2021-05-13

[Defra]英国は旗艦となる新しい行動計画で動物の福祉を先導する

UK to lead the way on animal welfare through flagship new Action Plan

Published 12 May 2021

https://www.gov.uk/government/news/uk-to-lead-the-way-on-animal-welfare-through-flagship-new-action-plan

政府は英国での動物の扱いを革新すし海外の動物の福祉を守る対策を導入する動物福祉行動計画を発表した。一連の行動は以下を含む

・ペットの福祉

子犬密輸規制、ネコマイクロチップ義務化、ペット泥棒取り締まり、遠隔コントロール電子首輪の禁止

・野生生物保護

霊長類をペットにすること禁止、違法ウサギ狩り禁止、野生生物保護に出資

・海外の動物保護

象牙、フカヒレ、フォアグラ販売禁止、象に乗るなどの海外の許容できない動物利用の広告禁止など

・畜産の福祉

生きた動物の肥育や屠殺目的での輸出禁止、家畜をイヌから守るのに警察を使う、家禽のケージや豚の分娩枠の検討、など

 

[ODS]COVID-19時のダイエタリーサプリメント

Dietary Supplements In the Time of COVID-19

Updated: May 12, 2021

https://ods.od.nih.gov/factsheets/COVID19-HealthProfessional/

専門家向けファクトシート

今やCOVID-19ワクチンが入手できるようになり、薬物治療法も開発中であるが、ダイエタリーサプリメントへの関心は高いままである。これらの成分の多くはCOVID-19の人での研究は行われていないが、免疫機能やよくある風邪、インフルエンザやその他の呼吸器感染症で研究されているものもある。そのため一部の科学者がCOVID-19にも期待できると信じている場合がある。このファクトシートはこうしたダイエタリーサプリメントの安全性と有効性についての最新の科学をまとめたものである

センシンレン

エキナセア

エルダーベリー

ニンジン

メラトニン

N-アセチルシステイン

オメガ3脂肪酸

プロバイオティクス

ビタミンC

ビタミンD

亜鉛

 

[FDA]FDAは「ヘルシー」シンボルに関する消費者研究の手続き通知を発表

FDA Issues Procedural Notice on Consumer Research on “Healthy” Symbol

May 6. 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-procedural-notice-consumer-research-healthy-symbol

FDAは、栄養含有強調表示 「ヘルシー(healthy)」を表すために将来的に使用される可能性のあるシンボルマークについて、消費者を対象とした予備的な定量調査を行う予定であり、その手続き通知を発表する。 ペーパーワーク削減法(Paperwork Reduction Act)の一環として、連邦政府機関は提案された情報収集について逐一連邦官報に掲載し、一般市民に意見提出の機会を与えることが義務付けられている。

この研究は、FDAが後に発表する予定の規則案の策定に合わせて行われており、この規則案では、製造業者がどのような場合に食品包装に「ヘルシー」という栄養含有強調表示を使用できるのか更新することになっている。このシンボルマークは、栄養含有強調表示を様式化したものである。

 今回の、栄養含有強調表示「ヘルシー」のための定義の更新とシンボルマークの作成は、FDAの栄養革新戦略(NIS)の一環である。NISは、有色人種のコミュニティで不均衡に高い割合で発生する栄養関連の慢性疾患を減らすことを目的としている。

 FDAは、収集される情報の質、有用性、明確性を高める方法について意見を求めており、連邦官報に掲載されてから60日後を期限とする。 

手続き案内

Procedural Notice

https://www.federalregister.gov/public-inspection/2021-09622/agency-information-collection-activities-proposals-submissions-and-approvals-quantitative-research

「包装済み食品に栄養含有強調表示「ヘルシー」を図示する任意シンボルに関する定量的研究」のための新規情報収集に関する意見募集。

FDAが求めるコメントのトピック

提案された情報収集がFDAの機能を適切に果たすために必要であるかどうか(その情報が実用的であるかどうかを含む)。

提案された情報収集の負担に関するFDAの見積もりの正確さ(使用された方法論と仮定の妥当性を含む)。

収集される情報の質、実用性、明確性を高めるための方法

必要に応じて自動化された収集技術やその他の情報技術の利用を含め、回答者の情報収集の負担を最小限にする方法。

「包装済み食品に栄養含有強調表示「ヘルシー」を図示する任意シンボルに関する定量的研究」概要

2019年と2020年に、FDAは包装前面(FOP)の栄養関連シンボルに関する文献のレビューを行った後、シンボルのコンセプトを検証し、製造業者が任意で使用できるFOPシンボルの草案を作成した。FDAは、この草案に対する消費者の反応を探るために、実験的研究と2つの調査という3つの連続した定量的研究を行うことを提案している。

