[FSAI]食品安全研究優先項目2022
Food Safety Research Priorities 2022
Thursday, 10 March 2022
https://www.fsai.ie/Research_Priorities_2022/
プロジェクトの優先項目
暴露評価
ボディイメージと身体組成を対象とした食品サプリメントに関する具体的な食品消費量と分析データの作成
食品サプリメントの消費量と成分に関する以下のようなデータが必要である。
9歳から65歳におけるこれらのサプリメントの消費頻度および摂取量 。
これらのサプリメントに関連する公式/自己報告された有害な影響。
組成、特に違法な物質の存在の可能性。
サプリメントに含まれる生理作用のある物質の毒性。
子供の魚介類摂取に関する特別データの作成
2016年のアイルランド食品安全局(FSAI)科学委員会のマリンバイオトキシンに関する報告書では、貝類の消費による生物毒やその他の汚染物質への暴露リスクをより明確にするために、貝類に関する特別な食品消費調査の必要性が強調されている。以前のSCaRESプロジェクトで成人(18歳以上)のシーフード(魚介類)消費量についての情報が作成された。幼児(12〜35ヶ月)及び子供(3〜12歳)についても、同様の詳細なデータが必要である。
アイルランドにおける海藻と塩生植物の利用と消費パターン
2020年、FSAI科学委員会は「アイルランド市場で入手可能な海藻及び海藻由来食品の安全性に関する考察」という報告書を発表し、以下のさらなる研究を必要とする :
生後12か月以上のすべての年齢層における海藻の直接消費と他の食品の成分としての海藻の消費(増粘剤などの添加物ではない)についての定量的情報の作成。
海藻の調理法に関する調査と、消費した海藻の入手方法に関する情報(採集、ファーマーズマーケットでの購入、健康食品店での購入、オンラインまたは小売)。
有害化学物質(重金属など)の存在に対する食品加工の影響についての調査を実施し、暴露を最小限に抑える方法について消費者への助言を裏付ける。
食用海藻種と塩生植物の入手可能性に関するアイルランドでの市場調査により、リスク管理措置の情報提供。
FoodEx2食品分類システムでの国の食品摂取量データの体系化(EFSA)
より健康的な食環境を目指す欧州連合全体のプログラムにおいて、食品と食事の摂取習慣を考慮する必要がある。また、欧州食品安全機関(EFSA)による、アイルランドの食習慣を考慮した欧州連合全体のリスク評価も可能になる。
新興のリスクと脅威
新興の食品安全リスクを予測するためのオープンソースデータの利用と検索
FSAIは、新興リスク特定システムの第一段階として、フードチェーンにおける新興リスクのシグナルを特定し、専門家が評価できるようダッシュボードで提示する自動化システムを必要とする。新興リスクの出現を示唆するデータを探すことが重要である。
フードチェーン脆弱性評価
脅威/脆弱性評価は、アイルランドの主要なサプライチェーンをマップ化し、脆弱性のポイントを特定する必要がある。早期警戒のため、サプライチェーン上のデータモニタリングと分析アプローチを開発する必要がある。現在の優先分野順位は、アイルランドの牛肉、豚肉、鶏肉、白身魚製品のサプライチェーンである。
アイルランドに関連する食品真正性の問題を検出する方法の開発
真正性の検証について、研究が必要な優先分野の例は以下。
湿式および乾燥混合植物(ハーブ、植物性サプリメントなど)に含まれる植物種の同定および定量化のための分子手法の使用。
養殖貝類、特にムール貝の産地と栽培地を確認するための正確な地理的産地判別のためのメタゲノム・アプローチ。
アイルランドの肉や魚の真偽を確認するための信頼性の高い方法又は一連の方法。(例:アイルランドの牧草飼育牛、養殖鮭など原産地表示を確認するため)
食品科学と技術
消費者向け食品における脂肪、糖分及び塩分の削減
食品の組成変更の研究は、保健省が定めた組成変更目標(総脂肪、飽和脂肪、糖分、塩分)を満たす食品生産の実現性に焦点を当てる必要がある。研究では削減を確実にし、緩和措置(例:警告表示など)の検討も含むべきである。
食品生産における合成生物学の今後の動向と食品安全リスク
