2021-09-29

[BfR]工業化合物PFBAは肺と腎臓に過剰に蓄積しない

Industrial chemical PFBA does not accumulate excessively in lungs and kidney

23 September 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/industrial-chemical-pfba-does-not-accumulate-excessively-in-lungs-and-kidneys.pdf

Pérezらによる2013年の研究では、工業用化学物質であるパーフルオロブタン酸(PFBA)がヒトの肺と腎臓に非常に多く蓄積されていることが報告された。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、より正確な定量化法を用いてこの結果を確認した。結果:肺組織1グラム(g)あたり0.17ナノグラム(ng)という定量可能なPFBAの値を含んだサンプルは1つだけであった。BfRはPFBAがヒトの肺と腎臓に多く蓄積する可能性は非常に低いと結論づける。これは、別の研究で決定された血液中のPFBAの半減期が短いことからも裏付けられる。

BfRの研究は、International Journal of Hygiene and Environmental Healthに掲載された:https://doi.org/10.1016/j.ijheh.2021.113830

パーフルオロブタン酸 - 略称:PFBA - は、パーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の複雑なグループに属する。PFASは工業プロセスで広く使用される工業用化学物質で、紙、繊維、調理器具、化粧品のような多くの日用品に含まれている。長鎖のPFAS化合物は半減期が長いためヒトの体内に蓄積されるものもあるが、PFBAのような短鎖のPFAS化合物は血中での半減期が比較的短い。そのため、いくつかの研究では、血中濃度が1 mlあたり0.1 ナノグラム(ng)未満であることが確認されている。しかし、驚くべきことに、2013年にPérezらが行った研究では、ヒトの肺と腎臓の組織で、PFBAの中央値が807 ng/gと263 ng/g(≈ng/ml)と非常に高い濃度であることが報告された。(https://doi.org/10.1016/j.envint.2013.06.004)。

これらの結果を検証するために、BfRは2011年から2014年の間に腫瘍手術から得られた7つの肺と9つの腎臓のサンプルのPFBA含有量を調べた。その濃度は定量限界を大幅に下回っていた; わずか1つの肺組織サンプルで0.17 ng/gのPFBA濃度を定量することができただけであった。PFBAの質量分光分析における大きな課題は、不正確な測定につながる1つのフラグメンテーションしか存在しないことである。そこで、今回のBfRの研究(https://doi.org/10.1016/j.ijheh.2021.113830)では、高分解能質量分析計を採用し、真値を利用することで、より正確な定量を可能にした。測定結果に基づいて、BfRはPFBAがヒトの肺と腎臓の組織に過剰に蓄積する可能性はないと結論づけた。BfRはこれらの結果を確認するためのさらなる研究を推奨する。

Grandjeanらによる2020年の研究では、血漿中のPFBA濃度の上昇とCOVID-19の重症化との関連が報告された(https://doi.org/10.1371/jour nal.pone.0244815)。しかし、測定されたPFBA濃度は非常に低かった。Pérezらの結果に基づいて、肺のPFBA濃度が高いことがCOVID-19症例の重症化の原因であるという仮説が提唱された。現在入手可能なBfRの研究結果を考慮すると、その関連性はあまり説得力がない。

欧州食品安全機関(EFSA)は、2020年9月に食品中のパーおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)がもたらす健康リスクを再評価した。EFSAはこの意見書の中で、体重1 キログラム(kg)あたり4.4 ナノグラム(ng)/ 週という耐容週間摂取量(TWI)を導き出した(https://www.efsa.europa.eu/de/ef sajournal/pub/6223)。

この耐容週間摂取量(TWI)は4種類のPFASの合計に初めて適用された:パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロノナン酸(PFNA)及びパーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)である。これは、特定のPFASの血中血清濃度が高い子どもほど、通常のワクチン接種後の抗体形成量が低いことが観察されたという疫学調査に基づくものである。

 

[NSW] リコール

Ampersand Projects Pink Gin Soda, Vodka Soda, Vodka Soda Black 355ml

27 Sep 2021

https://www.foodauthority.nsw.gov.au/news/recalls/ampersand-projects-pink-gin-soda-vodka-soda-vodka-soda-black-355ml