研究1:米国の成人5.000人を対象とした15分程度のウェブアンケートを実施。参加者は無作為に4つの条件に割り付けられ、ラベル画像を見て、シンボルの有効性に関する様々な指標に答える。

研究2&3:研究2と3では同じ10分間のアンケートを使用し、複数のFOPシンボルの草案を検証。18歳以上の米国成人1.000人を対象。改訂されたシンボルの明確性、関連性、魅力に焦点を当てて調査する。

 

[ANSES]あなたのネコに犬用抗寄生虫薬を使わない

Do not treat your cat with antiparasitics for dogs

05/05/2021

https://www.anses.fr/en/content/do-not-treat-your-cat-antiparasitics-dogs

気候が暖かくなりダニやノミ、蚊などの寄生虫が戻ってくる。ペットを守るのに外部寄生虫撲滅薬は良い方法だが正確に使うことが重要である。特に犬用のペルメトリンベースの抗寄生虫薬はネコには危険である

2019年1月から2020年12月の間にペルメトリンベースの製品を与えられたネコの有害反応報告が179件ある。そのうち67件が重症で5匹は死亡している

(イヌとネコを区別できない人がそんなにいる?)

 

論文

-サンフランシスコにおけるCOVID-19パンデミック中の屋内退避命令前後の薬物過剰使用死

Drug Overdose Deaths Before and After Shelter-in-Place Orders During the COVID-19 Pandemic in San Francisco

May 12, 2021  Ayesha Appa et al., JAMA Netw Open. 2021;4(5):e2110452.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2779782?utm_source=For_The_Media&utm_medium=referral&utm_campaign=ftm_links&utm_term=051221

屋内退避命令前後の8.5ヶ月間に、サンフランシスコでの薬物過剰使用による死亡は合計902。毎週の平均死亡者は屋内退避命令後に50%増加した。

なお2020年3月17日から2020年11月30日までのサンフランシスコの薬物過剰使用による死亡は537人で、同期間のCOVID-19による死亡は169人である。

 

-我々はCOVID-19ワクチンデマへの集団免疫が必要である

We need herd immunity against COVID-19 vaccine misinformation

12-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/uons-wnh051121.php

PLOS ONEに発表された新しい研究によると、世界で1億300万人以上がCOVID-19ワクチンに関するデマと陰謀論をリンクし、シェアしリツイートし絵文字で反応した。

2020年に「新しいCOVID-19ワクチンは人のDNAを変え遺伝子組換えされる」というソーシャルメディアの投稿がオーストラリアのフェイスブックアカウントの間で出回り、2020年8月21日までに360のシェアと32000のビューを獲得した。

この研究ではニューサウスウェールズ大学の研究者が2019年12月から2020年11月までのニュースやソーシャルメディア投稿、オンライン報告などを検討した

(世界中の陰謀論を調べているのだが日本は言葉の壁があって対象になっていないようだ。韓国はあるのに)

 

-より良い豆を作って食料不足と戦う

Fighting food insecurity by building better beans

12-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/msu-ffi051221.php

Nature Communicationsに発表された、砂漠で育つテパリービーン(Phaseolus acutifolius A. Gray)の遺伝子の可能性についての研究

 

-裏庭の鶏、ウサギ、大豆は家庭のタンパク質需要を満たせる

Backyard chickens, rabbits, soybeans can meet household protein demand

12-MAY-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-05/mtu-bcr051221.php

Sustainabilityに発表されたミシガン工科大学の研究者らによる推定。通常裏庭は800-1000平方メートルあり、鶏かウサギを飼うとタンパク質需要の50%が満たせる。完全に満たすには穀物を買って鶏52羽あるいはウサギ107羽を飼う必要がある。それはほとんどの場合できないが、動物を諦めて大豆を食べるようにすれば需要を満たすことができる。

