2022-02-14

[EFSA]意見

様々な食品カテゴリーの食品添加物としてのグルコシル化ステビオール配糖体の安全性評価

Safety evaluation of glucosylated steviol glycosides as a food additive in different food categories

EFSA Journal 2022;20(2):7066  9 February 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7066

(科学的意見)

食品添加物及び香料に関するEFSAのパネル(FAF)は、様々な食品分類における新たな食品添加物としての使用を提案するグルコシル化ステビオール配糖体の安全性を評価した。グルコシル化ステビオール配糖体は、親ステビオール配糖体に1–20のグルコースを結合したものを含む、グルコシル化ステビオール配糖体の混合物からなる。グルコシル化ステビオール配糖体は、グルコシル化及び親ステビオール配糖体からなる総ステビオール配糖体が95%以上(乾燥、デキストリンフリー)で構成されている。グルコシル化ステビオール配糖体は、ステビアの乾燥葉から分離したステビオール配糖体混合物へデンプンからのグルコースの移動を触媒する、Anoxybacillus caldiproteolyticusの非遺伝子組換え株由来シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを用いた酵素による生物変換で生産されている。パネルは、グルコシル化ステビオール配糖体の代謝は、すでに認可されているステビオール配糖体と十分よく似ていると考え、そのため、以前ANSパネルが評価したステビオール配糖体(E 960)の毒性データは食品添加物としての安全性を支持すると考えられた。ステビオールと称される既存のステビオール配糖体の許容一日摂取量(ADI) 4 mg/kg 体重 (bw) /日は、グルコシル化ステビオール配糖体にも適用できる。

パネルは、提案された使用と使用量で新しい食品添加物としてのグルコシル化ステビオール配糖体の使用に安全上の懸念はないと結論した。

 

[FAO]食品バイオテクノロジーと食品安全:答えをみつける

Food biotechnology and food safety: finding answers

02/02/2022

https://www.fao.org/food-safety/news/news-details/en/c/1470882/

食品バイオテクノロジーは、簡単には答えを見つけにくい多くの問題を提起する可能性がある。実際、国立食品安全管轄機関はよく、消費者や他の関係者に、専門家以外の人が素早く簡単に理解できる方法で科学に基づいた情報を提供するよう求められるが、それにはテクノロジーの知識、普及販路、多様な技能、時間が必要である。 

加盟国の要求により、FAOは「食品安全に焦点を当てた食品バイオテクノロジーに関する情報ツールキット」を発表した。これは食品バイオテクノロジーと食品安全に関する一般市民の懸念に対処する国々を支援し、食品バイオテクノロジーと食品安全の科学の関心を高める支援を行い、議論と決定を知らせるための基盤となっている。

食品バイオテクノロジーが使用されている理由と方法、規制方法は?ヒトの健康にどのように影響する?国際的なデータベースにはどのようなものがある?

当局が効果的に一般人の関心を引くには?このツールキットではこれらや多くの質問に対応している。この記事で提供される内容は、食品安全、バイオテクノロジー、バイオセーフティー、科学コミュニケーションの分野の10カ国の国際的な専門家24人の総意で合意した。

 

食品安全に焦点を当てた食品バイオテクノロジーのためのFAO情報ツールキット

ハンドブック

ツール1:背景及びガイダンス

ツール2:原則

ツール3:潜在的利益の根拠

ツール4:GM食品安全評価

ツール5:規制

ツール6:人の健康

ツール7:環境

ツール8:実際の使用と応用

ツール9:最新のイノベーション

ツール10: 市民の関与

 

このツールキットに関する追加情報

食品バイオテクノロジーのコミュニケーションツールキットの開発:技術協議会の議事録:http://www.fao.org/3/cb2022en/cb2022en.pdf

世界の食品バイオテクノロジーコミュニケーション材料についての現状調査の分析:http://www.fao.org/3/cb1394en/cb1394en.pdf

その他参考資料:

FAO GM食品プラットフォーム:https://www.fao.org/gm-platform/

FAOバイオテクノロジーと食品安全:http://www.fao.org/food-safety/scientific-advice/crosscutting-and-emerging-issues/biotechnology/

FAO GM食品プラットフォームの国際社会会議:効果的なリスクに基づく食品安全評価と規制管理に向けて:http://www.fao.org/3/ca8945en/CA8945EN.pdf

コーデックスのガイドライン

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/sh-proxy/en/?lnk=1&url=https%253A%252F%252Fworkspace.fao.org%252Fsites%252Fcodex%252FStandards%252FCXG%2B44-2003%252FCXG_044e.pdf

 

[EU]RASFF 2022(0206-0212)

警報通知(Alert Notifications)

パキスタン産バスマティ米のアフラトキシン、オランダ産レーズンの未承認物質クロルピリホス、ウズベキスタン産有機緑豆のカドミウム、ベルギー及びフランス産有機エッセンシャルオイルパチョリのクロルピリホス、インド産ツボクサ抽出物のエチレンオキシド、タイ産缶入りココナッツクリームのビスフェノールA(BPA)及びcyclo-di-BADGE (CdB)、産出国不明食品サプリメントのタダラフィル及びデスメチルカルボデナフィル、中国産ドイツ経由茶の未承認残留農薬アントラキノン、エジプト産葉タマネギのアセタミプリド及びカルボフラン、

注意喚起情報(information for attention)

