2022-01-12

[BfR] 日用品のビスフェノールA:FAQ

Bisphenol A in Everyday Products: Answers to Frequently Asked Questions

16 December 2021

https://www.bfr.bund.de/en/bisphenol_a_in_everyday_products__answers_to_frequently_asked_questions-60837.html

住宅や乗り物の建造、DVDやスマートフォンなどの消費者製品、食品包装やボトルなどに使用されているプラスチック・ポリカーボネートは、ビスフェノールAという物質から作られる。この物質は、飲料や食品缶の内部コーティング、以前は感熱紙にも使用された。

2016年7月、欧州化学品庁はビスフェノールAを生殖毒性に分類し、2017年1月にREACH規則による高懸念物質(SVHC)に認定した。2017年6月には、ヒトの健康に対するいわゆる内分泌攪乱物質としての特性から、2018年には環境に対する内分泌攪乱物質として、SVHCに指定された。

 欧州食品安全機関(EFSA)は、ビスフェノールAの再評価を2021年12月に公表し、新たにビスフェノールAの耐容1日摂取量(TDI)を0.04 ng/kg 体重/日と導出した。新しい値は以前の暫定的な指標値の約10万分の一である。

EFSAがTDIを引き下げた背景には、妊娠中及び出産後の最初の期間に母獣(母動物)がビスフェノールAを摂取すると、その子孫の特定の免疫系細胞数の変化につながるというマウス研究のエビデンスがある。このような免疫系への影響が、マウスにとってどの程度有害なのか、またその結果がヒトにあてはまるのか、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の見解では、現在のところまだ未解決の科学的問題である。これまでのところヒトでの研究ではビスフェノールAの摂取と免疫系への影響の間に因果関係は確認されていない。

以下、ビスフェノールAに関するよくある質問について、BfRの回答である。

             

ビスフェノールAとは?

ビスフェノールAは、工業化学物質の2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンで、主にポリカーボネートプラスチックや合成エポキシ樹脂の製造の出発物質として使用される。

 

ビスフェノールAはどこにあるのか?

ビスフェノールAは、プラスチックのポリカーボネートとエポキシ樹脂の製造に使用される。ポリカーボネートは非常に硬く、壊れにくく、化学耐性があり、透明である。これらの特性のため、建築や車両製造、DVDやスマートフォンなどの消費者製品とその用途は多岐にわたる。又、飲料用ボトル、保存容器又は食器などの食品接触物質がポリカーボネートから作られる。エポキシ樹脂は、接着剤、繊維複合プラスチック、プリント基板や塗料又、飲料缶や食品缶の内部コーティングにも使用されている。ポリカーボネートやエポキシ樹脂からは、少量のビスフェノールAが放出されることがある。この物質は、特に、感熱式プリンターやファックス用のいわゆる感熱紙(レシート、駐車券、包装シールなど)の発色剤として使用されていた。この使用は、2020年1月から禁止されている。

 

ビスフェノールAにはどのような影響の可能性があるか?

この物質の急性毒性は低いが、動物実験で長期間摂取する(暴露する)ことで、多くの影響と関連する。

2015年、EFSAは最も感度の高いエンドポイントとして、腎臓と肝臓への損傷を特定した。動物実験では、ビスフェノールAは高用量で生殖毒性があった。また、免疫系や代謝系への影響の可能性が示唆されたほか、思春期の早期開始や乳腺組織の変化など、若いネズミの発達に影響を与える可能性が示唆された。

ホルモン濃度に影響する多くの細胞制御経路への影響や特定の内因性タンパク質の産生がメカニズムであると推測される作用がある。このホルモン様(特にエストロゲン様)作用機序のため、欧州化学品庁はビスフェノールA をホルモン損傷を引き起こす性質(内分泌攪乱物質)を持つ「高懸念物質(SVHC)」に指定している。ビスフェノールAはまだヒトの健康に有害であるとは証明されていない。ヒトの体内では この物質はすぐに代謝産物に変換され、エストロゲン作用を発揮しなくなり、腎臓経由で排泄される。

2021年12月からの再評価において、EFSAはビスフェノールAの摂取による免疫系への影響が、最も感度の高いエンドポイントであると同定した。マウスを用いた研究により妊娠中及び出産後の期間に、母獣(母動物)がビスフェノールAを摂取することで子孫の適応型(特異)免疫系の細胞数が変化することが示された。このような免疫系への影響がどの程度マウスにとって有害であるかどうか、またその結果をヒトにあてはめられるのか、BfRの見解では、現時点ではまだ未解決の科学的課題である。

 

欧州化学品庁(ECHA)が、ビスフェノール Aは、「内分泌攪乱物質」としての特性のため、高懸念物質(SVHC)に指定したとはどういうことか?

ビスフェノールAは2016年7月にすでに生殖毒性(CLP規則による1B「生殖能力を損なうおそれ」)に分類されており、この分類に基づき2017年1月にREACH規則でSVHCと指定された。REACH規則は、現在有効な欧州の化学物質法である。「REACH」とは化学物質の登録、評価、認可、制限を意味する。以下、SVHCの詳細情報。

https://bfr.bund.de/cm/343/reach-identifizierung-der-besonders-besorgniserregenden-stoffe svhc-bis-2020.pdf

SVHCとして物質が指定されることは、製造者、供給者及び販売者に一定の義務が発生することを意味し、いわゆる認可対象候補リストとして公表される。認可対象候補リストに収載された物質は、さらなる基準によって認可の対象となる場合がある。そして、これらの物質は、意図された用途が許可され、安全である場合にのみ、一定の期限を設定して上市又は使用することができる。詳細については、BfRウェブサイトの「REACHに基づく認可」と(http://www.bfr.bund.de/de/zulassung_unter_reach-53480.html)