合成生物学、その食品分野での利用の可能性、潜在的食品安全面及び食品安全研究の必要性を明確にした報告書が規制科学者にとって有用な資料となる。
生鮮食品の農場から小売店までの迅速なトレーサビリティ
すべての関係者と所轄官庁がアクセスできる全体的なチェーントレーサビリティシステムを開発し、安全でない生鮮食品の迅速な特定とリコールを促進する研究が必要である。システムは、食材に関する食品安全情報(チェーンに沿った生物学的/化学的ハザードに関する検査結果など)を組み込むことも可能であるべきである。
有機農業及び地域の有機廃棄物の安全な土地への散布
アイルランドで土地に散布される有機農業材中の化学物質の濃度や病原体の種類、数、有病率、生存率について新しいデータが必要である。特定されたハザードを低減するための緩和策に関する文献の包括的なレビューが必要である。
化学ハザード、生物ハザードの検出方法の改善
食品中の汚染物質、残留物、微生物学的ハザードを検出するためのより正確な方法、処理申請のオンライン方法、食品中の多数の同時ハザードを同時に検出するマルチハザード法が必要である。製造工場での製品保護や危害分析重要管理点(HACCP)の検証、監視に使用できるよう、方法はより安価でシンプルかつ迅速である必要がある。
植物性代替肉の安全性
植物由来の代替食肉の安全性を確立するためには、微生物学的及び化学的安全性から研究が必要である。アレルゲン、病原性微生物、タンパク質源やその加工に起因する化学汚染物質、栄養素の利用における抗栄養素の役割などの問題はさらに研究が必要である。
食品としてのヘンプの食品安全化学データ
欧州連合(EU)では、麻から特定の工程で得られる一部のヘンプ由来食品は新規食品に分類され、上市が許可される前に、EFSAによる安全性の評価が必要である。麻植物の異なる部位に由来する食品に存在し得る120以上のカンナビノイドの検出及び定量化に関する情報が有用である。
生物学的安全性
抗菌剤耐性(AMR)の低減
アイルランドは、保健、農業、環境の各分野でAMRを予防、監視、撲滅を目指す。動物の健康を改善し、農場での抗菌剤使用を減らすための研究が必要である。食物連鎖を通じて人獣共通感染症の細菌における抗菌剤耐性の発達をモニタリングする研究が必要である。
アイルランドのヒトにおける志賀毒素産生大腸菌(STEC)感染リスクを低減するための「ワンヘルス」緩和措置
志賀毒素産生性大腸菌(STEC)の制御には、環境、動物の健康、人の健康の側面を考慮した緩和措置を含む「ワンヘルス」アプローチが必要である。食物連鎖とその環境全体を通じて実行可能な対策を特定するための研究が必要である。
アレルゲン
アレルゲンリスク評価のためのデータ開発
FSAI科学委員会は、アレルゲンリスク評価への科学的アプローチを発表している。アイルランドにおけるEU12(EU14からグルテンと亜硫酸塩を除く)アレルゲンに対する免疫介在反応の有病率の正確なベースライン値と、そのデータを国で登録更新する科学的に確かな方法を提供する研究が必要である。
化学物質の安全性
マイコトキシン検出のための迅速な検査キットの開発
マイコトキシンの有害な影響から消費者を保護するには、植物由来の食品及び飼料の農場及び保管中の汚染を防ぐための適切な緩和措置が必要である。食品製造の初期段階で適用でき、食品事業者が食材の供給とHACCPシステムの一環として使用できるような、手頃で信頼性が高く、携帯可能な検査方法の開発が必要である。
食品安全に関する懸念に対処する新しい毒性学的手法の開発
食品安全に関する化学物質の迅速な評価や毒性試験における動物使用の削減の観点から、新しいアプローチ手法やin silicoモデルの重要性が増している。また、複数の化学物質への暴露評価手法のさらなる開発が必要である。規制当局のリスク評価手法の適合性、妥当性についての研究が必要である。
循環型経済が農場及び製造段階での食品安全性に及ぼす影響
最近の研究では、PCB、PBDE、PCDD/F、PCN、PFASなどの残留性有機汚染物質を含むリサイクル材を介しても、産卵期の鶏や豚が暴露し、組織/器官に物質が移行する可能性が示されている。動物と接触する農場でのリサイクル材料(例:プラスチック、板/紙、ゴム、断熱材、木材)の使用の普及と性質を確立し、最終食品や家畜への移行につながるリサイクル上の化学物質のリスク調査と合わせて、これらのリスクを最小限に抑えるための介入策が必要である。