トルコ産ローカストビーンガムのエチレンオキシド(複数あり)、チュニジア産デーツのオクラトキシンA、トルコ産乳化剤のエチレンオキシド、(産出国記載なし)スチール製ナイフのクロム、エジプト産生鮮豆のチオファネートメチル、フランス産皮付きメカジキフィレの水銀、

通関拒否通知(Border Rejections)

エジプト産有機ピーナッツのアフラトキシン、ブラジル産ピーナッツのアフラトキシン、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン(複数あり)、タイ産トウガラシの未承認物質トリアゾホス、トルコ産生鮮Lamasレモンのクロルピリホス-メチル、インド産フェヌグリーク粉末のエチレンオキシド、トルコ産原料イラン産殻をとったピスタチオのアフラトキシン、タイ産カイヤンのニトロフラン(フラゾリドン)、トルコ産生鮮レモンのプロクロラズ、トルコ産マンダリンのクロルピリホス-メチル及びフェンバレレート(複数あり)、米国産ピスタチオのアフラトキシン、カメルーン産インゲンマメの未承認農薬クロルピリホス、

 

[MFDS]日本産輸入食品の放射能検査の結果

輸入検査管理課

2022.1.28〜2022.2.3

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43246

2022.1.21〜2022.1.27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_100/view.do?seq=43245

 

[MFDS] [報道参考] 2022年流通、農・水産物の残留物質調査事業実施

農水産物安全政策課 2022-02-04

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46118

□ 食品医薬品安全処は国内流通農・水産物に残留する有害物質を体系的に調査する「2022年流通、農・水産物国家残留物質調査事業」を3月から実施する。

* 国家残留物質調査事業(NRP, National Residue control Program):政府または公共機関で年間検査計画を樹立して、食品の安全性を調査・検証する制度

○ 食薬処は国家残留物質調査事業を国内農・水産物のハザード低減と安全管理などに活用するために、毎年計画を立てて有害物質の残留実態を調査している。

□ 2022年国家残留物質調査事業は、消費者がよく利用する直取引市場とオンラインで流通する農・水産物(農産物1425件、水産物500件)を回収して、農薬、動物用医薬品、重金属、基準未設定物質などを検査する。

○ 流通農産物検査項目は、農薬(イミノクタジン(Iminoctadine)、カルタップ(Cartap))、食中毒菌(サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、リステリア菌)で、流通水産物検査項目は重金属(鉛、カドミウムなど)、人工甘味料(サッカリンナトリウムなど6種)、動物用医薬品(トリメトプリムなど63種)などである。

○ 特に釣場に放流される移殖用魚類*は、食薬処と民間団体が協力して抗生剤など62種の残留量を本格的に調査する。

* 移殖用魚類:釣場放流用輸入魚類

○ 国家残留物質調査結果は、基準未設定残留物質の管理対象有無の決定と試験法改正、人体リスク評価など農・水産物安全管理政策に反映する計画である。

 

[MFDS] [報道参考] 食薬処、輸入食品などに対する「5年周期精密検査」実施の案内

輸入検査管理課 2022-01-28

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46109

□ 食品医薬品安全処は輸入食品などに対する「5年周期精密検査」制度導入後、2月22日に施行日が来るため、輸入業者の理解度を高め制度の安定的施行のために、「5年周期精密検査施行質疑応答資料集」を配布する。

○ 資料集には5年周期算定方法、精密検査対象可否の確認方法など制度施行に関わる営業者が必ず知るべき事項などを盛り込んだ。

□ 「5年周期精密検査」制度は輸入食品などに対する安全管理強化のために導入され、精密検査またはランダムサンプル検査を受けてから5年が経過した輸入食品などに対して、再度精密検査を受けるようにする制度である。

<添付>「5年周期精密検査施行質疑応答資料集」主な内容

 

[MFDS]安全で健康的に正月連休を過ごす方法Ⅰ(食品編) 

食品管理総括課など 2022-01-27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46106

□ 食品医薬品安全処は、正月を安全で健康的に過ごせるように、正しい食品購入、食材の準備・保管、食中毒予防要領など食品安全情報を提供する。

○ 主な内容は、▲正月節日生活防疫守則順守、▲買い物要領、▲祝祭日の食品準備、調理、保管、摂取要領、▲健康機能食品購入要領など、▲安全な食品選択のための「私の手の中」アプリ活用である。

<健康的な正月節日のための生活防疫守則順守>

○ 最近COVID-19オミクロン変異株の拡散速度が早くなっているため、正月節日には故郷、親類訪問、旅行を控え、不可避に移動する時は防疫守則を徹底的に順守する必要がある。

○(故郷訪問行動守則)COVID-19ワクチン接種を完了し、なるべく個人の車を利用した小規模な移動で、人との接触を最小限にした方が良い。

- 発熱など異常症状がある場合は訪問を止めたり延期して、自宅で症状を観察して積極的に診断、検査を受けなければならない。

○(防疫守則順守)休憩所と大衆利用施設を利用するときは滞在時間を最小限にして、大衆利用施設の出入りを控える。

- 不可避に飲食店カフェ*などを利用するときには、入店・注文・待機時・移動時・会話の時にもマスクを必ず着用しなければならない。

* 接種証明・陰性確認制(防疫パス)、私的の集まり7人以上禁止、営業時間制限(21時から翌日05時までテイクアウト・デリバリーのみ許可)、入店者名簿作成など守則順守

○(点検強化)食薬処は自治体とともに「安全で健康的な正月節日」のために、1月17日から2月6日まで正月の連休に訪問が増加する墓参り、観光地周辺の飲食店などを対象に防疫守則順守可否を集中的に点検する。

