2022-04-05

[EFSA]意見等

-トロパンアルカロイドに関するFAO/WHO合同専門家会議の結論の評価

Assessment of the Conclusions of the Joint FAO/WHO Expert Meeting on Tropane Alkaloids

EFSA Journal 2022;20(4):7229  1 April 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7229

(科学的報告書)

欧州食品安全機関(EFSA)は、CONTAMパネルとFAO/WHO合同会議(FAO/WHO)との食品中のトロパンアルカロイド(TAs)のリスク評価の結果の違いを評価し、食品及び飼料中のトロパンアルカロイドに関するEFSAの意見の更新が適切かどうか結論するよう求められた。TAsはいくつかの植物に生じる二次代謝産物である。EFSA と FAO/WHOの評価で検討された主なTAsは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の競合的拮抗薬として作用することで薬理学的および毒物学的効果を発揮する、(‐)‐ヒヨスチアミンと(‐)‐スコポラミンだった。EFSA とFAO/WHOは共に、TAsの影響を評価するための重要な研究としてヒトのボランティアでの研究を検討した。CONTAMパネルは、心拍数の低下に基づき、(‐)‐ヒヨスチアミンと (‐)‐スコポラミンの合計としてグループ急性参照値(ARfD) 0.016 μg/kg体重(bw)を設定した。FAO/WHOは、ARfDの設定は不可能で、代わりに唾液分泌量の減少に基づき、2つの物質の合計に出発点 1.54 μg/kg bwを選び、暴露マージンアプローチでこれを適用すると結論した。この2つのアプローチの違いの詳細評価はこの報告書で提出されている。概して、CONTAMパネルとFAO/WHOの評価から出現した違いを定量的に比較するのは、適用されるアプローチの違いや評価の範囲の違いを考慮すると簡単ではない。既存の不確実性を考慮すると、CONTAMパネルが設定したARfDは、感受性の高いサブグループを含む一般人への保護として変更せずに保持する必要がある。結論として、FAO/WHOの評価との比較を基にして、食品中のトロパンアルカロイドの存在に関するヒトの健康へのリスクにについて、CONTAMパネルの評価の更新は必要ないと考えられる。

 

-EUテオシント(ブタモロコシ)の環境リスク評価の結論とEFSAのリスク管理の助言(2016) の更新

Update of environmental risk assessment conclusions and risk management recommendations of EFSA on EU teosinte

EFSA Journal 2022;20(4):7228  1 April 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7228

(声明)

メキシコと中央アメリカ原産の野生のトウモロコシの近縁種であるブタモロコシは、フランスとスペインの農業の有害な雑草として浮上した。2016年に欧州食品安全機関(EFSA)は、遺伝子組換え(GM)トウモロコシMON810、Bt11、1507、GA21の環境リスク評価(ERA)及びリスク管理(RM)の関連性のために、ブタモロコシの入手可能な科学的情報を評価した技術的報告書を発表した。対象及び非対象生物の、GMブタモロコシの雑種の子孫の昆虫耐性および/または除草剤耐性の影響(GMトウモロコシとブタモロコシの間の雑種形成から取得する可能性がある)、非生物的環境、生物地球化学的循環は、EUの条件下では非常に低いと結論した。欧州委員会の要請を受けて、EFSAは、ERAの結論とEFSAのRMの助言(2016)が依然として適用可能かどうか、またはEFSAの論文(2016)以降入手可能になったブタモロコシの新たな科学的根拠を踏まえた改定が必要かどうかを評価した。委任の委託事項の解釈を明確にするために協定が作成された。評価は広範な文献検索を通して取得した、フランスとスペインの管轄機関の報告書からの根拠や、専門家の証言の聞き取りに頼った。関連性と品質の異なる18の限られた論文集を検索し評価した。この根拠に基づいて、規則(EC) No 1107/2009で検討する必要があるトウモロコシGA21のグリホサートベースの除草剤の使用に関するものを除き、ERAの結論とEFSAのRMの助言(2016)は引き続き適用可能と結論した。蔓延している農業地域(特にトウモロコシMON810が広く栽培されている地域)では、ブタモロコシを監視、管理および/または全滅するために行われている雑草管理対策は、GMトウモロコシとEUブタモロコシとの間の低い垂直方向の遺伝子流動の可能性をさらに低減するのに寄与するため、依然として実施しなければならない。

