2021-12-27

[EFSA]意見等

-新規食品としてのトンカットアリの根抽出物の安全性

Safety of Eurycoma longifolia (Tongkat Ali) root extract as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(12):6937  22 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6937

(科学的意見)

このNFはトンカットアリ(Eurycoma longifolia Jack)の乾燥した根のチップスから調整した標準化水抽出物で、申請者は最大200 mg/日の量で食品サプリメントとして使用することを提案している。対象集団は妊婦と授乳中の女性を除く成人集団である。このNFの特徴的な成分はグリコサポニン(40–65%)とユーリコマノン(0.8–1.5%)である。また、カンチン-6-オンアルカロイドとイソスコポレチン(クマリン)も含まれる可能性がある。このNFは2009年以降様々な国際市場に存在している。パネルは、このNFの染色体異常誘発性を示す、提出されたin vitro染色体異常検査の陽性結果に留意した。要請されたフォローアップin vivo哺乳類アルカリ性コメットアッセイで、このNFは、最初の接触部位(胃や十二指腸)の組織で、調べた最大量(2,000 mg/kg体重(bw))で陽性結果を示した。調べた組織の病理学的評価から、このコメットアッセイの陽性結果は細胞毒性よりも遺伝毒性によることが示された。これらをまとめると、パネルは、このNFはDNA損傷を誘発する可能性があり、特に最初の接触部位である組織には局所的に懸念されると結論した。パネルはこのNFの安全性はどんな使用条件でも立証されないと結論した。

 

-新規食品としてのミジンコウキクサ粉末の安全性

Safety of Wolffia globosa powder as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

EFSA Journal 2021;19(12):6938  22 December 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6938

(科学的意見)

ミジンコウキクサは水生植物で、水レンズ豆科の38種類のうちの1つで、5つの属(すなわちSpirodela、Landoltia、Lemna、Wolffiella、Wolffia)で構成されている。このNFは管理された状況でミジンコウキクサ植物の栽培で生産された。このNFの主な構成成分はタンパク質、食物繊維、脂肪である。パネルはこのNFの微量元素や汚染物質の濃度は、この植物の耕作条件や肥料の組成に大きく依存すると言及した。このNFは様々な食品分野の食品成分や食品サプリメントとして使用することを意図している。対象集団はもっぱら成人が摂取することを意図した食品サプリメントを除いて、一般集団である。パネルは、マンガン摂取に関する懸念を除き、このNFの組成を考慮して、提案した使用条件で、このNFの摂取は栄養的に不利ではないとした。このNFで提出された亜慢性毒性試験は多くの重要な知見を明らかにし、パネルは中間用量(6.5 g/kg体重(bw) /日)を無毒性量(NOAEL)とした。タンパク質濃度を基にして、パネルはこのNFの摂取はアレルギー反応を引き起こす可能性があると考えた。パネルは、食品成分や食品サプリメントとして使用するこのNF由来マンガンの摂取量の増加は安全上の懸念であり、このNFの安全性は立証できないと結論した。

 

[FDA]FDAはMoor Herbsの乳幼児向け「ヘルシービューティー」エンジェルフォーミュラに警告

FDA Alert on “Healthy Beauty” Angel Formula Intended for Infants and Children by Moor Herbs

December 23, 2021

https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-alert-healthy-beauty-angel-formula-intended-infants-and-children-moor-herbs

目的

FDAは、Moor Herbs社のエンジェルフォーミュラがFDAの乳児用調整乳の栄養、食品表示及び他の要件に合わないため、この製品の利用や購入を止めるよう両親や保護者に助言している。この製品は乳児用調整乳(すなわち、生後12ヶ月未満の子供用の母乳の完全あるいは一部代替を目的とした製品)として販売されているが、この製品に必要な市販前の乳児用調整乳の通知がFDAに提出されていない。

問題の概要と範囲

FDAはMoor Herbs社のエンジェルフォーミュラのサンプルを購入し、乳児用調整乳として販売されているにもかかわらず、テストの結果、その特定の栄養や表示条件に合わなかったと判断した。製品を検査した際、鉄、ナトリウム、カリウムの含有量は許可されている最大量をはるかに上回り、それにより鉄の過剰摂取および/または電解質の不均衡を起こす可能性がある。さらに、この製品にはビタミンDが含まれておらず、ビタミンD不足は骨が柔らかく弱くなって、くる病になる可能性がある。