< 祝祭日の食品準備のための買い物要領 >

○(買い物手順)正月節日の買い物をする順序は、小麦粉や食用油など冷蔵が不要な食品をはじめ、果物や野菜など → ハムや練り物など冷蔵が必要な加工食品 → 肉類 → 魚介類の順にした方が良い。

- 大型割引店、伝統市場などで購入した食材を常温で長時間買い物かごに入れておくと、細菌増殖の懸念があるため、傷みやすい魚介類と冷蔵・冷凍食品は最後に購入するようにする。

○(農・水産物)農産物は傷がなく新鮮なものを選び、水産物は胴体に弾力があり、目が鮮やかで艶があり鱗が付いている新鮮なものを購入することを勧める。

○(食品表示)食品を購入するときは、賞味期限など表示事項をよく確認して購入しなければならない。

- ほとんどの酒類は製造年月日を表示するが、濁酒と薬酒は流通期限を表示するようにしており、正月用・プレゼント用で購入するときは、流通期限を確認する必要がある。

- 卵は卵殻の産卵日付表示を確認して購入し、冷蔵保管時は産卵日から30日経過した時点でも鮮度が維持されるので、産卵日から数日経っても安心して購入できる。

○(食品の運搬)買い物が終わったら、冷蔵・冷凍食品はなるべく保冷ボックスや保冷剤を利用して低温状態を保ち家まで運ぶようにする。

○(オンライン購入)正月節日の食材と調理された正月用食品をオンラインで購入する場合は、長時間常温に放置しないように早く受け取り、なるべくコールドチェーンで配送する業者の製品を選択することが望ましい。

- 冷蔵・冷凍食品を受け取ったらすぐに包装箱の損傷の有無と、保管特性に合わせて配送されたことを確認して開封した後に内容物を確認する。

- 配送された食品の異常有無(におい、調理状態など)を直ぐに確認して、内容物に異常がなければ摂取の前まで冷蔵・冷凍保管してなるべく早く食べるようにする。

* 冷蔵庫の冷却温度は5℃以下、冷凍温度はマイナス18℃以下であることを確認

<祝祭日の食品準備、調理、保管、摂取要領>

○(手洗浄)祝祭日の料理をする前には、石鹸などを使って30秒以上流水で手を洗わなければならず、調理時には衛生手袋を着用する。

- 特に卵や生の鶏肉に触った手で野菜・果物などを触れる場合、食中毒菌が伝染する可能性(交差汚染)があるので、必ず石鹸など手を洗う必要がある。

○(材料保管)購入した正月用食材を冷蔵庫に保管する場合、卵と生肉(肉類・魚類など)は加熱調理せずに食べる野菜と直接触れないよう保管に注意する。

- 冷凍保管肉類・魚介類と長期間保存する食品は冷凍庫内側の奥の方に入れて、冷蔵室ドア側は温度変化が大きいので、すぐに食べる食品を保管した方が良い。

* 冷蔵庫位置別温度 低い順:冷凍内部 < 冷凍ドア側 < 冷蔵内部 < 冷蔵野菜室 < 冷蔵ドア側

○(解凍方法)冷凍状態で活動を止めた細菌は誤った解凍方式でまた増殖することがあるので、冷凍肉類、魚などの解凍時は注意が必要である。

- 解凍方式は冷蔵解凍または電子レンジ解凍が望ましく、冷凍された食品の冷凍と解凍を繰り返したり、温水や常温で解凍、水に浸したまま長時間放置することは、食中毒菌を増殖させることがあるので注意する。

○(仕分け洗浄)鶏など家擒類、水産物、肉類などを洗浄するときは、周囲にある野菜、果物などに水が飛ばないように気を付けなければならない。

- 洗浄した食材は可能な限り早く調理して、すぐに調理しない場合は冷蔵保管する。

- 肉類・魚と生野菜は包丁・まな板を使い分けたり、使用後は洗剤を使用してきれいに洗い消毒*して、包丁・まな板による交差汚染を防ぐ。

* まな板、食器などは熱湯消毒して、器具などは殺菌消毒剤で殺菌

○(加熱調理)食品を加熱調理時、食品内部まで十分に煮なければならない。

- ミートボールなど粉砕肉を調理するときは必ず中まで完全に火を通して、ハム・ソーセージなど肉加工品は中心温度75℃で1分以上、カキや貝など魚介類は85℃で1分以上加熱調理する必要がある。

○(調理食品保管)正月用食品をあらかじめ大量に調理して保管する場合には、素早く冷ましてカバーを覆って冷蔵庫で保管する。

○(調理方法)チゲなどスープ料理は調理途中で塩加減をするより調理の最後に塩加減をしたり、食事をするときに塩やタレを活用すると減塩して食べることができる。

- カルビチム、プルコギなどは砂糖の代わりにパイナップル、梨、キウイのような果物を使用すると糖度が減り、肉を柔らかくする効果があり、キノコ、キャベツ、タマネギなど野菜と一緒に調理すると、料理の味を生かしながらナトリウムの排出に役に立つ。