提案/新規食品接触物質から食品に漏出する化学物質の移行データの作成
一般的なリスク評価の問題は、認可された食品接触材料の成分が実際の食品にどのように漏出するかを理解する必要があり、もうひとつの問題は、リサイクルされたプラスチックや板紙を含む新しい食品接触材料から、安全でない化学物質が漏出する問題である。食品と接触した場合の食品安全への影響を調査するために、リサイクル又は堆肥化可能なプラスチック、ボード、インテリジェント/アクティブ包装に関する研究が必要である。また、プラスチックの代替材料の安全性を調査する研究も必要である。
アイルランドにおけるマイコトキシンの蔓延に対する適正農業規範と加工処理の影響
様々なマイコトキシンの個別及び同時発生における各段階の重要性を十分に解明することが重要である。現在実施されている農業(例:殺菌剤の使用)及び製造方法(例:洗浄、選別、乾燥手順)、さらに中間輸送と保管がマイコトキシンの生成に及ぼす影響についての研究は、重要管理点の特定と状況に合わせた実施規範の策定をする上で有用である。
アイルランドの園芸作物における天然毒素の蔓延
天然物(トロパン、ピロリジジン、アヘン、麦角、グリコアルカロイド、エルシン酸、青酸配糖体など)の毒性学的リスクが知られるようになり、規制措置が実施されるようになった。したがって、アイルランドで栽培される作物の有害物質の季節的な広がりを明らかにし、必要な場合には緩和戦略(適正農業規範、品種開発など)を開発する必要がある。
アイルランドの生産方式(例:場合によってはタンブリングを伴う食肉の注入/浸漬)を考慮した、製品の安全性を確保するための硝酸塩/亜硝酸塩の調査
欧州委員会は、硝酸塩(NO3)と亜硝酸塩(NO2)の最大許容量の削減を提案しているが、食肉製品の保存期間を通じて微生物の安全性と安定性を確保し、同時に色彩に許容できない影響がないことを保証する最小量を評価する研究が実施されるべきである。
保存肉の大きさ、製造方法、製品の保存期間、低塩肉製品など多くの要因を考慮する必要がある。
新たに提案された法律では、残留基準と残留レベルの両方が設定されるため、製品を上市するためには、これらの添加物の残留レベルも調査によって決定されるべきである。
食品中の亜硝酸塩(及び体内で亜硝酸塩に変換される硝酸塩)は、ニトロソアミンの形成に寄与する可能性もあり、肉製品におけるニトロソアミン形成を評価する必要がある。
アイルランドで麻痺性貝毒の事象が増加するリスク
2018年以降、神経毒サキシトキシン(及び麻痺性貝毒である化合物類(PSTs))が、アイルランド沿岸海域でその存在量、地理的分布、発生量が増加しており、分類生産地域の貝類の汚染につながっている。麻痺性貝毒(PSP)の発生に関し、以下の研究が必要である :
PSPの毒性増加の原因となっている環境条件と物理的動態を調査するためのキャッスルメーン港の本格的な調査。
アレキサンドリア種が大発生した場合、PSP毒性がほとんど観察されない他の重要な養殖場における同様の調査。
監視されていない海岸線での貝の捕獲によるPSP事象とヒト疾患のリスクの評価。
アイルランド海域に出現した新型毒素-毒素原性底生生物の特性解明と気候変動によるヒトの健康への影響の可能性
これまで報告されていなかった地域で、マリンバイオトキシンが出現し、汚染が魚介類、ひいては公衆衛生に与える影響も懸念されており、研究が必要である。
アイルランドの養殖生産地周辺の人工基盤を用いた底生生物の採集計画。
分子法、qPCR を用いた、これらの基盤から既知の新規毒素生産種、Gambierdiscus、Ostreopsis、Vulcanodinium とそれぞれの毒素を検出する研究。
これらの新興新規毒素群のリスクとヒトの健康に対する影響の査定。特にアイルランドの消費者の健康、アイルランドの養殖業への影響。
温帯と熱帯の両地域で報告が増えている他の有害藻類ブルームの傾向に沿っていると思われる底生有害藻類の調査。