欧州化学品法「REACH」に関するFAQ (http://www.bfr.bund.de/cm/343/ausgewaehlte_fragen_und_antworten_zu_reach.pdf

ビスフェノールAは、2017年6月には、ヒトの健康に対するいわゆる「内分泌攪乱物質」としての特性から、再びSVHCに指定された。2018年1月には、環境に対する内分泌攪乱物質としての特性からもSVHCに指定された。内分泌攪乱物質とは、ホルモン系に影響を与えることで有害な影響を及ぼす物質である。

ビスフェノールAの今回の追加のヒトに関連するホルモン損傷特性に基づく指定は、認可候補が、生殖毒性だけでなく、環境及び健康に関連するすべてのホルモン損傷特性に関してもリスクを評価しなければならないことを確実にする。

 

BfRは、SVHC候補リストに「内分泌攪乱物質」としてビスフェノールAを含めるというECHAの決定をどのように評価しているか

BfRは、内分泌攪乱物質としての特性による候補リストへの追加収載を支持した。ビスフェノールAについては、生殖毒性に加えて、内分泌攪乱作用機序を介してさらなる影響がもたらされる疑いがあるためである(例えば、乳腺組織の変化、月経周期及び脳の発達さらに動物実験での思春期開始時期の変化など)。内分泌攪乱物質としての指定は、認可対象物質リスト(REACH 規則の付属書 XIV)に含める主張のもう一つの論拠となる。

 

2015年のビスフェノールAに関するEFSAの意見書の評価結果はどうだったか?

2015年、EFSAは暴露を評価、消費者のビスフェノールA摂取量を推定するために、広範なデータを評価した。この分析により、ビスフェノールAの摂取量は、EFSAが以前想定していたよりも少ないという結果を得た。ビスフェノールAの主な暴露源は、食品(経口)と感熱紙(経皮)であった。暴露経路を合計した暴露量推定値によると、2015年に成人消費者は、約0.20から1.1 µg/kg 体重/日のビスフェノールAを摂取していた。子供と青年の場合には、暴露量は0.04から1.4 µg /kg 体重/日であった。2020年初頭から感熱紙のビスフェノールAの使用が禁止され、この原因による暴露は大幅に減少していると考えられる。2015年にEFSAが算出した合計からこの部分を差し引くと、結果は成人の1日の摂取量は0.13から0.41 µg /kg 体重、子供や青年は0.04から0.87 µg /kg 体重となる。

オランダ国民のビスフェノールAへの暴露に関する最近のデータから、消費者の暴露減少の傾向を確認できる。2021年の意見書において、EFSAは暴露評価を実施していない。

2015年、EFSAはビスフェノールAについて、米国国家毒性プログラム(NTP)の一環として、出生前暴露のラットにおける2年間の研究、ヒトに対するトキシコキネティック研究など、さらなる研究が行われたことを指摘した。これらの研究は、ビスフェノールAの健康影響の可能性に関する公表データにおいて2015年にEFSAが説明した不確実性の解明にも役立つ。このため、2015年にはEFSAは暫定(一時)耐容摂取量(t-TDI)を導出し、今回、現在のEFSAの再評価に組み込んだ。

 

2021年のビスフェノールAに関する意見書で、EFSAの評価結果はどうなっているか?

2021年12月、EFSAは新たな研究に基づいてビスフェノールAの新たな耐容1日摂取量(TDI)を導出し、0.04 ng/kg 体重/日とした。TDI値は、生涯にわたって毎日摂取しても気がつく健康リスクがない物質の量を示す。新しい値は、2015年にEFSAが示した暫定の(一時的)健康参照値よりも約10万倍低い。ほとんどの人にとって、食品や他の供給源からのビスフェノールAの摂取量はこの新しい値を超える‐ただし、集団における総摂取量はここ数年減少しつつある(現在の推定摂取量については下記を参照)。EFSAがTDIを引き下げた背景には、妊娠中及び直後の母獣(母動物)のビスフェノールA摂取が、子の特異的免疫系の細胞数に変化をもたらすというマウスを用いた研究からのエビデンスが何よりの理由である。それぞれの細胞は、細菌に対する免疫防御に特に重要であるが、関節リウマチのような自己免疫疾患と関連する可能性があることを示すエビデンスもある。BfRの見解では、マウス研究で観察された知見がどの程度動物に有害なのか、またその結果をヒトに転用できるかどうかは、科学的に不明であり、作用メカニズムの疑いもあるとしている。一方,米国国家毒性プログラムの一環として実施されたラットを用いた大規模な研究では,BPA(ビスフェノールA)の免疫系への影響は実質的には認められなかった。また、ビスフェノールAの摂取とヒトの免疫系への影響の因果関係も、ヒトを対象とした疫学研究(集団研究)ではまだ確認されていない。

 

少量のホルモン様作用を持つ物質が危険と想定されることについて、BfRはどのように考えているか

いわゆる低用量影響、特に高用量ではなく、低用量でのみ示される作用(いわゆる非単調用量反応関係)は、専門家の間で激しい論争になっている。「低」とは、通常、実際の暴露量の範囲かそれ以下の量を意味する。一般に低用量であるほど作用は小さくなるはずである。したがって、「単調な」(着実に増加する)用量作用関係を有する低用量における影響と、実際に証明できるなら、非単調な用量作用関係を有する低用量における影響とを区別する必要がある。2021年10月、欧州食品機関EFSAは、ビスフェノールAという物質について、非単調な用量作用関係のエビデンスを発見できなかった。(https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2021.6877)よって、現在の耐容1日摂取量(TDI)の導出も、非単調な用量反応関係を有する低用量影響に基づいていない。

低用量影響に関する研究は、国際的に数多く実施されており、現在も継続中である。標準的な研究に分子メカニズム的なエンドポイントを追加した新しい研究デザインは、低用量で観察される影響の関連性の可能性を確認するのに役立つだろう。しかし、そのようなエンドポイントが組織や臓器の有害な欠陥と因果関係があることも示さなければならない。これらのエンドポイントは、特定の動物モデルにおける生理的なエンドポイントであることが多く、ヒトにあてはまるかどうかは確実でないので、この点の研究の必要性は大きい。

 

NTP(国家毒性プログラム)の一環として実施した2021年10月に発表された米国の大規模研究プログラムの知見はどのようなものだったのか?

