[FAO]FAOは全ての人に健康的食事を確保する新しい栄養戦略を実施する
FAO will implement a new Nutrition Strategy to ensure healthy diets for all
7 May 2021
http://www.fao.org/news/story/en/item/1397879/icode/
過去2年の広範囲の相談を経て、先週の第166回FAO評議会でFAOの栄養戦略が承認された。新しい栄養戦略はFAOの今後の行動枠組みを規定する
システムアプローチを採用
[RIVM]オランダの海藻摂取
Seaweed consumption in the Netherlands
10-05-2021
https://www.rivm.nl/publicaties/zeewierconsumptie-in-nederland
オランダ人が海藻製品を食べることが増えたように見える。最も良く知られているのは寿司だが、海藻は各種製品に含まれる。どのくらいの人が食べているのかはよくわかっていない。RIVMは初めてこのことを調べた。オランダ人の約1/4が定期的に海藻製品を食べている。
最も多く食べられているのはチップス/エビせんべいや海藻入りラップ、海藻ヌードル、シースパゲティ(褐藻の一種)、海藻サラダで、全人口集団が食べている。しかし教育レベルの高い、収入が平均より高い、都市に住む、若年成人が多く食べる。
摂取量は0.05g海藻/kg体重/日で、乾燥海藻に換算して1日0.5g。食べる量と頻度の個人差は大きい
論文
-酩酊は見知らぬ人との物理的距離を短くする、研究が発見
Intoxication brings strangers physically closer, study finds
10-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/uoia-ibs050521.php
PNAS。212人の若者を使った社会実験。友人と飲酒、知らない人と飲酒、の群に分け、血中アルコール濃度と距離を測定。友人同士はアルコールに関係なく近い、知らない人とは酔うと近くなる。
-生まれる前の飢餓への暴露はその後の過体重リスクを上げる
Prenatal exposure to famine heightens risk for later being overweight
10-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/cums-pet051021.php
International Journal of Obesityに発表された歴史的医療記録の解析。妊娠初期に1944-45年のオランダ飢餓に暴露された人は19才の時にBMI 25以上になる可能性が30%高い。1943年から1947年に生まれたオランダ人男性371100人の身長と体重を調べた。過体重リスクが高いのは大都市の肉体労働者の息子に限られる
(たった数ヶ月のオランダの飢餓よりひどい状況が第二次世界大戦下の日本にあったはず。だけど肥満問題にはなっていない。)
-CIAの誤解を招く予防接種推進がパキスタンのワクチン低下につながった
CIA's misleading inoculation drive led to vaccine decline in Pakistan
11-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/oupu-cmi050421.php
Journal of the European Economic Associationに発表された新しい論文が、2011年に米CIAがOsama Bin Ladenを捕まえようとして行った予防接種を使った計画がワクチンへの不信を悪化させたことを示す。
アメリカがOsama Bin Ladenが潜伏していると疑った地域でCIAが子どもたちのDNA検体を得ようと医師がB型肝炎ワクチンの投与をパキスタン保健当局の合意なしに開始した。この計画はOsama Bin Ladenが殺された後Guardianにより暴露された。TalibanがGuardianの記事を使って予防接種反対運動を推進した
-米国の食品由来空気の質に関連する健康影響の大部分は畜産による
Animal production responsible for vast majority of air quality-related health impacts from U.S. food
10-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/uom-apr050521.php
PNAS。食品生産が原因の大気汚染(PM2.5、アンモニア等)は、毎年16000人の死亡につながりその80%は畜産による
-消火剤化合物がアシカとオットセイの子どもから発見された
Firefighting chemical found in sea lion and fur seal pups
10-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/uos-fcf051021.php
オーストラリアのアシカとオットセイの肝臓のPFAS濃度がScience of the Total Environmentに報告された
-かわいい植物が保全と研究の脚光を浴びていることを発見
Study finds pretty plants hog research and conservation limelight