オーストラリア産Ampersand ProjectsブランドのPink Gin Soda、Vodka Soda、Vodka Soda Blackは包装上の不具合により、蓋がボトルから飛び出す可能性があるため、リコール。製品写真有り。

 

[EU]2020年次食品偽装報告書:欧州の食品偽装との戦いはCOVID-19パンデミックの中でも続く

2020 Annual Food Fraud report: Fight against food fraud in Europe continued despite the COVID-19 pandemic

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/719585/en

本日、欧州委員会(EC)は、EU農業・食品偽装ネットワーク(EU FFN)と行政支援・協力システム-食品偽装(AAC-FF)の2020年の年次報告書を発表する。この報告書では、EU FFNの活動を紹介し、特定の協力要請を強調するとともに、ECが管理するAAC-FF- EU報告ツールの統計情報を提供している。このツールにより、ネットワークのメンバーは、疑わしい違反行為や、EUの農業・フードチェーン法に対する意図的な違反行為の可能性に関する情報を交換することができる。

報告書で示された数字から、システムの利用が着実に増えていることがわかる。年間で計上された件数は、2016年には157件だったが2020年には349件となり、5年間で2倍以上に増加した。EU FENにおける加盟国間の交流の活発化は、欧州における食品偽装への対策が強化されていることを示している。国境を越えた不正行為の疑いに関する情報を共有することは、違法行為をより多く特定し、調査し、EUの消費者を保護するために不可欠であることが証明された。

トレーサビリティーと警告に関するEUの総合データにアクセスすることで、ECはネットワークのメンバーに情報やデータ分析を提供し、国境を越えた不正の疑いのあるケースを追跡する活動を調整しているほか、不正の可能性が輸入品に関連している場合には、非EU国の管轄当局に調査を依頼している。報告書では、EUで協調して対処したケースの例として、生きた二枚貝の違法取引について説明している。過去3年間にiRASFFでの通知が増加したことを受け、ネットワークはこの問題について継続的に調べた。その結果、この問題は2018年にスペインで、認可されていない地域で採捕された疑いのある、汚染されたアサリを摂取したことによる食品由来アウトブレイクが発端だった。問題の事業者は他のEU諸国でも同様の手段で再犯を繰り返しており、広範な問題であることが判明した。

また、EU FFNは、欧州反偽装局(OLAF)と協力して、偽装食品を対象とした活動を共同して行っている。2020年には、偽物や規格外の食品・飲料の取引を対象としたユーロポールとインターポールの共同イニシアチブであるOPSONや、保護種であるヨーロッパウナギ(Anguilla Anguilla)の取引に焦点を当てたLAKE作戦にも、同ネットワークのメンバーが参加した。

 

2020 Annual Report:The EU Agri-Food Fraud Network and the Administrative Assistance and Cooperation System

https://ec.europa.eu/food/system/files/2021-09/ff_ffn_annual-report_2020_1.pdf

(内容を一部紹介)

ネットワーク内協力での成功事例:水牛モッツァレラと表示された製品における乳の種に関する偽装

スペインのある会社が、100%水牛と宣伝したモッツァレラチーズを製造しており、さらにこの製品を牛乳に不耐症の消費者向けの代替品と称していた。イタリア当局に通報があり、この件はAAC-FFシステムを通じてスペイン当局に警告された。イタリア当局の依頼によりスペインでこのチーズの分析が行われ、使用されている乳のうち、最大で22%が牛の乳に由来するものであることが判明した。このため、スペイン当局は、食品詐欺、公衆衛生に対する罪、誤解を招くような広告を行った疑いで、この生産者に対して法的手続きを取ることを決定した。

