2021-10-27

[Codex]プレスリリース

-第8回薬剤耐性に関する特別部会(TFAMR08) / 部会は実施規範を承認したが新しい監視に関する文書の承認には時間が足りない

TFAMR08 / Committee approves code of practice but time running out on new surveillance text

10/10/2021

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1443250/

2021年10月9日の延長セッションで、コーデックス薬剤耐性(AMR)に関する特別部会(TFAMR)は、食品由来のAMRの最小化及び抑制のための実施規範の改訂版を、11月のコーデックス総会に最終採択を諮ることで合意した。この文書に関する作業部会の議長、Donald Prater氏(米国)は作業の完了を見届け、「新たに更新・改訂された実施規範の勧告は、AMRに対する世界的な闘いにおいて大きな前進を意味する」と述べた。

しかし、食品由来のAMRの統合的な監視とサーベイランスに関する新規ガイドラインの作業がまだ完了していないため、議論を10月13日に延長し、報告書の採択を10月16日(土)に延期することで合意した。

 

-薬剤耐性に関する特別部会(TFAMR )/ 素晴らしい成果:AMR監視に関する新しいガイダンスの作業を完了

TFAMR / an incredible achievement to complete work on new guidance on AMR surveillance

14/10/2021

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1443941/

 TFAMRは、2021年10月13日(水)に議論を延長させたが、ついに合意を得て、新しい「食品由来の薬剤耐性(AMR)の統合的な監視とサーベイランスに関するガイドライン」を、2021年11月のコーデックス総会に最終採択を諮るところまでこぎ着けた。このガイドラインは、各国の資源、インフラ、能力、優先事項に応じた柔軟な選択肢を提供することで、AMRに関する統合的な監視とサーベイランス計画の設計・実施において各国政府を支援する。Yong Ho Park議長(韓国)は、容易でないこの目標を達成するために協力した多くの人々を称賛し、この努力は必ず実を結び、AMR対策に大きく貢献するだろうと述べた。

 

-第46回コーデックス食品表示部会(CCFL46)/ 見事な成果:食品表示規格を採択に向けて送る

CCFL46 / Stunning achievement in sending food labelling standards for adoption

08/10/2021

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1443074/

第46回コーデックス食品表示部会(CCFL46)は、カナダが事実上のホスト国としてオタワで開催され、2021年10月7日に、非小売容器の表示に関する新規格と、包装前面栄養表示(FOPNL)のガイドラインをコーデックス総会に送り、11月の採択を目指して閉会した。

予防的アレルゲン表示に関する作業は、アレルゲン表示に関連する条項を盛り込んだ包装済み食品の表示に関する一般規格の改訂と、予防的アレルゲン表示に関するガイダンスを含め、順調に進んだ。予防的表示に関する研究によると、「含む可能性がある」といった文言などはしばしば消費者を混乱させ効果もないことが示唆されている。科学的な助言を行う食物アレルゲンに関する専門家会合が作業完了に向けて近々再招集され、そこでの議論、結論、そして勧告をまとめたFAO/WHO技術報告書が、CCFL次回会合までに入手可能となるだろう。

また、食品のインターネット販売に関するガイダンスも進められ、今後、作業部会が、オンラインで購入する際に製品情報ページで食品情報を確実に提供する必要性など、ガイダンスを明確にするために文書を精査することになっている。

今後検討される項目としては、テクノロジー(QRコードなど)を利用した食品表示、アルコール飲料やマルチパック形式の食品の表示、また持続可能性の強調表示、緊急時における食品表示の免除、トランス脂肪酸への対応など。

 

-水産部会 / 新種のイワシの規格拡大に向けて前進中

Fish committee / making headway on work to expand sardine standard with new species

13/10/2021

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1443752/

第35回魚類・水産製品部会(CCFFP35)は、イワシ及びイワシ類缶詰製品規格(CXS 94-1981)を改訂して、Sardinella属のリストにS. lemuru(Bali Sardinella:カタボシイワシ)を含めることができるかどうかを議論するために開催された。2021年9月20日から電子的なコミュニケーションのみで作業を行っており(work by correspondence)、150名近くの代表者が参加を表明し、作業は順調に進んでいる。

