2022-01-20

[FSA]英国の消費者の3分の1は実験室で育てられた肉を試したいと考え、4分の1は昆虫を試したいと考える

A third of UK consumers are willing to try lab-grown meat and a quarter would try insects

10 January 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/a-third-of-uk-consumers-are-willing-to-try-lab-grown-meat-and-a-quarter-would-try-insects

新たな代替タンパク質に対する一般の認識調査により、英国の消費者の3分の1が培養肉を、4分の1が食用昆虫を試してみたいと考え、又、10人に6人という多くの消費者が、すでに市場に出ている植物由来の製品を試してみたいと考えていることも明らかになった。

英国食品基準庁(FSA)の調査では、消費者にとって食品の安全性が重要であり、実験室で作られた肉や食用昆虫を試すことを促す第一の要因となっている。食品安全に関する保証が、すでに人々が植物性タンパク質を食べたいと思う主要な理由となっている。

FSAは特に食生活の健康、環境保護、又は英国経済の活性化に効果が期待できる場合には、消費者の利益と食品の安全性を最優先事項とし、食品のイノベーションを支援する。

代替、あるいは新規のヒトの食用タンパク質源は、新興の食品であり、主に植物性タンパク質、昆虫及び微生物に関連する。本報告のハイライトは以下:

・代替タンパク質に対する消費者の意識は高く、回答者の90%が植物性タンパク質について、80%が食用昆虫について、78%が実験室で育てられた肉について聞いたことがあると回答している。

・回答者の4分の3以上(77%)が植物性タンパク質は食べても安全であると認識しているのに対し、食用昆虫は半数(50%)、実験室で育てられた肉は10人に3人(30%)が安全であると回答している。

・10人に6人の回答者が、食事に植物性タンパク質を取り入れてみたいと考えており、最も多い理由は、食べても安全だと思うから(44%)、健康上の理由(39%)、あるいは環境又は持続可能性の理由(36%)であった。植物性タンパク質を試す際の最大の障壁は、従来の肉類への嗜好であった(36%)。

・約3分の1(34%)が実験室で作られた肉を、4分の1強(26%)が食用昆虫を試してみたいと思っている。それぞれの40%、31%が、環境と持続可能性を理由とする。

代替タンパク質を全く試す気がない回答者にどうしたら試す気になるか尋ねた:

・5人に2人(42%)は実験室で作られた肉を試したいと思わせるものは何もないと回答したが、4分の1以上(27%)は食べても安全だとわかれば、23%は適切に規制されていると信じられれば、試す気になるかもしれない、と答えた。

・大多数(67%)は、食用昆虫を試したいと思わせるものは何もないと回答した。8人に1人(13%)は、食べても安全だとわかれば、11%は食欲をそそる見た目であればその気になるかもしれない、と回答した。

FSAは、今年後半に業界の主要関係者を集め、この市場への参入支援方法を検討し、新規食品の導入のための既存の規制の枠組みやリスク分析プロセスを説明する予定である。

以下、報告書全文。

https://www.food.gov.uk/research/behaviour-and-perception/survey-of-consumer-perceptions-of-alternative-or-novel-sources-of-protein

 

[FSA]我々の科学助言委員会に参加して

Join our Scientific Advisory Committees

18 January 2022

https://food.blog.gov.uk/2022/01/18/join-our-scientific-advisory-committees/

委員会メンバー募集に関連して、科学助言委員会について説明

 

[FAO]2021年の食糧農業関連SDGs指標の進歩を追跡する

Tracking progress on food and agriculture-related SDG indicators 2021

https://www.fao.org/sdg-progress-report/en

FAOの管轄下の指標についての報告書

現状と傾向が評価されている(評価できない、が多いけれど)

 

[Codex]WHOが新しい食品安全実践コミュニティを始動

WHO launches a new Food Safety Community of Practice

07/01/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1468622/

 新しいWHO食品安全実践コミュニティは、食品安全の課題に関する知識を共有し対策を改善するのに役立つものである。ピアツーピアでのオンラインフォーラムが、食品バリューチェーン全般の食品安全を改善し、この分野の知識と専門性を深め、継続的な情報交換や議論を行いたいと願う世界のプロフェッショナル向けに開催される。