EU協調行動:生鮮二枚貝の違法取引におけるEU協調行動の成功例

犬猫の移動におけるコンプライアンス違反

2020年の協力要請のうち、約10%が商用・非商用を問わず、犬猫の移動に関するコンプライアンス違反であった。最も頻繁な不正行為は、偽造文書(動物のパスポート)と偽造証明書(健康、ワクチン接種、狂犬病抗体の滴定)に関するものであった。犬猫に関する通知が増加した背景には、パンデミックとそれに伴うロックダウンによるペット需要の増加があげられる。需要の増加により子犬や子猫の価格は上昇し、密輸などの不正な供給行為のリスクが高まっている。EU 農業・食品偽装ネットワークは、このテーマに関する認識を高めるとともに、加盟国間のコミュニケーションや交流を促進するために努力している。

オンラインでのCOVID-19関連食品の提供と広告に対する行動計画

コロナウイルスパンデミックにより、2020年はウイルスの予防や治癒を謳った食品やサプリメントのオンライン提供が増加した。欧州委員会は、コロナウイルス関連製品の主要な市場を特定し、eプラットフォームによる迅速な情報交換とフォローアップ行動のため、加盟国にこれらの市場との専用の連絡手段を提供して誤解を招く又は虚偽の広告の排除に乗り出した。この活動には19カ国が参加し、COVID-19の予防、治療、治癒をうたった食品が646件報告され、そのうち88件は国境を越えており、AACやiRASFFを通じて通知された。さらにこのうち3件は、ヒトの健康へのリスクが確認された。現在までに、178件の提供が削除され、16件の差し止め命令と87件の行政罰金が発令され、225件の不正な健康強調表示が削除又は変更された。

 

[FDA]デルタ-8 テトラヒドロカンナビノールについて知っておくべき5つのこと

5 Things to Know about Delta-8 Tetrahydrocannabinol – Delta-8 THC

09/14/2021

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/5-things-know-about-delta-8-tetrahydrocannabinol-delta-8-thc

 デルタ-8テトラヒドロカンナビノール(デルタ-8 THC)は、Cannabis sativa (大麻草/アサ)に含まれる精神活性物質であり、Cannabis sativaにはマリファナとヘンプの2種類がある。デルタ-8 THCは、大麻植物が自然に産生する100種類以上のカンナビノイドの1つであるが、ごく微量にしか含まれない。そのため高濃度デルタ-8 THCは、ヘンプ由来のカンナビジオール(CBD)から製造するのが一般的である。

<消費者が知っておくべき5つの点>

1.デルタ-8 THC製品は安全な使用に関するFDAの評価や承認を受けておらず、公衆衛生を危険にさらすような方法で販売されている可能性がある

現在オンラインや店舗で販売されているデルタ-8 THC製品に関して、製品の配合や製品ラベルのばらつき、他のカンナビノイドやテルペンの含有量、デルタ-8 THCの濃度のばらつきなどの懸念が高まっている。また、これらの製品の中には単に「ヘンプ製品」と表示されたものがあり、「ヘンプ」を「精神活性作用がない」と思っている消費者に誤解を与えている。さらに、デルタ-8 THC含有製品が治療用または医療用として販売されている事例が増加している。根拠のない治療効果を強調する未承認の製品を販売することは、連邦法に違反するだけでなく、安全性や効果が証明されていないため、消費者を危険にさらすことになる。

2.FDAは、デルタ-8 THC含有製品に関する有害事象の報告を受けている

FDAは2020年12月から2021年7月にかけて、個人又は規制当局から、デルタ-8 THC製品を摂取した22人の患者についての有害事象報告を受け、そのうち14人が治療のため病院または救急治療室を受診した。22人のうち19人がデルタ-8 THCを含む食品(ブラウニー、グミなど)を摂取したことで有害事象(嘔吐、幻覚、起立困難、意識消失など)を経験した。

全国中毒管理センターは、2018年1月から2021年7月31日の間に、デルタ-8 THC製品の暴露事例を661件受け取り、そのうち660件は2021年1月1日から2021年7月31日までの間に発生した。661件のうち:

41%が非意図的な暴露で、そのうち77%が18歳未満の子供

39%が18歳未満の子供

ICUでの集中治療が必要となった子供を含め、18%が入院

3.デルタ-8 THCは精神活性作用や中毒作用がある

デルタ-8 THCにはデルタ-9 THC(大麻を使用したときに「ハイ」な状態にする成分)と類似の精神活性作用と中毒作用がある。メディアはデルタ-8 THC製品が消費者を「ハイ」にすると報告している。FDAはまた、デルタ-8 THC製品によって消費者が、ヘンプや大麻の抽出物に自然に存在するよりもはるかに高い濃度でデルタ-8 THCに暴露される可能性が高いことを懸念している。

