2021-07-26

[FSS] FSSは国の食品戦略の発表への対応を発表する

Food Standards Scotland issues response to the launch of the National Food Strategy

15 July 2021

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/food-standards-scotland-issues-response-to-the-launch-of-the-national-food-strategy

FSSの長官であるRoss Finnie氏は、本日発表された国の食品戦略(National Food Strategy)にコメントした。

Finnie氏は述べた。

「国の食品戦略(パート2)のHenry Dimbleby氏の助言が採用されると、スコットランド食品基準庁にとって多くの重要な分野を含む英国全体の食品システムの変化を目にすることになるだろう。私達は食事を変える必要があることに同意する。Covid-19パンデミックは、肥満体の人や低所得者にはより悲しい結末となり、さらなる行動が必要であるという厳しい警告だった。

Dimbleby氏の報告は、食事に関して英国には対処しなければならない重大な問題があるという膨大な量の証拠を再び強調している。だが、この報告では再度問題を提起する。食事に関しては、今取り組まなければいつするのか?太りすぎや肥満による健康状態の悪化を好転させるには、皆に果たすべき役割があり、予防策に明確に焦点を当てる必要がある。

FSSは国の食品戦略の助言を十分に検討し、私達の幸福と経済的繁栄を阻害する食事関連の病気の負担を減らし、食品が安全で健康的で持続可能であることを保証するために英国中の組織と協力し続ける。」

 

[FSA] 国の食品戦略パート2

National Food Strategy Part 2

15 July 2021

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/national-food-strategy-part-2

Henry Dimbleby氏が率いるこの国の食品戦略(https://www.nationalfoodstrategy.org/)は、よりよい食品システムのための構想計画を立てるために政府から委託された。FSA の議長Susan Jebb博士はこの報告を歓迎し、次のように述べている。

「この国の食品戦略報告書は、私達の食品システムのあらゆる部分に責任のある全ての人に広く読まれ深く考慮されるのに値するものである。その説得力のある物語は、食品システムが直面する緊急課題や、人と地球の健康によいシステムを作り出すために政府と業界全体でどのように協力しなければならないかに注意を向ける。

私はFSAの役割を拡大する助言を含むこの報告書を歓迎する。FSAは、食品が安全で、それが示すものの通りであることを確認するための、信頼されている独立した規制機関である。私達の仕事は科学と根拠に導かれているが、私達が行う全ての中心に消費者の利益を置いている。私達は政府や他のパートナーとともにこの報告書を議論し、弾力性があり、より健康的で、より持続可能な食品システムを作り出すために彼らと揚力することを楽しみにしている。」

 

[EU]RASFF 2021 (0718-0724)

警報通知(Alert Notifications)

ドイツ産海藻サラダのヨウ素高含有、ドイツでペットフードの調理に使われているインド産飼料用有機ワサビノキ粉末の未承認物質エチレンオキシド、食品サプリメントの製造に成分として使用されるオーストラリア原産米国産メラトニンの未承認物質エチレンオキシド、フランス産乾燥ブドウの葉のクロルピリホス、原料ブルガリア産ドイツ産野生ニンニクの過剰なベンゾ(a)ピレン及びPAH含有量、エジプト産塩水入りブドウの葉のプロピコナゾールの最大量超過、オランダ産デーツシロップのオクラトキシンAの上限超過、ポルトガル産生きたアサリ  (Venerupis corrugata) の下痢性貝毒(DSP)、レバノン産粉末アニスのクロルピリホス、マダガスカル産クローブのクロルピリホス、インドネシア産シナモンのクロルピリホス、ドイツ産添加物グアーガムのエチレンオキシド、ドイツ産添加物ローカストビーンガムのエチレンオキシド、

注意喚起情報(information for attention)