知見は、海洋温度上昇を考慮した疾病の予測、監視、公衆衛生への備えとして重要である。
気候変動を考慮したアイルランド水域ではあまりないリスクの監視
リスク評価には、環境の変化による影響、外来種の有害藻類の持ち込み、その他の汚染物質の出現の可能性が含まれる。新しい毒物や汚染物質の長期的なデータを収集し、汚染された魚介類や海藻を摂取することで消費者を保護するための緩和策を講じる必要がある。
アイルランドにおけるニュートリビジランス制度の枠組みを開発する
ニュートリビジランスシステムの構築方法を明示する枠組みを開発すること、またパートナーシップやネットワークを特定し、食品報告システムを運用するために必要な法的枠組み、ガバナンス構造、管理システム、データ処理、人材を定義することは、アイルランドにおけるニュートリビジランスシステムの基盤確立に役立つ。
[FSA]FSAは新たな5か年戦略を打ち出す
Food Standards Agency launches new five-year strategy
18 March 2022
https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/food-standards-agency-launches-new-five-year-strategy
5か年計画では、食品を健康にし、より持続可能なものにすることに新たに重点を置く。
[FDA]FDAは農業用水規則案の要件を理解するために農業用水アセスメントビルダーを開始
FDA Launches Agricultural Water Assessment Builder to Help Farms Understand Agricultural Water Proposed Rule Requirements
March 21, 2022
FDAは、農業用水提案規則の農業用水評価に関する要件案を農場に理解してもらうため、使いやすいオンライン農業用水評価ビルダーを新たに公開した。
https://agwaterassessment.fda.gov/
[NIH]ODS 2021年間報告書公表
ODS Strategic Plan 2017-2021 & Annual Report
March 17, 2022
https://ods.od.nih.gov/About/StrategicPlan2017-2021.aspx
ODS 戦略計画2017-2021 及び年間報告書が発表される。
[HK]CFSは不衛生な加工が疑われる野菜漬物の製品を追跡調査中である
CFS follows up on pickled vegetable products alleged of unhygienic processing
Thursday, March 17, 2022
https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220317_9362.html
食品安全センター(CFS)は、メディア報道を受け、中国産康師傅ブランドの漬物牛肉風味即席麺他に関し、追跡調査を行っている。不衛生な加工が疑われる野菜漬物を消費しないよう注意を呼び掛ける。
[SFA] 地場産食品の活用を促進するための産後の母親向け入院食におけるパイロットプロジェクトが始まる
Pilot project to promote the use of local produce in hospital meals for new mothers takes off
Mar 18, 2022
産後の母親が入院中の食事を通じて地元産の農産物の認知度と需要を高めるためのパイロットプロジェクトが本日発足した。
[SFA]マレーシア産コーラルレタス及び小白菜の輸入制限について
IMPORT RESTRICTION OF GREEN CORAL LETTUCE AND XIAO BAI CAI FROM MALAYSIA
Mar 16, 2022
マレーシア産のコーラルレタス及び小白菜から、トルフェンピラド及びトリアゾホスの急性毒性を示す可能性のあるレベルの残留が検出された。
(濃度記載なし)
[ANSES]除草剤耐性品種の植物多様性への影響は?