部会は、海藻の安全性に関するコーデックスの関連ガイダンスを作成する可能性にも関心を示している。

 

-第27回油脂部会(CCFO27) / 油脂の需要増加に伴い世界的に合意された規格が必要となる

CCFO27 / increasing demand for fats and oils requires globally agreed standards

18/10/2021

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1444791/

クアラルンプールからバーチャルで開催されている第27回コーデックス油脂部会(CCFO27)の冒頭で、マレーシアのKhairy Jamaluddin保健大臣は、部会の活動の重要性を強調した。過去10年間で油脂の総生産量が40%以上増加し、2020年には主要17食用油脂の推定生産量が2億1,500万トンに達することから、「油脂の需要は今後も増加することが予想され、多くのことがなされなければならない」と述べた。

過去最多となる400名以上の参加者が登録しているこの部会は、2021年10月18日から26日まで開催される。

 

[FSA]FSA blog:世界食品安全インシデントと緊急対応会議2021

The Global Food Safety Incidents and Emergency Response Conference 2021

Philip Randles, Head of Incidents and Resilience, Posted on:22 October 2021

https://food.blog.gov.uk/2021/10/22/the-global-food-safety-incidents-and-emergency-response-conference-2021/

 世界食品安全インシデントと緊急対応会議(GFSIER)2021が、FSA及びFSスコットランド(FSS)の合同主催で2021年10月13-15日にバーチャル形式で開催された。インシデント・レジリエンス団体には、チームとして80ヵ国以上から650名の代表が登録している。部門長のPhilip Randles氏が、会議3日間の様子を次のように語る。

 GFSIERの目標は、変わりゆく世界において、どのように食品安全と食料安全保障を強化すれば良いのか検討することである。優良実践法の共有、共同作業、相互的な学習を通じて、世界の食料安全保障を改善できる方法をともに模索することができる。またGFSIERでは、重要な議題として食品安全インシデントと危機対応に注目した。

(1日目)世界中の食品安全規制当局

 協力、協調、コミュニケーション、データ共有、新技術、が議論の対象となった。世界的な食品貿易が増加の一途をたどるとともに、複雑で国際的な食品安全インシデントも増加することが予測され、そのことだけでも、各国や利害関係者が国際的な食品安全ネットワークに積極的に関与することの重要性が強調される。今後の食品安全インシデントの検知や原因究明には、人工知能(AI)と予測モデルが重要な鍵となる。データ共有のためのより高度なツールの開発にも目を向けなければならない。その他、食品の信憑性の評価や食品偽装の同定のための新しい解析技術、携帯やカメラの記録を用いたリモートサーベイランス、過去に同定不能だった食品アウトブレイクを同定可能にする全ゲノムシーケンス解析についても、言及された。また、消費者を理解するためには社会科学が役立つとされた。

(2日目)国際協力と食品安全

 業界内での優先事項や食品安全の課題に関するTesco社のSteve Purser氏の説明によって、食品業界にとっても協力と情報共有が最優先事項であることが明確になった。業界、規制当局、公衆衛生当局の代表も議論に加わり、自らが経験したインシデントや緊急対応にもとづく教訓を共有した。我々は常に、よりオープンなデータ共有と、疫学や環境、フードチェーン、微生物学的情報などの利用可能な情報源の統合を目指している。ゲノムデータの共有プラットフォームに、その模範となる可能性を見いだしている。リスクのコミュニケーションにはパートナーシップが求められ、他国の食品インシデントの処理能力やデータシステムの利用度を考慮して、改善に向けて相互的に支援していく必要がある。我々が直面する食品安全の課題とともに、増えつつある危機管理やインシデント対応も世界的な課題であり、国境で遮られるものではない。

(3日目)食品安全のための世界的な優先順位

 WHOワンヘルスイニシアチブ(OHI)部門長であるPeter Ben Embarek博士とFSA国際問題部門長でコーデックス総会の副議長でもあるSteve Wearne氏(以下参照)が参加したことで、食品が世界的な商品であり、その安全性がどのように世界的な課題となるのかを実感した。

