2021-08-25

[EU]査察報告

-ルクセンブルク―生きた動物と動物製品の残留物と汚染物質

Luxembourg 2021-7201―Residues and contaminants in live animals and animal products

22/07/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4389

2021年3月1~5日に実施した、ルクセンブルクの生きた動物と動物製品の動物用医薬品、農薬、汚染物質の残留物の監視を評価するための査察結果。概して、残留物監視計画の計画はタイムリーで、該当する法的条件にほぼ従う計画となり、残留物管理の効果に寄与している。にもかかわらず、指定研究所の適切な検証、認定、確認手段を保証することに失敗したため、法令違反を法的に確立できていない。残留物モニタリング計画は一般的に計画された取り決めと法的要件に従って実行され、その実行は適切にモニターされている。違反が確認された場合の制裁措置など欠点はあるものの、概して研究所の能力は結果の信頼性を確保するのに十分である。

 

-クロアチア―飼料衛生に関する公的管理

Croatia 2021-7213―Official controls on feed hygiene

22/07/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4388

2021年3月15~26日に実施した、クロアチアの飼料衛生分野の公的管理が、欧州議会及び理事会のEC規則に従って実施されていることを確認するためのリモート査察結果。概して、クロアチアの飼料に関する公的管理の計画は、いくつか除外はあるがほぼ適切に行われ、リスクに基づいている。州の検査官が確認された違反を包括的にフォローアップしている。この管理システムは様々な点で十分堅固な評価が行われていないため、多くの分野で弱い。

 

-ウクライナ―水産物

Ukraine 2020-6967―fishery products

22/07/2021

https://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=4386

2020年11月3~13日にウクライナで実施した、EU輸出用のウクライナの水産物生産状況を評価するリモート査察。ウクライナの管轄機関は必要な書面による手段と法律に支援された公的管理システムを実行している。2018年に当局はEU規則との基準の連携を開始し、職員に教育を提供することで2019年には管理システムを大幅に改善できた。にもかかわらず、手順と法律に多くのギャップがあり、包括的な保証を提供する管轄機関の手腕を害している。さらに、EU輸出用水産物の生産に使用する輸入原料がEU条件に従っていることを確実に保証できないため、輸出時にEUの健康証明書の保証を完全に提供できない。

 

[EFSA]意見等

-ホセチル、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムの最大残留基準の合同レビューに関する理由付き意見

Reasoned opinion on the joint review of maximum residue levels (MRLs) for fosetyl, disodium phosphonate and potassium phosphonates according to Articles 12 and 43 of Regulation (EC) No 396/2005

EFSA Journal 2021;19(8):6782 23 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6782

(理由付き意見)

さらなる検討が必要。

 

-ベンズイミダゾール物質カルベンダジムとチオファネート-メチルの毒性学的特性と最大残留基準(MRLs)に関する理由付き意見

Reasoned opinion on the toxicological properties and maximum residue levels (MRLs) for the benzimidazole substances carbendazim and thiophanate‐methyl

EFSA Journal 2021;19(8):6773 23 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6773

(理由付き意見)

さらなる検討が必要。消費者暴露を削減する手段も考慮する必要がある。

 

-有効成分ペラルゴン酸(ノナン酸)の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance pelargonic acid (nonanoic acid)

EFSA Journal 2021;19(8):6813 23 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6813

(農薬の結論)

評価は最終化されず、規制の枠組みで必要だと確認した不足情報がリストアップされた。

 

-ウェビナー:エビデンスマネジメントにAIの利用:EFSAのビジョン

Webinar: The use of AI in evidence management: EFSA’s vision

2021/08/24

https://www.youtube.com/watch?v=iJ2ct5fbL_I

Youtube動画

 

[BfR]健康影響の可能性のある化合物の組み合わせを同定するための新しいBfRコンセプト

New BfR concept for identifying chemical combinations with potential health

Effects

23.08.2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/new-bfr-concept-for-identifying-chemical-combinations-with-potential-health-effects.pdf