 この実践コミュニティの狙いは、学ぶ機会を増やし、多様な経験と知識を共有し、新しい見解への理解を推進して、個人や集団による学びを奨励することである。

 参加者は、定期ウェビナーや月例更新情報、食品安全リソースへアクセスできるようになる。また、共有すべき資料やイベント情報、その他の食品安全関連のコンテンツを提供することもできる。参加を希望する者はWHOウェブサイト上で要申請。

*Food Safety Community of Practice

https://www.who.int/teams/nutrition-and-food-safety/multisectoral-actions-in-food-systems/community-of-practice/

申請:https://confirmsubscription.com/h/d/E21780E5AA577EB0

 

[Codex]WTO / 新しい出版物は内陸開発途上国によるコーデックスへの積極的な参加を推奨

WTO / new publication recommends land-locked developing countries actively participate in Codex

14/01/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1469194/

WTOが、内陸開発途上国(land-locked developing country: LLDCs)における貿易のボトルネックを特定して国境を越えた円滑な貿易流通を確保するための勧告をまとめた新しい出版物を公表し、その中で、WTOのSPS(衛生と植物防疫)に関する規格が自国の要求に合うようにするため、LLDCsがコーデックスやOIE、IPPCで行われる規格策定作業に積極的に参加することを推奨している。

WTOのSPS協定は、食品安全と動植物の健康に関する規格の基本ルールを定めている。SPS協定では、食品安全、動物及び植物の健康保護に関する国際的な規格、ガイドライン、勧告を使用することにより、科学的な正当性を満たすことを求めている。その代わりに、状況に適したリスク評価に基づいていれば、加盟国政府は異なる保護レベルを正当化することができることを認めている。しかし、LLDCsの国はリソース不足により適切な保護レベルを設定するための独自のリスク評価を実施できないことがよくある。また同様に、SPS措置を履行するにはコストがかかり、LLDCsにとっては輸入国の要件を満たすことが難しい場合もある。この問題は、輸送経由国も含めて、特に国境を越えて要件が異なる場合に悪化する。

この出版物では、WTOにおいてLLDCsが懸念を示した例として農薬規制措置を挙げ、輸入国と輸送経由国の市場で異なる最大残留基準(MRLs)が適用されることがLLDCsにとって課題となっていることを述べている。

コーデックスに積極的に参加する国々は、農薬のMRLs設定を含む規格策定プロセスに有益な貢献をすることができる。コーデックス事務局のGracia Brisco氏は、「コーデックス委員会は、残留農薬部会を通じて、先進国と発展途上国の両方のメンバーに向けて、公衆衛生保護と貿易推進のために、食品と飼料中の農薬に関する最大残留基準を議論し調和させるための機会を提供している」と述べた。

*Easing Trade Bottlenecks in Landlocked Developing Countries

https://www.wto.org/english/res_e/publications_e/landlocked2021_e.htm

Chapter 4: WTO’s SPS Agreement: sanitary and phytosanitary measures

https://www.wto.org/english/res_e/booksp_e/04_landlocked2021_chapter_4_e.pdf

 

[FDA]更新情報

-IFSACは2022~2023年の優先事項を発表する

IFSAC Announces Priorities for 2022–2023

January 14, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/ifsac-announces-priorities-2022-2023

 米国疾病管理予防センター(CDC)、米国食品医薬品局(FDA)、食品安全検査局(FSIS)が連携する省庁間食品安全分析協力機構(Interagency Food Safety Analytics Collaboration : IFSAC)は、2022~2023年の優先事項を発表した。

(微生物メイン)

 

-FDAは卵及び卵製品の安全性向上のための新たな卵規制計画基準を発表する

FDA Releases New Egg Regulatory Program Standards for Improving Egg and Egg Product Safety

January 14, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-new-egg-regulatory-program-standards-improving-egg-and-egg-product-safety

 FDAと米国卵規制局(NERO)は、卵規制計画基準(Egg Regulatory Program Standards:ERPS)と題した州の卵及び卵製品規制当局の新しい計画を発表した。

 

