2021-12-07

[EFSA]EFSAの専門家会議からのニュース速報:遺伝子組換え生物(GMO)

Breaking news from EFSA’s expert meetings: Genetically Modified Organisms (GMO)

2021/12/03

https://www.youtube.com/watch?v=sEDcPVVdTv4

YouTube動画

 

[EFSA]グリホサートパブリックコメント募集結果:400以上の提案が集められた

Glyphosate consultations: over 400 submissions collected

2 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/news/glyphosate-consultations-over-400-submissions-collected

2021年11月22日にEFSAとECHAが開催したグリホサートに関する同時進行のパブリックコメント募集が終了した。

2ヶ月間のパブリックコメント募集中に、グリホサートに関する評価グループ(AGG)と総称される、ハンガリー、フランス、オランダ、スウェーデンの国立管轄機関が作成した科学的評価に全ての利害関係者がアクセスした。

この2つのパブリックコメント募集を通してEU内外から全部で416の提案を受け取った。それらの大部分はアルゼンチンからのものだった。

これらの提案は―複数のコメントもある―公開されており、EFSAとECHAのウェブサイトで見ることができる。

以下のグラフは受け取った提案のスナップショットである。

EFSA:国ごとに受け取ったコメントの総数

EFSA:提出者 (個人、企業、NPOなど)

ECHA:国ごとに受け取ったコメントの総数

ECHA:提出者 (個人、企業、NPOなど)

EUのグリホサートの再評価における次の段階

パブリックコメント募集を通して受け取ったコメントや見解は、それらを検討・回答するAGGと共有している。

分類のために、AGGは回答をECHAのリスク評価委員会(RAC)に提出する。RACは分類・表示・包装(CLP)規則の下で分類に関する意見を作成する。これは2022年5月/6月に予定されている。

EFSAの評価のために、パブリックコメント募集を通して受け取ったコメントをAGGが評価した後、グリホサート更新グループ(GRG)からの追加情報を要請のために期限延長の可能性がある。その後AGGが更新評価(RAR)を作成し、ピアレビューを開始するためにEFSAに送られる。

EFSAはECHAの意見の結果をピアレビューで考慮する、それは2022年第2半期に最終化される予定である。

作業に関する定期的な更新はEFSAとECHAのウェブサイトで見ることができる。

 

[ANSES]量り売り販売:助言と除外製品

Bulk selling: recommendations and products to be excluded

22/11/2021

https://www.anses.fr/en/content/bulk-selling-recommendations-and-products-be-excluded

販売業者は消費者に量り売り販売される製品の安全性をどのように保証するのか?この方法で全ての製品を販売できる?社会的要求やフランスのAGEC法による量り売りの人気の高まりに伴い、公衆衛生を理由にこの方法で販売しない方がよい製品について意見を述べるよう、ANSESは公正取引・消費者問題・不正抑止総局(DGCCRF)に求められた。消費者の健康を効果的に保護し続けるために、販売業者が量り売りに適切な手順を適用することが重要である。

量り売り販売とはどういう意味?

製品によっては、生鮮果物や野菜、シリアル、豆類、ドライフルーツなどの乾燥製品など、長年量り売り販売―すなわち、バラ売り―されている。

フランスでは、廃棄物管理と循環型経済に関する2021年8月22日のAGEC法により、現在、量り売り販売を、フランス消費者規約の下で次のものを消費者へ販売するものと定義している:

・包装しない製品

・消費者が選んだ量で

・再利用できる容器に入れて

これらの量り売り製品はセルフサービスや支援サービスを基に販売されている。

 

販売業者を支援する助言

セルフサービスの量り売り製品は貯蔵期限に関する情報(UBDやDMD)や使用説明書(購入後の保管条件、準備、調理、使用)を提示していない。起こりうるリコール手続きを容易にするバッチ識別データも提供しない。この情報がないとリスクの高い行為を引き起こす可能性がある。

