2021-07-06

[EU]査察報告

-チェコ共和国―動物と商品の輸入及びEU条件での国境監理ポストの遵守の検証

Czech Republic 2020-7000―Imports of animals and goods and verification of compliance of border control posts with Union requirements

02/07/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4377

2020年9月22日~2021年1月20日までポーランドの動物と商品の輸入に関する公的管理システムと国境監理ポスト(BCP)のEU条件の遵守を検証するためのリモート査察。BCPsを通してEUに入る動物と商品の包括的な公的管理システムがある。だが、輸入の事前通知、特定の文書検査の実施、物理的検査の頻度削減に欠点が確認された。これらは輸入を許可する決定の妥当性に影響を与えるには十分ではない。非動物由来飼料の文書検査は必要に応じてBCPで実施されていない。

 

-ポーランド―動物と商品の輸入及びEU条件での国境監理ポストの遵守の検証

Poland 2020-7004―Imports of animals and goods and verification of compliance of border control posts with Union requirements

24/06/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4375

2020年9月22日~2021年1月20日までポーランドの動物と商品の輸入に関する公的管理システムと国境監理ポスト(BCP)のEU条件の遵守を検証するためのリモート査察。ポーランドにはBCPsを通してEUに入る動物と商品の包括的な公的管理システムがある。だが、特定の文書に基づく物理的検査の実施や、1つの指定鉄道BCPで管理を行う施設で特定の欠点が確認された。

 

-ハンガリー―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Hungary 2020-6989―Residues and contaminants in live animals and animal products

24/06/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4374

2020年10月15日~11月26日までハンガリーで実施した、生きた動物と動物製品の動物用医薬品の残留物、農薬、汚染物質のモニタリングを評価するためのリモート査察。概して、ハンガリーでは動物由来食品の残留物の効果的な管理システムに必要な要因の多くは適切である。これには食品生産動物の動物用医薬品の正しい使用に関する管理も含まれている。だが、残留物管理システムの有効性はサンプリング計画に関するいくつかの要因に弱められている。研究所のネットワークに関しては、様々な欠陥が分析結果の信頼を大幅に損なっている。

 

[EFSA]意見等

-桃とパプリカのアクリナトリンの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for acrinathrin in peaches and sweet peppers

EFSA Journal 2021;19(7):6681 5 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6681

(理由付き意見)

妥当性が確認された定量限界(LOQ) 0.02 mg/kgで検討中の作物本体のアクリナトリンとそのエナンチオマーの残留物を管理するのに適した執行のための分析手段が得られた。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告された農業規範によるアクリナトリンの使用から生じる残留物の短期及び長期摂取は消費者の健康リスクになりそうもないと結論した。

 

-新規食品としてのトノサマバッタ(Locusta migratoria)由来冷凍及び乾燥製品の安全性

Safety of frozen and dried formulations from migratory locust (Locusta migratoria) as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(7):6667 2 July 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6667

(科学的意見)

欧州委員会の要請を受けて、栄養・新規食品及び食品アレルゲンに関するEFSAのパネル(NDA)は、EU規則2015/2283に従って新規食品としてトノサマバッタ(Locusta migratoria)由来冷凍及び乾燥製品の安全性に関する意見を出すよう求められた。トノサマバッタという用語は昆虫種Locusta migratoriaの成虫を指す。このNFは、i) 足と羽のない冷凍、ii) 足と羽のない乾燥、iii) 足と羽を含む粉末の3つの製品を提案している。このNFの主な成分は、このNFの乾燥タイプではタンパク質、脂肪、繊維(キチン)、このNFの冷凍タイプでは水、タンパク質、脂肪、繊維(キチン)である。パネルは、このNFの汚染物質濃度はこの昆虫の飼料の汚染物質の発生量によると注意している。パネルは、その全貯蔵寿命の間このNFが提案された規格限界に従うなら、このNFの安定性に関する安全上の懸念はないと留意した。キチン由来非タンパク質窒素が存在することにより、窒素からタンパク質への変換係数6.25を用いるとこのNFの実際のタンパク質量は過大評価されるが、このNFはタンパク質を多く含んでいる。申請者はこのNFを、スナック状の冷凍、乾燥、粉末として、また多くの食品生産の食品成分として使用することを提案した。申請者が提案した対象集団は一般人である。パネルはこのNFの組成や提案した使用条件を考慮して、このNFの摂取は栄養的に不利ではないことに注目した。提出された使用歴や文献からの毒性研究は安全上の懸念を生じなかった。パネルは、このNFの摂取はL. migratoriaタンパク質に対する一次感作を引き起こす可能性があり、甲殻類、ダニ、軟体動物にアレルギーのある被験者にアレルギー反応を起こす可能性があると考えた。さらに、飼料からのアレルゲンは最終的にこのNFに入る可能性がある。パネルは、このNFは提案した使用と使用量で安全だと結論した。

