2022-03-02

[WHO]INFOSAN 2021年第4四半期まとめ

INFOSAN Quarterly Summary, 2021 #4

4 February 2022

https://www.who.int/news/item/04-02-2022-infosan-quarterly-summary-2021-4

食品安全インシデント

2021年第4四半期、INFOSAN事務局は、86のWHO加盟国(MS)と1つのMS領域が関与する64件の食品安全インシデントに対応した。生物的ハザードに関するものが33件、未表示のアレルゲン/成分に関するものが18件(乳(4)、大豆(4)、卵(3)、ピーナッツ(3)、アーモンド&ピスタチオ(1)、ヘーゼルナッツ(1)、甲殻類(1)、小麦(1))、物理的ハザードに関するものが6件、化学的ハザードに関するものが6件(メタノール(2)、アクリルアミド(1)、アミグダリン(1)ヒスタミン(1)、パツリン(1))、ハザード不明が1件であった。

発生した64件のインシデントで最も多く関係した食品カテゴリーは、魚介類(8)、肉および肉製品(8)、スナック、デザート、その他の食品(8)、ナッツ類および油糧種子(8)であり、次いで、野菜および野菜製品(5)、ハーブスパイスおよび調味料(4)、乳および乳製品(4)、砂糖及び菓子類(4)であった。

これらのインシデントの42%は欧州委員会の食品・飼料に関する緊急通報システム(RASFF)を通じて加盟国から事務局に伝えられ、49%はINFOSANメンバー(緊急連絡窓口とフォーカルポイント)、9%が様々なWHOチャンネルを通じて伝達された。また、INFOSAN事務局は、2021年のすべての四半期において、食品安全インシデントの件数の大幅な増加を記録した。

第4四半期における食品安全インシデントに関与したMS及び地域の分布は、欧州は53カ国中31カ国、アフリカは47カ国中22カ国、アメリカは35カ国中11カ国、東地中海は21カ国中9カ国、西太平洋は27カ国中10カ国、そして東南アジアは11カ国中4カ国であった。

フードサプリメントに関するINFOSAN作業グループ

作業グループは、2022年11月22日と24日にバーチャル会議を開催し、ダイエタリー/フードサプリメントについて議論した。会議は、規制や電子商取引による流通など、フードサプリメントの様々な側面に関する適正実施規範や各国の経験を共有し、関係する様々な利害関係者のそれぞれの役割と責任について話し合うことを目的とした。

作業グループの様々な活動に関する詳細な情報は、今後数か月以内にINFOSANメンバーに提供される予定である。

 

[Codex]コーデックスAMR文書の概要集が意思決定者に向けて食品由来AMRに対処するための完全な枠組みを提供する

Compendium of Codex AMR texts provides complete framework for decision makers to address foodborne AMR

17/02/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1472643/

 2022年2月17日、韓国が出資している食品由来の薬剤耐性(AMR)に関する新しいFAOプロジェクトのイベントにおいて、食品由来AMRに関する3つのコーデックス文書(ガイドライン、実施規範)を収載した概要集が発表された。この概要集は、各国がコーデックスガイダンスを実施するのを支援する。

*ACT (AMR Codex Texts)

https://www.fao.org/antimicrobial-resistance/projects/ongoing/project-10/en/

食品由来薬剤耐性の抑制と削減を支援するコーデックス規格の実行を推進するためのFAOプロジェクト(2021年7月~2026年7月)

*概要集:Foodborne antimicrobial resistance Compendium of Codex standards

https://www.fao.org/3/cb8554en/cb8554en.pdf

 

[Codex]EUは持続可能な食品システムへの移行促進におけるコーデックスの中心的役割を認識する

EU recognizes central role of Codex in facilitating transition to sustainable food systems

23/02/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1473424/

 2022年2月21日、ブリュッセルで開催された農業・漁業理事会において、EUの農業大臣らはコーデックス作業へのEUの尽力と、国際貿易のための食品安全規格の策定において持続可能な検討をより際立たせる必要性を強調した。農業・漁業理事会で採択された結論によると、大臣らは、持続可能な食品システムへの移行を促進するにあたりコーデックス(CAC)が中心的役割を成すと認識しており、EUは公平な貿易と健康保護のための規格を維持するという決定を再確認した。