What effect do herbicide-tolerant varieties have on plant biodiversity?
18/03/2022
https://www.anses.fr/en/content/what-effect-do-herbicide-tolerant-varieties-have-plant-biodiversity
除草剤耐性品種の使用が畑周辺の植物多様性に与える影響を測定した。
除草剤耐性ひまわりと伝統品種を比較した。除草剤耐性品種だと除草剤をより多く使うので畑の中の雑草の多様性は少ない。畑の周辺では他の要因の影響が大きい。
[COT]2022年3月29日の会合の議題
COT Meeting: 29th March 2022
Last updated: 21 March 2022
https://cot.food.gov.uk/COTMeeting29thMarch2022
・2022年2月8日の会議の議事録案
ホライゾンスキャンではリンベースの難燃剤と食事中残留抗生物質と関連する肥満、の2件について検討しどちらも現時点ではさらなる検討はしない
・2022年2月10日のBPAについての臨時会議の議事録案
EFSAの評価についてたくさんの疑問(一部のみ)
Th17細胞数の増加をエンドポイントに使ったことは懸念となる分野。EFSAの結論が適切だと納得できない。
研究の重み付けに関して、動物実験でネガティブになったものよりポジティブになったものにより多くの議論があり、適切な重み付けがなされていない可能性がある。EFSAはモデルに使えるデータを重点的に扱って他の関係情報を無視する傾向がある
TDIを大幅に変更しているのにより深く精査していないことは驚き
ベンチマーク用量モデリングに関してはLuo ら (2016)の研究からBMDL 0.06 µg/kg bw per dayが導出された部分に関して相当な不確実性がある
口腔粘膜からの吸収に関して矛盾がある
全体としてEFSAの新しいHBGVである0.04 ng/kg bwの設定に用いられたエンドポイントや研究、BMD解析に対して保留。Th17細胞数が20%増加することが本当に有害なのかという疑問が提示された。
Th17細胞への影響は免疫毒性の有害アウトカムというより中間影響と考えられていて、Th17細胞増加が免疫系の自然応答である、つまり感染と戦うときに増える、という根拠はある。従ってTh17細胞増加それ自体が病理影響であるかどうかは明確ではない。またTh17細胞は極めて多様で、特にマウス以外の種では、マウスのTh17細胞はヒトのTh17細胞と同じではない。
極めて高感度の中間エンドポイントを用いてHBGVを決定し、全ての食品摂取が推奨レベルを超えるBPA暴露になるので全ての人にリスクがあると示唆する、しかしヒトデータによって支持されていない、ことの将来の化学物質リスク評価への意味を検討した。
BPAは世界で最もよく研究されている化学物質の一つである。EFSAのアプローチはどんな研究でも明らかな欠陥がない場合は同格として採用するというもののようで、科学における再現性の重要性を無視している。US当局がCLARITYで行った詳細なガイド欄に従った研究があるにも関わらず個別論文で疑問を提示し解決されない。このことは化学物質のリスク評価背一般に明確に関係がある
・補遺A-ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康リスクについてのディスカッションペーパー-最近の製品調査を受けて
サプリメントに使われている合成あるいは補助型クルクミンは食品に使われているものとは毒性や生物学的利用度が違い安全なレベルが異なるので食事由来クルクミンのADIと比較するのは妥当ではない可能性がある
他ビタミンA、カドミウム、ニコチン、代用ミルク等
[FSANZ]食品基準ニュース
Food Standards News
March 2022
https://mailchi.mp/c74fbb88fc8f/food-standard-news-1300241?e=21527ddb09
・肉とその他動物製品の定義についての調査
植物ベースのタンパク質製品規制見直しの9つの助言をしている
