2021-08-10

[EFSA]意見等

-ピーナッツのフルトラニルの輸入トレランスの設定

Setting of an import tolerance for flutolanil in peanuts

EFSA Journal 2021;19(8):6717 5 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6717

(理由付き意見)

 

-オリーブのシアントラニリプロールの既存MRLsの改訂

Modification of the existing maximum residue levels for cyantraniliprole in olives

EFSA Journal 2021;19(8):6805  5 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6805

(理由付き意見)

 

-異数性誘発性評価に関するガイダンス

Guidance on aneugenicity assessment

EFSA Journal 2021;19(8):6770 5 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6770

(科学的意見)

EFSAの科学委員会は、in vitro試験での異数性誘発陽性の結果や、染色体異常誘発性でも遺伝子突然変異誘発性でもない異数性誘発性物質のリスク評価アプローチについてフォローアップするための最適なin vivo試験ガイダンスを提供するよう求められた。科学委員会は、推奨されるアプローチは、関連する投与経路でin vivo哺乳類赤血球小核試験を行うことだと確認した。これが陽性の場合、その物質はin vivoで異数性を誘発することが明らかになる。骨髄が被検物質に暴露されているという根拠がある場合の陰性結果は、異数性誘発性はin vivoで発現されないという結論を支持する。骨髄暴露の証拠がない場合、陰性結果は決定的ではないと見なされ、さらなる研究が必要である。肝臓小核試験は、まだ完全に妥当性を検証されていないが、代謝活性化後に異数性を誘発する物質の支援情報を提供できる。逆に、さらに開発されるべき消化管小核試験は、代謝活性化なくin vitroで異数性を誘発する物質の最初の接触部分での異数性誘発の可能性を評価するのに役立つかもしれない。異数性のメカニズムに関する根拠に基づき、科学委員会は、原則として、包括的毒性学的データベースがあるならば、染色体異常誘発性でも遺伝子突然変異誘発性でもない異数性誘発物質に、健康に基づく指標値を設定することは可能と結論した。健康に基づく指標値を設定するには毒性学的データベースが十分ではない場合、リスク評価へのいくつかのアプローチが提案されている。科学委員会は、リスク評価を支援するために、消化管小核試験のさらなる開発や異数性誘発性評価を改善するための研究を推奨する。

 

-異数性誘発性評価に関する科学委員会ガイダンス案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of the public consultation on the Draft Scientific Committee Guidance on aneugenicity assessment

EFSA Journal 2021;18(8):EN-6814  5 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6814

(技術的報告書)

この報告書では遺伝毒性に関する科学委員会の分野をまたぐ作業グループによる検討後に受け取って対処したコメントを提示する。

 

-高度に精製されたステビオシドおよび/またはレバウジオシドAステビアの葉抽出物の酵素による生物変換で得たレバウジオシドAMを含むステビオール配糖体製剤の安全性評価

Safety evaluation of steviol glycoside preparations, including rebaudioside AM, obtained by enzymatic bioconversion of highly purified stevioside and/or rebaudioside A stevia leaf extracts

EFSA Journal 2021;19(8):6691 3 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6691

(科学的意見)

食品添加物及び香料に関するEFSAのパネル(FAF)は、高度に精製されたステビオシドおよび/またはレバウジオシドAステビアの葉抽出物の酵素による生物変換で得たレバウジオシドAMを含むステビオール配糖体製剤の安全性に関する科学的意見を提出した。これらのステビオール配糖体調製品は、グリコシド結合により精製ステビアの葉抽出物へのブドウ糖の移行を容易にする、E. coli K‐12の遺伝子組換え株で生産した2つのUDP‐グリコシルトランスフェラーゼと1つのスクロースシンターゼ酵素を用いて、ステビア植物から得た高度に精製されたステビオシドおよび/またはレバウジオシドA抽出物の酵素による生物変換で生産された。親株はよく特徴付けられ、その安全性が論証されているE. coli K‐12の派生株だとパネルは考えた。そのため生産目的では安全だと考えられている。パネルは、食品添加物として使用されているE. coli K‐12の遺伝子組換え株で生産したUDP‐グルコシルトランスフェラーゼとスクロースシンターゼ酵素を用いた高度に精製されたステビオシドの酵素および/またはレバウジオシドAステビアの葉抽出物による生物変換で得たレバウジオシドAMを含むステビオール配糖体製剤に安全上の懸念はないと結論した。パネルは欧州委員会に、EU委員会規則No 231/2012の中で、高度に精製したステビオシドおよび/またはレバウジオシドAステビアの葉抽出物の酵素による生物変換で得たレバウジオシドAMを含むステビオール配糖体製剤に、個別の規格を設定する提案を検討するよう助言した。