 

-Aspergillus flavus MUCL54911株の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Aspergillus flavus strain MUCL54911

EFSA Journal 2022;20(3):7202  31 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7202

情報不足と懸念が確認された。

 

-FoodEx2メンテナンス2021

FoodEx2 maintenance 2021

EFSA Journal 2022;19(3):EN-7220 31 March 2022

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7220

(技術的報告書)

FoodEx2は様々な分野のデータ収集の必要性をカバーするためにEFSAが開発・維持する包括的な食品分類及び記述システムである。その完全な適用性を保証するためにシステムを最新状態に保つ必要があり、そのため定期的なシステムのメンテナンスが必要である。今までに4つの主要な更新が実施され、実施された全ての変更は年次メンテナンス報告書に記載されている。この技術的報告書には、新しい用語の追加、一部の用語の報告可能性の変更、潜在的側面の改良や親子関係の変化など既存の用語の修正が含まれ、2021年に行われた5回目のメンテナンス工程の結果が記載されている。

 

[BfR] 化学物質安全性が焦点:人々と環境を守るための共同研究

Chemical safety in focus: joint research to help protect people and the environment

25.03.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/09/chemical_safety_in_focus__joint_research_to_help_protect_people_and_the_environment-293524.html

人々は日々、多くの化学物質や物質にさらされており、その多くは環境中に排出される。近年、それぞれの物質や混合物のヒトや環境に対する毒性やリスクの可能性を評価するための方法や概念が数多く開発されている。ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)と環境研究ヘルムホルツセンター(UFZ)の間での実験毒性学及び分析科学における革新的技術の科学的交流とそのさらなる発展が、新たに形成された研究協力の焦点となる。BfR長官Andreas Hensel博士とUFZディレクターのGeorg Teutsch教授及びSabine König博士によって、それぞれの協定が結ばれた。「人々の幸福と環境は密接に結びつく。化学物質は、意図した用途や機能以外に、意図しない、あるいは望ましくない影響を与えることもある。この協力の目的は、化学物質のリスク評価のための新しい戦略を開発することによって、消費者と環境の保護を強化することである」と、BfRのHensel長官はこの協力について述べる。UFZの科学ディレクターであるTeutsch教授も、「UFZは混合物の毒性学的評価に明確に焦点をあてつつ、化学物質の運命と影響を予測するための戦略を開発する。UFZが開発した方法は、BfRの評価を支援する。」とこの協力の有用性を強調する。

共同活動では、実験毒性学と分析法の分野の研究プロジェクトに焦点をあてる。これは、化学物質のヒトへの影響を同定するための新しい手法の開発と、これらの手法によるリスク評価の可能性を含む。また、それぞれの成果、概念、テーマは共同国際ワークショップの対象となる。分析法の向上により、人々が化学物質や混合物にどの程度暴露しているかを明確にするのにすでに役立っている。これらの暴露は、明確に定義された規制の範囲内での予測可能な結果をもたらすかもしれない。しかし、物質が同時に規制横断的に使用される場合や環境的背景での暴露の場合、このような物質との接触や摂取については予測しにくくなる。BfRとUFZの両機関は、物質や混合物がヒトの健康や環境生物に与える影響について共同で研究を行う。動物を用いない代替法の実施、改善、利用もこの協力関係の焦点のひとつである。方法論の革新的技術に加え、実験毒性学の概念も常に発展しており、両機関の協力によってさらに前進するだろう。

BfRとUFZは、基礎研究を促進し、知識や技術の移転を通じて研究成果を実用化するために、緊密な協力関係に努める。

 

[BfR]コロナパンデミック:現在の規制についてよく知っていると感じているのは半分だけ

Corona pandemic: Only half of the population feel well informed about the current regulations

04.04.2022

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/12/corona_pandemic__only_half_of_the_population_feel_well_informed_about_the_current_regulations-294302.html

BfR-Corona-Monitorによると、現在発効中の対策について良く情報が得られていると感じている人々は僅か49%。ワクチン助言について良く知っている人はもっと多く64%