この企業は、乳児用調整乳を製造する企業への条件である州の免許なく製品を製造し続け、FDAに登録していなかった。さらに、ミシガン州の農業農村開発省は2021年8月にMoor Herbs社製品を押収し、この企業に改善命令を出した。だが、Moor Herbs社は命令に反して製品を販売し続けていた。現時点で、この製品の利用に関連する有害事象はFDAに報告されていない。

FDAの対策

2021年12月22日にFDAはMoor Herbs社との議論後に、共にこの製品を自主回収している。FDAは「ヘルシービューティー」エンジェルフォーミュラの購入を避けるよう、また家庭にあるこれらの製品を廃棄するよう消費者に助言するために、この公衆衛生の助言を発表している。

消費者への助言

Moor Herbs社のエンジェルフォーミュラを購入した乳児の両親や保護者は、この製品の使用を中止し、廃棄すること。FDAは消費者にこの製品の問題を報告するよう奨励している。これらの製品を使用し、子供の健康を心配する乳児の両親や保護者は担当医に連絡すること。

FDAへの問題報告

苦情や有害事象(病気や深刻なアレルギー反応)を報告するためにできることは:

直接この問題について人と話したい場合は、FDAの消費者苦情調整係に電話すること。

オンラインで任意の電子MedWatchフォームを完成すること。

FDAに郵送できる任意のMedWatchフォーム用紙を完成すること。

(健康意識の高いお母さん向けの植物でできたミルク代用品、と表示されている)

 

[EU]RASFF 2021(1219-1225)

警報通知(Alert Notifications)

中国産大麦若葉粉末のエチレンオキシド、ドイツ産原料ハンガリー産乾燥ディルチップスのリニュロン、フィリピン産チリ風味インスタント麺の未承認物質エチレンオキシド、ベトナム産アジアパールフクロタケ(Asian Pearl Straw Mushroom)のクロルピリホス及びフィプロニル、ハンガリー産ガチョウの胸肉フィレ及びもも肉のダイオキシン及びダイオキシン様PCBs、スペイン産ナイロン製穴あき杓子からの一級芳香族アミン(アニリン)の溶出、スペイン産有機パプリカ粉末のベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素、オランダ産ハーブブレンドのエチレンオキシド、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、オランダ産カモミールティーのピロリジジンアルカロイド、クロアチア産ポーランド経由有機大豆のブタクサの種子高含有、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド、韓国産オランダ経由即席インスタント麺の野菜フレークの未承認物質エチレンオキシド、ブラジル産オランダ経由種なし白ブドウの未承認物質マトリン、中国産 HPMCカプセルの2-クロロエタノール、トルコ産ブルガリア経由煎った殻付きピスタチオのアフラトキシン、スペイン産食品サプリメントの未承認物質エチレンオキシド、ギリシャ産種抜きグリーンオリーブのバッチの二酸化硫黄(SO2)非表示、オランダ産煎ったピーナッツフレーバーリキッドの2-クロロエタノール、

注意喚起情報(information for attention)