CLARITY-BPA(BPA毒性に関する学術的及び規制上の知見を関連づけるコンソーシアム)プログラムはビスフェノールA摂取の健康影響の可能性の全領域で研究するよう設計された。このプログラムは、NTPの米国環境健康科学研究所(NIEHS)と米国食品医薬品局(FDA)が着手し、2つの要素からなる。一方は、経済協力開発機構(OECD)の試験ガイドラインに準拠したラットの毒性の可能性に関する 2 年間の研究(コア研究)、他方が、各大学での研究の一環として、これらの動物で追加のエンドポイントを研究した。妊娠した雌には,妊娠 6 日目からビスフェノール A を投与した。https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/results/pubs/rr/reports/rr18_508.pdf

子は子宮の中でこの物質を摂取し、次に母乳を通して、そして最長で2年間、飼料を介し摂取した。様々なグループの動物を非常に広い範囲の用量で様々な濃度にさらした。https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/results/pubs/rr/reports/rr18_508.pdf

最高用量を除いて、BPAの暴露(摂取)による生物学的に意味のある健康影響は、コア研究では見つからなかった。したがって、「コア研究のデータは、試験した用量範囲の下限におけるBPA暴露によると考えられるハザードを示唆するものではない」という結論に至った。

 

ビスフェノールAは、いわゆる「チョークのような歯chalky teeth」の形成と因果関係があるのか?

「chalky teeth」とは、子供の歯のエナメル質の発育不全を指す俗称で、科学的には、「molar incisor hypomineralisation(エナメル質形成不全)」あるいは略してMIHと呼ばれる病気である。BfRは2018年にこのテーマを扱い、食品接触物質を介したビスフェノールAの摂取と子どものMIHの発症との間に確立した関連性はなく、ビスフェノールAとヒトにおけるMIHとの直接的な関連性はありそうにないと結論付けた。(https://www.bfr.bund.de/cm/349/connection between-chalky-teeth-in-children-and-the-uptake-of-bisphenol-a-not-likely.pdf

 

ビスフェノールAの摂取とアレルギーや喘息の発症リスクの増加には関係があるか?

マウスを用いたいくつかの研究で、出生前の時期にビスフェノールAを摂取すると、アレルゲンに対する感作のリスクが高まることが示された。その結果、マウスのアレルギー性喘息の発症率が増加した。この観察された影響につながる作用機序はわかっていない。BfRの見解では、意図的な感作とアレルギーの誘発を伴う実験的なマウス研究からのこれらの観察が、どの程度までヒトにあてはまるかは、まだ科学的に答えが出ていない。ビスフェノールAの摂取と、ヒトにおけるアレルギーのリスク増加又は喘息の発症との因果関係は、ヒトにおける研究ではまだ確認されていない。

 

BfRはどのような背景からビスフェノールAの問題を調べているのか?

BfRは、数ある使命の中で、消費者関連製品の物質関連リスクを評価し、それを伝え、リスクを最小化するための必要な措置の選択肢提起をとりわけ法的な使命としている。このような背景から、BfRでは食器や缶及びその他の消費者製品中のビスフェノールAの評価にも携わる。

REACH規則(EC)No.1907/2006との関連において、BfRは「健康及び消費者保護」の評価センターとして、ビスフェノールAの健康面に関する疑問とリスク低減措置の評価に責任を負う。BfRは科学的評価の結果を当局と一般市民に通知するが、ビスフェノールAの使用に関する法的規則の変更や策定は、BfRの責任範囲外である。

 

現在、ドイツ及び欧州連合ではどのような法的基準値になっているか?

ドイツ及び欧州連合では、食品と接触することを意図したプラスチック材及び成形品に関する規則(EU)No.10/2011に規定された基準値を適用する。

この規則では、包装材などのプラスチック製の食品接触物質から食品に移行する可能性のあるビスフェノールAの最大許容量を規定する。このビスフェノールAの「特定移行限度値」(SML)は、現在、食品(模擬物質)1 kgあたり50 µgである。このSMLはEFSAの2015年のt-TDIに基づく。

また、消費者の健康保護の観点から、本規則では、ビスフェノールAをポリカーボネート製の哺乳瓶及び乳幼児飲料用コップやボトルの製造に使用してはならないとも規定する。

材料や物体に塗布され、食品と接触する可能性のあるワニスやコーティング(例えば、ブリキ缶の内部コーティング)は、プラスチック規則の対象外である。それらについては、食品1 kgあたり50 µgのSMLを規則(EU)2018/213に規定している。ビスフェノールAの次の食品への移行は許可されていない:乳児用調製乳、フォローオン調製乳、穀物ベースの加工食品、ベビーフード、乳幼児の栄養要件を満たすために開発された特別医療目的の食品又は乳ベース飲料及び幼児を特に対象とする同様の製品。

欧州玩具安全指令 2009/48/EC では、2015年のEFSAのTDI値を用いて、玩具に含まれるビスフェノールAの移行に関する基準値を設定している。これによると、36ヶ月未満の子供が使用することを意図した玩具や口に入れるその他の玩具における移行限度は、40 µg/L(汗及び/又は唾液の模擬物質)である。

 

食品接触物質からのビスフェノールAの基準値は、欧州連合において現在、変更されるか?