年代により差がある

https://www.bfr.bund.de/cm/349/220329-bfr-corona-monitor-en.pdf

 

[FDA]FDAはダイエタリーサプリメント中のNACに関する2件の市民請願に回答を発表する

FDA Issues Response to Two Citizen Petitions on NAC in Dietary Supplements

March 31, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-response-two-citizen-petitions-nac-dietary-supplements

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、N-アセチル-L-システイン(NAC)を含む製品は、連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)のセクション201(ff)(3)(B)(i)の下でダイエタリーサプリメントの定義から除外されていないと判断するよう求める、責任ある栄養のための評議会(CRN)とナチュラル製品協会(NPA)からの2件の市民請願を棄却した。

市民請願に対するFDAの回答は、NACがダイエタリーサプリメントの定義から除外されることを確認した。代替要請として、ダイエタリーサプリメントにおけるNACの使用を許可するための規則制定というNPAの市民請願についてはまだ、検討を続けている。請願に対するFDAの2021年11月24日の暫定回答では、NPAの規則制定要請を評価するために、ダイエタリーサプリメントとして販売される製品におけるNACの安全使用と安全性に関するデータ、研究結果、その他の情報を求めた。FDAは、情報提供に応じて、追加情報のレビューを含め、NPAの代替要請の審査を完了した後、NPAの残りの要請に対応する予定である。

この間、FDAは、これまでのレビューに基づく安全性の懸念がないことなどを考慮し、ダイエタリーサプリメントの定義からNACが除外されていなければ、合法的に販売されているダイエタリーサプリメントであり、FD&C法に違反しないダイエタリーサプリメントと表示されたNAC含有製品について、自由裁量権を行使することを検討している。FDAは近く、ダイエタリーサプリメントと表示されたNAC含有製品に関する方針のガイダンスを発行する予定である。

(注:背景には1963年にMucomyst(アセチルシステイン)が新規医薬品として認可されていることなどがある)

 

 

[FDA]2022年の行動におけるFDAのテクノロジーとデータの近代化

FDA’s Technology and Data Modernization in Action in 2022

MARCH 30, 2022

https://www.fda.gov/news-events/fda-voices/fdas-technology-and-data-modernization-action-2022

FDAのデータ近代化アクションプラン(DMAP)と技術近代化アクションプラン(TMAP)を踏まえ、「行動における近代化」の進捗状況をご報告する。

 

[FDA]リコール

-F&S Medical Supply, DBA Pink Toyzは表示されない成分シルデナフィルのため、Pink Pussycatカプセルの全国の自主的リコールを発表する

F&S Medical Supply, DBA Pink Toyz Issues Voluntary Nationwide Recall of Pink Pussycat Capsules Due to the Presence of Undeclared Sildenafil

April 01, 2022

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/fs-medical-supply-dba-pink-toyz-issues-voluntary-nationwide-recall-pink-pussycat-capsules-due

 F&S Medical Supply, DBA Pink Toyzは表示されない成分シルデナフィルのため、Pink Pussycat 3000 mgカプセルを消費者レベルで自主的リコール。製品写真有り。

 

[FDA]警告文書

-Medina Baking and Powder Products, Inc.

MARCH 04, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/medina-baking-and-powder-products-inc-619373-03042022

食品表示、不正表示の問題。

 

-Nature's Highway

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/natures-highway-627304-03282022

新型コロナウイルス(COVID-19)に関連する未承認の医薬品、不正表示。CBD製品を含む。

(以下、同様)

-CBD Social

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/cbd-social-627044-03282022

-Heaven’s Organic LLC

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/heavens-organic-llc-627359-03282022

-UPSY LLC

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/upsy-llc-627962-03282022

-Functional Remedies, LLC D/B/A Synchronicity Hemp Oil

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/functional-remedies-llc-dba-synchronicity-hemp-oil-627208-03282022

-Cureganics

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/cureganics-627288-03282022

-Greenway Herbal Products LLC

MARCH 28, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/greenway-herbal-products-llc-627042-03282022

 

[FDA]Leslie Kux食品安全・応用栄養センター規制政策、栄養及びエンゲージメント担当副センター長による食品医薬品法研究所(FDLI)での発言

Remarks by Leslie Kux Deputy Center Director for Regulatory Policy, Nutrition, and Engagement, Center for Food Safety and Applied Nutrition to the Food and Drug Law Institute (FDLI)