 閉会にあたり、議長らが3日間の議論を次の通り要約した。

データ共有の重要性と、それを正当に行うことの利点

規制当局としての我々への一般の信頼を改善するために為すべき役割

利用可能な情報源をどのように利用できるか

食品インシデントの処理能力の低い国々をどのように支援できるか

 

コーデックス:食品インシデントと緊急事態の防止における役割について学ぼう

Codex: Learn About its Role in Preventing Food Incidents and Emergencies

https://www.linkedin.com/pulse/codex-learn-its-role-preventing-food-incidents-steven-wearne/

Steven Wearne:コーデックス総会の副議長

 私(Steven Wearne)は、2017年より4年間、コーデックス総会の副議長を務めたことを光栄に思う。コーデックスの機能と役割とは何か、さらに食品インシデントと緊急事態の防止のためにコーデックスとその規格が果たす役割について話そう。最後に短いビデオも掲載したので、ご覧いただきたい。

COVID-19パンデミックは世界の現在も未来をも変え、世界の食品サプライチェーンを切迫させた。コーデックスにとっても同様であり、COVID-19パンデミックを超えて今後数年間はコーデックスにとって極めて重要となる。

コーデックスの使命

使命は、科学に基づいた食品の安全及び品質の国際的な規格を策定することで、消費者の健康保護と公正な食品貿易を推進することである。そう述べる理由はいくつかある。

理由1:コーデックスには明確でユニークな使命がある

コーデックスには先に述べた2つの主要な使命がある。あまり知られていないのが3つ目の目的であり、それは、国際的な政府及び非政府組織による、全ての食品規格にかかわる作業の協調を促すことである。

理由2:コーデックスは正に世界である

コーデックスはFAO/WHO合同の食品規格プログラムで、1963年に最初の会合が開催された。現在は188のメンバー国、1地域連合(EU)、230以上のオブザーバーが参加して複数国の政府間の枠組みで運営されている。直近18ヶ月間には混乱や延期もあったが、コーデックスを継続できることを示した。

理由3:それがコーデックスのコアビジネスである

コーデックスが食品の安全と品質の国際規格において良い働きをしているという3つ目の理由は、それらがコーデックスのコアビジネスであり続けるという点にある。コーデックスでは総会で採択された規格、ガイドライン、実施規範をウェブサイト上に無料で公開している。その他にも様々な参考資料もある。

理由4:協力

コーデックスは、科学に基づき、最初の提案から、詳細な検討、協議、結論までの包括的なプロセスを通じて入念に規格を策定する。規格の採択までに3~5年かかる可能性がある。透明性、合意形成、包括性、協力というコーデックスのコア原則に忠実であり続けることが、規格策定のプロセスとなる。そして、先進国と途上国の双方の食品管理システムに適切に組み込むことができる堅牢なグローバル規格を策定するのも、このプロセスである。

 

重大な食品インシデントへの対応として、コーデックスが通常よりも迅速に規格を策定し採択できるという例を次に紹介しよう。

コーデックスと食品インシデント・緊急事態の防止

先に述べたように、コーデックス規格は、より安全な世界の食品供給にとっての基盤である。コーデックス文書とされるコーデックスガイドライン及び実施規範は、国の機関や食品事業者が食品インシデントと緊急事態のリスクを低減する食品安全の取組を実行するのに役立つツールとなる。食品衛生の一般原則のような基本文書や、個別食品に特化した実施規範などがあり、さまざまなリスク予防のためにフードチェーンの各段階に応じて多様な文書を利用できる。

<メラミン>

重大な食品インシデントに対応して、迅速に規格の策定・採択を行った一つの例が「メラミン」である。メラミンは、食器用のプラスチックの製造など工業的に使用される化学物質であり、健康問題を起こさずに痕跡程度の量が接触している食品に不可避に混入する。しかし高用量では有害となる。メラミンが、製品の見かけ上のタンパク質濃度を意図的かつ違法に水増しするために添加されたことから、乳児用調製乳、粉乳、ペットフードから有害となる量のメラミンが検出され、結果として乳児や子供が死亡するとともに、何十万人もが重篤な病気となった。

コーデックスはどのように対応した?