EFSAは現在の知識を評価し、規制措置の決定は、欧州委員会と加盟国が行う。2018年、規則(EU)2018/213は、プラスチック材料又はワニス及び食品接触コーティングからのビスフェノールAの欧州全体のSMLを食品1 kgあたり50 µgに引き下げた。欧州委員会はこの値を、2015年のEFSAの暫定耐容1日摂取量(t-TDI)に基づいて算出した。EFSAは又、食品接触物質に加えて、他の重要な摂取源が存在することを発見した。そのため、SMLは、食品接触物質を通じてt-TDIを最大20%まで摂取できる方法で計算されている。

 

ビスフェノールAの摂取は、消費者の健康リスクの上昇となるか?

2021年の再評価において、EFSAは食品及び飲料水を介したビスフェノールAの1日摂取量の最新の推定を行わず、2015年の意見書の暴露推定値を使用した。この暴露推定値によると、子供と青年は毎日、食物及び飲料水から0.03から0.86 µg/kg 体重のビスフェノールAを摂取している。玩具はビスフェノールA摂取量にわずかに寄与するだけである。成人消費者の場合、食品及び飲料水からの暴露は0.12から0.39 μg/kg体重/日である。

乳幼児、子供及び妊娠可能年齢の女性を含むすべての集団グループにおけるビスフェノールAの摂取量は、新たに導出されたTDI値である0.04 ng/kg体重/日(=0.00004 µg/kg 体重/日)より桁違いに高い。2015年以降、すべての集団におけるビスフェノールAの摂取量がおそらく減少していることを考慮しても、依然、TDIの結果を大幅に上回っている。

したがって、EFSAはすべての年齢層について、食事からのBPA暴露による健康懸念があると結論づけた。

現在のEFSAの評価の包括的レビューの後に、BfRはこの評価に同意するかどうかを判断する。

 

なぜ欧州委員会は哺乳瓶にビスフェノールAを使用することを禁止したのか?

低用量域におけるビスフェノールAの影響についての議論があること、この物質が免疫系や子供の発育に追加の影響を及ぼす可能性があること、又、乳幼児は特に敏感な消費者と見なされることから、欧州委員会は、乳児用哺乳瓶の製造におけるビスフェノールAの使用とこの物質を使用した哺乳瓶の欧州連合加盟国内での流通を禁止している。この禁止令は消費者の健康保護を理由に2011年から施行され、2018年には、「乳幼児を対象とする漏出しない特性をもつポリカーボネート製飲料用コップ又はボトル」の使用にも、禁止措置が全般的に拡大された。

ビスフェノールAの使用は欧州委員会がその使用制限の適用に責任をもつ。

 

ポリカーボネート製の哺乳瓶の代わりとなるものはあるか?

例えば、ポリプロピレン製の哺乳瓶は、製造過程でビスフェノールAを使用しておらず、「BPAフリー」(BPAはビスフェノールAの略)製品として宣伝されているなど、ポリカーボネートに代わるさまざまなプラスチックがある。

一般的にプラスチック製の哺乳瓶の使用を望まない保護者には、ガラス製の哺乳瓶という選択肢もある。ただし、割れたり怪我をしたりする危険性を考慮しなければならない。

ラテックスやシリコーン製の口に入れる玩具にもビスフェノールAは含まれるか?

これらの製造には、ビスフェノールAは必要ないが、プラスチックシールドに含まれる可能性がある。現在の知識では、通常の使用条件下でプラスチックシールドから実際の口に入れる玩具に物質が移行するとは推測していない。

2009年、BfRは、ラテックスとシリコーンで作られた異なる製造業者やブランドの乳幼児が口に入れる18製品について、独自の研究所分析によりビスフェノールAを調査した。使用中にどの程度ビスフェノールAが溶出するかを調べた結果、1時間あたり0.02 µgのビスフェノールAが、1つの口に入れる乳幼児用品でのみ検出された。他の17 用品からはビスフェノールAは溶出しなかった。これらの試験結果は、オーストリア健康及び食品安全庁(AGES)及び様々なモニタリング機関の結果と一致する。

 

食品及び飲料缶の内部コーティングに、なぜビスフェノールAが含まれているのか?

ビスフェノールAは、食品及び飲料缶の内部コーティングに使用されるエポキシ樹脂塗料(エポキシ樹脂)に、製造工程で生じる汚染物質として含まれている。ビスフェノールAを含まないコーティングシステムは、今のところいくつかの用途に限られ、場合によっては、健康への影響の可能性に関してまだ評価されていない。

 

食品及び飲料缶の内側がビスフェノールAを含んでいるかどうか、どのように見分ければよいか?

エポキシ樹脂でコーティングされた缶には、ラベル表示の義務はない。

 

消費者はどのようにしてビスフェノールAの摂取を減らすことができるのか?

