2022-04-21

[FDA]FDAはボトル入り飲料水の添加フッ化物濃度に関する最終規則を発表する

FDA Releases Final Rule for Added Fluoride Levels in Bottled Water

April 19, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-releases-final-rule-added-fluoride-levels-bottled-water

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、「飲料:ボトル入りウォーター」と題した、ボトル入り飲料水の添加フッ化物濃度に関する最終規則を発表した。この最終規則は、フッ化物が添加された国内及び輸入ボトル入り飲料水のフッ化物の許容濃度を0.7mg/Lに改訂するものである。提案された規則案は2019年4月に公表された。

最終規則の最大添加フッ化物濃度は、米国公衆衛生局(PHS)が現在推奨している、フッ化物を添加した地域水道水のフッ素濃度と一致する。この最大濃度は、虫歯の予防とフッ化物の過剰暴露のリスクのバランスをとる。この最終規則は、天然由来のフッ化物のみを含む(すなわち、製造者によって添加されていない)ボトル入り飲料水には影響しない。フッ化物の添加は成分表で表示されなければならないので、消費者はボトル水の表示を調べてフッ化物が添加されているかどうかを判断することができる。

最終規則は2022年6月19日に発効し、業界の遵守期日は2022年10月17日である。

 

[FDA]FDAは主要食物アレルゲン以外の食物アレルゲンの公衆衛生上の重要性を評価するガイダンス案を発表する

FDA Issues Draft Guidance on Evaluating the Public Health Importance of Food Allergens Other Than the Major Food Allergens

April 18, 2022

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-issues-draft-guidance-evaluating-public-health-importance-food-allergens-other-major-food

本日、米国食品医薬品局(FDA)は、職員及びその他の関係者向けに「連邦食品・医薬品・化粧品法に指定された主要食物アレルゲン以外の食物アレルゲンの公衆衛生上の重要性の評価」と題するガイダンス案を公表した。このガイダンス案が最終化されると、米国の法律で定められた主要食物アレルゲン以外の食物アレルゲンの公衆衛生上の重要性を評価する際に、一般的に取るべきアプローチに関するFDAの現在の考え方を示すことになる。主要食物アレルゲンとは、牛乳、卵、魚、甲殻類、木の実、ピーナッツ、小麦及び大豆である。2023年1月1日より、ゴマは9つ目の主要食物アレルゲンとなる。このガイダンス案では、主要食物アレルゲンではない食物アレルゲンを非指定食物アレルゲンと呼ぶ。

米国の数百万人の人が食物アレルギーやその他の食物過敏症で、160種類以上の食物アレルゲンが知られている。FDAはこれらの人々を保護するため、企業に対し、主要食物アレルゲンや主要食物アレルゲンを特定の方法で使用した原材料を包装食品のラベルに表示するよう求めている。又、食品製造業者に対し、アレルゲンのクロスコンタクト(交差接触)(又は、意図しない食品への主要食物アレルゲンの混入)の予防を求める規則も施行している。

本ガイダンス案は、非指定食品アレルゲンに関する新興のエビデンスを、一貫した透明性のある方法で評価し将来の対応の参考とするFDAの取り組みの一環である。非指定食物アレルゲンに対するFDAのアプローチは、最も深刻で即座に生命を脅かすと考えられる免疫グロブリンE抗体(IgE)仲媒介性の食物アレルギーに焦点を当てている。ガイダンス案では、IgE介在性食物アレルギーの原因として食品を立証する科学的エビデンスと、FDAが評価で考慮する予定の有病率、重症度及びアレルゲン誘発強度などの科学的要因について示す。また、非指定食物アレルゲンの公衆衛生上の重要性の判断に関連するエビデンスを同定及び評価するためのFDAの推奨事項が記載されている。

本ガイダンス案では、関係者が非指定食物アレルゲンの公衆衛生上の重要性を評価するために、FDAへの要求の提出方法の情報も含まれる。FDAはレビュー用に、関係者がIgE介在性アレルギーを引き起こす食品のデータを、食物アレルギーの有病率、アレルギー反応の重症度及び食物アレルゲンの誘発強度に関するデータとともに提出することを提案する。又、関係者が非指定食物アレルゲンを含む食品の表示及び製造に関する情報などについても、提供することを提案する。

 

[FDA]警告文書

-Sunshine Mills, Inc

MARCH 07, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sunshine-mills-inc-618141-03072022

CGMP違反、動物用食品、不純品の問題。以前にアフラトキシンの上昇によりリコール。

 

-Riedstra Dairy, Ltd.