スペイン産解凍メカジキロインの水銀、スペイン産キハダマグロの水銀、アルゼンチン産飼料用ピーナッツ穀粒のアフラトキシン、インド産冷凍キハダマグロのヒスタミン及びアスコルビン酸(E300)未承認、オランダ産灰色エビの安息香酸、オランダ産白キャベツの塩素酸塩、スペイン産チルド真空パックメカジキロインの水銀、ポルトガル産生きたヨーロッパザルガイの下痢性貝毒 (DSP) オカダ酸、

通関拒否通知(Border Rejections)

原料イラン産ウクライナから輸入した煎った塩味殻付きピスタチオのアフラトキシン、ニカラグア産有機ピーナッツ穀粒のアフラトキシン、中国産インスタントバーミセリのGMO、オランダを目的地としたウガンダ産チリペッパーのシペルメトリン及びラムダ-シハロトリン、トルコ産生鮮ペッパーのピリダベン、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、イスラム共和国産ピスタチオのアフラトキシン、イスラム共和国産ピスタチオのアフラトキシン、

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 163-21

22 July 2021

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20163-21.aspx

新規申請と提案

・新規食品としてのLactobacillus fermentum CECT5716 Lc40を乳児用調整乳製品と発酵乳製品への添加

意見募集

・遺伝子組換え大腸菌系統で作った2’フコシルラクトース(2'-FL)の乳児用調整乳とフォローアップミルクへの使用認可

改訂No.201

・生鮮野菜果物への植物検疫対策としての勝者、加工助剤としてのGM Bacillus licheniformis 由来スブチリシン、ステビオール配糖体としてのレバウジオシドM、除草剤耐性キャノーラ系統MON94100由来食品

 

-乳児用調整乳中オリゴ糖への意見募集

Call for comment on an oligosaccharide in infant formula

22/07/2021

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-an-oligosaccharide-in-infant-formula.aspx

天然に母乳中に存在する2'-FLをGM系統を用いた発酵で生産して乳児用製品に添加することについての意見募集。FSANZの評価では安全上の懸念とはならない

2021年8月19日まで。

 

[FAO]FAO戦略枠組み

FAO’s Strategic Framework

http://www.fao.org/strategic-framework/en

全ての人のために持続可能で食料が十分な世界に

FAO戦略枠組み2022-2031を公表

誰一人取り残さないための4つのベターfour betters

・より良い生産

・より良い栄養

・より良い環境

・より良い生活

 

[ANSES]職業リスク予防のために細胞増殖抑制薬の発がん性を認識する

Recognising the carcinogenic nature of cytostatic drugs in order to improve occupational risk prevention

20/07/2021

https://www.anses.fr/en/content/recognising-carcinogenic-nature-cytostatic-drugs-order-improve-occupational-risk-prevention

看護師、介護人、医師、獣医師、清掃職員など多くの専門家が細胞増殖抑制薬-特にがん化学療法で使われる医薬品-に暴露されている可能性がある。ANSESは18の細胞増殖抑制成分への暴露を伴う仕事を、雇用法の下での発がんプロセスリストを作っている省令に含めるよう助言する。また暴露されている可能性のある労働者や従業員を守る方法と啓発の助言を再び発行する。

 

[DHSC]不健康な食品のプロモーションは2022年10月から制限される

Promotions of unhealthy foods restricted from October 2022

21 July 2021

https://www.gov.uk/government/news/promotions-of-unhealthy-foods-restricted-from-october-2022

業界との相談を経て、政府は店舗での不健康な食品のプロモーションを2022年10月から制限する

・中から大規模小売店に適用

・政府の肥満対策の一環

脂肪、砂糖、塩の多い食品や飲料は、従業員50人以上の小売り事業者では、「一つ買うと1つ無料」のようなプロモーションを廃止する。またレジ前や店舗の入り口、通路の末端のような目立つ場所で宣伝しない。外食部門では砂糖入りソフトドリンクのおかわり無料を禁止する。

 

[DHSC]人々は家族や友人を守り続けるよう強く求められる

Public urged to continue protecting family and friends

22 July 2021

https://www.gov.uk/government/news/public-urged-to-continue-protecting-family-and-friends