 

[EU]RASFF2021(0801-0807)

警報通知(Alert Notifications)

トルコ産角切り乾燥イチジクのオクラトキシンA、ベトナム及び韓国産医薬品及び食品サプリメントのカプセルの2-クロロエタノール、ペルー及びインド産有機ターメリック及びターメリックの未承認物質クロルピリホス、スペイン産冷凍キハダマグロステーキの水銀、トルコ産酢漬けのブドウの葉の残留農薬最大量超過、トルコ産ローカストビーンガムのエチレンオキシド、インド産ショウガのエチレンオキシド、英国産珪藻土入り食品サプリメントのアルミニウム高含有、エジプト産オレンジのクロルピリホス、インド産オランダ経由有機ターメリック粉末の2-クロロエタノール、スリランカ産シナモンの亜硫酸塩非表示、スペイン産有機アーモンド粉末のアフラトキシン、韓国産調理済食品(インスタントヌードル) のエチレンオキシド(2-クロロエタノール)、スペイン産冷凍メカジキの水銀、産出国不明大麻茶の高濃度のテトラヒドロカンナビノール (THC)

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産ローカストビーンガム(E410)の未承認物質エチレンオキシド、オランダ産サバのヒスタミン、タイ産パイナップル風味の混合色パパイヤ角切り8-10mmの着色料サンセットイエローFCF(E110)の未承認使用、中国産食品サプリメントの未承認物質シルデナフィル・タダラフィル及びバルデナフィル、ベトナム産乾燥麺のエチレンオキシド、インド産カレー粉のエチレンオキシド、トルコ産クミンのクロルピリホス及びプロメトリン、インド産飼料用酪酸カルシウムのダイオキシン、中国産五香粉のベンゾ(a)ピレン及びPAHs、トルコ産レッドグレープフルーツの未承認物質クロルピリホス-メチル、インド産シロカジキの水銀、インド産冷凍全形洗浄済コツブイイダコのカドミウム、英国産シナモンの亜硫酸塩非表示、

通関拒否通知(Border Rejections)

レバノン産ミックスナッツのアフラトキシン、英国産食品サプリメントの水銀、エクアドル産バナナのMRLを超過したイマザリル、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン、タイ産冷凍チリの未承認物質クロルピリホス及びクロルフェナピル、米国産アーモンドのアフラトキシン、エジプト産ピーナッツのアフラトキシン、トルコ産生鮮オレンジのプロクロラズ

パキスタン産玄米のアフラトキシン、トルコ産生鮮オレンジのプロクロラズ、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダンⅣ、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダンⅣ、インド産ゴマ種子のクロルピリホス-エチル

 

[FDA] 発酵及び加水分解食品のグルテンフリー表示についての最終規則の法令遵守日が近づいている

FDA Compliance Date for the Final Rule on Gluten-Free Labeling of Fermented and Hydrolyzed Foods Approaching

August 5, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-compliance-date-final-rule-gluten-free-labeling-fermented-and-hydrolyzed-foods-approaching