コーデックス食品汚染物質部会は、2009年3月の会合において、INFOSANから食品インシデントに関する報告とWHO専門家会合からの報告を受け、食品中のメラミンに関する最大基準値(ML)の策定の必要性と、それを新規作業とすることに合意した。同年7月の総会で新規作業として採択された後、食品汚染物質部会では作業部会において集中的に議論を行い、提案されたMLが2010年の総会で採択された。

 

[ANSES]Marcoプロジェクト:コート・ドパールでの6年の海洋研究

Marco project: six years of marine research in Côte d’Opale

13/10/2021

https://www.anses.fr/en/content/marco-project-six-years-marine-research-c%C3%B4te-d%E2%80%99opale

6年間続いたMarcoプロジェクト(コート・ドパールにおける海洋と沿岸の研究:環境から資源へ、水産品の使用と品質)が終了する。これを祝い、5つのパートナー機関が10月13日から15日までブローニュ・シュル・メールで会議を開催する。フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が海産物の品質に関して、特にマイクロプラスチックとその影響を調査することで貢献した、このプロジェクトのテーマ概要について以下に説明する。

Marcoプロジェクトでは、6年間にわたり、海洋・沿岸生態系、海洋資源、海産物の品質、海洋エネルギー及び関連する社会経済的側面など、オー・ド・フランスの海洋環境と水産物に関する総合的な研究を行ってきた。「このプロジェクトでは、まったく異なる分野のチームが集まった。他の組織と協力しなければ得られなかったデータを得ることができた」と、プロジェクトの共同コーディネーターでANSESの食品安全科学ディレクターであるAnne Brisabois氏は述べる。このプロジェクトのパートナーは、Littoral-Côte d’Opale大学(ULCO)、ANSES(食品安全研究所)、CNRS(フランスの国立科学研究センター)、リール大学、Ifremer(フランス海洋開発研究所)である。このプロジェクトは、国と地域の計画契約(CPER)の一環として、オー・ド・フランス地域、フランス国、欧州、Ifremerから総額700万ユーロの資金提供を受けている。

マイクロプラスチックを研究するための最先端の装置

Marcoプロジェクトの一環として、ANSESは主に「水産資源の品質と安全性」というテーマに取り組んだ。とりわけ、ULCOと共同でマイクロプラスチックの研究を行った。このプロジェクトのために、3装置を入手した。マイクロプラスチックを可視化する装置、起源を理解するためのマイクロプラスチックを構成するポリマーの種類の性質を調べる装置、マイクロプラスチック粒子に凝集する可能性がある添加物や化合物及び微生物を特定する装置、である。ANSES社とULCO社が共同開発したこれらの装置は、今後、マイクロプラスチックに関する国内、欧州、国際的な研究プロジェクトで使用されるだろう。

軟体動物と魚の汚染に関する詳細

ムール貝や魚介類によるマイクロプラスチックの摂取についての知見も得られた。フランス北部の沿岸では、ムール貝や貝類に含まれるマイクロプラスチックの量は、欧州の他の地域よりも多くないことがわかった。ANSESの食品安全研究所の水産物及び養殖物理化学ユニットのリーダーであるGuillaume Duflosは、「英仏海峡の海上交通量が多いため、この件を懸念していた」と説明する。このプロジェクトの科学者は、また、ムール貝がマイクロプラスチックを摂取することで、例えば、ムール貝に宿る微生物群集である微生物叢の構成が変化することも示した。魚については、マイクロプラスチックの粒子が消化器官に残るため、魚肉に移るマイクロプラスチックの量はごくわずかであることが示された。