・食品の微生物基準概要改訂版発表
・ニュージーランドで新たな原産国表示
・オーストラリアの原産国表示評価報告書発表
・裏庭の土壌の汚染物質研究
・AIFST 2022バーチャル微生物学会
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 195-22
23 March 2022
https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20195-22.aspx
改定No.206
・カバ基準
新規申請と提案
・GM Bacillus licheniformis由来β-アミラーゼ
・GM Aspergillus niger由来ホスホリパーゼA1
・Aspergillus niger由来グルタミナーゼ
・Penicillium rubens由来グルコースオキシダーゼ
意見募集
・MRL
申請取り下げ
・新規食品としてのLactobacillus fermentum CECT516 Lc40
-候補農業用及び獣医用化合物のMRL変更案に意見募集
Call for comment on proposed changes to residue limits for nominated agricultural and veterinary chemicals
Codex等国際基準に揃えるための改定
オーストラリアは2022年4月27日まで、オーストラリア以外は2022年5月18日まで
[FAO]ロシア-ウクライナ紛争に基づく世界食料安全保障の新たなシナリオ
New Scenarios on Global Food Security based on Russia-Ukraine Conflict
11/03/2022
https://www.fao.org/director-general/news/news-article/en/c/1476480/
Qu Dongyu事務局長による意見
政策助言
1.世界の食料と肥料の取引をオープンに維持する
2.新たな、より多様な食料供給源をみつける
3.避難民を含む脆弱集団を支援する
4.場当たり的な対応を避ける
5.市場の透明性と対話を強化する
(緊急対応とか柔軟性強化には共通の国際基準を採用しているほうがやりやすい、「日本独自の基準」は障害であることを理解すべき)
論文
-BfR
食品中アルケニルベンゼン:有害健康影響評価を妨げる状況
Alkenylbenzenes in Foods: Aspects Impeding the Evaluation of Adverse Health Effects
Foods 2021, 10, 2139に発表された論文
アルケニルベンゼンは天然に存在する植物の二次代謝物で、主にバジルやフェンネルシードに存在する。特に遺伝毒性化合物であるサフロール、メチルオイゲノール、エストラゴールに焦点をあててアルケニルベンゼンを含む食品の摂取によるヒト健康有害影響についての現在の知識と不確実性をレビューした
-環境意識の高い消費者は昆虫や藻で育てられたチキンを買う可能性がより高い
Environmentally conscious consumers more likely to buy chicken raised on insects or algae
22-MAR-2022
https://www.eurekalert.org/news-releases/947276
世界の家畜飼料には大豆飼料が多いが昆虫や藻類のほうが持続可能に育てられる可能性がある。この研究では1197人のドイツ人消費者に大豆ミール、昆虫ミール、スピルリナミールで育てた生の鶏胸肉の写真を示した。昆虫とスピルリナは大豆より肉の赤と黄色が強くなる。参加者の半分には各飼料の環境や栄養上の利点の情報を与え、残り半分には情報を与えない。参加者の好みは混合していたが、持続可能性に関心があり昆虫と藻の利点情報を得た人の方がそれらを買う傾向があった。環境意識が高くない消費者は昆虫や藻類の情報があるとそれらは買わないと言った。Food Policy
(鶏が虫食べるの当然なのに?天然の魚なんて人食べてるかもよ?)
