2021-10-05

[EFSA]意見等

果樹(柑橘類)のダニ駆除剤、殺虫剤、殺菌剤として植物保護に使用されるレモンエッセンシャルオイルの承認のための基本物質申請に関する加盟国とEFSAとの意見募集結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of lemon essential oil to be used in plant protection as an acaricide, insecticide and fungicide in fruit trees (citrus)

EFSA Journal 2021;18(10):EN-6873  4 October 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6873

(技術的報告書)

EFSA が結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関する EFSA の科学的見解を提示した。

 

[COT]食品と飲料包装用の通常のプラスチックの代用品についてのポジションペーパー

Position paper on the alternatives to conventional plastics for food & drinks packaging

August 2021

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-09/BBFCM%20COT%20Position%20Paper_Final%20September%202021.pdf

背景と導入

1.環境に配慮した消費者からの圧力と、気候変動の影響を軽減するためのネットゼロ達成戦略や「ブループラネット効果」(Dunnら、2020年:訳注BBCのドキュメンタリー「Blue Planet II」を見た人のプラスチック消費行動への影響を報告した論文)などにより、近年、従来のプラスチックの代わりとなる食品と飲料包装用のバイオベース素材の開発と使用が世界的に大幅に増加している。

2.これらの代用品は多様で、複雑な素材の組み合わせとブレンドからなる。この素材はたいてい生物(動物、植物、真菌バイオマス)に由来し、一部または全部が自然界で入手できる、またはサトウキビ、トウモロコシ、海藻などのバイオマスから合成された物質でできている。例として、麦わら、ラップの代わりになる蜜蝋ラップ、紙のコーヒーカップ用の竹/籾殻などがあげられるが、それだけではない。

3.代用素材は通常主に3グループに分類される。

.バイオベースのプラスチック:「デンプン、セルロース、リグニンなど、植物ベースの資源に由来するポリマーを使用して作られる」。バイオベースのプラスチックは生分解性に設計できるが、従来の化石ベースのプラスチックと同じ耐久性を持つようにすることもできる。

.生分解性プラスチック:「水、バイオマス、二酸化炭素やメタンなどのガスに分解されできる。生分解性の程度は気温、湿度、微生物の存在、酸素空気などの環境条件による。」

.堆肥化可能な素材:「堆肥化条件で水、バイオマス、ガスに分解される生物分解性プラスチックの一部。工業用の堆肥化条件が最適である。」

4.食品基準庁(FSA)からバイオベースの食品と接触する物質(BBFCMs)についての助言の依頼が増えているため、食品・消費者製品・環境中化学物質の毒性委員会(COT)は入手可能なBBFCMsの毒性情報のレビューはタイムリーだと考えた。以下のポジションペーパーはCOTでの予備的な議論や優先順位の理由、さらなるレビューが必要な個々のBBFCMsの特定などを含む今後の仕事をまとめている。

 

COTの議論とペーパー

5.次の話題の議論が含まれているペーパーがCOTに提示されている。BBFCMsの開発とそれに関連する消費者への潜在的なリスクに着手している限られた研究 (TOX/2020/24 );関連する市販データと報告書(TOX/2020/50 );FSAの食品と接触する物質(FCM)政策チームから受けた質問表(TOX/2020/50)―これらには、竹製カップのホルムアルデヒドや、キチンや小麦などの素材のアレルギーの可能性の存在、キチンやキチンベースのBBFCMsの免疫原性やアレルギー誘発性に焦点を当てた詳細なディスカッションペーパー (TOX/2020/42)など、意図的に添加されていない物質(NIAS)が含まれる。

 

COTの結論

6.COTはBBFCMsに関連する課題と複雑さ、BBFCMsの研究と規制に関するいくつかの限界と知識のギャップを認めている。これには、表示、組成(生分解性など)、汚染物質、規格化が含まれる。メンバーは、市販のBBFCMsの製造及び使用中の化学物質やアレルゲンの汚染、分解、溶出について、また埋め立て地に入り込んだり、廃棄物発電プロセスによるマイクロ/ナノ粒子の形成といった廃棄後の環境への影響について、定量的情報が必要であることを指摘した。従来のプラスチックと同じ安全性基準を満たす、直接食品と接触する用途のBBCFMsを論証するにはごくわずかな根拠しかないことを指摘した。

7.メンバーはBBFCMs中のナノマテリアルの存在に関する情報が一般に不足していることを指摘した。そのため、概して、様々な検査条件で溶出する可能性のある全ての物質(ナノフィラー、可塑剤、抗菌添加剤、 ミクロンおよびナノサイズのプラスチック粒子など)の特定の溶出に関する情報は、潜在的なハザードの特定を改善し、起こりうる暴露の推定を可能にする。これにより、新しい生分解性の包装素材が同等の要件を満たすことをよりよく証明できるようになる。より包括的なリスク評価のために、長期リスク評価を可能にする更なる毒性試験またはアプローチが必要である。

 