4.デルタ-8 THC製品は、表示されている濃度のデルタ-8 THCを作り出すために、潜在的に有害な化学物質を使用していることが多い

ヘンプに自然に含まれるデルタ-8 THCの量は非常に少なく、CBDのようなヘンプに含まれる他のカンナビノイドをデルタ-8 THCに変換するためには、追加の化学物質が必要となる(つまり、合成変換)。このプロセスで懸念される事柄は:

この化学合成プロセスに安全性の低い家庭用化学薬品を使用したり、色を変えるために、化学物質を追加する製造業者がいる。最終製品には、使用された化学物質に起因する潜在的に有害な副産物(汚染物質)が含まれている可能性があり、また出発原料の組成に応じて、どんな化学物質が副産物として存在または生成されるか定かでない。デルタ-8 THCの製造(合成)に使用される化学物質や合成時に発生する副産物を含むこれらの化学物質は、摂取したり吸い込んだりすると有害となる可能性がある。

デルタ-8 THC製品の製造は、管理されていない、あるいは非衛生的な環境で行われることがあり、それによって安全でない汚染物質やその他の潜在的な有害物質が存在する可能性がある。

5.デルタ-8 THC製品は、子供やペットの手が届かないようにすること

製造業者はこれらの製品を子供にアピールするような形で包装し、表示している(グミ、チョコレート、クッキー、キャンディなど)。製品は、オンラインで購入できるほか、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、年齢制限のないさまざまな小売店でも購入することができる。上述のように、デルタ-8 THC製品による子供に影響した有害事象が数多く報告されている。また、動物中毒管理センターが、ペットがこれらの製品に暴露される事故が全体的に急激に増加していると指摘している。

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on PBO Skincare Ltd

29 September 2021

https://www.asa.org.uk/rulings/pbo-skincare-ltd-a21-1102344-pbo-skincare-ltd.html

Revive Collagen(製品名、コラーゲンサプリメント)のインスタグラムで、「Revive Collagenを使ってたった12週間でシワが劇的に減った。肌がぷるぷるになってハリが改善した」等宣伝。使用前後の写真も掲載。これについて誇大宣伝ではないかと苦情があり、会社は個人の体験談だと主張。

食品の健康強調表示は認可されたものしか認められていないため基準違反。個人の体験談は根拠にはならない

 

[FSSAI]メディアコーナー

あなたの食品は衛生格付けされた飲食店から?

Is your food coming from a hygiene rated eatery? Consumer Voice September 2021 Issue.

https://www.fssai.gov.in/upload/uploadfiles/files/Hygiene_Consumer_Voice_27_09_2021.pdf

CONSUMER VOICE - september 2021に掲載されたFSSAIの Shri Arun Singhal長官のコラム

パンデミック中に料理のデリバリーが増加したが、それは安全だろうか?確認する方法が衛生格付けである。

 

[NASEM]大学のリーダーたちはどうやってキャンパスに予防接種を受けさせているか

How College and University Leaders Are Getting Their Campuses Vaccinated

September 28, 2021 By Megan Lowry

https://www.nationalacademies.org/news/2021/09/how-college-and-university-leaders-are-getting-their-campuses-vaccinated

秋学期が始まり、管理者たちは大学生にCOVID-19予防接種を受けさせるための新しい戦略やインセンティブを探っている

数百の大学が授業参加にワクチンを条件にしているが、躊躇している学生に予防接種を受けさせるのは課題のままである。最近行われたNASEMが主催した大学リーダーたちの一連の対話は若者たちの予防接種を促す新しいクリエイティブな方法に光をあてる

(義務でも拒否する大学生がそんなにたくさんいるのだろうか?日本は大学・学部で接種率に違いはあるのだろうか?)

