある。

BTXは現在、新興毒素と見なされているフランスや欧州では規制されていない。だが、長年規制されてきた特にフロリダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコではリスクになることが実証されている。

2018年の貝類新興海産毒を監視するフランスのネットワーク(EMERGTOX)の作業プログラムに加えられた後で、BTXは同年コルシカ島の湾のイガイにフランスで初めて検出された。ANSESはその後、食品総局(DGAL)や健康総局(DGS)に貝類(イガイ、カキなど)の消費者の健康保護を目的としたガイドライン値を提案するよう依頼された。

他の国々で発生している食中毒事例のデータに基づき、ANSESは症状に関連したブレベトキシンの最小用量を特定した。この作業によりANSESは、ブレベトキシンBTX-3を参照に用いて、BTX-3 当量で表されるガイドライン値180 µg/kg 貝の身、を提案した。

コルシカ島でBTXを生産する微細藻類の種は現在わかっていない

フランスでのこの出現の原因はこれまでわかっておらず、特に調査する必要がある。

BTXは海洋微細藻類によって生産される。主な生産者は、大都市圏フランスの水中で植物プランクトンと植物毒素(REPHY)のモニタリングネットワークに検出されていない、Karenia brevis渦鞭毛藻である。

他の微細藻類もBTX生産の疑いがある;これらにはK. papilionacea、K. mikimotoi、K. bicuneiformis、Chattonella marina、Heterosigma akashiwo、Fibrocapsa japonicaが含まれる。そのうちいくつかは大都市圏フランスの水中で見つかっているが―1987年以降―それらのBTXの生産は確認されていない。

皮膚接触や吸入によるBTXへの暴露を理解するための追加作業

ANSESは、特に水泳、他のウォーターアクティビティ、海のしぶきの吸入に関連する、汚染水との直接接触によるBTXへの暴露について専門家による評価作業を継続している。その結果は2021年末に入手できる予定である。

ブレベトキシンなどマリンバイオトキシンで汚染された貝類の摂取に関連する中毒事例を報告するためのトキシコビジランスネットワークでの中毒管理センター用の報告書式も開発された。この書式は中毒事例の特定を容易にし、フランスのブレベトキシンに関する健康上の懸念のレベルをより正確に推定することにつながる。

追加情報

・貝類のブレベトキシン、毒性に関するデータ、微細藻類の発生と生産に関する知見状態についての意見及び報告書

Opinion and Report on the state of knowledge on brevetoxins in shellfish, data on toxicity, occurrence and producing microalgae

https://www.anses.fr/fr/system/files/ERCA2020SA0020Ra.pdf

(フランス語)

 

[FDA]FDAはある種の遺伝子組換えキャノーラ種子の不注意による低レベル存在について企業に助言

FDA Advises Companies Regarding Inadvertent Presence of Low Levels of Certain Genetically Engineered Canola Seeds

April 13, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-advises-companies-regarding-inadvertent-presence-low-levels-certain-genetically-engineered

米国食品医薬品局は、キャノーラ種子の特定のロットと少数のキャノーラ畑で、現在FDAがレビューしている2つの新しいキャノーラ品種の種子由来の低レベルの遺伝物質が見つかっていると、BASF社農業ソルーション部門(BASF)とNuseed社から通知された。この2つの新しいキャノーラ品種は特定のオメガ-3系長鎖脂肪酸を生産するように変更されている。

BASFはFDAに、検査を通して、ハイブリッドキャノーラ種子のいくつかのロットと少数のキャノーラ畑に不注意に存在する2つのキャノーラ品種由来の低レベルの遺伝物質が見つかったという情報を伝えた。この新しいキャノーラ品種の1つはBASF社が、もう1つはNuseed社が作った。

FDAは現在新しいキャノーラ種子品種について各企業と任意の市販前食品安全協議を行っているが、これらのレビューは完全には完了していない。市販前協議は任意だが、企業は通常、この協議が完了するまでその製品を市販しない。