すべての集団グループにおいて、食事がビスフェノールAの摂取の主な原因である。2015年のEFSAのデータによると、ビスフェノールAの摂取は主にエポキシ樹脂でコーティングされた缶に保存されている食品である。それ以外の食品の場合、暴露への最大の寄与は肉及び精肉製品からである。ビスフェノールAの摂取量を減らすには、新鮮な食品を摂取するのが理想的である。食品缶の内容物の種類と食品中のビスフェノールA濃度との明確な関連性は、無作為サンプル研究ではまだ確立していない。異なる温度と接触時間で、食品模擬物質を用いた比較研究によると、食品中のビスフェノールA含有量は基本的に保存方法に依存する可能性があることを示している。

プラスチック容器、飲料用ボトル及びプラスチック食器の「BPAフリー」表示は、ビスフェノールAの代替物質(ビスフェノールSなど)が含まれている可能性があり、それらは十分に評価されていない。一般にプラスチック製の飲料用ボトルを使いたくない消費者には、ガラス製ボトルという選択肢がある。プラスチック製のポリカーボネート(略称:PC)には、このプラスチックに固有のリサイクルコードがなく、リサイクルコード7(その他)に分類されているため、リサイクルコード7の表示からPCの存在を推し量ることはできない。

2015年のEFSAのデータによると、ビスフェノールAはほぼすべての種類の食品に含まれ、エポキシ樹脂でコーティングされた缶に保存されていない食品でも比較的低濃度含まれている。しかし、これらの比較的に汚染されていない食品の消費も、2021年にEFSAが再導出した著しく低いTDIを桁違いに超えてしまう結果になっている。

 

ビスフェノールAは領収書、乗車券や駐車券に含まれているか?

2020年初頭の禁止までは、ビスフェノールAは感熱紙の発色剤として使用されていた。感熱紙はレジスターやチケット売り場、駐車券発券機あるいは領収書や銀行明細書の感熱印刷で使用される。0.02%を超える濃度の感熱紙への使用は、2020年から禁止されている。

 

リサイクル用紙にビスフェノールAは含まれているか?

2019年末までは感熱紙にビスフェノールAの使用が継続されるため、ビスフェノールAは依然としてリサイクル用の古紙に含まれる可能性がある。新しい紙製品の製造に再生紙繊維を使用する場合、ビスフェノールAの残留物が新しい製品に混入する可能性もある。

欧州レベルで具体的な規則がない特定の材料群の食品接触物質については、BfRは「食品接触物質に関する勧告」を継続している。(https://www.bfr.bund.de/en/bfr_recommendations_on_food_contact_materials-1711.html). BfR の助言36「食品と接触する紙及び板紙」は、再生繊維を使用して製造された紙から食品へのビスフェノールAの最大放出量を食品1 kgあたり50 µgというガイダンス値で示している。この値は、欧州プラスチック規則の特定移行限度値(SML)に相当する。

 

ビスフェノールSとビスフェノールFは、ビスフェノールAの代替品か?

ビスフェノールSとビスフェノールFは、これまで有害影響の可能性についてあまり広範に研究されていない。2物質の作用機序は、ビスフェノールAと類似していると想定(及び/又は初期研究により示唆)されている。活性の強さがビスフェノールAと同程度かどうかはまだ不明であり、有害影響がないだろう1日の摂取量はまだ分かっていない。そのため、ビスフェノールSとビスフェノールFのリスク評価には、現状、ビスフェノールAの耐容1日摂取量を用いる。

 

[MFDS]日本産輸入食品の放射能検査の結果

輸入検査管理課

-2021.12.31〜2022.1.6

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43241

-2021.12.24〜2021.12.30

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43240

-2021.12.17〜2021.12.23

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43239

 

[MFDS]2021年、健康機能食品原料の再評価結果を発表

食品基準課 2021-12-29

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46041

□ 食品医薬品安全処は、「スピルリナ、紅麹」など健康機能食品の機能性原料9種*に対する再評価を行い、その結果をもとに「健康機能食品の基準及び規格」の「摂取時注意事項」、「一日摂取量」などは来年、改訂・補完する予定である。

* スピルリナ、プロポリス抽出物、ガンマリノレン酸含有油脂、オオバコ食物繊維、ポリデキストロース、コリウスフォルスコリ抽出物、紅麹、紅麹米、葉緑素含有植物

○ 今回の再評価は、認定後10年が経過した原料(スピルリナなど6種)と有害情報など安全性・機能性の再確認が必要な原料(紅麹など3種)を対象として、認定当時の資料、安全性・機能性文献と関連情報を総合的に検討して実施した。

□ 再評価結果の主な内容は、▲摂取時注意事項追加(9種)、▲「スピルリナ」の肌の健康機能性削除、▲一日摂取量変更(3種)、▲規格強化(3種)などである。

○(摂取時注意事項追加)異常管理を強化するために、機能性原料9種は全て「異常発生時に摂取を中止して、専門家と相談すること」という摂取時注意事項を製品に表示するようにした。また、敏感な年齢層や特定疾患保有者など、機能性原料ごとに摂取時に注意すべき情報*を追加した

*(例)紅麹・紅麹米摂取時注意事項:子供・妊婦・授乳婦は摂取を避けること、肝臓疾患・高脂血症治療剤服用時は摂取を避ける。

○(機能性削除)「スピルリナ」は「肌の健康を助けることができる」は、機能性を証明するための人体適用試験資料がなく機能性を削除した。

* 機能性内容:肌の健康・抗酸化に役立つ、血中コレステロールの改善に役立つ→抗酸化に役立つ、血中コレステロールの改善に役立つ

○(一日摂取量変更)「オオバコ食物繊維」、「スピルリナ」、「プロポリス抽出物」は機能性と安全性が確保された一日摂取量の範囲に対する再評価の結果を反映して、範囲を再設定した。

*(例)オオバコ食物繊維:血中コレステロール改善(オオバコ食物繊維として5.5 g以上→ 6.0 g以上)、排便活動円滑(オオバコ食物繊維として3.9 g以上→ 5.0 g以上)