MARCH 30, 2022

https://www.fda.gov/news-events/speeches-fda-officials/remarks-leslie-kux-deputy-center-director-regulatory-policy-nutrition-and-engagement-center-food

米国食品医薬品局(FDA)での振り返りと今後について。米国の栄養状態を改善し、健康の公平性を高めるために、FDAが注目する分野、化粧品について等。

 

 

[CFIA]カナダ最大の科学に基づく規制当局は食品、植物及び動物の保護に取り組み、25周年を迎える

Canada's largest science-based regulator marks 25 years of protecting food, plants and animals

April 4, 2022

https://www.canada.ca/en/food-inspection-agency/news/2022/04/canadas-largest-science-based-regulator-marks-25-years-of-protecting-food-plants-and-animals.html

 カナダ食品検査庁(CFIA)は、カナダのフードサプライを守り続けて25周年を迎える。

 

[TGA]安全性助言

24K Rhino capsules

5 April 2022

https://www.tga.gov.au/alert/24k-rhino-capsules

 24K Rhinoカプセルは、表示されない成分シルデナフィルを含む。健康に深刻なリスクを引き起こすため、服用しないよう注意を呼び掛ける。製品写真有り。

 

[HK]法令違反

-レタスのサンプルから基準値超過の残留農薬を検出

Pesticide residue exceeds legal limit in Lettuce leaf (Indian lettuce) sample

Friday, April 1, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220401_9394.html

レタス(インディアンレタス)のサンプルから、基準値0.2 ppmを超える0.42 ppmのシハロトリンが検出された。

 

-包装されたカシスチョコレートのサンプルが栄養表示規則に違反

Prepackaged Blackcurrant Pastilles sample not in compliance with nutrition label rules

April 4, 2022 (Monday)

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220404_9400.html

マレーシア産カシスチョコレートのサンプルから、ナトリウムが35 mg/100 gという表示のところ56 mg/100 g検出された。

 

-包装された冷凍菓子が食品医薬品規則に違反

Prepackaged Frozen Confection not in compliance with Food and Drugs (Composition and Labelling) Regulations

Tuesday, March 29, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220329_9386.html

タイ産冷凍菓子のサンプルから検出された、着色料として許可されているCarmoisineとBrilliant Blue FCFの2つが製品の食品ラベルに表示されていなかった。

 

-ラディッシュのサンプルから基準値超過の残留農薬を検出

Pesticide residue exceeds legal limit in Radish sample

Wednesday March 30, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20220330_9389.html

ラディッシュのサンプルから、基準値0.3 ppmを超える0.91 ppmのチアメトキサムが検出された。

 

[FSA]Scratch Meals社がScratch Chicken & Veggie Tikka Masalaに高濃度のナイアシン及び亜鉛成分が含まれているため、リコールする

Scratch Meals recalls Scratch Chicken & Veggie Tikka Masala because it contains high levels of Niacin and Zinc

30 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/alert/fsa-prin-20-2022-update-1

 Scratch Meals Ltdは、Scratch Chicken & Veggie Tikka Masala with Spiced Brown Riceに、ラベルの成分表に記載されていない誤った成分、ナイアシン及び亜鉛が含まれているため、リコールを追加する。安全性に問題がある可能性がある。

 

[FSA]FSAはCBD市場を規制するための次の段階の措置を講じる

Food Standards Agency takes next step to regulate CBD market

31 March 2022

https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/food-standards-agency-takes-next-step-to-regulate-cbd-market

 英国食品基準庁(FSA)は、本日公表した公開リストに掲載されていない製品を優先的に販売から排除し、CBD市場が法令に適合するよう呼びかける。

https://www.food.gov.uk/safety-hygiene/cannabidiol-cbd

 

[SFA]コールドチェーン食品の製造・運営におけるCOVID-19 の予防と管理に関する指針

GUIDELINES ON COVID-19 PREVENTION AND CONTROL IN COLD CHAIN FOOD PRODUCTION AND OPERATIONS

01 Apr 2022

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/circulars/2022/guidelines-on-covid19-prevention-and-control-in-cold-chain-food-production-and-operations.pdf