2020年8月13日、米国食品医薬品局(FDA)は発酵及び加水分解食品、または発酵及び加水分解された成分を含み、「グルテンフリー」の表示をする食品の法的要件を設定する最終規則を発表した。発酵及び加水分解食品では、タンパク質がより小さな鎖や個々のアミノ酸に分解される。この規則は、セリアック病‐遺伝性の小腸の慢性炎症性疾患‐の患者を保護することを目的としている。セリアック病の患者は、グルテンの摂取に関連する健康への有害影響から身を守るために、食事上のグルテンを摂取しないよう助言される。この規則の遵守期限は2021年8月13日である。

「発酵あるいは加水分解食品のグルテンフリー表示」と題されたこの最終規則は、ヨーグルト、ザワークラウト、ピクルス、チーズ、グリーンオリーブ、ビネガー、ビール、ワイン及びスープ、ソース、調味料などの加工食品の風味や食感を改善するために使用される加水分解植物タンパク質などの食品に関連する。蒸留酢などの蒸留食品についても最終規則で議論されている。

最終規則は、2013年に制定された「グルテンフリー」の定義を変更するものではないが、加水分解あるいは発酵食品の法的要件と蒸留食品の遵守情報が追加されたのみである。現在の利用できる検査方法では、加工の結果としてグルテンタンパク質は無傷ではないため、発酵あるいは加水分解食品のグルテンを確実に検出及び定量化することはできない。このため最終規則は、FDAが製造業者により作成及び保管する記録に基づき、「グルテンフリー」と表示された発酵及び加水分解食品が要件を満たしている確認するための代替の方法を提供する。また、最終規則では蒸留食品にグルテンが含まれていないことを確認するための必要に応じた科学的に有効な分析方法の使用を提供する。

詳細:

発酵あるいは加水分解食品のグルテンフリー表示に関する最終規則(2020年8月13日)

https://www.federalregister.gov/documents/2020/08/13/2020-17088/food-labeling-gluten-free-labeling-of-fermented-or-hydrolyzed-foods

食品のグルテンフリー表示に関する最終規則(2013年8月5日)

https://www.federalregister.gov/documents/2013/08/05/2013-18813/food-labeling-gluten-free-labeling-of-foods

FDAのGluten-Free Labeling of Foods

https://www.fda.gov/food/food-labeling-nutrition/gluten-free-labeling-foods

 

[FDA] FDAはフッ化ポリエチレン食品接触容器について業界に文書を発行

FDA Issues Letter to Industry on Fluorinated Polyethylene Food Contact Containers

August 5, 2021

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-letter-industry-fluorinated-polyethylene-food-contact-containers

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、特定のフッ化ポリエチレン容器のみが食品接触使用を許可されていることを再確認する文書を発行した。FDAはこれらの種類の容器を製造、販売、または使用する製造業者が、食品に使用するポリエチレン容器のフッ素加工の要件に関するFDAの規則(21 CFR 177.1615)を認識することを確実にするためこの措置をとった。

フッ素加工は容器の化学的バリアの特性を向上させることができる。最近、環境保護庁(EPA)が実施した検査に基づき、FDAは、フッ素加工高密度ポリエチレン(HDPE - ポリエチレンの一種)容器から、ある種のパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)が形成され、移行する可能性があることを認識した。 EPAの検査は、FDAの規制対象ではない容器(食用作物への直接使用が認められていない蚊用農薬を入れる容器)に対して実施された。検出されたPFASの種類は、パーフルオロアルキルカルボン酸(PFCA)と呼ばれるもので、そのうちのいくつかは健康への有害影響と関連する。分析調査はPFCAがFDAの規則に準拠していないフッ素加工に起因する可能性があると示す。

FDAには、これらの代替フッ素加工が食品容器の製造に使用されているというエビデンスはないが、食品に使用することを目的としたフッ化ポリエチレン容器の製造工程の規制に関して製造業者や販売業者はFDAに相談するよう勧めている。

FDAは、食品容器が消費者にとって安全であることを保証する約束をする。またFDAはこれらの製品がFDAの規則を遵守することを確実にするために、食品に使用されるフッ化ポリエチレン容器の製造業者および販売業者と協力していく。

 