 

[BfR] 恐怖と安心の間

Between fear and confidence

11.06.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/26/between_fear_and_confidence-276787.html

ドイツ連邦リスク評価研究所の科学情報誌「BfR2GO」の最新号は恐怖を取り上げる。BfR所長Professor Dr. Dr. Andreas Henselは、「恐怖は生存にとって極めて重要であり、ハザードを我々に警告する。しかし、我々だれもが恐怖の状況下ではリスクを過大評価しがちである。危機では恐怖に導かれてではなく、解決志向の決定が必要である。例えばBfRのコロナモニターのような定期的な調査では、研究とコミュニケーションには人々の懸念を盛り込んでいる。」と説明する。

恐怖を引き起こすのはコロナウイルスだけでなく、例えば植物保護製品も懸念のテーマの1つであり、健康に害があるかもしれないと不安に思う人もいる中で、このBfR2GOでは専門家が科学的見解からどのようにこれを評価するか説明する。

社会はCOVID-19パンデミックが始まって以降、恒久的な警告の状況にある。BfRはこの例外的状況をリスクとその認識がどのように生活のある部分をコントロールするかについて議論する機会として活用する。一方では、恐怖はヒトと動物の急性ハザードを警告する生まれつきの生存システムであると考えられる。他方では、恐怖は良き助言者ではなく、決定をするための唯一の基礎となってはならない。同時に安心も探し、BfR2GOでは、心理学、社会学及び哲学の分野の専門家が恐怖とつきあう個人的及び社会的な方法を示し、安心への展望を提供する。メディア心理学者のProfessor Dr. Maren Urnerはいかにメディアが悲観主義に陥ることなく危機の解決策を提供できるかを説明する。

このほか、特に先進国の健康問題であるアレルギーの記事では、免疫システムの反応を説明し、科学の課題について光をあてる。また、食品のどこにリステリアが潜むか、マイクロプラスチックとコロナウイルスの共通点は何か、ヨウ素摂取で消費者が気をつけるべき事、「オルガノイド」がどう動物実験に取って代わるかなど、消費者の健康保護及び実験室の動物保護についての研究とその評価についての最新かつ深い情報を提供する。

 

[BfR]発表論文

-完全菜食と雑食の微生物叢活性の糞便マーカーとしての短鎖および分岐鎖脂肪酸

Short- and Branched-Chain Fatty Acids as Fecal Markers for Microbiota Activity in Vegans and Omnivores

05.07.2021

https://www.bfr.bund.de/en/short__and_branched_chain_fatty_acids_as_fecal_markers_for_microbiota_activity_in_vegans_and_omnivores-277292.html

nutrients 2021, 13(6), 1808;

ビーガン36人雑食36人の糞便短鎖および分岐鎖脂肪酸、アンモニア、pHを分析。

SCFA/BCFAに差はなかった。pHとアンモニアは菜食群が少なかった

 

-エストラゴールとアネトールの生体活性化はDNAとヘモグロビンのよくある付加体につながる

Bioactivation of estragole and anethole leads to common adducts in DNA and hemoglobin

05.07.2021

https://www.bfr.bund.de/en/bioactivation_of_estragole_and_anethole_leads_to_common_adducts_in_dna_and_hemoglobin-277291.html