規制上の義務ではないが、ANSESは、販売する製品の安全性を保証することが販売業者の責任なので、購入時に消費者にこの情報を提供する必要があると助言する。

より一般的に、ANSESは販売業者に量り売り販売に適した衛生管理を行うよう助言している。消費者が握る物など備品の洗浄、製品の保管状況の管理、量り売り販売に適した備え付け装置の使用などである。例えば、取り分ける器具が別の種類の食品に使用された場合、食物アレルギーのある消費者はセルフサービスの量り売り販売でアレルゲンに暴露する可能性がある。すなわち、カシューナッツ用に提供されたスプーンを別の消費者がピーナッツに使用する場合など。これらの状況は適切な販売システムを用いることで避けられる。

ANSESは食品販売業者に、この活動のために優良衛生慣習に対する特定のガイドを起草するよう強く奨励する。

 

食品安全における消費者の重要な役割

あらかじめ包装されている、あるいはバラ売りの製品を購入する際に、消費者は食品の準備、調理、保管中に中毒を避けるために多くの規則に従わなければならない。量り売り販売では、消費者はより大きな食品安全の役割をになう必要がある。最大限の安全のために、この種の消費は文化変容の期間を必要とする。

すなわち、消費者は微生物の発生を避けるために清潔な容器を準備しなければならない。同時に、この容器の素材が購入製品に適さなければならない(食品と接触するのに適している)。だが製品によっては、目視で確認しても、容器の衛生や適合性が購入時に消費者の安全を保証しないこともある。量り売りで購入する際に消費者に情報提供し、正しい習慣を身につけるようにするために、ANSESはより広範なコミュニケーション―販売業者、消費者団体、学校、公共機関、メディアなど―をする必要性を強調する。

 

時間と共に変化する、量り売り販売から除外される製品リスト

フランス消費者規約は次のように述べている:「公衆衛生を理由に正当化される特定の除外はあるが、どの消費生活用品も量り売りで販売できる」。ANSESは量り売り販売から除外される製品を特定する文書L. 120-1としてDGCCRFが準備したリスト案を分析した。危険な化学物質(洗剤、洗濯用品)や使用前に洗えない衛生用品(おむつ、生理用品)といった多くの製品など、このリストに他の特に敏感な製品を加えることを提案している。

店員が支援やガイダンスを提供できる場合には量り売り販売できる製品もある(以下参照)。冷蔵ユニットで販売される製品(肉、魚、乳製品やデリカテッセンの肉製品など)やある種の動物用飼料など、痛みやすい食品が特に当てはまる。これらの製品には病原性微生物および/またはその毒が含まれる可能性があり、健康に有害となり、時間の経過と共に劣化する可能性がある。

最後にANSESは、可能な技術革新や量り売り販売の実践からのフィードバックを考慮して、定期的に例外リストをレビューするためのメカニズムを配置する必要があると考えている。

 

ANSESによる支援販売とガイド販売の違い

・支援販売は小売店の従業員が製品を出し包装する販売のことである。

・ガイド販売は、小売店で従業員の監視を受けて、消費者が適切なシステムを使って製品を出し包装する販売のことである。従業員は消費者に助言できる(サービスシステムの運用、製品表示など)。

 

追加情報

・公衆衛生を理由としたフランスの消費者規約条項L. 120-1に提供された、量り売り販売条件に除外リストを設定する法令草案に関する科学的・技術的支援ノート

Scientific and technical support note on a draft decree setting out a list of exceptions to the bulk selling requirement provided for in Art. L. 120-1 of the French Consumer Code for public health reasons.

https://www.anses.fr/fr/system/files/BIORISK2021SA0051.pdf

(フランス語)

 

[RIVM]報告書

-殺生物剤製品認可の例外実証のためのシステム

A system for substantiation of exceptions in biocide product authorization

12/06/2021

https://www.rivm.nl/en/news/system-for-substantiation-of-exceptions-in-biocide-product-authorisation

殺生物剤は我々の環境と健康を脅かす生物をコントロールするのに使われる。しかし殺生物剤は有害である。だから安全性評価された場合にのみ認可される。しばしば例外が必要になる。例えば速やかに決定しなければならないとき、他に安全な製品がない時など。欧州規制では通常の認可方法からの逸脱が可能である。RIVMはそのような状況を評価するシステムを考案した