[FDA]リコール

Able Groupeは、乳児用調製乳と表示された製品の鉄分が米国の乳児用調製乳の要件、その他のFDA要件を満たしていないためリコール

Able Groupe Recalling Products Labeled as Infant Formula Formulas Have Insufficient Iron Levels as Per Requirements for Infant Formula in The U.S., and Products Do Not Meet Other FDA Requirements

August 08, 2021

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/able-groupe-recalling-products-labeled-infant-formula-formulas-have-insufficient-iron-levels

対象製品は新しい乳児用調整乳に必要な市販前通知がFDAに未提出である。また、対象8製品のラベルには、追加の鉄分が必要な場合があることを示す記載がない。(100カロリーあたりの鉄分含有量が1mg未満である場合、表示義務がある)Able Groupのすべての乳児用調整乳は、21 CFR 107.10および107.20で要求されている表示、英語の表示義務も守られていない。製品写真有り。

 

[FDA] CFSAN教育関連資料ライブラリ

CFSAN Education Resource Library

08/05/2021

https://www.fda.gov/food/resources-you-food/cfsan-education-resource-library

FDAの食品安全・応用栄養センター(CFSAN)教育関連資料ライブラリでは、食品安全、栄養(ラベル表示、ダイエタリーサプリメントを含む)、化粧品について教材やビデオを紹介する。以下インフォグラフィック。

https://www.fda.gov/food/resources-you-food/infographics-nutrition-and-food-safety-topics

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 166-21

9 August 2021

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification-Circular-166-21.aspx

意見募集

乳児用調整乳意見募集ペーパー2-栄養組成

 

[NTP]ニュースレター

NTP Update August 2021

https://ntp.niehs.nih.gov/update/index.html

動物の使用を減らすのに役立つ新しい化学物質試験アプローチについて

6月14日に発表されたOECDガイドラインに皮膚感作性物質同定のための動物を使わない方法が収載された

 

[HK] 法令違反

包装レーズンのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Raisins sample not in compliance with nutrition label rules

Friday, August 6, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20210806_8830.html

米国産包装レーズンのサンプルが糖質3.7 g/100 gという表示ところ、59.3 g/100 g検出された。

 

[ODS] 乳児用調製乳における生物活性成分に関するワークショップ

Workshop on Bioactive Ingredients in Infant Formula

August 6, 2021

https://web.cvent.com/event/ec019daf-1ecf-4ff5-b84c-92e7bf5c3949/summary

乳児用調製乳における生物活性成分の安全な使用をめぐる科学:評価の枠組みに関する考察では、生物活性を有するヒト由来の乳成分の機能的側面に関する科学的知見に焦点を当てる。2021年9月23日及び24日。登録受付開始。

 

[ODS] ファクトシート更新

- COVID-19下でのダイエタリーサプリメント

Dietary Supplements in the Time of COVID-19

Fact Sheet for Consumers

August 4, 2021

https://ods.od.nih.gov/factsheets/DietarySupplementsInTheTimeOfCOVID19-Consumer/

オメガ-3サプリメントは1日5 gまでの用量であれば安全であることを明記する文章に修正。

https://ods.od.nih.gov/factsheets/DietarySupplementsInTheTimeOfCOVID19-Consumer/#change

 

[WHO]WHOやその他の組織を騙った“COVID-19補償くじ賞”詐欺

Fraudulent “COVID-19 Compensation Lottery Prize” scam, falsely alleges association with WHO and others

6 August 2021

https://www.who.int/news/item/06-08-2021-fraudulent-covid-19-compensation-lottery-prize-scam-falsely-alleges-association-with-who-and-others

詐欺注意

 

[EPA]EPAは小さい子どもたちの土と埃中の化合物への暴露をより良く理解するために900万ドル以上の研究費を提供する

EPA Awards Over $9 Million for Research to Better Understand Exposure of Young Children to Chemicals in Soil and Dust

August 6, 2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-awards-over-9-million-research-better-understand-exposure-young-children-chemicals

