[FDA]FDAは自主的リコールの最終ガイダンスの一環として、公衆衛生を守るための「リコールの準備」を企業に呼び掛ける
FDA Urges Companies to be ’Recall Ready’ to Protect Public Health as Part of Final Guidance for Voluntary Recalls
March 03, 2022
本日、米国食品医薬品局(FDA)は、企業が違反製品を迅速かつ効果的に市場から排除するための準備に役立つガイダンスを最終化した。本ガイダンスでは、リコール製品が市場に出回る期間を短縮し、その結果の公衆へのリスクを抑制するために、リコールになる前に、企業がトレーニング、計画及び記録管理を含むリコール方針や手順を策定することに関して概説する。
自主的リコールとは、違反で有害な可能性のある製品を是正あるいは市場から撤収するために企業がとる措置である。リコールを行う企業は、自らの意思で行うこともあれば、FDAが流通する製品が法律に違反していることを企業に通知し、製品のリコールを勧告することもある。FDAには規制対象物質、生物学的製品、ヒト細胞、組織及び細胞及び組織由来製品、医療機器及び食品など、特定の状況において特定の製品のリコールを要求する権限がある。
本最終ガイダンス「Instiation of Voluntary Recalls Under 21 CFR Part 7, Subpart C」では、FDAがすべての企業に推奨する、より迅速で正確なリコール措置を促進するために、企業が適切な製品コーディングを行い、流通記録を保持する方法について説明する。また、自主的リコールについて荷受人や一般市民に警告する際に、電子コミュニケーションを利用して特定の製品情報を迅速に同定し、提供することをリコール企業に奨励する。
また、このガイダンスは、公衆衛生が危険にさらされている場合、企業がリコールを開始するために迅速に行動し、問題の原因の調査が完了する前にリコールを行うことを促す。リコールは、下流のサプライヤー、卸売業者または販売業者を含むサプライチェーン全体に影響を及ぼす可能性があるため、FDAは企業が流通チェーン全体に迅速に情報を提供し、影響を受けるロットを迅速に特定し、必要に応じて製品を回収できるよう、リコール手順を策定することを推奨する。
近年、FDAは、特定のヒト及び動物用食品のリコールを実施するための小売委託先リストの公開利用に関するガイダンスの発行、ヒト及び動物用食品に対するリコールの義務付け、また、すべてのFDA規制製品に対する警告と通知、FDAが監視するすべてのリコールの公開リストである週ごとの執行報告書に新規リコールの迅速な掲載の再確認といった、リコールプロセスについて積極的かつ組織的に改善を行っている。
[FDA]公示:ワンダフルハニーは表示されない医薬品成分を含む
Public Notification: Wonderful Honey contains hidden drug ingredient
3-4-2022
米国食品医薬品局(FDA)は、様々なウェブサイトや一部の小売店で、精力増強目的で宣伝している製品「Wonderful Honey」を購入又は使用しないよう消費者に助言している。この製品は、輸入品の検査中に発見された。
FDAの研究所での分析により、Wonderful Honeyには、勃起不全の治療に使用されるFDA承認の処方薬バイアグラの有効成分であるシルデナフィルが含まれていることが確認された。バイアグラのFDA承認は、認可を受けた医療専門家の監督下で使用することに限定されている。シルデナフィルは、ニトログリセリンなど一部の処方薬に含まれる硝酸塩と相互作用し、血圧を危険なレベルまで低下させる可能性がある。糖尿病、高血圧、高コレステロール、心臓病の疾患のある人は、しばしば硝酸塩を服用する。
医療従事者および消費者は、これらの製品の使用に関連する有害事象または副作用をFDAのMedWatch 安全情報・有害事象報告プログラムに報告する必要がある:
・Medwatchオンライン報告フォームに記入し、提出する、あるいは、
・書式をダウンロードし、記入し1-800-FDA-0178へファックスする。
注:この通知は、表示されない医薬品成分や化学物質を含むダイエタリーサプリメントや伝統の食品として販売されている製品について、一般の人々に知らせる。これらの製品は通常、精力増強、減量又はボディビル用製品として宣伝され、しばしば「オールナチュラル」とされる。FDAは、表示されない有害成分を含む可能性のあるダイエタリーサプリメントをすべて検査し、特定することはできない。消費者は、上述のカテゴリーに属する製品を購入する前に、注意を払う必要がある。
[FDA]FDA TechTalkポッドキャスト第3話は人工知能について
FDA’s Third TechTalk Podcast Will Be on Artificial Intelligence
March 07, 2022
Artificial Intelligence in the New Era of Smarter Food Safety(よりスマートな食品安全の新時代における人工知能)と題したこのポッドキャストは、食品安全を変革する人工知能(AI)の可能性を探る。
[FSAI]農薬クロルピリホスメチル検出のためDunnes Storesセミドライチェリートマトの一部リコール