中国税関総署(GACC)の冷凍食品に関するCOVID-19 の予防と管理に関するガイドラインについて通知。

https://www.sfa.gov.sg/docs/default-source/circulars/2022/gacc-technical-guide-for-covid-19-prevention-and-control-(english-translation).pdf

 

[SFA] シンガポールの安全な食料供給を確保するために:終日、毎日

Securing Singapore’s Supply of Safe Food: All Day, Every Day

All day and every day

01 Apr 2022

https://www.sfa.gov.sg/food-for-thought/article/detail/securing-singapore-s-supply-of-safe-food-all-day-every-day

シンガポール食品庁(SFA)の職員が、シンガポール全土に散らばって、シンガポールの安全な食料の供給を確保するために働く様子を紹介する。

 

[NASEM]ヒト健康リスク評価のための新しいアプローチ方法(NAMs) ワークショップの概要

New Approach Methods (NAMs) for Human Health Risk Assessment

Proceedings of a Workshop–in Brief

(2022)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26496/new-approach-methods-nams-for-human-health-risk-assessment-proceedings

2021年12月9日のバーチャルワークショップの概要

テーマは

1.伝統的毒性試験は化学物質安全性の決定に情報提供するときどう使われてきたのか?

2.伝統的哺乳類毒性試験の変動と一致(variability and concordance)について我々は何を知っているのか?

3.異なる関係者のニーズや期待は何か?

(一部抜粋)

哺乳類実験動物を使った毒性試験はリスク科学の土台であり、がんを含むヒトの病気と強い関連があった。しかし限界もある。例えば動物実験は通常高濃度で行われヒトにはあてはまらない可能性がある。公衆衛生を守るためには、将来のリスク評価は入手可能なデータを全て使い、多様なデータを統合する革新的方法により、一連のヒトで観察される僅かな影響や病気を反映した健康エンドポイントを考慮する必要があるだろう。

化学物質毎の評価と丸ごとの動物を使った試験は必須の役割を果たし続けるだろう

現在NAMはin vivoデータと合わせて有害影響の示唆にはなるが動物実験の代わりにはならない

NAMへの期待は高いが、現在の動物実験により提供されている能力を失わないことが重要である、それは「すぐに使用できる根拠actionable evidence」である

動物実験については圧倒的信頼がある

ウサギでの目や皮膚の刺激性試験では軽度から中程度の刺激の多様性が大きく、ラットの経口急性毒性では軽度の毒性が最も再現性が高い。

変動の原因に対処して改善できる分野はある

NAMはリスク評価を強化するのに役立つ可能性がある

 

[RIVM]タバコをより魅力的なものにするタバコアクセサリー

Tobacco accessories. Products that make tobacco attractive

2022-04-04

https://www.rivm.nl/publicaties/tabaksaccessoires-producten-die-tabak-aantrekkelijk-maken

香料入りフィルター、香料スプレー、フレーバーカードのようなフレーバーアクセサリーは喫煙者の9%が使用している。3/4はメントールフレーバーである。2020年5月にメントールタバコが禁止されてからこの手のアクセサリーの売り上げが10%増えた。

害を減らすアクセサリー(フィルター等)は喫煙者の4%が使用している。RIVMの研究ではこれらの一部はタールやニコチンを半分以上除去するが、それで製品の有害性が減るかどうかは明確ではない。

全てのタバコアクセサリーはタバコをより魅力的にするが、それが喫煙者を増やすかどうかは明確ではない。RIVMはタバコアクセサリーの広告や販売の制限を提案する。また喫煙者に誤解させるような主張は禁止を提言する。タバコは常に有害である。

 

[USDA]APHISはアメリカの農業を守って50年を祝う

APHIS Celebrates 50 Years of Protecting American Agriculture

Apr 4, 2022

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/news/sa_by_date/sa-2022/aphis-50

APHISは1972年4月2日に作られた

 

APHIS Celebrates 50 Years!

https://www.aphis.usda.gov/aphis/banner/aboutaphis/aphis50/50th-anniversary

50年の歴史

(というか1880年代まで遡っている。昔の白黒写真)

 