Food and Chemical Toxicology Volume 153, July 2021, 112253

タラゴン、チャービル、バジル、フェンネルのようなハーブのエッセンシャルオイルの主要構成成分であるフェニルプロパノイド、エストラゴールとアネトールを肝S9で活性化したところ、ヘモグロビン付加体(N-(isoestragole-3-yl)-valine, IES-Val)およびDNA付加体(isoestragole-2′-deoxyguanosineおよび isoestragole-2′-deoxyadenosine)が生じた。

フェンネルティーを4週間飲んでもらったところ血中IES-Val濃度が有意に増加し止めると減った。

(ハーブティーを飲む=遺伝毒性発がん物質をヒトに投与する試験。)

 

[HK]違反

-ハマグリのサンプルに動物用医薬品クロラムフェニコールが検出される

Veterinary drug chloramphenicol found in common oriental clam sample

Monday, July 5, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20210705_8777.html

香港食品安全センター(CFS)及び食物環境衛生署は、本日(7月5日)、定期検査でハマグリのサンプルに動物用医薬品クロラムフェニコールが19.6 µg/kg検出されたと発表した。香港で販売されるヒト用食品の魚介にクロラムフェニコールは認められていない。

 

-国家市場監督管理総局(SAMR)は中国本土の食品18品が違法であると通知をだした

The State Administration for Market Regulation (SAMR) (国家市場監督管理総局) – A notice (2021 no.27) reporting the non-compliant results of 18 batches of food products available in Mainland China

5 July 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/rc/subject/files/20210705_2.pdf

香港食品安全センター(CFS)は、中国本土で18バッチの食品が基準違反とされたことをうけて、これらが本国以外に流通しているかどうか調査を継続している。

 

[TGA] ニコチン製品及び吸入装置

Nicotine vaping products and vaping devices

5 Jul 2021

https://www.tga.gov.au/resource/nicotine-vaping-products-and-vaping-devices

ニコチン電子タバコ製品その他関連事項に関するガイダンス。

 

[IARC]動画:IARCがん予防ハンドブック計画

Video: The IARC Handbooks of Cancer Prevention programme

6 July 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/video-the-iarc-handbooks-of-cancer-prevention-programme/

IARCハンドブックシリーズの準備方法を説明

 

[COT]生涯より短い期間あるいは生涯にわたり異なる暴露に由来するリスクを評価するためのCOTの基本原則に関する声明

Statement on COT principles for assessing risks from less than lifetime exposure or variable exposure over a lifetime

COT Statement 2021/03

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-07/Statement%20on%20less%20than%20lifetime%20and%20variable%20exposure.pdf

導入

1.COCが2019年に生涯より短い期間の発がん物質暴露によるリスクを検討するための基本原則を発表している。COTはこうした基本原則が他の毒性学的エンドポイントに当てはまるかどうかをCOTの過去の作業を事例にして検討した。ここに示した基本原則はCOCの基本原則に基づきCOTの検討するエンドポイントを反映するため幾分かの修正を行ったものである。

2.COCの基本原則に比べて、タイトルは以下を反映して拡大した:ほとんどの場合COTは生涯より短くてその後無くなる暴露を検討することはなく、むしろ生涯にわたるが時期によって異なる、人生のある時期に相当高くなる暴露を検討する。例えば、特定のライフステージで暴露が多くなるような場合や短期的な汚染事故がおこったような場合である。

3.ADI、TDI、TWIのような慢性的健康ベースのガイダンス値(HBGVs)は、生涯にわたって定期的に摂取しても感知できるようなリスクとならない体重あたりで表現された化学物質の推定量である。それはしばしば慢性毒性試験に基づき、時にはより低い濃度でエンドポイントが観察された生殖毒性や発達毒性試験のようなもっと短い期間のデータに基づく。ここで生じる疑問の一つが、こうしたHBGVsが、例えば事故による放出のような、より短期間の暴露にあてはまるかどうか、である。もう一つの疑問は、生涯にわたるあるいはHBGVsが設定根拠とした期間の平均暴露量がHBGVの範囲内であるが、例えば子どもの時期や短期的汚染の増加などで生涯より短い期間HBGVを超える場合のリスクをどう評価するか、である。乳幼児は感受性の高い亜集団である可能性があるので特に検討を要する。

4.そのような生涯より短い期間の暴露あるいは生涯より短い期間で暴露が高くなる場合、最初はHBGVと比較するだろう。しかしリスク評価の精細化が必要な場合、以下のステップがリスク評価プロセスの基本原則として提示できる。ARfDはここでは考慮しない。ステップは図1でも示す

 

ステップ1-リスクを評価するシナリオはどんなもの?

