2022-01-11

[BfR]進歩した素材は安全で持続可能であるべき

Advanced materials should be safe and sustainable

January 5, 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/advanced-materials-should-be-safe-and-sustainable.pdf

2022年1月5日付のドイツ連邦労働安全衛生研究所、ドイツ連邦リスク評価研究所、ドイツ環境庁からの共同通信No 004/2022

ドイツの高等連邦当局は、共同勧告で、どのようにしたら 安全で持続可能な進歩した素材の開発を管理及び規制することができるか全体像を描いている。進歩した素材という用語は、未来志向型応用のための機能要件を満たすように意図的に設計された、広範で多様な素材群を指すと理解されている。本ペーパーでは、良い統治に関するリスク評価、持続可能性及び管理の側面を扱い、関連する行動分野を概説する。(https://www.umweltbundesamt.de/publikationen/risk-governance-of-advanced-materials

進歩した素材の技術的応用は、しばしば世界的な課題、例えば、再生可能エネルギー、エレクトロモビリティ又は健康分野などの課題を解決することが期待されている。しかし、革新的な素材の技術的な歴史を見てみると、集中的に使用された後に初めて明らかになる、ヒトや環境に対する危険の出現があることがわかる。今日の進歩した素材は複雑で、その用途は多岐にわたる。そのため、より一層、早期に安全で持続可能な新素材の開発を規制し、管理することが重要である。

そのため、ドイツ連邦労働安全衛生研究所(BAuA)、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)及びドイツ環境庁(UBA)は、進歩した素材に関する責任ある使用と適切なガバナンスについての勧告をまとめた共同ペーパーを公表した。これには、特に、懸念素材をタイムリーに特定するための早期警告システムを含む。当局は、又、既存の法律、規則及び評価方法をレビューし、適応させる必要があると考える。それによってのみ、技術革新に対応した法的枠組みを構築することができる。

この共同見解は、化学物質、素材及び製品の安全で持続可能な設計(「デザインによる安全と持続可能性」)の概念に関する現在の議論に基づいている。その上で、これらの概念を進歩した素材に適用するために、何を考慮する必要があるかについて助言する。このテーマの学際的な性質と関係する利益団体の多様性を考慮し、本ペーパーは対話のメカニズムを確立することの重要性を強調する。さらに、今後の研究の必要性についても定めている。特に、予備研究は、素材革新の安全で持続可能な早期開発を支援するために、より強化するべきである。また、具体的な規制措置の必要性を検討し、適合する試験及び評価方法を開発するといった、規則に付随する研究も必要である。

本ペーパーは、BAuA、BfR及びUBA の現在の活動、考察及び勧告をまとめたものであり、国、欧州及びOECD(経済協力開発機構)レベルでの議論の基礎となることを意図している。この共同勧告は、ナノ素材やその他の革新的素材の応用安全性及び環境適合性に関するドイツ高等連邦当局の共同研究戦略に基づいている。また、UBAが主催した進歩した素材とその課題に関する3つの国際テーマ別会議で行われた議論も取り上げている。

 

[EFSA]意見等

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるPolymetrix pelletテクノロジーに基づくMOPETプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process MOPET, based on the Polymetrix pellet technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(1):7013  7 January 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7013

(科学的意見)

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるPolymetrix pelletテクノロジーに基づくNOVAPETプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process NOVAPET, based on the Polymetrix pellet technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(1):7011 7 January 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7011

(科学的意見)

 

-使用後のPETを食品と接触する物質へリサイクルするために使用されるPolymetrix pelletテクノロジーに基づくLuxPETプロセスの安全性評価

Safety assessment of the process LuxPET, based on the Polymetrix pellet technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

EFSA Journal 2022;20(1):7012  7 January 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7012

(科学的意見)

3件とも同じ結論

このプロセスから得られるリサイクルPETを室温で長期保存される全ての種類の食品と接触する物質の製造に100%使用しても、安全上の懸念とはならない。このリサイクル PETで作られた最終製品は電子レンジやオーブンで使用することを意図しておらず、そのような使用はこの評価の対象外である。