-]FDA2021年レビュー‐人のために働く

FDA 2021 Year in Review - Working for You

January 13, 2022

https://www.fda.gov/media/155422/download

 FDAは、FDAの取り組みを紹介する、FDA 2021年レビュー「Working for You」(人のために働く)報告書を発表した。

 

[TGA] 広告規約及び医療用製品のネーミングについて

The Advertising Code and naming therapeutic goods

18 January 2022

https://www.tga.gov.au/advertising-code-and-naming-therapeutic-goods

 TGAは製品の名称を付ける際、商品名が本規約に適合していることを確認するよう、注意をよびかける。

商品名は広告の一部であり、消費者に誤解を与えてはならない

 

[MPI]ニュージーランド食品安全はイガイを十分加熱調理するよう消費者に助言する

New Zealand Food Safety advises consumers to cook mussels through

18 January 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/new-zealand-food-safety-advises-consumers-to-cook-mussels-through/

ニュージーランド食品安全局は、イガイを十分に加熱調理して消費するよう注意を呼びかける。

(ビブリオ食中毒増加のため)

 

[MPI]蜜蜂のために木を植える方法を農家に紹介する新しいハンドブック

New handbook shows farmers how to plant trees for bees

14 January 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/new-handbook-shows-farmers-how-to-plant-trees-for-bees/

蜜蜂の餌となる植物を戦略的に植えるための実践的なガイダンスを提供するハンドブックが作成された。

 

[MPI]一次産業の状況と展望

Situation and Outlook for Primary Industries

https://www.mpi.govt.nz/resources-and-forms/economic-intelligence/situation-and-outlook-for-primary-industries/

2021年12月最新版公表

(蜂蜜の繰り越し在庫が溜まっていると書いてある。)

 

[SFA]2023年までに100名の中途採用者を対象としたアグリテック分野の新しいキャリア転向プログラム

New Career Conversion Programme for the Agri-tech Sector to Benefit 100 Mid-career Individuals by 2023

14 January 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/media-release---new-ccp-for-agri-tech-sector_14jan22_final28bc316e800141518557bf3645acd9cb.pdf

ワークフォース・シンガポール(WSG)、シンガポール食品庁(SFA)、リパブリック・ポリテクニック(RP)は、新しいキャリア転向プログラム(CCP)を展開し、アグリフード産業を強化する。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 186-22

​​20 January 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20186-22.aspx

改訂No. 205

食物繊維の新しい分析方法としてAOAC 2017.16、乳児用調整乳の2’-FL、GM Bacillus licheniformis由来麦芽生産性アルファアミラーゼ

 

[FTC]オミクロン変異株が増加する中、FTCはさらに多くの事業者に、彼らの製品がCOVID-19を予防あるいは治療できるとの虚偽の主張を止めるよう命令

With Omicron Variant on the Rise, FTC Orders More Marketers to Stop Falsely Claiming Their Products Can Effectively Prevent or Treat COVID-19

January 19, 2022

https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2022/01/omicron-variant-rise-ftc-orders-more-marketers-stop-falsely

FTCは、MLM企業とそのディストリビューターを含むソーシャルメデイアの虚偽または誤解を招く広告に標的を絞る

警告対象追加(リスト掲載)、これまで405件の警告文書を送付

 

[FTC]これが公式:COVIDtests.govで無料のCOVID検査を入手して

FTC消費者向けblog

It’s official: Get free COVID test kits at COVIDtests.gov

January 19, 2022

https://www.consumer.ftc.gov/blog/2022/01/its-official-get-free-covid-test-kits-covidtestsgov

検査キットの入手はここから。それ以外は全て詐欺

 

[ASA]「低アルコール」製品の広告に関する規則変更

Changes to the rules on advertising 'low alcohol' products

Research / Report / Survey 18 Jan 2022

https://www.asa.org.uk/resource/changes-to-the-rules-on-advertising-low-alcohol-products.html

低(low)アルコールと広告できるのはアルコールが容量パーセント濃度で0.5%以上1.2%以下で、より好ましい旨の主張ができる

1.2%以上のものについては事実として比較するだけ(lower)。

0.5%以下はアルコール飲料としての規則の対象外

 