インド産ガラムマサラの多環芳香族炭化水素、タイ産乾燥冷凍ホソヒラアジのヒスタミン、モロッコ産ザクロの未承認物質オメトエート及びジメトエート、ロシア産クリスピーピーナッツキャンディーのアフラトキシン、オランダ産原料ベトナム産解凍調理済バナメイエビの亜硫酸塩非表示、インド産クロタネソウ種子のクロルピリホス及びヘキサクロロベンゼン、南アフリカ産グレープフルーツのプロピコナゾール、モロッコ産豆のオキサミル、アルゼンチン産レモンのプロピコナゾール、スリランカ産motta karuppan米の未承認物質トリシクラゾール、アイルランド産有機生乳チェダーチーズのヒスタミン、トルコ産煎った塩味殻付きピスタチオのアフラトキシン及びオクラトキシンA、インド産ブラッククミンシードの未承認物質クロルピリホス、トルコ産カリフォルニアペッパーの未承認物質クロルピリホス、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮ペッパーのホスチアゼート、トルコ産殻付きピスタチオのアフラトキシン、中国産アカシア蜂蜜の未承認物質マトリン、ブラジル産茹でピーナッツ穀粒のトリクロピル、イラン産皮付き乾燥リンゴのプロパルギット、イラン産乾燥タンジェリンのエチオン、イラン産乾燥レッドオレンジのプロピコナゾール及び未承認物質クロルピリホス、イラン産乾燥オレンジのプロピコナゾール、ジョージア産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、アゼルバイジャン産ヘーゼルナッツのアフラトキシン、トルコ産パプリカのアセタミプリド及び未承認物質クロルピリホス-メチル、トルコ産オレンジのクロルピリホス-メチル及びフェンバレレート、インド産パーボイルドバスマティ米の未承認物質クロルピリホス、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、米国産ピーナッツ穀粒のアフラトキシン、トルコ産殻付きピーナッツのアフラトキシン、トルコ産殻を取ったピスタチオのアフラトキシン、中国産英国経由メラミン皿からのホルムアルデヒドの溶出、中国産子供用陶器マグからの鉛の溶出、トルコ産生鮮マンダリンのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮ペッパーのクロルピリホス-メチル、トルコ産生鮮オレンジのプロクロラズ・未承認物質クロルピリホス-メチル及びエスフェンバレレート、

 

[HK] 硝酸塩と亜硝酸塩 - 添加するべきか、すべきでないか?

Nitrate and Nitrite – To Add or Not to Add?

15 Dec 2021

https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_185_02.html

なぜ食品に硝酸塩や亜硝酸塩が含まれるのか?

硝酸塩と亜硝酸塩は窒素循環の一部として天然に発生し、土壌、水及び食品に含まれる。硝酸塩は植物の成長にとって必須栄養素であり、容易に亜硝酸塩に変換され、元に戻る。硝酸塩は葉物野菜に最も含有量が多く、ほとんどの野菜に含まれる。硝酸塩と亜硝酸塩は肉類など他の食品にも少量ながら天然に含まれる。

ヒトは長い間、肉の保存料として硝酸塩と亜硝酸塩を使用してきた。亜硝酸塩は食品保存のための有効成分であり、一方、硝酸塩は食品中の細菌に還元されて亜硝酸塩に変換後、保存機能を発揮する。硝酸塩と亜硝酸塩は加工肉の安全性を保つために重要であり、現在のところ、費用対効果の高い代替品はない。

また、硝酸塩と亜硝酸塩は加工肉の色を引き立たせる。亜硝酸塩はまず筋肉の色素、ミオグロビンと反応する一酸化窒素を生成する。それは加熱すると、特徴的なピンク色の原因となる。また、硝酸塩と亜硝酸塩は、保存中の酸化による異臭の発生を防止する。

硝酸塩と亜硝酸塩は安全か?

硝酸塩はヒトの腸内で亜硝酸塩に変換され、その後、内因性ニトロソ化を引き起こす可能性があり、生成されるN-ニトロソ化合物による健康への有害影響が懸念される。

国際がん研究機関(IARC)は加工肉を「ヒトに対する発がん性がある」と分類する。IARCは、摂取された硝酸塩及び亜硝酸塩の発がん性を評価し、特定の条件下で硝酸塩及び亜硝酸塩がニトロソアミンなどのN-ニトロソ化合物を生成し、動物実験においてがんの原因となる可能性があるという考察に基づき、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類している。しかし、食品中の硝酸塩や亜硝酸塩自体がヒトのがんの原因であるエビデンスは不十分であり、限定的である。また、加工肉の摂取と発がんリスクの増加との関連には、他の要因の可能性もある。例えば、加工肉を火にかける高温調理は、発がん又は発がんが疑われる物質の多環芳香族炭化水素や複素環芳香族アミンなどの化学物質を生成する。この関連性についてはまだ十分に解明されていないが、加工肉はナトリウム(塩分)や飽和脂肪酸を多く含むことが多いため、過剰摂取を避けるべきである。