 

DEA(麻薬取り締まり局)公衆衛生警告

フェンタニルとメス(メタンフェタミン)を含むニセの処方錠剤の急増

Sharp Increase in Fake Prescription Pills Containing Fentanyl and Meth

September 27, 2021

https://www.dea.gov/alert/sharp-increase-fake-prescription-pills-containing-fentanyl-and-meth

DEAは国際及び国内薬物犯罪ネットワークが米国に致死的ニセ薬を氾濫させていることを警告

この偽薬は簡単に購入できて広く出回っていて、しばしば致死量のフェンタニルを含む。許可をもつ薬局以外のところから錠剤を購入するのは違法で危険で致死的である。この警告は医師が処方して免許のある薬局で合法的に薬剤師が販売した医薬品にはあてはまらない。

DEAと法の執行担当者はこの恐ろしい偽薬を記録的率で押収している。今年これまで950万以上のニセ錠剤を押収し、過去2年の合計より多い。フェンタニルを致死量である2mg以上含むニセ錠剤の数が劇的に増加している。DEAが押収したフェンタニルを含む錠剤の数が2019年以降430%近く増加した。さらに今日DEAのラボはフェンタニルを含む錠剤5つのうち2つが致死量であることを明らかにした。さらにメタンフェタミンが入っていることがますます増えている。

偽薬は処方オピオイドに似せて作られていることが多い。それらはソーシャルメディアやe-コマースプラットホームで簡単に入手できる。

 

[Defra]ゲノム編集のパワーを開放する計画発表

Plans to unlock power of gene editing unveiled

29 September 2021

https://www.gov.uk/government/news/plans-to-unlock-power-of-gene-editing-unveiled

より良い環境保護に役立立てるためゲノム編集技術の使用を可能にする

本日環境大臣George Eusticeが、ゲノム編集に関する意見募集への政府の対応の一環として、我が国の農家がより耐性があり栄養豊富な生産性の高い作物を育てられるようにゲノム編集のパワーを開放する新しい計画を発表した

(研究開発のための書類が簡単になるらしい)

 

関連:SMC UK

ゲノム編集パブリックコメント募集への政府の対応についてのプレスリリースへの専門家の反応

expert reaction to a press release on the government response to the gene editing consultation

SEPTEMBER 29, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-a-press-release-on-the-government-response-to-the-gene-editing-consultation/

政府がゲノム編集への意見募集への反応の一環としてゲノム編集のポテンシャルを開放する新しい計画を公表した

John Innesセンター長Dale Sanders教授

私は歓迎する。ただしDEFRAの発表は研究開発のみであることにがっかりした

Warwick大学食糧安全保障Elizabeth Creak座長Murray Grant博士

この決定は英国の植物科学が世界クラスの革新を利用できる第一段階である。次のステップである適切な規正監視と消費者の教育と選択確保実装が最も重要であろう

以下7人全員歓迎

 

論文

-大幅な減量は肥満に関連する心疾患リスクを元に戻すかもしれない、米国の研究が発見

Major weight loss may reverse heart disease risks associated with obesity, US study finds

27-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929493

Diabetologia

 

-果物と野菜の摂取量の多さは中学生の精神衛生の良さと関連する

Higher fruit and veg intake linked to better mental health in secondary schoolchildren

27-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929400

BMJ Nutrition Prevention & Health

(タイトルの他、昼食食べないとか朝食がエネルギードリンクとかいろいろな子どもがいる)

 

-喫煙はCOVID-19重症度と関連死リスクを悪化させる可能性が極めて高い

Smoking highly likely to worsen COVID-19 severity and risk of associated death

27-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929403

Thorax

 

-減量したい?ダイエット飲料は最適ではないかも、新しいUSCの研究によると

Looking to lose weight? Diet drinks might not be the sweet spot, according to new USC study