新しい政府キャンペーンはCOVID-19拡散を減らすために人々に健康的行動の重要性を再確認する

・ワクチン

・換気

・二週間に一回の検査

・軽症でも症状があればPCR検査

・アプリ

・手を洗う

・マスク

 

[UK HSA]英国健康セキュリティー庁がR値と増加率のモデリングを引き受ける

UK Health Security Agency to take on the modelling of the R value and growth rate

23 July 2021

https://www.gov.uk/government/news/uk-health-security-agency-to-take-on-the-modelling-of-the-r-value-and-growth-rate

今週から、UKHSAが政府のR値と増加率の推定のモデリングと発表の責任を引き受ける

(英国はずっとRが指標だったのだけれど上手くいってる感じはしなかった。昔の気象庁みたいな感じだろうか・・昭和の時代、気象庁と三回唱えてから食べると食中毒にならないと言われていた。今はそうではないので。)

 

[RIVM]廃棄物の安全なリサイクルにはもっと注意をはらう必要がある

More attention needs to be paid to the safe recycling of waste

07/20/2021

https://www.rivm.nl/en/news/more-attention-needs-to-be-paid-to-safe-recycling-of-waste

RIVMによると、ゴミの安全なリサイクルには国際的により注目して啓発を促す必要がある。ゴミの再利用は循環経済に貢献するが、そのプロセスには公衆衛生への十分な注意が必要である。主な焦点は懸念となる物質を含む廃棄物で、その中からRIVMはリサイクルの改善でより多くのより安全な再利用につながる7種類を選んだ。また革新的リサイクル技術が極めて重要である。

布地、プラスチックとゴム、バッテリー、下水汚泥、建築と取り壊し廃棄物、タイヤ、電子機器。最初に詳細に調査した3つは建材の放射能、廃水からのセルロース回収、プラスチックの化学リサイクル。

 

[IARC]IARCモノグラフ128巻:アクロレインモノグラフ入手可能

IARC Monographs Volume 128: Acrolein Monograph now available

22 July 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-volume-128-acrolein-monograph-now-available/

オンライン発表

 

[IARC]乳がんのリスク要因になる可能性のあるものについてIARCの科学者による新しいコメント

New commentary by IARC scientists on potential risk factors for breast cancer

21 July 2021

https://www.iarc.who.int/news-events/new-commentary-by-iarc-scientists-on-potential-risk-factors-for-breast-cancer/

Environmental Health Perspectivesに発表された内分泌撹乱化合物や汚染物質に関する新しい論文に、IARCの科学者が招待コメントを提供した。

コメント対象になった論文の著者等は2000以上の化合物を解析して数百の良くある化合物に培養細胞でのホルモン生産を増やすことを示唆する根拠があることを提供した。そのような過剰なホルモン生産は乳がんのメカニズムとして知られている。IARCモノグラフの著者はコメントで、乳がんの原因についての根拠には重大なギャップがあり、妥当性を確認されたアッセイ方法から発がん物質としての重要な特徴にあてはまるデータを使ってさらなる研究と評価を優先的に行うのにどう役立てるかについて記載した。

Environ Health Perspect, Published online 21 July 2021;

https://doi.org/10.1289/EHP9507

(このコメントは培養H295R細胞でのステロイド産生能アッセイの結果は評価の優先順位決定に役立つだろうと言っている。

元論文はin vitroスクリーニングで陽性のものは発がんリスクがあるとみなすべき、と主張している。

Application of an in Vitro Assay to Identify Chemicals That Increase Estradiol and Progesterone Synthesis and Are Potential Breast Cancer Risk Factors

https://ehp.niehs.nih.gov/doi/10.1289/EHP8608

プレスリリースではさらにわかりやすく日用品でがんになると示唆している

Hundreds of chemicals, many in consumer products, could increase breast cancer risk

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/ssi-hoc071521.php

ただし「数百の化合物」というのは人工物のみで、最大の化学物質暴露源である「食品そのもの(植物エストロゲンとか)」は除外されていることに注意。累積暴露や同時暴露の問題を主張するわりに環境ホルモン騒動で主張していた低用量影響を言わないのは旗色が悪くなったせいだろうか?)