 理事会の結論では、食品が可能な限り最高の安全規格を満たせるようにコーデックスの作業が不可欠なことを認識した。しかし、増大する環境課題や消費者による健康・食品・栄養への期待の変化などの最近の進展に合わせて、コーデックスは進化しなければならないことも認識している。大臣らはCACに対して、国際機関と政府間組織との間で行われる規格策定作業の調整を改善するよう依頼した。

 理事会は、CACの作業を支援する専門部会においてEUと加盟国が専門的に貢献していることを強調するとともに、加盟国には引き続き支援を行うよう呼び掛けた。

*理事会の結論の全文

https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-6298-2022-INIT/en/pdf

 

[Codex]新しい食品源と生産 / コーデックス副議長Diego Varela氏が植物性食品について学ぶ

New food sources and production / Codex vice-chair Diego Varela learns about plant-based food

24/02/2022

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1473559/

 2022年2月15日(火)、副議長のDiego Varela氏が植物性食品の製造方法を学ぶためにチリのNotCo社を訪問した。NotCo社は2015年に設立され、動物性食品に外観や匂い、味、機能を似せた植物性食品を作ることを目的にしている。この企業は、味や感触、機能を維持しつつ動物性食品の風味とテクスチャーを複製するために植物をどう組み合わせるかを決定するのに人工知能(AI)を利用している。

 ますます多くの新しい食品が市場に流通するのと同時に、世界中で新しい食品生産システムも開発されている。政府はこれらの新しい製品の安全性と品質を自国で監視するための規制を必要としており、この分野の企業は、これらの新しい食品生産システムと製品を理解し規制するために世界各地で導入されている異なるアプローチに対応しなければならない。

 Diego Varela氏は「NotCo社で見た、これらの新しい製品を製造する工程、技術、科学、そして情熱はとても刺激的なものだった。公平な貿易と安全な消費のために、規制の状況を近代化させ、民間部門や大学とともに作業していくことが正に必要とされている。」と述べた。

 

APEC食品安全リスクコミュニケーションの枠組みとガイドライン

APEC Food Safety Risk Communication Framework and Associated Guidelines

February 2022

https://www.apec.org/publications/2022/02/apec-food-safety-risk-communication-framework-and-associated-guidelines

 APEC加盟国の食品安全規制機関から一般への食品安全に関するコミュニケーションは、安全な食品供給に関する一般の信頼と信用を維持するのに重要な役割を成す。このAPEC文書は、「APEC食品安全リスクコミュニケーションの枠組み構築を通じた貿易の円滑化」プロジェクトのもと作成されたもので、食品安全規制機関に向けて、食品安全にかかわる事件発生時や危機的な状況に陥ったとき、また日常的な食品安全コミュニケーションについて、国際的な優良規範を示し実践ガイダンスを提供するものである。FSANZが中心となって作成した。

・APEC食品安全リスクコミュニケーションの枠組みを実行するためのガイドライン

・管轄機関の食品安全リスクコミュニケーションシステムのモニタリングとレビューに関するガイドライン

・食品安全の事件、緊急時または危機における食品安全リスクコミュニケーションに関するガイドライン

・日常的な食品安全リスクコミュニケーションに関するガイドライン

・食品安全リスクコミュニケーションのためのソーシャルメディアの利用に関するガイドライン

・食品業界の食品安全リスクコミュニケーションに関するガイドラインにより支援を受けた業界付属文書

 

[USDA]USDAは学校の再建を支援し、新年度の暫定栄養基準を発表する

USDA Helps Schools Build Back Better, Issues Transitional Nutrition Standards for Coming School Years

WASHINGTON, Feb. 4, 2022

https://www.usda.gov/media/press-releases/2022/02/04/usda-helps-schools-build-back-better-issues-transitional-nutrition

米国農業省(USDA)は本日、パンデミックから立ち直るための明確な道筋を示す学校栄養基準の改定を発表した。これらの活動は毎日学校で何百万もの子供たちに重要な栄養を提供する学校給食専門管理者を支援するものである。

2022-2023年度に開始し、2023-2024年度も継続予定の暫定基準を発表することで、USDAは学校に、現在のパンデミックの影響下にある体制から、より栄養価の高い食事への移行期間を与えている。2022年、USDAは引き続き、パンデミックとそれに関連する運用上の課題を乗り越える学校を支援すると同時に、子供たちが引き続き学校で健康的な食事を楽しめるようにすることを優先していく。また学校給食関係者と協力して、2024-2025年度に開始する、達成可能で子供の健康を最優先にした長期栄養基準を設定し、将来的な計画を立てている。これらの対策を合わせて、学校給食プログラムはより強固で、回復力のあるものとなる。