- 魚類は調味料を使う煮付けよりも焼き物にして、レモン汁などを活用して酸味を加えると生臭さが除去されてさっぱりとした味を感じることができる。

- ナムル類は油で炒めるより茹でて調理して調味料は予め混ぜておく。調味料に野菜を浸しておくと野菜から水分が出て水っぽくなるので、食べる直前に合わせるようにする。

○(調理食品摂取)調理された食品は冷蔵・冷凍庫に保管して、常温で保管した場合には2時間以内に食べるようにし、必ず再加熱してから食べるようにする。

○(摂取量調節)祝祭日の食品は油で揚げたり炒めるなど高カロリー、高脂肪の食品が多く、カロリーが少なくなるようにカロリー計算をして食事量を調節する必要がある。

- 韓国式雑煮一杯(700 g)588 cal、貝焼き1人分(180 g)461 cal、餅カルビ焼き(200 g)403 cal、牛肉肉団子前(200 g)323 calで、名節食品栄養情報は食品安全情報ポータル食品安全国(www.foodsafetykorea.go.kr/fcdb)栄養成分データベースを通じて確認できる。

<健康機能食品購入要領および摂取注意事項>

○(違法広告)正月プレゼント用にたくさん購入する健康機能食品は、病気治療を目的に処方する医薬品ではないので「高血圧、糖尿、関節炎、性機能改善など」のような違法な表示・広告に惑わされて購入することがないように注意する必要がある。

- 健康機能食品は栄養成分を補ったり人体機能改善に役立つ食品で、医薬品のように病気治療および予防に効能・効果があるという内容は偽・誇張広告である。

○(表示・マーク確認)健康機能食品を購入(インターネットショッピングモール含む)するときは、製品に「健康機能食品」の表示と認証図案(マーク)を必ず確認する。

- インターネット、新聞、健康プログラムなどを通じて、健康に有用な効果があると販売されているオキアミ油、ヘンプシードオイル、一部、液状の丸形態で販売されている健康食品は機能性を認められない一般加工食品で「健康機能食品」の表示がない。

○(摂取注意事項)健康機能食品は安全性と機能性が確保される一日摂取量が決まっているので、製品に表示された摂取量、摂取方法、摂取時注意事項を確認してから摂取する。

- 紅参のジンセノシド成分は血小板凝固を減少させて血糖低下効果を高めることがあるので、糖尿病治療薬と血液抗凝固剤服用時には医師など専門家と相談して、プロバイオティクス製品は抗生剤と摂取すると効果が落ちることがある。

- 病気の治療中や医薬品を服用する場合には、医師と相談することが望ましい。食品安全国ホームページで、医薬品とともに摂取時に注意が必要な原料に関する情報を確認することができる。

○(異常事例)健康機能食品を摂取して異常事例が発生した場合、「健康機能食品異常事例申告センター」に報告する。

<安全な食品選択のための「私の手の中」アプリの活用案内>

○ 食品安全情報アプリケーション(アプリ)「私の手の中」を利用すると、いつでもどこでも便利に食品情報を確認することができる。

- 飲食店の衛生等級、行政処分を受けた業者だけでなく、回収、販売中止製品に関する情報を受けることができ、国内製造・輸入食品と業者検索はもちろん、不正不良食品を申告することができる。

- アプリ検索欄に卵殻の表示事項を入力したり、アプリにある光学文字リーダー(OCR)を撮影すると、飼育環境、農家情報など詳細情報を正しく知ることができる。

- 健康機能食品の場合、機能性情報と原料・製品データを連携した情報を提供するが、人体図で神経系、消化・代謝系などのアイコンを選択すると、機能性原料情報と関連製品詳細情報まで一度に確認できる。

*(例)「腸健康」に役立つ健康機能食品製品を知りたいとき、「腸」をクリックすると案内される。「機能性原料」を照会すると、製品情報、製品摂取量・賞味期限など詳細な情報の確認が可能

□ 食薬処は正月節日を迎え、正しい食品の購入・保管・摂取要領など食品安全情報を熟知して、健康で楽しい正月連休を送るよう願う。

<添付>

1.カードニュース(安全で健康的な正月)

2.各部署別担当者、連絡先

 

[MFDS]人中心の「有害物質統合リスク評価システム」施行

危害予防政策課 2022-01-27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46104

□ 食品医薬品安全処は、私達の体に入る有害物質が人体にどのような影響を及ぼすかを総合的に評価して、総量で管理することを主な内容とする「人体適用製品のリスク評価に関する法律」を1月28日から施行する。

○ 有害物質は食品、化粧品、生活用品など多様な製品と汚染された大気、土壌など環境にも存在するが、有害物質が多様な経路で私達の体に継続的に蓄積されれば健康に影響を与えることがある。

- 今までは食品、化粧品など個別、製品別に有害物質のリスクを評価・管理しており、有害物質が私達の体に及ぼす総合的な影響が分かりにくかった。

○ 今回施行される「有害物質統合リスク評価」は、多様な製品と環境を経て私達の体に入る有害物質が、人体にどんな影響を及ぼすか総合的に検証するものとして、今後は製品ではなく人中心に「有害物質総量」を管理できるようになる。

□ 「人体適用製品のリスク評価に関する法律」の主な内容は次の通りである。

❶ 「有害物質統合リスク評価」が導入され、私達の体に入る有害物質のリスクを科学的に検証して、有害物質が多い製品群を知ることができる。

- リスク評価の対象も既存食品、化粧品から医薬品、衛生用品、医療機器など食薬処所管の全製品(人体適用製品*)に拡大される。

* 人体適用製品:人が摂取・投与・接触・吸入などをすることで人体に直接影響を与えることがあるものとして、食品、医薬品、医薬外品、化粧品、医療機器、衛生用品など食薬処所管製品