-Scienceニュース
ピザ生地の作り方—酵母なしで
How to make pizza dough—without yeast
22 MAR 2022 BY GEORGE MUSSER
https://www.science.org/content/article/how-make-pizza-dough-without-yeast
新しいアプローチはオリジナルのように膨らんで焼ける
イタリアナポリのErnesto Di Maioは25才の時に酵母アレルギーになりピザを食べるとじんましんが出るようになった。妻はピザが好きでそのため何を食べるかでもめることがある。しかし今や彼らが酵母なしでピザ生地を作る方法を発明したため心配なく夕食が楽しめそうだ。
Naples Federico II大学のDi Maioのチームは生地に高圧でガスを注入し焼く時に圧を開放することで酵母と同じ効果が得られるかもしれないと考えた。温度と圧力の微調整が難しかったがピザ生地と物性学的には同様のものができた。Physics of Fluidsに発表した。しかし味は?ナポリのチームはさらに検討を進めている
-Natureワールドビュー
壊れたパン-ウクライナ侵攻により引き起こされる世界小麦危機を避ける
Broken bread — avert global wheat crisis caused by invasion of Ukraine
Alison Bentley 22 March 2022
https://www.nature.com/articles/d41586-022-00789-x
ロシアの戦争は世界の食糧供給の脆弱性を強調した-変化する気候の中で世界を食べさせるために継続した投資が必要
ウクライナとロシアは世界の全ての小麦輸出の1/3を占め、例えばレバノンは小麦の80%をウクライナだけから輸入している。既に小麦価格は記録的に急騰している。豊かな国は価格上昇に容易に対応できるだろうが低所得国ではパンへの補助金は厳しくなるだろう。前例のない国際政治的経済的対応が必要だ。同時に一連の農業投資が行われるべきである
(でもEUはまだオーガニック推進をやめてはいない)
その他
-ワシントン州司法長官Fergusonは証明されていない試験されていない幹細胞治療を販売したことでUS Stemologyを訴える
AG Ferguson files lawsuit against US Stemology for peddling unproven, untested stem cell treatments
Mar 15 2022
シアトルの会社は幹細胞注射がCOVID-19、パーキンソン病、紅斑性狼瘡、喘息を治療できると詐欺的に主張
(掲載されているクリニックのメインの宣伝は「幹細胞で若返り」)
-ウェルネス企業がリコールしたミルクシェイクは慢性ビタミン過剰を引き起こした、ブリティッシュコロンビアの販売員が主張
Wellness company's recalled milkshakes caused chronic vitamin overdose, B.C. sales rep claims
Bethany Lindsay · CBC News · Posted: Feb 24, 2022
MLM企業Isagenixが「過剰にビタミン類を添加した」食事代用品に関連した過失で訴えられる
Chera Harrisはかつて全国減量チャレンジで勝って、Isagenixのイメージキャラクターとなりほとんどの販売員よりはるかに多く稼いでいた。しかし昨年の訴訟によるとIsagenixの食事代用品を飲食することによる慢性ビタミンおよびミネラルの過剰摂取による健康問題を経験していた。Isagenixの多くの製品は2020-2021年にヘルスカナダから過剰添加によりリコールされている。
-MedicagoのCovidワクチンがタバコ企業との関連でWHOの拒否に直面
Medicago Covid Shot Faces WHO Rejection Over Company’s Tobacco Links
By Corinne Gretler 2022年3月17日
・カナダのバイオ医薬品企業の資本の一部はMarlboroタバコのメーカー
・この会社はカナダ政府と供給の契約をしている
Medicago Inc.社のCovid-19ワクチンがWHOによって拒否される最初の西洋のワクチンになりそうだ。理由はPhilip Morris International社との関連。WHOの3月2日のガイダンス文書によるとMedicagoのCovifenzワクチンの事前審査は受理されなかった。つまりWHOはこのワクチンの緊急使用を認可しない可能性が高く、Covax世界ワクチン共有計画には入らない。
WHOの医薬品アクセス・ワクチンと医薬品の統括補佐Mariangela Simaoは「Philip Morrisが部分所有しているためプロセスは中断された」と記者会見で述べた。「WHOと国連はタバコと兵器産業の関与には極めて厳しい方針をもっているため、認められる可能性は低い」
Covifenzは世界初の植物ベースのCovidワクチンで、植物が作ったタンパク質で作った。MedicagoはMitsubishi Chemical(田辺三菱製薬株式会社)とフィリップモリスとグラクソの所有でカナダ政府が開発資金を提供していてこれまでカナダでのみ使用が認可されている。
反タバコ団体はタバコ企業と関連のある会社の医薬品を認可することはWHOたばこ規制枠組み条約違反であると主張する。カナダ政府は政府の出資について検討して条約違反では無いと考えた
(植物としてのタバコは非常に良く研究されていて使いやすい)
-コンシューマーラボ
安全性と有効性でベストな日焼け止めはどれ?