FAO/WHO合同食品添加物委員会は、硝酸塩と亜硝酸塩の安全性を評価し、メトヘモグロビン血症などの健康への有害影響がない量に基づくガイダンス値を示した。欧州食品安全機関は,食品添加物としての亜硝酸塩の使用に伴う体内でのニトロソアミンの生成を推定し、許容量で食品に添加される亜硝酸塩及び硝酸塩の許容値の使用は安全であると結論づけている。

香港の硝酸塩及び亜硝酸塩の規制管理について

香港では、硝酸塩と亜硝酸塩は、塩漬け肉を含む特定の食品において、指定された量でのみ使用が許可される。包装食品に硝酸塩や亜硝酸塩を使用する場合は、食品医薬品(組成と表示)規則の要件に従って成分表に表示しなければならない。

 

[WHO]出版物

Publications

WHO飲料水質ガイドラインの開発のためのバックグラウンド文書

22 December 2021

-ニッケル

Nickel in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.6

-アスベスト

Asbestos in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.4

-マンガン

Manganese in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.5

-銀

Silver in drinking-water

https://www.who.int/publications/i/item/WHO-HEP-ECH-WSH-2021.7

 

[DWI]飲料水報告書2021

Drinking Water 2021

https://www.dwi.gov.uk/what-we-do/annual-report/drinking-water-2021/

第二四半期報告書発表

209件の規制違反が報告されている

微生物、濁り、放射性物質(シリー諸島でアルファ線とベータ線とラドン、コーンウォールはもともとバックグラウンドが高い)等

 

英国政府

COVID-19モデラーが最悪の結果しか見ないというのは事実ではない

It’s not true COVID-19 modellers look only at worst outcomes

24 December 2021

From:Government Office for Science and Sir Patrick Vallance

https://www.gov.uk/government/speeches/its-not-true-covid-19-modellers-look-only-at-worst-outcomes

The Timesに2021年12月24日に発表された記事

ワクチン学は我々にブースターの重要性を教え、ウイルス学は気道や肺でのウイルスの複製速度の違いを教える。疫学は人々の間での拡散の速度や割合に知見を与える。同時に臨床データのモニタリングはオミクロンの重症度を見定めようとする。非常に多くの異なる要因が関係するため、疫学モデラーはその全てを解明しようとする困難な仕事をもつ。彼らは異なるたくさんのシナリオをモデル化しようとしている。モデラーは常に広範な可能性についての仮定をするが最悪の場合のみをモデル化しているわけではない。SAGEの仕事は「合理的な最悪シナリオ」を含む助言を提供することで、答えや指示を提供することではない

(いろいろ略。疫学モデルへの風当たりが強いようだ。予言みたいに報道するから。)

 

その他

-クリスマスツリーは本物と偽物のどちらが環境により優しい?

Is it more environmentally friendly to get a real or fake Christmas tree?

Ada McVean B.Sc. | 23 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/environment-general-science/it-more-environmentally-friendly-get-real-or-fake-christmas-tree-0

本物の木の方が明らかに良さそうだと思えるかもしれないがそれほど簡単ではない。ツリー自体の環境負荷を最小にしたいなら人工のツリーを2-9年使うのがいい。しかし何より大事なのは家の近くで買うことだ。ツリーそのものよりあなたの移動の方がはるかに環境影響が大きいので。

(北米だと車で相当な距離を運ぶんだろう)

 

-酸素添加水を飲む意味はあるか?

Is there any point in drinking oxygenated water?

Joe Schwarcz PhD | 23 Dec 2021

https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition-you-asked/there-any-point-drinking-oxygenated-water

シンプルな答えはノー!

しばしばアスリートを標的にした「酸素水」販売業者が効果を宣伝しているが理論的にも実験的にも意味は無い。さらに酸素水周辺には汚染により大気の酸素濃度が減っているからスーパー酸素水で補充しなければならないという馬鹿げた主張もある。全くのナンセンスである。他にも「酸素をマイクロカプセル化した水クラスター中に安定化」「水分子の酸素摂取能力を強化」「酸素の半径より小さいO2, O4, O5, O6 および O7を使用」のような戯言が宣伝されている。騙されないように。