❷ 私達の体に入っても有害ではない有害物質の総量を示す「人体暴露総合安全基準」を定め、今後の摂取量と使用量が多い製品群を中心に有害物質を管理することができる。

- リスク評価が終わる前でも有害影響が懸念され予防的措置が必要な場合には、当該製品の生産・販売などを一時的に禁止できるようにした。

* 一時的禁止措置を違反した場合、3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金

❸ 統合リスク評価結果を公開して日常生活で有害物質に対する国民不安を解消し、消費者団体または5人以上の一般国民が、食薬処に有害物質に対するリスク評価を直接要請できる「消費者リスク評価制度」を取り入れた。

□ 食薬処は、国民が多く摂取、使用する製品に含まれている有害影響の懸念が大きいか、リスク評価が緊急な有害物質を中心に5年ごとに基本計画を策定し、体系的にリスクを評価する計画である。

○ 今後、「有害物質統合リスク評価」の対象に、さらに多様な製品や環境まで含めることができるよう、環境部、産業部など関係部処とも協力を強化していく。

□ 食薬処は「有害物質統合リスク評価」が、国民を有害物質からより安全な社会に一歩進むことができると期待し、早期に制度が安着できるよう最善を尽くす。

<添付> 「人体適用製品のリスク評価に関する法律」 主な制定内容

 

[MFDS] [報道参考] 食薬処、流通段階の輸入食品を安全に管理します

輸入流通安全課2022-01-27

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46099

□ 食品医薬品安全処は国民が安心して輸入食品を消費できるように、今年の流通段階の輸入食品の安全管理推進計画を含む「2022年輸入食品流通管理計画」を策定・施行する。

○ 食薬処は流通中の輸入食品などの安全と品質を確保するため、「輸入食品安全管理特別法」に基づき、毎年、輸入食品流通管理計画を策定・施行している。

□ 流通管理計画の主な内容は、▲科学的なリスク予測分析に基づき、営業者・輸入食品に対して効果的安全管理、▲遺伝子組換え食品などの表示管理強化のための追跡調査実施などである。

○ 科学的なリスク予測分析*に基づいて輸入食品の販売者を指導・点検して、輸入食品など収去検査するなど効果的に安全管理している。

* 行政処分履歴、輸入申告件数・輸入量(増加の有無含む)、不適合履歴などの情報を基に分析

-(営業者の指導・点検)リスク予測分析を基に、リスクの高い業者を指導・点検対象業者に選定して集中管理して、輸入食品を直接扱わない、または現場点検の必要性が低い輸入業者などを中心に非対面指導・点検*を実施する。

* 今年導入した非対面指導・点検管理システムを活用して合計800箇所を点検予定

-(輸入食品の収去検査)リスク予測分析を基に、リスクの高い輸入食品の中から流通段階の安全管理がさらに必要な食品*を収去対象に選定して集中管理する。

* 冷蔵・冷凍保管、または基準・規格の中に微生物項目がある食品など

- また、検査命令制を拡大・実施*して、流通時輸入食品安全に対する営業者の責任を強化する。

* 繰り返し発生する不適合項目、有害発生懸念項目(不正物質など)等の検査を受けてから流通するように営業者に命令(’21年2回→’22年3回以上)

-(海外直輸入食品検査)有害成分や原料を含んだ海外食品の国内搬入を阻止するために、海外ハザード情報、リコール情報、有害発生頻度・時期などの情報を分析して、有害発生の恐れが大きい海外直輸入食品を先制的に購入して検査する。

- 同時に消費者に「食品安全国」ホームページ、「海外直輸入食品オール(ALL)すぐに」欄に直接購入海外食品関連情報* などを一括提供する。

* 海外直輸入食品の通関停止製品、正式輸入製品などの製品情報、海外有害食品、海外リコール情報など有害情報、国際取引相談情報、安全・毒性情報など

○ 消費者の知る権利のために遺伝子組換え農産物・食品に対しては、「遺伝子組換え食品」と表示して流通するように、輸入から製造・流通・販売まで追跡調査を実施して徹底的に管理する。

 

[MFDS] [報道参考] アフラトキシンが超過検出された「焼きピーナッツ」の回収措置 

食品管理総括課 2022-01-26

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46097

□ 食品医薬品安全処は、サンミョン農産が輸入して小分・販売した「焼きピーナッツ(食品類型:ナッツおよび堅果類加工品)」から、アフラトキシンが基準値(総アフラトキシン(B1、B2、G1、G2の合計) 15.0 μg/kg以下 (ただし、B1は10.0 μg/kg以下))より超過して検出(46.2 μg/kg (39.1 μg/kg))され、該当製品を販売中止して回収措置した。

 

[MFDS] [報道参考] 子供・青少年の食生活教育、食薬処が支援します

食生活栄養安全政策課 2022-01-26

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=46095

□ 食品医薬品安全処は、子供・青少年の肥満率が着実に増加*していることに伴い、子供・青少年の健康的な食習慣の形成を助けるために小・中・高など学校レベル別教材・教養支援など 「食品安全・栄養教育支援事業」を今年も積極的に推進する。

○ 最近、外食やデリバリーの消費増加でナトリウム・糖類の過剰摂取などが懸念される状況で、子供・青少年対象に食生活教育が必要である。

* 小・中・高校生過体重及び肥満割合(%):(‘15) 21.8 → (‘16) 22.9 → (‘17) 23.9 → (‘18) 25.0 → (‘19) 25.8 (2019, 教育部)

□ 主な内容は、▲小・中・高など学校レベル別教材・教養(甘味、塩味の味覚判定道具など)提供、▲休み期間中の栄養教師研修教育、▲栄養教育優秀事例公募展開催などである。