 

[ASA]思考の糧:あなたの食品に関する主張が広告基準に従うことを確実にするための三つの重要なコツ

Food for thought: three top tips to make sure your food claims comply with the Ad Codes

CAP News 22 Jul 2021

https://www.asa.org.uk/news/food-for-thought-three-top-tips-to-make-sure-your-food-claims-comply-with-the-ad-codes.html

ASAが食品に関して最近よく見る違反は

・登録されていない健康や栄養強調表示

・病気の予防や治療効果の宣伝

・乳児用調整乳とフォローアップミルク

(基本的に全て禁止されていて、特定のものだけ認められている)

 

[NASEM]ディスカッションペーパーがソーシャルメディアでの信頼できる健康情報源の同定のためのガイダンスを提供する

Discussion Paper Offers Guidance on Identifying Credible Sources of Health Information in Social Media

Jul 21, 2021

https://nam.edu/discussion-paper-offers-guidance-on-identifying-credible-sources-of-health-information-in-social-media/

「信頼できる情報源にアクセスすることはCOVID-19期間中にかつてなくより困難でより重要になった」と医学アカデミー会長Victor J. Dzauはいう。「先週の公衆衛生局長官の助言もあり、このディスカッションペーパーはタイムリーで建設的な一歩である。」

さらにこのペーパーは、情報源が信頼できるかどうか同定するだけでは不十分であることを注記し、ある種のコンテンツレビューなど、多くの並行戦略を実施する必要がある。

このペーパーは公開ウェビナー、意見募集、専門家委員会による4回の会合の結果である。このペーパーはコンセンサススタディや報告書ではなく著者Raynard S. Kingtonらの仕事である

ソーシャルメディアでの信頼できる健康情報源の同定:基本原則と特性

 

-Identifying Credible Sources of Health Information in Social Media: Principles and Attributes

By Raynard S. Kington, Stacey Arnesen, Wen-Ying Sylvia Chou, Susan J. Curry, David Lazer, and Antonia M. Villarruel

July 16, 2021 | Discussion Paper

https://nam.edu/identifying-credible-sources-of-health-information-in-social-media-principles-and-attributes/

基本原則1:科学に基づく

基本原則2:客観的

基本原則3:透明で説明可能

 

健康情報源の信頼性評価フローチャート有り

最初のステップで情報源はNPOか政府組織か?でノーだとそれで終わり

 

ボックス

信頼Trustと信憑性Credibility

信頼している、は真実性が高い、の同義語ではない。信憑性の高いとみなされる情報源を全ての人が信頼するわけではなく、広く信用されている情報源の信憑性が高くない場合もある。しかし信頼は信憑性の認識に影響し、その延長で健康情報源の信憑性に影響する

 

[USDA]如何にして2020東京オリンピックが農業貿易の重要性を示すのか

How the 2020 Tokyo Olympics Demonstrate the Importance of Ag Trade

Jul 22, 2021 Jason Hafemeister, Acting Deputy Under Secretary for Trade and Foreign Agricultural Affairs

https://www.usda.gov/media/blog/2021/07/22/how-2020-tokyo-olympics-demonstrate-importance-ag-trade

7月23日からみんなが2020東京オリンピック・パラリンピックのホスト国としての日本に注目するだろう。私にとって、この夏のオリンピックは私が情熱を傾けるものの完全なブレンドである-サイクリング、試合を監視する国際団体、米国と日本の友情。

「USDAと何の関係が?」と思うかもしれない。しかし2020東京オリンピックは農業貿易を支援する団体の重要性を描く完全なアナロジーなのだ。

(以下に続く。日本で外国の選手に提供されている食事にアメリカ産のものがたくさん含まれる。そして今でも日本の象徴は東京タワーなのね)

https://www.fas.usda.gov/newsroom/how-2020-tokyo-olympics-demonstrate-importance-ag-trade