報告書は英語

 

-手の消毒用有効物質のリスト

Inventory of active substances in hand disinfectants

06-12-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/inventarisatie-werkzame-stoffen-in-handdesinfectiemiddelen

RIVMは先にエタノールを含む手の消毒剤の使用増加による健康リスクの可能性について検討したが、今回は手の消毒剤に含まれる可能性のある全ての有効成分の概要を示した

これまでオランダで認可された手の消毒製品は174で有効成分は12ある。エタノール、プロパン-2-オール、ジグルコン酸クロルヘキシジン、1-プロパノール、次亜塩素酸ナトリウム、乳酸、ビフェニル-2-オール、過酸化水素、2-フェノキシエタノール、ジデシルジメチルアンモニウム塩化物、酒石酸と安息香酸ナトリウムである。最も多く使われているのはエタノールで92製品。

 

-自主検査が広く入手できることが検査の意向を高くする

Wider availability of self-tests leads to higher willingness to test

12/02/2021

https://www.rivm.nl/en/news/wider-availability-of-self-tests-leads-to-higher-willingness-to-test

12月3日金曜日から、オランダの助言は、軽症の場合地方自治体保健サービスで検査する代わりに自分で検査することになる。十分な検査が簡単に入手できることがウイルスのコントロールに貢献する可能性がある。自宅で自主検査すれば検査する人が増えて、さらに早く検査すると予想される。これはRIVMの行った研究の知見である。

(もうさばききれなくなったのだろうか)

 

スウェーデン食品局

Mikrobiologiska faror i livsmedel vid ett förändrat klimat

2021 nr 19

https://www.livsmedelsverket.se/globalassets/publikationsdatabas/rapporter/2021/l-2021-nr-19-mikrobiologiska-faror-i-livsmedel-vid-ett-forandrat-klimat.pdf

要約部分のみ英語

このリスクプロファイルはスウェーデンにとって気候変動が将来どう微生物学的食品安全に影響する可能性があるのかについての知識を増やすために開発された

第一のシナリオは平均気温が上昇した場合の通常条件への影響、第二のシナリオは豪雨、洪水、乾期などの極端な事象の頻度があがり停電やその他のインフラ障害がおこった場合を含む。

 

[NASEM]米国は2022年末までに世界の海洋プラスチックゴミへの増加し続ける寄与を減らす国の戦略を作らなければならない、と新しい報告は言う

U.S. Should Create National Strategy by End of 2022 to Reduce Its Increasing Contribution to Global Ocean Plastic Waste, Says New Report

December 1, 2021

https://www.nationalacademies.org/news/2021/12/u-s-should-create-national-strategy-by-end-of-2022-to-reduce-its-increasing-contribution-to-global-ocean-plastic-waste-says-new-report

米国のゴミの寄与は他の国に比べて抜きん出ている

(土地が広いので捨てるだけだもの)

 

Natureニュース

-NIHトップの職を退くFrancis Collinsが科学デマに警戒

Science misinformation alarms Francis Collins as he leaves top NIH job

03 December 2021 Nidhi Subbaraman

https://www.nature.com/articles/d41586-021-03611-2

ゲノムプロジェクトのリーダーが彼のNIHを指揮した12年を振り返る

Francis Collinsのインタビュー

最後に科学に関するデマが現実的に危険であることを最大の懸念として表明している

COVID-19に打ち克ったとしてもこのデマの流行はなくならず、対応しなければならないだろう

 

Natureワールドビュー

-再現性改革が失敗する真の理由を理解する

Understand the real reasons reproducibility reform fails

Nicole C. Nelson 06 December 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-03617-w

論文発行圧力に対して厳密さの欠如がしばしば非難される。しかし民族誌学者が科学を向上させ続けるために真に必要なものを見つけられる

10年前に米国国立神経疾患脳卒中研究所が前臨床研究の厳密さを改善する方法についてのワークショップを開催した。その助言は驚くほど率直で,科学者は試験を盲検化し無作為化し適切なサンプルサイズを推定しデータの取扱規則を定めるべき、というものだった。そして10年、多くの前臨床研究者はこれらの基本的ステップをいまだに採用していない。