ステップ1A-暴露集団を定義する

5.このステップの目的は問題となる集団あるいは集団サブグループを定義することである。暴露される個人(あるいは暴露が多い人)の特定のライフステージを考慮すべきである。ある種の年齢集団やライフステージは感受性が高いかもしれず、それはHBGVの設定の際に適切に対処されていなければリスク評価でも考慮する必要があるかもしれない(乳児、子ども、胎児、妊娠女性、高齢者など)。

 

ステップ1B-暴露シナリオを定義する

6.このステップの目的は検討する生涯より短い期間あるいは生涯にわたり異なる暴露の性質を明らかにすることである。以下を検討すべきである:

-その暴露は短期間なのか現在進行中なのか

-総暴露量は測定されている?

-暴露経路は単一か複数か

-同じあるいは違う暴露源からの、通常バックグラウンドレベルの暴露があるか

-対象となる物質は内因性に作られるか、もしそうなら内因性と暴露をどう比較する?

-暴露は継続的か、変動するか、間欠的か、ピークはバックグランドを越えるか、生涯にわたるが変動するか

-暴露期間、あるいは暴露量が増える期間

-暴露の平均とピーク(測定あるいは推定法検討を含む)

-吸入暴露の場合、暴露期間の運動レベル(低い、中程度、高い)はわかっているか

-身体負荷計算は可能か/あるいは適切か(化合物の生体内蓄積性と暴露期間に関連)

 

ステップ2-評価するハザードは何?

7.問題の化合物に関連するヒトや動物の毒性データと評価を、ハザード同定の援助となるよう並べる。もしその化合物が遺伝毒性発がん性で閾値が想定されないのならCOCの生涯未満の暴露についての基本原則に従って遺伝毒性発がん物質のステップをとる。そうでなければ以下のことを検討する

-代謝が早いか蓄積するかなどを含むトキシコキネティクス

-全てのエンドポイントについて用量-反応関係

-強さ、特に有害影響がおこるまでの時間が短い場合

-慢性HBGVのもととなったエンドポイントが、評価している生涯より短いあるいは変動する(LTLV) 暴露にあてはまるかどうか、もしあてはまるなら、そのエンドポイントの出発点は慢性HBGVの導出に使われた試験より短期の試験で同程度なのか高いのか

-慢性HBGVのもととなった出発点は異なるライフステージの出発点にあてはまるか

-ハザードデータを作るのに使われた試験の投与経路、期間や間隔は検討中のLTLVシナリオにあてはまるか

 

ステップ3-リスクを評価する

  1. COTは遺伝毒性発がん物質以外の化学物質のリスク評価は可能であれば出発点に不確実係数を採用してHBGVを設定することで行うべきと考える。あるいはHBGVを設定するにはデータが十分でない場合には、出発点からのMOEを計算することもある。
  2. 慢性HBGV(つまりADI、TDI、TWI)は人々が生涯にわたって感知できるリスクなしに暴露される摂取量を反映する。長期毒性試験に基づくHBGVやMOEを使うのは短期LTLVシナリオに採用する場合には予防的とみなすことができるだろう。
  3. 評価しているLTLシナリオで暴露量が慢性HBGVを超える場合、あるいは平均生涯暴露は慢性HBGV以内だがLTLVでのみ慢性HBGVを超える場合、集めた暴露(ステップ1)とハザード(ステップ2)のデータを用いて定量的リスク推定を行う必要がある。リスク推定に内在する不確実性は明確に定義しその推定全体への影響は理解されるべきである。
  4. MOEアプローチを使う場合には、入手可能な毒性学的データベースとヒトと動物の種差に関する不確実性にどのくらいの大きさのMOEが十分かを判断する必要がある。判断はケースバイケースで必要である。
  5. データが許せば(以下の注記参照)リスク評価の精細化が可能である。さらに短期HBGVを設定するために短期試験を使うことが適切な場合もあるだろう。あるいはHaberの法則に基づくアプローチを検討する場合もあるかもしれない、特に、生物濃縮する化合物のような、有害影響が起こるためには暴露が長期間必要な場合には。物質のトキシコキネティクスも検討すべきで、適切なアプローチがどれかはケースバイケースで判断する。
  6. こうしたステップに従って、LTLV暴露は懸念とはならないと結論されリスク管理者に伝えられることがあるだろう。あるいはさらなる評価の精細化が不可能、あるいは評価の不確実性を減らすことができない場合には、リスクの評価をリスク管理者に伝えるべきである。