 

-ビタミン類とミネラル類の耐容上限摂取量を設定するためのデータと方法論に関するワークショップ

Workshop on data and methodologies for establishing tolerable upper intake levels for vitamins and minerals

EFSA Journal 2022;19(1):EN-6972  5 January 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6972

(イベント報告書)

EFSA のNDAパネルは2021年9月28日と29日にビタミン類とミネラル類の耐容上限摂取量(ULs)を設定するためのデータと方法論に関するオンラインワークショップを企画し、微量栄養素のUlsの開発に関するEFSAのガイダンス文書改訂に関する概念と方法論の原則について意見交換を行った。

 

[CFIA]2019-2021ベーカリー製品の表示されていないアレルゲン

Undeclared Allergens in Bakery Products 2019 to 2021

2022-01-05

https://inspection.canada.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-bulletin-and-reports/undeclared-allergens-in-bakery-products/eng/1640107900963/1640108080917

合計182のベーカリー製品のサンプルの表示されていないアレルゲンを調べた。サンプルの91.2% (166)に表示されていないアレルゲンは含まれていなかった。サンプルの8.8% (16)は、乳タンパク(βラクトグロブリン(BLG)及びカゼイン)、卵、ピーナッツ、ゴマなどの表示されていないアレルゲンに対して陽性だった。

見つかった濃度がアレルギーのある人に健康上の懸念を引き起こすかどうか判断するために、全ての陽性結果がCFIAの食品安全リコール室(OFSR)に送られた。この調査で表示されていない卵2、ゴマ1、ピーナッツ1、牛乳(BLG)1の5製品のリコールがあった。CFIAによるフォローアップ措置の範囲は、健康リスク評価が定めた汚染の深刻さや結果として生じる健康上の懸念に基づいている。

健康リスク評価は通常一回提供量を使って暴露量をもとに行われるため検出されたもの全てがリコールされるわけではない。

リコールされたパン/ロールの卵3800 ppmとパンのごま1400ppmは表示が不適切

ドーナッツのピーナッツ 0.9 ppm、トルティーヤの卵 14 ppm、パンのBLG 18 ppmは交差接触の可能性

 

[CFIA]欧州連合に輸出するカナダの商用動物及び食品に関する新たなデジタル要件

New digital requirements for Canadian commercial animal and food products exported to the European Union

January 7, 2022

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2022/01/new-digital-requirements-for-canadian-commercial-animal-and-food-products-exported-to-the-european-union.html

カナダ食品検査庁(CFIA)は、欧州連合の輸出にTRACES NTによる最新の輸出証明書の使用が求められるため、「貿易管理及び専門システムニューテクノロジー(TRACES NT)」システムをカナダ企業が利用できるよう措置を講じる。

 

[EU]RASFF 2022(0102-0108)

警報通知(Alert Notifications)

中国産陶器皿からの鉛及びコバルトの溶出、オランダ産原料パキスタン産飼料用米ぬかのアフラトキシン、インド産フランス経由各種スパイス及び調理済調味料のエチレンオキシド、トーゴ産有機ゴマ種子のアフラトキシン、

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産レッドグレープフルーツのクロルピリホス、ギリシャ産イタリアで包装したチルド燻製ニシンのカドミウム、トルコ産レッドグレープフルーツのクロルピリホス及び酸化フェンブタスズ、エジプト産オレンジの未承認物質クロルピリホス及びジメトエート、チリ産スペイン経由サクランボのテブコナゾール、スペイン産シイタケの未承認物質ジチオカルバメート、インド産茶のアセタミプリド及びモノクロトホス、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、インド産英国から販売した粉末ショウガのアフラトキシン、セネガル産キビ粉のアフラトキシン、コロンビア産パッションフルーツのスピロテトラマト、

