2021-07-13

[WHO]国連報告書:パンデミックの年は世界の飢餓の急増を特徴とする

UN report: Pandemic year marked by spike in world hunger

12 July 2021

https://www.who.int/news/item/12-07-2021-un-report-pandemic-year-marked-by-spike-in-world-hunger

http://www.fao.org/news/story/en/item/1415595/icode/

最も大きく増加したのはアフリカ。世界は重大局面にあり、2030年の好転のために今行動しなければならない

国連の本日の発表によると2020年は世界の飢餓が劇的に悪化した-その多くはCOVID-19の副次的影響だろう。パンデミックの影響はまだ完全に明らかになっていないが、報告書は世界人口の約1/10-最大8億1100万人が昨年栄養不良だったと推定している。

The State of Food Security and Nutrition in the World 2021

http://www.fao.org/documents/card/en/c/cb4474en

 

[WHO]WHOは公衆衛生の進歩のためのヒトゲノム編集についての新たな助言を発表

WHO issues new recommendations on human genome editing for the advancement of public health

12 July 2021

https://www.who.int/news/item/12-07-2021-who-issues-new-recommendations-on-human-genome-editing-for-the-advancement-of-public-health

本日WHOが発表した新しい二つの報告書は、公衆衛生のためのツールとしてのヒトゲノム編集の確立に役立つ、安全性と有効性と倫理を強調した、最初の世界的助言を提供する

 

-ヒトゲノム編集:助言

Human genome editing: recommendations

12 July 2021

https://www.who.int/publications/i/item/9789240030381

 

-ヒトゲノム編集:ガバナンスの枠組み

Human genome editing: a framework for governance

12 July 2021

https://www.who.int/publications/i/item/9789240030060

 

論文

-食品のゲノム編集:人々はどう反応するか?

Genome editing for food: how do people react?

12-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/uog-gef071221.php

Göttingen大学と British Columbia大学の研究チームが5つの国で人々が、農業における各種ゲノム編集技術の利用にどう反応するかを調査した。ドイツ、イタリア、カナダ、オーストリア、米国で、国による違いは僅かだった。全ての国で、作物のゲノムを変えることの方が家畜に使うより許容できると見なされた。Agriculture and Human Values

評価されたのは5つの応用で、ヒト、植物、動物の病気への耐性に関するものが3つ、二つは作物の品質改良と牛の生産物の量を増やすことに関する。

技術の目的が評価に影響し、動物が病気になりにくくなるもののほうが生産物を増やすより受容を増やす。しかし人々の反応は全体として大きく異なり、4つの集団が同定できた:強い支持者、支持者、中立、反対派。反対者は24%でリスクが高いとしてベネフィットにかかわらず技術の禁止を要求する。強い支持者は21%で多くの利点を認める。支持者は26%で多くの利点とともにリスクも見る。中立の29%はこの問題に強い意見は無い。

(ノイジーマイノリティーが政策を決めてしまうことが問題)

 

-NTUシンガポールの研究はCOVID-19デマの嘘を暴くにはメディアが重要な役割を果たすことを強調

NTU Singapore study highlights media's important role in debunking COVID-19 misinformation

11-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/ntu-nss071121.php

2020年1月1日から4月30日までの間に発表されたCOVID-19の2000のニュースのうち164本を解析した。Health Communication

初期の報道はCOVID-19の科学と健康に関するデマの訂正が多く、やがて政府の方針や対策に関するデマの訂正に代わっていった。デマ修正がメディアの重要な役割だった。パンデミックの中でシンガポールのメディアへの信頼は増加した。

 

-発酵食ダイエットはマイクロバイオームの多様性を増やし炎症を抑える、研究が発見

A fermented-food diet increases microbiome diversity and lowers inflammation, study finds

12-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/sm-afd070921.php

36人の健康な成人を10週間、発酵食あるいは高繊維食に無作為に割り付けた

ヨーグルト、ケフィア、発酵カッテージチーズ、キムチなどの発酵野菜、野菜青汁、コンブチャ(紅茶キノコ)のようなものを食べると微生物の多様性が増え、免疫細胞の活性化が低い。高繊維食では微生物の多様性や免疫タンパク質などは安定していた。Cell

 

-大気汚染の多い都市部は子どもの肥満リスクを増やすかもしれない

Urban areas with high levels of air pollution may increase risk of childhood obesity

12-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/bifg-uaw071221.php

バルセロナグローバルヘルス研究所(ISGLOBAL)がサバデル市の9-12才の2213人のデータを解析してEnvironment Internationalに発表した研究。大気汚染、交通、騒音のレベルの高さとBMIの高さに関連があった。

(都市のはずれの貧困地域に住む子どもは大気汚染が少ないのに肥満が多かった、と書いてあるのにこの見出し。)

 

-インドの国の学校給食計画は受益者となる子どもたちの成長の改善に関連

India national school meal program linked to improved growth in children of beneficiaries