「栄養価の高い学校給食は、アメリカの子供たちに成功した、健康的な生活の基盤を与える」と農業省長官のTom Vilsack氏は述べた。「このパンデミックの難局の中、できる限り栄養のある食事を子供たちに提供し続けようとする学校の英雄的な努力を称賛する。この先2年間の学校年度に設定する基準は、過去10年にわたって学校給食の栄養改善に取り組んできた多大な成果を基に、学校の未来への移行に役立つだろう。」

Vilsack氏はまた、児童は一日のうち最も健康的な食事を学校で取っていることが研究から示されたと付け加えた。

USDAは2012年に学校栄養基準を更新した。学校はその基準の実行に概ね成功し、児童の食事に良い影響を与えていることが証明された。だが、明確な実施の遅れやパンデミックの課題により、一部の学校では現時点で、牛乳、全粒穀物、ナトリウムの基準を完全に満たせない可能性がある。本日の発表により、新年度の基準が明確になり、学校はパンデミックが引き起こした異常事態から、通常のプログラムの運用と、法律が求める最新の栄養科学に沿った食事基準に徐々に移行できるようになる。

この新しい最終規則「子供栄養プログラム:牛乳、全粒穀物、ナトリウムの移行基準」は、2022-2023年度に開始する以下の条件を設定している。

牛乳:6歳以上の児童を対象とする学校と保育施設は、無脂肪味付き牛乳、無脂肪または低脂肪味なし牛乳に加えて味付き低脂肪(1%)牛乳も提供できる。

全粒穀物:毎週学校給食や朝食で提供される穀物の少なくとも80%は全粒穀物の豊富なものでなければならない。

ナトリウム:2022-2023年度は、学校給食や朝食のナトリウムの1週間の限度量は現在の量を維持する。学校給食のみ、2023-2024年度では限度量を10%削減する予定である。これは、米国の加工済、包装済、調理済食品に自発的なナトリウム削減目標を設定している、米国食品医薬品局が最近発表したガイダンスに沿ったものである。

果実と野菜の条件など、他のすべての栄養基準は2012年の基準と同じままである。

将来の計画では、USDAは2022年秋に長期的な栄養基準の更新に向けて基準案を発表する予定である。USDAは最新の米国人のための食事ガイドラインからの助言に基づき、学校栄養基準を更新するよう求められている。その際、USDAは学校、産業界、その他から優先的に意見を求め、プロセスに反映させる予定である。USDAは学校が2024-2025年度の計画を立てるのに間に合うように規則を最終化する予定である。

「これらの暫定基準は、子供の健康改善の重要な役割を担う学校給食プログラムに乗り出す長期戦略の第1段階である。この先何か月、何年と、USDAは学校給食パートナーと協力して、次の栄養条件戦略を作成する予定である。最新の栄養科学に基づき、健康的な未来のための最善の機会を子供たちに与える基準と、その基準が実践的で、継続的であり、全ての人に機能することを保証する基準との間に、適切なバランスを見つける必要がある」とVilsack氏は述べた。

「学校給食の新時代を迎えるにあたり、何が一番効果的かを理解している学校や地域のパートナーの創造性がカギとなるだろう。彼らのアイデアを聞き、学びたいと強く望んでいる、なぜなら我が国の子供たちの健康と幸福のため、私たちは常に目標を高く置き、ベストを尽くさなければならないのだから。」とVilsack氏は付け加えた。

*学校給食のより詳細な背景や今後の規則制定プロセスに関する資料

ウェブページ:学校給食の再建

https://www.fns.usda.gov/building-back-better-school-meals

ファクトシート:子供の栄養プログラム:牛乳、全粒穀物、ナトリウムの移行基準

https://fns-prod.azureedge.net/sites/default/files/resource-files/bbbsm-fact-sheet.pdf

インフォグラフィック:これからの道のり、学校給食の再建

https://fns-prod.azureedge.net/sites/default/files/resource-files/bbbsm-road-ahead.pdf

インフォグラフィック:学校給食を再建するための10の理由!

https://fns-prod.azureedge.net/sites/default/files/resource-files/bbbsm-ten-reasons.pdf

 

[USDA]国の有機計画;認められている、および禁止されている物質の国のリスト改定

National Organic Program; Amendments to the National List of Allowed and Prohibited Substances (2022 Sunset)