10-MAY-2021
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/cu-sfp051021.php
科学者はカラフルで美しい植物をより研究対象に選びやすい。花の色としては比較的珍しい青いものの研究が多い。Nature Plants
-Natureニュース
無数の下水サーベイランス法が世界中でCOVID対策を助けている
The myriad ways sewage surveillance is helping fight COVID around the world
10 MAY 2021 Freda Kreier
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01234-1
これまで排水追跡はポリオや違法薬物の使用を監視するために使われてきたが、この分野への関心と応用が膨らんでいる
「下水疫学」。しかし下水道が整備されていない途上国では課題が多い
-Scienceニュース
ネアンデルタールは炭水化物を食べて脳を大きくした
Neanderthals carb loaded, helping grow their big brains
By Ann GibbonsMay. 10, 2021
https://www.sciencemag.org/news/2021/05/neanderthals-carb-loaded-helping-grow-their-big-brains
ネアンデルタール人は野蛮な肉食者であるという一般的イメージをさらに打ち砕く:ネアンデルタール人の歯から集めた細菌についての新しい研究は彼らが根、ナッツその他の澱粉質の食品をたくさん食べていたことを示す。少なくとも60万年前-脳の拡大のために糖を多く必要とするのとほぼ同時に-我らの祖先はたくさんのデンプンを食べることに適応していたことを示唆する。PNAS
米国のベビーフードのヒ素問題続報
-ほとんどのベビーフードに有害金属。保護者が知る必要のあること
Toxic metals in most baby food. What parents need to know
May 10, 2021
子ども擁護団体が重金属規制値がないことを懸念
あなたは食品販売店で売られている食品の中でベビーフードが最も安全だと思っているかもしれないが、連邦政府の研究によるとヒ素、鉛、カドミウムなどが含まれる。Healthy Babies Bright Futuresの主任研究者Jane Houlihanは「現在毎日赤ちゃんは金属に暴露されていてその影響はIQ低下やADHDなどで一生続く」という。
新米ママのCatie Messengerはこのことを知ってショックを受けた
Houlihanは問題は規制がないことだという。FDAは2022年に鉛の規制値を提案するという。ヒ素やカドミウムをそれより後だ。それまでHoulihanは保護者にこれら有害金属を減らす簡単な方法を勧める。「コメは避ける。ニンジンとサツマイモは減らす。フルーツジュースとコメを避けるだけで70-80%減らせる」
-ニューヨークはベビーフードの有害金属の調査を開始
New York opens probe into toxic metals in baby food
April 30, 2021
https://www.reuters.com/world/us/new-york-opens-probe-into-toxic-metals-baby-food-2021-04-29/
ニューヨークの司法長官は木曜日にベビーフードのヒ素などの有害金属の調査を開始し、製造業者に彼らの乳児用コメシリアルが安全かどうかについての情報提供を求めた
5月28日までにコメシリアル製品のヒ素汚染リスクと検査についての情報を要求。
-ワシントン司法長官が製品の安全性について保護者を誤解させたとしてベビーフード会社を訴える
D.C. sues baby food company for misleading parents about its products’ safety
By Ketura Persellin (EWG) APRIL 26, 2021
Beech-Nut社を、製品の重金属について知っていながら虚偽の宣伝をしたとして消費者保護法違反で訴える
Beech-Nutはベビーフード製品をオーガニックで安全でナチュラルと宣伝していたが、重金属が存在することを知っていた。由来が天然だろうと、重金属暴露は有害である。
AG Racine Sues Baby Food Company Beech-Nut for Misleading Parents About the Health & Safety of Its Products
April 21, 2021
https://oag.dc.gov/release/ag-racine-sues-baby-food-company-beech-nut
(これではベビーフードにコメは使えないだろう。ヒ素が多いのは事実だし)
その他
-Center for Inquiry (CFI)
カリフォルニア司法長官に宛てた手紙
letter to the Attorneys General of California
May 5, 2021
https://cdn.centerforinquiry.org/wp-content/uploads/2021/05/05160859/CFI-to-AGs-California.pdf