世界中でおよそ350,000の化学物質が登録されている。これらのうちいくつかは製品、散布、あるいは食品を通してヒトが物質や混合物に暴露する一因となる可能性がある。日常生活や仕事で潜在的に危険な化学物質から人々を守るために、立法機関は包括的な法の枠組みを設定している。特に、対応する法律や規則は主にそれぞれの規制部署内の個別の物質や定義された混合物の評価を対象としている。その一方で例えば様々な規制にまたがる物質の同時使用や環境によるバックグラウンド暴露のせいなど、起こりうる複合暴露から生じる可能性のある影響は、より困難で通常は後になってからしか得られない。これらのシナリオの大部分では、関連する物質の組み合わせの毒性増加も、既存の規制の枠組みによる不十分な保護も想定されていない。最近発表された論文で、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は今回初めて、潜在的な健康影響のある化学物質の組み合わせの一般的な同定のために、研究に基づく概念を提案している。

この概念は、1)どの化学物質が実際に現実的に一緒に生じるか、2)これらの組み合わせのうちどれが、既存の評価概念で潜在的な健康関連影響を適切にカバーされていないか、という質問に対処している。

この新しいアプローチの目的は、健康に関連する可能性のある混合物やバックグラウンド暴露を同定する実行可能なアプローチを提供することである。

この論文は2021年7月15日にNature Foodで発表された(https://doi.org/10.1038/s43016-021-00316-7)。

 

[ノルウェー] 第三国からノルウェーに輸入されたシーフード製品の獣医学的管理監視計画-2020の結果

MONITORING PROGRAMME FOR VETERINARY CONTROL ON SEAFOOD PRODUCTS IMPORTED TO NORWAY FROM THIRD COUNTRIES – RESULTS FROM 2020

https://www.mattilsynet.no/mat_og_vann/uonskede_stofferimaten/miljogifter/rapport_veterinaer_grensekontroll_sjomat_2020.43991/binary/Rapport:%20Veterin%C3%A6r%20grensekontroll%20sj%C3%B8mat%202020

要約:

この報告書は、2020年に欧州連合及び欧州経済領域以外の国からノルウェーに輸入された水産品の獣医学的国境管理に関する継続的な監視プログラムの結果をまとめた。サンプルはノルウェー国境検疫所(BIP)及び海洋研究所(IMR)の職員が採取し、ノルウェー食品安全局(NFSA)の委託を受けて分析した。この監視プログラムの実施にあたりNFSAの協力に感謝する。様々な輸入品グループのリスク評価がサンプリング計画と分析作業の選択の基準となった。食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)で報告されるハザードの現在の傾向、製品の組成的性質及び関連製品の年間の輸入量が、このリスク評価のための最新の基礎となった。

BIPで採取されたNFSAからの合計91サンプルを選択された分析法とアッセイにより、微生物と有害化学物質について調べた。調査したサンプルのうち8体には有害な微生物あるいは最大基準値を超える微量元素や残留性有機汚染物質(POPs)が含まれた。

74のサンプルについて、選択された微生物分析が行われた。リステリア(Listeria monocytogenes)は4サンプルで定性的に検出されたが、定量的な測定値は欧州連合の基準である保存可能期限日に100 cfu/gを下回っていた。有害な微量元素は86サンプルで分析され、2サンプル(魚1、イカ1)がそれぞれでカドミウムの最大基準値を超え、1つの魚種が水銀の最大基準値を超えた。残留性有機汚染物質の検査では30サンプルのうち1つがPCDD/Fs及びDLPCBsの最大基準値に対する違反が確認された。

 (化学物質:3.3 - 3.7)

3.3 - 残留医薬品と染料

14のサンプルを選択し、抗菌剤や染料について調べた。いずれのサンプルにもマラカイトグリーン、ロイコマラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、ルコクリスタルバイオレットの残留は検出されなかった。さらに、クロラムフェニコールやニトロフランの代謝物を含むサンプルもなかった。ベトナムから輸入された乾燥子エビの1サンプルは、阻害バイオアッセイでスルホンアミドの残留が示唆された。このサンプルをより高感度で特殊な化学的方法で再検査したところ、25のスルホンアミドを含む合計84の医薬品の残留を調べたが、いずれの物質も検出されなかった。

3.4 -腐敗の指標化合物

ヒスタミンは、サバ科の魚類が不適切な保管や輸送条件にさらされた場合に放出される毒性化合物である。関連する20のサンプルが分析された。すべての測定値は最大基準値以下であった。

3.5 - 一酸化炭素

キハダマグロの4サンプルについて、一酸化炭素の添加を分析したところ、すべての測定値が、筋肉組織中の生理的一酸化炭素含有量として国際的に認められている濃度である200 µg/kg以下を示した(Marrone et al., 2015)。観察された最高濃度は 139 µg/kg であった。