FDAはBASF社とNuseed社に、このような低レベルでヒトと動物の食品供給に不注意に存在する場合、FDAはこれら新しいキャノーラ品種の安全性に質問はないと述べる書簡を発行した。遺伝物質が低レベルで存在するときの安全性を評価する際にFDAが注目する要因の1つは、新しい植物品種が発現したタンパク質が感受性の高いヒトにアレルギー反応を起こす可能性があるかどうか、また人々や動物に毒となり得るかどうかである。新しいキャノーラ品種それぞれに由来する食品の各企業の任意の市販前のバイオテクノロジー協議のデータや他の情報から、このキャノーラに発現した新しいタンパク質はヒトにアレルギーを起こす可能性は低く、人々や動物に毒ではないと立証されている。

FDAは今後数週間でBASF社とNuseed社の新しいキャノーラ種子両品種の食品安全協議を完了する予定で、協議が完了したら更新する。

 

追加情報

・新しい植物品種の規制情報

https://www.fda.gov/food/food-new-plant-varieties/new-plant-variety-regulatory-information

・新しい植物品種由来食品に関する協議プログラム

https://www.fda.gov/food/food-new-plant-varieties/consultation-programs-food-new-plant-varieties

・BASF社農業ソルーション部門への書簡

https://www.fda.gov/media/147481/download

・Nuseed社への書簡

https://www.fda.gov/media/147482/download

 

[FDA]リコール

NS NY Distributor Inc は表示されない成分シルデナフィル及びタダラフィルのためPremium OrgaZen 7000及びGinseng Power 5000の全国的な自主回収を発表する

NS NY Distributor Inc Issues Voluntary Nationwide Recall of Premium OrgaZen 7000 and Ginseng Power 5000 Due to Presence of Undeclared Sildenafil and/or Tadalafil

April 09, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/ns-ny-distributor-inc-issues-voluntary-nationwide-recall-premium-orgazen-7000-and-ginseng-power-5000

NS NY Distributor Inc は表示されない成分シルデナフィル及びタダラフィルのためPremium OrgaZen 7000及びGinseng Power 5000を自主回収している。製品写真あり。

 

[FDA]警告文書

- Maison Terre, LLC

APRIL 01, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/maison-terre-llc-610315-04012021

医薬品の調合、包装、衛生管理、不純品の問題。ヒドラスチス根粉末製品を含む。

 

- Trinity Natural Health & Pain Management, Inc.

APRIL 13, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/trinity-natural-health-pain-management-inc-614007-04132021

コロナウィルス疾患2019(COVID-19)に関連する未承認かつ不正表示の問題。ハーブの製品を含む。

 

[HK] 法令違反

乾燥中国白菜のサンプルに基準値超過の重金属汚染

Metallic Contamination exceeds legal limit in a dried Chinese white cabbage samples

Monday, April 12, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210412_8607.html

乾燥中国白菜のサンプルにクロミウムがそれぞれ0.73ppm検出された。

 

[TGA]医療用カンナビス製品(MCP)の供給と卸売

Supply and wholesaling of medicinal cannabis products (MCP)

13 April 2021

https://www.tga.gov.au/resource/supply-and-wholesaling-medicinal-cannabis-products-mcp

TGAによる医療用カンナビス製品(MCP)の供給と卸売ついて説明する。

https://www.tga.gov.au/sites/default/files/supply-and-wholesaling-medicinal-cannabis-products-mcp.pdf

 

[EU]ケージ時代を終わらせる-欧州市民イニシアチブ

End the Cage Age - European Citizens' Initiative

15-04-2021

https://www.europarl.europa.eu/committees/en/end-the-cage-age-european-citizens-initi/product-details/20210325ECI00041

欧州議会農業地方開発委員会は、請願委員会と合同で欧州市民イニシアチブ「ケージ時代を終わらせる」についての公聴会を開催した。このイニシアチブは2018年9月5日に登録されたもので18加盟国140万人の賛同を集めて閾値に達し、欧州委員会に提出された。