○ 「小・中・高など学校レベル別教材・教養」支援事業は甘味と塩味に慣れた子供・青少年の食習慣を改善するために、学校に教材・教養を支援する事業として3月中に提供する。

○ 栄養教師研修課程は、学校給食の糖類・ナトリウム削減、給食衛生管理、健康的な食習慣実践誘導方法などで構成された15時間研修過程で年4回運営する。

○ また毎年、「食品安全・栄養教育実践学校優秀事例」公募展を実施する計画である。

○ 参考に、食薬処は教育部とともに、2011年から食品安全・栄養教育支援事業を持続的に拡大*しており、昨年は全国554校、約23万名の学生が食品安全栄養教育を受けた。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 190-22

​​​​​​​​14 February 2022

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20190-22.aspx

意見募集

・食品安全管理ツール提案

 

-新しい食品安全管理基準への意見募集

Call for comment on new food safety management standards

14/02/2022

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-new-food-safety-management-standards.aspx

スタッフの食品安全スーパーバイザーをおくこと、食品を取り扱う者に訓練を行うこと、事業者の食品安全管理を立証する根拠を確実に提供できること、等。リスクに応じた規制が提案されている

 

 

雨の多い天気のため、タマゴテングタケによるリスクがあるので野生のキノコを採らないように

Food Safety Information Council(AU)

Wet weather brings warning not to pick wild mushrooms because of death cap risk

9 February 2022

https://foodsafety.asn.au/topic/wet-weather-brings-warning-not-to-pick-wild-mushrooms-because-of-deathcap-risk/

夏に雨が多かったためにいつもより早くキノコが生えている

 

伝統的製法で作られ戸外で自然乾燥される食品の安全性と満たすべき衛生要件のために調整が必要なものについてのスペイン食品安全栄養庁の報告書

Report of the Scientific Committee of the Spanish Agency for Food Safety and Nutrition (AESAN) on the safety of foods air-dried outdoors that are produced by traditional methods and which require an adjustment of the hygiene requirements that must be fulfilled

AESAN-2021-012

https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/seguridad_alimentaria/evaluacion_riesgos/informes_cc_ingles/FOODS_TRADITIONAL_METHODS.PDF

英語で書いてある。魚の干物とか干し柿のようなもののリスクについて、水分活性、食中毒菌、カビ毒等毒素

最初の2-3日で水分活性を0.90以下にして最終的に0.70より低くなるまで乾燥させるべき、等。

 

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダは気候変化の健康への影響を評価した報告書を発表

Health Canada releases assessment report on effects of climate change on health

February 9, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/02/health-canada-releases-assessment-report-on-effects-of-climate-change-on-health.html

 

Health of Canadians in a Changing Climate: Advancing our Knowledge for Action

https://www.nrcan.gc.ca/climate-change-adapting-impacts-and-reducing-emissions/canada-changing-climate-advancing-our-knowledge-for-action/19918

 

[CDC]官報通知:CDCの更新オピオイド処方臨床ガイドラインがパブリックコメント受付開始

 Federal Register Notice: CDC’s updated Clinical Practice Guideline for Prescribing Opioids is now open for public comment 

February 10, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/s0210-prescribing-opioids.html

 

[DHSC]医療と福祉全体でワクチンを採用条件にすることを取り消すことへの意見募集

Revoking vaccination as a condition of deployment across all health and social care

9 February 2022

https://www.gov.uk/government/consultations/revoking-vaccination-as-a-condition-of-deployment-across-all-health-and-social-care

COVID-19の予防接種を医療や福祉の従事者に条件とすることを廃止する提案。専門職としての義務はある。

 

[DHSC]Savid Javid保険社会福祉大臣―世界がんデースピーチ

Health and Social Care Secretary Savid Javid - World Cancer Day speech

9 February 2022

https://www.gov.uk/government/speeches/health-and-social-care-secretary-savid-javid-world-cancer-day-speech

予防対策としては喫煙、肥満、飲酒対策を強調

早期診断、HPVワクチン、ほかのワクチン開発等

 

論文

-カロリー制限試験はヒトの健康延長のための重要因子を明らかにする

Calorie restriction trial reveals key factors in extending human health

10-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942979

Science.

 

-Dartmouthの主導する研究が、金属暴露の胎児の成長への影響に新たな知見を提供する

Dartmouth-led study offers new insights into how metal exposures can impact fetal growth

10-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/943138

Environmental Internationalに発表された米国の1002人の母親の尿を集めて分析し乳児の差を解析した研究

 

-ワクチン躊躇とワクチン拒否:ドイツでの長期進展

Vaccine hesitancy and vaccine refusal: the long-term development in Germany

11-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/943032

PLOS ONEに発表されたパンデミック前からのドイツにおける予防接種率とワクチン躊躇の状況解析

1980年代末までに生まれた子どものワクチン躊躇の親は10%程度だったが2000年周辺の生まれだと約6%と、全体ではワクチン躊躇は減り予防接種率も上がっている。しかしワクチン躊躇の少数の親たちの中では逆にワクチンをますます受けなくなっている。同時期に、ワクチン接種率が50%から20%に低下している。より少人数になりより強硬になっている。

 

-骨関節炎へのオピオイド処方を止めよ、専門家が言う

Stop prescribing opioids for osteoarthritis, say experts

MJA Issue 5 / 14 February 2022  CAITLIN WRIGHT

https://insightplus.mja.com.au/2022/5/stop-prescribing-opioids-for-osteoarthritis-say-experts/