理由を尋ねると歪んだ動機perverse incentivesというフレーズが返ってくるだろう。科学者は正しいことをしたかどうかではなく論文数で評価されるのだ。でも民族誌学者として,私は納得しない。私は15年以上生命医学研究文化を研究してきて、科学者の行動がそれほど取引的であることは滅多にない。そこで私はWisconsin–Madison大学で研究者に尋ねた。

彼らは出版圧力のせいでそうしているのではなく、実験を正確に行い施設のルーチンを守るためにそうしているのだと説明した。例えば動物の処置を行うときに何をしているのかを伝えないと固体を間違えたり交叉感染させたりするリスクがあると。ある科学者は、動物の耳のタグが外れたりケージの表示カードが落ちたりスプレッドシートに間違いがあったりしたときに、何年にもわたるマウスの交配作業がいかに無駄になるかを説明した。盲検による混ざるリスクがあまりにも大きく思えるのだ、特に効果が明確でバイアスのリスクがない場合には。「腫瘍がないのにあると思わなくてはならないのは困難である」。彼は効果が僅かな場合にはマスキングが重要であることは理解していた。話をするうちに彼は間違いを恐れるあまり他のリスクを見過ごしていたかもしれないと気がついた

(以下、研究文化を変えるのはそう簡単ではない話)

 

SCIENCE

2 Dec 2021•Vol 374, Issue 6572

-ニュースを一目で

News at a glance

  1. 1176-1177

・抗ウイルス薬は幾分輝きを失う

メルク社は先週COVID-19抗ウイルス薬の効果は予備的データより少ないと報告した。プレスリリースによると、モルヌピラビルは症状が出てから数日以内に投与すると入院と死亡リスクを30%減らす。1433人の参加者のデータ解析の結果で、10月1日の762人の暫定解析による50%削減から減った。暫定と最終の違いはプラセボ群の入院や死亡リスクが低かったためのようで、暫定では14.1%だったのが最終では9.7%になった

・遺伝学者は「人種」を使わないようになった

生物学的集団ではなく社会的に決定されたカテゴリーである「人種」という単語をヒト遺伝学研究者はほとんど使わなくなった

 

-健康対策の質の悪い試験は何もしないより悪い、科学者が言う

Poor trials of health steps are worse than none, scientists say

CATHLEEN O’GRADY

1180-1181

2020年11月にデンマークの研究者らが、マスク要請がCOVID-19防御になるかどうかについてのRCTの、決定的でない結果を発表した。このDANMASK試験には、5000人近くが参加したが、回答を得るには規模が小さすぎで時間が短かすぎた。しかしその報道は,この研究がマスクの有効性に疑問があるというもので、6月の解析によるとこれが反マスク活動に勢いを与えた。

今回、別のグループがそのような小規模で弱い試験は悪影響の方が多いと主張する。先月Trialsに執筆したグループは、そのような研究はお金と時間の無駄で、危険なことに確からしそうに見える

DANMASKの著者にはコメントを得られなかったが、8月にAnnals of Internal Medicineでサンプルサイズや方法について擁護し、間違った紹介のされ方をしたと書いている

パンデミック中に小規模で質の低い研究が増加したことは疑いがない

パンデミックは科学の最良と最悪の両方を示した

(いろいろ略)

 

-スリランカの急ぎすぎた農業用化合物禁止

THARAKA S. PRIYADARSHANA

1209

Sri Lanka’s hasty agrochemical ban

スリランカでは主食の米が利用可能な農地の40%で栽培されている。稲の栽培にはスリランカの農家の90%が農薬を使う。5月にスリランカ政府が生態系とヒト健康の名目で農薬の生産と輸入を禁止し、直ちに完全に有機農業に変更せよと命令した。こうした突然の政策変更に準備していなかった農家は、収量と収入の損失のため政府に抗議した。農薬の使用を減らすのは良いことだとしても、その変更は徐々に行わなければならない。

稲の栽培シーズンが始まる10月には農家に有機代用品は供給されず,中国から輸入した有機肥料には有害細菌が見つかった。

有機農業は収量が減り食料不足を増やすリスクがあり、スリランカは既に食料不足リスクが高かった。スリランカの主導者は環境規制を作る時に人々の安全性を考慮しなければならない。

(環境保護のために人間を犠牲にしようという思想は環境テロリストのもの。既に影響されている?)