What is the best sunscreen based on safety and efficacy?
Last Updated: 03/17/2022 Initially Posted: 08/13/2021
日焼け止めのベンゼンとベンゾフェノン汚染問題について更新
Consumer Reportsの記事を紹介
Best Sunscreens of 2022
By Trisha Calvo Updated January 25, 2022
https://www.consumerreports.org/sunscreen/best-sunscreens-of-the-year-a7763432372
コンシューマーラボはミネラルベースの日焼け止めは水に洗い流されやすくそのことがConsumer Reportsでの成績の低さにつながった可能性があると考察。化学物質のほうが皮膚に吸着あるいは吸収されやすいがそれは安全上の懸念になる可能性もあることを意味する、と。
ヨウ化カリウム(KI)とヨウ素酸(KIO3)放射線防護錠剤レビュー
Potassium Iodide (KI) and Iodate (KIO3) Radioprotective Pills Review
03/17/2022
ベストな放射線防護ヨウ素錠剤の選び方と適切な使い方を学ぼう
これらの製品は高用量のヨウ素を提供するためどうしても必要な時以外は使わないこと
-気候変動を緩和するために遺伝子組換え作物を活用せよ
Embrace Genetically Engineered Crops to Mitigate Climate Change
By Henry I. Miller and Kathleen Hefferon MARCH 04, 2022
https://www.pacificresearch.org/embrace-genetically-engineered-crops-to-mitigate-climate-change/
一般的見方はしばしば間違っている。例えば、有機農業は多くの人がよりナチュラルで健全で環境持続性だとみなしているがそのどれもが事実ではない。1990年に有機シールが確立されたとき、農務大臣Dan Glickmanは有機認証が基本的に無意味であることを強調した:「ひとつはっきりさせておきたいことは、オーガニックラベルはマーケティングツールである、ということである。それは食品の安全性について何かをいうものではない。また栄養や品質についての価値判断でもない」
よくある「グリーン神話」は有機農業は農薬を使わないというもんどえあるが、実際には有機農業では殺虫剤も抗菌剤も使う。しかし致命的欠陥は収量の少なさであり、それ土地と水を無駄にする。そして最も非合理的で持続可能性が少ないことは「遺伝子組換え」の絶対的排除であろう。ここ数十年の進歩で病気や干ばつに耐性のある植物が開発されてきた。技術が進めば進むほどハイテク農業と有機農業の差は広がるだろう。納税者の資源は有機農業への補助金にではなく気候変動対策としての遺伝子組換え作物の開発に使われるべきだ
-SMC NZ
ほとんどのワクチン義務は解除–専門家の反応
Most vaccine mandates to be lifted – Expert Reaction
23 March 2022
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/03/23/most-vaccine-mandates-to-be-lifted-expert-reaction/
NZのオミクロンピークが過ぎワクチン義務、パスポート使用、QRスキャンが縮小
医療や福祉、国境以外の全てのワクチン義務は4月4日から無くなる。
5人の専門家のコメント略
(不満そう。当然のことながら医療の人は規制強化に賛成、規制緩和には反対の人が多い。)