2021-07-01

[EPA]EPAはTSCA化学物質評価の前進の道のりを発表

EPA Announces Path Forward for TSCA Chemical Risk Evaluations

06/30/2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-path-forward-tsca-chemical-risk-evaluations

EPAは前政権が発表したTSCAによるリスク評価をとりまく重要な方針変更と、リスク評価される最初の10化合物を進めるための道のりを発表する

Biden-Harris政権の大統領行政命令によりレビューを行った。以下の変更を含む。

・暴露経路と囲い線コミュニティ暴露スクリーニングレベルアプローチの検討を拡大する

一般人の空気、水、廃棄物からの暴露経路を前政権では考慮しなかった

・個人防護具の使用

前政権ではPPEは常に提供され適切に使われていると想定したが、かならずしもそうではない

・リスク管理に移行する化合物

・化学物質全体アプローチ

個別化合物の詳細は以下から

Chemicals Undergoing Risk Evaluation under TSCA

https://www.epa.gov/assessing-and-managing-chemicals-under-tsca/chemicals-undergoing-risk-evaluation-under-tsca

 

[CPSC]花火関連の怪我や死亡がCOVID-19パンデミック中に急増

Fireworks-Related Injuries and Deaths Spiked During the COVID-19 Pandemic

June 29, 2021

https://www.cpsc.gov/Newsroom/News-Releases/2021/Fireworks-Related-Injuries-and-Deaths-Spiked-During-the-COVID-19-Pandemic

7月4日の祝祭には花火安全性が重要

昨年、多くの市政機関がCOVID- 19パンデミックのために7月4日の花火をキャンセルした。その結果消費者が自分で花火をして、それによる怪我や死亡が急増した。

「この悲劇的な死亡や怪我は、我々に花火の危険性を再確認させる」とCPSCのRobert Adler局長代理は言う。「消費者はプロの花火を遠くから楽しむべきで、消費者向けの花火を使うときには特に注意すべきである」

CPSCの新しい報告書は2020年の花火関連死亡や怪我が2019年に比べて50%増加したことを発見した。

・2020年は少なくとも18人が花火関連事故で死亡した。前年は12人だった

・救急治療を受けたのは15600人で2019年は約10000人だった。

花火関連の怪我のほとんどは7月4日周辺でおこる。

(ワクチン接種率が目標に達していなくても、今年は大騒ぎするんだろうな)

 

[DHSC]人々がより健康的な体重を達成し福祉を向上させるのを助ける新しいサービス開始

New services launched to help people achieve a healthier weight and improve wellbeing

1 July 2021

https://www.gov.uk/government/news/new-services-launched-to-help-people-achieve-a-healthier-weight-and-improve-wellbeing

イングランドで肥満の人向けに新しいサービスNHS デジタル体重管理計画が始まる。対面あるいはリモートで、12週間の食事助言、運動ガイダンス、健康的生活習慣サポートなどを提供。さらに地方当局に子ども体重管理サービスの拡大予算を提供。

 

[RIVM]大量の有害物質をもつ会社での事故の解析

Analysis of incidents at companies with large amounts of hazardous substances

01-07-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/analyse-van-incidenten-bij-bedrijven-met-grote-hoeveelheden-gevaarlijke-stoffen

この報告書では17の事故を解析した。15で有害物質が放出され、2件の火災になった。他の事故は施設内の火事である。1人が死亡、2人が後に残る傷害

 

[CDC]乳がんと子宮頸がんの検診が急減

Sharp Declines in Breast and Cervical Cancer Screening

WEDNESDAY, JUNE 30, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/p0630-cancer-screenings.html

Preventive Medicineに発表

COVID-19パンデミックによるがん検診の遅れが長く続くと既存の健康の不平等が増える可能性がある

 

[IARC]IARCモノグラフ127巻:ある種の芳香族アミンと関連化合物

IARC Monographs Volume 127: Some Aromatic Amines and Related Compounds

30 June 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-volume-127-some-aromatic-amines-and-related-compounds/

書籍

 

[USDA] APHIS

-遺伝子組換えを用いて開発したリンゴの規制解除拡大申請と予備的決定発表

Availability of Deregulation Extension Request and Preliminary Determination for Apples Developed Using Genetic Engineering

Jun 28, 2021

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2021/sa-06/dereg-ge-apple

遺伝子組換えで褐変しないようにしたリンゴの品種をPG451 Arctic Galaに拡大。

これまでGD743 Arctic Golden と GS784 Arctic Grannyリンゴが規制解除されている

2021年7月30日まで意見募集

 

-USDAは遺伝子組換えを用いて開発したトウモロコシの規制解除のための環境影響声明を準備する意向通知へのパブリックコメントを再開する

USDA Reopens Public Comment Period on Notice of Intent to Prepare an Environmental Impact Statement for Deregulation of Maize Developed Using Genetic Engineering

Jun 28, 2021

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2021/sa-06/reopen-ge-corn

ハイブリッド種子生産用のジカンバ、グルホシネート、キザロホップ、2,4-D、組織特異的グリホサート耐性をもつMON 87429について。2021年7月30日まで

 

[WHO]3000万からゼロへ:中国はWHOによってマラリアフリーと認証された

From 30 million cases to zero: China is certified malaria-free by WHO

30 June 2021

https://www.who.int/news/item/30-06-2021-from-30-million-cases-to-zero-china-is-certified-malaria-free-by-who

70年の努力を経て、中国がマラリアのない国と認証された。1940年代は毎年3000万人の患者を報告していた

 