このイニシアチブは欧州委員会に家畜をケージに入れることを止め、ケージ使用を禁止する規制を提案するものである

(閾値は加盟国の1/4以上の国から100万人以上の賛同を得ること)

 

-EUの動物の福祉戦略の評価

Evaluation of the EU strategy on Animal Welfare

https://ec.europa.eu/food/animals/welfare/strategy/evaluation_strategy_en

 

[ODS] Special Supplement

04/14/2021

https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/2cc9f7f

3月16日に行われたDietary Supplements: What You Need to Know (ダイエタリーサプリメントについてしっておくべきこと)のウェビナー配信。

https://videocast.nih.gov/watch=41643

 

[CDC]オピオイド使用疾患と致死的過剰使用の州レベルでの経済的コスト-米国2017

State-Level Economic Costs of Opioid Use Disorder and Fatal Opioid Overdose — United States, 2017.

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2021;70:541–546

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7015a1.htm?s_cid=mm7015a1_w

2017年のオピオイド使用疾患($471 billion)と致死的過剰使用($550 billion)の経済的コストは合計1兆210億ドル

州ごとの推定では一人あたり1204ドルのハワイから7247ドルのウエストバージニアまで

 

[IARC]WHO腫瘍分類 第5版第5巻:胸部腫瘍

Publication of the WHO Classification of Tumours, 5th Edition, Volume 5: Thoracic Tumours

15 April 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/publication-of-the-who-classification-of-tumours-5th-edition-volume-5-thoracic-tumours/

印刷物で入手可能

 

[FTC]COVID-19消費者保護法での最初の対応として、FTCはコロナウイルス治療法との詐欺的に宣伝に罰金を求める

In First Action Under COVID-19 Consumer Protection Act, FTC Seeks Monetary Penalties for Deceptive Marketing of Purported Coronavirus Treatments

April 15, 2021

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/04/first-action-under-covid-19-consumer-protection-act-ftc-seeks

FTCはビタミンDと亜鉛製品をCOVID-19の治療や予防用にと詐欺的に宣伝していたカイロプラクターにCOVID-19消費者保護法違反による罰金を科す

COVID-19消費者保護法は2020年に成立し、現行のFTC法では不可能な一回目の違反で罰金を科す権限をFTCに与えた

 

-消費者向け情報

FTC とDOJは新しいCOVID-19消費者保護法で最初の事例をあげる

FTC and DOJ bring first case under new COVID-19 consumer protection law

April 15, 2021 by Colleen Tressler

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2021/04/ftc-and-doj-bring-first-case-under-new-covid-19-consumer-protection-law

COVID-19の治療や予防に効果があることが証明されたサプリメントは存在しない。しかしこの種の根拠のない、あるいは虚偽の宣伝は止まらない。もしあなたがその手の主張を目にしたら、FTCはあなたにそれらを無視して欲しい。

COVID-19消費者保護法のもとで最初にとられた対応として、セントルイスのカイロプラクターEric Anthony Neputeと彼の会社Quickwork LLCがビタミンDと亜鉛製品を免疫強化作用が証明されていてCOVID-19の治療や予防に有効と詐欺的に宣伝販売していたことを告発した。さらに被告はそれら製品がワクチンより効果的だと主張していた。FTC代理の司法省の告訴によると、被告は科学的根拠をもっていない。罰金に加えて、政府は被告がさらに根拠のない宣伝をすることを禁止することを求めている

 

論文

-水稀少足跡が米国の個人の食事の選択の影響を明らかにする

Water scarcity footprint reveals impacts of individual dietary choices in US

15-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uom-wsf041221.php

Nature Foodに発表された食生活における水の使用の影響。

Water scarcity footprintは地域毎の水不足の違いを考慮した指標。米国人の平均的食生活においては最も大きな寄与は肉の摂取で31%。肉の中でも牛肉は鶏肉の6倍の影響。

他に水強度の強い作物はアーモンド、クルミ、カシューナッツなどの米国西海岸のような水の少ない地域で育てられている野菜や果物やナッツ。

 