FEBRUARY 04, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/riedstra-dairy-ltd-621812-02042022

動物組織への違法医薬品残留、不純品の問題。牛の腎臓組織からデスフロイルセフチオフルが基準値0.4 ppmを超える0.568 ppmが検出される。

 

-Agroson’s LLC

MARCH 11, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/agrosons-llc-620490-03112022

「外国供給業者検証プログラム(FSVP)」違反の問題。

 

-Langlinais’ Baking Company

MARCH 14, 2022

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/langlinais-baking-company-625493-03142022

食品CGMP違反、調理、包装、衛生管理、不純品の問題。

 

-Eli’s Manhattan Warehouse, Inc.

DECEMBER 14, 2021

https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/elis-manhattan-warehouse-inc-618952-12142021

FSVP違反の問題。

 

[FDA]公示

- Artri King は表示されない医薬品成分を含む

Artri King contains hidden drug ingredient

4-20-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-artri-king-contains-hidden-drug-ingredients

FDAはwww.amazon.com、www.latinfoodsmarket.com、www.walmart.com を含むウェブサイト及び一部の小売店で、関節痛や関節炎のために販売されている可能性があるArtri King を購入または使用しないよう、消費者に助言する。製品にジクロフェナクとデキサメタゾンが含まれている。製品写真あり。

 

- Ortiga Mas Ajo Reyは表示されない医薬品成分を含む

Ortiga Mas Ajo Rey contains hidden drug ingredient

4-20-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-ortiga-mas-ajo-rey-contains-hidden-drug-ingredient

FDAはwww.amazon.com を含むウェブサイト及び一部の小売店で、関節痛や関節炎のために販売されている可能性があるOrtiga Mas Ajo Reyを購入または使用しないよう、消費者に助言する。製品にジクロフェナクが含まれている。製品写真あり。

 

- Ortiga Mas Ajo Rey Extra Forteは表示されない医薬品成分を含む

Ortiga Mas Ajo Rey Extra Forte contains hidden drug ingredient

4-20-2022

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/public-notification-ortiga-mas-ajo-rey-contains-hidden-drug-ingredient

FDAはwww.ebay.comを含むウェブサイト及び一部の小売店で、関節痛や関節炎のために販売されている可能性があるOrtiga Mas Ajo Rey Extra Forteを購入または使用しないよう、消費者に助言する。製品にジクロフェナク、デキサメタゾン、メトカルバモールが含まれている。製品写真あり。

 

[ヘルスカナダ]助言:未承認の製品は深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある

Unauthorized products may pose serious health risks

2022-04-19

https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/unauthorized-products-may-pose-serious-health-risks

ヘルスカナダは精力剤、減量製品、活力剤あるいは「ポッパーズ」として販売されている未承認の深刻な健康リスクを引き起こす可能性がある健康製品に関して市民に助言し、情報を更新している。掲載製品にはCardarine、ダポキセチン、亜硝酸エステル、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、シルデナフィル、タダラフィル、ヨヒンビン等を含む。

 

[FSA] 研究プロジェクト

ナノおよびマイクロプラスチック(NMPs)の微生物学的コロニー形成と食物連鎖におけるその重要性についての批判的レビュー

A critical review of microbiological colonisation of nano- and microplastics (NMPs) and their significance to the food chain

20 April 2022

https://www.food.gov.uk/research/foodborne-disease/a-critical-review-of-microbiological-colonisation-of-nano-and-microplastics-nmps-and-their-significance-to-the-food-chain