(素人があちこちで家畜をいいかげんに飼育するのは持続可能どころではない悪い選択。)

 

-Natureニュース特集

COVIDは如何にしてエビデンスのパイプラインを破壊したか

How COVID broke the evidence pipeline

Helen Pearson  12 MAY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01246-x

パンデミックは世界のエビデンスの作り方にストレステストを行い、欠陥を明らかにした

マンチェスターの救急医でEBMの専門家Simon Carleyがエビデンスに問題があると認識したのはパンデミックが始まってからそう経たない時だった。

2月にCOVID-19患者が急増すると、臨床医は突然エビデンスを投げ出し、生物学的に可能性がありそうだというだけでいろいろな医薬品に手を出し始めた。初期の研究はしばしば対照群がなく結論を出すにはあまりにも少人数だった。Carleyは重病の人に何でも良いから可能なことをしたいという気持ちは理解できるが、同時にそれがいかに危険なことかも知っていた。COVID-19パンデミックは前世紀に作られたEBMの最大のチャレンジのひとつになった。

他の専門家も同じ懸念をもち、このパンデミックはエビデンスをつくり使用することについての大きな欠点を明らかにした。研究者はこれまでCOVID-19に関する臨床試験を2900以上登録しているがそのほとんどは規模が小さすぎるあるいはデザインが悪く使えない。世界中の組織が医薬品やマスクやその他重要問題についての入手可能なエビデンスをつくろうと奮闘したが、新しい研究の殺到に追いつけず、しばしば他の研究を繰り返すだけだった。「これまでにない規模での研究資源の無駄があった」

一方素晴らしい例も出てきた。特に目立つのはワクチンとステロイドである。

COVID-19対応が短距離走からマラソンに変わり、研究者はこれまでの実績を評価し今後を見据える

以下EBMの歴史と現状、マスクのような実験的エビデンスがないものについてどうあつかうか、エビデンスがあっても使われるとは限らない問題、など

(これまでのところ世界で最も多くの人を救ったのはデキサメタゾン。圧倒的。臨床試験登録が多かったのはヒドロキシクロロキン、回復者血漿、イベルメクチン、ファビピラビル、ロピナビル、リトナビル、トシリズマブ、の順)

 

-Scienceニュース

古代のうんちの山がヒトの腸内細菌の「絶滅イベント」を明らかにする

Piles of ancient poop reveal ‘extinction event’ in human gut bacteria

By Andrew Curry May. 12, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/05/piles-ancient-poop-reveal-extinction-event-human-gut-bacteria

本日Natureに発表された研究が、ユタとメキシコで発見された糞石のDNAを分析して古代の腸内細菌を明らかにした。その結果ヒトの腸は過去千年以上にわたって数十の細菌種を失う「絶滅イベント」を経験し多様性が相当少なくなっていることを示唆する。

 

「有害なカクテル」:委員会は世界のパンデミック準備の失敗に厳しい判断をした

‘A toxic cocktail:’ Panel delivers harsh verdict on the world’s failure to prepare for pandemic

By Kai Kupferschmidt May. 12, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/05/toxic-cocktail-panel-delivers-harsh-verdict-world-s-failure-prepare-pandemic

初めての世界のCOVID-19対応の包括的レビューは、何度も何度も何度も警告があったのに、世界はパンデミックに準備できなかったことを発見した。この備えの欠如のために多くの国が必須の物資がなく不十分な医療システムに大きな負荷がかかり急いで対応しても多くの脆弱集団には身を守る術がほとんどないままにされた。

「戦略の選択の失敗、不平等対策へのやる気の無さ、そして協調性に欠けるシステムが害のあるカクテルとなってパンデミックを人類の壊滅的危機に変えた」と、本日発表されたパンデミック準備と対応に関する独立委員会(IPPPR)の報告書はいう。

次はもっとうまくやるために、委員会はパンデミック準備システムの上から下までの改革を提案する

(以下報告書について)

 

その他

-台湾でCOVID患者数が増加しスーパーマーケットの棚が空になった

Taiwanese empty supermarket shelves as local COVID cases rise

2021/05/13

https://www.taiwannews.com.tw/en/news/4202438

トイレットペーパーやカップ麵やマスク

(今更??)