-エネルギードリンクの大量摂取は若い男性の心不全と関連する

Heavy energy drink consumption linked to heart failure in a young man

15-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/b-hed041321.php

BMJ Case Reportsに報告された、21才男性の症例報告。毎日約2年間、エネルギードリンクを4缶定期的に飲んでいて労作時の息切れ、起坐呼吸、体重減少が4ヶ月間徐々に悪化してICUに至った。

(500mLのエネルギードリンク、1本に約160mgのカフェイン、を1日4本)

 

-過体重または肥満の患者はより重症COVID-19リスクが高い

Patients who are overweight or obese at risk of more severe COVID-19

15-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/mcri-pwa041421.php

Diabetes Careに発表された11カ国18病院の入院患者の調査。18才以上の7244人の患者のうち、34.8%が過体重で30.8%が肥満。肥満のCOVID-19患者は酸素が必要になる可能性が高く、人工呼吸が必要になる可能性が73%高い

「短期的肥満対策がCOVID-19パンデミックに直ちに影響することはないだろうが、将来のウイルスパンデミックの疾病負担を減らす可能性がある」

 

-経済的ストレスは何年も後の身体的痛みにつながるか?

Can financial stress lead to physical pain in later years?

15-APR-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-04/uog-cfs041521.php

Stress & Healthに発表された研究によるとイエス

 

Nature & Science

-Nature書評

トイレ-それをなおすのにどのくらいかかる?

Toilets – what will it take to fix them?

12 APRIL 2021  Josie Glausiusz

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00953-9

世界の下水システムの不足は革新と支援運動が必要である

Pipe Dreams: The Urgent Global Quest to Transform the Toilet

Chelsea Wald Avid Reader/Simon & Schuster (2021)

 

Waste: One Woman’s Fight Against America’s Dirty Secret

Catherine Coleman Flowers The New Press (2020)

の2冊の紹介

現代の衛生インフラは我々の排泄物が魔法のように消えるかのような幻想を作り出した。しかしうんちはただ流れるだけではない。しばしばそれは処理されないまま、人々や生態系を毒している。水やエネルギーが少なくて済む新世代トイレが必要である

 

-Natureニュース

COVIDワクチンデマの拡散を抑える競争

The race to curb the spread of COVID vaccine disinformation

Jeff Tollefson 16 APRIL 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00997-x

研究者は反ワクチンプロパガンダを追跡するのに2020米国大統領選挙のときに磨き上げた戦略を適用している

米国のデマ研究者たちは相当な害の可能性のある選挙とCOVIDワクチンに焦点をあててきた。ソーシャルメディア企業は警察のような行動を好まないがあまりにも問題が大きくて対応しなければならないトピックがある。オンラインデマは、言論の自由と害を与える可能性の天秤にかける必要がある。

 

-Science 16 APRIL 2021 VOL 372, ISSUE 6539

ニュースを一目で

  1. 218-219

・日本が懸念にも関わらず福島の水を太平洋に放出

・生命倫理委員会がヒトと動物の脳のキメラに注意

・ニューヨークが幹細胞研究費を止める

 

特集 夢のワクチン

The dream vaccine

Jon Cohen pp. 227-231

SARS-CoV-2だけで止める理由がある?たくさんのコロナウイルスから一度に守るワクチンが開発中

 

展望:180種の腸内マイクロバイオーム

The gut microbiomes of 180 species

Abigail L. Lind, Katherine S. Pollard pp. 238-239

各種動物の腸内の微生物を調べた報告

Diversity and functional landscapes in the microbiota of animals in the wild

Doron Levin et al.,

これまで知られていなかった細菌が多数

シロエリハゲワシの腸内細菌は毒素を代謝するプロテアーゼをつくり、それが腐肉を食べることによる食中毒対策になっている可能性

 

SMC UK

-赤肉と心疾患を調べた学会要旨の欧州心臓病学会プレスリリースへの専門家の反応

expert reaction to press release from the European Society of Cardiology on a conference abstract looking at red meat and heart disease

APRIL 15, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-press-release-from-the-european-society-of-cardiology-on-a-conference-abstract-looking-at-red-meat-and-heart-disease/