○(規格強化)「プロポリス抽出物」、「スピルリナ」、「コリウスフォルスコリ抽出物」は、鉛など重金属規格を強化した。

*(例)プロポリス抽出物:鉛5.0 mg/kg以下→ 1.0 mg/kg以下

<添付> 健康機能食品の機能性原料の再評価結果

 

[MFDS]食品などの輸入状況から分析した食生活トレンド

デジタル輸入安全企画課 2021-12-28

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46035

□ 食品医薬品安全処は、海外食品の輸入量が次第に増加する傾向*により、輸入食品安全管理の方向を設定するのに役立てようと、近年(2015年~2021年)の食品など輸入状況を分析した結果、「食べ物の好みの多様化・細分化」と「健康的な食生活に対する関心増加」など食生活の変化傾向が現れた。

* 海外食品の輸入件数:(’15)59万8,082件→(’16)62万5,443件→(’17)67万2,273件→(’18)72万8,114件→(’19)73万8,082件→(’20)75万993件

1.食べ物の好みの多様化・細分化

<多様な食べ物の好みを反映できる調理器具の輸入増加>

○ 最近、消費者の食べ物の好みが多様化・細分化されているだけではなく、社会的にホームクック・ホームカフェ文化が広がっている。

- これらの要因は食品輸入にも影響を及ぼしたと見られ、個人の好みに合うように多様な料理が自宅で手軽にできる多機能調理器具の輸入が全般的に増えた。

○ まず、揚げる、焼く、炒める、蒸すなど多様な用途で活用可能な調理器具であるエアフライヤー、マルチクッカーなどの輸入量が大きく増えた。

- 特に、エアフライヤーの2021年の輸入量は2015年に比べて100倍以上増加し、輸入件数も1,000件以上増えた。

○ また、コーヒーメーカーの2021年の輸入量も6年前に比べて2倍以上増加した。

- これは消費者のコーヒーの好みが細分化され、好みに合うように豆抽出から温度調節まで可能なコーヒーメーカーの需要が増加した結果と見える。

<多様な料理に活用可能な食品の輸入増加が目立つ… >

○ 多機能調理器具だけでなく、消費者の好みに合わせて多様な料理の食材として活用できる食品の輸入も増加した。

○ 代表的な品目で、丼、サンドイッチ、サラダなど多様な料理に使われるトロピカルフルーツであるアボカドの輸入増加が目立った。

- アボカドは2015年は輸入量が1,500トンに過ぎなかったが、輸入量が着実に増加して、今年は1万6,000トン以上輸入され6年前と比較して10倍以上増加した。

- 主な輸入国として、ペルー、メキシコなど中南米諸国であり、季節別では4月から6月まで多く輸入された。

○ サラダ、パスタ、ガンバス(アヒージョ)など多様な料理の風味や味を出すのに、好みに合わせて添加できるオリーブオイルの輸入も大幅に増加した。

- 食用油の総輸入量が2015年以降、増加と減少を繰り返す一方で、オリーブオイルは6年前に比べて今年の輸入量が2倍以上に増加した。

- 特にオリーブオイルの等級においても細分化された好みが反映され、トップクラスの「エクストラバージンオリーブオイル」または「トリュフ香オリーブオイル」など、プレミアムオリーブオイルの輸入量が大幅に増加した。

○ その他にも様々な料理に添える酒類のワインなど、果実酒、コーヒーや飲料、ケーキなど多様なデザート食品のトッピングに使われる植物性クリームの輸入も2015年から着実に増加した。

○ 参考で、最近5年間、全世界約166~170ヶ国から多様な加工食品、農畜水産物、食品添加物、食品用器具・容器・包装も輸入されており、その中にはボスニア(炭酸水、台所用品)、コンゴ民主共和国(コーヒー豆)、マリ(ゴマ)など、私たちには馴染みが薄い国も含まれていることがわかった。

 

2.健康的な食生活に対する関心の増加

<健康機能食品の輸入増加の中で、複合栄養素製品の輸入が最も多い >

○ 社会の所得は増加し高齢者人口も増加*し続けて、生活の質と健康的な食生活への関心が高まっており、最近はCOVID-19の余波まで加わり、健康的な食生活に対する好みが更に加速している。

* 一人当たり国民総所得:(‘15年)3260.2万ウォン→(‘20年)3762.1万ウォン/高齢人口(65歳以上)比率:(‘15年)12.8% →(‘21年)16.6%(出典:統計庁)

○ このように健康的な食生活に対する関心の増加により、2015年以降、国内健康機能食品市場規模*が年平均13.7%成長したことにより、健康機能食品の輸入量も2015年から6年間で85%増加するなど持続的な増加傾向を示した。

* 国内健康機能食品市場規模:国内出荷額+輸入額(出処:年度別食品医薬品統計年譜、食品医薬品安全処)

- 最近の健康機能食品輸入は直接購入またはオンライン購入代行形態で多く成り立っており、2020年海外個人輸入の健康食品類輸入件数は1,234万件で、海外個人輸入の食品輸入件数の70%に迫ることがわかった。

○ 健康機能食品の中でもビタミン、ミネラル、タンパク質など多様な栄養素で構成された複合栄養素製品は、2015年に比べて2021年は131%増加して昨年に続き今年も輸入量1位を占めたが、単一成分より複合栄養素製品を好む需要が反映されたと見られる。

- また、関節と軟骨の健康を助けることで知られているMSMの輸入量は、2015年から6年間で3倍以上増加した。高齢化社会に入り、関節、軟骨健康に対する関心が増加した影響と分析される。

