2021-06-14

[EU]RASFF 06/06/2021~12/06/2021

警報通知(Alert Notifications)

インド産ドイツ経由有機皮をむいたゴマ種子の未承認物質クロルピリホス、モロッコ産有機アボカドのクロルピリホス、ポルトガル産ササゲのクロルピリホス、産出国不明ターメリックのエチレンオキシド、ギリシャ産レーズンの二酸化硫黄(E220)高含有及び非表示

産出国不明フェヌグリークのエチレンオキシド、ノルウェー産ホタテ貝の麻痺性貝毒(PSP)高含有の可能性、エジプト産酢漬けのブドウの葉の未承認物質カルベンダジム・チオファネートメチル及びプロピコナゾール、トルコ産食品添加物(結着剤)に混ぜたエチレンオキシド、スペイン産燻製メカジキロースの水銀、オランダ産ピスタチオ穀粒のアフラトキシン

注意喚起情報(information for attention)

イタリア産チルドタイセイヨウヤイトの水銀、中国産冷凍タラのロインの硝酸ナトリウム(E251)未承認、フランス産サバのヒスタミン、インド酸スライスした乾燥タマネギの未承認物質エチレンオキシド、中国産竹繊維製コーヒーカップからのメラミン及びホルムアルデヒドの溶出、英国産食品サプリメントの未承認物質タダラフィル、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス及びクロルピリホス-メチル、ベトナム産グアバの高濃度のカルボフラン

通関拒否通知(Border Rejections)

ボリビア産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド及びブプロフェジン、トルコ産生鮮ペッパーのブプロフェジン及びピリダベン、エジプト産オレンジのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド及びブプロフェジン、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン、テブフェンピラド及びブプロフェジン、ウクライナ産冷凍キノコ(Imleria badia)の高濃度の放射線量、ブラジル産殻をとったピーナッツのアフラトキシン、中国産茶の多量の未承認アントラキノン、トルコ産生鮮ペッパーのアセタミプリド

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 159-21

11 June 2021

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20159-21.aspx

新規申請と提案

・昆虫耐性トウモロコシ系統MON95379由来食品

意見募集

 

-食品添加物甘味料について意見募集

Call for comment on a food additive sweetener

11/06/2021

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-a%20food-additive-sweetener.aspx

Yarrowia lipolyticaのGM系統の発酵で作ったステビオール配糖体について、7月22日まで

 

[RIVM]報告書

-乳児のビタミンK予防実施計画

Implementation plan for vitamin K prophylaxis for infants

10-06-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/implementatieplan-vitamine-k-profylaxe-voor-zuigelingen

新生児は出血予防のため生まれてすぐビタミンKを与えられる。2017年に、オランダ保健協議会が、経口ビタミンKドロップは全ての子どもにとって十分な予防にならないので別の形態のビタミンが必要だと示唆した。母乳を与えられていて脂肪吸収不全のある子どもでは経口ビタミンKドロップが有効でないためである。こうした子どもには注射の方が効果的である。オランダ保健福祉スポーツ省(VWS)はRIVMに追加情報を要請した。VWSは現在産後ビタミンK投与を注射で行うことを検討している。

VWSはRIVMにその実行計画を作るよう求めた。RIVMは専門家や保護者団体と協力して計画を作った。

 

-喫煙者は値段にどのくらい感受性があるか?消費税増加の行動影響:禁煙、減煙、安いタバコあるいは外国タバコを買う?

How sensitive are smokers to prices. Behavioural effects of an increase in excise duties: stop smoking, reduce smoking, smoke cheaper tobacco products or buy them from neighbouring countries?