通関拒否通知(Border Rejections)

トルコ産生鮮オレンジの未承認物質クロルピリホス、トルコ産生鮮レモンのプロクロラズ、トルコ産マンダリンのプロクロラズ、トルコ産マンダリンのクロルピリホス、中国産ナイロン製台所用品からの一級芳香族アミンの溶出、ウガンダ産生鮮チリペッパーのラムダ-シハロトリン、トルコ産生鮮マンダリンのエスフェンバレレート、ボリビア産有機ピーナッツのアフラトキシンB1、ウガンダ産チリペッパーのシペルメトリン及びオメトエート、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダンⅣ、インド産ガルシニア・カンボジア抽出物のエチレンオキシド、トルコ産殻をとったピスタチオのアフラトキシン、アラブ首長国連邦産殻付きピスタチオのアフラトキシン、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、中国産殻付きピーナッツのアフラトキシン、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、米国産殻をとったピーナッツのアフラトキシン、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、トルコ産生鮮マンダリンのフルシラゾール、トルコ産生鮮グレープフルーツのクロルピリホス、

 

[FDA]Moor Herbsは健康リスクのためAngel Formula乳児用調製乳をリコール

Moor Herbs Recalls “Angel Formula” Infant Formula Because of Possible Health Risk

January 07, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/moor-herbs-recalls-angel-formula-infant-formula-because-possible-health-risk

Moor HerbsのAngel Formula乳児用調製乳は、鉄分、ナトリウム、カリウムの含有量が許容値を大幅に超え、ビタミンDも含まれておらず、栄養及び表示要件に従っていないためリコール。製品写真有り。

 

[ODS]NIH Office of Dietary Supplements 2021–2022 セミナー一覧

NIH Office of Dietary Supplements 2021–2022 Seminar Series

January 10, 2022

https://events-support.com/Documents/ODS_Seminar_Series_2021_2022_Schedule.pdf

 NIH Office of Dietary Supplements 2022年冬/春のセミナー情報。

 

[DHSC]保護者が子どもの食事を改善するのに役立つ新しいキャンペーン開始

New campaign launched to help parents improve children's diet

10 January 2022

https://www.gov.uk/government/news/new-campaign-launched-to-help-parents-improve-childrens-diet

両親が子どもたちの食事をより良くするのに役立つ、新しいNHS食品スキャナーアプリを含む、政府の新しいベターヘルスキャンペーン開始

ロックダウン中に、家庭では食品をより多く買い、ロックダウンが終わった後でも通常レベルより多いまま。またネットマムの調査では58%の保護者がパンデミック前よりも砂糖や脂肪の多いスナックを子どもたちに多く与えていることが示された。

NHS食品スキャナーアプリは、製品のバーコードを店舗でスキャンするとより健康的な代替品を示唆するもの。無料でダウンロードできる

 

 

[BfR]実験動物保護:実験室での飼育条件に関して考慮すべき視点

Protection of laboratory animals: The point of view of the animals should be considered with regard to their housing conditions in the laboratory

5 January 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/protection-of-laboratory-animals-the-point-of-view-of-the-animals-should-be-considered-with-regard-to-their-housing-conditions-in-the-laboratory.pdf

PLOS ONEに発表した研究の紹介

(飼育環境のエンリッチメント)

 

[BfR]コロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 4–5 January 2022

https://www.bfr.bund.de/cm/349/220104-bfr-corona-monitor-en.pdf

 

論文

-GABAに富むトマトが市場に入った最初のCRISPR編集食品

GABA-enriched tomato is first CRISPR-edited food to enter market

Nature Biotechnology (Nat Biotechnol) ニュース

14 December 2021  Emily Waltz

https://www.nature.com/articles/d41587-021-00026-2

サナテックシードのシシリアンルージュCRISPR編集「健康増進」トマトが消費者に届き、さらなるゲノム編集果物、野菜、魚への道を拓く可能性

2021年5月にゲノム編集トマトの苗を家庭菜園用に送付して消費者の反応をテストしたササナテックは、ポジティブな手応えにインターネットでの直接販売を9月に開始し、翌月には次のシーズンの苗の注文を取り始めた。