A Rule by the Agricultural Marketing Service on 02/28/2022

https://www.federalregister.gov/documents/2022/02/28/2022-03851/national-organic-program-amendments-to-the-national-list-of-allowed-and-prohibited-substances-2022

2022年3月30日発効

 

[Defra]テンサイを守るために緊急農薬認可

Emergency pesticide authorisation to protect sugar beet crops

Last updated 1 March 2022

https://www.gov.uk/government/news/emergency-pesticide-authorisation-approved-to-protect-sugar-beet-if-specific-conditions-are-met

予想されるウイルス発生率が必要な閾値を超えた

2021年1月に、Defraは2022年のイングランドのテンサイにネオニコチノイド処理を緊急認可した。緊急認可は予想されるウイルスの発生率が、独立モデルで19%以上の時に与えられる。2022年3月1日のモデリングで68%と予想され、閾値を超えたので種子処理はできる。

テンサイはウイルスを運ぶアブラムシに弱く、2020年には前年比で1/4減収になった。他の農薬やオーガニックの方法ではウイルスを効果的にコントロールできない。シンジェンタのCruiser SBは緊急保護を提供する。EU全域での禁止以降の過去3年にEUでは12カ国がネオニコチノイド種子処理を緊急認可している

 

[ProMED]薬物中毒-南アフリカ:疑い、キャンディ、子ども

Drug intoxication - South Africa: susp., candy, children

2022-03-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8701732

Date: 1 Mar 2022 Source: Rising Sun [edited]

先週小学校の子どもたち11人が薬物を含むとされるお菓子を飲み込んで病気になって大混乱に陥った。Chatsworth警察は保護者や生徒に友達や知らない人からキャンディを買うことには注意をよびかけている。そのようなお菓子を食べると、イライラ、口渇、瞳孔散大、極端に活動的になって後で疲労するといった症状がでることがある。

編集注で南アフリカではStrawberry Quickとして知られているストリートドラッグのようだと記載。ストロベリークイックはメタンフェタミンと砂糖と食用色素と香料からなる。アンフェタミンを含むものもある

 

[ASA]ASA裁定

-ASA Ruling on The Detox Clinic Ltd

02 March 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/the-detox-clinic-ltd-a21-1119332-the-detox-clinic-ltd.html

オゾン静注療法の「抗炎症」「抗菌、抗ウイルス、抗真菌」等の宣伝が広告基準違反

 

-ASA Ruling on Back to Normal

02 March 2022

https://www.asa.org.uk/rulings/back-to-normal-a21-1119949-back-to-normal.html

反ロックダウン運動のウェブサイトでのイベルメクチンがCOVID-19治療に有効であるとの主張に根拠がなく基準違反

 

[ヘルスカナダ]保健大臣からのメッセージ-栄養月間(2022年3月)

Message from the Minister of Health – Nutrition Month (March 2022)

March 1, 2022

https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2022/03/message-from-the-minister-of-health--nutrition-month-march-2022.html

3月は栄養月間、健康的食生活を思い出す時期。今年のテーマは「より健康的な明日のための成分Ingredients for a Healthier Tomorrow」で、健康で長生きするために必要な重要な「成分ingredients」について考えることを促す

栄養成分表示をよく見て理解しよう

 

その他

-カタールの異なる先祖の人々のがんの遺伝的素因:集団ベースのコホート研究

Genetic predisposition to cancer across people of different ancestries in Qatar: a population-based, cohort study

Mohamad Saad et al., THE LANCET Oncology VOLUME 23, ISSUE 3, P341-352, MARCH 01, 2022

カタールの6種類の先祖集団に分けた6142人の全ゲノムシークエンスから、最もよくあるがんの多遺伝子リスクスコア解析をしたところを集団毎に有意な差があった。

 

-マレーシアは2005年以降に生まれた人へのタバコ販売を禁止する

Malaysia To Ban Cigarettes For Anyone Born After 2005

By CodeBlue | 27 January 2022

https://codeblue.galencentre.org/2022/01/27/malaysia-to-ban-cigarette-sales-to-anyone-born-after-2005/

現在17才のマレーシア人は来年18才になっても合法的にタバコを買うことはできない、あるいは一生買えないだろう

政府は次世代の喫煙を違法にする計画

先月はニュージーランドが2008年以降生まれの人へのタバコ販売禁止計画を発表した