論文

-魚油が多く植物油が少ない食事は偏頭痛を減らす

Diet with more fish fats, less vegetable oils can reduce migraine headaches

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/nioa-dwm062921.php

BMJに発表された米国国立老化研究所による偏頭痛持ちの182人の成人での16週間介入研究。油分の多い魚由来の脂肪が多くリノール酸の少ない食事、魚とリノール酸の両方が多い食事、魚が少なくリノール酸が多い平均的米国人に近い食事、の3群に割り付けた。試験開始前の偏頭痛は平均月16回以上。植物油が少なく魚が多い食事は対照群に比べて一日あたりの頭痛時間、ひどい頭痛の時間、月あたりの頭痛のある日が30-40%減った。しかし頻度と痛みが減ったにもかかわらず、偏頭痛に関連する生活の質全体についてはあまり改善していないと報告した。

 

-鉛中毒の世代を超える影響

Cross-generational consequences of lead poisoning

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/hu-cco062921.php

北海道大学のプレスリリース

日本とザンビアの科学者が、子どもの環境鉛中毒は、子どもの健康と福祉に影響するのみならず、母親の活力とメンタルヘルスにも影響する

Chemosphereに発表されたザンビアの鉱山の影響を受けたKabwe住民の研究

(普通世代を超えた影響というのは次世代に受け継がれるもののことを指し、行動影響により子どもの世話が大変になったというのは違う。)

 

-研究が子どものオーガニック食品の摂取を認知機能発達の良さと関連させる

Study associates organic food intake in childhood with better cognitive development

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/bifg-sao063021.php

出生前と子ども時代の環境リスク要因複数を解析すると、栄養不良、家が狭い、室内空気汚染(タバコの煙)が認知機能の悪さに関連

Environmental Pollutionに発表された研究の、バルセロナグローバルヘルス研究所によるプレスリリース

検討した要因は子宮内暴露で87、子ども時代でさらに122。そしてPFOS暴露は認知機能にポジティブな関連

(リンク先が違う論文。エクスポソーム解析と言っているが微妙。お金持ちのほうが成績が良いだけでは)

 

-子どもの重症大麻中毒と飲み込み率が合法化後増加

Severe cannabis intoxication and rates of ingestion in children rise after legalization

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/tfg-sci063021.php

カナダでの大麻の合法化後、意図しない大麻中毒による小児ICU入院が有意に増加した。

Clinical Toxicology。大麻合法化後最初の2年で、12才以下の意図しない中毒が4倍、ICU入院は3倍

 

-EUと英国のウナギ製品にはより良い規制が必要

Eel products in the EU and the UK need better regulation

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/obu-epi063021.php

日本レストランのメニューやアジアンショップ、専門家向けスーパーにあるウナギの蒲焼きunagi kabayakiのDNAを調べたところ詐欺的表示が蔓延していて1/3は欧州食品情報規制違反であった。オランダ、ドイツ、ベルギー、フランス、英国で販売されていた108検体のウナギ蒲焼きを調べた結果。Marine Policy

 

-隔離中の運動不足は50-70才の女性の健康に悪影響

Lack of exercise while in quarantine had adverse effects on the health of women aged 50-70

30-JUN-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/fda-loe063021.php

16週間のCOVID-19による制限後にブラジルの研究者らの行った試験で、筋力と有酸素能力の低下、コレステロールと糖化ヘモグロビンの増加が示された。

Experimental Gerontology。もともと運動量の影響を調べる目的でパンデミック前に計画されていた研究。

 

-外集団への敵意がソーシャルメディアへの参加を駆動する

Out-group animosity drives engagement on social media

Steve Rathje et al.,  PNAS June 29, 2021 118 (26)

https://www.pnas.org/content/118/26/e2024292118.short?rss%3D1

ニュースメディアと米国議員のフェイスブックとツイッターの投稿(n = 2,730,215)を解析し、政治的外集団についての投稿の方が内集団についての投稿の2倍シェアまたはリツイートされやすく、ネガティブで強い情動の単語だとさらにシェアまたはリツイートされやすい

(左右関係なく「あいつらはこんなにひどい、怒れ」というタイプの投稿が注目されやすいらしい。)

 

その他

-Natureワールドビュー

気候研究へのCOVIDの教訓:現地で

COVID’s lesson for climate research: go local

29 June 2021 Alice C. Hill

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01747-9

温暖化する世界への適応を援助するには現実的な予測をする方法を見つけるべき

何十年にもわたって科学者は、温室効果ガス排出による変化を予測するための、世界の気候モデルを精細化してきた。こうしたモデルはおおまかな傾向を把握するが、特定地域の予想はしない。発電施設の管理者や地方自治体の立案者などが必要なのはそのような局地的予想である。

パンデミック中に世界中の科学者はウイルスゲノムの配列を決めタンパク質構造を解明しウイルスゲノムを追跡しワクチンやアプリを開発するなど、世界が必要とすることに取り組んだ。地球温暖化はさらに大きな攪乱をもたらす可能性があるのに、それへの対応はあまりにも少なくあまりにも現実離れしていてあまりにも理論的である。より広範な、現場での気候適応に役に立つ科学の応用が必要である。

 

-ILSI

東南アジアの科学と持続可能なフードシステム-課題と進むべき道

Science and Sustainable Food Systems in Southeast Asia- Challenges and Ways Forward

05/07/2021

https://ilsisea-region.org/event/sfs2021/

Zoomウェビナー

 

-NGSが如何にしてハーブとスパイス詐欺を決定的にコントロールできるか

How NGS is taking control of herb and spice fraud once and for all

June 2021

https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/industrial/food-beverage/food-beverage-learning-center/food-safety-authenticity-bulletin/herbs-spices-fraud-June-2021.html

サーモフィッシャーの宣伝

今年初めのスペインのサフロン詐欺事件から

スパイスの異物混入は昔からあり、何が混ぜられたかわからない偽装を検出する手段としてNGS(次世代シークエンシング)は優れている