サナテックはトマトに血圧を下げる治療効果があるとは主張しない。その代わりGABA摂取が降圧やリラクゼーション作用があり、トマトが高濃度GABAを含むとして示唆している。このやりかたが一部の研究者に眉をひそめさせる。GABAの健康効果には根拠が乏しいからだ。(根拠に乏しいことの説明略。きのせい食品だからね)

サナテックの家庭菜園を楽しむ人たちへの直接マーケティング戦略はゲノム編集野菜果物にとってはスマートなやり方だとJohn Innesセンターの植物学者Cathie Martinはいう。Martinはアントシアニンを多く含む紫トマトを作ったが大企業の支援は無く、自分たちで市場にだそうとしている。これまでゴールデンライスのような栄養強化作物はたくさん開発されてきたが実験室の棚に留まっている。だからサナテックシードのハイGABAトマトは注目されている。Martinはハイアントシアニントマトの健康効果を宣伝する計画はない。

(一部抜粋、いろいろおもしろい視点。なお写真のトマトは大玉トマトっぽいのでそれは残念。そこはシシリアンルージュの写真を使って欲しかった)

 

-マスクを着けるよう指示することの意図せぬ帰結

Unintended consequences of edicts to wear a mask

9-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939538

政府は政策を有効にするためにマスク義務化周辺のメッセージについて注意する必要がある。バングラデシュで自宅外ではマスクが義務化されたとき、人々の外出が増え日々の感染者数が増えた。BMJ Global Health

 

-The Lancet VOLUME 399, ISSUE 10320, P117, JANUARY 08, 2022

エディトリアル

子どもと青少年にはより良い未来を

Children and adolescents deserve a better future

COVID-19は子どもや若者にとって壊滅的だった、そしてまだそうである。ユニセフは12月の報告書でこのパンデミックを「75年の歴史の中で最大の子どもたちへの脅威」と呼んだ。学校や大学の休校が世界的に教育や技術の欠乏をもたらし不平等が拡大した。青少年にとってレジリエンスや社会的役割、アイデンティティの発達にとって必須の時期に仲間との対面接触の無さは大きな帰結につながる。若者の精神衛生への影響は今後数年経ってわかるだろう。

子どもや若者は我々のより良い未来のための最善の資産である。年上の成人は若者の声を聞く必要があるだけではなく若者に参加させ主導権を発揮する場所を与える必要がある。

 

コメント 我々の将来に栄養を与える:青少年の栄養に関するLancetシリーズ

Nourishing our future: the Lancet Series on adolescent nutrition

George C Patton et al.,

 

青少年の栄養のための新たな世界的枠組み?

A new global policy framework for adolescent nutrition?

Ayoub Al-Jawaldeh et al.,

 

毒入り帝国の凋落

The fall of a poisoned empire

Margaret McCartney

Patrick Radden Keefe著「痛みの帝国:Sackler 王朝秘史Empire of Pain: The Secret History of the Sackler Dynasty」の書評

Arthur M Sackler (1913–87)は精神科医で研究者でマーケティング代理店のオーナーだった。医療広告殿堂では「医療広告の特徴を形成した個人で彼以上の人はいない」と紹介されている。Sacklerが1952年に購入した小さな製薬会社Purdue Frederickはその約50年後、オキシコドンの依存症とそのマーケティングに関連して有罪判決を受け莫大な罰金と破産に合意した。Patrick Radden Keefeの著書はオピオイド危機へのSackler 王朝の関与を追跡する。

(処方した医師へのキックバックや都合のいいことしか書いてない宣伝パンフレットの配布、メディア演出等今でも「有効」にインチキ治療の宣伝に使われている手法。アメリカのオピオイド過剰使用死は1999 年から 2019年に50万人以上で今も拡大中で被害が莫大すぎる)