魚の病原体の研究

プロジェクトのもう1つの目的は、魚の寄生虫、微生物及び化学汚染物質の調査であった。Anne Brisaboisは、「魚の汚染を調査するために、英仏海峡と北海でIfremerが行っている漁業調査を利用してサンプルを採取した」と述べる。また、このプロジェクトの参加者は、ANSESとULCOの水産物の生化学契約ユニットのテーマの一環として、水産養殖におけるビブリオ属の微生物についても研究した。このプロジェクトで取得した分子生物学用分析ツールは、養殖魚の微生物叢の多様性を詳細に調査するために使用された。このプロジェクトの目的は、微生物叢の構成と病原性ビブリオ種の存在との関連性を理解し、最終的に水産養殖におけるこの汚染を抑制することである。

詳細

▸ Marcoプロジェクトのウェブサイト(フランス語)

https://marco.univ-littoral.fr/

 

[HK]新鮮な豚肉から二酸化硫黄が検出された

Fresh pork sample found to contain sulphur dioxide

Monday, October 25, 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20211025_8938.html

食品安全センター(CFS)は、本日(10月25日)、定期検査で新鮮な豚肉のサンプルから使用が認められていない保存料である二酸化硫黄が143 ppm検出されたことを発表した。

 

[SFA] より優れた食品安全の保証を実現するための食品事業所向け新安全保証(SAFE)の枠組み

New Safety Assurance for Food Establishments (SAFE) framework to provide better food safety assurance

25 Oct 2021

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/media-release---safe-framework-(25-oct).pdf

シンガポール食品庁(SFA)は、消費者に食品の安全性をより確実に提供するために、食品事業所のための新しいライセンスの枠組みである「SAFE(Safety Assurance for Food Establishments)」を導入する。食品安全保証の実績に応じた、より長いライセンス期間とより高いレベルのアワードを与える。

 

[FSS] 新しい食品コンプライアンスについての協議を開始

Consultation launched on new food compliance notices

25 October 2021

https://www.foodstandards.gov.scot/news-and-alerts/consultation-launched-on-new-food-compliance-notices

スコットランド食品基準局(FSS)は、新たな食品コンプライアンス通知(CN)の導入について、8週間の意見募集を開始した。製品の誤った、あるいは不正な表示など、食品基準に関する規則に違反している疑いがある場合に、より迅速かつ公正に対処するものである。

 

[FSAI] Decathlon Forclaz Rice and Chicken Curryに未承認の農薬であるエチレンオキシドの混入のためリコール

Recall of a Batch of Decathlon Forclaz Rice and Chicken Curry due to the Presence of the Unauthorised Pesticide Ethylene Oxide

Friday, 22 October 2021

https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/decathlon_rice_chicken_curry.html

フランス産Decathlon Forclaz Rice and Chicken Curry に未承認の農薬であるエチレンオキシドが含まれていたため、リコール。製品写真有り。

 

[FDA]消費者情報 いわゆるアルツハイマー病治療薬の偽りの約束に気をつけること

Watch Out for False Promises About So-Called Alzheimer's Cures

10/22/2021

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/watch-out-false-promises-about-so-called-alzheimers-cures-0

FDAは主にインターネットで販売されるアルツハイマー病を予防、治療、遅らせる、あるいは治すことができるという証明されていない商品、また、それらのダイエタリーサプリメントと偽った商品に注意するよう呼びかける。

(ココナツオイル、メラトニン、アルファGPC等が画像から読める)

 

[FDA]皮膚充填剤注入用の針のない装置を使わないように

Do Not Use Needle-Free Devices for Injection of Dermal Fillers – FDA Safety Communication

October 8, 2021

https://www.fda.gov/medical-devices/safety-communications/do-not-use-needle-free-devices-injection-dermal-fillers-fda-safety-communication

FDAは人々と医療従事者に対して、ヒアルロン酸やその他の唇や顔への注入物を注入するのにヒアルロンペンのような針のない装置(ダーマルフィラーと呼ばれている)を使わないように警告する。

FDAは重大な傷害、時に皮膚や唇や目を永久に害する事例を報告されている。

FDAが認可している皮膚充填は処方のみである

 