[IAEA]更新39-ウクライナの状況についてのIAEA事務局長の声明

Update 39 – IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine

01 Apr 2022

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-39-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

チョルノービル(チェルノブイリ)原子力発電所立ち入り禁止区域でロシア軍兵士が高線量被ばくしたかどうか確認できていない

(被ばくによる急性症状が出ているという報道があるけれど信頼性はかなり低く、むしろ言及者の放射能へのスタンスが反映されているようだ)

 

論文

-新しい報告は、業界が主導する子ども向けの広告制限イニシアチブは、不健康な食品や飲料のマーケティングから子どもを守ることに失敗していることを明らかにする

New report reveals industry-led initiative restricting products advertised to kids fails to protect them from marketing of unhealthy foods and beverages

5-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/948089

コネチカット大学食品政策と健康Ruddセンターの新しい報告書FACTS 2022

(子どもの飲料として水とミルク以外認めない、なら業界主導は無理なのでは)

 

-ベジタリアンの食事を準備する:誤解を修正しヘルスケアコミュニティにベジタリアン食について教育するための新しいガイド

Fixing the vegetarian plate: A new guide aims to correct misconceptions and educate the health-care community about the vegetarian diet

4-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/948632

国際ベジタリアン協会による500ページの成人向けビーガン栄養ガイドThe Guide to Vegan Nutrition for Adults

(ビーガンなのかベジタリアンなのかわざと一緒にしているのか)

 

-‘GMO’論争の状況-農業バイオテクノロジーについてのメディアの論調はますます好意的に、分断が少ない方向へ?

The state of the ‘GMO’ debate - toward an increasingly favorable and less polarized media conversation on ag-biotech?

Sarah Evanega et al.,

GM Crops & Food Volume 13, 2022 - Issue 1

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645698.2022.2051243

遺伝子組換え作物が広く市販されるようになってから約30年になるが、安全性と有用性についての世界中の科学的合意にもかかわらず農業でのバイオテクノロジーの使用に関して騒々しい論争は続いている。この研究では2018年から2020年の間のソーシャルメディアと伝統メディアでのGMOに関する対話の量と意図を解析した。英語で書かれたオンライン及び印刷記事103,084報とソーシャルメディアの投稿1,716,071を調べた。

この間、伝統メディアのGMOの記事は有意に増え、ソーシャルメディアの投稿は劇的に80%以上減った。2018年と2019年には伝統メディアの方がソーシャルメディアより幾分かポジティブだったが2020年にはその差が消失した。伝統メディアもソーシャルメディアも好意的な方向に変化している

(活動家がコロナワクチンのような他のターゲットに向かったとか?)

 

-研究は、Joe RoganがCOVID治療法として支持した馬の薬であるイベルメクチンはウイルス治療に何の効果もないことを発見した

Study finds ivermectin, the horse drug Joe Rogan championed as a COVID treatment, does nothing to cure the virus

BY EAMON BARRETT March 31, 2022

https://fortune.com/2022/03/31/ivermectin-covid-joe-rogan-cure-treatment-effectiveness-study/

NEJMに発表された論文の報道

 

その他

-食品表示は常に訴訟の標的

Food Labels Are Constant Targets Of Litigation

By Jane Caldwell, Ph.D. — April 4, 2022

https://www.acsh.org/news/2022/04/04/food-labels-are-constant-targets-litigation-16219

食品包装の宣伝文句がますます吟味されるようになり、食品製造業者への集団訴訟が急増している。食品活動家と消費者団体は、訴訟を、大企業による詐欺的マーケティングとグリーンウォッシュから消費者を守るための手段とみなしている。一方で食品企業は裁判所外での和解金を目当てにした脅迫の一種とみなしている。

「ナチュラル」「ヘルシー」「持続可能」「全粒穀物」「人道的」「家庭的農場」のような単語や文言が食品の包装にはよく見られるが、販売者は注意すべきである。これらは全て集団訴訟で誠実でないとされている。2019年にBen and Jerryアイスクリームは訴訟を受けて「ハッピーな乳牛」というフレーズを排除した。食品表示と規制コンサルタントのMichelle Wrightは「毎月食品表示訴訟を要求する手紙を見る」という。クライアントは「どうすればいい?」と尋ね私は経験ある食品弁護士を探すように言う。多くの企業は高額な裁判費用と訴訟による負のイメージが広がることを恐れて示談にする。