 

論文

-虎が高圧調理で生涯を終えている

Tigers end their days in high-pressure cookers

6-DEC-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/936940

何千頭もの虎が、豚のように農場で繁殖されて地階で育てられ、高圧調理器で骨が伝統薬に加工されている。コペンハーゲン大学の研究者らが初めてインタビューした。

ベトナム、中国、タイでの「虎農場」の虎の方が野生より多い。目的は骨を伝統薬として使うためで、リューマチなどに効くとされる。2017年に国際NGO環境調査機関(EIA)が中国、ラオス、タイ、ベトナムに200以上の虎農場を同定した。推定7000-8000頭の虎が飼育されていて野生の虎の2倍以上である。

「“Tiger bone glue”虎の骨の糊」と呼ばれる褐色の石けん様の物質が、虎の骨を高圧調理器で2-3日溶かして作られている。取引が違法なため調査研究は行われてこなかった

Journal for Nature Conservation

 

-肥満と2型糖尿病のがんリスクを減らすには血糖管理が重要要因

Glucose control is a key factor for reduced cancer risk in obesity and type 2 diabetes

6-DEC-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/936959

Diabetes Careに発表されたスウェーデン肥満介入試験のデータを用いた研究。血糖を管理できた場合がんリスクが60%低くなる

 

-WHO紀要

Bull World Health Organ. 2021 Dec 1; 99(12): 845

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/issues/394921/

子どもの低血糖の管理、母乳バンクの世界的ガイダンス開発の必要性、等

 

その他

-SMC UK

単一の性のマウスの子どもを作るためのゲノム編集研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at genome editing to create single sex mice litters

DECEMBER 3, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-genome-editing-to-create-single-sex-mice-litters/

Nature Communicationsに発表された研究が、ゲノム編集技術を使って単一の性のみの一腹の子どもおよび性特異的表現型を作る方法を検討した

Roslin研究所暫定所長動物バイオテクノロジー教授Bruce Whitelaw教授

この仕事は農業におけるしばしば隠された福祉の問題に対応する遺伝子工学による戦略を説明したものである。洗練された分子遺伝学アプローチで単一の性のみを作れることを示した。実験用マウスで行ったが、技術的には家畜でも使用できる可能性がある。この論文は新しい技術が農業分野でまだ対処できていない課題に使えることを強調する

Cambridge大学病理学名誉教授Malcolm Ferguson-Smith教授

極めて重要な貢献で歓迎する。議論を呼ぶことは間違いないが両親の生殖細胞のゲノム編集が必要なのでヒトでは応用されないだろう。

Imperial College London臨床遺伝学学術臨床講師、MRCロンドン医科学研究所幹細胞生物学者でグループリーダーHarry Leitch博士

片方の性のみが必要な実験などで使われる動物の数を減らすことができる。さらに単一の性のみだと子どもが多くなることも発見した。畜産に応用できれば殺す動物の数を減らし動物の福祉を向上させられる。ヒトには使えない。

 

-フライドチキンと認知症。ナンセンスはいつか終わるのか?

Fried Chicken And Dementia. Will The Nonsense Ever End?

By David Lightsey MS — December 6, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/12/06/fried-chicken-and-dementia-will-nonsense-ever-end-15975

CNBCの見出しが「ハーバードの栄養士で脳の専門家が食べないという、記憶力と集中力を弱める5つの食品」。彼女はアマゾンの「強迫症および関連疾患」分野でのNo1ベストセラー本“This Is Your Brain on Food”の著者である。私はこの本を読んでいないが、他のニュースサイトでたくさん彼女の記事がある。