28-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929587

JAMA Network Openに発表された研究。ショ糖あるいはスクラロースで甘くした飲料300mLあるいは水を飲んで2時間以内に高カロリー食品の画像に反応したfMRI、血糖、血中インスリン、お菓子ブッフェでどのくらい食べるかを調べた。ショ糖より甘味料で食欲関連領域の脳の活性化を示したのは肥満のヒトと女性。血中ホルモン測定では砂糖入り飲料と比べてスクラロースでは空腹が満たされていないことを示す。そしてスクラロース入り飲料を飲んだ女性がお菓子を多く食べた。男性では差はなかった。なお全ての参加者は前夜から何も食べないように指示されているので普通より空腹である可能性が高い。

(何か口にすると食欲が止まらなくなるタイプの人が肥満になりやすいのかなぁ)

 

-厳しくコントロールされた試験で、低炭水化物食は心代謝リスクプロファイルを改善する

In tightly controlled study, low-carb diet improves cardiometabolic risk profile

28-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/929795

American Journal of Clinical Nutritionに発表されたこれまでで最も大規模で最も厳密な研究の一つ。カロリー削減により体重の10-14%を減らした肥満または過体重の164人の成人を、以下の3つの減量維持食のどれかに5ヶ月間割り当てた

・低炭水化物食(炭水化物20%、脂肪60%、タンパク質20%)

・中炭水化物食(炭水化物40%、脂肪40%、タンパク質20%)

・高炭水化物食(炭水化物60%、脂肪20%、タンパク質20%)

全ての参加者に、5ヶ月間体重が変わらないだろう完全調整済みの食事を提供している。減量の影響を排除するため。これらの食事の脂肪の35%は飽和脂肪であり、つまり低炭水化物食の人は高炭水化物食の人の3倍飽和脂肪をとることになる(21%対7%)。また低炭水化物食でもケトジェニックではない。ケトジェニックダイエットは通常炭水化物が総カロリーの10%以下。

結果は低炭水化物食は一連の血中脂質プロファイルを改善した。

 

-The Lancet Oncology

医師のストライキの中でナイジェリアのがんケアの危機

Cancer care crisis in Nigeria amid doctors' strike

Manjulika Das Published:September 23, 2021

ナイジェリアの医師数千人が給料不払い、施設不備などの理由でストライキを続けるなかがん医療の提供が正念場を迎えている

 

-Natureニュース

新しいドイツ政府を作る話し合いにおいて気候変動が大きな位置を占める

Climate change to loom large in talks to form new German government

27 September 2021  Quirin Schiermeier

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02635-y

グリーンとリベラルの党が強かった結果から、気候とエネルギー政策が今後の連立議論に大きいことが予想される

科学政策に大きな変更は予想されていない

 

出版社が研究論文の細工画像の取り組みに力をあわせる

Publishers unite to tackle doctored images in research papers

28 September 2021  Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02610-7

主要8出版社が雑誌の編集者が疑わしい画像やデータをどう見つけて対処するかについての合同ガイドラインを発表した

 

その他

-本 スポーツ科学の懐疑的ガイド:健康とフィットネス業界の親和に直面する

The Skeptic’s Guide to Sports Science: Confronting Myths of the Health and Fitness Industry

Nick Tiller著

https://www.nbtiller.com/book

動画やポッドキャスト等がある

スポーツ選手がパフォーマンスを上げるために使っている各種グッズや方法に疑似科学がたくさんある。カッピング、キネシオテープ、酸素水、ホログラムブレスレット等

乳酸が疲労の原因であるという説は既に否定されているので乳酸をとり除く方法という類いのものは疑ったほうがいい

 

-危険!COVID-19の治療や予防目的で過酸化水素を霧状にして吸入しないこと

DANGER! Don’t Nebulize Hydrogen Peroxide and Breathe It to Try to Treat or Prevent COVID-19

2021/09/21 アメリカ喘息アレルギー財団コミュニティサービス

https://community.aafa.org/blog/danger-don-t-nebulize-hydrogen-peroxide-and-breathe-it-to-try-to-treat-or-prevent-covid-19

ソーシャルメディアチャンネルで心配な危険なトレンドが出回っている。人々がCOVID-19の治療や予防のためにネブライザーで過酸化水素を吸入している。

噴霧器に過酸化水素を入れて吸わないこと。それは危険である!

(このデマの発生源はいつものJoseph Mercolaらしいとのこと)