 

リスク評価の精細化についての注記

  1. 上述のように、LTLVが慢性HBGVを超過した場合には、以下を考慮して評価の精細化を検討すべきである:

-暴露評価の精細化が可能かどうか

-慢性バックグラウンド暴露へのLTLV暴露の寄与(例えば体負荷への)

-検討中のLTLVシナリオのリスク評価には、より短期間の試験のほうが適切かどうか、もし慢性HBGVの導出に妥当な時間枠での暴露も慢性HBGVより少ないならば。

  1. 物質のトキシコキネティクスは慎重に検討すべきである。生体濃縮する化合物は、ある時点で定常状態に達し、それ以上は蓄積しないだろう。Haberの法則に基づくアプローチは、増えた暴露の期間が生涯より短くそれが排泄の半減期より小さい場合には適切だが、大きい場合には使えない。適切なアプローチはケースバイケースで判断すべきである。データがあれば、評価は外部暴露より内部暴露に基づくべきである(例えば食事)
  2. 可能であれば、トキシコキネティクスあるいはトキシコダイナミクスモデルを使うことがLTLV暴露によるリスクを評価するのに役立つだろう。作用機序に関する情報も有用だろう。
  3. Risk21マトリクスを使うことが暴露と毒性データの不確実性を可視化してリスク評価の精細化をサポートするかもしれない。
  4. 時には、提案された精細化を行った後でも、LTLV暴露がまだ懸念となる場合もあるだろう。そのような場合には、リスク評価の確立されたガイダンスはなく、ケースバイケースで扱う必要がある。リスクの可能性についてコミュニケーションをする場合には注意が必要で、それもまたケースバイケースで異なるだろう。

 

まとめ

19.暴露が短期間あるいは生涯にわたって変動する場合、COTは増えた暴露期間の暴露を最初は、長期暴露にとって保護的なものとして設定されているHBGVと比較することを勧める。HBGVが設定されている期間をもとに平均暴露量がHBGV以下だが短期的に超過する場合、この声明では必要に応じリスク評価の精細化を勧める。それには短期HBGVの使用、Haberの法則に基づくアプローチなどが含まれる。ただし物質のトキシコキネティクスは注意深く検討すべきで、どのアプローチが適切かはケースバイケースで判断する。

図1

 

論文

-減量目的のダイエタリーサプリメントと代替療法の系統的レビュー

A systematic review of dietary supplements and alternative therapies for weight loss.

Batsis JA.  Obesity, June 23, 2021

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.23110

データベースの検索から20504の論文が検索され、1743論文をレビューし、315がRCTだった。そのうちバイアスのリスクが低く有効性をみるのに十分だと分類された論文は52しかなく、そのうち16のみが使用前後で有意な体重差があると報告していた(レンジ:0.3-4.93 kg)。結論としては減量用ダイエタリーサプリメントと代替療法には質の高い根拠は限定的である。プラクティショナーと患者は、使用を勧める前に科学的根拠を知るべきである。

 

-セマグルチドの成功は肥満治療の「新たな夜明け」を迎えるだろう

Semaglutide’s Success Could Usher in a “New Dawn” for Obesity Treatment

Jennhttps://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2781520ifer Abbasi, JAMA. Published online June 23, 2021