11-06-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/prijsgevoeligheid-van-rokers-gedragseffecten-van-accijnsverhoging-stoppen-minderen

2020年4月1日から20本入りタバコ1パックの消費税を1ユーロ値上げした。それが喫煙行動にどう影響したかを調べた。喫煙者の行動は確かに変化したが予想より小さかった。またこの時期の行動はSARS-CoV-2ウイルスのアウトブレイクにも影響を受けた。

2020年4月以降、回答者のうち禁煙したのは11%、減らしたのは25%、より安いものにしたのが8%、ドイツやベルギーでより多く買ったのは4%

 

[FAO]ニュース

-国連機関はエチオピア北部の迫り来る飢饉に懸念、回避するための緊急救命支援を要請

UN agencies concerned by looming famine in northern Ethiopia, call for urgent life-saving action to avert it

10 June 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1403394/icode/

 

-ピーターラビットがフードヒーロー動員のための世界キャンペーンで国連、FAO、国連財団に協力

PETER RABBIT™ teams up with the United Nations, FAO and the UN Foundation on global campaign to mobilize more food heroes

10 June 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1411090/icode/

PETER RABBIT 2: THE RUNAWAYのピーターと友人たちがみんなにフードヒーローになるようお願いする。それは野菜や果物、地元農産物をたくさん食べ、食品廃棄を減らし、家庭菜園で育てることを勧める

(このセンスは理解できない。こいつら害獣。マクレガーさんに謝れ。)

 

[EPA]EPAは人々を守るためにPFAS対応を続ける

EPA Continues to Take Action on PFAS to Protect the Public

06/10/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-continues-take-action-pfas-protect-public

対応にはこれまでにないTSCA法での広範なPFAS化合物の報告要求提案が含まれる

 

[WHO]医療従事者向け声明:COVID-19ワクチンの安全性と有効性はどのように規制されているか

Statement for healthcare professionals: How COVID-19 vaccines are regulated for safety and effectiveness

11 June 2021

https://www.who.int/news/item/11-06-2021-statement-for-healthcare-professionals-how-covid-19-vaccines-are-regulated-for-safety-and-effectiveness

ワクチンについてよくある疑問への回答など。

(これほど早く開発されたから信用できないとかmRNAがヒトのDNAに影響するのではといった疑問に医療従事者がちゃんと回答しようと)

 

論文

-「生鮮市場」のより良い理解がヒト健康と生物多様性を守るためのカギ

A better understanding of 'wet markets' is key to safeguarding human health, biodiversity

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/puww-abu060821.php

The Lancet Planetary Health.

生きた動物、特に生きた野生動物を売る市場がヒト健康と生物多様性にとって並外れて大きなリスクであると結論。ウェットマーケットとして全部をひとくくりにするのではなく、比較的リスクの少ない市場と危険な市場を区別して対応すべき。

 

-南マダガスカルは「ショッキングな」食料欠乏に直面

Southern Madagascar faces “shocking” lack of food

Munyaradzi Makoni

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 397, ISSUE 10291, P2239, JUNE 12, 2021

援助機関によると、ここ30年で最悪の干ばつが極めて格別な栄養危機を生み出した

WFPによるとマダガスカル南部では最大80%の人々が、バッタや野生植物の葉を食べざるを得ない。3年続けて最悪の干ばつ、森林がなくなったことによる砂嵐で耕作可能地が砂に埋もれサボテンの実すら破壊された。COVID-19は経済と適応能力に影響し、都市に異動して稼ぐことを困難にし、旅行業による収入は無くなった。援助も足りない。

 

その他

-イタリアでの1ダースの病気にマグロが原因の疑い

Tuna suspected for a dozen illnesses in Italy

Food Safety News June 12, 2021

https://www.foodsafetynews.com/2021/06/tuna-suspected-for-a-dozen-illnesses-in-italy/#more-204863

トスカーナ州で原材料スペイン産イタリアで水を添加した解凍キハダマグロステーキで食中毒。イタリア保健省が6ロットの解凍キハダマグロステーキをリコール。マグロに使用が認められていない硝酸あるいは亜硝酸が検出されている

(加熱調理済みでおこるならヒスタミン?)