3.6 – 有害な微量元素

86のサンプルが有害な微量元素について分析された。

2つのサンプルがカドミウム(Cd)の最大基準値を超えた。ベトナムから輸入したStolephorus属である乾燥アンチョビのサンプルのカドミウム濃度は乾燥状態で0.48 mg/kgと測定された。魚を丸ごと食べたと仮定すると、最大基準値の0.05 mg/kg ww(湿重量)を超えることになる。乾物含量25 %は、Engraulis 種のような他のアンチョビの種でよく見られる。ニュージーランドから輸入されたイカの筋肉のサンプルのカドミウム濃度は1.2 mg/kg wwと測定され、最大基準値の1.0 mg/kg wwを超えていた。カドミウムの測定不確実性は20 %である。

水銀(Hg)については、1サンプルが最大基準値を超えた。ウルグアイから輸入されたDissostichus 種の切り身サンプルは、最大基準値の0.5 mg/kg wwを超え、測定された水銀含有量は0.88 mg/kg wwで、測定不確実性は20 %であった。

3.7 - 残留性有機汚染物質(POPs)について

リスク評価基準に基づいて選択された 30 のサンプルが水産物に望ましくないと考えられる 3 種類の有機 ハロゲン化合物について分析された。選択された残留性有機汚染物質は以下である:PCDD/Fs、PCBs(ポリ塩化ビフェニル)、PBDEs(ポリ臭素化ジフェニルエーテル)。1つのサンプルが、PCDD/Fs及びDLPCBsの最大基準値に対して違反することが確認された。このサンプルは、オーレスン港の国境検疫所で、韓国から輸入されたマリンオイルから採取された。他のすべてのサンプルの残留性有機汚染物質値は、清浄または半清浄水域の水産物に一般的に見られる範囲であった。違反となったサンプルは、再分析の結果、PCDD/Fsが3.3 pg/g (TEQ) (ww)、PCDD/DF 及びNDLPCBsの合計が11 pg/g (TEQ) (ww)であることが確認された(WHO-2005 TEF値)。

 

[EPA] クロルピリホス

Chlorpyrifos

https://www.epa.gov/ingredients-used-pesticide-products/chlorpyrifos#actions 

規制の歴史

クロルピリホスは、1965年の最初の登録以来、以下のようにEPA(米国環境保護庁)によって何度も見直されてきた。

2000年 - 特定用途の廃止、段階的廃止、修正に関する自主的合意

1996年、食品品質保護法(FQPA)は特に子どもを守るため、より厳しい安全基準を設定した。EPAはクロルピリホス再登録のリスク評価を確定した後、特定のクロルピリホスの用途変更の必要性を確認した。2000年、クロルピリホスの登録者は、特定用途の廃止、段階的廃止、修正をEPAと自主的に合意した。以下に例をあげる。

子供向け安全対策をした包装のアリやゴキブリ用の殺虫餌及びヒアリの塚処理剤を除き、ほとんどの家庭使用を廃止し、すべてのシロアリ用の使用を段階的に廃止する。

米国におけるクロルピリホス製品のトマトへの使用を中止し、リンゴへの使用を開花前と休眠時の散布に限定し、ブドウのトレランス(最大残留濃度)を引き下げる。

2002年 - 環境と労働者の安全を確保するための表示変更

2002年、EPAは、環境及び農薬使用者の安全性を向上させるために変更を加えた。

水質、魚類、野生生物を保護するための緩衝地帯の使用。

柑橘類やトウモロコシを含む様々な作物への季節ごとの散布量の削減。

農業従事者のリスクを軽減するための個人用防護具の使用量の増加。

クロルピリホスの2006年再登録適性決定書(RED)

https://www3.epa.gov/pesticides/chem_search/reg_actions/reregistration/red_PC-059101_1-Jul-06.pdf

2011年 - ヒト健康リスクの予備評価

2011年、EPAは2000年6月に利用可能となった新規研究の結果と新規研究の知見を含む、すべてのクロルピリホスの用途に関する予備的ヒト健康リスク評価を完了した。