<砂糖輸入の増加停滞、代替甘味料の輸入は大幅に増加 >

○ 砂糖の輸入量は2015年以降減少している一方、砂糖より少ない量で甘味を加える天然代替甘味料であるエリスリトールは、過去6年間で輸入量が5倍近く増加した。

- これは社会的に健康的な食生活に対する関心が大きくなり、カロリーが低く砂糖の甘味を代替えできる甘味料の需要が高まった結果と判断される。

○ また、健康に役立つことで知られている、クルミ、アーモンドなどナッツ類の輸入量は、2015年と比較して2021年は約43%増加した。

- 特にクルミは37%以上増加し、ピーカンナッツは2015年の輸入量は349トンに過ぎなかったが、2021年には1,338トンで3倍以上増えて増加傾向がはっきりと現れた。

□ 食薬処は今後も定期的に輸入状況と食生活トレンドを分析して、輸入食品の安全管理に活用していく。

○ 輸入量が増加したり、今後、増加が予想される品目に対しては有害情報モニタリングを強化して、輸入トレンドに合うように安全管理を充実していく。

- また、有害事例発生時は海外製造所の点検と通関段階検査を強化して、安全な食品が輸入されるように最善を尽くす。

<添付> 2021年、健康機能食品輸入量上位10品目

 

[MFDS]「輸入オキアミオイル」国民請願検査の結果発表

輸入流通安全課など 2021-12-27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46030

□ 食品医薬品安全処は最近、健康に対する関心が高まり注目されている「輸入オキアミオイル」製品を国民請願安全検査対象に選定して、市場に流通している総55製品を回収して「脂肪酸組成含有量」などを検査した結果、22製品(全て輸入製品)で異なる油脂が混在していることを確認した。

○ 今回の検査は、「異なる油脂混合の有無検査を要請する請願」で、過去6~7月に多くの国民から推薦を受けて国民請願安全検査審議委員会で検査対象に選定後、8~11月に推進された。

□ 今回の検査は、国内・海外のオキアミオイル業者で製造した56ヶ所、221製品のうち、5月に食薬処と韓国消費者院が合同検査した10ヶ所、17製品*と検査不可(在庫減少など)25ヶ所、149製品を除く、21業者、55製品(全て輸入製品)に対して行った。

* オキアミオイル100%と表示された17製品(原料基準)を対象に、’21.5月品質、安全性、表示実態を共同調査した結果、オキアミオイル1製品で異なる油脂が混在していることを確認

○ 検査項目は他の油脂混合の有無を確認するための脂肪酸組成含有量と基準・規格である酸化*などの2項目。

* 油脂新鮮度(酸敗も)測定項目

○ 検査の結果、海外業者8ヶ所で製造・輸入​​した22製品*でオキアミオイル以外の油脂が混在していると判断された。

* 全オキアミオイル輸入・製造量の約1.9%(13.3トン)に該当

- 通常、オキアミオイルにはリノール酸が微量(3%以下)に含まれているが、リノール酸含有量が高すぎる場合(21.1〜49.1%)、植物性油脂(リノール酸豊富)が混在している以外は該当検出量を説明できない(専門家検討結果)。

○ 異なる油脂が混在したオキアミオイル製品*を、100%オキアミオイル製品として事実とは異なる輸入申告した業者に対しては、「輸入食品安全管理特別法」違反で行政処分と告発措置を行う計画である。

* オキアミオイルに混合された異なる種類の油脂は、比較的安価な植物性油脂と推定

<添付> 異なる油脂混合と判定されたオキアミオイル製品情報

 

[RIVM]一週間で20万人が検査陽性

200 thousand people tested positive in one week

01/11/2022

https://www.rivm.nl/en/news/200-thousand-people-tested-positive-in-one-week

先週RIVMに報告された検査陽性が201,536だった。これはその前の週に比べて77%増加で、このような数はこれまでオランダでは見られなかった

10万人あたりで最も多い絶対数は18-24才の人々で60才以上では増加は観察されていない。検査数は約59万で陽性率34.2%。確認のための検査では88%が陽性。再感染が増加している。入院やICUは減少していて高齢者の感染が比較的少ないため。

(政府の対策は12月から変わってないので、若い人たちに何かがあったのだろう-新年パーティかな?)

 

論文

-自宅でのニコチン電子タバコの受動喫煙は若年成人の気管支炎症状と関連する

Secondhand nicotine vaping at home linked to heightened risk of bronchitic symptoms in young adults

10-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939447

Thoraxに発表された南カリフォルニア子ども健康研究参加者のデータによる研究

 

-研究:多くのカリフォルニア人にとって安全な飲料水は手が届かないまま

Study: safe drinking water remains out of reach for many Californians

11-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939829

カリフォルニアの飲料水の質の解析。37万人がヒ素、硝酸あるいは6価クロムの濃度が高い可能性のある水に頼っている。American Journal of Public Health

(水質基準を満たしていない公共水と井戸水)

 

-ウエストバージニア大学の研究者らがコオロギ、バッタ、蚕の蛹の昆虫粉末の栄養的性質を決める

WVU researchers determine nutritional properties of protein in cricket, locust and silkworm pupae insect powders

11-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939848

LWTに発表された昆虫のタンパク質のキャラクタリゼーション。

 

-Natureワールドビュー

協力してニセの臨床データを撲滅する

Stamp out fake clinical data by working together

11 January 2022 Lisa Bero

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00025-6

学術文献に報告されている医学試験が現実のものであることをどうやって確実にできるだろうか?それは驚くほど困難だが不可能ではない。

2021年半ば、COVID-19へのイベルメクチンの使用についていくつかのメタ解析が検討した。その懐石には事実でないことがほぼ確実な臨床試験のデータによって有効だと示唆されていたものが含まれていた。その後詐欺的研究を排除するための手順を踏んだコクランがイベルメクチンの有効性は示されていないと発見するメタ解析を発表した。しかし混乱と不信は続く。