水銀、鉛、PCB類、アスベストなどの土と埃由来の暴露をより良く推定するため7大学に研究を委託

 

[NYC]一般的ワクチン情報

General Vaccine Information

https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-vaccines.page

12才以上はCOVID-19予防接種が受けられる

8月16日から、NYCでは公共の屋内活動(食事、フィットネス、娯楽)は予防接種をした人のみが認められる。従業員も予防接種義務。

9月13日に学校に安全に復帰するには8月9日までに予防接種を受けること

 

[BfR]コロナモニター

BfR-Corona-Monitor - as to 3 - 4 August 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/210803-bfr-corona-monitor-en.pdf

(前回とあまり変わらないような。検査を受ける意向は減っている)

 

[ASA]CDBマーケティング:新たな起業家向け要約したガイド

CBD marketing: a potted guide for budding entrepreneurs

CAP News 05 Aug 2021

https://www.asa.org.uk/news/cbd-marketing-a-potted-guide-for-budding-entrepreneurs.html

(potもbudも大麻のこと)

英国がカンナビノイド製品の世界第二位の消費国であるという発表を受けて、CBDの広告が広告基準を守っていることを確実にすることの重要性はかつてなく高い。ここに4つの要点を示す。

1.THCに注意

2.医薬品規制に注意

3.新規食品の規則に従う

4.食用カンナビジオールの法令遵守を確実に

 

ネコ汎血球減少症更新

Feline Pancytopenia Update

09 Aug 2021

https://www.rvc.ac.uk/news-and-events/rvc-news/feline-pancytopenia-update

王立獣医学校は附属病院で治療した症例と一部の獣医師からの報告で539匹のネコの症例を承知している。その死亡率は報告時点で63%。これは症例の一部に過ぎないだろう。

以下に「マイコトキシンとは何か」の説明がある

 

論文

-科学者がビールに数万の異なる分子を検出

Scientists detect tens of thousands different molecules in beer

9-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/924804

近代的高分解能分析法を使った研究がビースの膨大な代謝の複雑さを明らかに

Frontiers in Chemistryに発表された、世界中のビールについてのドイツの科学者の研究

DI-FTICR MSとUPLC-ToF-MSを使って世界の467種類のビールを分析した。

 

-魚細胞から作ったシーフードを何と呼ぶ

What to call seafood made from fish cells

9-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/924841

Rutgers大学の研究は“細胞ベースcell-based” と “細胞培養cell-cultured”がベストであることを確認 Journal of Food Science

1200人の消費者での調査

 

-若者、パンデミック、そして世界の精神衛生の危機

Youth, the pandemic and a global mental health crisis

9-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/924729

鬱と不安症状が二倍になり援助が必要、カルガリー大学の臨床心理学者が警告

JAMA Pediatricsに発表された世界中の若者の研究のメタ解析。パンデミックの制限により社会的に孤立させられ友人や学校でのルーチンから離されることは子どもたちにとって本当に大変だった。長引くパンデミックで、特に10代後半の若者は人生にとって相当大切な期間を失った。影響は長期にわたる可能性があり過小評価すべきではない。

 

-トスカーナでのターメリックの使用後の急性肝障害:イタリアの植物監視データベースの解析と症例報告の系統的レビュー

Acute liver injury following turmeric use in Tuscany: An analysis of the Italian Phytovigilance database and systematic review of case reports.

Lombardi N, et al.

Br J Clin Pharmacol. 2021 Mar;87(3):741-753.

イタリアのフィトビジランスシステムのデータから、トスカーナでは2019年9月までに7例の急性肝炎が報告されていた。いずれも生物学的利用能を高めた高用量のウコンに関連した肝毒性であった。系統的レビューでは23症例を同定し多くの患者が同時に他の医薬品を使用していた

 

-放射性ヨウ素の大気汚染の帰結:チェルノブイリと福島事故

Consequences of atmospheric contamination by radioiodine: the Chernobyl and Fukushima accidents.

Ory C, et al. Endocrine. 2021 Feb;71(2):298-309.