Recall of Specific Batches of Dunnes Stores Semi Dried Cherry Tomatoes due to the Presence of the Pesticide Chlorpyrifos-methyl
Monday, 7 March 2022
https://www.fsai.ie/news_centre/food_alerts/dunnes_tomatos_recall.html
ベルギー産Dunnes Storesセミドライチェリートマトは農薬のクロルピリホスメチルが検出されたため、リコール。製品写真あり。
[ECCC]化粧品や洗浄剤などの消費者製品に含まれる化学物質の表示義務化とサプライチェーンの透明性向上に関する協議を開始
Launching consultations on mandatory labelling for chemicals in consumer products, like cosmetics and cleaning products, and better supply chain transparency
March 4, 2022
化粧品、クリーニング製品、布張り家具の難燃剤など、特定の消費者製品に対する表示改善と義務化に関する協議を開始する。
[HK]生鮮牛肉から二酸化硫黄が検出される
Fresh beef sample found to contain sulphur dioxide
Monday, March 7, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220307_9343.html
食品安全センターは、本日(3月7日)、新鮮な牛肉のサンプルから、生鮮肉への使用が許可されていない保存料である二酸化硫黄2,121 ppmが検出されたと発表した。
[IARC]世界の甲状腺がんの疫学的光景:2020年発生率と死亡率のGLOBOCAN推定
The epidemiological landscape of thyroid cancer worldwide: GLOBOCAN estimates for incidence and mortality rates in 2020
8 March 2022
The Lancet Diabetes & Endocrinology.
地域により甲状腺がんの発生率には大きな違いがあるが死亡率は世界中で比較的一定。従って甲状腺がんの疫学的光景は多くの国での過剰診断の大きな影響を示唆する。この研究は甲状腺がんの過剰診断が世界的公衆衛生問題であることを確認する。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2213858722000353
[FAO]食品安全の将来を考える-展望報告書
Thinking about the future of food safety
A foresight report
2022
https://www.fao.org/documents/card/en/c/cb8667en
https://www.fao.org/3/cb8667en/cb8667en.pdf
食品安全と関わりのある将来を導く要因として以下を指摘
・気候変動
・消費者行動の変化
・新しい食料源や生産システム (クラゲや海藻が例に)
・都市化と都市での食料生産
・技術革新
・マイクロバイオーム
・循環経済
・食品偽装
[APVMA]新しい規制手段-農業と獣医用化合物規約(農業用有効成分)基準2022
New legislative instrument – Agricultural and Veterinary Chemical Code (Agricultural Active Constituents) Standards 2022
8 March 2022
https://apvma.gov.au/node/97451
[UKHSA]健康保護報告
Health Protection Report
環境公衆衛生サーベイランスシステム(EPHSS)報告2020-2021
Environmental Public Health Surveillance System (EPHSS) report for 2020 to 2021
March 2022
EPHSSには現在以下の3つのモジュールがある
・環境イベントサーベイランス
・子どもの鉛暴露サーベイランスシステム(LEICSS)
・イギリス気象庁事務所データインターフェース(MODI)
この初めての報告書ではサーベイランスステムとデータの流れを説明し機能事例を紹介し2015年から2020年までのデータを紹介する
・環境イベントサーベイランス
毎年700-1000件のインシデントが報告されていてロンドンが最も多い。種類としては家事が30%、場所は自宅や住居が34%で最も多い。ものとしては鉛、一酸化炭素,塩素、水銀の順
・鉛暴露サーベイランス
16才未満の子どもの血中鉛濃度0.48μmol/L以上 (10μg/dL以上)を報告する
年に33-50が報告されている
・MODI
温度、湿度、気圧、放射線、雷、風、花粉数などを報告
イネ科の花粉の数のグラフが例として掲載されている
論文
-前世紀の鉛暴露がアメリカ人の半分のIQを低下させた
Lead exposure in last century shrunk IQ scores of half of Americans
7-MAR-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/945202