 このプロジェクトでは、ナノおよびマイクロプラスチック(NMP)にコロニー形成する微生物の多様性、これらの微生物学的に汚染されたプラスチックが食物連鎖に入る経路、それらがヒトの健康にもたらすリスクについての科学文献をレビューする。

環境中NMPについての論文は主に海洋や水系で、病原性微生物との関連は示されているもののデータは少なく、プラスチック以外の粒子との比較データが欠けている。NMPがフードチェーンに入る経路についての論文は一般的に少ない。病原微生物がNMPと一緒にフードチェーンに入る可能性は想定されるがその結果どうなるか、他の微粒子との比較については十分研究されていない。ほとんどの食品や飲料でNMPの食事からの摂取量の定量研究がない。現時点ではこの分野の研究がなく、微生物汚染のなるNMPの影響を評価するのは困難である。

 

[HK]FEHDは生食用カキの食品安全の保証に取り組む(写真付)

FEHD strives to ensure food safety of oysters to be eaten in raw state (with photo)

20 Apr 2022 

https://www.fehd.gov.hk/english/news/details/20220420_9437.html

食品環境衛生署(FEHD)の食品安全センター(CFS)と環境衛生部門は生の状態で食べるカキ(生ガキ)を適切な温度(4℃以下で他の食品とは分けて)で保存するよう、認可食品工場への検査を強化した。

 

[HK]輸入冷凍チキンレッグの包装サンプルからCOVID-19ウイルスが検出される

Packaging sample of imported frozen chicken leg tested positive for COVID-19 virus

Tuesday, April 19, 2022

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20220419_9431.html

ブラジルから輸入された冷凍チキンレッグ約500カートン(合計約7.5トン)から6つのサンプルを採取し、検査の結果、サンプル1個がウイルス陽性であった。

これまでCFSは30000検体の食品と包装のウイルス検査を行っていて、上述のもの以外に昨年8月にマナガツオ、昨年11月にコウイカスライス、今年2月に牛と豚の皮、この4月に雄牛の内臓で陽性だった。

COVID-19ウイルスは主に飛沫を介して感染し、食品や食品包装中では増幅できない。食品を食べることでヒトに伝染することはありそうにない。

(中国本国と違う主流派の見解を記述)

 

[NASEM]精密及び個別化栄養の課題と機会 ワークショップの概要

Challenges and Opportunities for Precision and Personalized Nutrition

Proceedings of a Workshop (2022)

https://nap.nationalacademies.org/catalog/26299/challenges-and-opportunities-for-precision-and-personalized-nutrition-proceedings-of

2021年8月10-12日に開催されたワークショップの概要

 

[CDC]公共交通機関でのマスクについてのCDCの声明

CDC Statement on Masks in Public Transportation Settings

April 20, 2022

https://www.cdc.gov/media/releases/2022/s0420-masks-public-transportation.html

CDCは上訴を要請した

CDCは人々に屋内公共輸送では全ての人にマスク着用を推奨し続ける。CDCの最大の優先事項はこの国の公衆衛生を守ることである

 

[WHO]WHO伝統医学グローバルセンター

WHO Global Centre for Traditional Medicine (GCTM)

https://www.who.int/initiatives/who-global-centre-for-traditional-medicine

インドが主に出資してインドのグジャラート州Jamnagarに設立。2024年に新しく建物を作る

必要な理由

世界人口の80%が伝統医療を使っていると推定される。通常の医療が手に入らない地域では主流である。またウェルネスやビューティー産業などで市場が拡大している

(貧しい国にまともな医療を与えない口実として、金持ちの国では金儲けのために、WHOが「伝統医療(インチキ含む)」にお墨付きを与えるのだそう。邪悪としか言いようがない。絵は一見世界地図のようだがアメリカ大陸はなくインドが中心。)

 

[WHO]出版物

-非糖類甘味料使用の健康影響:系統的レビューとメタ解析

Health effects of the use of non-sugar sweeteners: a systematic review and meta-analysis