子どもの甲状腺の推定被曝量が>50 mGyの場合にはヨウ化カリウム投与等の対策を行うべき

(福島では甲状腺がんが増加している根拠は無い、超音波検診が多数の甲状腺がんを検出しているが事故とは関係ない可能性が高いと書いてある)

 

-ベルギー集団の食事からのミネラルオイル暴露に関連するハザードとリスクの評価

Assessment of hazards and risks associated with dietary exposure to mineral oil for the Belgian population.

Mertens B, et al. Food Chem Toxicol. 2021 Mar;149:112034.

 

-食品中残留動物用医薬品の評価:次善のデータを扱うときの検討

Assessment of veterinary drug residues in food: Considerations when dealing with sub-optimal data.

Chicoine A, et al.

Regul Toxicol Pharmacol. 2020 Dec;118:104806.

JECFAの動物用医薬品評価の解説

 

-非遺伝毒性農業用化合物のがんリスク評価のためのメカニズムからのアプローチについての包括的見解

A comprehensive view on mechanistic approaches for cancer risk assessment of non-genotoxic agrochemicals.

Luijten M, et al. Regul Toxicol Pharmacol. 2020 Dec;118:104789.

ワークショップの概要

 

-ハーブ「肝臓クレンジング」「睡眠補助」サプリメントの長期使用後の急性肝障害

Acute Liver Injury After Long-Term Herbal "Liver Cleansing" and "Sleep Aid" Supplement Use. Koenig G, et al.

J Emerg Med. 2021 May;60(5):610-614.

ワシントンの53才女性の症例報告

 

-安全な使用を促すためのJamuの構成成分のリスクキャラクタリゼーション

Risk characterisation of constituents present in jamu to promote its safe use

Suparmi S,et al. Crit Rev Toxicol. 2021 Feb;51(2):183-191

Jamuはインドネシアの伝統薬の集合的名称で、各種植物から調合する。2019年にインドネシア教育文化省がインドネシアの文化遺産とした。インドネシアでは広く販売されていて消費者は簡単に入手でき、通常の医薬品への不信と代替医療への関心増、植物は安全でナチュラルで健康的だという認識とともに需要は増加している。その結果独自のjamuを各種健康上の利益で宣伝して製造販売する業者が多数あり、医薬品成分の混入などの偽装や天然有害物質による健康上の懸念となっている。政府による安全性評価は無い。この論文ではjamuに関連するハザードデータを収集し、リスクを検討した

医薬品有効成分の混入と遺伝毒性発がん性天然成分(アルケニルベンゼン類、ピロリジジンアルカロイド、アリストロキア酸、メチルオイゲノールなど)が主な懸念として評価されている

 

-UK Biobankでの食事行動とCOVID-19

Dietary Behaviors and Incident COVID-19 in the UK Biobank

Thanh-Huyen T Vu et al.,

Nutrients. 2021 Jun 20;13(6):2114.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34203027/

イングランドのUKB参加者、ベースライン年齢40-70才の37988人のSAR-CoV-2 PCR陽性17%の食事との関連調査。コーヒー、野菜、乳児期の母乳はCOVID-19と好ましい関連、加工肉は逆の関連。

(食事との関連は交絡だろうけれど疫学コホートのベースラインで17%陽性が気になった)

 

-WHO紀要

Bull World Health Organ Volume 99(8);  2021 Aug 1

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/issues/386733/

抗菌剤耐性とか菜食の薦めとか

 

-COVID-19パンデミックによる子どもの予防接種の途絶

Disruptions to childhood immunisation due to the COVID-19 pandemic

Kaja Abbas & Vittal Mogasale

THE LANCET COMMENT VOLUME 398, ISSUE 10299, P469-471, AUGUST 07, 2021

THE LANCET にKate Causeyらが世界的、地域毎、国レベルでのジフテリア-破傷風-百日咳(DTP3)と麻疹含有ワクチン(MCV1)の子どもの定期予防接種撹乱推定を報告している。COVID-19パンデミックによる直接影響も壊滅的であるが医療システムへの間接的影響も世界的に膨大である。その間接的影響の中に少なくとも2020年に85カ国での子どもの予防接種撹乱がある。WHOは2020年3月にパンデミック中の予防接種について暫定ガイドラインを発表し、定期予防接種を続けるように助言していたが、他の医療よりも高いレベルで撹乱された。