クロルピリホスの2011年ヒト健康リスク評価

https://www.regulations.gov/document?D=EPA-HQ-OPP-2008-0850-0025

2012年 - スプレードリフトの緩和と散布量の変更

2012年、EPAは空中農薬散布率を引き下げ、公共空間の周辺に、地上、エアブラスト、空中散布方法の「無散布」緩衝地帯を設けた。

クロルピリホスの2012年スプレードリフト緩和決定書

https://www.regulations.gov/document?D=EPA-HQ-OPP-2008-0850-0103

2014年 - ヒト健康リスク評価の改訂

2014年、EPAはすべてのクロルピリホスの用途について、2011年6月のヒト健康リスク予備評価を更新し、ヒト健康リスク評価の改訂を完了した。EPA は、食品及び水からの暴露、農薬の吸入及び皮膚暴露を含む複数の暴露源を考慮し、すべての集団を考慮した。また、2012年のスプレードリフト暴露の評価と、それに関する新しい規制の情報を含めた。

クロルピリホスの2014年のヒト健康リスク評価

https://www.regulations.gov/document?D=EPA-HQ-OPP-2008-0850-0195

2016 - 改訂されたヒト健康リスク評価

2014年のリスク評価に対するパブリックコメントとFIFRA(連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法)科学諮問パネルの意見を受け、EPAは2016年にヒト健康リスク評価を改訂した。

2016年のクロルピリホスのヒト健康リスク評価

https://www.regulations.gov/document?D=EPA-HQ-OPP-2015-0653-0454

2020年-生態リスク評価案及びヒト健康リスク評価の改訂

2020年9月、EPAは以下の評価書を発行した。「クロルピリホス:登録レビューのための生態リスク評価案」、「クロルピリホス:登録レビューのための三訂ヒト健康リスク評価」、「登録レビューのための更新されたクロルピリホス精製飲料水評価」。

2020年 - 提案された暫定決定

2020年12月、EPAは「クロルピリホスの登録レビューのための提案された暫定決定」を発表し、意見公募を行った。また、利益評価、2020年9月に改訂されたヒト健康リスク評価、生態リスク評価案及び改訂された飲料水評価に対する意見を募集し、現在、それらを検討中である。

 

連邦食品・医薬品・化粧品法(FFDCA)請願と訴訟への対応

2007年FFDCA請願

2007年9月、環境団体がEPAにFFDCAのもとで全てのクロルピリホスのトレランスを取り消し、全ての登録をキャンセルするよう請願が提出された

 

2015年トレランス取り消し提案

2015年にEPAはトレランスを取り消すことを提案した。一部の流域での飲料水暴露により安全が確認できないと結論したためである。EPAは追加のハザード分析と飲料水評価の精細化を続けるとした。2016年に飲料水暴露評価とヒト健康評価を改訂し、意見募集を行った。

 

2017-2019年 トレランス取り消し請願の却下

2017年にEPAが請願を却下。これについていくつかの団体が反対しEPAはこれらの反対に拒否命令。

 

第9巡回区控訴裁判所訴訟

環境団体といくつかの州がEPAの拒否命令を第9巡回区控訴裁判所に訴える。2021年4月、裁判所がEPAの拒否は恣意的で気まぐれであると判決

 

2021年最終トレランス規則

2021年8月、EPAはクロルピリホスの全てのトレランスを取り消す最終規則を発表。

 

[SFA] 清潔な食器とトレイの要件に関する注意事項

Reminder on Clean Crockery and Trays Requirement

19 August 2021

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/reminder-on-clean-crockery-and-trays-requirements.pdf

シンガポール食品庁(SFA)とシンガポール環境庁(NEA)は、「SG Clean and Clean Tables」キャンペーンを通じて、公共の場で食事をするすべての関係者に衛生管理を徹底し、安全で清潔な食事環境を維持することを呼び掛ける。

2021年8月10日から、屋台市場が再開し食事をした人は使用したトレーや食器を返却し食卓にゴミを残さないよう求められている。2021年9月1日からはテーブルをきれいにしなかった場合法の執行が行われる。コーヒーショップやフードコートでも年末までテーブルにゴミを残すことに法の執行を試みる。事業者は販売する食品が清潔であることを確実にし、きれいな食器やトレーを提供する責任がある。汚い食器やトレーが提供された場合SFAは事業者に法の執行を行うことができる。

 