 

論文

-ソーシャルメディアサイトにはがんに関するデマがよくあることを研究が示す

Study shows cancer misinformation common on social media sites

22-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/hci-ssc072121.php

JNCI。ソーシャルメディアで最も人気のある記事の1/3には嘘が含まれ、その嘘の多くが患者に害を与える可能性がある。著者のSkyler Johnson医師は、先の研究で代替療法を使うがん患者は死亡率が高いことを示した。嘘を含む記事のほうが事実より人気があり、有害な情報の方が安全な情報より人気がある。

 

-コーヒーのとりすぎ:脳の健康には苦い

Excess coffee: A bitter brew for brain health

22-JUL-2021

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/uosa-eca072221.php

37-73才の17702人のUKバイオバンク研究参加者の脳へのコーヒーの影響を評価した。1日6杯以上のコーヒー摂取は脳の容量が少し小さいことと認知症リスクの増加と関連する。Nutritional Neuroscience

(1日6杯以上の人ってどういう人たち?)

 

-米国成人の中年期の冨と長寿の関連

Association of Wealth With Longevity in US Adults at Midlife

July 23, 2021  JAMA Health Forum. 2021;2(7):e211652

https://jamanetwork.com/journals/jama-health-forum/fullarticle/2782410

純資産の多い人はその後24年の死亡率が低い。きょうだいや双子で遺伝と人生初期の経験を調整しても純資産と長寿の関連の程度は同じ。

(アメリカではお金が命そのもの。)

 

-Natureニュース

COVIDと集団スポーツイベント:初期研究の知見は限定的

COVID and mass sport events: early studies yield limited insights

22 July 2021  Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02016-5

英国は研究のために集会を認めたが、初期の結果はウイルス感染についてあまりデータを提供しなかった

東京で始まった2020夏オリンピックはUEFA EURO 2020のような最近の主要イベントとは全く違って観客不在である。7月11のロンドンWembleyスタジアムには6万人が絶叫した。Wembleyの観戦者は英国政府のイベント研究計画の一環としての実験参加者である。この計画ではコンサートやフェスティバルなどの集団イベントでのCOVID-19の拡大を追跡する。今月初め、この計画の2021年4-5月の最初の結果が公表された。一部有用なデータもあったがこれまでのところイベントでの感染拡大について決定的なデータは無い。

Cambridge大学の行動科学者Theresa Marteauは、イベント主催者との作業スピードでは研究の機会が失われているという。「しばしばチケットは科学的プロトコールが決まる前に販売される」。

初期のイベントは集団中の感染者が少ない時期に行われ、参加者のうち、要求されていた前後のPCR結果を返したのはわずか15%である。

EURO 2020ファイナルのデータを含む結果が解析され報告されるのはイングランドで既に制限が解除された後で、政策に情報提供するには遅すぎる。

(最初から判断の根拠にするつもりはないとしか思えない)

 

-Scienceニュース

グレートバリアリーフはオーストラリアの強力なロビー活動で「危機にある」リストから逃れる

Great Barrier Reef escapes ‘in danger’ listing after intense Australian lobby

By Dennis Normile Jul. 23, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/07/great-barrier-reef-escapes-danger-listing-after-intense-australian-lobby

UNESCOが6月にGBRを「危機にある」リストに入れることを勧めたがオーストラリア政府が強烈にロビー活動をしたことで世界遺産委員会は本日リストに入れないと決定した。

James Cook大学の海洋生態学者Terry Hughesは珊瑚礁が危険な状態であることは「科学的に明確」で、この決定は「歪曲」だとツイートした。

(鯨については環境保護を過激に主張する豪州なのにこれ。いつものダブルスタンダード)

 