World Health Organization, Rios-Leyvraz, Magali & Montez, Jason. (2022)

https://apps.who.int/iris/handle/10665/353064

 

-食品のマーケティング暴露と力とその食品関連態度、信念、行動との関連:逸話的レビュー

Food marketing exposure and power and their associations with food-related attitudes, beliefs and behaviours: a narrative review

World Health Organization. (2022).

https://apps.who.int/iris/handle/10665/351521

 

-食物アレルゲンリスク評価:パート1: Codex優先アレルゲンリストのリスク評価によるレビューと妥当性評価:会議報告

Risk assessment of food allergens: part 1: review and validation of Codex alimentarius priority allergen list through risk assessment: meeting report

World Health Organization & Food and Agriculture Organization of the United Nations. (2022).

https://apps.who.int/iris/handle/10665/352624

 

-異なる食品カテゴリーに世界的ナトリウム指標を設定することについての技術協議:2020年10月21-23日のバーチャル会合の報告

Technical consultation on setting global sodium benchmarks for different food categories: report of a virtual meeting, 21–23 October 2020.

World Health Organization. (2022).

https://apps.who.int/iris/handle/10665/353331

 

WHO global sodium benchmarks for different food categories

World Health Organization. (2021)

https://apps.who.int/iris/handle/10665/341081

 

[MPI]新しい食品リコールガイダンス

New food recall guidance

20 April 2022

https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/new-food-recall-guidance/

Food recalls

https://www.mpi.govt.nz/food-business/food-recalls/

ガイダンス

https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/50719-Step-by-step-food-recall-guidance-for-food-businesses

(リコールするかどうか、どのレベルでするのかをリスク評価して当局に相談する手順となっている。

食品リコールリスク評価入力フォーム等ある

事業者には廃棄以外にも再加工、ラベルはり替え、他の目的での使用等選択肢がある

消費者に害を与える可能性のないものまでリコールは求めていない、問題を解決してリコールはしないという選択肢がある。)

 

論文

-減量における時間制限あり/なしのカロリー制限

Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss

Deying Liu, et al.,

April 21, 2022 N Engl J Med 2022; 386:1495-1504

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114833

139人の肥満患者を時間制限(午前8:00から午後4:00まで)ありと無しで1日1200-1800kcalのカロリー制限食にわりつけた。12ヶ月後の体重変化に時間制限による差はなかった

 

-S-アデノシルメチオニン過剰はアデニンへの異化を介してメチル化を阻害する

Excess S-adenosylmethionine inhibits methylation via catabolism to adenine

Kazuki Fukumoto et al.,

Commun Biol. 2022 Apr 5;5(1):313

https://www.nature.com/articles/s42003-022-03280-5

京大。オープンアクセス

外来S-アデノシルメチオニンが生体リズムを撹乱する

 

-ナノ粒子は妊娠中に胎盤を通過し胎児に暴露する可能性がある

Nanoparticles can cross the placenta during pregnancy, potentially exposing fetus

19-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950189

Placentaに発表されたラットに二酸化チタンナノ粒子を吸入させた実験。科学者が驚いたことは投与していない対照群からも二酸化チタンが検出されたことで、結果的に餌に含まれていた。(電子顕微鏡で細胞内、核内に確認、とのこと。電顕レベルのゴミを探すのは嫌な仕事だろう…)

 

-英国骨粗鬆症ガイダンスグループが新しいガイダンスを発表

UK National Osteoporosis Guideline Group publishes new guidance

20-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950197

NICEの承認を得て、FAQと患者向け情報と一緒に新しいガイドラインが公表された

National Osteoporosis Guideline Group (NOGG)

https://www.nogg.org.uk/

ライフスタイルと食事に関する助言は

・健康的でバランスのとれた食事、お酒はほどほどに、喫煙はしない

・カルシウムとビタミンDを十分摂ること。必要ならサプリメントも。

・的的に体重負荷運動と筋肉強化運動を。

 