[SFA] ザルガイ、カキ、アサリ、ムール貝、ホタテなどの二枚貝の安全性について

Safety of Bivalve Molluscs such as Cockles, Oysters, Clams, Mussels and Scallops

Friday, August 20, 2021

https://www.sfa.gov.sg/food-information/risk-at-a-glance/safety-of-bivalve

二枚貝の危険性、二枚貝に関する食品安全リスクを減らすSFAの取り組み、消費者や食品取扱業者がすべきことの情報。

ハザードとして細菌、ウイルス、寄生虫、マリンバイオトキシン、汚染物質、アレルゲンを挙げている

 

[FSAI] インスタント麺製品の一部に未承認の農薬エチレンオキシド混入のためリコール

Recall of Certain Batches of Instant Noodle Products due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide

Friday, 20 August 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/instant_noodles_ethylene_oxide_recall.html

 ベトナム産インスタント麺製品の一部は未承認の農薬エチレンオキシドによりリコール。製品写真有り。

 

[FDA] FDAとメキシコ当局が食品安全パートナーシップの進捗状況と次の段階を報告

FDA and Mexican Counterparts Report Progress and Next Steps for Food Safety Partnership

August 23, 2021

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-and-mexican-counterparts-report-progress-and-next-steps-food-safety-partnership

FDAとメキシコの規制当局のカウンターパートである連邦衛生リスク保護委員会(Cofepris)およびメキシコ食品衛生安全品質管理局(SENASICA)は、8月20日に第1回食品安全パートナーシップ年次会合を開催した。

 

[WHO]7億人以上が高血圧を治療していない

More than 700 million people with untreated hypertension

25 August 2021

https://www.who.int/news/item/25-08-2021-more-than-700-million-people-with-untreated-hypertension

高血圧の人は1990年以降12億8000万人に二倍になった

WHOとImperial College Londonの合同プレスリリース

世界の高血圧の有病率、検出、治療、管理についての包括的世界的解析が本日The Lancetに発表された。

高血圧は心臓、脳、腎臓疾患のリスクを有意に上げ、世界中の死亡や病気のトップ原因の一つである。血圧を測ることで簡単に検出でき、安価な医薬品で治療できる。しかし診断と治療には相当なギャップがある。約5億8000万人は高血圧に気がついておらず7億2000万人は必要な治療を受けていない

高血圧治療の新しいWHOガイドライン

新しい「成人の高血圧の医薬品による治療のためのWHOガイドライン」も本日発表した

(以下各種トップ10リストがある

日本は2019年の女性で高血圧が少ない国7位、1990年から2019年の間に女性の高血圧が大きく減った国3位、に入っている。

WHOの高血圧ガイドラインは治療を要する血圧の数値でいつも話題になるがそれは収縮期圧≥140 mmHg、拡張期圧≥90 mmHg、心血管系疾患やリスクのある人では収縮期圧130-139 mmHgから

なお薬を使わない治療や予防法としては以下

・減塩(1日5g以下)

・野菜や果物を多く食べる

・定期的運動

・禁煙

・飲酒を減らす

・飽和脂肪の多い食品摂取を制限

・食事中トランス脂肪を排除/減らす)

 

[FAO]世界のリーダーや専門家が世界のフードシステムでの抗菌剤使用を相当減らすようよびかける

World leaders and experts call for significant reduction in the use of antimicrobial drugs in global food systems

24 August 2021

http://www.fao.org/news/story/en/item/1434486/icode/

抗菌剤耐性に関する世界のリーダーグループが全ての国に呼びかける

 

[CDC]新しい研究が米国の糖尿病の若者の懸念される増加を明らかにする

New Research Uncovers Concerning Increases in Youth Living with Diabetes in the U.S.

Tuesday, August 24, 2021

https://www.cdc.gov/media/releases/2021/p0824-youth-diabetes.html

米国の若者の1及び2型糖尿病と診断される人が増えている。2001年から2017年にかけて、20才以下で1型糖尿病の人が45%、2型は95%増加した。JAMA

原因を知るにはさらなる研究が必要。可能性としては子どもの肥満の増加、子宮内で母親の肥満と糖尿病に暴露されること、糖尿病の検査の増加など

 

論文

-妊娠母の肥満は彼女の成人の子どもの大腸がんリスクの高いことと関連する

Pregnant mum’s obesity linked to heightened bowel cancer risk in her adult offspring