12-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/ifpr-ins071221.php

Nature Communicationsに発表された国際食料政策研究所(IFPRI)による新しい研究。1993年から2016年の間の給食計画の子どもの成長への影響を評価したところ、世代を超えて影響する可能性を示唆した

(日本にも給食が命綱になっている人はいる)

 

その他

-Natureワールドビュー

私はソーシャルメディアで自分の過去の論文を批評した-そこから学んだこと

I critiqued my past papers on social media — here’s what I learnt

12 July 2021  Nicholas P. Holmes

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01879-y

進歩を加速するために、科学のシステムは間違いについての正直さに報いなければならない

毎年6月になると最も自己批判する科学者は卒業年度の学生であることを発見する。しかしそれからキャリアを積み始めると、研究者は自己批判の精神を亡くしてしまうようだ。論文を出し、資金を獲得し仕事を得ることに夢中になり、失敗には目を瞑る。アカデミックの人生は自己批判を捨てることを求めるようだ。

成功事例しか無い科学の記録は不完全である。失敗や間違いは滅多に公表されない。しかし間違いを正直に告白しないと科学の進歩は遅くなるだろう。

今年の聖金曜日に、私は自分の過去論文の批判を始めた。それがとても有意義だった。今や私は何か大きな間違いをしたのではないかという心配が少なくなった。最も啓発的だったのは他の科学者からの反応である。「勇敢だ」「クレージー」と言った人がいる。そうした反応は理解できるが問題である。科学者の自己批判は望ましいことで、著者が自己批判sないようにするシステムは修正するべきである。どこから始めたらいいだろうか?

(一部のみ。以下いろいろな提案のなかに「ネガティブCV」がある。落ちた応募や却下された論文のリスト)

 

-Natureニュース

WHOがゲノム編集政策を主導すべき、アドバイザーが言う

WHO should lead on genome-editing policy, advisers say

12 July 2021  Heidi Ledford

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01922-y

WHOの委員会は遺伝する遺伝子を編集することを認めるのは早すぎるが他の応用は前に進めるよう指摘

2018年に中国の生物物理学者He JiankuiがCRISPRゲノム編集技術を使って胚を操作し二人の女の子が生まれたと発表したことをきっかけに作られたWHOの助言委員会が、7月12日に2年間の作業をまとめた二つの報告書を発表した。

 

-ILSI

支援的食事により健康的な加齢を確保する

Ensuring Healthy Aging Through Supportive Diets

Washington, DC, United States

2021-07-26

https://ilsi.org/event/ensuring-healthy-aging-through-supportive-diets/

国連フードシステムプレサミットサイドイベント

 

-SMC UK

ロックダウン緩和の最終段階が7月19日に進むという保健大臣の発表への専門家の反応

expert reaction to the health secretary announcing that the final stage of lockdown easing will go ahead on 19 July

JULY 12, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-health-secretary-announcing-that-the-final-stage-of-lockdown-easing-will-go-ahead-on-19-july/

East Anglia大学Norwich医学部医学教授Paul Hunter教授

ここ数日、残った制限を今解除するのが安全なのか安全でないのかについて議論がある。私に言わせるとこの質問が間違っている。そうではなくて、我々は制限を解除するはいつがベストなのかを四つの基準を考慮しながら自分自身に問わなければならない。

制限解除はリスクがないわけではない。秋まで制限を続けることのリスクもある

Sussex大学社会心理学教授John Drury教授

個人の責任を強調することで、政府は市民を守る責任から逃げているように見える

Leeds大学医学部准教授Stephen Griffin博士

英国の人々が繰り返す政府の失敗にフラストレーションを抱えダメージを受けているのは理解できる。しかし1000人以上の署名を集めたLancetの合同文書に記されたように、「自由の日」の制限緩和は危険で無責任なギャンブルである

 

参考

Covid:全ての制限は7月19日で終わる、保健大臣が確認-しかしフェイスマスクは「推奨」

Covid: All restrictions end on 19 July, confirms Health Secretary – but face masks ‘recommended’

Mon 12 Jul 2021

https://westbridgfordwire.com/covid-all-restrictions-end-on-19-july-confirms-health-secretary-but-face-masks-recommended/

2021年7月12日の議会での声明

(最初はサッカーの話、イングランドのチームの勝利を誇りに思う、ただし試合後に何人かの人種差別的行動を批判する。それに対してはゼロトレランスであると。

それから制限解除については予防接種の効果を強調。感染者については残念ながら状況が改善する前に悪化するだろう、夏の終わりには1日10万人に達する可能性がある、しかしワクチンのおかげでこれまでより入院者数は相当少ないだろう、そのためNHSは耐えられるだろう、とのこと。

もし数週間遅くすれば冬に向かってウイルスが有利になって(感染しやすい条件とインフルエンザの逆襲と先に打ったワクチンの効果が低下することが一気に重なって)全くオープンできなくなるリスクがあるだろう、と

Paul Hunter教授が近いことを言っている)