-NISTの研究が日用品のプラスチック製品が水に何兆個ものマイクロプラスチック粒子を放出することを示す

NIST study shows everyday plastic products release trillions of microscopic particles into water

20-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/950249

Environmental Science and Technologyに発表された研究。食用ナイロンバッグと内側に低密度ポリエチレンコートされている使い捨てカップに100℃のお湯を入れて放出された粒子を調べた。FDAの食品と接触するプラスチックの規制は質量がどのくらい溶出するかであり、今回の実験では安全基準を満たしていた。

(粒子の数が多いと言えば言うほど、今までそれで何か問題でも?になるのでは)

 

-オピオイド関連死がより若い成人に影響している、研究が発見

Opioid-related deaths affecting more younger adults, study finds

20-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/949649

カナダ、オンタリオのオピオイド関連死亡率が過去20年で5倍になった

2003年から2020年に、オンタリオのオピオイド関連死亡率は5倍に増加し、分布も又より若くなって今やピークは30代である。PLOS ONE

 

-ペットの大麻中毒は有意に増加した

Cannabis poisoning cases in pets have increased significantly

20-APR-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/949648

PLOS ONEに発表された米国とカナダの251人の獣医の調査。

2018年にカナダで大麻が合法化されてから大麻中毒の事例はアメリカとカナダの両方で急増した。最も多いのは食用大麻を意図せず飲み込んだ事故。犬が最も多いが、猫、イグアナ、フェレット、馬、オウムでも報告されている

 

-小さい子どもの原因不明の肝炎症例の調査、スコットランド、2022年1月1日から2022年4月12日まで

Investigation into cases of hepatitis of unknown aetiology among young children, Scotland, 1 January 2022 to 12 April 2022

https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2022.27.15.2200318

特徴は重症であるということ。共通の食品や飲料への暴露はみつかっていない

最も疑われているのはアデノウイルスだが、普通より重症である理由として新しい変異株あるいは子どもたちのロックダウンによる免疫系の脆弱さ。

(小児科の先生方はこういう免疫系の「訓練」不足をわりと心配していた)

 

SMC UK

-抗うつ剤と健康関連生活の質を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at antidepressants and health-related quality of life

APRIL 20, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-antidepressants-and-health-related-quality-of-life/

PLOS ONEに発表された研究が、抗うつ剤とうつ患者の健康関連生活の質(HRQoL) を調べた。

8人の専門家のコメント

(プレスリリースが抗うつ剤は役に立たない、みたいな感じだったので批判多数

抗うつ剤を使用したうつ患者と抗うつ剤を使用しなかったうつ患者の比較、おそらく使用者の方が重症。抗うつ剤も「敵」と見なす人たちがいるせいか常に叩かれている)

 

-気候、農業、昆虫集団を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at climate, agriculture and insect populations

APRIL 20, 2022

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-climate-agriculture-and-insect-populations/

Natureに発表された研究が気候変動と生物多様性について調べた

York大学生態学教授Jane Hill教授

世界の生物多様性の膨大な部分を占め生態系にとって重要な昆虫の、種の多さと量が減ることには懸念がある。問題は世界中で量の変化について十分信頼できるデータがほとんどないということで、それが研究者間での意見の相違につながっている。著者らは約18000種の750万の記録データから短期の「スナップショット」研究を解析した。そのような多様なデータを解析することには大きな課題があり標準化された方法でより広範に世界の昆虫の変動を監視する必要がある。

この研究では高密度農業が昆虫にとって壊滅的影響があることを示し、熱帯の温暖化ではどの昆虫も繁栄しないだろうと示した。より広く自然の住処を維持することが昆虫減少を緩和すると考える

Reading大学応用生態学教授Tom Oliver教授

土地の使用と気候変動の相互作用が生物多様性に重要であることが最近10年で認識されるようになってきた。例えば極端な干ばつ後の蝶の回復には住処の分断化の程度が影響する。。このOuthwaiteら研究は土地使用と気候の相互作用の解析を地球レベルまで拡大したことが新しい。