欧州心臓病学会(ESC)が赤肉と加工肉摂取と心臓機能を調べた観察研究のプレスリリースを発表した

問題の研究が入手できないので、これらのコメントはプレスリリースのみに基づく。

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

プレスリリースからはこの研究は英国バイオバンクのデータを使った良い研究のように見える。結果は驚くべきものではなく、これまでの研究で示唆されていたように、たくさんの肉を食べるヒトは心疾患リスクが高い-しかしそのメカニズムを理解する助けになるだろうたくさんの情報が加わっている。

食事に関しては、個々の食品を単独で考えるのではなく、全体的アプローチをとることが重要である。肉はタンパク質と鉄の重要な摂取源で、貧血は相当な問題である。個別の食品だけを考えるのは全体的に利益がある可能性は低い。

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

これについて言えることはあまりない-単なるプレスリリースで適切な詳細情報が無いので。指摘できるのは観察研究は因果関係を証明できないことである。

英国心臓財団心臓健康栄養士Tracy Parker

Reading大学食品栄養健康研究所長Ian Givens教授

Aston大学医学部上級教育フェローで登録栄養士Duane Mellor博士

赤肉を多く食べる人の中には魚や野菜をあまり食べない人がいて、この手の何を食べているか研究では何が食べられていないかも考える必要があることに留意すべきである

ロンドン大学St. George NIHR薬理学臨床講師Dipender Gill博士

この知見は文献に寄与するもののそれだけをもって因果関係をしめすものではない。医師や保健当局がこれまでも言ってきたように、心血管系疾患リスクを最小限にするために、個人はバランスのとれた食事とライフスタイルに従うべきである

 

-イングランドでの2021年3月8-13日のコロナウイルスと検査陽性後の自主隔離についてのONSデータへの専門家の反応

expert reaction to ONS data on coronavirus and self-isolation after testing positive in England: 8 March to 13 March 2021

APRIL 15, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-ons-data-on-coronavirus-and-self-isolation-after-testing-positive-in-england-8-march-to-13-march-2021/

ONSがCOVID-19検査陽性後の自主隔離についての調査データを発表した

Bristol大学エンジニアリング数学教授Alan Champneys

我々の数理モデルによると自主隔離が厳密に守られていれば感染が抑制され生産性も上がる。従ってイングランドの多くの人が自主隔離を守っているというこれらの知見は極めて励みになる

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

これらのデータには興味深い詳細がある、一部は励みになるが一部はそうではない。82%が完全に規則に従うと回答したのは励みになる。しかし18%はそうではない。そして多くの人は要求事項を理解しているが30%は理解していない、そして誤解は55才以上に多い。また調査対象者の不確実性がわからない

King’s College London心理学と新興健康リスク教授James Rubin教授

広い意味ではデータは良いニュースだが解釈には注意が必要である。一つはこのデータは検査を受けてNHS Test and Traceに接触に関する詳細情報を提供した人のうちで自主隔離にどのくらい従ったを示す。症状があるのに検査しなかった人は含まれない。そういう人の順守率が低いだろうと考えるのが合理的である

二つ目は回答率が低いこと。ONSが電話した6人中1人しか回答していない。ここに系統的バイアスが入り込む。多分、隔離規則に従わない人の方が規則に従ったかどうかへの調査に反応しないだろう。

UCL行動科学と健康学部Robert West教授

この結果に注意すべき3つの理由がある。最初は、異なるサンプリング方法を用いた繰り返し調査で報告された率より自主隔離率が相当高い。二つ目はデータは自己申告であり、自主隔離の圧力が極めて高い時期のものである。三つ目は調査対象は検査を受けることを自分で選んで調査に協力した人なので、平均的人より順守率が高い可能性がある。従って見だしの数字は過剰推定であるリスクが高い。

(数理モデルの人が数字をそのまま受け取って反応しているのに対して人間を研究している人が慎重なのが面白い。数学モデル関連ずっとこんな感じ。)

 