 

- 新しいうんち、新しいあなた?糞便移植がマウスの脳の加齢の兆候を元に戻す

New poo, new you? Fecal transplants reverse signs of brain aging in mice

By Rachel FrittsAug. 9, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/08/new-poo-new-you-fecal-transplants-reverse-signs-brain-aging-mice

Nature Agingに発表された研究の紹介

 

その他

-気候変動は「疑う余地がなく」「前例が無い」と国連報告は言う

Scienceニュース

Climate change ‘unequivocal’ and ‘unprecedented,’ says new U.N. report

By Cathleen O’GradyAug. 9, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/08/climate-change-unequivocal-and-unprecedented-says-new-un-report

IPCCの報告書が発表された

 

-Natureニュース

「悩ましいフレーズ」がねつ造論文を暴露する

‘Tortured phrases’ give away fabricated research papers

05 August 2021  Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02134-0

解析により、表現の奇妙な転換が科学における反則を示すかもしれないことを明らかに

フランスToulouse大学のGuillaume Cabanacらのコンピュータ科学者グループが論文中の一連の奇妙な言い回しに注目した。よく使われている ‘人工知能artificial intelligence’, ディープニューラルネットワーク’ 、 ‘ビッグデータ’の代わりに‘偽りの意識counterfeit consciousness’, ‘深い神経組織化profound neural organization’ 、 ‘巨大な情報colossal information’という単語を使う研究者らがいて、それは剽窃を誤魔化そうとするソフトウエアか機械翻訳の結果であることが調査でわかった。

(中国人著者、雑誌の特別号が多い等)

 

-何故低脂肪マーガリンを揚げ物に使えないのか?

Why can’t you use low-fat margarine for frying?

Joe Schwarcz PhD | 6 Aug 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/nutrition-you-asked/why-cant-you-use-low-fat-margarine-frying

もしマーガリンが脂肪でできているのなら、まずどうやって「低脂肪」製品ができるのか、そして何故それで揚げられないのか

(低脂肪マーガリンは水分量が多い、加熱すると危険)

 

-「グリホサートとの戦争」と、安全で有効な除草剤を悪魔化することの意図せぬ負の環境影響とガーデン市場からの排除

‘War on glyphosate’ and the unintended negative environmental consequences of the demonization of a safe and effective herbicide and its removal from the garden market

Kevin Folta | August 10, 2021

https://geneticliteracyproject.org/2021/08/10/war-on-glyphosate-and-the-unintended-negative-environmental-consequences-of-the-demonization-of-a-safe-and-effective-herbicide-and-its-removal-from-the-garden-market/

ソーシャルメディア中がバイエルのラウンドアップの消費者市場からの撤退に勝利を祝福している。またメキシコでは裁判所が大統領によるGMトウモロコシとそれに関連する除草剤の使用停止命令を支持した。しかしこれは真の勝利なのだろうか?

バイエルの決定は単純に無限の訴訟を止めるためのビジネス上の決定である。反GMOと反農薬団体は勝利と謳っているが、その結果は史上最も安全で有効な農薬を排除することである。その実際の影響はより毒性が強いあるいは効果が少ない代用品か、ラウンドアップでは無いジェネリックの中国産グリホサート製品に置き換わることだろう。農家はラウンドアップを使い続ける。

メキシコのGMトウモロコシ禁止は農薬使用と二酸化炭素排出を増やし土壌流出を加速し収量を減らし消費者価格は上がるだろう。活動家の真の目的は農家を助けたり環境を守ることではない。あなたが何を望むのかは慎重に考えるべきである。

(一部のみ)