親がワクチンに反対でも十分成熟したティーンエージャーには自分の判断でCOVID-19ワクチンを確実に接種できるようにしてほしい旨
-Global Advances in Health and Medicine
「エネルギー医学:現状と将来展望」の取り下げ
Retraction of Energy Medicine: Current Status and Future Perspectives
First Published April 13, 2021
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/21649561211012196
雑誌はWake Forest School of Medicineが発行する統合医学“integrative medicine”を標榜する雑誌。
問題の「論文」は引用文献のない無数の主張を含み、著者Christina L Rossは認証されていないハワイAkamai大学の学位所有者。内容は量子物理学に基づく鍼治療
-「代替医療」の研究における「思想的」バイアスの縦断研究
A Longitudinal Study of ‘Ideological’ Bias in Research of ‘Alternative Medicine’
Edzard Ernst
From: Volume 45, No. 3 May/June 2021
Edzard Ernst教授によるAdrian White博士の論文の調査
(https://uneyama.hatenablog.com/entry/2021/01/06/181824)
-最大の医療詐欺の一つがまだ行われている
One of the Biggest Healthcare Frauds Ever Is Still Ongoing
Nick Mulcahy May 04, 2021
https://www.medscape.com/viewarticle/950461
がんの遺伝子検査詐欺
連邦司法省が「これまでに起訴された中で最大の医療詐欺の一つ」と呼んだ詐欺的がん遺伝子検査犯罪に関与した35人のうち医師が9人看護師が1人だった。彼らはいろいろな事業で必要のないがん遺伝子検査のためにMedicareやその他の連邦医療費21億ドルをだまし取った。(2019年のこと)しかしいまだに詐欺は続いている。
最近はCOVID-19の合併症が注目されているために心疾患を宣伝するようになっている。
イベルメクチンの政治学
The Politics Of Ivermectin
By Chuck Dinerstein, MD, MBA — May 10, 2021
https://www.acsh.org/news/2021/05/10/politics-ivermectin-15537
先週我々はイベルメクチンについての記事を、電話とメールで脅迫されたため取り下げた。これらの反応は科学論文の破壊的対立的政治化の兆候の一つである。それは我々の信頼という織物、少なくとも善意の想定を破ろうとする小競り合いの一つである。医師および市民として言うべきことがある。
わずか一週間ほどの間にイベルメクチンについての記事が我々のウェブサイトに載るのは4回目である、そして我々だけではない。もう30年以上臨床経験があるが、ヒドロキシクロロキンを除いて、適用外使用の医薬品がこれほど注目を集めたことはない。一つの薬剤のために医師が宣伝活動をするのを見たことがない-FLCCC – the Front Line COVID-19 Critical Care Allianceである。
何がそんなにイベルメクチンを推させるのか?
単刀直入に言えばヒドロキシクロロキンと同じである。でもちょっと待って欲しい、私が問題にしているのは医師のことである。自分が救命救急医だと想像して欲しい-ICUは患者で一杯で上手い対処法がない。患者は次々に死体安置所に行く。あなたは無力だ。こんなことはかつてなかった。適用外のものや薬以外のものを探すだろう。
私にとって、現在のイベルメクチンを巡る医師の間の争いは、医学を巡るより重要な葛藤の争いである。我々は科学者なのか、職人なのか。それは二択ではなく連続体である。私は医師として、私の技術に科学を注入する。Joffe博士は言う:臨床家は、「パンデミックだからという理由で根拠のレベルを下げるべきではない。もしあなたがイベルメクチンは有効だと信じるなら、それを広く使わせる唯一の方法は臨床試験で有効性を示すことである」
適用外使用は、医師にが個人に調整したケアを提供するために技術を使えるようにする。それは他に手段がない場合には、どれだけの根拠があればいいのかを巡る戦いである。インターネットやプレプリントの時代に、医師はピアレビューのある雑誌以外の情報を得ることが多くなった。しかし多くの臨床医はブログや逸話から医学情報を得ることになれてはいない。結果的にFLCCCのリーダーの一人、Pierre Kroryの議会証言「これらのデータはイベルメクチンがCOVID-19に対する「魔法の薬miracle drug」であることを示している」という見当違いの言葉につながる。私がデータを読んでもデータは不十分としか結論できない。でも私は今最前線にいるわけではなく責任も変わった。Marik博士の言葉を記そう
「これは政治問題ではなく、政治問題にすべきではない。我々を導くのは科学とデータである。ウイルスが存在しないなどという陰謀論を聞くと怒りを覚える。人々は現実に死んでいる」
(善意とか一生懸命さが正しさを保証するものではないのが科学。)