私は栄養分野に膨大な量のジャンクサイエンスがあるのを知っている、そして彼女の記事はそれを反映しているだけである。よくあるやりかたは

・齧歯類での研究をヒトにあてはめる

・関連があることを因果関係とイコールだとする

・根拠のない化学物質恐怖症

・悪者にしたいものについて都合のよい数値をとりあげる

以下CNBCのニュースへの問題点の指摘略

(問題の本の著者はUma Naidoo MD

本人の名前のついた会社でいろいろ事業を行っている

https://umanaidoomd.com/

「脳の不調を治す食べ方」で日本語版が出ている。ハーバードを売りにしているけれどむしろハーバードを強調する人たちが如何に胡散臭いかの例にしかなっていない)

 

-Information is Beautiful(インフォグラフィクスを集めたサイト)

世界の全ての食品はどこに行く?

Where Does All The World’s Food Go?

https://informationisbeautiful.net/visualizations/global-food-supply-where-does-all-the-worlds-food-go/

どのくらい作る?

誰が得る?

何が食べ過ぎで何が不足?

ほんとうに必要なのはどのくらい?

 

食品廃棄

Food Waste

https://informationisbeautiful.net/visualizations/food-waste/

英国のデータ

 

-「魔法の泥」:如何にしてインターネットがこのパンデミックで最もヘンなMLMを加速し,打ち砕いたか

'Magic dirt': How the internet fueled, and defeated, the pandemic's weirdest MLM.

Zadrozny B. NBC News, Dec 2, 2021

https://www.nbcnews.com/news/magic-dirt-internet-fueled-defeated-pandemics-weirdest-mlm-rcna6950

Black Oxygen Organicsは代替医療とサプリメントの辺縁世界から突然有名になり、泥一袋が110ドルにすらなった

ソーシャルメディアでの投稿は5月に始まった:多くが女性の、メイソンジャーの黒い液体を飲んでいる、顔や足に黒いペーストを塗っている、あるいは赤ちゃんやイヌを黒い水の浴槽に浸けている、笑顔の写真や動画。投稿には#BOOのタグがありBlack Oxygen Organicsという製品を売っているウェブサイトへのリンクがあった。

Black Oxygen Organics、略称BOOは分類が難しい。それはフルボ酸として宣伝販売されている、分解した植物由来化合物で、オンタリオの泥炭湿原から掘り出したものである。販売しているカナダの会社のウェブサイトでは「古代の有機物の分解によりできた最終で最小の粒子」としている。

端的にはそれは泥で、4.5オンスが入った黒いプラスチック袋が、110ドルプラス輸送費で売られている。最近閉鎖されたBlack Oxygen Organicsのウェブサイトでは「大地からの贈り物」「飲んで、身につけて、入浴して」とあった。会社によると誰でも、動物でも、使えて、脳の機能向上から心臓の健康、重金属や農薬や寄生虫などのいわゆる毒素をとり除くなどの多くの効能を主張している。

夏の終わり頃にはBOOの広告は、辺縁のサプリメント賞賛者や武道家コミュニティ、反ワクチン、Covid否定論者など、そしてより一般的代替健康法や偽りの治療法を謳うインターネットサブカルチャーの中の何百万人にも届いた。そして人々は買っているようだった。

しかし事業として成功したためにカナダと米国の保健当局が取り締まりを始めた。そしてオンラインの力でBOOが成功したのと同じように、オンラインの抵抗勢力である懐疑派が閉鎖を迫った。感謝祭の直前にこの会社は店舗閉鎖のメールを出した。

消費者が代替健康製品を求めて集まる世界では、BOOは以下の疑問への回答になっているように見える:人々は魔法の治療法を求めてどこまでいくのか?