[UK HSA]子どもの鉛暴露:サーベイランス報告(2021年から)

Lead exposure in children: surveillance reports (from 2021)

26 October 2021

https://www.gov.uk/government/publications/lead-exposure-in-children-surveillance-reports-from-2021

2020年のデータの報告

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1028389/HPR1721_LEICSS-2020.pdf

イングランドでの2020年1月1日から12月31日までの分のまとめ

血中鉛濃度 ≥0.48μmol/L (≥10μg/dlに相当)を報告

2020年は35例、中央値は0.71μmol/L (14.69 µg/dL)

UK HSAは公衆衛生介入鉛濃度を2021年7月5日から16才未満の子どもと妊婦には≥5μg/dL (≥0.24μmol/L)に引き下げた

 

[COT]COT会合:2021年10月26日の会議

COT Meeting: 26th October 2021

Last updated: 20 October 2021

https://cot.food.gov.uk/COTMeeting26thOctober2021

ペーパーがいくつか追加掲載されている

・妊娠中のショウガサプリメント使用の安全性-更新

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-10/TOX-2021-51%20Ginger%20Update_0.pdf

かなり詳しい文献調査

・マイクロプラスチック暴露に由来するリスクの可能性についてのサブ声明:経口ルート(二次案)

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-10/Web%20Version%20TOX-2021-52%20-%20MPs%20Oral%20exposure%20substatement%20.pdf

一次案より、現在入手できるデータが限られていることとデータ不足をより強調する

 

[FTC]FTCの報告書は年間タバコ販売がここ20年で初めて増加したことを発見

FTC Report Finds Annual Cigarette Sales Increased for the First Time in 20 Years

October 26, 2021

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/10/ftc-report-finds-annual-cigarette-sales-increased-first-time-20

初めてのフレーバー製品の報告では、無煙タバコ販売の半分以上がメントールであることを発見

FTCのタバコ報告によると、米国の最大タバコ企業が売ったタバコの数が2019年の2029億から2020年は2037億に増加した。

2020無煙タバコ報告によると、無煙タバコ販売は2019年の1億2600万ポンドから2020年は1億2690万ポンドに増加した

 

[EPA]EPAはニューメキシコ州知事に反応し有害廃棄物法のもとでPFASに対応するために動く

EPA Responds to New Mexico Governor and Acts to Address PFAS Under Hazardous Waste Law

October 26, 2021

https://www.epa.gov/newsreleases/epa-responds-new-mexico-governor-and-acts-address-pfas-under-hazardous-waste-law

本日EPAはニューメキシコ州知事Michelle Lujan GrishamからのPFAS汚染に資源保全再生法(RCRA)で取り組むように求める請願に対応することを発表した。この請願への対応として、EPAは有害廃棄物法のもとで二つの新たな行動のための規制作成プロセスを開始する計画の概要を説明した。

 

Nature & Scienceニュース

-英国は先天障害を予防するために小麦粉を強化する、他国の長いリストに加わる

U.K. will fortify flour to prevent birth defects, joining long list of other countries

26 OCT 2021 MEREDITH WADMAN

https://www.science.org/content/article/u-k-will-fortify-flour-prevent-birth-defects-joining-long-list-other-countries

しかしEUは小麦粉への合成ビタミンB添加に抵抗する、理由の一部は不自然な成分への懐疑

写真は英国の小麦粉への葉酸強化を推進したMelanie Chambersと、二分脊椎のあるその娘Ella

2013年にエジンバラのスコットランド議会で9才のElla Chambersは車椅子から政治家に語った。彼女は先天障害の二分脊椎で、彼女と家族は英国政府に小麦粉の葉酸強化義務化を訴えた。Ellaの母親は葉酸サプリメントを使用していたが、それは妊娠がわかってからで、その時には既にダメージはおこっていた。

英国はこの問題にさらに8年費やした。そしてついに先月、葉酸義務化を始めると発表した。ニュージーランドは7月に同様の発表をし、葉酸強化を行っている約80カ国に加わった。今17才のEllaは「ほんとうにやったなんて信じられない。少しびっくりした-良い意味で」という。母のMelanie Chambersは「(胸から下に麻痺があり学習障害のある)Ellaにとっては役に立たないけれど、他の家族が私たちのようにならないことを希望する」という。