健康リスク評価と次の段階へのレビューに優先されるBBFCMs

8.COTは潜在的な健康ハザード、使用範囲、英国の政策関心に基づく健康リスク評価のためにBBFCMsの優先リストに同意した(TOX/2021/01)。レビューされる優先素材は:ポリ乳酸(PLA)、デンプン、竹バイオコンポジット、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)である。これは閉鎖的なリストではなく、同じ基準で、必要ならば他の優先されるBBFCMsが加えられる可能性がある。

9.この優先されるBBFCMsの健康リスク評価は、ヒトの健康への間接的な影響に対処するための環境ハザードを含む、ライフサイクル評価研究の文脈内で検討する必要がある。だが、これは全てがCOTの権限内ではない。環境食糧農村地域省(DEFRA)(及びその専門的科学委員会、有害物質諮問委員会HSAC)、経済協力開発機構(OECD)、環境省がより広い環境への影響を評価している。ヒトの健康への更なる潜在的なハザードを特定するためにこれらの影響を監視する必要がある。

10.食品包装に使用されるインテリジェント包装(スマートパッケージングとしても知られる) とナノ素材は、委員会の作業の一環として政策の優先事項や資力が許す限り更に評価されることになっており、バイオセンサーやナノコーティングも含まれる。

 

[WFP]食品と希望の袋

A bag of food and hope

4 October 2021

https://www.wfp.org/stories/bag-food-and-hope

シンプルな密封アイテムが如何にしてモザンビークの小さな農業コミュニティの食品ロスを減らし生活を守るか

モザンビーク人の最大70%は田舎に住み農業で生活している。世界銀行によるとモザンビークで収穫した食品10kgのうち少なくとも3kgは加工・輸送・貯蔵のまずさで失われる。

Teteの中央部では収穫後に50%が失われる。30%以上は不適切な作物の取り扱いと家庭での貯蔵の不適切さにより収穫から数週間で失われ、汚染や食中毒のリスクが増加する。これに対応するためWFPは密封バッグの使用を推進している

Francisco Tongadzaが6ヶ月前に密封袋に保存したソルガムを初めて開けたとき、信じられなかった。「穀物はまるで新しいもののようだった」。それまで収穫の半分を失っていたのにWFP計画に参加してから真空バッグの訓練を受けて何ヶ月もソルガムを保存できるようになった

(こういうプラスチックは必要だよね?)

 

[BfR]3Gあるいは 2G?規則はどう受け取られたか

3G or 2G? How the rules are received

04.10.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/40/3g_or_2g__how_the_rules_are_received-284676.html

BfRコロナモニター

全国での3G規則に加えて、一部では2G規則が適用される。つまりワクチン完了か回復者でのみがイベント参加や施設に入れる。検査陰性はもはや十分ではない。BfRのコロナモニターでは2G規則の支持は3G規則より少ない。

さらにドイツ人はますます社会活動が活発になっている。感染影響への懸念が減少していることは明らかだ

BfR-Corona-Monitor | 28–29 September 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/210928-bfr-corona-monitor-en.pdf

(ワクチンがほぼ義務、ということらしい)

 

[IARC]世界がん報告の自分のペースでオンライン学習するモジュール更新

Launch of World Cancer Report Updates self-paced e-learning modules

4 October 2021

https://iarc.who.int/news-events/launch-of-world-cancer-report-updates-self-paced-e-learning-modules/

ウェビナーを学習モジュールに変換した。4つのモジュール(HPV予防接種、体重とがん、がんの社会的不平等、COVID-19とがん検診)が無料で使える

 

[USDA]ミツバチを地域の植物や合成餌に適応するよう交配する

Breeding Honey Bees for Adaptation to Regionalized Plants and Artificial Diets

October 4, 2021

https://www.ars.usda.gov/news-events/news/research-news/2021/breeding-honey-bees-for-adaptation-to-regionalized-plants-and-artificial-diets/

(ミツバチは「家畜」なので。一部の人たちが言うような「自然の象徴」ではない。特定の家畜だけ殖やそうという運動はおかしいだろう?)

 

論文

-世界で約3人に1人が2030年にまだ汚染源となる調理用燃料を使っているだろう

Almost one-in-three people globally will still be mainly using polluting cooking fuels in 2030, research shows

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930272

この数字はサハラ以南のアフリカだと5人中4人に増える

Nature Communications

 

-より良いピザを作るのに科学を使う(ゲストは有名パン屋のPeter Reinhart)

We used science to make better pizza (featuring Peter Reinhart) (video)

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930415

ACS動画シリーズ

ピザの生地の発酵と焼く時の時間と温度を変えることで美味しくなる話

 

-がんへの道のりを計算する

Calculating the path of cancer

4-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/930467

PNASに発表された数学的アプローチ

 

その他

-有機食品時限爆弾?発がん性有機農薬硫酸銅がワイン用ブドウ、ジャガイモ、トマト栽培に使われていて「ほぼ全てのフランス人、特に子どもに」発見された

Organic food health time bomb? Carcinogenic organic pesticide copper sulfate used to grow wine grapes, potatoes and tomatoes found in ‘almost entire French population and in particular children’