 

-WHO EU主任:安全でない食品によって病気になる人の数は許容できない

WHO EU chief: Number of people sick from unsafe food is unacceptable

By Joe Whitworth on June 11, 2021

https://www.foodsafetynews.com/2021/06/who-eu-chief-number-of-people-sick-from-unsafe-food-is-unacceptable/

FAOの欧州中央アジア地域バーチャルイベントの紹介

(一部)

Greenwich大学のDelia Grace食品安全システム教授は、低から中所得国ではかつて食品安全の優先順位は低かった、という。しかし2015年のWHO報告書で食品安全の健康負担はHIVや結核等と同等であることが示され懸念すべきトップ項目となった。高所得国でも食品安全への関心は高い。

食品安全に関しては、心配されることと実際に被害にあうものが同じではない。多くの人がGMOや農薬や抗生物質を心配するが微生物を心配しない。それは間違っている。専門家ですら間違っている場合があり、専門家は炭疽やブルセラを心配するが実際に病気にしているのは大腸菌やサルモネラである

 

-Scienceニュース

海洋プラスチックについての研究が急増している、国連報告書が発見

Research on ocean plastic surging, U.N. report finds

By Tania RabesandratanaJun. 10, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/06/research-ocean-plastic-surging-un-report-finds

2011年に46論文だったものが2019年には853に増加したことをUNESCOが5年ごとに発表している報告書で報告。

(グラフあり。他の環境対策と比べて突出。解決法を探るより海にゴミが!と警鐘を鳴らすだけのほうが楽だし)

 

-コンシューマーラボ

ニンジンサプリメントレビュー

Ginseng Supplements Review

06/12/2021

https://www.consumerlab.com/reviews/ginseng-supplements/ginseng/

ジンセノシド含量が製品によって10倍違う

一回分あたり7.4mgから82.9 mgまで。ある製品は表示されている量の77.4%しか含まれなかった

 

-ワクチンで私たちの身体が磁石になる?

Can Vaccines Make Our Body Magnetic?

Joe Schwarcz PhD | 11 Jun 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19/can-vaccines-make-our-body-magnetic

COVID-19ワクチンで磁性を与えられるという説の提唱者は、それはビル・ゲイツが我々をチェスの駒のように扱うために作ったマイクロチップが入っているからだという。言うまでも無く、そのマイクロチップは5G電波塔と通信する。

オステオパス医のDr. Sherri Tenpennyらがそう言う。

(スプーンが肌にくっつく動画で納得している人たちにそれは磁力ではなくてファンデルワールス結合だと説明)

 

-心筋炎の恐れはCOVIDワクチンを飛ばす理由にはならない

Fear of Myocarditis No Reason to Skip COVID Vaccine

Christopher Labos MD, MSc | 11 Jun 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/fear-myocarditis-no-reason-skip-covid-vaccine

関連する可能性についての最近のニュースは、それがどのくらい希で症状が軽かったのか、そして関連は存在しない可能性もあることに言及しなかった

 

-PubMed で論文を見つけたからといってそれが良いものだということを意味しない

Finding a Paper on PubMed Does Not Mean the Paper Is Any Good

Jonathan Jarry M.Sc. | 10 Jun 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/critical-thinking-health-and-nutrition-general-science/finding-paper-pubmed-does-not-mean-paper-any-good

 

-ニューブランズウィック医務主任オフィス(公衆衛生)

原因不明の神経症状のニューブランズウィッククラスター

New Brunswick Cluster of Neurological Syndrome of Unknown Cause

Last updated: 2021-06-07

https://www2.gnb.ca/content/gnb/en/departments/ocmoh/cdc/neuro_cluster.html

現在調査中の患者数やこれまでの経緯など

患者が発生している地域に住んでいて安全か、などの質問への回答も

 

-完全菜食は子どもを背が低く弱くするか?

Do vegan diets make kids shorter and weaker?