(以下マルチ商法であること、経験者の話等長い記事。事業を始めた会社ですら制御できないSNSグループの暴走ぶりとか。そのへんの泥で適当なこと言えばいいとわかったのだもの、好き勝手やるよね)

 

-BOO:あるいは如何にして「魔法の泥」がMLMのCOVID-19用魔法の治療詐欺になったのか

BOO: Or how “magic dirt” became a MLM miracle cure scam for COVID-19

David Gorski on December 6, 2021

https://sciencebasedmedicine.org/boo-or-how-magic-dirt-became-a-mlm-miracle-cure-scam-for-covid-19/

NBCニュースの記事はBOOと呼ばれる何かについての物語である。この話はあまりにも信じがたいものであるが、BOOについて書く。

フルボ酸の歴史、ホメオパシーとの類似、デトックスや抗酸化、等。科学を無視すればどんなインチキだって可能

 

-甘くてべたべたする砂糖の科学

The Sweet and Sticky Science of Sugar

Joe Schwarcz PhD | 3 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition-history/sweet-and-sticky-science-sugar

エールテイスターと子どもと細菌に共通するのは何?砂糖!

砂糖は甘くてべたべたする。それは事実である。実際、11世紀初めのエドワード懺悔王の治世では、醸造者の仕事をチェックするために「エールテイスター」が雇われた。彼らはエールを木の椅子にこぼし、なめし革のズボンでその上に座り、しばらくして椅子に皮が張り付いて立ち上がるのが難しかったらエールに糖が含まれるとことを知った。現在はそのようなことはしないが砂糖のべたべたはいまだ我々の歯には問題がある。我々の口の中に住む細菌は砂糖が好きで、砂糖を代謝すると酸を作りエナメルをとかし虫歯の原因になる。しかし細菌はデンプンも好きで同じくブドウ糖に分解して酸を作る。ではジェリービーンズとポテトチップのどちらが虫歯になりやすい?ジェリービーンズの砂糖は可溶性で唾液で洗い流せるがチップスの複雑な炭水化物は不溶性で歯の間にはさまって酸を作る細菌の餌になる。同様にソフトドリンクの砂糖も歯に長い間接触することはないが常に飴をなめていると虫歯につながる。

おそらく砂糖を巡る最大の神話は行動影響、特に子どもたちの、であろう。甘いお菓子を食べると子どもが興奮するという話をどれだけ聞いたことがあるだろうか?これが最初に示唆されたのは1922年だが「機能的反応性低血糖」の原因として一般向け文献に取り上げられたのは1970年代である。子どもたちの困った行動の理由を絶望的なほどに探し求めていた親たちや教師は砂糖を食べると多動になると考え始めた。でもちょっと待って。子どもたちが砂糖の多い食品を多く食べるのは、誕生日のパーティーのような有害行動をしがちな時ではないか?その問題の原因は砂糖ではないのでは?

研究の結果はそうであることを示している。研究者が砂糖あるいはプラセボを子どもたちに与えた場合、砂糖は多動をおこさないだけではなくおとなしくさせた。その科学的説明もある。砂糖の摂取で脳のセロトニン濃度が上がり、それに鎮静作用があるのだ。なぜ対照を設定した試験の結果が両親の印象と違うのだろうか?予期である。子どもが砂糖のせいで多動だと思っている保護者に、半分は子どもに砂糖を与えたと説明し半分は砂糖を与えていないと説明した場合、砂糖を与えたと説明された保護者は子どもの行動をより悪いと評価した。砂糖のとりすぎを避けるべき理由はたくさんあるが、悪い行動の可能性はその中には含まれない。そしてもしこの話を聞いて動揺したら、甘いお菓子でも食べて落ち着いて!

 

-フィンランドサウナの誇大宣伝を汗で流す

Sweating Out the Hype Over the Finnish Sauna

Jonathan Jarry M.Sc. | 4 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/sweating-out-hype-over-finnish-sauna

フィンランドサウナは健康に良いと考えられているが主張されている利点は吟味に耐えられるか?

サウナを頻繁に使うヒトが突然の心停止や呼吸器疾患、血栓などになりにくいという研究の質についての考察とウェルネス業界の「デトックス」等への反論。

重要なことは

-フィンランドサウナは極めて高い温度と比較的乾燥した空気の条件で、熱い岩に水をかけて湿度をあげる

-心拍数があがりホルモン値が代わるなどサウナで人体は明確に影響されるが、それらは短期間で、長期健康影響の根拠には疑問がある

-サウナやその他の汗をかく行為はしばしばデトックスと宣伝販売されているが、それは不可能でもし人体を過熱させるとそれは極めて危険である