2021-06-16

[EU]欧州市民発議「ケージ時代を終わらせる」:欧州健康食品安全コミッショナーStella KYRIAKIDESによる締めくくりの言葉

European Citizens' Initiative "End the cage age": closing statement by Stella KYRIAKIDES, European Commissioner for Health and Food Safety

Event date: 10/06/2021

https://multimedia.europarl.europa.eu/en/european-citizens-initiative-end-the-cage-age-closing-statement-by-stella-kyriakides--european-commissioner-for-health-and-food-safety_I207026-V_v

議会での議論を締めくくるスピーチ動画

 

[APVMA]農薬規制ニュースレター

Pesticides Regulatory Newsletter, June 2021

15 June 2021

https://apvma.gov.au/node/86891

パオーマンス報告、新しいスプレードリフトガイドライン文書、2,4-D再検討最終規制決定、新規登録製品、など

 

[NASEM]商用に放射性物質を使うことが30%増加した;政府は安全保障強化と代替品開発支援をすべきである、と報告書は言う

Use of Radioactive Materials in Commercial Applications Has Increased by 30 Percent; Government Should Improve Security and Support Development of Alternatives, Says New Report

June 14, 2021

https://www.nationalacademies.org/news/2021/06/use-of-radioactive-materials-in-commercial-applications-has-increased-by-30-percent-government-should-improve-security-and-support-development-of-alternatives-says-new-report

米国では過去12年で医療、研究、商用にリスクの高い放射性物質を使うことが30%増加した。政府は健康と安全保障リスクを減らすためにセキュリティ、追跡、説明責任を改善すべきであり、一方放射性物質を使わない代用品の開発を支援すべき。

NASEMの新しい報告書Radioactive Sources: Applications and Alternative Technologies

 

[NASEM]SARS-CoV-2の起源は科学的根拠に決めさせよ、科学アカデミー会長は強く求める

Let Scientific Evidence Determine Origin of SARS-CoV-2, Urge Presidents of the National Academies

https://www.nationalacademies.org/news/2021/06/let-scientific-evidence-determine-origin-of-sars-cov-2-urge-presidents-of-the-national-academies

COVID-19の原因となるSARS-CoV-2の起源と最初のヒト感染の状況は不明なままである。確認するための最良のツールは科学である。ウイルスの起源についての異なる学説を巡るデマや根拠の無い主張や科学者への個人攻撃は許容できず、人々に混乱の種を蒔き、人々の科学への信頼を毀損するリスクがある。

我々はSARS-CoV-2の起源の探索は、妥当性を検証されたデータをもとにして、再現性のある、客観的な、透明な、ピアレビューが行われる、国際協調により、利益相反を最小限にして、根拠に基づいて、不確実性を明確にした、といった科学の基本原則によって導かれることを強く求める

科学、工学、医学アカデミー会長連名

 

中国CDC

Weekly Reports Vol. 3 No. 24 Jun 11, 2021

キノコ中毒アウトブレイク-中国、2010-2020

Mushroom Poisoning Outbreaks — China, 2010–2020

http://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2021.134

2011年に食中毒アウトブレイクサーベイランスシステムを更新した。2010-2020のキノコ中毒は合計10036件、患者38676人、死亡788人が報告されていた。キノコ中毒は中国全土でおこっているが、頻度が多いのは南西と中央である。84.6%のアウトブレイクは家庭料理に関連し、8.7%が露店、2.5%が食堂である。キノコ中毒には明確な季節性があり、ピークは夏から秋にかけてである。5月から10月で全体のアウトブレイクの94.1%、病気の92.4%、死亡の97.2%を占める。

キノコの名前が報告されているのは38.6%のみで、死亡の65.1%はキノコが不明である。キノコの検体がないことや複数のキノコを同時に食べていることで原因の同定が困難になる。キノコの名前として180以上があがっているが、ほとんどは科学名ではなく慣用名で報告されている。診断と治療には正確な種の同定が重要で、努力が必要。

キノコ中毒報告の増加はサーベイランスのしかたの変化だけによるかどうかはわからない

(2020年に2705アウトブレイクと、さすが中国、スケールが違う)

 

[USDA]バーチャルUSDA食品ロスと廃棄革新フェアがオンデマンドで利用可能

Virtual USDA Food Loss and Waste Innovation Fair Available On-Demand

Jun 15, 2021

https://www.usda.gov/media/blog/2021/06/15/virtual-usda-food-loss-and-waste-innovation-fair-available-demand

食品ロスと廃棄を減らすための最新の技術的解決法採用の機会

参加無料

 

[WHO]急増する電子廃棄物が数百万人の子どもたちの健康を脅かしている、WHOが警告

Soaring e-waste affects the health of millions of children, WHO warns

15 June 2021

https://www.who.int/news/item/15-06-2021-soaring-e-waste-affects-the-health-of-millions-of-children-who-warns

WHOの新しい報告書:子どもたちとデジタルゴミ捨て場

銅や金などの価値ある素材を回収しようとして鉛、水銀、ニッケル、臭素化難燃剤、多環芳香族炭化水素などを含む1000以上の有害物質に暴露されている

 

[RIVM]週毎のコロナウイルスSARS-CoV-2数字

Weekly coronavirus SARS-CoV-2 figures

15-06-2021

https://www.rivm.nl/en/coronavirus-covid-19/weekly-figures

先週はその前の週に比べて陽性者38%減少、入院44%減少

今まで1200万人以上に予防接種、現在1996年生まれまでが予約できる

 

-COVID-19予防接種計画の数字

Figures on the COVID-19 vaccination programme

15 June 2021

https://www.rivm.nl/en/covid-19-vaccination/figures-vaccination-programme

65才以上の接種率が一回目83-92%

(明確にワクチン接種の進行状況のほうに関心の重点が移った)