医療ニュース&展望の記事

(並べたらエビデンスの質の差は自明なのだけれど宣伝はサプリばかり)

 

その他

-英国の全ての新生児の全ゲノム配列を決定することは「人々から支持されるだろう」

Whole genome sequencing of all UK newborns ‘would have public support’

Nicola Davis Sun 4 Jul 2021

https://www.theguardian.com/science/2021/jul/04/whole-genome-sequencing-of-all-uk-newborns-would-have-public-support

病気の発見と早期治療のため。ただし全ての先天性遺伝子疾患に治療法があるわけではなくプライバシーの問題もある

 

-何故オーストラリアはシンガポールのCovidアプローチを受け入れるべきなのか-シンガポールは感染者を数えたり旅行者を隔離するのをやめて日常を取り戻す方向にあるのにオーストラリアはいまだに繰り返すロックダウンに打撃を受けている

Why Australia should embrace Singapore's new approach to Covid as it moves to dump case counts and quarantine for travellers and return to normal - while we're still stuck in cycle of lockdowns

6 July 2021

https://www.dailymail.co.uk/news/article-9758903/Young-expat-reveals-life-Singapore-freer-Australia-moves-Covid-normal.html

外国に住むオーストラリア人であるEmily Raynerはオーストラリアがウイルス根絶戦略をやめることを希望するという。ニューサウスウェールズでは新たに1日18人の患者を記録し、ロックダウンを延長する可能性

(海外の声は届かないだろう)

 

-オーストラリアの高齢者介護施設の労働者が義務であるコロナウイルスワクチンを拒否する

Aussie Aged Care Worker Refuses To Get Mandatory Coronavirus Vaccine

06 July 2021

https://www.ladbible.com/news/latest-aussie-aged-care-worker-refuses-to-get-mandatory-coronavirus-vaccine-20210706

国の内閣がCovid-19ワクチンが個人の信念に関わりなく義務となるフロントライン労働者に高齢者介護施設の労働者を入れた。しかし受けたくないヒトもいる

 

-「下痢と水泳」:CDCの下痢絵がツイッターユーザーを噴き上がらせる

‘Diarrhea and swimming’: CDC diarrhea graphic revs up Twitter users

July 5, 2021

https://www.ksat.com/news/local/2021/07/06/diarrhea-and-swimming-cdc-diarrhea-graphic-revs-up-twitter-users/

注意:下痢しているときに泳がないこと

CDCは注目して欲しかったに違いない。CDCの公式アカウントがショッキングなGIFと一緒に「下痢と水泳」ページへのリンクを投稿した。

(なんというかあれなので見たい人だけ見て)

 

-トップCovid専門家が予防接種していない人々を「変異株工場」と呼ぶ

Top Covid expert hits out at unvaccinated people as ‘variant factories’

https://www.independent.co.uk/news/world/americas/covid-vaccine-variant-factories-william-schaffner-b1878187.html

Vanderbilt大学医学センター感染症教授William Schaffner博士がアメリカのニュース番組で、予防接種をしていないヒトは自分の健康をリスクに晒しているだけではなく、コロナウイルス変異株の工場である、と言った。

 

-Covidについて考えを改める時である理由

Why it's time to think differently about Covid

Nick Triggle

https://www.bbc.com/news/health-57678942

Covidは最早かつてのような恐ろしいウイルスではない

第三波はさらに大きなものになるだろう

難しいトレードオフ

Covidは決していなくならない

世界が我々に注目している

 

-SMC UK

イングランドのロックダウンから抜け出すロードマップの次の段階で各種制限が解除されるだろうというメディア報道への専門家の反応

expert reaction to media coverage reporting that various restrictions will be lifted at the next stage of England’s roadmap out of lockdown

JULY 5, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-media-coverage-reporting-that-various-restrictions-will-be-lifted-at-the-next-stage-of-englands-roadmap-out-of-lockdown/

9人のコメント

制限解除賛成意見が多い。マスク支持も低下。とにかくワクチンのおかげでがらっと雰囲気が変わった。