一方EUの国々はそうしない。理由のひとつが食品にナチュラルでないものを入れることへの警戒である。彼らは常に葉酸強化に反対してきた。EU19カ国の神経管欠損(NTD)平均発生率は1万妊娠あたり10人程度で他の葉酸強化国より有意に高い(米国ではその数字は7人)。

38才の息子が二分脊椎であるニュージーランドの活動家Lyall Thurstonは「欧州は本当に足手まといで信じられないほど悲しい。だって科学と研究があるのに」

(図:葉酸の力 各国の強化前後のNTD)

欧州では妊娠可能年齢の女性への葉酸サプリメントの使用すら勧めていない国がある。その結果がブルガリアでは1万の妊娠あたりの22のNTDである。

葉酸強化の圧力が低い理由の一つには出生前の検診で問題のある妊娠を終わらせていることがある。欧州は問題のある妊娠の80%が中絶されている。米国ではそれは23-42%と推定されている。

一部の欧州専門家は一般人の葉酸過剰摂取による有害影響を懸念している。非常に高い用量では有害影響がみられる。米国ではサプリメントからのとりすぎは心配されるが強化小麦粉は問題ではない

(食べ物にビタミンを加えるのは不自然で許せないが胎児を殺すのはいいんだ??)

 

-搾取的出版社の最新詐欺:密造論文と再利用論文

Predatory publishers’ latest scam: bootlegged and rebranded papers

26 October 2021  Kyle Siler et al.,

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02906-8

学問を毀損する不正な出版を阻止するために、本物の雑誌はその仕事をみせるべきだ

(イラストはHydra)

2018年に米国FTCは出版社OMICSの詐欺的ビジネスについて5000万ドルの罰金を勝ちとった。FTCの調査によるとOMICSはほとんどピアレビューなしに約69000論文を受理して発表していた。本社がインドにあるため執行は困難だが烙印は有効でOMICSの出版物は40%減った。

FTCの判決から1年後、インド政府の主任科学アドバイザーKrishnaswamy VijayRaghavanは搾取的出版社の脅威を根絶することの難しさを嘆く。それはギリシャ神話のヒドラのようで、首を一つ切ると二つ生える

2020年にOMICSはURLを変更しウェブサイトを一新し‘Hilaris’とブランドを変更した。元の雑誌からOMICSの名前を隠してHilarisにブランド変更し、雑誌の過去を書き直しているようだ。さらに正当な雑誌の論文をコピーして名前を書き直したりして再出版する行為が行われているようだ

(対策案を含む記事、一部のみ)

 

-世界の研究論文の巨大な無料のインデックスがオンライン公表された

Giant, free index to world's research papers released online

26 October 2021 Holly Else

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02895-8

1億700万の論文の数十億のフレーズのカタログはコンピュータによる文献検索を簡単にできる

10月7日に無料公開されたこのカタログは、論文とそれに含まれる3550億の単語や文章断片の表を持っている

The General Index

https://archive.org/details/GeneralIndex

 

-このデジタル衛生習慣があなたの学問を守るだろう

This digital-hygiene routine will protect your scholarship

26 October 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02901-z

シンプルなチェック習慣が、たちの悪い出版社によるある種の悪質な行為を抑えてあなたのデジタルプレゼンスを守るだろう

大学の研究の完全性担当者が、私の名前が掲載された、見たこともないひどいたくさんの論文を持って私のところに来たとき、震え上がった。詐欺的行為に名前が使われたのだ。

学問の悪用を抑制するには出資者、出版社、組織など全てに責任があるが、個人でもできることがある。私は一ヶ月おきくらいで自分の名前と所属でオンライン検索をすることを歯磨きのように衛生習慣にすることを提案する。聞いたこともない学会で発表していたり搾取的雑誌の編集者に名前がないことを確認するためである。もしなにかがひっかかったら、出版社や責任著者に連絡する、所属大学の研究の完全性担当者にもコピーを送る。