有鉛ガソリンが1940年以降8億ポイント以上の累積IQを奪った
PNAS
その他
-SMC NZ
Covidの真の拡大を追跡する-専門家の反応
Tracking the true spread of Covid – Expert Reaction
08 March 2022
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/03/08/tracking-the-true-spread-of-covid-expert-reaction/
ニュージーランドの感染が急増したため科学者はオミクロンアウトブレイクの傾向を追跡するために適応する必要がある
今や保健省はウイルスの拡散推定には日々報告される感染者数を目安にしないように注意している。では代わりに何を?旅行者や国境労働者グループのモニタリングや入院数や下水検査が一部を担う。
SMCはサーベイランス検査の専門家にコメントを求めた
(コメント略。NZの国としては陽性者数2万人程度が上限らしい。現在は自分で抗原キットで検査して自主隔離になっているので感染者として報告されないので見かけ上数が減る。ステージが変わったので全数把握から普通のサーベイランスに移行。計画的に、ではなくて破綻によってしか移行できなさそうなのがなんだかななのだけれど)
-Natureエディトリアル
プラスチック汚染に関する画期的条約は科学的根拠を前面と中心に置かなければならない
Landmark treaty on plastic pollution must put scientific evidence front and centre
08 March 2022
https://www.nature.com/articles/d41586-022-00648-9
プラスチックをグリーンにする国連決議はポジティブな一歩である。交渉を始めるに当たって、それは根拠に基づかなければならない
(ストローの刺さったウミガメの写真で感情を煽ってきたNatureがそれをいう?と思わないでもない)
-コンシューマーラボ
日焼け止め中のどの化合物を懸念すべき?どの日焼け止めが最も安全そう?
Which compounds in sunscreen should I be concerned about? Which sunscreens seem to be safest?
Last Updated: 03/08/2022
ベンゼンとベンゾフェノン問題まだ続く。
違う製品を混ぜて使うな、ということと、この点では二酸化チタンは安全
(パーソナルケア用品全般に拡大した理由は検査会社(https://www.valisure.com/)が検出したためのよう
Valisure Detects Benzene In Body Spray Products
NOVEMBER 4, 2021
https://www.valisure.com/blog/valisure-news/valisure-detects-benzene-in-body-spray-products-3/
微量のベンゼンが問題だと主張する根拠がEPAの評価とFDAが医薬品のニトロソアミン類汚染に厳しい対応をしたこと。
もともと人工のものには天然物より厳しい規制が行われている。それがおかしいというのも一理ある。食べるものなくなるけど)
-専門家はデマがニュージーランドの社会的一体性に「長期的影響」を与えるだろうと警告
Experts warn misinformation will have 'long-term impact' on social cohesion in New Zealand
08/03/2022 Mitch McCann
ウェリントンでの義務化反対抗議が23日にわたり議会を占拠し水曜日の午後混乱状態で終わった。抗議活動をしていた人たちはレンガや岩を持ち込んでいたが,同時に偽りの情報で武装していた。デマはここしばらく国全体に出回っている。「それはワクチンではなく遺伝子組換えされた毒だ」とある女性は言う。この手の説は無限で、こういう説を広める人たちは自分が正しいと信じている。デマは新しいことではないが、ここまでの量と悪質さは新しい。それはニュージーランドの社会的一体性に長期的影響を与えるだろう、とSanjana Hattotuwaはいう。
-ミズーリ州が未殺菌ミルクの販売を合法にすることを検討する三番目の州になった
Missouri becomes third state thinking about making retail raw milk sales legal
By Dan Flynn on March 8, 2022
アラスカとジョージアに続いてミズーリ州が未殺菌ミルク合法化の動きに参加する。
過去100年間、米国で販売されるほぼ全てのミルクは殺菌されてきた。おかげで未殺菌ミルクが感染源となる結核、猩紅熱、腸チフスなどが減った。公衆衛生の専門家や医療の専門家はほぼ全てが殺菌を重要な公衆衛生対策だと考えている。
ミズーリの法案では未殺菌ミルクには「警告:この製品は殺菌されていないために有害細菌を含む可能性があり、子どもや高齢者や免疫の弱っている人は重病になる可能性がある」と警告することになっている。現在ミズーリでは農場からの直売では未殺菌ミルクが入手できるが小売りは禁止されている。州の伝統的酪農業界はこの法案に反対している。
(反ワクチン運動と同根、民主主義のコスト。)