-米国のオピオイド流行の危機の際

A time of crisis for the opioid epidemic in the USA

THE LANCET EDITORIAL| VOLUME 398, ISSUE 10297, P277, JULY 24, 2021

米国のCOVID-19パンデミックが軽減するにつれ、この期間にオピオイドの流行がもたらした荒廃の程度はもはや隠すことができなくなった。7月14日に国立健康統計センターが発表したデータは過剰使用による死亡の急増を示す。2019年12月から2020年12月までの間に-米国でパンデミックがピークだった時期-93000人以上のアメリカ人が薬物過剰使用で死亡し、その前の12ヶ月間から29.4%増加した。この数字は概ね毎日255人が過剰死亡していることに相当し、現在の全国のCOVID-19死亡者数と同程度である。2020年にこれまでで最大の年間死亡の増加(21000人)をみたことから、オピオイド危機への対応を再検討する時期である。

COVID-19パンデミックがオピオイド関連過剰使用死を加速したことが示唆されるがそのメカニズムは不明で、治療や害を減らす手段へのアクセスが制限されたことが可能性の一つである

 

-メキシコの医薬品不足

Lack of medicines in Mexico

David Agren

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 398, ISSUE 10297, P289-290, JULY 24, 2021

メキシコでは医薬品不足により多くの処方が処理されることは無い。López Obrador大統領は不正行為を非難するが、アナリストは違うという。

メキシコは過去2年にわたって医薬品が不足していて、専門家は大統領による医薬品調達プロセス改革の副産物だという。大統領は製薬業界が不正を働き暴利を貪ってきたと考えた。メキシコ社会保障研究所によると2019年に処方された医薬品のうちわずか2%しか実際に医薬品が提供されず、結核の予防接種は2019年に比べて2020年は92%減り破傷風は81%減った。アナリストはこの不足は医薬品調達の複雑さを考慮しない計画性の無さが原因だという。政府は次にどうするかを考えること無く現在の物事をキャンセルしてきた。López Obrador大統領は2018年に無駄を無くすことを公約にして勝利した。医療システムは製薬企業が悪いために問題があるのでそれを正すとしていろいろなことを停止し製薬企業に懲罰を与え、医療を政府の管轄下においた。その結果これまでのノウハウが失われた。

(いろいろ略。これは医療の話だけれど農業でも同じことがおこりつつある。大企業が悪い、公務員が悪いと敵を作ってそれを壊せばいいという主張を国民が支持した結果)

 

その他

-コンシューマーラボ

アスタキサンチンサプリメントレビュー

Astaxanthin Supplements Review

07/23/2021

https://www.consumerlab.com/reviews/astaxanthin-supplements-review/astaxanthin/

調べた製品中1つは表示されている量を含まない

 

-赤ちゃんについての間違ったアドバイス:親になる途中で私が出会った科学無視の助言

Bad Baby Advice: Science-Free Suggestions I Encountered On The Way To Parenthood

By Cameron English — July 22, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/07/22/bad-baby-advice-science-free-suggestions-i-encountered-way-parenthood-15674

私と妻は今週初めての子どもを迎えた。あなたが親ならそれがかけがえのない経験であることを知っているだろう。何者にも代えがたい経験をした。しかし一つ気が滅入ることは、日々の生活やオンライン上で出会う全ての人が妊娠の専門家であることが発覚した。みんなが私たちにアドバイスをするのである。そのほとんどが善意ではあっても医学的・科学的に疑わしい。

単に煩わしいだけではない、研究によると間違った助言に晒されると母親が不安になる可能性がある。それは子どもに悪い。

間違った助言とは、例えばワクチンを受けさせるな、オーガニック食品を食べるように、といったアドバイスである。

(こういう「文化」を変えるためにも男性の育児参加は推進。乳房にキャベツ湿布推奨して冷えピタは化学物質だから使うなとか、おかしいって言ってやって。)

 

-子どもとマスクについてわかっていること

What We Know About Kids and Masks

Christopher Labos MD, MSc | 23 Jul 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19-health/what-we-know-about-kids-and-masks