 

オフライン:起源の物語-ディープエコロジーに向かって

Offline: The origins story—towards a Deep Ecology

Richard Horton

(SARS-CoV-2の起源探求に関する4つの提言。最後にArne NaessのDeep Ecology概念を好意的に紹介しているところが危うい感じがする。欧州のインテリは地球のために人間は減るべきだと思っているのだろう)

 

その他

SMC UK

-英国のCOVID-19パンデミック第一波中の成人死亡率を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at what the COVID-19 pandemic did to death rates in adults in the first wave in the UK

JANUARY 6, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-what-the-covid-19-pandemic-did-to-death-rates-in-adults-in-the-first-wave-in-the-uk/

PLOS Medicineに発表された研究が、英国におけるCOVID-19パンデミック第一波中の全原因による過剰死亡に関連する要因を調べた

Reading大学細胞微生物学准教授Simon Clarke博士

これらのデータは、全ての人の、原因はなんであれ、死亡するリスクがパンデミック第一波で同じような量増加したことを示す。一部の人にとってはそれはCovid-19感染だったが、他の人にとってはパンデミックの影響による他の理由である。ただしこのデータがロックダウンのような特定の要因による根拠だという過剰解釈には注意。

Cambridge大学リスクと根拠のコミュニケーションのためのWintonセンター長Sir David Spiegelhalter教授

Covidによるリスクは我々全てが人生で直面する個々のリスクに概ね比例することが確認されたのは良い。Covidは既にあった弱点を拡大したのだ。

著者らが言うように、我々全てに対して相対リスクは同じであったとしても、もともと死亡リスクのベースラインが高い脆弱な人々は、死亡の絶対リスクは高い。完全に明らかになっていない理由で、このウイルスは弱い、脆弱なところに目をつける。それは虐めbullyである。

‘Factors associated with excess all-cause mortality in the first wave of the COVID-19 pandemic in the UK: A time series analysis using the Clinical Practice Research Datalink’ by Helen Strongman et al.

https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1003870

(高齢者が多く死亡したのはもともと高齢者の死亡リスクが高かったから、とのこと。例外は認知症と学習困難者)

 

-中国が果物にコロナウイルスを発見して検査を強化

China steps up checks after coronavirus fruit findings

By News Desk on January 8, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/01/china-steps-up-checks-after-coronavirus-fruit-findings/

中国がベトナムとタイの果物の包装からCOVID-19の原因ウイルスを発見して輸入規則を強化した。メディアによると少なくとも9つの中国の都市でベトナム産ドラゴンフルーツとタイ産竜眼に関連したコロナウイルス検査が陽性だった。中国は少なくともベトナム産ドラゴンフルーツについては12月末の検査の知見から1月末まで輸入を中止している。

こうした対策は世界各国からの不満を表明されている。2020年11月のWTO会合で米国が懸念を表明し、オーストラリア、カナダ、EU、インド、ロシアも不安を表明しWTOの特定の貿易上の関心事項specific trade concernはブラジル、日本、ケニア、メキシコ、ニュージーランド、パラグアイ、スイス、英国によって支持されている。

追加対策は、輸入製品の検査と消毒;証明書;販売再開のためのバーチャル査察;従業員がSARS-CoV-2検出された海外食品工場の輸出自粛要請などからなる

これまで中国はチキンウイングやシーフード、魚などの輸出品包装に関連して26件のCOVID-19ウイルス陽性を検出している。

 

-Natureエディトリアル

COVIDは定着した:各国はどう適応するかを決めなければならない

COVID is here to stay: countries must decide how to adapt

10 January 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00057-y

国や地域毎に、社会全体に対して最もダメージの少ない対策を探る時期であるとNatureのエディトリアルが言う。

(こういう場面で分野横断的に専門知をまとめられるNASEMのような組織が役に立つのだろうけれど。)

 