23-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/925920

1959-66年に参加者を募ったカリフォルニア州オークランドの18000組以上の母子のデータから。肥満の母親は4000g以上の子どもを産む割合が高くその子どもの大腸がんリスクが2倍以上。Gutに発表

 

-2020年にはCOVID-19不況で267000人の乳児が余分に死亡

Likely extra 267,000 infant deaths in 2020 prompted by COVID-19 economic downturn

23-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/925921

世界銀行のエコノミストの推定では予想より7%多い

BMJ Openに発表されたモデル研究

 

-素晴らしい戸外:市民科学が健康的加齢の地図を書く

The great outdoors: Citizen Science puts healthy ageing on the map

23-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/926228

日のあたる場所、自然への愛、変えたいという気持ち-これが南オーストラリアの高齢者の運動、健康、福祉改善の鍵。南オーストラリア大学が環境市民科学プロジェクトに参加している高齢者(50才以上)の運動と社会的ベネフィットを探る。市民科学プロジェクトでは環境研究者と毎週自然探索を行っている。参加者募集。

 

-若年成人の心臓発作は家族歴だけではなく不健康なライフスタイルに関連

Heart attacks in young adults are related to unhealthy lifestyles, not just family history

24-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/926009

欧州心臓学会で発表されたドイツの研究

 

-ステーキを育てる:初めての3D生物印刷された和牛様肉発表

Raising the steaks: First 3D-bioprinted structured Wagyu beef-like meat unveiled

24-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/926245

Nature Communicationsに発表された大阪大学の研究

https://www.eng.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2021/08/PR20210824.pdf

 

-NIHの出資した研究が、10-14才の全体的薬物使用率は2020 COVID-19パンデミック中に安定していたことを発見

NIH-funded study finds overall rate of drug use among 10-14 year-olds remained stable during the 2020 COVID-19 pandemic

24-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/925799

Journal of Adolescent Healthに、現在進行中のg Adolescent Brain Cognitive DevelopmentSM (ABCD) 試験のデータを使った研究が発表された。この年代の薬物使用全体は比較的安定していたが、飲酒が減りニコチン製品と処方薬の誤用が増えていた。ストレスや不安、うつ症状が薬物使用と正の関連があった。

 

-プラスチックの雨が降る?!(動画)

How is it raining plastic?! (video)

24-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/926235

ACS動画シリーズ

毎年1000トン以上のプラスチックが米国西部の国立公園や自然保護区に雨と一緒に降下している。そのプラスチックはどこから来るのか、ワシントンに降る雨の中にあるのか。

 

-大規模遺伝子解析が食品摂取の違いに関連するたくさんの遺伝子変異を同定

Large genetic analysis identifies numerous gene variants linked with differences in food intake

24-AUG-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/926336

Nature Human Behaviourに発表されたUK BiobankとCohorts for Heart and Aging Research in Genomic Epidemiology (CHARGE)コンソーシアムの参加者282271人の遺伝子解析と食品摂取を調べた研究。脂肪、タンパク質、炭水化物の多い食品を好むことに関連する26の遺伝子領域を同定し、その領域が脳で発現している遺伝子が多いことを見いだした

 

-これらの蜂の巣が動物王国で最も強力なものの一つの緑の蛍光を放つ

These wasp nests give off one of the most powerful green glows in the animal kingdom

By David Shultz Aug. 24, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/08/these-wasp-nests-give-one-most-powerful-green-glows-animal-kingdom

動物王国で最も明るい緑の蛍光は蛍や深海魚ではなくアジアの蜂の巣。光の発生源はハチ(アシナガバチの仲間)の幼生が編み上げた繭に編み込まれたシルクタンパク質から来るようだ。手持ちのUVランプをあてると20メートル離れたところからでも見える

Journal of the Royal Society Interfaceに報告された

 

その他

-危険な減量製品が健康警告なしにオンラインで販売されている

Dangerous weight loss products for sale online with no health warnings

Denis Campbell Wed 25 Aug 2021

https://www.theguardian.com/society/2021/aug/25/dangerous-weight-loss-products-for-sale-online-with-no-health-warnings

Which?がeBay 、Wish、 AliExpressで販売されている物質は心臓の問題を引き起こす可能性があるという

ヨヒンビンやシネフリン

 

Potentially dangerous diet pills found for sale on eBay, Wish.com and AliExpress

25 Aug 2021

https://www.which.co.uk/news/2021/08/potentially-dangerous-diet-pills-found-for-sale-on-ebay-wish-com-and-aliexpress/

Which?は安全でない製品への対応を求める

 

-あなたは気候を救うために食べることができるか?