Gil Rivière Wekstein | Agriculture et Environnement | October 5, 2021

https://geneticliteracyproject.org/2021/10/05/organic-food-health-time-bomb-carcinogenic-organic-pesticide-copper-sulfate-used-in-growing-wine-grapes-potatoes-and-tomatoes-found-in-almost-entire-french-population-and-in-particular-chil/

元記事はフランス語

今年の気候が不順でフランスのブドウ畑の多く、北部のジャガイモ、露地のトマトにうどんこ病が拡大した。有機農業では全ての合成農薬が禁止されているため、白カビに使えるのは銅のみである

2014年4月から2016年3月までに行われたEsteban 研究によると、6-74才の2503人の成人と1104人の子どもの検体で、有機栽培食品を摂取している消費者、特に子どもに、銅が多かった。有機栽培の野菜を週に4回以上食べる人たちの尿中銅濃度は8%高かった。

しかし長い間、ボルドー液のような銅ベースの製品の毒性はタブーであった。

フランス公衆衛生省

Esteban

環境、バイオモニタリング、身体活動及び栄養に関する健康調査

https://www.santepubliquefrance.fr/etudes-et-enquetes/esteban

 

-スリランカの有機法令が如何にして楽園にトラブルを引き起こしたか

How Sri Lanka’s Organic Decree Created Trouble in Paradise

Val Giddings September 23, 2021

https://itif.org/publications/2021/09/23/how-sri-lankas-organic-decree-created-trouble-paradise

熱帯の楽園が台風や地震で危機に陥る話は珍しくないが、有機食品が原因なのは新しい。

 

-Natureニュース

ノーベル医学賞は感覚の生物学を発見した科学者に

Medicine Nobel goes to scientists who discovered biology of senses

04 October 2021  Heidi Ledford & Ewen Callaway

https://www.nature.com/articles/d41586-021-01283-6

身体の細胞が温度と接触を知覚するための受容体を同定したことでDavid Julius とArdem Patapoutianが共同受賞

 

-SMC NZ

オークランドの制限の段階的緩和-専門家の反応

Staged easing of Auckland’s restrictions – Expert Reaction

Published: 04 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/04/staged-easing-of-aucklands-restrictions-expert-reaction/

オークランドはアラートレベル3のままだが明日から三段階で一部の制限が緩和される

第一段階では二つの家庭の最大10人の人がマスクして外で交われる。小さい子どもの教育と娯楽と小規模イベントも制限下で可能になる。第二段階では小売店と公共施設が規則の下で再開、集まりは25人に制限。第三段階では50人になって学校が再開する。内閣は各段階で次に行く前に毎週レビューする

6人の専門家の意見

(リスクはゼロではない、感染リスクがあがる、という警告が多い。ワクチン接種率90%以上のためにインセンティブを与えよ、等。子どもの学習機会の損失を心配する人がいない。)

 

-ビクトリアのLatrobe Valleyはロックダウンから出る、州は記録更新の1,763人の新たなCOVID-19

Victoria's Latrobe Valley to exit lockdown as state posts record 1,763 new COVID-19 cases

5 October 2021

https://www.sbs.com.au/news/victoria-s-latrobe-valley-to-exit-lockdown-as-state-posts-record-1-763-new-covid-19-cases/54c72a37-45e6-4187-8c2b-ed7028150982

Daniel Andrews州知事はLatrobe Valley地方の一週間のロックダウンは火曜日の午後11:59に終わると発表。この地方は先週AFLグランドファイナル週末パーティーで感染拡大したため7日間のロックダウンに入っていた。また、新たな感染者数で一日の最高記録1,763人だった。これまでの最高はニューサウスウェールズ州の1603人/日だった。

 

-YouTubeが全ての反ワクチンデマを粛正中。何故こんなにかかったのか?

YouTube is purging all anti-vaccine misinformation. What took so long?

Sept. 30, 2021,  By Ja'han Jones

https://www.msnbc.com/msnbc/youtube-purging-anti-vaccine-misinformation-took-long-rcna2412

YouTubeが水曜日にCovid-19ワクチンについて-そしてその他全てのワクチンについて、デマを拡散する動画とアカウントを追放していると言った。

もう何年もYouTubeは陰謀論や過激なヘイトを認めていると批判されてきたが対応は遅かった。対応は歓迎されるもののこれまであまりにも遅くあまりにも僅かだった。

既にRobert F. Kennedy Jr.を含む有名な反ワクチンアカウントが削除されている。YouTubeによると2020年2月以降危険なコロナウイルスデマに関連する100万以上の動画を削除している。

 

YouTubeは反ワクチンコンテンツの取り締まりを発表、しかし「デマ12傑」の二人はまだいる

YouTube announced a crackdown on anti-vaccine content, but 2 people from the 'Disinformation Dozen' are still on the platform

Kieran Press-Reynolds Sep 30, 2021,

https://www.businessinsider.com/youtube-covid-vaccine-crackdown-disinformation-dozen-christiane-northrup-kelly-brogan-2021-9