-Alex Jonesの Infowarsストアは3年で1億6500万ドル以上、記録が示す

Alex Jones' Infowars Store Made $165 Million Over 3 Years, Records Show

By Sebastian Murdock 01/07/2022

https://www.huffpost.com/entry/infowars-store-alex-jones_n_61d71d8fe4b0bcd2195c6562

HuffPostが最初に入手した新しい裁判記録は、如何に陰謀論者がサプリメントやサバイバル器具を売って帝国を築いているかを示す

 

-アメリカ人の口腔健康

Oral Health in America

https://www.nidcr.nih.gov/oralhealthinamerica

アメリカ人の口腔健康:進歩と課題

Oral Health in America: Advances and Challenges

2021年12月、以前のバージョンは2000年

要約

https://www.nidcr.nih.gov/sites/default/files/2021-12/Oral-Health-in-America-Executive-Summary.pdf

重要メッセージ

・良い口腔健康は健康と福祉全体にとって重要

・過去20年間の研究と政策変更で口腔の健康と病気についての理解や治療が進歩したがまだ多くの人が問題を抱え治療にアクセスできない

・健康的行動で口腔の健康が維持できる

・薬物や精神衛生が口腔健康に悪影響

・口腔健康サービスは専門家協力モデルへ迅速に進化中

・COVID-19は課題

 

-小鼻にワセリンを塗るとCOVID迅速検査をごまかせる?

Can you fool a COVID rapid test by putting Vaseline in your nostrils?

Joe Schwarcz PhD | 7 Jan 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19/can-you-fool-covid-rapid-test-putting-vaseline-your-nostrils

乾燥予防のために鼻の中にワセリンを塗るのは良い考えではない。短期間なら問題ないが長く続けて肺障害になった事例が報告されている。

一部の人たちが飛行機に乗る前の検査で陰性になるために鼻にワセリンを塗っているという。効果があるかどうかは明確ではないがおそらくないだろう。人々が検査を誤魔化そうとするのはこれが初めてでは無く、イングランドでは検査陽性にして学校を休もうとした学生が検査ストリップにジュースやコーラのような酸性液で陽性にできることを発見している。そうやってずる休みをした学生がどのくらいいるのかは不明である。

さらに今は偽物の検査の販売が重大な懸念である。ニセのワクチン証明など、犯罪者はいつも人々の絶望をお金にしようと待ち構えている。

一般論として、鼻の中にワセリンを塗るのは良い考えではない。

(以下ワセリン発見の話)

 

-幻の関連に光をあてる

Shedding Light on Illusionary Connections

Joe Schwarcz PhD | 7 Jan 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/covid-19/shedding-light-illusionary-connections

非凡な女性コメディアンBetty Whiteが100才の誕生日を迎える18日前の12月31日に亡くなった。間もなく熱狂的反ワクチンコミュニティのメンバーが三日前のブースターショットで死亡したと言い出した。

Betty Whiteの広報担当者は彼女がブースターショットを受けた事実は無いと言っている。

この件の問題点は二つで、意図的に事実がねつ造されていること、それから前後即因果の誤謬“post hoc ergo propter hoc”である。

さらにテキサスの「科学とスピリチュアリティを統合することを目的とする」“Modern Holistic Health”創設者Dr. Elena Villanuevaの「巨大製薬会社と主流メディアが隠しているワクチンの副作用」メールの紹介。

 

-反ワクチン(NovakをNo-Vaxxと書いている)ジョコビッチ:「日常に潜む反科学の変人」

No-Vaxx Djokovic: an “anti-scientific crank hiding in plain sight”

Edzard Ernst 08 January 2022

https://edzardernst.com/2022/01/no-vaxx-djokovic-an-anti-scientific-crank-hiding-in-plain-sight/

(全豪オープンの入国で話題のジョコビッチの代替療法への傾倒を示す記事の紹介。グルテンフリーの宣伝でもセリアック病の診断はキネシオロジーによるとのことだったし。)