米国ではほとんどの食品の安全性と品質と表示はFDAの管轄である。「ナチュラル」の法的定義については規則はないが方針はある。「ヘルシー」には厳密な定義がある。

規則や方針にかかわらず、ある種の食品に関する主張は事業者にとって高くつく。法律事務所Perkins Coieによると、2021年には食品や飲料企業に対して325件の訴訟があった。2008年には19件だった。訴訟の最大のカテゴリーが表示されている文言についてである。2021年の食品表示訴訟増加は特に「バニラ警察Vanilla Vigilante」として知られるニューヨークの一人の弁護士による。彼はバニラの風味やその他の香料について絶えることのない訴訟をおこした。他の原告では「本物の果物から作った」「微糖」「塩と酢のポテトチップ」などが疑問だとされている。これらは弁護士の飯の種になったのだろうか?

消費者団体はこうした訴訟を巨大食品企業への説明責任を要求する必要な行動だと主張する。こうした訴訟の費用は消費者価格に上乗せされる?

昨年、2021年食品表示近代化法が議会を通過した。今週FDAが意見募集を発表している。消費者や団体はウェブサイトから意見を提出できる。弁護士ではなく、みんなで参加して食品表示を正直なものに変えていこう。

 

-ドイツの中毒事故との関連で学生拘留

Student held in relation to German poisoning incident

By News Desk on April 5, 2022

https://www.foodsafetynews.com/2022/04/student-held-in-relation-to-german-poisoning-incident/

ドイツ警察が、昨年大学での汚染食品と飲料による中毒事件に関係したと信じる女性を拘留した。Mainzの32才の女性で精神病院にいる。

2021年8月にDarmstadt工科大学で各種食品や飲料を摂取後に7人が健康問題を生じた。犠牲者の血液と尿の検査から、有害物質による中毒が示唆された。容疑者は捜査の初期段階から注目されていた。彼女は2017年から大学にいる。中毒原因物質は公になっていない。

 

-Natureニュース

有名なCOVID専門家がよりオンライン虐待されやすい

Higher-profile COVID experts more likely to get online abuse

04 April 2022  Richard Van Noorden

https://www.nature.com/articles/d41586-022-00936-4

調査の結果、ニュースメディアに頻繁にでた科学者が最もオンラインでの個人攻撃や荒らしを報告する

ScienceとNatureのそれぞれの調査で。

 

-2024年までにグリホサートを禁止するメキシコの計画は既に農家、消費者、環境にとって裏目に出ている

Mexico’s plan to ban glyphosate by 2024 is already backfiring against farmers, consumers and the environment

Luis Ventura | April 5, 2022

https://geneticliteracyproject.org/2022/04/05/mexicos-plan-to-ban-glyphosate-by-2024-is-already-backfiring-against-farmers-consumers-and-the-environment/

メキシコ政府は2024年までにグリホサートとそれと対になるGMOコーンを完全禁止する計画を進めている。GMOコーンは別の命令で既に禁止されている。

グリホサート禁止は昨年の大統領令によるものでまだ発効していないにもかかわらず既に農家の収入が減っている。さらに二次的な、意図せぬ帰結として農家は規制されていない海賊版の除草剤に変え、それはグリホサートよりずっと環境に悪いだろう。メキシコはより広範な農業バイオテクノロジーの拒否計画の一環として2018年5月以降GMは一つも認可していない。これはこの国の最大の成功のひとつであるGM綿の行方にも暗雲を投げかけている。

メキシコがグリホサートの代わりとして提案しているのがマチェーテ(ナタのような刃物)で、労働力が必要なだけでなく二酸化炭素の放出も増える。この馬鹿げた代用のため、全ての除草剤の値段が既に急騰していて、闇での未承認除草剤の取引が膨らんでいる。当局は闇市場対策はしない。この闇の市場は除草剤だけでなく種子にも及び、犯罪組織の拡大につながっている。

環境NGO活動家が宣伝し現在のメキシコ政府が採用した「グリホサートフリーの国になる」という空想は、既に持続可能性と経済への災害を引き起こしつつある。