-アルコール:アルコール含有量によるアルコール飲料の強さ

Alcohol: ABV Alcoholic strength

19 Jan 2022

https://www.asa.org.uk/advice-online/alcohol-alcoholic-strength.html

 

[ASA]ASAは繰り返し規則を破るインフルエンサーへの制裁を強化

ASA escalates sanctions against influencers who repeatedly break the rules

18 Jan 2022

https://www.asa.org.uk/news/asa-escalates-sanctions-against-influencers-who-repeatedly-break-the-rules.html

ASAが何度も警告したにも関わらずインスタグラムの投稿に広告である旨の開示をしない6人のインフルエンサーにさらなる制裁を科す

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on Mondelez UK Ltd

19 January 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/mondelez-uk-ltd-g21-1120905-mondelez-uk-ltd.html

Dairyleaのビデオオンデマンド広告で、少女が公園の遊具に逆さにぶら下がった状態でチーズを食べているのが、子どもが真似したら危険だと苦情が寄せられた。ASAは子どもの事故防止団体の見解を求め、窒息リスクが高い可能性があるため広告違反と判断。

 

-ASA Ruling on Pepsi Lipton International

19 January 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/pepsi-lipton-international-a21-1120048-pepsi-lipton-international.html

リプトンアイスティーの「100%リサイクル」という主張が誤解を招くという苦情が寄せられた。会社側はアスタリスクと小さい字で条件(キャップとラベルを除く)を記載していると主張するがASAはキャップトラベルつきのボトルの画像と一緒に100%リサイクルと書いてあったら全てが完全にリサイクルされていると解釈すると判断。誤解を招く表示である。

 

-ASA Ruling on Roxane UK Ltd t/a Aqua Pura

19 January 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/roxane-uk-ltd-g21-1120958-roxane-uk-ltd.html

ボトル入り水Aqua Puraのテレビ広告の「100%リサイクル&リサイクル可能なボトルにエコフレンドリーなキャップ」(注:500mlボトルのみ)について苦情が寄せられた。

エコフレンドリーの根拠がない、消費者が誤解する等3件の基準違反

(ボトル入り水の時点で環境に優しくないのだが)

 

[DHSC]イングランドはブースター計画の成功によりプランAに戻る

England to return to Plan A following the success of the booster programme

19 January 2022

https://www.gov.uk/government/news/england-to-return-to-plan-a-following-the-success-of-the-booster-programme

1月19日から

・政府はもはやテレワークを要請しない

1月20日から

・学校で生徒や職員のマスクを助言しない

1月27日から

・イベント等でNHS Covid Passの法による要求はしない

・どんな状況でもマスクは法定義務ではない。ガイダンスでは助言し続ける

 

[RIVM]COVID-19危機中の保護具の質は不十分

Quality of protective equipment insufficient during COVID-19 crisis

01/19/2022

https://www.rivm.nl/en/news/quality-of-protective-equipment-insufficient-during-covid-19-crisis

COVID-19危機中に国レベルで購入した医療従事者向け個人保護具(PPE)は要求される品質基準を一部しか満たさなかった。2020年3月から10月にRIVMが検査した結果。特に呼吸保護具(FFP2および KN95 レスピレーターマスク)やサージカルフェイスマスク(type IIR)の質が不十分だった。

 

[RIVM]先週は約25万人がCOVID-19検査陽性

Nearly a quarter-million positive COVID-19 tests last week

01/18/2022

https://www.rivm.nl/en/news/nearly-a-quarter-million-positive-COVID-19-tests-last-week

その前の週に比べて21%増加の242,961人陽性。最も多いのは18-24才で増加率が高かったのは中高生。60才以上は安定して低く、ブースターワクチン接種が本格化して60才以上の対象者の約90%が接種した。18才以上では半分以上がブースター接種済み。

対策を緩和したので検査陽性者は今後さらに増える見込み

 

論文

-何故「善意のデータ」イニシアチブがCOVID-19公衆衛生危機にほとんど影響を与えられなかったのか-そしてどうすれば改善できるのか

Why “data for good” initiatives mostly failed to impact the COVID-19 public health crisis – and how to improve