June 11, 2021  Evangeline Mantzioris

https://theconversation.com/do-vegan-diets-make-kids-shorter-and-weaker-162420

健康と環境と倫理のために完全菜食主義になる人たちがますます増えている。成人での過去の研究は菜食主義や完全菜食主義は心疾患リスクの低下と骨折の増加と関連されてきた。しかし子どもでの影響は今週の新しい研究発表まで評価されてこなかった。

今回研究者らは完全菜食主義のこどもと背の低さとコツミネラル密度の低さに関連を派遣した。しかし彼らは完全菜食がその原因であることは示しておらず、それが成人期まで続くとも言っていない。

この論文はAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表されたもので5-10才のポーランドの子どもの差を検討した。2014年から2016年の間に少なくとも1年、特定の食事をつづけていた187人の健康な子どもを調べた。72人が雑食、63人がベジタリアン、52人がビーガンだった。観察研究なので研究者らが子どもたちの食事に変更はしていない。既にそういう食事をしている子どもたちを探した。横断研究といわれるもので特定の時期の子どもたちの健康状態と過去の食生活を見ている。研究チームは菜食と完全菜食群が雑食群と似たような性、年齢、保護者の喫煙、親の教育レベル、臨床的特徴、両親の身長などになるようにした。

その結果、雑食に比べて完全菜食の子どもたちはLDL濃度が25%低く、栄養欠乏リスクが高く、コツミネラル密度が5%低く身長が平均3cm 低かった。ベジタリアンはそこまで栄養欠乏は目立たなかったが意外なことに雑食とビーガンの両方より心血管系リスクプロファイルが好ましくなかった。著者等はそれを加工食品を多く食べる質の低い食生活のせいだとしている。

この研究は観察研究なので因果関係を示すものではないが、ありそうなメカニズムはある。カルシウムやビタミンDの主な摂取源は動物由来食品だから。完全菜食主義の場合、必須アミノ酸を全て摂れるように多様な植物をとる必要がある。

では何故介入試験を行わないのか?困難で非倫理的だからである。

この小規模の研究一つでこの結果が妥当で対策すべきだ、と言うには不十分である。

しかしこの研究は医師や両親が注意すべきリスクの可能性について強調する。

あなたがどんな食事法を選択しても、食生活は全ての食品群全体でバランスをとる必要がある。もし子どもの食事で心配なことがあれば、医師か認証を受けた栄養士に相談すること。

 

-農家は持続可能な卵が業界の次の大ブームになるとみている

Farmers See Sustainable Eggs as the Industry’s Next Big Thing

2021年5月27日 By Leslie Patton and Kim Chipman

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-27/farmers-see-sustainable-eggs-as-6-1-billion-industry-s-next-big-thing

鶏を「再生農業」で育てることで新しいプレミアムカテゴリーができる

テキサスのLarry Brownは13000羽の鶏を「気候に優しい」卵として売り出そうとしている。過去10年で、生産者は卵1ダースの値段をあなたの健康によい(オーガニック)として宣伝することで4倍に、動物にとって良い(農場で育て手で集める)として宣伝することで7倍にすることに成功した。普通の卵が1ドル以下であるのに比べて見事な手腕である。いわゆるスペシャリティ卵は今や市場の1/3を占め、今後も増加が予想されている。Brownたちはさらにプレミアムをつけることでもっと儲けることに賭けている:地球に良い卵である。

 

-スイスの有権者は「圧倒的多数」で活動家の提案した合成農薬禁止を却下、国民投票の結果が示す

Swiss voters ‘overwhelmingly’ reject activist-proposed synthetic pesticide ban, referendum results show

Noele Illien | New York Times | June 14, 2021

https://geneticliteracyproject.org/2021/06/14/swiss-voters-overwhelmingly-rejected-proposed-synthetic-pesticide-ban-referendum-results-show/

6月12日にスイスの有権者はスイスにおける農場や庭での合成農薬使用禁止とそれらを使って生産したものの輸入を禁止する提案を圧倒的多数で却下した。

最近数ヶ月相当の支持を得ていたこの対策の却下は、生産量が減り食品価格が上がるだろうというスイスの農業部門と政府からの強い反対を反映したものである。しかし農薬を減らすことへの一般の支持は、政府による農薬使用関連リスクを6年以内に半分にするという対抗案につながった。

スイス農業組合長のMartin Ruferは、合成農薬完全禁止は「非現実的」で農業部門に大きな影響があるという。農家は農薬使用量を減らしたいが完全に止めるには代わりの手段が十分ではない。もし対策が承認されたら農業生産は20-30%減ってスイスはその分輸入を増やさなければならないだろう、という。