子どもにマスクをさせることは危険かもしれないと示唆する研究が大いに注目されたが、それに決定的欠陥があって取り下げられたことはあまり報道されていない

新しい医学の話が発表されると注目される。しかしそれが反証された時、ほとんど注目されない。最近はJAMA Pediatricsの子どものマスクは危険と示唆する研究でこれがおこった。この論文は一部の反マスク、反COVID活動を活発化させ保護者たちに不必要な不安を広げた。しかし結局のところ事実ではなかった。

この研究は子どもにマスクを着けると二酸化炭素を吸う量が増えるから危険だと主張していた。フェイスマスクの理論的危険性に関する研究はパンデミックの間中ずっとたくさんあっり、初期には反マスクの人たちは酸素不足を主張していたがこれは科学研究によって反証された。今回の研究は子どもたちを標的にした。しかしこの研究を読んだ多くの医師や研究者は出版直後から致命的欠陥を指摘していた。さらに懸念となったのはこの論文の著者たちがCOVID ワクチンは死者3人を予防するために2人を殺していると主張する論文を出していたことだ。この主張が馬鹿げていることは予防接種センターのある通りに死体が溢れていないことからも明らかで、直ちに取り下げられた。これらの問題は、たとえ取り下げられてもワクチンやマスクに反対する人たちの間でいまだに使われていることだ。人々はしばしば新しいデータで否定されても欠陥のあるデータを使い続ける

 

-取り締まりの結果違法食品15000トンを押収

Crackdown results in seizure of 15,000 tons of illegal foodstuffs

By Joe Whitworth on July 22, 2021

https://www.foodsafetynews.com/2021/07/crackdown-results-in-seizure-of-15000-tons-of-illegal-foodstuffs/#more-205859

2020年12月から2021年6月までに72カ国の参加で行われたOperation Opson Xでは市価5380万ユーロに相当する15,451トンの違法製品がみつかった。参加国が約68000のチェックを行い1000件の犯罪捜査になった。最も多く押収されたのはアルコールと食品サプリメント、次いで穀物、野菜、果物。アルコールのほとんどは偽物。

ポーランド産冷凍チキン30トンは高病原性鳥インフルエンザ検出のため差し戻し、ポルトガルではエクアドル産オーガニックバナナから農薬が検出され差し押さえ、ルワンダでは悪い状況で輸送された肉と期限切れバターが押収された。

米国では蜂蜜を標的にして検査し、495件中7%の製品が法令違反で詐欺的扱いをされていた51000 kgの蜂蜜が押収された。

 

OPSON作戦

OPERATION OPSON

https://www.europol.europa.eu/activities-services/europol-in-action/operations/operation-opson

今年の発表はまだ

 

-食品リコール検索FOOD RECALL REPORTER

FOOD RECALL SEARCH

FOOD RECALL REPORTER

https://www.foodindustrycounsel.com/recalls

Food Industry Counsel社がFDAとUSDAのリコールを検索できるデータベースFOOD RECALL REPORTERを公表

無料

 

-SMC UK

デンマークの大麻使用疾患と統合失調症を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at cannabis use disorder and schizophrenia in Denmark

JULY 21, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-cannabis-use-disorder-and-schizophrenia-in-denmark/

JAMA Psychiatryに発表された研究がデンマークの統合失調症患者の大麻使用疾患を調べた

King’s College London IoPPNの社会行動と発達部長Terrie Moffitt教授

この全国の医療記録研究は大麻使用疾患と診断された患者は普通より精神病リスクが高いという重要な根拠を追加する

UCL遺伝学研究所名誉教授David Curtis教授

統合失調症と診断された人は大麻使用疾患と診断される可能性が高いことは事実としてもその理由は明確ではなく解釈は難しい。

King’s College London IoPPN依存部カンナビノイド精神薬理学研究者Amir Englund博士

大麻依存は統合失調症リスクが4倍高いことに関連することを発見し、これまでわかっていることと同様である。観察研究なので大麻が統合失調症の原因になるかどうかはわからない