 

論文

-緑茶カテキンは酸化的ストレスを促進する

Green tea catechins promote oxidative stress

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932712

ETH Zurichの研究者らがC. elegansで緑茶カテキンが酸化的ストレスを抑制するどころかむしろ促進することを発見した。Ageingに発表。

運動やカロリー制限でも同様の効果がある

緑茶はイエス、濃縮物はノー

 

-我々の体内での野菜と内因性インドールの運命

The fate of vegetable and endogenous indoles in our body

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932709

ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜にはインドール-3カルビノール(I3C)によると考えられている多様な健康上の利益があるとされる。しかしI3Cは化学的に不安定でin vivoでは速やかに代謝される。著者らはI3C のin vivo代謝物を同定した。National Science Review(中国)

 

-動物を傷つけたくないと望むならどうして肉を食べ続けるのか?

How do we keep on eating meat if we wish animals no harm?

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932693

ポーランド社会心理学会のプレスリリース

Social Psychological Bulletinに発表された「肉パラドックス(動物をケアしつつ肉を食べる)」の文献レビュー

(気候活動家Greta Thunbergが動物製品は彼女の未来を盗んでいると嘆くのに人類は肉を食べ続けている、とか多くの人が人間の成人よりイヌに感情移入する、とか)

 

-年に400万人以上が肥満により死亡している

Over 4 million deaths per year caused by obesity

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932449

Endocrine Reviewsに発表された肥満の治療を勧めるレビュー

 

-研究が家、オフィス、学校の難燃剤の存在を検出

A study detects the presence of flame retardants inside homes, offices and schools

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932738

Science of The Total Environmentに発表されたスペインのカタルーニャTarragonaでの調査。屋内空気を24時間フィルターに集めたもの、家具や電子機器の表面の埃などについて41種類の難燃剤を分析した。空気中から欧州では初めて7種の新興難燃剤(TEP, TCIPP, T2IPPP, TPPO, DCP, TMCP および B4IPPPP)を検出した

 

-有害な可能性のある工業用化合物が米国のファストフードに検出された

Potentially harmful industrial chemicals detected in US fast foods

26-OCT-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/932592

Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiologyに発表された研究が、チキンナゲットやブリトーなどのフタル酸類を測定

 

-COVID-19の細胞ベースの治療法開発における倫理的問題と人々とのコミュニケーション:パンデミックの教訓

Ethical issues and public communication in the development of cell-based treatments for COVID-19: Lessons from the pandemic.

Turner L et al.,. Stem Cell Reports, Oct 14, 2021

https://www.cell.com/stem-cell-reports/fulltext/S2213-6711(21)00481-1

COVID-19の罹患や死亡率の重大さから世界的に新たな治療法の開発競争がおこった。その中には細胞あるいは細胞由来製品を使ったものがあり、いくつかはしっかりした試験デザインで臨床研究が行われた。しかし誇大宣伝や規制・科学・倫理の軽視、研究知見の歪んだコミュニケーションも溢れていた。この論文ではCOVID-19の細胞ベースの治療法開発に関連する倫理的問題と人々とのコミュニケーションについて批判的に検討した

(FDAとFTCから出された警告文書の表、学会からの懸念表明の表あり。感染症に再生医療を宣伝して売れるという状況がアメリカっぽい)

 

SMC NZ

ハイリスク職場でのワクチン義務–専門家の反応

Vaccine mandates for high-risk workplaces – Expert Reaction

Published: 26 October 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/10/26/vaccine-mandates-for-high-risk-workplaces-expert-reaction/

バーや美容院のような、客にワクチン証明をみせる必要がある事業の労働者は全てワクチンが要求される

つまり既に発表されている健康・教育スタッフを含め労働者の約40%が仕事をするのにワクチンが義務となる。時期は新たなCovid-19保護枠組みへの移行と同時になるだろう。

(専門家の意見略。基本的に義務化支持。ワクチン接種率目標90%以上だし)