その他

-デンマーク:ハーブレメディに関連するサルモネラ中毒で三人死亡

Denmark: Three die of salmonella poisoning linked to herbal remedy

https://www.bbc.com/news/world-europe-56751493

33人が病気の大規模アウトブレイク

Orkla Care 製造Huskブランドのオオバコ外皮カプセル。下剤として使われている

 

-健康不安:病気の恐怖が人々に仕事を辞めさせ引っ越しをさせる

Health anxiety: The fear of illness making people quit jobs and move home

https://www.bbc.com/news/disability-56591440

健康についてあまりにも心配な人はしばしば心気症と言われる。しかし一部の人にとってコロナウイルスは健康不安を悪化させた。時に失業や自殺企図にまでつながる

2020年3月に、ベンはバスの運転手をやめた。乗客が感染者で彼が移されたかもと考えるのを止められなかったからだ。彼は若くて健康で重症リスクは低いにも関わらず、感染して死んでしまうという考えに囚われていた。その二週間以内にベンは家族の家を離れ、誰も出入りしない都ことに引っ越した。仕事を辞め家を出ても感染不安は大きいままで外出せず誰とも会わなかった。彼は健康不安だった。

全ての人が健康について心配することはあるが、健康不安はそれが過剰になって恐怖に取り憑かれている状態である

(BBCメンタルヘルスのテーマを多くとりあげている)

 

-人々は一世紀前に疲れてインフルエンザパンデミック対策を諦めた-そして対価を支払った

People gave up on flu pandemic measures a century ago when they tired of them – and paid a price

March 23, 2021  J. Alexander Navarro(ミシガン大学医学史センター)

https://theconversation.com/people-gave-up-on-flu-pandemic-measures-a-century-ago-when-they-tired-of-them-and-paid-a-price-156551

1918年の資料へのリンク多数

当時はインフルエンザウイルスは発見されていないしワクチンもなかった、第一次世界大戦の終わりを祝いたかった。現在のアメリカ人には相当なアドバンテージがあるが、対策緩和が早すぎると何が起こるかは1919年のインフルエンザが教えてくれる

 

-米国と同等諸国のCOVID-19パンデミック関連超過死亡と潜在損失生命年

COVID-19 Pandemic-Related Excess Mortality and Potential Years of Life Lost in the U.S. and Peer Countries

:April 7, 2021 By Krutika Amin and Cynthia Cox

https://www.healthsystemtracker.org/brief/covid-19-pandemic-related-excess-mortality-and-potential-years-of-life-lost-in-the-u-s-and-peer-countries/

COVID-19パンデミックの影響を評価するために、研究者らは各種指標を使ってきた:直接COVID-19が原因と考えられる死や前年より多い死亡など。しかしこれらの指標は死亡がどのくらい早期だったのかや国による死亡年齢の違いを考慮していない。高齢者はCOVID-19による重症リスクが高いものの、若い人の死亡率にも影響する。

この概要では米国と各国の超過死亡率を年齢集団毎にレビューし、若い人々の死亡率にこのパンデミックがどう影響したのかを検討した。特に2020年の超過死亡を米国と他国で比べた。そして潜在損失生命年を推定した。

その結果、同様の豊かで大きな国の中で、米国は2020年の超過死亡率が最も高い国の一つで、他の国より若い人が多く死亡した。75才未満の人での死亡率が高く、米国はパンデミックによる早期死亡が最も大きく増加した。パンデミックの前から、米国は既に早期死亡が最も多かった。一人あたりの早期超過死亡率は、最も近い同様の国である英国の二倍以上である。この高い率は一部は米国内の人種間格差による。米国の2020年のパンデミックでは、米国の高齢ではない白人あるいはアジア系成人に比べて、アメリカンインディアン、アラスカ先住民、ヒスパニック、黒人、ハワイ先住民とその他太平洋諸島の人々が若い年齢で死亡する可能性が高い。

超過死亡の中では、米国は平均14年を失い、同様国では平均8年である

(図あり、比較しているのは欧州各国とカナダ、オーストラリア)