変形性関節症(OA)治療に関しては、専門家が根拠と実際に分断があると言う。OA治療にオピオイドを使わないようにと助言されているにも関わらず、いまだに定期的に処方されている。ある調査によると、20210年から2016年に、オーストラリアでは股関節のOAで26%、膝関節で15%にオピオイドが処方されていた。しかし系統的レビューではオピオイドのベネフィットは非常に小さく、有害事象リスクが増える。

臨床医は痛みにオピオイドを使うことに馴れていて、それがOAにもあてはまると思うのだろう。しかし同様に腰痛にもオピオイドは役に立たず害が大きいことを示唆する根拠がある。もう一つの要因は強力なマーケティングである

 

-脳の健康への学歴の重要性に新たな根拠

New evidence for the importance of educational attainment in brain health

9-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942885

Age and Ageingに発表されたフィンランド双子研究。高血圧や高コレステロール、高BMIのような心血管系リスク要因が人生後期の認知機能の低さに関連するが、その関連は学歴が低いほうが強い

 

-3Dプリンターがカスタム食品を作る

3D printers create custom foods

9-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942833

Chemical & Engineering Newsの特集

 

-三次元印刷食品が台所に

3D printed foods enter the kitchen

by Alla Katsnelson, special to C&EN

February 2, 2022

https://cen.acs.org/food/food-science/3D-printed-foods-enter-kitchen/100/i5

 

-移民のパターンは人気のある食品や飲料についてのフェイスブックデータに反映される

Immigration patterns are reflected in Facebook data on popular foods and drinks

9-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942101

PLOS ONE

食品や飲料の好みで文化の類似性を測定する試み。16か国で適用し、米国などの多くの国では最も多くの移民が来た国とトップの食品や飲料が類似する。移民の少ないインドネシア、日本、ロシア、トルコなどは他国と異なる。

(日本で一番目立つのが酒って?)

 

-ドイツではCOVID-19パンデミックが始まってから科学への信頼が増加した

Trust in science rose in Germany after onset of COVID-19 pandemic

9-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942271

PLOS ONE。ドイツは政治的分断が他の国より少なくパンデミック初期には封じ込めに成功した興味深い状況である

(図あり。ドイツが成功と言っているのは事実というよりメディアがそう報道したからなのでは)

 

-The Lancet

コメント 新しい慢性疲労症候群のNICEガイドライン:科学というより信念?

New NICE guideline on chronic fatigue syndrome: more ideology than science?

Signe A Flottorp et al.,

The Lancet VOLUME 399, ISSUE 10325, P611-613, FEBRUARY 12, 2022

2007年のガイドラインでNICEはCFS/MEに、RCTの根拠に基づき認知行動療法(CBT)と段階的運動療法(GET)を推奨した。その後さらに追加の根拠が助言を支持したにもかかわらず、2021ガイドラインは相当異なるものとなった。根拠は強化されたが解釈が大きく変わった。どうして?

 

Science

-「無料」特別号:ソーシャルメディア時代の科学

*Free* Special Issue: Science in the age of social media

10-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942564

 

-ニュースを一目で

News at a glance:

・ヒトチャレンジテスト無事終わる

前例のないSARS-CoV-2ヒトチャレンジテストの結果が報告された

・がんムーンショット再点火

・CRISPR特許紛争激化

・ケニア航空がサルのフライトを止める 

 空港での事故後

・ニュージーランドとオーストラリアが旅行を緩和

 

-Scienceエディトリアル

Landerの教訓

The lessons of Lander

  1. HOLDEN THORP

SCIENCE • 8 Feb 2022

バイデン大統領の科学アドバイザーで科学技術政策オフィス所長のEric Landerの部下へのいじめによる辞任は、この国のしっかりした科学と科学リーダーシップを導くのに苦労している政権にとって最新の失望である。FDAとNIH、そしてHHSのトップの不在は大統領の科学に従うとの誓約に沿っていない。

 

科学とソーシャルメディア

Science and social media

HOLDEN THORP

SCIENCE VOL. 375, NO. 6581

パンデミックよりずっと前から、科学者はソーシャルメディアに集まってアイディアや考えや情報を共有してきた。しかしパンデミックがそれをより大きくし目につきやすいものにした、特にTwitterで。それは科学にとって良いのか悪いのか?答えは両方。

今週号のScienceの「科学とソーシャルメディア」ではこの問題について探っている

また2月17-20日のAAASバーチャル年次会合では私がモデレーターとして4人の前線に立つ卓越した科学者でコミュニケーターに話を聞く。

 

-オンラインで科学を伝えることの慢性の産みの苦しみ

The chronic growing pains of communicating science online

DOMINIQUE BROSSARD AND DIETRAM A. SCHEUFELE

SCIENCE • 10 Feb 2022 • Vol 375, Issue 6581 • pp. 613-614

約10年前、我々は「オンラインでの科学コミュニケーションにはどのような方法がベストなのかについての応用研究なしには、将来、科学者が伝えようとしている特定の研究よりもオンラインコミュニケーションシステムでのダイナミクスのほうが人々の見解に与える影響の方が強くなることになる」と書いた。その後、購読ベースのニュースコンテンツは徐々に減り、聴衆の人口構成に基づいてキュレートされアルゴリズムによって優先順位をつけられたごく一部だけを標的にした情報がますますソーシャルメディアで増加した。一部はその結果もあって、COVID-19ワクチンや気候変動のような問題に極端に分かれた態度の人々が、それぞれ別々のエコーチェンバーで増加している