 

-一部の反ワクチン提唱者にとって、デマはビジネスの一部である

For Some Anti-Vaccine Advocates, Misinformation Is Part Of A Business

May 12, 2021  GEOFF BRUMFIEL

https://www.npr.org/sections/health-shots/2021/05/12/993615185/for-some-anti-vaccine-advocates-misinformation-is-part-of-a-business

Sayer Ji 48才はナチュラル医学と称するものの提唱者で、ウェブサイトでナチュラルレメディと反ワクチンデマを宣伝している。ワクチンが危険だという虚偽の宣伝をしてサプリメントなどを売る。マーケット規模はアメリカ人の約20%。

Jiは何年も科学的根拠のない主張をしてきたが、コロナウイルスパンデミックは新しいセールストークを提供した

Center for Countering Digital Hateの研究によると、重要な反ワクチン活動家147のアカウントはパンデミックのおかげで少なくとも25%フォローワーを増やした

 

-再開反対を主張するのはCOVIDゼロ狂信者である

GUNTER: It’s the COVID-zero zealots who will howl against reopening

Lorne Gunter May 11, 2021

https://torontosun.com/opinion/columnists/gunter-its-the-covid-zero-zealots-who-will-howl-against-reopening

カナダのCOVID問題は間もなく病院の混雑やICUの不足ではなく、公衆衛生純粋主義者になるだろう。ゼロコロナ狂信者が、患者がゼロになるまで再開を反対するだろう

さらに政府の権限が大きいことを望む人たちがいる。個人を自由にしてはいけないと。

予防接種はリスクを下げるが排除はできない。従ってワクチンをした後もロックダウンは続けるべきと主張されている。カナダ人は患者がゼロの理想状態に近くなるまで待てない

(許容できるリスクレベルを決めるのは科学ではないのだけれど、最悪シナリオで科学的根拠とか言ってると科学へのヘイトがたまるだろう)

 

-陰謀論が如何に太平洋諸島でのCovidワクチン躊躇につながっているか

How conspiracy theories led to Covid vaccine hesitancy in the Pacific

Hugh Mcclure Wed 12 May 2021 22.00 BST

https://www.theguardian.com/world/2021/may/13/how-conspiracy-theories-led-to-covid-vaccine-hesitancy-in-the-pacific

各国が十分量を投与するのに苦労する一方でソーシャルメディアには出生管理や妊娠可能性についての嘘が溢れる

先月記録的アウトブレイクに襲われたパプアニューギニアではJames Marape首相がオーストラリアからの緊急援助で届けられたCovidワクチンの最初の接種者になった。接種される前に人々が彼に彼はワクチンのモルモットになる、彼が死んだら人々はワクチンを受けないだろうと言われた。彼は自分がお手本になって人々が続くことを期待する。Marape首相の兄弟二人も最初にワクチンを受けたグループに入っている。彼らは医療従事者ではないがあまりにも陰謀論が多く、医者ですら陰謀論を信じているのでそうしたという。ソーシャルメディアはアストラゼネカのワクチンに反対する情報が多い。ある報告によるとこの地域のフェイスブックのワクチンに関する投稿の62%は根拠のない嘘である

 

-クイーンズランドがおそらく尿の混じった溢れた水に関連するレプトスピラ症急増を記録

Queensland records spike in leptospirosis possibly linked to urine-laced floodwaters

13/05/2021

https://7news.com.au/news/public-health/queensland-records-spike-in-leptospirosis-possibly-linked-to-urine-laced-floodwaters-c-2829844

(その前にマウスの大発生があったらしい)

 

-黒カビがインドのCOVIDパンデミックを複雑にする

Black fungus complicates India's COVID pandemic

By Angela Betsaida B. Laguipo, BSN May 13 2021

https://www.news-medical.net/news/20210513/Black-fungus-complicates-Indias-COVID-pandemic.aspx

インドのCOVID-19患者数が増加する中、ムコール菌症と呼ばれる希な黒カビ感染が増加している

通常免疫機能の低下しているヒトで見られ死亡率は約50%。真菌の芽胞を吸い込むことで鼻腔や肺に影響する。ヒト-ヒト感染はない。おそらくCOVID-19治療目的での高用量ステロイド投与関連