Can you eat to save the climate?

26 Jul 2021  Chiara Cecchini

https://www.weforum.org/agenda/2021/07/climate-change-food-what-to-eat/

・気候に優しい食品への関心が高まっているが、消費者はどういう選択が環境持続可能なのか知るのが難しい

・すぐ食べられるスナックから藻類、サボテン、穀物まで、気候に利益のある食品の選択肢は増えている

・より良いサプライチェーンの構造で、食品生産者もこれら成分へのアクセスを改善できる

(環境に優しい食生活、なら計算上はとにかく牛肉を減らすのが一番手っ取り早い。)

 

-何世代にもわたる牛肉

Beef for Generations

JULY 28, 2021

https://southeastagnet.com/2021/07/28/beef-generations/

米国全国肉牛業女性協会長のEvelyn Greeneとその夫Auburn農業大学動物科学部長による文章。食卓から牛肉を追い出す運動の負の影響について。

活動家は牛肉は食卓にいらないというが1)それは社会が望むことか?2)それで社会がより健康的になるか3)環境は改善するか 4)動物が幸せに長生きするか?いずれもノーである。

 

-国際刑事警察機構

違法健康製品とニセ製品の取り締まりは南アフリカで179の容疑者を同定した

Crackdown on illicit health and counterfeit products identifies 179 suspects in Southern Africa

5 August 2021

https://www.interpol.int/News-and-Events/News/2021/Crackdown-on-illicit-health-and-counterfeit-products-identifies-179-suspects-in-Southern-Africa

先月行われた第二回Afya  作戦(Operation Afya II)はアフリカ南部10カ国で数百の捜査を行い350万USD相当の製品を押収した

パンデミックのせいで違法医薬品やワクチン、フェイスマスク、ニセのCOVID-19証明などの取引が急増している

 

-SMC NZ

ロックダウンライフスタイルアドバイスはデルタで違う-専門家の反応

Lockdown lifestyle advice differs with Delta – Expert Reaction

Published: 25 August 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/08/25/lockdown-lifestyle-advice-differs-with-delta-expert-reaction/

全国のレベロックダウン延長は、自宅に留まりつつ活発で健康を維持する課題となる

以下についてコメントを集めた

・運動

・食生活

・マスク差別

・2020年のロックダウン後の行動変化

 

デルタアウトブレイクの半分以上が太平洋民族

Over half of cases in Delta outbreak are Pacific people

25 August 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/08/25/over-half-of-cases-in-delta-outbreak-are-pacific-people/

現在のCOVID-19アウトブレイクの半分以上が、一人の感染者が教会に行った後感染したパシフィカの人々

(いつもの不平等の話。)

 

-Scienceニュース

詐欺的データが正直についてのスーパースター研究者に疑問を提示する

Fraudulent data raise questions about superstar honesty researcher

By Cathleen O’GradyAug. 24, 2021

https://www.sciencemag.org/news/2021/08/fraudulent-data-set-raise-questions-about-superstar-honesty-researcher

Dan Arielyは行動科学のスーパースターである。彼の正直、不正行為、不合理についての研究は「極めて賢く極めて直感的にわかりやすい」とPennsylvania大学の行動科学者Eugen Dimantはいう。そしてその研究はこの分野と政府の政策に膨大な影響を与えている。ArielyはDuke大学のAdvanced Hindsight(進化した後智慧?)センターをつくりNew York Timesのベストセラー3冊を書きTED Talksの常連である。

しかし8月17日のブログ投稿でArielyが共著の不正直についての有名な2012年の論文の一部の背景にあるデータのねつ造が明らかにされ彼の膨大な仕事に疑問が提示された。共著者5人の誰もねつ造については争わないが自分の責任ではないという。Arielyはねつ造が含まれる最初のデータファイルを扱ったのは彼だけだと認めている。問題のデータは保険会社が集めたもので、何が問題だったかを明らかにするはずの記録は最早無いとArielyはいう。

(以下いろいろ略。心理学の分野で先に問題になっていたのと同じような問題が行動経済学にも?翻訳本は日本でも売れているようだ)