 

-ファーマコビジランスセンターLareb:隔週報告

Pharmacovigilance Centre Lareb: biweekly report

8 June 2021

https://www.lareb.nl/news/update-meldingen-bijwerkingen-coronavaccins-week-23

オランダ語

6月6日までに副作用疑い反応384,558を含む69,800の報告を受け取っている。ほとんどはこれまでわかっている頭痛や筋肉痛などのようなもの。ワクチン接種後短期間での死亡は381。

 

[DHSC]3000万人以上が二回目の予防接種を受けた

More than 30 million people vaccinated with second dose

15 June 2021

https://www.gov.uk/government/news/more-than-30-million-people-vaccinated-with-second-dose

一回終了したのは41,830,546人で英国人の79.4%

 

論文

-Covid-19:誰がフェイスブックの健康と科学をファクトチェックするのか?

Covid-19: Who fact checks health and science on Facebook?

BMJ 2021;373:n1170

https://www.bmj.com/content/373/bmj.n1170

政府と人々からの圧倒的圧力によりソーシャルメディアプラットフォームはパンデミックの中でオンラインにユーザーがシェアしているものについてこれまでにない対応をとらざるを得なくなった。しかしファクトチェッカーを誰がファクトチェックするのか?ジャーナリストLaurie Clarkeが報告する。

科学は常に白黒はっきりできるものではない。科学の少数意見とデマを区別するのは実質的には不可能だ。しかしスローガンとして「科学に従う」や「科学的真実」といった言葉が溢れている。「真実」が「健康的な議論」を抑えるようになるのは望ましいことではない

 

-化粧品に表示されていないPFAS化合物が検出された

Unlabeled PFAS chemicals detected in makeup

15-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/gspi-upc060821.php

Environmental Science & Technology Letters

耐水性マスカラ、液状口紅、ファンデーションを調べたところ高濃度のフッ素が検出され、少なくとも4種の懸念のあるPFASが含まれることが確認された。多くはPFASが表示されていない

 

-ジャンクフード食はトラックドライバーの危険な運転を促進するかもしれない

Junk food diet may boost risk of dangerous driving among truck/lorry drivers

15-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/b-jfd061121.php

Occupational & Environmental Medicineに発表されたプロのトラックドライバーに食事頻度質問表を使って過去12ヶ月に25の食品をどれだけ頻繁に食べたかを調査した研究。食生活パターンを野菜多い;主食多い;動物タンパク質多い;スナック多いに分類。野菜多いと主食多いが安全運転に関連した。

この研究は観察研究なので因果関係は確立できない。

(と一行書いておけばタイトルで誤解させようという悪意が免罪できるとでも?BMJのプレスリリース)

 

-タイトルから「マウス」を除いた研究論文は誤解を招く報道をされる

Research papers that omit 'mice' from titles receive misleading media coverage

15-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/p-rpt061121.php

研究は科学者の知見のコミュニケーションのしかたとジャーナリストの研究の報道のしかたの関係を示唆する。 PLOS Biology

科学論文の著者がその研究はマウスで行われたという基本的事実をタイトルから外すと、ジャーナリストの報道も同じように外す傾向がある。

アルツハイマー病はヒトだけの病気で他の動物で自然発生することはないが、齧歯類モデルは200ほど開発されている。ニュースではしばしばマウスで行われた研究であることが無視される。これに研究者がどう役割を果たすかを2018-2019年に発表された623のアルツハイマー論文を解析した。その結果、著者がマウスをタイトルから外すとジャーナリストも外す傾向があり、タイトルにマウスが無いほうが多く報道されツイートも多い傾向があった。

(報道のひどさに科学者も共犯なのは明らか)

 

-フィラデルフィアの独立した店舗での甘い飲料税と飲料と砂糖の多い食品の購入の関連

Association of a Sweetened Beverage Tax With Purchases of Beverages and High-Sugar Foods at Independent Stores in Philadelphia

Sara N. Bleich  et al., JAMA Netw Open. 2021;4(6):e2113527. 

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2780957

2017年のフィラデルフィア飲料税が飲料の価格や購入にどう影響したかを調べた。横断研究では課税後2年で店舗での値段は137%になり購入容量はボルチモアに比べて42%減った。飲料と砂糖の多い食品の購入総カロリーは減った。特に収入の低い地域で低下が大きい。

 

その他

-メキシコのGMトウモロコシ禁止は食料価格を上げるだろうと農家が警告

Farmers warn Mexico’s GM corn ban will raise food prices

BY LUIS VENTURA JUNE 4, 2021

https://allianceforscience.cornell.edu/blog/2021/06/farmers-warn-mexicos-gm-corn-ban-will-raise-food-prices/

メキシコ農業組合がGMトウモロコシとグリホサートを2024年までに禁止する大統領命令に反対して法廷闘争をしている

Andres Manuel Lopez Obrador政権は3年にわたってメキシコの農場で科学的革新に反対する戦いを行ってきた。今年初めにはGMトウモロコシの栽培とグリホサートの段階的廃止とGMトウモロコシの2024年までの輸入禁止を実施した。国産の伝統的トウモロコシ栽培を優先すると主張する。GMトウモロコシ禁止は特に影響が大きい。

グリーンピースなどの環境団体はこの大統領令を賞賛したが農家は懸念し対抗することにした。

メキシコは米国で栽培されているイエローコーンの最大の外国市場で、昨シーズンは1800万トンのGMトウモロコシを輸入した。メキシコの国内消費量の40%程度である。これを拒否するとメキシコは国民の需要を満たすことができない。農家と消費者の両方が負担を負うだろう。