18-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939816

COVID-19対応においてテクノロジー企業から提供されたデータの利用の障害についての、PLOS Digital Healthに発表されたハーバード公衆衛生大学院のCaroline Buckeeらの見解。携帯電話のデータからヒトの移動を解析して対策に役立てようといった試みが数多くなされたがデータ共有に関する合意が性急でデータの標準化、相互運用性、不確実性やバイアスの明示の欠如などが課題となった。企業が所有する膨大なデジタルデータを有用な公衆衛生ツールに翻訳するのは非常に難しいがポテンシャルはある。

 

-英国家庭のアルコール購入パターンはCOVID-19ロックダウン中に変化した

Alcohol purchasing patterns of British households changed in COVID-19 lockdowns

19-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939896

PLOS ONE。ロックダウン中に、社会的に不利な地域のアルコール購入は増え、日頃アルコールを購入している家庭はより多くのアルコールを買った。

ロックダウンによりパブや外での飲酒は減ったが小売店からの購入が増えた。

 

-BMJはフェイスブックの、調査への不適格な「ファクトチェック」に対応しなかったことに抗議

The BMJ announces appeal after Facebook fails to act over incompetent “fact check” of investigation

19-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/940399

Facebook versus The BMJ: when fact checking goes wrong

https://www.bmj.com/content/376/bmj.o95

(フェイスブックとBMJのもめごと

 

-大麻の使用は長く続く認知機能不全を生み出す

Cannabis use produces persistent cognitive impairments

20-JAN-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/939888

Addictionに発表された系統的レビュー

 

-ナチュロパスと総合診療医の小児科でのラボ検査注文のパターン

Laboratory test ordering patterns in pediatrics from naturopaths and general practitioners.

Liao H et al.,

American Journal of Clinical Pathology 156:787-793, 2021

ナチュロパスは予防や自力によるヒーリングを強調するが、患者一人あたりの検査のオーダーは総合診療医や家庭医より多い。ナチュロパスドクターが高頻度に注文する検査は、有害金属、アレルゲン、一般化学検査。同じ検査をした場合、異常な結果が出る割合はナチュロパスが有意に低い。

(医師はちゃんと診察して必要な検査をしているが、ナチュロパスはとにかく検査して異常だと言うだけだから。ナチュロパスに相談した時点で損失が生じている。)

 

-米国の保険会社がCOVID-19へのイベルメクチン処方にお金を払っている

US Insurer Spending on Ivermectin Prescriptions for COVID-19

JAMA. Published online January 13, 2022.

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2788253

2021年8月13日の週に2500万ドルが無駄にイベルメクチン処方に支払われたと推定

 

その他

-ヒト糞由来錠剤が再発する腸感染を治療

scienceニュース

Pill derived from human feces treats recurrent gut infections

19 JAN 20225:20 PMBYKELLY SERVICK

https://www.science.org/content/article/pill-derived-human-feces-treats-recurrent-gut-infections

マイクロバイオーム薬がやがて糞便移植の代わりになるかも

Clostridium difficileに繰り返し感染する人々にとって、糞便微生物叢移植(FMT)は有効な解決法である。いくつかの企業がもっと標準化された侵襲性の少ない治療を探し、そのうちの一つがヒト糞便由来細菌の芽胞を含む錠剤で、現在第3相試験まで進んでいる。

この錠剤SER-109はSeres Therapeutics社が作ったもので、ヒトの糞便をエタノール処理して「栄養型」細菌を殺し芽胞状態のもののみを残したもの由来である。このグループの細菌の多くはファーミキューテス門phylum Firmicutesである。これらの細菌は腸内でC. difficileと競合でき、胆汁酸の組成を変えて環境をC. difficileに都合の悪いものにする。

Seres は2016年に第2相試験でプラセボ以上の効果がなかったと発表したがその後用量が少なすぎたと結論した。

今回、用量を多くしより正確な患者を同定して行った第3相試験の結果はNEJMに発表され、C. difficile感染再発が対照群は40%なのに対して投与群は12%だった。この値はFMTと同程度である。しかしこの結果に懐疑的な研究者もいる。糞便全体が大事だと考える研究者もいる。

Seresの他にもいくつかの企業がフリーズドライ糞便や細菌の組み合わせなどでC. difficile 治療としてFDAの認可を目指している。

 