King’s College London IoPPN精神医学教授Sir Robin Murray教授とIoPPN MRC上級臨床フェローMarta Di Forti博士

この研究は注意深く行われた研究で、デンマークでは40年の間に大麻に関連する統合失調症の割合が2から8%に増加したことを示す。エディトリアルが記すようにこれは相当過小評価であろう。この研究は今や圧倒的となった大麻の使用が精神病の重要な、増加しつつある原因であるという根拠に加わるものである。大麻の大量使用リスクについて注意喚起する教育が緊急に必要である。

 

-沈黙の春研究所は数百の化合物が乳がん「リスク」を増やすと主張する

Silent Spring Institute Claims Hundreds Of Chemicals Increase Breast Cancer 'Risk'

By Hank Campbell | July 20th 2021

https://www.science20.com/hank_campbell/silent_spring_institute_claims_hundreds_of_chemicals_increase_breast_cancer_risk-255431

NIEHSが資金提供したSilent Spring研究所による研究が、何百もの化合物が内分泌撹乱物質だと主張する。

いいだろう、議論の便宜上、内分泌攪乱物質でないものとは何だろう?私がこの原稿を書いているときに飲んでいるコーヒーは私のホルモンを変えることが100%保証されている。だから私はコーヒーで乳がんになるだろうか?CSPIがかつて同じやり方でコーヒーを悪者にしようとした。私はやらないがやろうとすれば簡単で、科学に疎い人たちに、何かとがんに関連があると「示唆する」だけでいい。

「内分泌攪乱」は1990年代に作られた言葉で、EPAが安全だとした化合物でさえ我々を傷つけているようにみせかけようとした。Fred vom Saalや他の奇妙な陰謀論者たちは、何かを変化させるものは悪いに違いないと責めた。一旦閉鎖系を作ったら、どんな変化だろうと、一時的なものだろうと、それは悪い。何かが統計的に有意になる、何かと何かが「関連する」のを見つけるのは簡単だ。

ハーバードの心理学学士のBethsaida Cardonaとタフツの環境政策修士のRuthann Rudelが296の化合物がエストラジオールとプロゲステロンを多く作らせると主張する論文を書いた。ただし培養細胞で。どちらも自分たちが読んでいるものの解釈ができない。もし培養細胞での効果がカウントできるのなら、がんの治療薬が1万以上販売されているだろう。真の科学者はそのようなものを追いかけない。その研究はNIEHSの内部雑誌EHPに発表された。資金提供もとである。縁故主義だと言いたいわけではないが、BirnbaumのNIEHSでの議論の多い経歴と彼女の科学との戦いを考えると、検討すべきことかもしれない。

漫画:ジェリービーンズがニキビに関連!

(IARCの発表関連。Silent Spring研究所にお金を出した時のNIEHS所長のLinda Birnbaumはオーガニック業界の基調講演を行いRamazzini Instituteのメンバーだったとある

2010年のConsumer Reportsとのインタビューで、予防原則の信奉者で電子レンジや缶詰は使わない、等と話している

https://www.consumerreports.org/cro/news/2010/01/expert-q-a-toxicologist-linda-birnbaum-on-bpa/index.htm

 

-Covidによる戦略変更:米国農業の未来についての10の緊急問題

The Covid Pivot: 10 Pressing Questions About the Future of U.S. Agriculture

By Dr. Jim Budzynski|May 31, 2021

https://www.croplife.com/management/the-covid-pivot-10-pressing-questions-about-the-future-of-u-s-agriculture/

スライドショー

1.世界貿易と中国

2.注目すべき作物

3.地理的集中

4.補助金と天引き

5.規模とモノカルチャー

6.取り入れるGMOの性質

7.持続可能性

8.エタノールとバイオ燃料

9.アメリカ人の健康とアメリカの食

10.肉とタンパク質