一カ国での研究に比べてデータはまばらで気候変動の影響を推定するのは難しい。昆虫集団のモニタリング能力を強化することが必要である

(長いコメント略)

 

その他

-SMC NZ

我々のサプライチェーンの問題を洗い出す-専門家の反応

Sorting out our supply chain woes – Expert Reaction

20 April 2022

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2022/04/20/sorting-out-our-supply-chain-woes-expert-reaction/

ニュージーランドの輸送と供給網が直面している課題について記述したペーパーが発表され意見募集が行われる

この政府のペーパーは、労働環境がパンデミック以前に戻る可能性は低いといい、排出量の少ない輸送システムなどの各種解決法を提案している。一方現在の供給網の問題は中国のロックダウンの影響で悪化が予想されている

(NZにとって中国が最大の輸出入相手国。オーストラリアよりシェアが大きい。中国から見たらNZなんてほんの僅かだろうけれど)

 

-Nature Volume 604 Issue 7906, 21 April 2022

の表紙は生命のスピードLife Speed(細胞に突然変異が蓄積する速度の種差)

体細胞突然変異の速度は哺乳類間で寿命に対応する

Somatic mutation rates scale with lifespan across mammals

Alex Cagan et al.,

https://www.nature.com/articles/s41586-022-04618-z

オープンアクセス

 

研究ハイライト

・インカの生贄犠牲者にはアヤフアスカが与えられていた

Archaeol. Sci. Rep. 43, 103415 (2022)に発表された研究。ミイラから見つかった向精神薬の痕跡は抗うつ剤としての使用の最も早い根拠かもしれない。ペルーのアンデスの休火山Ampatoの山頂から500メートルほど下の場所から1995年に発見された6-7才の男女の自然にミイラになった遺体の髪の毛と爪からBanisteriopsis caapi由来化合物の痕跡を発見した。子どもたちは殺される前の不安を和らげるためにアヤフアスカが与えられていたと研究者は推測する。

 

-スリランカの危機:緑の狂信がまともに受け取られると

Sri Lankan crisis: When green fanatics get taken seriously

Ravi Shanker Kapoor Updated : April 9, 2022,

https://www.sundayguardianlive.com/opinion/sri-lankan-crisis-green-fanatics-get-taken-seriously

Rajapaksasは2021年4月にオーガニックを強制したことで致命的間違いを犯した

(グリーンテロリストとかグリーンファナティックとかいう単語が飛び交う)

 

-英国人の大部分はHFSS制限が肥満対策に有効ではないだろうと信じる

Majority of Brits believe HFSS restrictions will be ineffective in fighting obesity

19-Apr-2022 By Gill Hyslop

https://www.foodnavigator.com/Article/2022/04/19/majority-of-brits-believe-hfss-restrictions-will-be-ineffective-in-fighting-obesity

「不健康な食品」とされるものの宣伝広告制限が2023年1月から発効する。しかしアンケート調査では支持は少ない

 

-デンマークは食品の独自気候ラベルを開発する世界初の国である

Denmark ‘first country in the world’ to develop its own climate label for food

19-Apr-2022 By Flora Southey

https://www.foodnavigator.com/Article/2022/04/19/denmark-first-country-in-the-world-to-develop-its-own-climate-label-for-food

4月16日にデンマークのRasmus Prehn食品農業水産大臣は食品のための気候ラベル開発に公的資金を提供すると発表した2022年末に提案を期待する

 

-リスクの低い前立腺がんから「がん」のレッテルをとり除くべき時?

Is It Time to Remove 'Cancer' Label From Low-Risk Prostate Tumors?

Mary Chris Jaklevic April 18, 2022

https://www.medscape.com/viewarticle/972337

専門家チームが初期の、グレードの低い前立腺がんの名前の変更を提案している。患者や家族が不安になって不必要な治療を受けることを減らすため

(甲状腺がんもそういう議論がある。「がん」と診断されてのアクティブサーベイランスには心理的負担が大きすぎる)