-「がんとの戦い」にはまだ勝利していない

Natureエディトリアル

The ‘war on cancer’ isn’t yet won

19 January 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00109-3

1971年の米国がん法はがんの背景にある生物学の理解を大きく進めた。しかし科学的および社会的課題は残る

1971年12月23日、Richard Nixon大統領はホワイトハウスでNational Cancer Actに署名した。

1970年にがん治療の進化を予想した米国議会へのアドバイザーは、「長期的には免疫学と遺伝学、中期的には化学療法、現在と直近は外科手術と放射線」と書いた。50年以上経って、その予想は驚くほど先見性があった。

米国がん法から半世紀、がんはいまだに米国の2番目に主要な死因である。

現在の科学者はがんの完治についてはあまり話題にしない。そうではなくこれまでのようながんの見方を終わらせようとしている。がんの中には加齢により避けられないものがある、研究者はがん治療の欠点を減らせる。

 

-パンデミックの真の死亡者数:公式発表より数百万人多いだろう

Natureニュース

The pandemic’s true death toll: millions more than official counts

18 January 2022  David Adam

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00104-8

各国はこれまで2年で500万人余のCOVID-19死者数を報告しているが、世界の超過死亡はその2倍あるいは4倍もと推定されている

以下各種推定の紹介やモデリングの問題等

(UKHSAの推定で比較されているインフルエンザの死者がとにかく若い。死者の数だけ見ていたらインフルエンザの影響が軽視されてしまう。80才が死亡するより小さい子が脳症になって一生介護が必要になるほうが「軽い」わけがない)

 

-SMC NZ

トンガの災害の救援と復興-専門家の反応

Tongan disaster relief and recovery – Expert Reaction

18 January 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/01/18/tongan-disaster-relief-and-recovery-expert-reaction/

政府と救援組織がトンガ支援の準備をしている。ニュージーランド国防軍の偵察飛行からはトンガの島々が灰に覆われているのがわかったがダメージの全貌は不明なまま。通信網の断絶は続く。SMCは自然災害復興計画と工程、火山灰の健康影響を専門家に聞いた

 

-コンシューマーラボ

グリーンとホールフードパウダーとサプリメントレビュー(クロレラとスピルリナを含む)

Greens and Whole Food Powders and Supplements Review (Including Chlorella and Spirulina)

Expanded: 01/17/2022

https://www.consumerlab.com/reviews/greens-whole-foods-powders-supplements/greens/

一部のサプリメントの宣伝は科学的根拠が無いことに注意。例えば「抗酸化」や「アルカリ化」効果は健康上の利益になるとは限らない、スピルリナの血糖降下作用の根拠は弱い。コンシューマーラボは2つの製品の鉛汚染を発見している

 

-二つの大麻化合物がCOVIDを止めることができるか?

Will Two Marijuana Chemicals Be Able To Stop COVID?

By Josh Bloom — January 19, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/01/19/will-two-marijuana-chemicals-be-able-stop-covid-16066

大麻が健康に良いという主張が、特に犯罪でなくなった後、増加しているので、COVIDの治療薬として検討されていることは驚きではない。CBGAとCBDAが悪名高いウイルスのスパイクタンパク質に結合して複製を阻害することが報告された。役に立つ薬になるだろうか?

それはJournal of Natural Productsに発表された研究で、ライナスポーリング研究所のRichard B. van Breemen博士らが大麻抽出物中のcannabigerolic acid (CBGA) と cannabidiolic acid (CBDA)がCOVIDのウイルスのスパイクに結合して宿主細胞への侵入を阻止すると報告した。一見良さそうだ。問題は強さだ。論文によるとCBDAのオリジナル株へのIC50は11-24 マイクログラム/mLの範囲で、それは31-67マイクロモルである。この数字を評価するには抗ウイルス薬の細胞ベースの実験での有効濃度を見てみる必要がある(表)。パクスロビドの有効成分のIC50は数nM、モルヌピラビルの有効成分では数百nMである。CBDAとCBGAはその3桁以上の高用量が必要で医薬品になる可能性はほぼない。(イベルメクチンも)

(以下略。濃度や用量が具体的に想像できない人って研究者にもいる)