私はほとんどの臨床試験は適切に行われていると思うが、詐欺的研究はそれでも蔓延っていてCOVID-19に限らない。雑誌Anaesthesiaに投稿された論文の解析ではおそらく40%が偽りの患者データを含む。

偽装の統一的明確な兆候はない。データは一部又は完全に偽造されている可能性がある。現実のデータが間違った提示をされている可能性がある。9才の時に集めたデータを3才の試験で再利用されているかもしれな。介入が記述通りではないかもしれない。無作為化されたとされた患者は病状によって選ばれたかもしれない、あるいは治療群の患者が実際には薬を使用していないかもしれない。怪しい結果は統計の誤用のせいかもしれない。これら全てが、意図していなくても、信頼できない結果を生み出す。だから複数チェックが必要だ。

(以下対策等略。世界で一番多くねつ造した臨床試験データをもとに論文書いてたのが日本の医師だったり)

 

-カロリー表示実施後の大規模チェーンレストランのメニューアイテムのカロリー含量の変化

Changes in Calorie Content of Menu Items at Large Chain Restaurants After Implementation of Calorie Labels

Anna H. Grummon et al., JAMA Netw Open. 2021;4(12):e2141353

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2787598

2012年から2019年の59のレストランチェーンのメニューについての調査。カロリー表示義務化前後で、継続して提供されているアイテムのカロリーに変化はないが、表示義務化後に導入された新しいアイテムは義務化前の新しいアイテムより平均113カロリー(約25%)少ない。

(これは図を見れば明らかだけれどほとんど変わってないということ。でも効果があったと結論している。)

 

-WHO紀要

Bull World Health Organ. Volume 100, Number 1, January, 1-88

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/issues/397045/

凍土に野菜を育てる

Growing vegetables on frozen ground 6–7 

ロシアのYakutskでの温室栽培の報告。日本の北海道総合商事株式会社の協力でSayuri(企業名、小百合)が一年中生鮮野菜を供給している。連邦政府が食料安全保障と健康的食生活推進のためにプッシュしている。

(野菜果物摂取量への影響はまだ僅か、エネルギー収支の話はない)

 

SMC UK

-女性の母乳と心血管系疾患を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at breastfeeding and cardiovascular disease in women

JANUARY 11, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-breastfeeding-and-cardiovascular-disease-in-women/

Journal of the American Heart Associationに発表された研究が母乳を与えることと母親の心血管系リスクを調べた

Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授

結果は驚きではない、i)母乳を与えることを選ぶ女性はそうでない女性より他のいくつかの心血管系疾患リスクを減らすライフスタイル習慣をもち、その多くはこの研究方法では考慮できない、ii)母乳を与えることは母親の減量に役立つ、減量は心血管系疾患に大きく関連する。従って母乳を与えることを選んだ女性は直接的間接的に脳卒中や心疾患リスクが低いだろう。

 

-政府への信頼と法令遵守と公衆衛生についての専門家のコメント

expert comment on public trust in government and compliance and public health

JANUARY 11, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-comment-on-public-trust-in-government-and-compliance-and-public-health/

2020年5月の首相官邸でのパーティについての報道について、Simon Williams博士からのコメント

最近の報道は政府高官が自分たちで決めた規則を守らない例の長いリストに加わった。

(長いコメント略。世界中でこの手の報道はたくさんある。それが人々が規則を守らない言い訳に使われるという研究もたくさんある。)

 

-若年成人の家庭での電子タバコの受動喫煙と呼吸器症状を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at second hand nicotine vaping in the home and respiratory symptoms in young adults

JANUARY 10, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-second-hand-nicotine-vaping-in-the-home-and-respiratory-symptoms-in-young-adults/

Thoraxに発表された研究が若年成人の家庭での電子タバコの受動喫煙と呼吸器症状を調べた

UCLタバコアルコール研究グループ共同部長で健康心理学教授Lion Shahab教授

この知見は懸念されるものであるが限界がある。最初に観察研究は因果関係を確立できない。さらに参加者の大多数(最大93.1%)が自分でもタバコや大麻を使用している

Queen Mary University of Londonタバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授

考慮すべき問題の一つは223人中208人が自分も喫煙していることで、驚くべきことに呼吸器症状質問と喫煙の関連データが提示されていない。因果関係があれば信頼できるメカニズムの説明が必要であろう。

 

その他

-もしCDCがマスク助言を変更したら、あなたはフェニックス地域のどこでN95 & KN95マスクを見つけられる?

If CDC changes mask recommendations, where can you find N95 & KN95 masks in the Phoenix area?

Jan 11, 2022

https://www.abc15.com/news/coronavirus/if-cdc-changes-mask-recommendations-where-can-you-find-n95-kn95s

CDCがマスク助言変更を検討している。専門家がN95 & KN95がベストだという。現在それらは販売されているが値段が高く、一つ1ドルから3ドル。

 

-H5N1トリインフルエンザ系統に感染した最初の英国人の名前が明かされた

First UK person to catch H5N1 bird flu strain is named

Fri 7 Jan 2022

https://www.theguardian.com/world/2022/jan/07/first-uk-person-to-catch-h5n1-bird-flu-strain-is-named

デボンの自宅の中で20羽のアヒルを飼っていた79才のAlan Gosling。

家の外にさらに約100羽のアヒルを飼っていて、クリスマス少し前から数羽が病気になっていた。DEFRAが検査してH5N1陽性を確認し、クリスマスのすぐ後に殺された。それからGoslingが検査してH5N1陽性になった。

(実名と写真も報道されている。その後陰性確認されて隔離継続のニュースがある。元気らしい)