(以下ソーシャルメディアで科学を伝えるときにおこりがちな問題多数。ツイッターでのサイエンスコミュニケーションのあり方が問題になったのは東日本大震災の時だと思うのだけれどこれがほとんど学問の世界に知見を提供していない。あんなにたくさんの社会学者?が日本語での科学者批判に熱心だったのに)

 

-書評:ソーシャルメディアと共有されるリアリティ

Social media and shared reality

JENNIFER GOLBECK

SCIENCE • 10 Feb 2022 • Vol 375, Issue 6581

Kelly Weill著「常軌を逸して:地球平面論者、陰謀論文化、そして何故人々は何かを信じるのかOff the Edge: Flat Earthers, Conspiracy Culture, and Why People Will Believe Anything」の書評

写真のキャプション:地球平面論は一見無害だが、それは人々を他の陰謀論を信じやすいように準備させることがある

陰謀論は我々の日常生活に入り込んでいる

 

-ゲノム編集小麦は農薬なしで恐ろしい真菌に抵抗する

Gene-edited wheat resists dreaded fungus without pesticides

9 FEB 20222:30 PMBYERIK STOKSTAD

新しい系統は副作用なしにうどん粉病に耐える

中国科学アカデミー遺伝学および発達生物学研究所の植物学者Gao Caixia らがNatureに発表。今後大規模野外試験で収量の試験をする一方、彼らはいちごやペッパーやキュウリなどのほかのうどん粉病に弱い植物でもやってみたい。

 

科学者はマルチプレックスゲノム編集を梃子にして病気耐性小麦を作る

Scientists leverage multiplex genome editing to create disease-resistant wheat

9-FEB-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/942549

 

Nature

-中国のゲノム編集作物認可は研究者を活発にする

China’s approval of gene-edited crops energizes researchers

11 February 2022  Smriti Mallapaty

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00395-x

新たに発表されたガイドラインは収量が多かったり気候変動への耐性が大きい作物の研究を盛んにするだろう、と科学者は言う

1月24日に中国農業大臣が予備的ガイドラインを公表してから、研究者たちは申請提出を急いでいる。中国の新しい規則は米国より保守的でEUより寛大である。

 

-がん「ムーンショット」は非常に高い新たな目標を掲げる:25年以内にがん死を半分に

Cancer ‘moonshot’ has lofty new goal: halve deaths in 25 years

10 February 2022

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00376-0

Biden大統領が野心的目標を掲げ研究者らは最初の5年で18億ドルの計画

 

-尿の革命:おしっこのリサイクルが世界を救うのにどう役立つか

The urine revolution: how recycling pee could help to save the world

Chelsea Wald 09 February 2022

The urine revolution: how recycling pee could help to save the world (nature.com)

スウェーデン最大の島Gotlandでは淡水が少なく、同時に農業や下水由来の危険な量の汚染が周辺のバルト海で有害藻類大発生をおこしている。この問題を解決しようとヒト尿の窒素やその他栄養素を肥料として回収する試みが行われている。スウェーデン農業科学大学とそのスピンオフ企業Sanitation360が2021年からプロジェクトを行っている。

以下周辺の話題や課題

 

その他

-持続可能な稲作技術

The Craft of Sustainable Rice Farming

https://craftsmanship.net/the-craft-of-sustainable-rice-farming/

アーカンソー州で酒と寿司用のコメを栽培するIsbellファミリーの記事。

 

-Qアノンのアドレノクロムインチキ

QAnon’s Adrenochrome Quackery

Joe Schwarcz PhD | 10 Feb 2022

https://www.mcgill.ca/oss/article/pseudoscience/qanons-adrenochrome-quackery

Qアノンの陰謀論のもとになったと考えられる1971年のHunter. S Thompsonのサイケデリック古典“Fear and Loathing in Las Vegas(ラスベガスをやっつけろ)”にある記述「この物質の唯一の原料は生きた人間の体の副腎である」に関連する考察。

Qアノンは子どもたちの血液から若返りの秘薬アドレノクロムが作られると主張する。Thompsonの記述は1950年代のカナダの精神科医Abram Hoffer とHumphry Osmondによる統合失調症とメスカリンの影響に類似点があり、人体の作るアドレナリンが酸化してアドレノクロムとなって統合失調症を誘発するという仮説が背景にある。

(他いろいろ周辺情報)

 

-SMC UK

ベッドで寝る前のメディア使用を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at media use before bed and sleep

FEBRUARY 9, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-media-use-before-bed-and-sleep/

Journal of Sleep Researchに発表された研究が、ベッドで寝る前にメディアを使うことの影響を調べた

Bath Spa大学心理学とサイエンスコミュニケーション教授Pete Etchells教授

これは興味深い研究で、一般的に寝る前にスクリーンを見るのは良くないと思われていて、たくさんの研究が睡眠への悪影響を示唆している。しかしそれら研究の多くが相関で、自己申告による。この研究はより客観的な、EEGによる睡眠の計測に基づいている。メディア使用は自己申告だがその瞬間に行われていて思い出しの影響が少ない。知見は複雑であった。この研究では、ある種のメディア使用(寝る前、ベッドの中、複数のことを同時にしていない)は睡眠減少につながらないことを示唆した。一方長時間使用では寝る時間の遅さと睡眠の少なさと関連した。持ち帰るべきメッセージは、スクリーンベースのメディア使用と睡眠の関係は単純ではなく、我々はまだ理解を始めようとしているところである。